JP7347607B1 - エレベータ - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺ロープのシーブに対する振れ角の大きさが過大となる前に長尺ロープの横振れを抑制できるエレベータを提供する。【解決手段】エレベータ10は、かご側主ロープ部分24Aの横振れを測定する測域センサ49Aと、測域センサ49Aの測定する測定値に基づいて綱車22に対するかご側主ロープ部分24Aの振れ角θuを算出する振れ角監視部5217と、振れ角監視部5217の算出する振れ角θuが制限値θcr1以上である場合に乗客による登録操作に基づいてかご26を昇降させる通常運転モードから乗りかごを最寄り階に停止させる休止管制運転に切り替える運転制御部54と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、エレベータに関する。
ロープ式エレベータでは、巻上機の綱車(シーブ)の周面に環状に形成されたロープ溝に嵌まり込んだ状態で同綱車に架け渡された主ロープを介して同ロープの両端側に各々乗りかごと釣合おもりの上部が連結され吊り下げられる。そして、乗りかごと釣合おもりの底部同士が、昇降路の底部に設置された釣合車(シーブ)に巻きかけられた釣合ロープを介して連結されている。
また、高層建物などに設置される昇降距離の長いロープ式エレベータでは、地震や強風などによる建物の揺れに起因して上述した主ロープや釣合ロープなどの長尺ロープに水平方向の振れ(以下、この振れを「横振れ」と称する。)が生じる場合がある。
この横振れの振幅が大きくなると昇降路内に設置されている機器や金具などの突出物に長尺ロープが接触して損傷させたり、引っ掛かる場合も起こり得るため横振れの振幅が大きくなる前に長尺ロープの振幅が大きくならない位置(以下、「非共振位置」と称する)に乗りかごを昇降させることが望ましい。
一方、建物の揺れが大きく長尺ロープの振幅が急速に増大する場合など、長尺ロープの振幅が大きくなるまでに乗りかごを非共振位置に昇降させるのが難しい場合には乗りかごを停止させることで昇降路内に設置された機器の損傷を最小限に抑制することが望ましい。
特許文献1には、GPS装置5から入力される建物変位情報に基づいて建物の揺れ変位や振動周波数、振動時間等を計算し、計算結果に基づいて長尺ロープ揺れの振幅が大きくなる可能性を判断するように構成されたエレベータについて開示されている。さらに、長尺ロープ振れの振幅が大きくなる可能性が高い場合には、長尺ロープの振動周波数や振幅、振幅成長時間が計算され、計算結果を用いて長尺ロープが建物の振動に共振するか否かを判断し、長尺ロープが共振する場合には振幅成長時間内に長尺ロープが共振しない非共振位置まで乗りかごを移動させることが可能であれば非共振位置まで乗りかごを昇降させ、上記振幅成長時間内に非共振位置まで乗りかごを昇降させることができない場合には乗りかごを停止させる技術についても開示されている。
特開2007-276889号 特開2009-166939号
上記特許文献1のエレベータの構成では、長尺ロープの振幅について考慮されているものの同ロープのシーブに対する振れ角の大きさについて考慮されていない。このため、上記振れ角の大きさが過大な大きさとなることによりロープ溝から長尺ロープが外れるなどしてエレベータの運行に支障を来すことも起こり得る。
本発明は、長尺ロープのシーブに対する振れ角の大きさが過大となる前に長尺ロープの横振れを抑制できるエレベータを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係るエレベータは、綱車に架け渡された主ロープを介して釣瓶式に吊り下げられた乗りかごおよび釣合いおもりを含むエレベータであり、主ロープの横振れを測定する測定部と、測定部の測定する測定値に基づいて綱車に対する主ロープの振れ角を算出する振れ監視部と、振れ監視部の算出する振れ角の大きさが予め設定された角度以上である場合に、乗客による登録操作に基づいて乗りかごを昇降させる通常運転モードから乗りかごを所定の乗場に停止させる休止運転モードに乗りかごの運転モードを切り替える運転制御部と、を備えるものである。
本発明の第2の態様に係るエレベータは、エレベータ用昇降路に主ロープを介して吊り下げられるとともに昇降路底部に設定された釣合車に架け渡された釣合ロープの両端側が各々連結される乗りかごおよび釣合おもりを含むエレベータであり、釣合ロープの横振れを測定する測定部と、測定部の測定する測定値に基づいて釣合車に対する釣合ロープの振れ角を算出する振れ監視部と、振れ監視部の算出する振れ角の大きさが予め設定された角度以上である場合に、乗客による登録操作に基づいて乗りかごを昇降させる通常運転モードから乗りかごを所定の乗場に停止させる休止運転モードに乗りかごの運転モードを切り替える運転制御部と、を備えるものである。
本発明のエレベータにおいて、測定部の測定する測定値の経時的変化に基づいて予め設定された大きさに横振れが成長するまでの残り時間が所定の許容時間以下となるときの横振れの大きさを予測する振れ成長予測部を備え、運転制御部は、測定部の測定する測定値に基づいて算出される横振れの大きさが振れ成長予測部の予測する横振れの大きさ以上となる場合に乗りかごを昇降させることにより横振れが大きくなるのを抑制する振れ抑制運転モードを実行してもよい。
本発明のエレベータにおいて、測定部は、上下方向の位置が異なるように各々配置された複数のセンサを含んでもよい。
本発明の第1の態様に係るエレベータによれば、ロープが横振れしたときの主ロープの振れ角が予め設定された角度以上の大きさである場合に通常運転モードから休止運転モードに乗りかごの運転モードを切り替えて実行できる。この結果、主ロープの綱車に対する振れ角が過大となる前に乗りかごの通常運転を中断することが可能となる。
本発明の第2の態様に係るエレベータによれば、ロープが横振れしたときの釣合ロープの振れ角が予め設定された角度以上の大きさである場合に通常運転モードから休止運転モードに乗りかごの運転モードを切り替えて実行できる。この結果、釣合ロープの釣合車に対する振れ角が過大となる前に乗りかごの通常運転を中断することが可能となる。
図1は、本実施形態におけるエレベータの概略構成を示す図である。 図2は、図1に示すエレベータにおける各種ロープの掛け方(ローピング)の一例を示す図である。 図3は、主ロープ群を構成する複数本の主ロープの配列の一例を説明するための概念図である。 図4は、本実施形態のエレベータに含まれる測域センサの上部近傍で切断した昇降路内を示す平面図であり、測域センサの下方にかごが停止している状態を示す図である。 図5は、本実施形態のエレベータに含まれる測域センサの上部近傍で切断した昇降路内を示す平面図であり、測域センサの上方にかごが停止している状態を示す図である。 図6は、本実施形態のエレベータにおいてロープ振れを検出するための制御盤を中心とした制御系統の関係を示すブロック図である。 図7(a)は図4に示す状態で測域センサの1回の走査で検出された物体の座標データをプロットした図であり、図7(b)は制御盤の不要座標排除部によって、図7(a)に示す座標データから不要な座標データを排除した結果を示す図である。 図7(b)に示す、かご側主ロープ部分に該当する座標データ群の中心座標をモニタリングした結果を示す図であり、図8(a)は中心座標が直線的に変位した場合、図8(b)は中心座標が楕円状に変位した場合をそれぞれ示している。 正面側から綱車および釣合車を見た状態で昇降路中央に位置する測域センサの走査対象がかごの昇降位置によって変化することを模式的に示す図であり、図9(a)は昇降路中央に位置する測域センサよりもかごが下方に位置している状態を示し、図9(b)は昇降路中央に位置する測域センサよりも乗りかごが上方に位置している状態を示している。 図10は、横振動に関する用語の定義を説明するための図である。 図11は、sin波形と汎用の機構解析ソフトウェアを用いて解析した横振動の振動波形の一例を示す図であり、sin波形を一点鎖線で、振動波形を実線で各々示す図である。 図12は、図11に示すsin波形を基本として上記振動波形を表す数式において、上記sin波形に対する振動波形の位相差を示す関数f(z,L)の例を示すグラフである。 図13は、図9(a)に示す綱車周辺の構成を拡大して示すとともに同綱車に巻き掛けられているかご側主ロープの振れ角について説明する図である。 図14は、建物の揺れによって継続的に加振される場合に主ロープに発生する横振れの最大振幅位置における振れ幅の経時的変化を示す振動波形図である。 図15は、主ロープや釣合ロープに横振れが発生した場合の運転制御部における管制運転制御の流れを示すフローチャートを示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係るエレベータ10について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、構成要素間の尺度は、必ずしも統一していない。
図1は、エレベータ10が設置された昇降路12内を乗り場(不図示)側から見た正面図(図1では、測域センサ48,49A,49Bは現れていない)であり、図2は、エレベータ10の右側面図である。
図1、図2に示すように、エレベータ10は、駆動方式としてトラクション方式を採用したロープ式エレベータであり、昇降路12最上部よりも上の建物14部分に機械室16が設けられている。エレベータ10は、機械室16に巻上機18とそらせ車20とを備える。巻上機18を構成する綱車22とそらせ車20には、複数本の主ロープが巻き掛けられている。この複数本の主ロープを「主ロープ群24」と称することとする(なお、図1において、主ロープ群24は正確な本数で記載していない。)。
主ロープ群24の一端部にはかご(乗りかご)26が連結されており、他端部には釣合いおもり28が連結されていて、かご26と釣合おもり28とが主ロープ群24でつるべ式に吊り下げられている。
かご26と釣合おもり28との間には、最下端に釣合車30がかけられた複数本の釣合ロープが垂下されている。この複数本の釣合ロープを「釣合ロープ群32」と称することとする。本例では、主ロープ群24を構成する主ロープの本数と釣合ロープ群32を構成する釣合ロープの本数は同数(本例では、8本)である。主ロープと釣合ロープの径は、一般的に、10mm~20mmである。本実施形態において、主ロープおよび釣合ロープは、長尺のロープに相当する。
なお、主ロープ群24を構成する主ロープの本数と、釣合ロープ群32を構成する本数は、上記の本数に限らず、エレベータの仕様に応じて任意に選択される。
かご26の下端部からはトラベリングケーブル34が垂下されていて、トラベリングケーブル34のかご26とは反対側の端部は、昇降路12の上下方向における中程の側壁に設置されたケーブル接続箱(不図示)に接続されている。すなわち、トラベリングケーブル34は、かご26の下端部と上記ケーブル接続箱との間で、細長いU字状に吊り下げられている。トラベリングケーブル34は、かご26と後述する制御盤44との間で電力・信号を伝送するケーブルであり、かご26の動きに合わせて昇降するケーブルである。トラベリングケーブル34としては、一般的には平形ケーブルが用いられ、例えば、その厚みは15mmで幅が100mm程度である。
昇降路12内には、一対のかご用ガイドレール36,38と一対の釣合いおもり用ガイドレール40,42とが、上下方向に敷設されている(いずれも、図1、図2において不図示、図4、図5を参照)。
上記の構成を有するエレベータ10において、不図示の巻上機モータにより綱車22が正転または逆転されると、綱車22に巻き掛けられた主ロープ群24が走行し、主ロープ群24で吊り下げられたかご26と釣合おもり28が互いに反対向きに昇降する。また、これに伴って、かご26と釣合おもり28との間に垂下された釣合ロープ群32は、釣合車30において折り返し走行する。さらに、かご26の昇降に伴って、U字状に吊り下げられたトラベリングケーブル34の下端部(折返し部)も上下方向に変位する。
機械室16には、また、巻上機18やかご26に設置された各種装置(不図示)に電力を供給する電源ユニット(不図示)、および、これらの装置を制御する制御盤44が設置されている。
図6に示すように、制御盤44は各種制御プログラムが記憶されたROM、RAM、およびHDDなどの記憶デバイス(不図示)を含み、同記憶デバイスからCPUが上記プログラムを読み出して演算処理することにより運転制御部54やロープ振れ監視ユニット52として機能する。運転制御部54は、巻上機18などの駆動を制御することにより、かご26を昇降動作等させることでエレベータ10の運転を統括的に制御する機能を有する。運転制御部54は、乗客の操作に基づいて乗場操作盤(不図示)やかご26内に設置された操作盤(不図示)を介して(呼び)登録が行われた行先階の乗場までかご26を昇降させて停止(着床)する、換言すると、乗客を輸送するために行先階乗場まで昇降した後に停止する運転動作を繰り返し実行するように構成された通常運転モードを備える。また、運転制御部54は、上述した通常運転モードから切り替えて後述する各管制運転(振れ抑制管制運転および休止管制運転)を実行可能に構成される。
ロープ振れ監視ユニット52は、後段にて詳述する座標変換部5202、不要座標排除部5204,想定座標領域記憶部5206,中心座標検出部5208,振幅割出部5210,振動次数推定部5212,最大振幅割出部5214,演算式記憶部5216,振れ角監視部(振れ監視部)5217,振れ成長予測部5218、ロープ位置監視部5219(いずれも図6参照)などの機能ブロックを含み、主ロープ群24や釣合ロープ群32に生じる横振れを検出するとともに検出した横振れにおける振れ幅の成長を予測する役割を有する。また、運転制御部54は、ロープ振れ監視ユニット52が検出する横振れの大きさや、同横振れの振幅成長予測に基づいて各種管制運転を実行する役割も有する。
ここで、図2に示すように、主ロープ群24において、かご26を吊り下げる部分をかご側主ロープ部分24Aと称し、釣合おもり28を吊り下げる部分を釣合おもり側主ロープ部分24Bと称することとする。また、釣合ロープ群32において、かご26から垂下された部分(かご26と釣合車30との間の釣合ロープ群32部分)をかご側釣合ロープ部分32Aと称し、釣合おもり28から垂下された部分(釣合おもり28と釣合車30との間の釣合ロープ群32部分)を釣合おもり側釣合ロープ部分32Bと称することとする。上記の定義に従えば、主ロープ群24に占めるかご側主ロープ部分24Aと釣合おもり側主ロープ部分24Bの長さ(範囲)、および、釣合ロープ群32に占めるかご側釣合ロープ部分32Aと釣合おもり側釣合ロープ部分32Bの長さ(範囲)は、かご26および釣合おもり28の昇降位置によって伸縮(変動)する。
主ロープ群24を構成する複数本(本例では8本)の主ロープM1~M8の配列について、図3を参照しながら説明する。図3は、綱車22とかご26との間の主ロープ群24部分、すなわち、かご側主ロープ部分24Aを表した概念図である。
図3(a)の上図は、綱車22およびかご側主ロープ部分24Aの一部を正面から見た模式図であり、図3(a)の下図は、かご26を上面から見た模式図である。図3(a)の下図は、主ロープ群24を構成する主ロープM1~M8のかご26に対する平面視における連結位置と主ロープM1~M8との対応関係を示す図である。図3(b)は、綱車22、かご側主ロープ部分24A、およびかご26の一部を右側方から見た図である。
8本の主ロープM1~M8は、図3(a)の上図に示すように、この順で、綱車22に水平方向(綱車22の軸心方向)に等間隔で巻き掛けられている。主ロープM1~M8の下端部は、図3(a)の下図に示すように、奇数番目の主ロープM1,M3,M5,M7と偶数番目の主ロープM2,M4,M6,M8とで2列に振り分けて、かご26に連結されている。
このように、2列に振り分けるのは、1列で連結すると、主ロープM1~M8端部をかご26へ連結する止め金具(シャックルロッド)の大きさ(外径)の影響により、綱車22における主ロープM1~M8の間隔よりも大きくなり、かご26上部の限られたスペースを有効に用いるのに支障があるからである。
かご26への連結位置における主ロープM1,M3,M5,M7の間隔も、主ロープM2,M4,M6,M8の間隔も等間隔であり、主ロープM1~M8の水平方向の間隔も等間隔である。よって、綱車22からかご26に至る主ロープ群24部分(かご側主ロープ部分24A)の主ロープM1,M3,M5,M7、主ロープM2,M4,M6,M8、および主ロープM1~M8の水平方向の間隔は、上下いずれの位置においても等間隔である。
なお、釣合おもり側主ロープ部分24Bにおける主ロープM1~M8の配列の態様も、上記したかご側主ロープ部分24Aと基本的に同様である(図5)。また、釣合ロープ群32を構成する複数本(本例では8本)の釣合ロープC1~C8に関しても、その折り返し位置が綱車22になるか釣合車30になるかが異なるだけで(すなわち、上下方向が反対になるだけで)、かご側釣合ロープ部分32A、釣合おもり側釣合ロープ部分32Bにおける複数本のロープの配列は、図5、図4に各々示すように、基本的に、それぞれ、かご側主ロープ部分24A、釣合おもり側主ロープ部分24Bと同様である。
上記の構成を有するエレベータ10が設置される建物14が長周期地震や強風によって揺れると、主ロープ群24や釣合ロープ群32は、建物14とほぼ同じ向きに横振動、換言すると横振れする場合がある。主ロープ群24や釣合ロープ群32などの長尺のロープが横振動した場合には、ロープ振れ監視ユニット52を介して横振れが検出され、検出された横振れの大きさに応じた各管制運転(後段にて詳述)を運転制御部54が実行することとなる。
図2に示すように、エレベータ10には、上記ロープ振れ監視ユニット52にロープの位置情報を送信する測域センサ(測定部)48が備えられている。この測域センサ48は、昇降路12の側壁に設置されている。測域センサ48は、昇降路12におけるかご26の昇降範囲の略中央となる位置に設置するのが好ましい。一例として、かご26の昇降距離が100mである場合には、かご26の昇降範囲における最下端から50mだけ上昇した位置に測域センサ48を設置するのが好適である。
ここで、昇降路12は、図4に示すように、本例では、四つの側壁50で囲まれた空間であり、この四つの側壁50を区別する必要がある場合は、符号「50」にアルファベットA,B,C,Dを付すこととする。測域センサ48は、乗り場(不図示)側の側壁50Aに設置されている。また、測域センサ48は、図2、図4、図5に示すように、かご26および釣合おもり28の昇降経路外に設置されている。
測域センサ48は、その設置位置を含む水平面に存する昇降路12内の物体(通常、複数)の設置位置からの方向と距離を計測し、計測した方向と距離を2次元位置データとして出力する。この2次元位置データは、極座標形式である。ここで、上記の水平面を「走査面」とも称することとする。
測域センサ48は、例えば、所定角度間隔(例えば、0.125度)でレーザ光を出射して上記水平面を扇状に走査し、出射したレーザ光毎に物体まで往復してくる時間を計測し、距離に換算する光飛行時間測距法(Time of Flight)により、測域センサ48の設置位置から物体までの距離を計測する公知の2次元測域センサ(Laser Range Scanner)である。走査1回当たりの時間(走査時間)は、例えば、25msecであり、1秒当たりの走査回数は40回である。測域センサ48の走査角度αは、図4、図5に示すように180度に近い大きさであり、測域センサ48の設置位置を含む水平面における昇降路12のほぼ全域が走査範囲になっている。
測域センサ48は、かご26が同センサ48より下方に位置するときは(図2参照)、図4に示すように、かご側主ロープ部分24Aが検出対象となり、かご26が測域センサ48より上方に位置するときは、図5に示すように、かご側釣合ロープ部分32Aが検出対象となる(図9(a)、図9(b)参照)。なお、測域センサ48の設置位置を変更することでかご側主ロープ部分24Aおよびかご側釣合ロープ部分32Aに代えて釣合おもり側釣合ロープ部分32Bや釣合おもり側主ロープ部分24Bを検出対象としてもよいし、測域センサ48を増設することで各釣合ロープ部分32A、32Bや、各主ロープ部分24A、24Bを検出対象としてもよい。
また、図2に示すように、エレベータ10には、測域センサ48と同様の機能・構成を備え、上記ロープ振れ監視ユニット52にロープの位置情報を送信する測域センサ(測定部)49A,49Bが備えられている。各測域センサ49A,49Bは、各々綱車22,釣合車39におけるロープ部分24A,32Aの振れ角θu,θw(後段にて詳述)を測定するために用いられるセンサである。
本実施形態では、測域センサ49A,49Bを用いて振れ角θu,θwの双方を測定しているが、振れ角θu,θwのいずれか一方だけ測定する場合には測定する振れ角に対応する測域センサ49A,49Bのみ設けてもよい。
測域センサ49Aは、測域センサ48よりも上方の側壁50A(すなわち、綱車22の軸心方向に略平行な側壁)に設置され、かご側主ロープ部分24Aの横振れを測定する機能を有する。より具体的には、測域センサ49Aは、かご26の昇降範囲における上端から下端に至る距離の約1/4に相当する距離だけ昇降範囲の上端から降下した位置に設置するのが好ましい。例えば、かご26の昇降範囲における上端から下端に至る距離が100mである場合には、かご26の昇降範囲の上端から25mだけ下降した位置に測域センサ49Aを設置することが考えられる。
一方、測域センサ49Bは、測域センサ48よりも下方の側壁50Aに設置され、かご側釣合ロープ部分32Aの横振れを測定する役割を有する。測域センサ49Bは、かご26の昇降範囲における上端から下端に至る距離の約1/4に相当する距離だけ昇降範囲の下端から上昇した位置に設置するのが好ましい。例えば、かご26の昇降範囲における上端から下端に至る距離が100mである場合には、かご26の昇降範囲の下端から25mだけ上昇した位置に測域センサ49Bを設置すればよい。
各測域センサ48,49A,49Bを用いた横振れの検出原理および検出方法は、ほぼ同一であるため以下の説明では、主に測域センサ48による横振れの検出方法について説明を行い、測域センサ49A,49Bについては測域センサ48と共通する部分については適宜説明を省略し、主に構成の異なる部分について説明を行うものとする。
ここで、かご側主ロープ部分24Aおよびかご側釣合ロープ部分32Aの横振動に関し、図9、図10を参照しながら定義する。
図9(a)は、測域センサ48より下方にかご26が位置していて、かご側主ロープ部分24Aが検出対象となっている状態を示している。図9(b)は、測域センサ48より上方にかご26が位置していて、かご側釣合ロープ部分32Aが検出対象となっている状態を示している。一方、測域センサ49Aは、図9(a)および図9(b)に示すように、かご26の昇降位置に関わらずかご側主ロープ部分24Aを検出対象とし、測域センサ49Bはかご26の昇降位置に関わらずかご側釣合ロープ部分32Aを検出対象としている。なお、本実施形態では、測域センサ49A,49Bを設けてかご側主ロープ部分24Aおよびかご側釣合ロープ部分32Aの双方の横振れを検出しているが、エレベータの設計仕様に応じていずれか一方の測域センサのみ設けるものとしてもよい。
ここで、図10は、本明細書における横振動に関する定義を説明するための図である。かご側主ロープ部分24Aとかご側釣合ロープ部分32Aの両方をまとめて指す場合は、単に「ロープ部分」と適宜表記する。
図10に示すように、ロープ部分の全長をL[m]とする。Lは、測域センサ48の検出対象がかご側主ロープ部分24Aの場合はかご26との連結部から綱車22までの距離であり(図9(a)参照)、測域センサ48の検出対象がかご側釣合ロープ部分32Aの場合は釣合車30からかご26との連結部までの距離である(図9(b)参照)。全長Lは、上述したように、かご26の昇降位置によって変動するが、かご26の昇降位置に基づいて特定することができる。
昇降路12の上下方向におけるロープ部分の下端から測域センサ48までの距離をz[m]とする。zは、かご側主ロープ部分24Aであれば、主ロープ群24のかご26との連結部から測域センサ48の走査面までの距離であり、かご26の昇降位置によって変動するが、当該昇降位置に基づいて特定することができる。zは、かご側釣合ロープ部分32Aであれば、釣合車30から測域センサ48の走査面までの距離であり、かご26が測域センサ48よりも上方に位置しているとき、すなわち、検出対象がかご側釣合ロープ部分32Aであるときは、一定の距離である。
図10に示すように、ロープ部分(24A、32A)の横振動の走査面における振幅をAmea[m]とする。Ameaは、後述するようにして、測域センサ48の検出結果に基づいて、取得される振幅である。横振動の腹における振幅を最大振幅Amax[m]とする。以下の説明において、振動の幅の半分、すなわち、横振動の一点鎖線で示す中心から振れの片側の変位量を片振幅と必要に応じて呼称する。
続いて、測域センサ48において長周期地震や強風に起因して横振動しているかご側主ロープ部分24Aおよびかご側釣合ロープ部分32Aの振幅Ameaを検出する方法、および、振幅Ameaに基づいて最大振幅Amaxを割り出す方法、最大振幅Amaxの振幅成長シミュレーション、これらに基づいて実行される各種管制運転制御などについて説明を行う。これらの方法やシミュレーション、各種管制運転制御は、かご側主ロープ部分24Aとかご側釣合ロープ部分32Aとで共通する。このため、以下の説明では、共通する部分については主にかご側主ロープ部分24Aを例に挙げて説明を行い、かご側釣合ロープ部分32Aについては適宜説明を省略する。
測域センサ48から出力される2次元位置データは、制御盤44の図6に示すロープ振れ監視ユニット52に入力される。
極座標形式の2次元位置データは、図6に示すように、ロープ振れ監視ユニット52に含まれる座標変換部5202によって、水平面(走査面)に採った座標平面における直交座標(xy直交座標)に変換される。
上記直交座標は、例えば、測域センサ48(図7では不図示)の設置位置を原点とする図7(a)、図7(b)に示すようなxy直交座標である。
図7(a)には、かご側主ロープ部分24Aおよび釣合おもり側釣合ロープ部分32Bが測域センサ48の走査範囲に入っている状態(図4に示す状態)において一走査で検出された物体の座標(以下、「座標データ」と言う。)がプロットされている。
図7(a)において、プロットされた座標に対応する物体の符号を括弧付きで記すこととする(図7(b)についても同様)。
上述した測域センサ48の検出原理から理解されるように、第1の物体が検出された場合、測域センサ48から見て、第1の物体の背後に隠れた第2の物体(または、その部分)は検出されない。例えば、側壁50Bの一部が検出されていないのは、当該一部が測域センサ48から見てガイドレール36の背後に隠れているからであり、釣合ロープC1~C8が検出されないのは、釣合ロープC1~C8が主ロープM1~M8の背後に隠れているからである。
本例において、図7(a)に記した座標データの内、必要な座標データは、かご側主ロープ部分24Aに係る主ロープM1~M8の座標データであり、その他の物体の座標データは、当該主ロープM1~M8の特定のためには支障となる。なお、かご26が測域センサ48よりも上方に位置する場合には、測域センサ48の検出対象として必要となるのは、かご側釣合ロープ部分32Aに係る釣合ロープC1~C8である(図5参照)。
そこで、かご側主ロープ部分24A、およびかご側釣合ロープ部分32Aに生じ得る横振れの想定範囲を考慮し、測域センサ48の走査面(水平面)において、かご側主ロープ部分24A、およびかご側釣合ロープ部分32Aのみが存在すると想定される想定座標領域R1(図7(a)および図7(b)において、一点鎖線で囲まれた領域)を予め設定しておく。本例では、想定座標領域R1は、図7(a)に示すように、4点Q1~Q4の座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)によって画定される。このQ1~Q4の座標の一組は、「R1画定情報として」、ロープ振れ監視ユニット52に含まれる想定座標領域記憶部5206(図6参照)に記憶されている。
上述したように、測域センサ48から出力される2次元位置データは、座標変換部5202に入力され、座標変換部5202において極座標から直交座標に変換される。変換後の座標(座標データ)は、座標変換部5202から出力され、ロープ振れ監視ユニット52に含まれる不要座標排除部5204(図6参照)に入力される。
不要座標排除部5204(図6参照)は、想定座標領域記憶部5206に記憶されている上述したR1画定情報を参照し、座標変換部5202からの物体の座標データのうち、想定座標領域R1内に属する座標データのみを出力し、出力された座標データはロープ振れ監視ユニット52に含まれる中心座標検出部5208(図6参照)へ入力される。換言すると、不要座標排除部5204は、座標変換部5202からの物体の座標データの内、想定座標領域R1外に属する座標データを排除して出力し、出力された座標データは中心座標検出部5208へ入力される。
図7(b)は、中心座標検出部5208へ入力された座標データを直交座標にプロットした図である。図7(b)に示すように、中心座標検出部5208に入力された座標データは想定座標領域R1内に存する物体、すなわち、主ロープM1~M8に対するもののみになっている。想定座標領域R1内に存する座標データは、通常、複数個になるので、これらの座標データをまとめて「座標データ群」と称することとする。
中心座標検出部5208は、座標データ群の中心座標CX1を検出する。中心座標CX1は、座標データ群を構成する複数の座標データの算術平均として検出する。中心座標CX1は、座標平面におけるかご側主ロープ部分24Aまたはかご側釣合ロープ部分32Aの中心座標である。
中心座標検出部5208は、検出した中心座標CX1をロープ振れ監視ユニット52に各々含まれる振幅割出部5210と振動次数推定部5212とロープ位置監視部5219へ出力する(図6参照)。
振幅割出部5210は、中心座標検出部5208から出力される中心座標CX1から、かご側主ロープ部分24Aまたはかご側釣合ロープ部分32Aの振幅を割り出す。
ここで、長周期地震や強風に伴う建物14の揺れに起因してかご側主ロープ部分24Aが横振れする場合、かご側主ロープ部分24Aを構成する主ロープM1~M8の各々は、独立して横振れするものの、障害物が無い場合には、基本的には同じ挙動で横振れする。すなわち、図4に示す配列を維持したまま、横振れする。
よって、かご側主ロープ部分24Aの中心座標CX1の振幅を割り出せば、主ロープM1~M8個々の振幅を割り出したことになる。そこで、振幅割出部5210は、中心座標CX1の変位から、かご側主ロープ部分24A全体の走査面(水平面)における振幅を割り出すこととしている。
振幅割出部5210には、静止状態、すなわち、横振れが発生していない状態における中心座標CX1の初期座標が記憶されている。ここで、上記初期座標と中心座標検出部5208から出力される中心座標CX1とにおけるX座標同士またはY座標同士の差分値を求めた場合に差分値の正負が2度反転する(換言すると比較した座標の値の大小関係が2度変化するとも表現できる)と半周期分のデータが得られたこととなり、同様に、3度反転すると1周期分のデータが得られることとなる。そこで、本実施形態では、振幅割出部5210は、例えば、上記X座標同士またはY座標同士の差分値のうちいずれか一方の正負が3度反転するまで(複数回の走査に亘って)モニタリングを行う。これにより、1周期分のデータが得られる。以下、上記モニタリングを行う時間を「観測時間」と呼ぶ。
1回のモニタリングの結果を図8に示す。1回のモニタリングにおける複数の中心座標CX1は、図8(a)に示すように、直線的に列を成したり(以下、この列を「座標列」と称する。)、図8(b)に示すように、楕円状の軌跡を描いたりする。振幅割出部5210は、座標列の両端に位置する座標(Xe1,Ye1)、(Xe2,Ye2)または、楕円の長軸(不図示)の端部付近の座標(Xe1,Ye1)、(Xe2,Ye2)を抽出し、この2点間の距離Ameaを演算する。Ameaが、1回のモニタリングの観測時間中に生じた振幅Ameaとみなされる。この振幅Ameaを求める演算処理は、X座標、Y座標それぞれで実行しX座標の値、Y座標の値それぞれで評価してもよい。また、上記X座標およびY座標の値を他の座標系のデータに変換して評価してもよい。より具体的には、例えば、直交座標系の座標データを極座標系の座標データに変換した上で評価を行う場合などが考えられる。
本実施形態では、上述のように上記初期座標と中心座標検出部5208から入力される中心座標CX1との差分値の正負が3度反転するまでモニタリングすることにより1周期分の中心座標CX1の変化を観測しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記初期座標と中心座標検出部5208から入力される中心座標CX1との差の正負が2度反転するまでモニタリングを行うことで半周期分の中心座標CX1の変化を観測することとし、半周期分のデータを2倍するなどして近似的に1周期分のデータを得るようにしてもよい。
一方、ロープ振れ監視ユニット52に各々含まれる振動次数推定部5212(図6参照)は、かご側主ロープ部分24Aの横振動の振動次数を推定する。ここで、横振動の腹が1つの振動を1次振動、腹が2つの振動を2次振動、腹が3つの振動を3次振動…とし、腹がn個の振動をn次振動として、「n(正の整数)」を振動次数とする。
振動次数推定部5212も、測域センサ48の一走査毎に中心座標検出部5208から入力される中心座標CX1を上記観測時間(複数回の走査に亘って)モニタリングする。そして、中心座標(Xe1,Ye1)から中心座標(Xe2,Ye2)に至る中心座標の個数、または、中心座標(Xe2,Ye2)から中心座標(Xe1,Ye1)に至る中心座標の個数、および測域センサ48の走査の時間間隔に基づいて、かご側主ロープ部分24Aの横振動の振動数fm[Hz]を求める。
振動次数推定部5212は、また、運転制御部54からかご26の昇降路12内の上下方向における位置情報を取得し、取得した位置情報から、かご側主ロープ部分24Aの全長L[m]を特定する。振動次数推定部5212は、下記(数1)によって、かご側主ロープ部分24Aが、1次振動(n=1)、2次振動(n=2)、3次振動(n=3)していると仮定した場合における振動数f、f、fを算出する。
Figure 0007347607000002
(数1)において、Sは主ロープM1~M8の張力、ρは主ロープM1~M8の線密度である。
振動次数推定部5212は、算出した振動数f、f、fと測域センサ48を用いた検出結果の振動数fmとを比較し、振動数f、f、fの内、振動数fmに最も近い振動数を特定する。特定した振動数に対応する振動次数をかご側主ロープ部分24Aの振動次数と推定する。
以上により、振動次数nの推定と、測域センサ48の走査面におけるかご側主ロープ部分24Aの振幅Ameaの検出ができる。
測域センサ48の走査面に横振動の腹(最大振幅)が現れるとは限らないため、検出された振幅から最大振幅を割り出す必要がある。これに対し特許文献2の段落[0026]13行から19行には、
『ロープ5の振動形状を弦の1次振動モードとして、…
1次振動モード形状に基づいて振幅の腹での振幅(腹振幅)を演算する。』
と記載されている。
特許文献2の上記記載に基づけば、下記(数2)によって、走査面における振幅Ameaから最大振幅Amaxを算出することができると考えられた。
Figure 0007347607000003
すなわち、横振動を上記『1次振動モード形状』、すなわち、sin波形で表し、全長Lのロープ部分の下端から距離zにおける振幅Ameaを(数2)に代入して、最大振幅Amaxを求める。
しかしながら、本願の発明者が研究した結果、ロープ部分において現実に生じる横振動の波形は、sin波形から歪むことが判明した。よって、特許文献2に記載の考えに基づき、(数2)で算出した最大振幅Amaxは、現実の最大振幅Amaxとは異なってしまう。
また、近年の高層ビルに設置される昇降行程の非常に長いエレベータでは、ビルの長周期揺れに伴って、ロープ部分が2次振動や3次振動で横振動する場合がある。したがって、現実には2次振動あるいは3次振動しているにも関わらず、1次振動を前提に最大振幅を割り出すと、割り出した最大振幅は、現実の最大振幅よりも大きなものとなる場合がある。その結果、不必要に管制運転が実行されてしまい、運行サービスの低下を招来するおそれがある。
そこで、本願の発明者は、より現実に近い最大振幅を割り出すことを目的として研究を進めた。
先ず、ロープ部分の横振動の挙動を汎用の機構解析ソフトウェアを用いて解析した。解析結果の一例を図11に示す。図11は、ロープ部分の全長LがL=600[m]で、1次振動の場合の解析結果である。図11では、水平方向にy軸を、鉛直方向(昇降路の上下方向)にz軸を採り、便宜上、片振幅=1としたグラフである。
図11において、sin波形を一点鎖線で示している。当該sin波形は、下記(数3)で表される(0≦z≦L)。
Figure 0007347607000004
図11において、上記ソフトウェアによる解析の結果得られたロープ部分の振れ形状(以下、「ロープ振れ形状」と言う。)を実線で示している。図11から分かるように、ロープ振れ形状の腹は、sin波形の腹よりも下がる。詳細な結果は省略するが、ロープ部分の全長Lを変化させた解析結果では、全長Lが長くなるほど、ロープ振れ形状の腹が下がる程度が大きいことが判明した。腹の位置に関する上記の傾向は、ロープ部分の自重が影響しているものと考えられる。
また、詳細な結果は省略するが、本願の発明者は、1次振動に加え、2次振動、3次振動でも解析を行い、その各々の振動モードにおいて、全長L、振幅を変化させ、解析結果(ロープ振れ形状)と対応するsin波形との比較を行った。上述の比較結果を含めて、以下にまとめる。
(i)sin波形に対しロープ振れ形状の腹および節の位置は下方へ変位する。
(ii)ロープ部分の全長が長くなるほど、ロープ振れ形状の腹および節のsin波形の腹および節に対する変位割合が大きくなり、全長Lと変位割合との間に比例関係が認められる。
(iii)ロープ振れ形状の腹および節のsin波形の腹および節に対する変位割合は、振動次数が低い程大きく、振動次数が高い程小さい。
(iv)ロープ振れ形状の腹および節のsin波形の腹および節に対する変位割合は、振幅の大きさによっては変わらない。
図11で、一点鎖線で示すsin波形に対し、実線で示すロープ振れ形状が関数で表せれば、当該関数を用いることによって、sin波形に基づいて最大振幅を割り出す従来よりも、より現実に近い最大振幅を割り出すことができる。
上記(i)に関し、sin波形に対しロープ振れ形状が、腹および節を含み全体的に下方へ変位するのは、正弦関数における位相のズレとして表現することとした。
また、振動モードも考慮し、下記(数4)を考えた。
Figure 0007347607000005
(数4)において、位相のズレを表すf(z,L)に関しては、以下の条件(a)~(d)を満たすものとした。
(a)ロープ部分の上端と下端は固定端であるため、位相のずれは無いこと、すなわち、z=0、z=Lでf(z,L)=0となる。
(b)図11からも首肯されるように、sin波形に対し、位相のズレは、振動の腹(z=L/2)で最大となり、z=0から腹に至る間に位相のズレは漸増し、腹からz=Lに至る間に位相のズレは漸減する。なお、2次振動の場合は、振動の節で、3次振動の場合は、真ん中の腹で(いずれも、z=L/2)で、位相のズレが最大になる。
(c)また、ロープ振れ形状はsin波形に対し下方へずれるため(位相が進むため)、0<z<Lでf(z,L)>0となる。
上記(ii)に関し、(d)全長Lに対し比例関係となる。
上記(a)~(d)を満たす関数f(z,L)として、本願発明者は下記(数5)を案出した。
Figure 0007347607000006
(数5)の右辺において、an(L)以外は、上記(i)に関し、上記(a)、(b)、(c)を満たすための項である。
(数5)において、an(L)は、下記(数6)で表される。
Figure 0007347607000007
(数6)は、上記(ii)に関し、上記(d)を満たし、全長Lに応じて位相のズレ量を調整するためである。an(L)は、上記(iii)の傾向から、1次振動、2次振動、3次振動で異なる値をとる。
すなわち、
1次振動:a(L)=α・L+β
2次振動:a(L)=α・L+β
3次振動:a(L)=α・L+β
である。
ここで、上記(iii)の傾向から、Lが同じ値であれば、a(L)>a(L)>a(L)となる。
各振動モードにおける具体的な係数αnと定数βnの値は、以下のようにして求めることができる。
(I)複数の異なる全長L毎に、上記構造解析ソフトウェアを用いて解析しロープ振れ形状を取得する(例えば、図11における実線のグラフ)。
(II)上記複数の異なる全長L毎に、(数4)で特定される振動波形が、対応する解析結果のロープ振れ形状に最も近似するan(L)の値((数5)におけるan(L)の値)を決定する。
(III)上記全長Lの各々とこれに対応するan(L)の値からなる複数の組の関係を、最小二乗法により、Lの1次関数でan(L)を表したときのLの係数と定数として、係数αnと定数βnが求められる。
上記最小二乗法による1次関数についてもう少し詳細に説明する。
横軸に全長L、縦軸にan(L)を採った直交座標上に、上記複数の異なる全長L各々に対応する(II)で決定されたan(L)の値をプロットすると上記(ii)に記載の通り、全長Lとan(L)の間に正の比例関係が認められる。
そこで、全長Lの各々とこれに対応するan(L)の値からなる複数の組の関係を、最小二乗法を用いて1次関数に近似させる。当該1次関数におけるLの係数がαnで、定数がβnである。なお、正の比例関係なので、αn>0である。
αnとβnの具体的な値は省略するが、L=600[m]で、1次振動の場合、a=0.6500が得られている。このときの(数5)のグラフを図12に示す。図中、実線が当該(数5)のグラフである。
横軸は、ロープ部分の下端からの距離zである。縦軸は、ロープ部分の下端からの距離zに対応するf(z,L)の値、すなわち、(数4)における位相差である。
図12から分かるように、位相差f(z,L)は、ロープ部分の下端(z=0)から横振動の腹(z=L/2=300)までは漸増し、腹で極大値を採って、腹からロープ部分の上端(z=L=600)までは漸減する。
また、位相差f(z,L)は、ロープ部分の下端(z=0)、およびロープ部分の上端(z=L)でf(z,L)=0となり、0<z<Lで正の値を採る(f(z,L)>0)。
sin波形に位相差f(z,L)を加えて定めた(数4)で表される波形は、図11の実線(上記ソフトウェアによる解析結果であるロープ振れ形状)の波形にほとんど重なることが確認されている(したがって、図11には、図示しない。)。また、1次振動、2次振動、3次振動の各々においてロープ部分の全長Lを種々に変え、上記と同様にして、係数αnおよび定数βを決定して得られる(数4)で表される波形も、解析結果であるロープ振れ形状にほとんど重なることが確認されている。
すなわち、上記のようにして定められた(数4)で表される波形は、上記ソフトウェアによる解析結果であるロープ振れ形状(例えば、図11の実線)と良く合致することが確認されている。したがって、(数4)を用いることで、より現実に近い最大振幅を得ることができる。ここで、最大振幅(腹における振幅)は、1ではなく具体的な距離なので、(数4)は、下記(数7)の形で用いられる。
Figure 0007347607000008
ここで、測域センサ48の走査面における振幅Ameaから最大振幅Amaxを得る式に(数7)を書き改めると、下記(数8)になる。
Figure 0007347607000009
図6に戻り、(数8)、(数5)、および1次振動、2次振動、3次振動に対応する(数6)は、演算式記憶部5216に記憶されている。
ロープ振れ監視ユニット52に含まれる最大振幅割出部5214(図6参照)は、振幅割出部5210から出力される振幅Ameaを取得する。最大振幅割出部5214は、振動次数推定部5212から出力される振動次数n(nは、1,2,3のいずれか)を取得する。
最大振幅割出部5214は、かご26の昇降路12内の上下方向における位置情報を運転制御部54から取得し、取得した位置情報から、かご側主ロープ部分24A、又は、かご側釣合ロープ部分32Aの全長L[m]、および、いずれかのロープ部分の下端から測域センサ48の走査面までの距離zを特定する。
そして、最大振幅割出部5214は、取得した振幅Amea、振動次数n、特定した全長L、距離zから(数8)によって最大振幅Amaxを割り出す。
具体的には、取得した振動次数nに該当するan(L)を、
n=1:a(L)=α・L+β
n=2:a(L)=α・L+β
n=3:a(L)=α・L+β
から選択し、選択した式に全長Lを代入してan(L)の値を算出する。
算出したan(L)の値と、全長L、距離zを(数5)に代入して、f(z,L)の値を算出する。
そして、振幅Amea、全長L、距離z、振動次数n(1,2,3のいずれか)、およびf(z,L)の値を(数8)に代入して演算することにより、最大振幅Amax割り出すことができる。
最大振幅割出部5214は、最大振幅Amaxをロープ振れ監視ユニット52に含まれる振れ成長予測部5218(図6参照)と運転制御部54(図6参照)へ出力する。振れ成長予測部5218は、最大振幅割出部5214から出力される最大振幅Amaxに基づいて時間経過に伴う最大振幅Amaxの成長を予測する。
また、上述したロープ位置監視部5219は、振幅割出部5210から出力される中心座標CX1と同CX1の初期座標とに基づいて上記ロープ部分24A,32Aの振れ方向を割り出す機能を有する。
次に、測域センサ49A,49Bから各々出力される測定データの使用方法について説明を行う。ここで、測域センサ49Aの検出対象は上述したようにかご側主ロープ部分24Aのみであることから同主ロープ部分24Aの全長のみを示す場合には全長「L-1」と符号「-1」を全長Lに付して以下の測域センサ49Aの説明において適宜表記し、同様に、かご側主ロープ部分24Aの最大振幅のみを示す場合には最大振幅「Amax-1」と符号「-1」を最大振幅Amaxに付して適宜表記するものとする。同様に、測域センサ49Bの説明において、全長Lがかご側釣合ロープ部分32Aの全長のみであることを示す場合には全長「L-2」と符号「-2」を付して適宜表記し、同様に、かご側主ロープ部分24Aの最大振幅のみであることを示す場合には最大振幅「Amax-2」と符号「-2」を付して適宜表記する。
測域センサ49A,49Bから各々出力される2次元位置データについても、上述した測域センサ48から出力される2次元位置データと同様に、ロープ振れ監視ユニット52に各々送信される。そして、上述した測域センサ48の場合と同様に、振幅割出部5210を介して各測域センサ49A,49Bの各走査面における各ロープ部分24A,32Aの振幅が割り出され、振動次数推定部5212を介して振動次数nが推定され、最大振幅割出部5214を介して最大振幅Amax-1,Amax-2が算出される。
また、振れ角監視部5217は、図9(a)および図9(b)に示すように、綱車22に対するかご側主ロープ部分24Aの振れ角(フリートアングルとも表現できる)θuの大きさや、釣合車30に対するかご側釣合ロープ部分32Aの振れ角θwの大きさを監視する役割を有する。ここで、振れ角θu,θwは、滑車である綱車22,釣合車30に各々巻き掛けられているロープ部分が各車22,30から離れるときに各車22,30に対してなす角の大きさである。振れ角θu,θwの構成はほぼ同一であるため、以下の説明では、振れ角θuについて主に説明を行うとともに振れ角θwについては説明を適宜省略する。
図13は、図9(a)に示す綱車22の正面側の構成を示す部分拡大図である。図13において、煩雑な図示をさけるため、主ロープM1のみ図示し、主ロープM2~M8については図示を省略して示している。図13に示すように、綱車22の周面には、主ロープ群24を架け渡す環状溝22G-1,22G-2,22G-3,…(以下、特に区別する必要が無い場合は「環状溝22G」と適宜表記)が主ロープ群24に対応して設けられている。
図13に示すように、振れ角θuは、正面側から綱車22を見たときに綱車22の中心軸と直交する仮想平面VPに対して綱車22に巻き掛けられているかご側主ロープ部分24Aが綱車22から離れるときになす角(すなわち、図13に示すX方向における振れ角)である。換言すると、振れ角θuは、正面側から見た場合にかご側主ロープ部分24Aが綱車22から離れるときに環状溝22Gに対してなす角とも表現できる。同様に、振れ角θwとは、釣合車30を正面側から見たときに釣合車30の中心軸と直交する仮想平面に対して釣合車30に巻き掛けられているかご側釣合ロープ部分32Aが釣合車30から離れるときになす角の大きさである。
続いて、振れ角監視部5217における振れ角θu,θwの監視方法について説明を行う。ここで、振れ角監視部5217における振れ角θu,θwの監視方法は同一であるため、双方の監視方法のうち共通する部分については振れ角θuの場合について主に説明を行い、振れ角θwについては適宜説明を省略する。
振れ角監視部5217は、振動次数推定部5212、最大振幅割出部5214、およびロープ位置監視部5219から各々出力されるかご側主ロープ部分24Aの全長L-1および最大振幅Amax-1と振動次数n、および振れ方向とに基づいてかご側主ロープ部分24Aの振れ角θuを算出する。より具体的には、例えば、振動次数nおよび全長L-1に基づいて最大振幅Amax-1の発生する上下方向位置を算出し、さらに、上記最大振幅Amax-1と振れ方向とに基づいて振れ角θuを算出すればよい。また、例えば、簡易的な振れ角θuの算出方法として、最大振幅Amax-1の図13に示すX方向成分の値をVとし、全長L-1の値をWとしたときにロープ振れ形状が二等辺三角形であると仮定して以下の(数9)の関係式より振れ角θuを算出するようにしてもよい。但し、(数9)において、nは振動次数nとする。
Figure 0007347607000010
次に、上記最大振幅Amaxの成長予測シミュレーションの原理について図14を用いて説明する。図14は、建物の揺れにより継続的に加振される場合においてかご側主ロープ部分24Aの横振れが時間経過に伴って成長する状態の一例を示す振動波形図である。同図では、最大振幅Amaxの横振れが発生している上下方向位置の振動波形を、振動(振れ)回数を横軸に示し振れ幅を縦軸として示している。図14に実線で示す振動波形は既に観測された部分の波形であり、P1,P2,P3,・・・Pu-1,Puは実線部分に含まれることから理解されるように既に測定された各振れ回数における最大振幅の位置を各々示している。
P1は、最大振幅の大きさが上記予測値のシミュレーションを開始するために設定される閾値γ(本例では、一例としてγ=100mm)以上となった第1回目の横振れにおける最大振幅Amax(U=1)を示す。ここで、Uは振動回数、すなわち、振れ回数を示し、U=1は上記第1回目の横振れにおける最大振幅であることを示す。また、以下の説明において、最大振幅「Amax(U)」または最大振幅「Amax」と表記する場合には、測定時点において最も時間経過の少ない横振れにおける最大振幅を示すものする。
同様に、P2は、上述したP1の次の横振れ、すなわち、第2回目の横振れにおける最大振幅Amax(U=2)を示し、U=2は第2回目の横振れにおける最大振幅であることを示す。P3においても、P2と同様であり、最大振幅Amax(U=3)、U=3は第3回目の最大振幅であることを示す。
一方、図14に破線で示す振動波形は、測定時点よりも未来において加振状態が継続した場合に予想されるかご側主ロープ部分24Aにおける横振れの振動波形を示すものであり、図14に示されるようにPcr、Pesは破線部分に含まれる横振れにおける最大振幅Amaxの位置を各々示している。ここで、Pcrは最大振幅Amaxの大きさが振れ高HVに到達したとき、すなわち、振れ高HV以上の大きさに最初に到達するときの最大振幅Amax(U=CR)を示すものである。なお、U=CRは振れ回数がCR番目であることを示す。ここで、「振れ高」とは、主ロープや釣合ロープなどの長尺のロープが昇降路内に設置された機器や構造物、突出物などの物体と接触し、同物体を変形等させる可能性のある振れ幅を意味する。
また、Pesは、最初に所定の振れ幅LV以上となったときの最大振幅Amax(U=ES)の位置を示し、U=ESは振れ回数がES番目であることを示す。この振れ幅LVは、最大振幅Amaxが振れ高HVに達するまでの残り時間の長さが初めて退避許容時間ES以下となるときの振れ幅を示している。退避許容時間ESは、かご26が停止している状態から昇降移動を開始するのに要する時間を含むように設定される。より具体的には、退避許容時間ESは、後述する振れ抑制管制運転(振れ抑制運転モード)の実行時にかご扉(不図示)を閉めてかご26が昇降移動可能な状態となるまでに要する時間の長さに設定しもよい。さらに、かご扉を閉めるのに要する時間の他、かご26から乗客を降ろすのに要する時間や一定の余裕時間を含むものとして退避許容時間ESを設定してもよい。
ここで、図14に示す包絡線ENは振動波形における最大振幅Amaxの位置を通る曲線であり、同曲線の近似曲線(以下、「振れ成長曲線D」と呼ぶ)を上述したPu、Pu-1の関数として求めることにより上記Pcr、Pesの近似値を得ることが可能となる。この振れ成長曲線Dは、以下のような関数として算出される。
Figure 0007347607000011
Figure 0007347607000012
ここで、(数11)に含まれる係数Kおよびηは、汎用の機構解析ソフトウェアを用いた計算シミュレーションや実測値に基づいて算出される定数である。なお、上記計算シミュレーションで算出する場合には、建物を介して一定の加振力が主ロープ群24や釣合ロープ群32に継続的に加えられることを条件に算出することが好適である。D(U)は振動回数がU回目における最大振幅Amax(U)の予測値であり、D(U‐1)は最大振幅割出部5214が算出した測定時点における最大振幅Amax(U‐1)を意味する。
そして、上記(数10)を用いればPu+1における最大振幅Amax(U+1)は、以下(数12)により求められる。
Figure 0007347607000013
上記(数12)に示されるように、Pu+1における最大振幅Amax(U+1)の予測値D(U+1)を得ることができる。そして、同様の計算を繰り返すことにより、Pu+2,Pu+3,・・・Pes,・・・Pcrにおける最大振幅Amaxの各予測値D(U+2),D(U+3),・・・D(U=es),・・・D(U=cr)を順次算出することが可能となる。ここで、3<es<crであり、es,crはいずれも正の整数とする。
振れ成長予測部5218は、上述したPu-1,Puにおける最大振幅Amax(U-1),Amax(U)と上述した振れ成長曲線Dに基づいて、Pu+1,Pu+2,・・・Pes,・・Pcrにおける最大振幅の予測値D(U+1),D(U+2),・・・D(U=es),・・・D(U=cr)を各々算出する。
運転制御部54は最大振幅割出部5214を介して算出された最大振幅Amaxが振れ成長予測部5218の算出する予測値D(U=es)以上である場合には振れ抑制管制運転を実行する。この振れ抑制管制運転とは、かご26が乗場に停止している場合に同乗場に乗客を降ろしてから非共振階にかご26を昇降移動させる運転モードである。この非共振階とは、主ロープ群24や釣合ロープ群32が建物の揺れに共振しない上下方向位置に位置している階を意味し、例えば、最上階および最下階の中間に位置する階、より具体的には、最上階および最下階からの距離がほぼ等距離となるような位置にある階などが該当する。
一方で、かご側主ロープ部分24Aやかご側釣合ロープ部分32Aの横振れの増大が急速であるため振れ抑制管制運転を実行してもかご26が実際に昇降開始するまでに横振れが増大してしまう場合などには上述した振れ抑制管制運転では昇降路12内に設置された上述した物体などとの接触が避けられない場合も考えられる。また、綱車22に架け渡されているかご側主ロープ部分24Aの振れ角θuや、釣合車30に架け渡されているかご側釣合ロープ部分32Aの振れ角θwが予め設定された制限値θcr1,θcr2よりも大きくなると主ロープ群24や釣合ロープ群32が脱輪することも考えられる。
そこで、本実施形態では、最大振幅割出部5214の算出する最大振幅Amaxが振れ高HV以上の大きさになった場合や、振れ角監視部5217の算出する振れ角θu,θwが制限値θcr1,θcr2以上の大きさとなった場合には、振れ抑制管制運転から休止管制運転に管制運転モードを切り換えて実行するように構成されている。休止管制運転とは、最寄り階(所定階)の乗場までかご26を移動させてかご扉(不図示)を戸開させて乗客を降ろし、さらに、所定の戸開時間の経過後、かご扉を戸閉するとともに昇降運転を停止させる運転モードである。但し、休止管制運転が実行される場合は、前提としてかご側主ロープ部分24Aやかご側釣合ロープ部分32Aの横振れが振れ高HVに到達している状態や、かご側主ロープ部分24Aの振れ角θuや、かご側釣合ロープ部分32Aの振れ角θwの大きさが制限値θcr1,θcr2以上の状態であるため、例えば、昇降路12内に設置されている機器に異常が生じているか否かなど点検作業を行って確認した後でなければ通常の運行サービスを再開することができない。
このため、上記振れ抑制管制運転が実行された場合と異なり主ロープ群24や釣合ロープ群32の横振れが収束しても運行サービスを再開するまでに比較的長い時間を要することとなる。
なお、本実施形態では、運転制御部54は、最大振幅割出部5214を介して算出された最大振幅Amaxが振れ成長予測部5218の算出する予測値D(U=es)以上であることを条件に振れ抑制管制運転を実行しつつ上記最大振幅Amaxが振れ高HV以上の大きさになった場合や、振れ角監視部5217の算出する振れ角θu,θwが制限値θcr1,θcr2以上の大きさとなった場合に休止管制運転を実行する。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、運転制御部54は、休止管制運転のみを実行するものとしてもよい。
図15は、主ロープ群24や釣合ロープ群32に横振れが発生した場合に運転制御部54が通常運転モードを中断して実行する各管制運転の制御の流れを示すフローチャートである。図15を用いて主ロープ群24や釣合ロープ群32の横振れが発生した場合の運転制御部54における振れ抑制管制運転および休止管制運転の制御処理の流れについて説明を行う。
図15に示すように、運転制御部54は、測域センサ48の検出結果に基づいて主ロープ群24や釣合ロープ群32の横振れが検知されると(ステップS1:YES)、最大振幅割出部5214を介して算出される最大振幅Amaxの大きさが振れ高HV未満であり(ステップS2:YES)、振れ角θuが制限値θcr1未満であり(ステップS3:NO)、且つ、振れ角θwが制限値θcr2未満である場合(ステップS4:NO)において、最大振幅Amaxの大きさが閾値γ以上であることを条件に振れ回数Uの計数(カウント)を振れ成長予測部5218に実行させる(ステップS5:YES,ステップS6)。
一方、最大振幅Amaxの大きさが振れ高HV以上である場合(ステップS2:NO)や、振れ角θuが制限値θcr1以上である場合(ステップS3:YES)、振れ角θwが制限値θcr2以上である場合(ステップS4:YES)には、運転制御部54は休止管制運転を実行する(ステップS21)。これにより、かご26内から乗客をいち早く退避させるとともに昇降路12内に設置されている機器の損傷を最小限に抑えることができる。
また、振れ成長予測部5218は、振れ回数Uが2回以上であることを条件に予測値D(U=es)の計算を実行する(ステップS7:YES,ステップS8)。ここで、ステップS8において上記振れ回数が1回増加するごとに予測値D(U=es)の再計算を実行して予測値D(U=es)を更新するようにしてもよい。
これにより、測域センサ48から出力される最新の最大振幅Amaxの値を用いて予測値D(U=es)を算出することができる。但し、振れ成長予測部5218は、必ずしも振れ回数が1回増加するごとに再計算を行う必要はなく、所定回数ごとに、或いは、所定時間ごとに予測値D(U=es)の再計算を実行するものとしてもよい。
さらに、運転制御部54は、最大振幅Amaxの大きさが予測値D(U=es)以上である場合には(ステップS9:YES)、ステップS8で算出された予測値D(U=es)を値DVとして振れ成長予測部5218に記憶させるとともに(ステップS10)、振れ抑制管制運転を実行する(ステップS11)。
ここで、運転制御部54は、振れ抑制管制運転の実行中に最大振幅Amaxの大きさが値DV以上である場合において(ステップS12:NO)、振れ高HV以上の条件を満たす場合や(ステップS16:YES)、振れ角θuが制限値θcr1以上である場合(ステップS17:YES)、振れ角θwが制限値θcr2以上である場合(ステップS18:YES)には、振れ抑制管制運転から休止管制運転に切り換える(ステップS21)。これにより、振れ抑制管制運転の実行中、仮に、最大振幅Amaxが振れ高HVの大きさまで増大したり、振れ角θu,θwが制限値θcr1,θcr2以上となる場合には休止管制運転に切り換えることで乗客をいち早くかご26から退避させつつ昇降路12内の機器の損傷を最小限に抑えることが可能となる。
一方、運転制御部54は、振れ抑制管制運転の実行中に最大振幅Amaxの大きさが値DV以上である場合において(ステップS12:NO)、振れ高HV未満であり(ステップS16:NO)、振れ角θuが制限値θcr1未満であり(ステップS17:NO)、且つ、振れ角θwが制限値θcr2未満である場合(ステップS18:NO)には、振れ抑制管制運転を開始してから最大振幅Amaxの大きさが値DV以上の状態に維持されている間の振れ幅超過時間T1を測定する(ステップS19)。
さらに、運転制御部54は、最大振幅Amaxの大きさが値DV未満の大きさに変化した場合には(ステップS12:YES)、最大振幅Amaxが値DV未満の状態に変化してから経過した時間の長さ(換言すると値DV未満の状態に維持される時間)である振れ幅低下時間T2を測定(算出)する(ステップS13)。そして、運転制御部54は、上記振れ幅低下時間T2の長さがステップS19で算出した振れ幅超過時間T1以上の時間長さとなったことを条件に振れ抑制管制運転を終了する(ステップS14:YES,ステップS15)。
ここで、ステップS12において、最大振幅Amaxが値DV未満であることを条件にステップS13およびステップS14の処理を経由せずに、ステップS15の処理に進むものとして振れ抑制管制運転を終了してもよい。
しかしながら、主ロープ群24や釣合ロープ群32のロープ振れにおいて最大振幅Amaxが時間経過とともに増減を繰り返すうねり現象が生じている場合が考えられ、このような場合において、最大振幅Amaxが値DV未満であることのみを以て振れ抑制管制運転を終了することとした場合、ロープ振れのうねりが繰り返される間、振れ抑制管制運転が断続的に実行されてしまい通常の運行サービスがたびたび中断される可能性がある。
そこで、本実施形態では、最大振幅Amaxが値DV未満となってからの振れ幅低下時間T2の長さがステップS19で測定される振れ幅超過時間T1の長さ以上となることを条件として振れ抑制管制運転を終了することとしている(ステップS12:YES,ステップS13,ステップS14:YES,ステップS15)。これにより、振れ抑制管制運転が断続的に実行されるのを抑制できる。
また、運転制御部54は、上記振れ幅低下時間T2の長さがステップS19で算出した振れ幅超過時間T1の長さ以上との条件を満たさない場合には(ステップS14:NO)、振れ幅低下時間T2をリセットし(ステップS20)、ステップS12の処理に戻る。
本実施形態では、最大振幅Amaxの大きさが予測値D(U=es)以上の大きさに達している場合には(ステップS9:YES)、ステップS8で算出された予測値D(U=es)を値DVとして保持し、この値DVをステップS12の振れ抑制管制運転の解除条件の1つとして用いている。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、値DVの代りに予め設定された固定値を用いてもよい。
本実施形態では、ステップS14において、運転制御部54は、ステップS13で測定される振れ幅低下時間T2の長さがステップS19で算出した振れ幅超過時間T1以上の時間長さとなったことを条件に振れ抑制管制運転を終了するが(ステップS14:YES,ステップS15)、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ステップS14において、運転制御部54は一定時間経過することを条件に振れ抑制管制運転を終了するようにしてもよい(ステップS15)。
本実施形態のエレベータ10によれば、かご側主ロープ部分24Aが横振れしたときの振れ角θuが制限値θcr1以上の大きさである場合に通常運転モードから休止管制運転にかご26の運転モードを切り替えて実行できる。この結果、主ロープ群24の綱車22に対する振れ角θuが過大となる前にかご26の通常運転を中断することが可能となる。
また、本実施形態のエレベータ10によれば、かご側釣合ロープ部分32Aが横振れしたときの振れ角θwが制限値θcr2以上の大きさである場合に通常運転モードから休止管制運転にかご26の運転モードを切り替えて実行できる。この結果、釣合ロープ群32の釣合車30に対する振れ角θwが過大となる前にかご26の通常運転を中断することが可能となる。
また、本発明は上記実施形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下の形態としても構わない。
(1)上記実施形態では、振動次数推定部5212によって推定した振動次数nを用いて、最大振幅Amaxを割り出した。
しかしながら、エレベータ10が設置される建物14の高さ(昇降行程)、建築構造等で定まる建物14の振動特性によっては、ロープ部分(かご側主ロープ部分24A、かご側釣合ロープ部分32A)に生じる横振動の振動モードは、特定の振動次数のものに限られる場合がある。
この場合は、振動次数推定部5212によらなくとも、振動次数は予め判っているため、(数8)に代入する振動次数nは、1、2、および3の何れかの予め決められた値としても構わない。その際、必ずしも、振動次数推定部5212は設ける必要は無い。
(2)上記実施形態では、測域センサ48を、上下方向における昇降路12の中央位置に設置したが、設置位置はこれに限らない。例えば、昇降路12内の他の位置にしても構わない。
(3)上記実施形態では、かご26の昇降範囲の略中央位置に配置された測域センサ48の測定値に基づいて最大振幅Amaxや予測値D(U=es)を算出し、かご26の昇降範囲の上端側および下端側に配置されたセンサ49A,49Bの測定値に基づいて振れ角θu,θwを算出しているが、センサ49A,49Bの測定値に基づいて最大振幅Amaxや予測値D(U=es)も算出するものとし測域センサ48は設けないものとしてもよい。
(4)上記実施形態では、主ロープM1~M8(釣合ロープC1~C8も同様)の全ての検出結果である座標データ群の中心座標CX1に基づいて、主ロープM1~M8の振幅を求めたがこれに限らず、主ロープM1~M8の内の一の主ロープの座標データから振幅を求めるようにしても構わない。
(5)上記実施形態では、sin波形をロープ振れ形状に近づけるための位相差f(z,L)を(数5)で表しているが、f(z,L)は、(数5)に限らず、例えば、下記(数13)、下記(数14)としても構わない。
Figure 0007347607000014
Figure 0007347607000015
(数13)におけるbn(L)、(数14)におけるcn(L)は、(数5)のan(L)と同じ形式の下記数式で表される。
n(L)=αn・L+βn
n(L)=αn・L+βn
n(L)とcn(L)における係数αnと定数βnは、an(L)の場合と同様にして求められる。
αnとβnの具体的な値は省略するが、L=600[m]で、1次振動の場合、b=0.1625、c=0.7346が得られている。この場合の(数13)のグラフを図12に一点鎖線で、(数14)のグラフを破線でそれぞれ示す。
図12から分かるように、(数13)も(数14)も(数5)と同様の要件を満たす関数である。
すなわち、f(z,L)は、zを横軸、f(z,L)を縦軸に採った座標において、
(a)z=0およびz=Lでf(z,L)=0
(b)0<z<Lでf(z,L)>0
(c)上に凸でかつz=L/2で極大
となる。
(d)また、(数5)、(数13)、(数14)各々のan(L)、bn(L)、cn(L)におけるLの係数αnは、上記したようにαn>0なので、f(z,L)は、Lが大きい程大きな値となる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
10 エレベータ
12 昇降路
24 主ロープ群
26 乗りかご
32 釣合ロープ群
44 制御盤
48,49A,49B 測域センサ(測定部)
52 ロープ振れ検出部
5214 最大振幅割出部
5217 振れ角監視部(振れ監視部)
5218 振れ成長予測部
54 運転制御部
S1~S21 ステップ

Claims (4)

  1. 綱車に架け渡された主ロープを介して釣瓶式に吊り下げられた乗りかごおよび釣合おもりを含むエレベータであって、
    前記主ロープの横振れを測定する測定部と、
    前記測定部の測定する測定値に基づいて前記綱車に対する前記主ロープの振れ角を算出する振れ監視部と、
    前記振れ監視部の算出する前記振れ角の大きさが予め設定された角度以上である場合に、乗客による登録操作に基づいて前記乗りかごを昇降させる通常運転モードから前記乗りかごを所定の乗場に停止させる休止運転モードに前記乗りかごの運転モードを切り替える運転制御部と、
    を備えるエレベータ。
  2. エレベータ用昇降路に主ロープを介して吊り下げられるとともに前記昇降路底部に設置された釣合車に架け渡された釣合ロープの両端側が各々連結される乗りかごおよび釣合おもりを含むエレベータであって、
    前記釣合ロープの横振れを測定する測定部と、
    前記測定部の測定する測定値に基づいて前記釣合車に対する前記釣合ロープの振れ角を算出する振れ監視部と、
    前記振れ監視部の算出する前記振れ角の大きさが予め設定された角度以上である場合に、乗客による登録操作に基づいて前記乗りかごを昇降させる通常運転モードから前記乗りかごを所定の乗場に停止させる休止運転モードに前記乗りかごの運転モードを切り替える運転制御部と、
    を備えるエレベータ。
  3. 前記測定部の測定する測定値の経時的変化に基づいて予め設定された大きさに前記横振れが成長するまでの残り時間が所定の許容時間以下となるときの前記横振れの大きさを予測する振れ成長予測部を備え、
    前記運転制御部は、前記測定部の測定する測定値に基づいて算出される前記横振れの大きさが前記振れ成長予測部の予測する前記横振れの大きさ以上となる場合に前記乗りかごを昇降させることにより前記横振れが大きくなるのを抑制する振れ抑制運転モードを実行する、
    請求項1または2に記載のエレベータ。
  4. 前記測定部は、上下方向の位置が異なるように各々配置された複数のセンサを含む、
    請求項1または2に記載のエレベータ。
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