以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
本開示の第一実施形態による制御装置の機能は、自動運転ECU(Electronic Control Unit)50bと、HCU(Human Machine Interface Control Unit)100とによって実現されている。図1に示す自動運転ECU50bは、車両Amにおいて用いられる自動運転システム50を、運転支援ECU50a等と共に構成している。自動運転システム50の搭載により、車両Amは、自動運転機能を備えた自動運転車両となる。
HCU100は、図1~図3に示すように、車両Amにおいて用いられるHMI(Human Machine Interface)システムを、複数の表示デバイス、オーディオ装置24及び操作デバイス26等と共に構成している。HMIシステムは、車両Amの乗員(例えばドライバ等)による操作を受け付ける入力インターフェース機能と、ドライバへ向けて情報を提示する出力インターフェース機能とを備えている。
自動運転ECU50b及びHCU100は、車両Amに搭載された車載ネットワーク1の通信バス99に、通信可能に接続されている。自動運転ECU50b及びHCU100は、それぞれ車載ネットワーク1に設けられた複数のノードのうちの一つである。通信バス99には、ドライバモニタ29、周辺監視センサ30、ロケータ35、車車間通信機37、路車間通信機38、走行制御ECU40及び運転支援ECU50a等がさらに接続されている。車載ネットワーク1の通信バス99に接続されたこれらのノードは、相互に通信可能である。これら装置及びECUのうちの特定ノード同士は、相互に直接的に電気接続され、通信バス99を介することなく通信を実施可能であってよい。
ドライバモニタ29は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニットとを含む構成である。ドライバモニタ29は、運転席のヘッドレスト部分に近赤外カメラを向けた姿勢にて、例えばステアリングコラム部の上面又はインスツルメントパネル9の上面等に設置されている。近赤外カメラは、後述するメータディスプレイ21又はセンターインフォメーションディスプレイ(以下、CID)22と一体的に構成され、いずれかの画面に埋め込まれていてもよい。
ドライバモニタ29は、近赤外光源によって近赤外光を照射されたドライバの頭部を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、ドライバのアイポイントの位置及び視線方向等の情報を撮像画像から抽出し、抽出したドライバの状態情報を、通信バス99を通じて、HCU100等に提供する。
周辺監視センサ30は、車両Amの周辺環境を監視する自律センサである。周辺監視センサ30は、自車周囲の検出範囲から予め規定された移動物体及び静止物体を検出可能である。周辺監視センサ30は、自車の周囲を走行する前方車両、後方車両、前後の側方車両等を少なくとも検出可能である。周辺監視センサ30は、車両周囲の物体の検出情報を、通信バス99を通じて、運転支援ECU50a及び自動運転ECU50b等に提供する。
周辺監視センサ30には、例えばカメラユニット31、ミリ波レーダ32及びマイクロフォン33が含まれている。周辺監視センサ30には、ライダ及びソナー等の検出構成がさらに含まれていてもよい。
カメラユニット31は、車両Amの前方範囲、側方範囲及び後方範囲等を撮影可能なように車両Amに搭載された複数のカメラモジュールを備えている。各カメラモジュールは、単眼カメラを含む構成であってもよく、又は複眼カメラを含む構成であってもよい。カメラユニット31は、各カメラモジュールによって車両周囲を撮影した撮像データ及び撮像データの解析結果の少なくとも一方を、検出情報として出力する。
ミリ波レーダ32は、ミリ波又は準ミリ波を自車周囲へ向けて照射する。ミリ波レーダ32は、移動物体及び静止物体等で反射された反射波を受信する処理によって生成した検出情報を出力する。
マイクロフォン33は、車両Amの周囲の環境音を集音する集音器である。車両Amに緊急車両Qs(図8等参照)が接近している場合、マイクロフォン33は、緊急車両Qsによって鳴らされている特定のサイレン音、及び拡声器の音声を含んだ環境音を集音する。マイクロフォン33は、環境音、又は環境音からサイレン音が抽出されている旨の情報の少なくとも一方を、検出情報として出力する。
ロケータ35は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器及び慣性センサ等を含む構成である。ロケータ35は、GNSS受信器で受信する測位信号、慣性センサの計測結果、及び通信バス99に出力された車速情報等を組み合わせ、車両Amの自車位置及び進行方向等を逐次測位する。ロケータ35は、測位結果に基づく車両Amの位置情報及び方角情報を、ロケータ情報として、通信バス99に逐次出力する。
ロケータ35は、地図データベース36をさらに有している。地図データベース36は、多数の3次元地図データ及び2次元地図データを格納した大容量の記憶媒体を主体とする構成である。3次元地図データは、いわゆる高精度地図データであり、道路の3次元形状情報及び各レーンの詳細情報等、高度運転支援及び自動運転に必要な情報を含んでいる。ロケータ35は、現在位置周辺の地図データを地図データベース36から読み出し、運転支援ECU50a及び自動運転ECU50b等に、ロケータ情報と共に提供する。
車車間通信機37は、他車両に搭載された車載器と無線通信するための通信モジュールを主体に構成されている。車車間通信機37は、他車両の車載器と直接的又は間接的に情報を送受信可能であり、他車両の位置及び速度等の情報を取得する。車車間通信機37は、車両Amに緊急車両Qs(図8等参照)が接近している場合、緊急車両Qsの車載器から送信された情報、即ち、緊急車両Qsの位置及び移動速度を受信可能である。
路車間通信機38は、道路脇に設置された路側機から配信される情報を受信するための通信モジュールを主体に構成されている。路車間通信機38は、FM多重放送、電波ビーコン及び光ビーコン等の手段により、路側機近傍の道路の信号情報、渋滞情報及び規制情報等を受信する。加えて路車間通信機38は、緊急車両Qs(図8等参照)の接近に関する情報を路側機から受信可能である。
走行制御ECU40は、マイクロコントローラを主体として含む電子制御装置である。走行制御ECU40は、ブレーキ制御ECU、駆動制御ECU及び操舵制御ECUの機能を少なくとも有している。走行制御ECU40は、ドライバの運転操作に基づく操作指令、運転支援ECU50aの制御指令及び自動運転ECU50bの制御指令のいずれか一つに基づき、各輪のブレーキ力制御、車載動力源の出力制御及び操舵角制御を継続的に実施する。加えて走行制御ECU40は、各輪のハブ部分に設けられた車輪速センサの検出信号に基づき、車両Amの現在の走行速度を示す車速情報を生成し、通信バス99に逐次出力する。
運転支援ECU50aは、ドライバの運転操作を支援する運転支援機能を実現させる車載ECUである。運転支援ECU50aは、米国自動車技術会の規定する自動運転レベルにおいて、ドライバの周辺監視を必要とするレベル2程度の高度運転支援又は部分的な自動走行制御を可能にする。
運転支援ECU50aは、処理部、RAM、記憶部、入出力インターフェース及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含むコンピュータである。運転支援ECU50aは、処理部によるプログラムの実行により、高度運転支援を実現する複数の機能部を有する。具体的に、運転支援ECU50aは、ACC(Adaptive Cruise Control)機能部、LTA(Lane Tracing Assist)機能部及びLCA(Lane Change Assist)機能部を有する。
こうした運転支援ECU50aに対し、自動運転ECU50bは、ドライバの運転操作を代行可能な自動運転機能を実現させる車載ECUである。自動運転ECU50bは、予め設定された限定領域(Operational Design Domain,ODD)に限り、システムが制御主体となるレベル3以上の自律走行を可能にする。自動運転ECU50bは、ドライバの目視による車両周辺の周辺監視が不要なアイズオフの自動運転を可能にしている。尚、自動運転ECU50bは、レベル4以上の自動運転機能を実現可能であってもよい。
自動運転ECU50bは、処理部51、RAM52、記憶部53、入出力インターフェース54及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含むコンピュータである。自動運転ECU50bは、運転支援ECU50aよりも高い演算能力を備えており、ACC、LTA及びLCAに相当する走行制御を少なくとも実施できる。
処理部51は、RAM52と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部51は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部51は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、NPU(Neural network Processing Unit)及び他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってよい。処理部51は、RAM52へのアクセスにより、本開示の制御方法を実現するための種々の処理を実行する。記憶部53は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部53には、処理部51によって実行される種々のプログラム(自動運転制御プログラム等)が格納されている。
自動運転ECU50bは、処理部51によるプログラム(自動運転制御プログラム)の実行により、ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実現する複数の機能部として、環境認識部61、行動判断部62及び操作実行部63を有する。
環境認識部61は、ロケータ35より取得するロケータ情報及び地図データと、周辺監視センサ30より取得する検出情報とに基づき、車両Amの走行環境を認識する。具体的に、環境認識部61は、複数レーンのうちで自車が走行する自車レーンLns(図8参照)の位置、自車レーンLnsのレーン形状、並びに自車周囲の他車両の相対位置及び相対速度等を把握する。尚、自車レーンLnsの位置の特定は、ロケータ35にて実施されてもよい。また、環境認識部61による走行環境の認識結果は、認識情報としてHCU100に提供されてもよい。
行動判断部62は、環境認識部61による走行環境の認識結果に基づき、車両Amを走行させる予定走行ラインを生成する。行動判断部62は、車両Amに搭載されたナビゲーションに目的地が設定されている場合、ナビゲーション装置にて生成される経路情報を参照し、目的地へ向かうための予定走行ラインを逐次生成する。
操作実行部63は、走行制御ECU40との連携により、行動判断部62にて生成された予定走行ラインに従って、車両Amの加減速制御及び操舵制御等を実行する。具体的に、操作実行部63は、予定走行ラインに基づく制御指令を生成し、走行制御ECU40へ向けて逐次出力する。
次に、HMIシステムに含まれる複数の表示デバイス、オーディオ装置24、操作デバイス26及びHCU100の各詳細を順に説明する。
複数の表示デバイスには、メータディスプレイ21、CID22、ヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)23及び等が含まれている。複数の表示デバイスには、電子ミラーシステムの各ディスプレイEMB,EML,EMRがさらに含まれていてもよい(図2参照)。メータディスプレイ21、CID22及びHUD23は、ドライバの視覚を通じて情報を提示する。
メータディスプレイ21及びCID22は、例えば液晶ディスプレイ又はOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を主体とする構成である。メータディスプレイ21及びCID22は、HCU100から取得する制御信号及び映像データに基づき、種々の画像を表示画面に表示させる。メータディスプレイ21は、例えば運転席の正面に設置されている。CID22は、インスツルメントパネル9の中央部に設置されている。CID22は、一例として、10インチ以上の縦長のディスプレイとされる。CID22の表示画面は、曲面状に湾曲していてもよい。さらに、CID22の表示画面は、メータディスプレイ21の表示画面と連続していてもよい。CID22は、タッチパネルの機能を有しており、例えばドライバ等による表示画面へのタッチ操作、具体的には、タップ、フリック、ピンチ及びスワイプ等の操作等を検出する。
HUD23は、HCU100から取得する制御信号及び映像データに基づき、ドライバ前方に結像される画像の光を、ウィンドシールドWS等に規定された投影領域PAに投影する。ウィンドシールドWSにて車室内側に反射された画像の光は、運転席に着座するドライバによって知覚される。こうしてHUD23は、投影領域PAよりも前方の空間中に虚像を表示させる。ドライバは、HUD23によって表示される画角VA内の虚像を、車両Amの前景と重ねて視認する。
オーディオ装置24は、運転席を囲む配置にて車室内に設置された複数のスピーカを有している。オーディオ装置24は、HCU100から取得する制御信号及び音声データに基づき、報知音又は音声メッセージ等をスピーカによって車室内に再生させる。オーディオ装置24は、ドライバの聴覚を通じて情報を提示する。
操作デバイス26は、ドライバ等によるユーザ操作を受け付ける入力部である。操作デバイス26には、例えば自動運転機能の作動及び停止に関連するユーザ操作等が入力される。ステアリングホイールのスポーク部に設けられたステアスイッチ、ステアリングコラム部に設けられた操作レバー、及びドライバの発話内容を認識する音声入力装置等が、操作デバイス26に含まれる。
尚、スマートフォン等のユーザ端末等が、車載ネットワーク1又はHCU100に接続されていてもよい。ユーザ端末は、インターフェースデバイスとして機能し、表示デバイス、オーディオ装置24及び操作デバイス26の少なくとも一つを代替可能である。加えてユーザ端末は、ロケータ35に替わって、位置情報、方角情報及び地図データ等を運転支援ECU50a及び自動運転ECU50bに提供してもよい。
HCU100は、HMIシステムにおいて、メータディスプレイ21、CID22、HUD23及びオーディオ装置24を制御する車載コンピュータである。HCU100は、ドライバへ向けた情報提示を統合的に管理する制御装置として機能する。HCU100は、処理部11、RAM12、記憶部13、入出力インターフェース14及びこれらを接続するバス等を備えた制御回路を主体として含む構成である。
処理部11は、RAM12と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部11は、CPU及びGPU等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部11は、FPGA、NPU及び他の専用機能を備えたIPコア等をさらに含む構成であってよい。RAM12は、映像データ生成のためのビデオRAMを含む構成であってよい。処理部11は、RAM12へのアクセスにより、本開示の制御方法を実現するための種々の処理を実行する。記憶部13は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。記憶部13には、処理部11によって実行される種々のプログラム(提示制御プログラム等)が格納されている。
HCU100は、記憶部13に記憶された提示制御プログラムを処理部11によって実行することで、各表示デバイス及びオーディオ装置24を用いたドライバへの情報提示を統合制御する複数の機能部を有する。具体的に、HCU100には、情報取得部71、統合状態推定部73及び提供制御部74等の機能部が構築される。
情報取得部71は、車両Amの状態を示す車両情報を、通信バス99から取得する。車両情報には、例えば車速情報、及び自動運転機能の状態を示すステータス情報等が含まれる。情報取得部71は、ユーザ操作の内容を示す操作情報を、CID22及び操作デバイス26等から取得する。情報取得部71は、ドライバの状態情報を、ドライバモニタ29から取得する。
加えて情報取得部71は、表示デバイスに表示させる映像データの生成に必要な情報を取得する。具体的に、情報取得部71は、バックモニタ映像BM(図5等参照)として表示させる映像データを、後方又は後側方を写すカメラユニット31から取得する。情報取得部71は、ナビマップMP(図4等参照)の生成に必要なロケータ情報、地図データ及び経路情報等を取得する。尚、ナビマップMPの映像データは、通信バス99に接続されたナビゲーション装置又はスマートフォン等にて所定の解像度で生成され、情報取得部71に提供されてもよい。
また情報取得部71は、動画コンテンツCTV(図4等参照)等、エンターテイメント系の表示に必要なコンテンツデータ(動画ファイル等)を取得する。コンテンツデータは、車両Amに搭載されたテレビチューナ、HCU100に電気的に接続された外部メディア、及びHCU100とペアリングされたスマートフォン等のユーザ端末により、情報取得部71に提供される。
統合状態推定部73は、ドライバモニタ29にて生成されたドライバの状態情報を情報取得部71から取得する。統合状態推定部73は、少なくとも自動走行期間において、ドライバが実施しているセカンドタスクの種別を判別する。具体的に、統合状態推定部73は、予め想定された複数種類のセカンドタスクの種別の中で、ドライバが現在実施しているセカンドタスクを特定する。
ここで、セカンドタスクについてさらに説明する。自動運転ECU50b及びHCU100は、ドライバによる運転以外の行為の実施を一時的に許容する。詳記すると、自動運転ECU50bによるレベル3の自動運転機能により、車両Amが自動走行する自動走行期間にて、周辺監視義務のないドライバには、運転以外の行為であって、予め規定された特定行為(セカンドタスク)が許可され得る。この場合のドライバは、限定領域から出るとき又は緊急時において、自動運転システム50から運転の制御権を引き継ぐ者(搭乗者)である。自動運転システム50による運転操作の実施要求、即ち、運転交代の要請(Take Over Request)が発生するまで、ドライバには、セカンドタスクの実施が法規的に許可され得る。
セカンドタスクは、セカンダリアクティビティ又はアザーアクティビティ等と呼ばれ得る。セカンドタスクは、自動運転システム50からの運転操作の引き継ぎ要求にドライバが対応することを妨げてはならないとされる。例えば、動画コンテンツCTV(図4等参照)及びオーディオブック等のエンターテイメント系のコンテンツの視聴、スマートフォン等の操作、並びにこれら以外の行為(食事等)が、セカンドタスクとして予め想定されている。
統合状態推定部73は、提供制御部74によるコンテンツの再生情報、及びスマートフォン等から送信される操作情報等を参照し、ドライバモニタ29の状態情報と組み合わせて、実施中のセカンドタスクを特定する。統合状態推定部73は、例えば機械学習等によって生成された判定器(判定ロジック)等を用いて、近赤外カメラによる撮像画像から、ドライバの実施するセカンドタスクを推定可能であってもよい。
尚、ドライバの実施するセカンドタスクを特定する処理は、ドライバモニタ29にて実施されてもよい。こうした形態であれば、統合状態推定部73は、ドライバモニタ29にて生成されたセカンドタスクの種類を示す情報を、通信バス99及び情報取得部71を通じて取得する。
提供制御部74は、各表示デバイス及びオーディオ装置24を用いたドライバへの情報の提供を統合制御する。提供制御部74は、各表示デバイスに表示させる各コンテンツの表示サイズ及び表示レイアウトを、各コンテンツに設定された優先度に応じて変更可能である。一例として、提供制御部74は、優先度の高いコンテンツほど、表示サイズを大きくするか、又は見た目上での画面手前側に表示させる。
具体的に、提供制御部74は、ドライバへ向けて提示する情報を調停する調停機能と、調停結果に基づき映像データ及び音声データを生成するデータ生成機能とを有している。提供制御部74は、調停機能として、情報取得部71にて取得される種々の取得情報に基づき、提供候補となる各コンテンツに、上述の優先度を設定する。提供制御部74は、優先度が高いと判断したコンテンツを、ドライバへの提供対象に選定する。提供制御部74は、データ生成機能として、コンテンツの選定結果に基づき、各表示デバイスに提供する制御信号及び映像データと、オーディオ装置24に提供する制御信号及び音声データとを生成する。提供制御部74は、生成した制御信号、映像データ及び音声データ等を、各提示デバイスへ向けて逐次出力する。
提供制御部74は、セカンドタスクの実施が許可された自動走行期間にて、例えば図4に示すように、動画コンテンツCTV等のエンターテイメント系のコンテンツを含んだセカンドタスクモードDMnの映像を、CID22の画面に表示させる。一例として、セカンドタスクモードDMnの表示には、動画コンテンツCTV及びナビマップMPが含まれている。提供制御部74は、縦長であるCID22の画面を、上下2つの画面領域に分割して用いる。動画コンテンツCTVは、ドライバから視認され易いように、上側の画面領域(以下、メイン表示域DA1)に表示される。一方で、ナビマップMPは、下側の画面領域(以下、サブ表示域DA2)に表示される。
尚、セカンドタスクモードDMnにて、動画コンテンツCTV等と共に表示されるコンテンツは、適宜変更されてよい。またセカンドタスクモードDMnでは、CID22の画面全体に、動画コンテンツCTVが表示されてもよい。さらに、セカンドタスクモードDMnにおいて表示されるコンテンツは、ドライバ等により予め設定可能であってよい。
このようなセカンドタスクをドライバが実施している場合、ドライバの注意は、運転操作から離れている。故に、セカンドタスクの実施中、自動運転ECU50bの自動走行制御による挙動変化に対し、ドライバは、不安を抱き易くなる。一例として、自動走行期間にて、緊急車両Qs(図8等参照)が車両Am(以下、自車とも記載)に接近する状況では、セカンドタスクの状態にあるドライバは、緊急車両Qsの接近に気づき難くなる。その結果、緊急車両Qsの接近に対応する挙動変化がドライバに不安を与える可能性がある。
こうした事態を回避するため、HCU100及び自動運転ECU50bは、自車に接近中の緊急車両Qsに対応する処理を実施する。以下、緊急車両Qsへの対応に関連するHCU100及び自動運転ECU50bの作動の詳細を、図1~図3を参照しつつ順に説明する。
尚、緊急車両Qsには、例えば消防用自動車、救急用自動車、及び警察車両等の少なくとも一つが含まれる。また、本開示における「緊急車両Qs」は、特に説明が無い場合には、緊急用務のために走行している緊急車両Qsを示す。
提供制御部74は、図5~図7に示すように、セカンドタスクモードDMnによるエンターテイメント系のコンテンツの提供を調停機能によって制限する。提供制御部74は、エンターテイメント系のコンテンツの提供を段階的に制限する。一例として、提供制御部74は、コンテンツの提供制限の強さが、制限なしの状態(図4参照)を含めて、四段階のうちで切り替える。
図5に示す制限表示モードDMr1は、エンターテイメント系のコンテンツの提供制限が最も弱い場合の表示モードである。制限表示モードDMr1は、レベル3の自動運転が今後も継続され、且つ、緊急車両Qsの接近に伴う自車の挙動変化も発生し難いシーンにおいて選択される。
制限表示モードDMr1では、メイン表示域DA1に、緊急車両通知MWqが表示される。緊急車両通知MWqは、例えば「緊急車両の接近に注意してください」等の注意喚起のメッセージを含む表示物である。緊急車両通知MWqは、メイン表示域DA1の上縁近傍に、横長の帯状に表示される。緊急車両通知MWqは、メイン表示域DA1の動画コンテンツCTVの一部に重ねられている。動画コンテンツCTVの大部分は、緊急車両通知MWqに隠されることなく表示される。加えて、緊急車両通知MWqが表示されても、動画コンテンツCTVの映像及び音声の再生は、継続される。そのため、ドライバによる動画コンテンツCTVの視聴は、緊急車両通知MWqの追加表示によって実質的に妨げられることなく、継続され得る。
加えて制限表示モードDMr1では、ナビマップMP(図4参照)に替えて、バックモニタ映像BMがサブ表示域DA2に表示される。バックモニタ映像BMは、カメラユニット31にて撮影された後方又は後側方の映像である。提供制御部74は、自車に接近する緊急車両Qsが画面に写るように、バックモニタ映像BMの提供元となるカメラユニット31を適宜切り替え可能である。提供制御部74は、複数のカメラユニット31の映像データを繋ぎ合わせて、バックモニタ映像BMを生成してもよい。バックモニタ映像BMは、緊急車両通知MWqと共に、緊急車両Qsの接近をドライバに報知する。加えて、バックモニタ映像BMが動画コンテンツCTVと並べて表示されれば、ドライバは、実際に自車の周囲に視線を向けることなく、言い替えれば、動画コンテンツCTVの視聴を中断することなく、緊急車両Qsの接近状況を把握できる。
図6に示す制限表示モードDMr2は、エンターテイメント系のコンテンツの提供制限が中程度とされた場合の表示モードである。制限表示モードDMr2は、レベル3の自動運転が今後も継続される一方で、緊急車両Qsの接近に伴う自車の挙動変化が発生し易いシーンにおいて選択される。制限表示モードDMr2は、動画コンテンツCTVを視聴するドライバの注意を、自車の周囲に誘導する表示モードである。
制限表示モードDMr2では、制限表示モードDMr1(図5参照)と同様に、メイン表示域DA1に緊急車両通知MWqが表示される。このとき、「緊急車両の接近に注意してください」等の音声メッセージが、オーディオ装置24によって再生される。一方で、制限表示モードDMr1とは異なり、制限表示モードDMr2では、動画コンテンツCTVの映像の再生が一時的に停止される。
加えて制限表示モードDMr2では、ナビマップMPからバックモニタ映像BM(図5参照)への表示切り替えは実施されない。CID22にバックモニタ映像BMを表示させてしまうと、ドライバの注意が自車の周囲に向き難くなる。故に、制限表示モードDMr2では、ナビマップMPの表示が継続される。
尚、エンターテイメント系のコンテンツとして、テレビ映像又はオーディオブック等が提供されていた場合、これらのコンテンツの音声の再生は、ユーザの利便性を考慮して、緊急車両Qsを注意喚起する音声メッセージの再生完了後に、再開されてもよい。この場合、緊急車両Qsのサイレン音等がドライバに聞き取られ易いように、再生音量は、制限表示モードDMr2への切り替え前よりも小さくされるのが望ましい。
図7に示す制限表示モードDMr3は、エンターテイメント系のコンテンツの提供制限が最も強くされた場合の表示モードである。制限表示モードDMr3は、レベル3の自動運転が終了する場合、言い替えれば、運転交代の要請が発生するシーン又は発生したシーンにおいて選択される。
制限表示モードDMr3では、動画コンテンツCTVの映像及び音声の再生が共に停止される。その結果、ドライバによる動画コンテンツCTVの視聴は、システム側の判断で強制的に終了される。加えて、提供制御部74は、メイン表示域DA1の表示コンテンツとサブ表示域DA2の表示コンテンツとを入れ替える。これにより、一時停止された動画コンテンツCTVは、サブ表示域DA2に移動する。一方で、ナビマップMPがメイン表示域DA1に移動する。
さらに、提供制御部74は、メータディスプレイ21及びHUD23(図1参照)の少なくとも一方により、緊急車両警告MWaを表示させる。緊急車両警告MWaは、例えば「緊急車両接近中」等の警告メッセージを含む表示物である。緊急車両警告MWaによる警告は、緊急車両通知MWq(図6参照)による注意喚起よりも、強い内容とされる。緊急車両警告MWaは、自車の周囲に視線を向けたドライバに視認され易いよう、メータディスプレイ21の画面中央又はHUD23の画角VA(図1参照)中央に表示される。加えて提供制御部74は、「緊急車両が接近中です」等の音声メッセージを、オーディオ装置24によって再生させる。
提供制御部74は、統合状態推定部73にて判別される実施中のセカンドタスクの種別に応じて、緊急車両Qsの接近を報知又は警告する手法を変更可能である。一例として、統合状態推定部73にてスマートフォン等を操作していると判定されている場合、提供制御部74は、緊急車両通知MWq又は緊急車両警告MWaに相当する表示物を、スマートフォンの画面に表示させる。加えて、食事等の行為をドライバが実施中の場合、提供制御部74は、音声メッセージの再生、又は動画コンテンツCTV等の音量を下げる等の手法により、緊急車両Qsの接近を報知する。さらに、提供制御部74は、実施中のセカンドタスクの種別に応じて、セカンドタスク自体を終了させるのか、又は一部を制限するのかを変更してもよい。
ここまで説明したHCU100による表示モードの切り替え制御は、図1及び図3に示す自動運転ECU50bとの連携によって実現される。以下、緊急車両Qsへの対応に関連する環境認識部61及び行動判断部62の機能の詳細を説明する。
環境認識部61は、少なくともレベル3の自動運転が行われる自動走行期間にて、自車への緊急車両Qsの接近の有無を判定する。環境認識部61は、自車への緊急車両Qsの接近状況を把握するため、自動運転制御プログラムに基づく補助的な機能部として、緊急車両検出部65、レーン把握部66、道路状況把握部67を有する。
緊急車両検出部65は、複数の情報源から取得する取得情報を用いて、自車への緊急車両Qsの接近を検知する。加えて緊急車両検出部65は、緊急車両Qsの接近を検知した場合、緊急車両Qsの種別、相対位置及び移動方向等を、緊急車両Qsの詳細情報としてさらに検出する。緊急車両検出部65は、緊急車両Qsの検知結果及び詳細情報を、緊急車情報として行動判断部62に提供する。
緊急車両検出部65は、車車間通信及び路車間通信によって緊急車情報を取得可能である。緊急車両Qsは、緊急用務中において、車車間通信、路車間通信及び移動体通信の少なくとも一つを用いて、現在位置、走行速度及び予定走行経路等の情報を、交通管理センター及び周囲の他車両等へ向けて送信可能である。そのため、車車間通信機37は、緊急車両Qsとの車車間通信によって緊急車情報を受信する。また、路車間通信機38は、路側機との路車間通信により、例えば交通管理センターによって配信された接近中の緊急車両Qsに関する緊急車情報を受信する。車車間通信機37及び路車間通信機38は、緊急車情報を受信した場合、受信した緊急車情報を緊急車両検出部65に提供する。
加えて緊急車両検出部65は、周辺監視センサ30の検出情報に基づき、緊急車両情を取得可能である。緊急車両検出部65は、例えばパターンマッチング等の手法を用いて、カメラユニット31による撮像データに写る緊急車両Qsを抽出することで、緊急車両Qsの接近を検知する。緊急車両検出部65は、撮像データに写る緊急車両Qsの位置及びサイズの変化を経時的に追跡し、緊急車両Qsについての詳細情報を生成する。
さらに、緊急車両検出部65は、マイクロフォン33によって集音された環境音から、緊急車両Qsの発するサイレンの音を抽出する。緊急車両検出部65は、予め規定されたパターンのサイレン音を環境音から抽出した場合、緊急車両Qsの接近を検知する。緊急車両検出部65は、サイレン音の音量及び周波数の変化から、緊急車両Qsについて詳細情報を生成する。
また緊急車両検出部65は、緊急車両Qsの拡声器から発せられた「救急車が通ります」及び「交差点に進入します」等の音声を認識する。緊急車両検出部65は、認識した音声を文字化した文字データを生成し、HCU100に提供可能である。
レーン把握部66は、緊急車両検出部65にて把握された緊急車両Qsの位置情報に基づき、緊急車両Qsが走行する緊急車レーンLnq(図8参照)を特定する。レーン把握部66は、自車のロケータ情報に基づき、自車の走行する自車レーンLns(図8参照)と緊急車レーンLnqとの位置関係を把握する。具体的に、レーン把握部66は、自車レーンLnsが緊急車レーンLnq(図13参照)、隣接レーンLna(図8及び図11参照)、離間レーンLnz(図12参照)及び反対レーンLno(図18参照)のいずれであるのかを把握する。隣接レーンLnaは、緊急車レーンLnqと隣り合うレーンである。離間レーンLnzは、緊急車レーンLnqから離間したレーンである。離間レーンLnzと緊急車レーンLnqとの間には、少なくとも一つのレーンが存在している。尚、走行中の道路において、同一方向へ向かうレーンが一つである場合、緊急車レーンLnqと自車との位置関係を把握する処理は、実施されなくてもよい。この場合、緊急車レーンLnqを自車が走行中であると一義的に判定する。
道路状況把握部67は、路車間通信を通じて取得される渋滞情報、周辺監視センサ30の検出情報及び車速情報等を組み合わせて、自車の周囲の道路状況を把握する。具体的に、道路状況把握部67は、自車が渋滞中を走行しているか否かを判定する。一例として、道路状況把握部67は、同一レーンを走行する前走車が存在しており、且つ、走行速度が所定速度(例えば、10km/h以下)である場合、渋滞中を走行していると判定する。道路状況把握部67は、渋滞判定の後、走行速度が所定速度(例えば、50km/h)を越えた場合、渋滞が解消したと判定する。
加えて道路状況把握部67は、同一方向へ向かうレーンの全てが渋滞中であるのか、又自車レーンLnsのみが渋滞しているか否かを判定する。言い替えれば、道路状況把握部67は、緊急車両Qsの走行可能な非渋滞レーンLnp(図15参照)の有無を判定する。
さらに道路状況把握部67は、路側帯RST(図14参照)の状態を把握可能であってもよい。一例として、道路状況把握部67は、路側帯RSTの幅及び路側帯RST上の他車両の有無を把握し、路側帯RSTを緊急車両Qsが走行できるか否かを判断する。この場合、道路状況把握部67は、路側帯RSTが非渋滞レーンとなり得るか否かを判断している。
行動判断部62は、環境認識部61にて緊急車両Qsの接近が検知された場合、レベル3の自動運転の制限の要否、即ち、ドライバへ向けた運転交代の要請の要否を判断する。行動判断部62は、緊急車両Qsの接近に対応して自車の将来行動を判断するため、自動運転制御プログラムに基づく補助的な機能部として、自動化レベル制御部68及び許可範囲制御部69を有する。
自動化レベル制御部68は、レベル3の自動運転が行われる自動走行期間にて、自車への緊急車両Qsの接近が検知された場合に、実施中の自動運転の継続の可否を判断する。自動化レベル制御部68は、レーン把握部66にて把握された緊急車レーンLnqの相対位置、及び道路状況把握部67にて把握された自車周囲の道路状況に基づき、レベル3の自動運転の継続の可否を判断する。
自動化レベル制御部68は、レベル3の自動運転を制限すると判断した場合、レベル3の自動走行を解除した後の自動運転の制御状態をさらに決定する。具体的に、自動化レベル制御部68は、全ての自動運転制御を終了し手動運転に切り替えるのか、或いはレベル1又はレベル2の自動運転等に切り替えるのかを、さらに判断する。尚、レベル3の自動運転を制限する処理のうちで、手動運転に切り替える処理を「中断」とする。
自動化レベル制御部68は、レベル3の自動運転を継続すると判断した場合、自動運転に設定される車両の走行速度を維持するか否かをさらに判断する。一例として、緊急車両Qsが車両Amの隣接レーンを走行する場合、即ち、レーン把握部66にて、自車レーンLnsが隣接レーンLnaであると把握されている場合、自動化レベル制御部68は、自動運転の設定速度を所定量下げる。これにより、緊急車両Qsの接近後の設定速度は、緊急車両Qsの接近以前の設定速度よりも低く変更される。例えば高速道路を走行する場合、自動化レベル制御部68は、高速道路の法定最低速度以下に設定速度を変更可能である。ただし、車両Amの前方に他車両Axが存在する場合、自動化レベル制御部68は、減速制御を回避し、前方の他車両Axの速度に合わせる制御を行うことができる。これにより、車両Amのみが急に減速することによる不要なリスク発生が防止される。
許可範囲制御部69は、ドライバに許可するセカンドタスクの許容範囲を制御する。許可範囲制御部69は、レベル3の自動運転が行われる自動走行期間にて、自車への緊急車両Qsの接近が検知された場合に、セカンドタスクがドライバに許可された許可状態の継続の可否を判断する。許可範囲制御部69は、自動化レベル制御部68と同様に、レーン把握部66にて把握された緊急車レーンLnqの相対位置、及び道路状況把握部67にて把握された自車周囲の道路状況に基づき、セカンドタスクの継続の可否を判断する。
具体的に、許可範囲制御部69は、レベル3の自動運転が中断される場合、全ての種類のセカンドタスクの中断を判断する。加えて許可範囲制御部69は、自車に急な挙動変化が生じ易いシーンと判断した場合も、セカンドタスクの中断を判断する。さらに、許可範囲制御部69は、複数種類のセカンドタスクのうちで、許可対象とするセカンドタスクと、許可対象としないセカンドタスクとを指定可能であってもよい。
許可範囲制御部69は、セカンドタスクの中断を判断した場合、車両Am、緊急車両Qs及び他車両Axの位置関係及び走行状態等に基づき、当該中断の解除条件の成立をさらに判断する。許可範囲制御部69は、一つ又は複数の解除条件を設定可能である。許可範囲制御部69は、緊急車両Qsが車両Amを追い抜いた(又は追い越した)後に所定時間が経過したことを解除条件として設定可能である。許可範囲制御部69は、車両Amを追い抜いた緊急車両Qsが当該車両Amから所定距離(以下、離間距離DSq,図9参照)以上離れたことを解除条件として設定可能である。許可範囲制御部69は、車両Amの周囲を走行する他車両Axの挙動が落ち着いたことを解除条件として設定可能である。許可範囲制御部69は、緊急車両Qsが車両Amを追い抜いた後に、車両Amが再び緊急車両Qsを追い抜いたことを解除条件として設定可能である(図10参照)。
以上の自動化レベル制御部68による自動運転の継続可否の判断結果、許可範囲制御部69によるセカンドタスクの許可状態の継続可否の判断結果及び解除条件成立の判断結果は、行動判断部62によってHCU100に提供される。加えて、緊急車両検出部65による緊急車両Qsの接近検知の判定結果も、継続可否の判断結果と共にHCU100に提供される。尚、以下の説明では、自動運転ECU50bより提供される継続可否の判断結果と、接近検知の判定結果とを、纏めて「継続判断結果」と記載する。また、解除条件成立の判断結果を、「解除判断結果」と記載する。
HCU100は、自動運転ECU50bより提供される継続判断結果及び解除判断結果に基づき、セカンドタスクモードDMn及び各制限表示モードDMr1~DMr3を切り替える表示制御を実施する。こうした表示制御のため、HCU100には、継続判定結果を処理する機能部として、タスク継続判断部72が提供制御プログラムに基づき、さらに構築される。
タスク継続判断部72は、通信バス99及び情報取得部71を通じて、自動運転ECU50bより出力される継続判断結果及び解除判断結果を取得する。タスク継続判断部72は、継続判断結果に含まれた接近検知の判定結果に基づき、緊急車両Qsの接近が検知されたか否かを把握する。加えてタスク継続判断部72は、継続判断結果を参照し、セカンドタスクをドライバに許可した許可状態が継続するか否かを判断する。さらにタスク継続判断部72は、継続判断結果を参照し、自動運転ECU50bにてレベル3の自動運転が継続するか否かをさらに判断する。
こうしたタスク継続判断部72の判断に従い、提供制御部74は、各表示デバイスの表示を制御する。提供制御部74は、タスク継続判断部72にてレベル3の自動運転又はセカンドタスクの許可状態が継続しないと判断された場合、セカンドタスクに関連してドライバに提供されるエンターテイメント系のコンテンツの表示を制限する。こうしたコンテンツの表示の制限には、後述するように、映像及び音声の少なくとも一方の再生を中断する、映像の一部を隠す、音量を下げる、並びにコンテンツそのものの表示を終了する等が含まれる。
具体的に、提供制御部74は、セカンドタスクの許可状態が継続する場合、CID22の表示モードをセカンドタスクモードDMn(図4参照)から制限表示モードDMr1(図5参照)に切り替える。また提供制御部74は、セカンドタスクの許可状態が継続しない一方で、レベル3の自動運転が継続する場合、CID22の表示モードをセカンドタスクモードDMnから制限表示モードDMr2(図6参照)に切り替える。さらに、提供制御部74は、レベル3の自動運転が継続しない場合、CID22の表示モードをセカンドタスクモードDMnから制限表示モードDMr3(図7参照)に切り替える。
以上のようなコンテンツ表示の制限が発生する緊急車両Qsの接近パターン及びコンテンツの表示が制限されない緊急車両Qsの接近パターンの複数の具体例を、図8~図16,図18に基づき、図3を参照しつつ、順に説明する。
図8に示す緊急車両接近パターン1において、自車(車両Am)は、緊急車レーンLnqに隣接する隣接レーンLnaを走行している。この場合、レベル3の自動運転は、継続が許可される。一方で、セカンドタスクの継続は、制限される。一例として、緊急車レーンLnqを走行する他車両Axは、緊急車両Qsの進路確保のために、自車(車両Am)の前方へ向けて、緊急車レーンLnqから自車レーンLnsに車線変更することが想定される。こうした他車両Axの動きに対し、自動運転ECU50bは、レベル3の自動運転の設定速度を低く変更し、自車を減速させる走行制御を実施する。自動運転ECU50bは、自車レーンLnsに移動した他車両Axに自車を追従走行させるため、設定速度を下げる変更を解除してもよい。このような挙動変化の発生を予見させるべく、ドライバの注意を車外に向けさせるため、許可範囲制御部69は、セカンドタスクを中断させる判断を行う。
提供制御部74は、自動運転ECU50bにて減速制御が実施される場合、緊急車両Qsの接近によって走行速度が下がることを伝える報知を、減速制御の開始前に実施する。加えて提供制御部74は、上記の行動判断部62の継続判断結果を受けて、CID22の表示モードを、制限表示モードDMr2(図6参照)に設定する。その結果、提供制御部74は、動画コンテンツCTVの再生の停止と、緊急車両通知MWqの表示とにより、動画コンテンツCTVの表示を制限する。
図9及び図10に示すように、緊急車両Qsが車両Amを追い抜いた後、レベル3の自動運転が許可される一方で、セカンドタスクの利用は、所定時間、少なくとも制限される。提供制御部74は、動画コンテンツCTVの表示を制限した場合、自動化レベル制御部68にて少なくとも一つの解除条件が成立するまで、動画コンテンツCTVの表示の制限を継続する。提供制御部74は、複数の解除条件を適宜組み合わせることが可能である。
提供制御部74は、自車を追い抜いた緊急車両Qsが離間距離DSq(図9参照)以上離れたことを解除条件とし、緊急車両Qsが自車から離間距離DSq以上離れるまで動画コンテンツCTVの表示の制限を継続する。提供制御部74は、離間距離DSqの確保に伴う解除条件の成立に基づき、セカンドタスクの利用が可能となったことをドライバに報知する。提供制御部74は、セカンドタスクの再開を指示するユーザ操作に基づき、動画コンテンツCTVの再生を開始する。
提供制御部74は、別の一例として、緊急車両Qsが自車を追い抜いた後、故障車Ab又は事故車等の近傍に停止した緊急車両Qsを自車が再び追い抜いたことを解除条件とする(図10参照)。提供制御部74は、自車が緊急車両Qsを再び追い抜くまで動画コンテンツCTVの表示の制限を継続し、緊急車両Qsを自車が追い抜いたタイミングでセカンドタスクの許可報知を実施する。
さらに、提供制御部74は、緊急車両Qsが自車を追い抜いた後の所定時間の経過を解除条件とし、所定時間の経過まで動画コンテンツCTVの表示の制限を継続する。加えて、提供制御部74は、自車周囲を走行する他車両Axの挙動が落ち着いたことを解除条件とし、他車両Axの挙動が落ち着くまでコンテンツの表示を制限する。例えば自動化レベル制御部68は、自車前方に他車両Axが車線変更するシーンにて、他車両Axの速度が実質一定になった場合、又は他車両Axまでの車間距離が追従走行制御の目標車間距離となった場合に、他車両Axの挙動が落ち着いたと判断する。
図11に示す緊急車両接近パターン2では、上述の緊急車両接近パターン1(図8参照)と同様に、自車(車両Am)は隣接レーンLnaを走行している。こうした同一のシーンであっても、自動化レベル制御部68及び許可範囲制御部69は、例えば緊急車レーンLnqにて緊急車両Qsの前方を走行する他車両Axの走行状態、又はユーザによる事前設定等により、継続可否の判断結果を変更可能である。
具体的に、緊急車両接近パターン2では、セカンドタスクの継続だけでなく、レベル3の自動運転の継続も制限される。これにより、CID22の表示モードは、制限表示モードDMr3(図7参照)に設定される。その結果、提供制御部74は、動画コンテンツCTVの再生の停止、及び動画コンテンツCTVのサブ表示域DA2の移動等により、動画コンテンツCTVの表示を制限する。加えて提供制御部74は、メータディスプレイ21及びHUD23を用いた緊急車両警告MWaの表示により、接近する緊急車両Qsの存在をドライバに警告する。提供制御部74は、緊急車両Qsが車両Amを追い抜いた後、例えば離間距離DSqが確保されたタイミングで、レベル3の自動運転が利用可能になったことを、ドライバに通知する。
図12に示す緊急車両接近パターン3において、自車(車両Am)は、緊急車レーンLnqから離れた離間レーンLnzを走行している。この場合、レベル3の自動運転は、継続が許可される。加えて、セカンドタスクも継続が許可される。これにより、CID22の表示モードは、制限表示モードDMr1(図5参照)に設定される。以上により、動画コンテンツCTVの再生が継続される。加えて、メイン表示域DA1への緊急車両通知MWqの追加表示と、サブ表示域DA2へのバックモニタ映像BMの表示とにより、接近する緊急車両Qsの存在がドライバに報知される。
図13に示す緊急車両接近パターン4において、自車(車両Am)は、緊急車レーンLnqを走行している。この緊急車両接近パターン4では、隣接レーンLnaへの車線変更により、緊急車レーンLnqから退避することが、自車の望ましい行動と考えられる。故に、行動判断部62では、セカンドタスクの継続だけでなく、レベル3の自動運転の継続も制限される。加えて、自動化レベル制御部68は、自動運転ECU50b又は運転支援ECU50aによるLCA機能の起動を制限する。これは、自動運転機能による車線変更には、手動運転による車線変更よりも長い時間が必要であり、LCA機能の使用が緊急車レーンLnqからの迅速な退避を妨げるためである。
以上の緊急車両接近パターン4では、自動運転及びセカンドタスクの両方を制限する継続判断結果を受けて、CID22の表示モードは、制限表示モードDMr3(図7参照)に設定される。その結果、動画コンテンツCTVの表示が制限される。加えて、メータディスプレイ21及びHUD23による緊急車両警告MWaの表示により、接近する緊急車両Qsの存在がドライバに警告される。
ここで、緊急車両接近パターン4において、ドライバは、運転操作の引き継ぎ要請の発生前に、自発的に制御権を取得するオーバーライドにより、隣接レーンLnaに退避する車線変更を実施し得る。この場合、レベル3の自動運転が一時停止の状態となり、行動判断部62は、手動運転又はACC機能によるレベル1の運転制御に制御状態を遷移させる。
図14に示す緊急車両接近パターン5において、自車(車両Am)は、渋滞中を走行している。加えて緊急車両接近パターン5では、走行中の道路に含まれる全てのレーンが渋滞している。この場合、行動判断部62では、レベル3の自動運転の継続に加えて、セカンドタスクの継続も許可される。以上により、CID22の表示モードは、制限表示モードDMr1(図5参照)に設定される。その結果、動画コンテンツCTVの再生が継続される一方で、メイン表示域DA1への緊急車両通知MWqの追加表示と、サブ表示域DA2へのバックモニタ映像BMの表示とにより、接近する緊急車両Qsの存在がドライバに報知される。
さらに、緊急車両接近パターン5では、自車と緊急車両Qsとの位置関係により、行動判断部62は、自動運転及びセカンドタスクの継続可否判断を変更する。具体的に、行動判断部62は、緊急車両Qsが自車に接近した場合、自動運転及びセカンドタスクの継続を制限する。一例として、緊急車両Qsは、路側帯RSTの走行により渋滞区間を通過できる。こうしたシーンを想定し、路側帯RSTへ向かう緊急車両Qsが自車に接近した場合、行動判断部62は、セカンドタスク及び自動運転の継続を共に制限し、ドライバに対応させる状態に切り替える。
以上の継続判断結果を受けて、CID22の表示モードは、制限表示モードDMr3(図7参照)に設定される。その結果、動画コンテンツCTVの表示が制限される。加えて、メータディスプレイ21及びHUD23には、緊急車両警告MWaが表示される。こうしてドライバには、路側帯RSTへ向かう緊急車両Qsの進路上から退避するような対応が促される。
図15に示す緊急車両接近パターン6において、自車(車両Am)は、渋滞中を走行している。加えて緊急車両接近パターン6では、道路に含まれる複数のレーンのうちで、自車レーンLnsのみが渋滞しており、緊急車両Qsの走行可能な非渋滞レーンLnpが存在している。この場合、レベル3の自動運転は、継続が許可される。一方で、セカンドタスクの継続は、制限される。
一例として、緊急車両Qsが非渋滞レーンLnpに移動すると、非渋滞レーンLnpを走行していた他車両が、緊急車両Qsの進路確保のために、自車前方の渋滞列中に割り込もうとする。こうした他車両の動きがあると、自車には、急な挙動変化が生じ易い。故に、ドライバの注意を車外に向けさせるべく、許可範囲制御部69は、セカンドタスクの継続を制限する。
以上の継続判断結果を受けて、CID22の表示モードは、制限表示モードDMr2(図6参照)に設定される。その結果、提供制御部74は、動画コンテンツCTVの再生を停止しつつ、緊急車両通知MWqを表示させて、接近する緊急車両Qsにドライバの注意を誘導する。
図16に示す緊急車両接近パターン7において、緊急車両Qsは、本線車道から離脱予定である。一方で、自車(車両Am)は、本線車道の走行を継続する。行動判断部62は、緊急車両Qsの予定走行経路を取得している場合、緊急車両Qsの予定走行経路から自車が退避可能か否かを判断する。行動判断部62は、緊急車両Qsの予定走行経路から自車が退避可能と判断した場合、レベル3の自動運転及びセカンドタスクの許可状態を共に継続させる。
以上の継続判断結果を受けて、CID22の表示モードは、図17に示すような制限表示モードDMr1に設定される。その結果、メイン表示域DA1に追加表示される緊急車両通知MWqと、サブ表示域DA2に表示されるバックモニタ映像BMとが、接近する緊急車両Qsの存在をドライバに報知する。緊急車両接近パターン7でも、緊急車両Qsを含んだカメラユニット31(例えば、左側方)の撮像データが自動的に選択され、バックモニタ映像BMとして表示される。
図18に示す緊急車両接近パターン8において、緊急車両Qsは、自車(車両Am)の前方から接近している。即ち、自車レーンLnsは、緊急車レーンLnqの反対レーンLnoとなっている。行動判断部62は、緊急車両Qsが自車前方から接近しており、緊急車両Qsの走行方向が自車の走行方向と真逆であると認識している場合、レベル3の自動運転及びセカンドタスクの許可状態を共に継続させる。
以上の継続判断結果を受けて、CID22の表示モードは、図19に示すように、制限なしのセカンドタスクモードDMnに設定される。この場合、動画コンテンツCTVの一部と重なるように、緊急車両通知MWqが一時的に表示される。緊急車両通知MWqは、制限表示モードDMr1と同様に、メイン表示域DA1の上縁近傍に横長の帯状に表示される。緊急車両通知MWqには、対向レーンを走行する緊急車両Qsの存在を報知するように、例えば「緊急車両が前方から接近しています」等のメッセージが含まれている。緊急車両Qsが前方から接近している場合の緊急車両通知MWqの表示は、所定時間(例えば、数秒程度)の経過によって終了される。こうした短時間の表示であっても、ドライバは、動画コンテンツCTVの視聴を継続しつつ、言い替えれば、周辺監視を実施することなく、緊急車両通知MWqを通じて車外の状態を把握できる。故に、緊急車両通知MWqは、ドライバに安心感を与えることができる。
ここまで説明した各シーンにて緊急車両Qsの接近によってレベル3の自動運転が一時的に制限された場合、自動運転ECU50bは、ドライバによる復帰操作の入力に基づき、レベル3の自動運転を再開させる。また自動運転ECU50bは、環境認識部61による自車周囲の走行環境の認識に基づき、レベル3の自動運転を自動的に再開可能である。具体的に、自動運転ECU50bは、車よりも緊急車両Qsが前方に移動した場合、例えばレベル2(LTA機能による車線内走行)に制限された自動運転を、レベル3に引き上げる。また自動運転ECU50bは、緊急車レーンLnqから隣接レーンLnaに自車が車線変更した場合、元のレーンに戻った後、レベル3の自動運転を再開する。さらに、自動運転ECU50bは、自車レーンLnsを走行する一台又は複数台の前方車両(他車両Ax)の状況を監視し、一定時間、前方車両の車線変更が検知されない場合、前方車両の挙動が落ち着いたと推定し、レベル3の自動運転を再開する。以上のように、自動運転ECU50bは、手動運転からレベル3の自動運転に自動で復帰させてもよく、或いはレベル1又は2の自動運転からレベル3の自動運転に復帰させてもよい。
次に、ここまで説明した緊急車両接近パターンを判別して継続可否を判断する各処理の詳細と、継続判断結果及び解除判断結果に基づき表示モードを切り替える各処理の詳細とを、図20~図23に基づき、図3~図19を参照しつつ、以下説明する。
図20に示す自動運転の継続判断処理は、レベル3の自動走行期間の開始に基づき、自動運転ECU50bによって開始される。自動運転ECU50bは、レベル3の自動運転が制限されるまで、自動運転の継続判断処理を継続する。
S101では、自車への緊急車両Qsの接近の有無を判定する。S101にて、緊急車両Qsが接近していないと判定した場合、S110に進み、レベル3の自動運転を継続させると判断し、S101に戻る。一方、S101にて、緊急車両Qsが接近していると判定した場合、S102に進む。S102では、ロケータ情報、車速情報、及び自車周囲の認識情報等、自車に関連する最新の自車情報を取得し、S103に進む。S103では、緊急車情報を取得し、S104に進む。
S104では、緊急車両Qsと自車との位置関係を把握し、緊急車レーンLnqの反対レーンLnoを走行しているか否かを判定する。S104にて、上記の「緊急車両接近パターン8(図18参照)」のように自車が反対レーンLnoを走行しており、自車の前方から対向レーンを走行する緊急車両Qsが接近していると判定した場合、S110に進み、自動運転を継続させると判断する。一方で、S104にて、自車の後方から緊急車両Qsが接近していると判定した場合、S105に進む。
S105では、緊急車両Qsの予定経路外に自車が退避可能か否かを判断する。S105では、S103にて取得した緊急車両Qsの予定走行経路に基づき、自車の予定走行ラインを、予定走行経路から外すことができるか否かを判定する。自車の予定走行ラインを緊急車両Qsの予定走行経路から外すことができない場合、S105にて、予定走行経路外への退避が不可能であると判定し、S106に進む。
一方、上記の「緊急車両接近パターン7(図16参照)」のように、緊急車両Qsの予定走行経路から自車が退避可能である場合、S110に進み、自動運転を継続させると判断する。例えば交差点等において、自車が右左折等によって緊急車両Qsの予定走行経路外に退避できる場合、又は緊急車両Qsの右左折等によって自車が緊急車両Qsの予定走行経路外に退避となる場合等でも、S105からS110に進む。S110の継続判断によれば、操作実行部63は、行動判断部62にて生成された予定走行ラインに従い、予定走行経路外への退避走行を実施する。
S106では、自車周囲の道路状況を判定する。S106にて、例えば「緊急車両接近パターン5(図14参照)」のように、自車が渋滞中を走行しており、且つ、全てのレーンが渋滞中であると判定した場合、S107に進む。
S107では、自車から緊急車両Qsまでの距離が確保された状態か否かを判定する。S107にて、例えば路側帯RSTを走行しようとする緊急車両Qsが自車の真後ろ又は真横に接近している、言い替えれば、自車と緊急車両Qsとが道路上で隣接していると判定した場合、距離が確保されないと判定し、S111に進む。S111では、レベル3の自動運転を制限すると判断し、一連の継続判断処理を終了する。一方、S107にて、自車と緊急車両Qsとが道路上で隣接しておらず、緊急車両Qsまでの距離が確保されていると判定した場合、S110に進み、自動運転を継続させると判断する。
またS106にて、例えば「緊急車両接近パターン6(図15参照)」のように、自車レーンLnsが渋滞している一方で、緊急車両Qsが通り抜け可能な非渋滞レーンLnpが存在すると判定した場合、S110に進み、自動運転を継続させると判断する。一方、S106にて、自車の周囲が渋滞していないと判定(非渋滞判定)した場合、S108に進む。
S108では、緊急車レーンLnqと自車との位置関係を判定する。S108にて、例えば「緊急車両接近パターン4(図13参照)」のように、自車と緊急車両Qsとが同一レーンを走行していると判定した場合、S111に進み、レベル3の自動運転を制限すると判断し、一連の継続判断処理を終了する。
対して、S108にて、自車が緊急車レーンLnqを走行していないと判定した場合、S109に進む。S109では、隣接レーンLnaと自車との位置関係を判定する。S109にて、例えば「緊急車両接近パターン3(図12参照)」のように、自車が離間レーンLnzを走行していると判定した場合、S110に進み、自動運転を継続させると判断する。
尚、例えば「緊急車両接近パターン1(図8参照)」のように、自車が隣接レーンLnaを走行していても、自動運転を継続させる設定の場合、S109は、省略されてよい。この場合、自車及び緊急車両Qsが同一レーンに位置しない限り、S110にて、自動運転を継続させると判断する。
一方、S109にて、例えば「緊急車両接近パターン2(図11参照)」のように、自車が隣接レーンLnaを走行していると判定した場合、S111に進み、レベル3の自動運転を制限すると判断し、一連の継続判断処理を終了する。
図21に示すセカンドタスクの継続判断処理は、自動運転の継続判断処理と同様に、自動走行期間の開始に基づき、自動運転ECU50bによって開始される。自動運転ECU50bは、レベル3の自動運転が制限されるまで、自動運転の継続判断処理と併行して、セカンドタスクの継続判断処理を繰り返し開始する。
S131では、自車への緊急車両Qsの接近の有無を判定する。S131では、緊急車両Qsが自車の後方から接近しているか否かもさらに判定する。S131にて、緊急車両Qsが後方から接近していると判定した場合、S132に進む。一方、S131にて、緊急車両Qsが接近していないと判定した場合、又は緊急車両Qsが自車の前方から接近していると判定した場合、S140に進む。
S140では、セカンドタスクの許可状態を継続すると判断し、継続判断処理を一旦終了する。この場合、行動判断部62は、緊急車両Qsが接近していないことを示す通知、又は緊急車両Qsが前方から接近していることを示す通知を、自動運転及びセカンドタスクの継続許可を示す通知と共に含む継続判断結果を生成し、HCU100へ向けて出力する。
S132では、自動運転の継続判断処理等により、レベル3の自動運転が解除されたか否かを判定する。S132にて、レベル3の自動運転が継続していると判定した場合、S133に進む。一方、S132にて、レベル3の自動運転が中断(解除)されたと判定した場合、S142に進む。S142では、セカンドタスクを制限(中断)させると判断し、継続判断処理を終了する。この場合、行動判断部62は、自動運転及びセカンドタスクの中断を指示する通知を、後方からの緊急車両Qsの接近を示す通知と共に含む継続判断結果を生成し、HCU100へ向けて出力する。
S133では、自車に関連する最新の自車情報を取得し、S134に進む。S134では、緊急車情報を取得し、S135に進む。S135では、緊急車両Qsの予定経路外に自車が退避可能か否かを判断する。S135にて、緊急車両Qsの予定走行経路から自車が退避可能であると判定した場合(図16参照)、S141に進む。S141では、セカンドタスクの許可状態を継続すると判断し、継続判断処理を一旦終了する。この場合、行動判断部62は、自動運転及びセカンドタスクの継続許可を示す通知を、緊急車両Qsの接近を示す通知と共に含む継続判断結果を生成し、HCU100へ向けて出力する。
一方、S135にて、緊急車両Qsの予定走行経路から自車が退避できないと判定した場合、S136に進む。S136では、自車周囲の道路状況を判定する。S136にて、自車が渋滞中を走行しており、且つ、全てのレーンが渋滞中であると判定した場合(図14参照)、S137に進む。
S137では、自車から緊急車両Qsまでの距離が確保された状態か否かを判定する。S137にて、緊急車両Qsが自車の至近距離に接近していると判定した場合、S142に進み、セカンドタスクを制限させると判断し、継続判断処理を一旦終了する。一方、S137にて、緊急車両Qsまでの距離が確保されていると判定した場合、S141に進み、セカンドタスクを継続させると判断し、継続判断処理を一旦終了する。
またS136にて、自車レーンLnsが渋滞している一方で、緊急車両Qsが通り抜け可能な非渋滞レーンLnpが存在すると判定した場合(図15参照)、S142に進み、セカンドタスクを制限させると判断する。一方、S136にて、自車の周囲の非渋滞判定を行った場合、S138に進む。
S138では、緊急車レーンLnqと自車との位置関係を判定する。S138にて、自車と緊急車両Qsとが同一レーンを走行していると判定した場合(図13参照)、S142に進み、セカンドタスクを中断させると判断し、継続判断処理を一旦終了する。一方、S138にて、自車が緊急車レーンLnqを走行していないと判定した場合、S139に進む。
S139では、隣接レーンLnaと自車との位置関係を判定する。S139にて自車が離間レーンLnzを走行していると判定した場合(図12参照)、S141に進み、セカンドタスクの許可状態を継続すると判断し、継続判断処理を一旦終了する。一方、S139にて、自車が隣接レーンLnaを走行していると判定した場合(図8及び図11参照)、S142に進み、セカンドタスクを中断させると判断し、継続判断処理を一旦終了する。
図22に示す表示制御処理は、動画コンテンツCTV等のエンターテイメント系のコンテンツの表示開始に基づき、HCU100によって開始される。HCU100は、セカンドタスクが中断されるか、又はドライバによる動画コンテンツCTVの終了操作が入力されるまで、表示制御処理を繰り返し開始する。
S151では、自動運転ECU50bより提供される継続判断結果を取得し、S152に進む。S152では、S151にて取得した継続判断結果を参照し、緊急車両Qsの接近を示す通知の有無を判定する。S152にて、緊急車両Qsの接近を示す通知がないと判定した場合、表示制御処理を一旦終了する。一方、S152にて、緊急車両Qsの接近を示す通知があると判定した場合、S153に進む。
S153では、S151にて取得した継続判断結果を参照し、自車前方からの緊急車両Qsの接近を示す通知の有無を判定する。S153にて、緊急車両Qsが自車前方から接近していると判定した場合、S154に進む。S154では、通常のセカンドタスクモードDMnのメイン表示域DA1に緊急車両通知MWqを一時的に追加表示し(図19参照)、前方からの緊急車両Qsの接近をドライバに報知する。S154では、所定時間の経過に基づいて緊急車両通知MWqを終了し、表示制御処理を一旦終了する。
一方、S153にて、緊急車両Qsが自車後方から接近していると判定した場合、S155に進む。S155では、S151にて取得した継続判断結果を参照し、セカンドタスクをドライバに許可した状態が継続するか否かを判断する。S155にて、セカンドタスクの許可状態が継続すると判断した場合、S156に進む。S156では、制限表示モードDMr1(図5参照)への切り替えによる緊急車両通知MWqの追加表示により、緊急車両Qsの接近をドライバに報知し、表示制御処理を一旦終了する。
一方、S155にて、セカンドタスクの許可状態が継続しないと判断した場合、S157に進む。S157では、S151にて取得した継続判断結果を参照し、レベル3の自動運転が継続するか否かをさらに判断する。S157にて、自動運転が継続すると判断した場合、S158に進む。S158では、制限表示モードDMr2(図6参照)への切り替えにより、動画コンテンツCTVの提供を終了させる。加えてS158では、緊急車両通知MWqの追加表示により、緊急車両Qsの接近をドライバに報知し、表示制御処理を一旦終了する。
対して、S157にて、自動運転が継続しないと判断した場合、S159に進む。S159では、制限表示モードDMr3(図7参照)への切り替えにより、動画コンテンツCTVの提供を終了させると共に、メイン表示域DA1及びサブ表示域DA2のコンテンツを入れ替える表示レイアウトの変更を実施し、S160に進む。S160では、メータディスプレイ21及びHUD23の少なくとも一方に緊急車両警告MWaを表示させて、緊急車両Qsの接近をドライバに警告し、表示制御処理を一旦終了する。
図23に示す表示制御処理は、制限表示モードDMr1~DMr3への表示モードを切り替えに基づき、HCU100によって開始される。
S171では、自動運転ECU50bより提供される解除判断結果を取得し、S172に進む。S172では、S171にて取得した解除判断結果を参照し、動画コンテンツCTVの表示制限の解除を許可する解除条件が成立したか否かを判定する。S172にて、予め設定された少なくとも一つの解除条件が成立していると判定した場合、S173に進む。S173では、制限表示モードDMr1~DMr3の解除を許可し、表示制御処理を終了する。この場合、自動的に又はユーザ操作に基づき、各制限表示モードDMr1~DMr3から通常のセカンドタスクモードDMnへと、表示モードが切り替えられる。一方、S172にて、解除条件が成立していないと判定した場合、S174にて制限表示モードDMr1~DMr3の継続を判定し、S171に戻る。以上により、特定の解除条件が成立するまで、動画コンテンツCTVの表示の制限が継続される。
ここまで説明した第一実施形態のHCU100は、セカンドタスクをドライバが行っているとき、自車への緊急車両Qsの接近によってセカンドタスクの許可状態が継続しないと判断した場合、動画コンテンツCTVの表示を制限する。故に、ドライバは、セカンドタスクを実施中であっても、動画コンテンツCTVに生じる表示の制限から、緊急車両Qsの接近に気づき易くなる。以上によれば、レベル3の自動走行中に緊急車両Qsの接近があっても、ドライバに不安を与え難くすることが可能になる。
加えて第一実施形態の提供制御部74は、動画コンテンツCTVの表示を制限した場合、少なくとも一つの解除条件が成立するまで動画コンテンツCTVの表示の制限を継続する。故に、ドライバは、動画コンテンツCTVの提供継続によって妨げられることなく、緊急車両Qsに適切な注意を向けることができる。
また第一実施形態の提供制御部74は、緊急車両Qsが自車を追い抜いた後の所定時間の経過を解除条件とし、所定時間の経過までコンテンツの表示の制限を継続する。以上によれば、緊急車両Qsの起因する挙動変化が発生し易い期間のうちは、動画コンテンツCTVの表示制限が解除されない。故に、早期のセカンドタスクの再開によってドライバが不安になる事態は、回避され得る。
さらに第一実施形態の提供制御部74は、自車を追い越した緊急車両Qsが離間距離DSq以上離れたことを解除条件とし、緊急車両Qsが離間距離DSq以上離れるまで動画コンテンツCTVの表示制限を継続する。こうした表示制限によっても、緊急車両Qsの起因する挙動変化が発生し易い期間のうちは、動画コンテンツCTVの表示制限が解除されない。したがって、早期のセカンドタスクの再開によってドライバが不安になる事態は、回避され得る。
加えて第一実施形態の提供制御部74は、自車の周囲を走行する他車両Axの挙動が落ち着いたことを解除条件とし、他車両Axの挙動が落ち着くまで動画コンテンツCTVの表示制限を継続する。以上によれば、他車両Axの動きに起因した挙動変化が発生し易い期間のうちは、動画コンテンツCTVの表示制限が解除されない。したがって、早期のセカンドタスクの再開によってドライバが不安になる事態は、回避され得る。
また第一実施形態の提供制御部74は、緊急車両Qsが自車を追い抜いた後、自車が再び緊急車両Qsを追い抜いたことを解除条件とし、緊急車両Qsを再び追い抜くまでコンテンツの表示の制限を継続する。こうした解除条件の設定によれば、故障又は事故の現場等で緊急車両Qsが停止するシーンでは、緊急車両Qsの停止をドライバに確認させたうえで、表示制限が解除され得る。その結果、ドライバは、安心してセカンドタスクを再開することができる。
さらに第一実施形態では、対向レーンを走行する緊急車両Qsが自車の前方から接近する場合でも、この緊急車両Qsの接近が報知される。こうした報知によれば、ドライバは、セカンドタスクを継続しつつ、緊急車両Qsの接近という車外の状態を把握できる。その結果、ドライバの安心感を高めることが可能になる。
加えて第一実施形態のタスク継続判断部72は、自動運転ECU50bにて自車への緊急車両Qsの接近が検知されると、自動運転ECU50bより取得する継続判断結果に基づき、レベル3の自動運転が継続するか否かをさらに判断する。そして、自動運転が継続しないと判断された場合(図7参照)、自動運転が継続すると判断された場合(図6参照)よりも、動画コンテンツCTVの表示が制限される。以上のように、自動運転が制限された場合に、動画コンテンツCTVの表示に強い制限をかける表示制御によれば、自発的な周辺監視の実施がドライバに強く促され得る。その結果、自動運転システム50からの運転操作の引き継ぎ要求に対し、ドライバの対応を妨げないような動画コンテンツCTVの提供が可能になる。
また第一実施形態の自動運転ECU50bは、自車への緊急車両Qsの接近を判定した場合、レベル3の自動運転の継続の可否と、セカンドタスクの許可状態の継続の可否とを判断する。故に、ドライバは、セカンドタスクを実施中であっても、レベル3の自動運転又はセカンドタスクの許可状態が継続されないことにより、緊急車両Qsの接近に気づき易くなる。以上によれば、自動走行中に緊急車両Qsの接近があっても、ドライバに不安を与え難くすることが可能になる。
さらに第一実施形態では、自車に対する緊急車レーンLnqの相対位置に基づき、レベル3の自動運転及びセカンドタスクの継続の可否が判断される。以上によれば、緊急車両Qsの接近状況に応じて、自動運転及びセカンドタスクの継続が、適切に制限され得る。故に、ドライバに不安を与えないようにしつつ、ドライバの利便性が確保可能になる。
具体的に第一実施形態では、緊急車両接近パターン1(図8参照)に示すように、隣接レーンLnaを自車が走行する場合、レベル3の自動運転の継続が許可される。一方で、セカンドタスクの継続は、制限される。以上によれば、ドライバの注意対象は、セカンドタスクから自車の周辺監視へと円滑に遷移し得る。その結果、例えば自車前方への他車両Axの割り込み等に起因する挙動変化に対しても、ドライバは不安を感じに難くなる。
加えて第一実施形態では、レベル3の自動運転の継続が許可された場合でも、自動運転に設定される車両Amの走行速度が緊急車両Qsの接近以前よりも低く変更される。こうした速度抑制制御によれば、ドライバは、緊急車両Qsの接近に対応した走行制御が開始されたことを把握できる。以上によれば、緊急車両Qsの接近を認知したドライバの不安がいっそう低減され得る。
また第一実施形態では、緊急車両接近パターン2(図11参照)に示すように、隣接レーンLnaを自車が走行する場合、レベル3の自動運転の継続が制限される。そうしたうえで、緊急車両Qsの存在がドライバに報知される。以上のように、緊急車両Qsが自車のごく近くを通過する場合、自動運転を終了させて、ドライバに周辺監視を促すことによれば、ドライバに不安を与え難くする効果がいっそう発揮され得る。
さらに第一実施形態では、緊急車両接近パターン3(図12参照)に示すように、緊急車レーンLnqから離れた離間レーンLnzを自車が走行する場合、セカンドタスクの継続が許可される。このように、急な挙動変化の発生リスクが低いシーンでは、セカンドタスクの継続を許容することで、ドライバの高い利便性が確保され得る。加えて、セカンドタスクの継続が許可されても、緊急車両Qsの存在は、ドライバに報知される。故に、仮に挙動変化が生じた場合でも、ドライバは、挙動変化の原因を把握しているため、不安を感じ難くなる。
加えて第一実施形態では、緊急車両接近パターン4(図13参照)に示すように、緊急車レーンLnqを自車が走行する場合、セカンドタスクの継続だけでなく、自動運転の継続も制限される。以上によれば、急な挙動変化の発生リスクが高いシーンでは、ドライバに運転操作の権限を予め引き継ぐことで、ドライバの不安が軽減され得る。
また第一実施形態では、自車の周囲の道路状況に基づき、レベル3の自動運転及びセカンドタスクの継続の可否が判断される。故に、自動運転及びセカンドタスクの継続が、道路状況に応じて適切に制限され得る。その結果、ドライバに不安を与えないようにしつつ、ドライバの利便性も確保できる。
具体的に、第一実施形態では、緊急車両接近パターン5(図14参照)に示すように、道路に含まれる全てのレーンが渋滞している場合、セカンドタスクの継続が許可される。加えて、緊急車両通知MWqの追加表示によって緊急車両Qsの接近がドライバに報知される。以上によれば、ドライバは、緊急車両Qsの接近を認識しつつ、動画コンテンツCTVの視聴を継続できる。その結果、ドライバの利便性が確保され易くなる。
一方で、緊急車両Qsが自車に非常に接近すると、セカンドタスクだけでなく、レベル3の自動運転も制限される。以上のように、運転操作の権限を速やかにドライバに移譲させる処理によれば、例えば路側帯RSTを走行しようする緊急車両Qsに走行スペースを譲る等の柔軟な対応が、ドライバによって実施され得る。
加えて第一実施形態では、緊急車両接近パターン6(図15参照)に示すように、自車レーンLnsが渋滞していても、緊急車両Qsが走行可能な非渋滞レーンLnpが存在する場合、レベル3の自動運転の継続が許可される。故に、渋滞中を走行するドライバの運転負荷が軽減され得る。一方で、セカンドタスクの継続は、制限される。故に、ドライバの注意は、自車の周囲に向くようになる。そのため、例えば自車の前方に他車両Axが割り込む等の状況に起因した挙動変化にも、ドライバは不安を感じ難くなる。
また第一実施形態では、緊急車両接近パターン7(図16参照)に示すように、緊急車両Qsの予定走行経路が把握できており、この予定走行経路から自車が退避可能である場合、セカンドタスクの継続が許可される。以上によれば、過度なセカンドタスクの制限発生が回避されるため、ドライバの利便性が確保され易くなる。
尚、上記実施形態では、環境認識部61が「接近判定部」に相当し、行動判断部62及びタスク継続判断部72がそれぞれ「継続判断部」に相当し、統合状態推定部73が「睡眠推定部」に相当し、提供制御部74が「提供制限部」に相当する。さらに、自動運転ECU50b及びHCU100がそれぞれ「制御装置」に相当し、動画コンテンツCTVが「コンテンツ」に相当し、セカンドタスクが「運転以外の特定行為」に相当し、離間距離DSqが「所定距離」に相当する。
(第二実施形態)
本開示の第二実施形態では、図3に示す自動運転ECU50bがレベル4の自動運転を実施可能である。レベル4の自動運転期間中にて、許可範囲制御部69は、動画コンテンツCTVの視聴及びスマートフォンの操等作の行為に加えて、シートベルを外した姿勢をとること及び睡眠等の行為をドライバに許可する。許可範囲制御部69は、レベル4の自動運転で走行する自車に緊急車両Qsが接近する場合、睡眠をドライバに許可した状態の継続可否を判断する。尚、自動化レベル制御部68は、緊急車両Qsが接近するシーンでも、原則的にレベル4の自動運転を継続させる。
許可範囲制御部69は、第一実施形態にてレベル3の自動運転又はセカンドタスクが制限される緊急車両Qsの各接近シーンにおいて、睡眠を許可した状態の継続を不許可とする。許可範囲制御部69は、第一実施形態の緊急車両接近パターン1,2,4~6において、ドライバの睡眠を不許可とする。一方、セカンドタスクの実施が制限されない第一実施形態の緊急車両接近パターン3,7,8等では、許可範囲制御部69は、ドライバの睡眠の継続を許可する。即ち、許可範囲制御部69は、自車の周囲に他車両Axが存在せず、かつ、緊急車両Qsが自車両と異なる車線に存在している場合、睡眠の継続を許可する。加えて許可範囲制御部69は、緊急車両Qsが自車の対向レーンを走行していれば、実質的にどんな状況であっても、睡眠の継続を許可する。許可範囲制御部69による睡眠継続の可否判断結果は、継続判断結果及び解除判断結果等と同様に、HCU100に提供される。
HCU100は、自動運転ECU50bによるレベル4の自動運転の起動に基づき、睡眠監視処理(図24参照)を開始する。睡眠監視処理は、タスク継続判断部72、統合状態推定部73及び提供制御部74によって実施される。睡眠監視処理により、睡眠状態からの覚醒を促す報知(以下、覚醒報知)が必要に応じて実施される。
タスク継続判断部72は、情報取得部71を通じて、自動運転ECU50bより出力される睡眠継続の可否判断結果を取得する(S283)。タスク継続判断部72は、睡眠継続の可否判断結果を参照し、ドライバに睡眠を許可した許可状態が今後も継続するか否かを判断する(S284)。
統合状態推定部73は、情報取得部71を通じて、睡眠状態にあるか否かを示すドライバの状態情報(以下、ドライバ睡眠情報)をドライバモニタ29より取得する(S281及びS286)。ドライバ睡眠情報は、ドライバが睡眠状態か否かを2値的に示す情報であってもよく、ドライバの睡眠状態を多段階又はスコア等で示す情報であってもよい。統合状態推定部73は、ドライバ睡眠情報を参照し、ドライバが睡眠状態にあるか覚醒状態にあるかを推定する(S282及びS287)。
提供制御部74は、統合状態推定部73にてドライバが睡眠状態にあると判定され(S282:YES)、かつ、タスク継続判断部72にて睡眠の許可状態が継続しないと判断された場合(S284:NO)に、覚醒報知を実施する(S285)。覚醒報知は、例えばオーディオ装置24によるメッセージ音声の再生を主体としたアクチュエーションとされる。提供制御部74は、運転席の背もたれを起こす作動等を、覚醒報知としてさらに実施してもよい。提供制御部74は、覚醒報知の開始後、統合状態推定部73にてドライバが覚醒状態になったと判定された場合(S287:YES)、又はタイムアウトとなった場合に、覚醒報知を終了する(S288)。
提供制御部74は、緊急車両Qsが接近するシーンにおいて、レベル4の自動運転の実施時における覚醒報知の開始タイミングを、レベル3の自動運転の実施時における表示制限の開始タイミングよりも早期に設定する。具体的に、緊急車両Qsの接近を判断する閾値は、レベル4の自動運転の実施時にてドライバが睡眠状態にある場合、レベル3の自動運転の実施時よりも緩和される。一例として、自車から緊急車両Qsまでの距離に基づき緊急車両Qsの接近が判断される場合、当該距離は、ドライバが睡眠状態にある場合に、レベル3の自動運転の実施時よりも長く設定される。尚、ドライバが睡眠状態にない場合、緊急車両Qsの接近を判断する閾値は、レベル4自動運転の実施時と、レベル3自動運転の実施時とで、実質同じタイミングとされてよい。
ここまで説明した第二実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏し、レベル4の自動運転の実施時におけるドライバの不安が軽減可能になる。
加えて第二実施形態では、ドライバが睡眠状態であると推定された条件下、緊急車両Qsの接近によって睡眠の許可状態が継続しないと判断された場合に、ドライバに覚醒を促す覚醒報知が実施される。その結果、ドライバは、自動運転ECU50bによる緊急車両Qsへの対処を、ある程度覚醒した状態で見守ることができる。したがって、緊急車両Qsの接近に起因する車両Amの挙動変化に睡眠状態で遭遇してしまう事態は、回避される。
また第二実施形態の提供制御部74は、睡眠状態にあるドライバに覚醒を促す覚醒報知を、レベル3自動運転の実施時に覚醒状態にあるドライバに緊急車両Qsの接近を知らせる接近報知(図22 S156等参照)よりも早いタイミングで実施する。こうした報知タイミングの調整によれば、ドライバには、睡眠状態から覚醒し、緊急車両Qsの接近を把握するまでの時間が十分に確保され得る。その結果、ドライバの安心感を高めることが可能になる。
さらに第二実施形態では、自車が緊急車レーンLnqとは異なるレーンを走行し、かつ、自車の周囲に他車両Axが存在しない場合、許可範囲制御部69は、睡眠の許可状態を継続させる。以上のように、緊急車両Qsへの対応をドライバに要請する可能性が非常に低いシーンであれば、ドライバに睡眠を許可した状態が継続されてよい。こうした覚醒報知の省略によれば、レベル4の自動運転の利便性がいっそう向上する。尚、第二実施形態では、統合状態推定部73が「睡眠判定部」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態の変形例1では、自動運転ECU50bからHCU100に、セカンドタスクの継続可否の判断結果が出力される。提供制御部74は、タスク継続判断部72によりセカンドタスクの許可状態が継続しないと判断された場合に、動画コンテンツCTVの表示を中断する。変形例1では、レベル3の自動運転が継続するか否かに関わらず、提供制御部74は、制限表示モードDMr3に設定し、ドライバにて実施中のセカンドタスクを終了させる。以上の変形例1のように、エンターテイメント系のコンテンツの再生を中断させる表示モードは、一つのみであってもよい。又は、エンターテイメント系のコンテンツの再生を中断させる表示モードは、三つ以上準備されていてもよい。
上記実施形態の変形例2では、レベル3の自動運転及びセカンドタスクの継続可否の判断に、緊急車レーンLnqと自車との位置関係が用いられる一方で、自車周囲の道路状況は用いられない。対して、上記実施形態の変形例3では、自動運転及びセカンドタスクの継続可否の判断に、自車周囲の道路状況が用いられる一方で、緊急車レーンLnqと自車との位置関係は用いられない。
上記実施形態の変形例4では、緊急車両Qsの接近を報知するタイミングが、自車が渋滞中を走行しているか否かによって変更される。緊急車両Qsの接近を報知するタイミングは、自動運転システム50からの運転交代の要請にドライバが対応する時間(例えば、13秒程度)を確保可能なタイミングとされる。故に、自車が渋滞中を走行する場合、提供制御部74は、通常よりも、緊急車両Qsの接近を報知するタイミングを遅くする。
さらに、提供制御部74は、緊急車情報の取得経路に応じて、緊急車両Qsの接近を報知するタイミングを変更してもよい。一例として、周辺監視センサ30の検出情報から緊急車両Qsの接近を判定した場合、提供制御部74は、直ちに緊急車両Qsの接近をドライバに報知する。一方で、路車間通信による取得情報に基づき緊急車両Qsの接近を判定した場合、提供制御部74は、緊急車両Qsから自車までの距離が所定距離(例えば1km程度)未満となったタイミングで、緊急車両Qsの接近をドライバに報知する。
上記実施形態の変形例5では、緊急車両通知MWq及び緊急車両警告MWaに規定以外の文字メッセージが表示される。詳記すると、緊急車両検出部65は、緊急車両Qsから発せられた音声を認識し、その文字データをHCU100に提供可能である。提供制御部74は、取得した文字データに基づくメッセージ文を、緊急車両通知MWq及び緊急車両警告MWaに表示させる。
上記実施形態では、動画コンテンツCTVの再生を一時停止させる処理により、コンテンツの表示が制限されていた。しかし、コンテンツの表示を制限する手法は、適宜変更可能である。一例として、上記実施形態の変形例6では、制限表示モードDMr2にて、動画コンテンツCTVをグレーダウンさせる表示処理が、コンテンツの表示の制限として実施される。また、上記実施形態の変形例7では、制限表示モードDMr2及び制限表示モードDMr3の少なくとも一方にて、動画コンテンツCTVの表示中央を覆い隠すように、警告メッセージを含んだウィンドウが重ねられる。
上記第一実施形態にて設定された表示制限を解除する条件の組み合わせは、適宜変更されてよい。例えば、上述した四つの解除条件の少なくとも一つが成立した場合に、動画コンテンツCTVの表示制限が解除されてよい。また、一部の解除条件が省略されてもよい。一例として、上記実施形態の変形例8では、所定時間が経過し、かつ、離間距離DSqが確保された場合、又は緊急車両Qsを追い越した場合に、表示制限が解除される。さらに、上記実施形態の変形例9では、自車周囲の他車両Axの挙動が落ち着いた場合、追い越し後の経過時間及び緊急車両Qsまでの距離に関係なく、表示制限が解除される。
上記第二実施形態の変形例10では、ドライバが睡眠状態にある場合の覚醒報知が、緊急車両Qsの接近報知と実質同じタイミングで実施される。この場合、緊急車両Qsの接近報知が、覚醒報知を兼ねていてもよい。また、上記第二実施形態の変形例11では、緊急車両Qsが自車の後方から接近している場合、自車レールの位置や他車両Axの有無に関わらず、睡眠の継続が不許可とされる。さらに、上記実施形態の変形例12では、自車前方から接近する緊急車両Qsの報知が省略される。
セカンドタスクに関連するコンテンツを表示する表示デバイスは、CID22に限定されない。例えば、メータディスプレイ21及びHUD23が、エンターテイメント系のコンテンツの提供に用いられてよい。さらに、電子ミラーシステムの各ディスプレイEMB,EML,EMRが、コンテンツの提供に用いられてよい。また、コンテンツを表示させる表示デバイスは、ドライバによって選択可能であってもよい。
加えて、各表示デバイスに表示される各画像の形状、発光色、表示位置等は、適宜変更されてよい。また、各表示デバイスに表示されるメッセージの言語の種類は、ドライバ等のユーザ設定、並びに車両Amが使用される国及び地域等の設定に基づき、適宜変更されてよい。同様に、オーディオ装置24によって再生される音声メッセージの言語の種類も、適宜変更されてよい。
ドライバに許可されるセカンドタスクは、上述の行為に限定されず、車両Amが使用される国及び地域の道路交通法等の法規に応じて、適宜変更されてよい。
上記実施形態の変形例13では、メータディスプレイ21、CID22及びHUD23のいずれか一つが、HCU100と一体的に構成されている。言い替えれば、HCU100の処理機能は、いずれか一つの表示デバイスの制御回路に実装されている。こうした変形例13では、HCU100の処理機能を含んだ表示デバイスが「制御装置」に相当する。
上記実施形態の自動運転システム50には、運転支援ECU50a及び自動運転ECU50bという2つの車載ECUが設けられていた。しかし、運転支援ECU50a及び自動運転ECU50bの各機能を備えた一つの車載ECUが、自動運転システム50を構築していてもよい。さらに、上記実施形態の自動運転ECU50b及びHCU100の各機能は、一つの車載ECUに実装されていてもよい。
上記実施形態にて、自動運転ECU50b及びHCU100のそれぞれによって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
また、上記の制御方法を実現可能なプログラム等を記憶する記憶媒体の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、自動運転ECU又はHCUの制御回路に電気的に接続される構成であってよい。さらに、記憶媒体は、自動運転ECU又はHCUへのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
ここまで説明した実施形態及び変形例から把握される技術的思想を、付記1~23,2-6,2-14,2-29,2-31,2-38,2-46~2-50として以下に記載する。
(付記1)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御装置であって、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近が検知された場合に、運転以外の特定行為を前記ドライバに許可した状態が継続するか否かを判断する継続判断部(72)と、
前記継続判断部により前記特定行為の許可状態が継続しないと判断された場合に、前記ドライバに提供されるコンテンツ(CTV)の表示を制限する提供制限部(74)と、
を備える制御装置。
(付記2)
前記提供制限部は、前記コンテンツの表示を制限した場合、少なくとも一つの解除条件が成立するまで前記コンテンツの表示の制限を継続する付記1に記載の制御装置。
(付記3)
前記提供制限部は、前記緊急車両が前記自車を追い抜いた後の所定時間の経過を前記解除条件とし、前記所定時間の経過まで前記コンテンツの表示の制限を継続する付記2に記載の制御装置。
(付記4)
前記提供制限部は、前記自車を追い抜いた前記緊急車両が所定距離(DSq)以上離れたことを前記解除条件とし、前記緊急車両が前記所定距離以上離れるまで前記コンテンツの表示の制限を継続する付記2又は3に記載の制御装置。
(付記5)
前記提供制限部は、前記自車の周囲を走行する他車両の挙動が落ち着いたことを前記解除条件とし、前記他車両の挙動が落ち着くまで前記コンテンツの表示の制限を継続する付記2~4のいずれか一項に記載の制御装置。
(付記6)
前記提供制限部は、前記緊急車両が前記自車を追い抜いた後、前記自車が再び前記緊急車両を追い抜いたことを前記解除条件とし、前記緊急車両を再び追い抜くまで前記コンテンツの表示の制限を継続する付記2~5のいずれか一項に記載の制御装置。
(付記7)
前記ドライバが睡眠状態にあるか否かを推定する睡眠推定部(73)、をさらに備え、
前記継続判断部は、前記ドライバに睡眠を許可した状態が継続するか否かを判断し、
前記提供制限部は、前記ドライバが睡眠状態にあると推定された条件下、前記緊急車両の接近によって睡眠の許可状態が継続しないと判断された場合に、前記ドライバに覚醒を促す報知を実施する付記1~6のいずれか一項に記載の制御装置。
(付記8)
前記提供制限部は、睡眠状態にある前記ドライバに覚醒を促す報知を、覚醒状態にある前記ドライバに前記緊急車両の接近を知らせる報知よりも早いタイミングで実施する付記7に記載の制御装置。
(付記9)
前記提供制限部は、対向レーンを走行する前記緊急車両が前記自車の前方から接近する場合、前記緊急車両の接近を報知する付記1~8のいずれか一項に記載の制御装置。
(付記10)
前記継続判断部は、前記自車への前記緊急車両の接近が検知された場合に、前記自動運転が継続するか否かをさらに判断し、
前記提供制限部は、前記継続判断部により前記自動運転が継続しないと判断された場合に、前記自動運転が継続すると判断された場合よりも、前記コンテンツの表示を制限する付記1~9のいずれか一項に記載の制御装置。
(付記11)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御装置であって、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近の有無を判定する接近判定部(61)と、
前記接近判定部により前記緊急車両の接近が判定された場合に、前記自動運転の継続の可否と、運転以外の特定行為が前記ドライバに許可された状態の継続の可否とを判断する継続判断部(62)と、
を備える制御装置。
(付記12)
前記特定行為の継続の可否及び前記自動運転の継続の可否の少なくとも一方は、前記緊急車両が走行する緊急車レーン(Lnq)の相対位置に基づき判断される付記10又は11に記載の制御装置。
(付記13)
前記緊急車レーンに隣接する隣接レーン(Lna)を前記自車が走行する場合、前記特定行為の継続が制限され、且つ、前記自動運転の継続が許可される付記12に記載の制御装置。
(付記14)
前記自動運転の継続が許可された場合、前記自動運転に設定される前記車両の走行速度が前記緊急車両の接近以前よりも低く変更される付記13に記載の制御装置。
(付記15)
前記緊急車レーンに隣接する隣接レーン(Lna)を前記自車が走行する場合、前記自動運転の継続が制限され、且つ、前記緊急車両の存在が前記ドライバに報知される付記12に記載の制御装置。
(付記16)
前記緊急車レーンから離れた離間レーン(Lnz)を前記自車が走行する場合、前記特定行為の継続が許可され、且つ、前記緊急車両の存在が前記ドライバに報知される付記12~15のいずれか一項に記載の制御装置。
(付記17)
前記緊急車レーンを前記自車が走行する場合、前記特定行為の継続が制限され、且つ、前記自動運転の継続が制限される付記12~16のいずれか一項に記載の制御装置。
(付記18)
前記自車が前記緊急車レーンとは異なるレーンを走行し、かつ、前記自車の周囲に他車両が存在しない場合、睡眠の許可状態が継続される付記12~17のいずれか一項に記載の制御装置。
(付記19)
前記特定行為の継続の可否及び前記自動運転の継続の可否の少なくとも一方は、前記自車が走行する道路の状況に基づき判断される付記10~18のいずれか一項に記載の制御装置。
(付記20)
前記道路に含まれる全てのレーンが渋滞している場合、前記特定行為の継続が許可され、且つ、前記緊急車両の存在が前記ドライバに報知される付記19に記載の制御装置。
(付記21)
前記道路に含まれるレーンのうちで前記自車が走行する自車レーンが渋滞しており、且つ、前記緊急車両が走行可能な非渋滞レーン(Lnp)が前記道路に存在する場合、前記特定行為の継続が制限され、且つ、前記自動運転の継続が許可される付記19又は20に記載の制御装置。
(付記22)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御プログラムであって、
少なくとも一つの処理部(11)に、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近が検知された場合に、運転以外の特定行為を前記ドライバに許可した状態が継続するか否かを判断し(S155)、
前記特定行為の許可状態が継続しないと判断した場合に、前記ドライバに提供されるコンテンツ(CTV)の表示を制限する(S158,S159)、
ことを含む処理を実行させる制御プログラム。
(付記23)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御プログラムであって、
少なくとも一つの処理部(51)に、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近の有無を判定し(S101,S131)と、
前記緊急車両の接近を判定した場合に、前記自動運転の継続の可否と、運転以外の特定行為が前記ドライバに許可された状態の継続の可否とを判断する(S106~S109,S136~S139)、
ことを含む処理を実行させる制御プログラム。
(付記2-6)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御装置であって、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近が検知された場合に、運転以外の特定行為を前記ドライバに許可した状態が継続するか否かを判断する継続判断部(72)と、
前記継続判断部により前記特定行為の許可状態が継続しないと判断された場合に、前記ドライバに提供されるコンテンツ(CTV)の表示を制限する提供制限部(74)と、を備え、
前記継続判断部は、前記自車への前記緊急車両の接近が検知された場合に、前記自動運転が継続するか否かをさらに判断し、
前記提供制限部は、前記継続判断部により前記自動運転が継続しないと判断された場合に、前記自動運転が継続すると判断された場合よりも、前記コンテンツの表示を制限し、
前記特定行為の継続の可否及び前記自動運転の継続の可否の少なくとも一方は、前記緊急車両が走行する緊急車レーン(Lnq)の相対位置に基づき判断され、
前記緊急車レーンに隣接する隣接レーン(Lna)を前記自車が走行する場合、前記特定行為の継続が制限され、且つ、前記自動運転の継続が許可される制御装置。
(付記2-14)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御装置であって、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近が検知された場合に、運転以外の特定行為を前記ドライバに許可した状態が継続するか否かを判断する継続判断部(72)と、
前記継続判断部により前記特定行為の許可状態が継続しないと判断された場合に、前記ドライバに提供されるコンテンツ(CTV)の表示を制限する提供制限部(74)と、を備え、
前記継続判断部は、前記自車への前記緊急車両の接近が検知された場合に、前記自動運転が継続するか否かをさらに判断し、
前記提供制限部は、前記継続判断部により前記自動運転が継続しないと判断された場合に、前記自動運転が継続すると判断された場合よりも、前記コンテンツの表示を制限し、
前記特定行為の継続の可否及び前記自動運転の継続の可否の少なくとも一方は、前記自車が走行する道路の状況に基づき判断され、
前記道路に含まれるレーンのうちで前記自車が走行する自車レーンが渋滞しており、且つ、前記緊急車両が走行可能な非渋滞レーン(Lnp)が前記道路に存在する場合、前記特定行為の継続が制限され、且つ、前記自動運転の継続が許可される制御装置。
(付記2-29)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御装置であって、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近の有無を判定する接近判定部(61)と、
前記接近判定部により前記緊急車両の接近が判定された場合に、前記自動運転の継続の可否と、運転以外の特定行為が前記ドライバに許可された状態の継続の可否とを、前記緊急車両が走行する緊急車レーン(Lnq)の相対位置に基づき判断する継続判断部(62)と、
を備える制御装置。
(付記2-31)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御装置であって、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近の有無を判定する接近判定部(61)と、
前記接近判定部により前記緊急車両の接近が判定された場合に、前記自動運転の継続の可否と、運転以外の特定行為が前記ドライバに許可された状態の継続の可否とを判断する継続判断部(62)と、を備え、
前記特定行為の継続の可否及び前記自動運転の継続の可否の少なくとも一方は、前記緊急車両が走行する緊急車レーン(Lnq)の相対位置に基づき判断され、
前記緊急車レーンに隣接する隣接レーン(Lna)を前記自車が走行する場合、前記特定行為の継続が制限され、且つ、前記自動運転の継続が許可される制御装置。
(付記2-38)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御装置であって、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近の有無を判定する接近判定部(61)と、
前記接近判定部により前記緊急車両の接近が判定された場合に、前記自動運転の継続の可否と、運転以外の特定行為が前記ドライバに許可された状態の継続の可否とを判断する継続判断部(62)と、を備え、
前記特定行為の継続の可否及び前記自動運転の継続の可否の少なくとも一方は、前記自車が走行する道路の状況に基づき判断され、
前記道路に含まれるレーンのうちで前記自車が走行する自車レーンが渋滞しており、且つ、前記緊急車両が走行可能な非渋滞レーン(Lnp)が前記道路に存在する場合、前記特定行為の継続が制限され、且つ、前記自動運転の継続が許可される制御装置。
(付記2-46)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御プログラムであって、
少なくとも一つの処理部(11)に、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近が検知された場合に、運転以外の特定行為を前記ドライバに許可した状態が継続するか否かを判断し(S155)、
前記特定行為の許可状態が継続しないと判断した場合に、前記ドライバに提供されるコンテンツ(CTV)の表示を制限し(S158,S159)、
前記自車への前記緊急車両の接近が検知された場合に、前記自動運転が継続するか否かをさらに判断し(S157)、
前記自動運転が継続しないと判断した場合に、前記自動運転が継続すると判断した場合よりも、前記コンテンツの表示を制限し、
前記特定行為の継続の可否及び前記自動運転の継続の可否の少なくとも一方を、前記緊急車両が走行する緊急車レーン(Lnq)の相対位置に基づき判断し、
前記緊急車レーンに隣接する隣接レーン(Lna)を前記自車が走行する場合、前記特定行為の継続を制限し、且つ、前記自動運転の継続が許可する、
ことを含む処理を実行させる制御プログラム。
(付記2-47)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御プログラムであって、
少なくとも一つの処理部(11)に、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近が検知された場合に、運転以外の特定行為を前記ドライバに許可した状態が継続するか否かを判断し(S155)、
前記特定行為の許可状態が継続しないと判断した場合に、前記ドライバに提供されるコンテンツ(CTV)の表示を制限し(S158,S159)、
前記自車への前記緊急車両の接近が検知された場合に、前記自動運転が継続するか否かをさらに判断し(S157)、
前記自動運転が継続しないと判断した場合に、前記自動運転が継続すると判断した場合よりも、前記コンテンツの表示を制限し、
前記特定行為の継続の可否及び前記自動運転の継続の可否の少なくとも一方を、前記自車が走行する道路の状況に基づき判断し、
前記道路に含まれるレーンのうちで前記自車が走行する自車レーンが渋滞しており、且つ、前記緊急車両が走行可能な非渋滞レーン(Lnp)が前記道路に存在する場合、前記特定行為の継続を制限し、且つ、前記自動運転の継続を許可する、
ことを含む処理を実行させる制御プログラム。
(付記2-48)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御プログラムであって、
少なくとも一つの処理部(51)に、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近の有無を判定し(S101,S131)と、
前記緊急車両の接近を判定した場合に、前記自動運転の継続の可否と、運転以外の特定行為が前記ドライバに許可された状態の継続の可否とを、前記緊急車両が走行する緊急車レーン(Lnq)の相対位置に基づき判断する(S106~S109,S136~S139)、
ことを含む処理を実行させる制御プログラム。
(付記2-49)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御プログラムであって、
少なくとも一つの処理部(51)に、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近の有無を判定し(S101,S131)と、
前記緊急車両の接近を判定した場合に、前記自動運転の継続の可否と、運転以外の特定行為が前記ドライバに許可された状態の継続の可否とを判断し(S106~S109,S136~S139)、
前記特定行為の継続の可否及び前記自動運転の継続の可否の少なくとも一方を、前記緊急車両が走行する緊急車レーン(Lnq)の相対位置に基づき判断し、
前記緊急車レーンに隣接する隣接レーン(Lna)を前記自車が走行する場合、前記特定行為の継続を制限し、且つ、前記自動運転の継続を許可する、
ことを含む処理を実行させる制御プログラム。
(付記2-50)
ドライバによる周辺監視義務のない自動運転を実施可能な車両(Am)において用いられる制御プログラムであって、
少なくとも一つの処理部(51)に、
前記自動運転が行われる自動走行期間にて、前記車両である自車への緊急車両(Qs)の接近の有無を判定し(S101,S131)と、
前記緊急車両の接近を判定した場合に、前記自動運転の継続の可否と、運転以外の特定行為が前記ドライバに許可された状態の継続の可否とを判断し(S106~S109,S136~S139)、
前記特定行為の継続の可否及び前記自動運転の継続の可否の少なくとも一方を、前記自車が走行する道路の状況に基づき判断し、
前記道路に含まれるレーンのうちで前記自車が走行する自車レーンが渋滞しており、且つ、前記緊急車両が走行可能な非渋滞レーン(Lnp)が前記道路に存在する場合、前記特定行為の継続を制限し、且つ、前記自動運転の継続を許可する、
ことを含む処理を実行させる制御プログラム。