JP7346514B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
開口部への塵埃等の進入を抑制するために外部カバーを設ける方法も考えられるが、部品点数が多くなるだけでなく、外部カバー追加に伴う部品コストの上昇が生じる。コスト低減の観点からは、外部カバーやグロメット等を使用しない簡易な構成で、塵埃等の進入を抑制することが望まれる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、開口部への塵埃等の進入を抑制すると共に、開口部の外観露出を抑制することを目的とする。
また、車外に向けて開口する開口部を有する車体フレームと、前記開口部を通過する第一ケーブルとを備える鞍乗り型車両において、前記第一ケーブルの少なくとも一部は前記車体フレーム内部に配索され、前記開口部の車外側であって、前記開口部に対して垂直方向外側から視て、前記開口部と重なる位置に、前記第一ケーブルと異なる第二ケーブルが配置され、前記開口部の周囲に設けられ、前記第一ケーブルと、前記第二ケーブルと、前記開口部の車外側に配置される第三ケーブルとを保持する固定部材を備え、前記開口部に対して垂直方向外側から視て、前記開口部に遠い側から、前記第三ケーブル、前記第二ケーブル、前記第一ケーブルの順に並び、前記開口部における車外かつ一端側に、前記固定部材が設けられ、前記開口部における車外かつ他端側に、前記第二ケーブルを、前記開口部から離間させるガイドが設けられていることを特徴とする。
また、車外に向けて開口する開口部を有する車体フレームと、前記開口部を通過する第一ケーブルとを備える鞍乗り型車両において、前記第一ケーブルの少なくとも一部は前記車体フレーム内部に配索され、前記開口部の車外側であって、前記開口部に対して垂直方向外側から視て、前記開口部と重なる位置に、前記第一ケーブルと異なる第二ケーブルが配置され、前記開口部の周囲に設けられ、前記第一ケーブルと、前記第二ケーブルと、前記開口部の車外側に配置される第三ケーブルとを保持する固定部材を備え、前記開口部に対して垂直方向外側から視て、前記開口部に遠い側から、前記第三ケーブル、前記第二ケーブル、前記第一ケーブルの順に並び、前記第一ケーブルを構成する複数のケーブル同士を接続するジョイント部を備え、前記ジョイント部が前記固定部材に支持されていることを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
鞍乗り型車両10の車体フレーム11は、ヘッドパイプ18と、フロントフレーム19と、リアフレーム20と、リアフレーム20の下部から下方に延出するピボットフレーム31とを一体に備える一体型フレームであり、鞍乗り型車両10のボディを兼ねるモノコックフレームに形成されている。モノコックフレームの材料は、金属材料、又はカーボン材料等の剛性を有する適宜な材料を適用可能である。
また、車体フレーム11は、フロントフレーム19の上面を構成する前側上板部材53と、リアフレーム20の後部上面を構成する後側上板部材54と、フロントフレーム19の下面を構成する前側下板部材55と、リアフレーム20の下面、及び後面をそれぞれ構成する後側下板部材56及び後側板部材57とを備える。
左右の側壁部材51,52は、鞍乗り型車両10の外観を構成する部材となり、鞍乗り型車両10の外観を構成するボディということができ、また、鞍乗り型車両10の所定の構成部品(後述するエアクリーナ71、燃料タンク29、及びバッテリー73等)を車幅方向外側から覆うカバーとしても機能する。
フロントフレーム19よりも下方かつ左右のリアフレーム20の間には、車体前方に向けて開口する前方開口部62が設けられる。前方開口部62は、上方に向けて切り欠かれた形状を有している。
より具体的には、内部空間59のうち、シート17下方には、エアクリーナ71、燃料タンク29が上下に並べて配置されると共に、エアクリーナ71の前方にバッテリー73が配置される。エアクリーナ71の前端部には、コネクティングチューブ75の後端部が連結される。エアクリーナ71、燃料タンク29は、少なくとも一部が車体上下方向に重なるように配置されている。したがって、車体側面視で、エアクリーナ71の下方に燃料タンク29の少なくとも一部が配置され、車体上面視で見た場合も、エアクリーナ71及び燃料タンク29のそれぞれの一部が上下方向に重なる。
パワーユニット12の前部下面には、排気管25aが接続され、排気管25aの後端にはマフラー25bが接続され、排気管25a及びマフラー25bによって排気装置25が構成される。
図4に示すように、車体フレーム11前部の下方には、ABSモジュレーター74につながる一対のブレーキケーブル101,102、複数の電装部品につながる配線を束ねたメインハーネス91、及び、ハンドル21に設けられたスロットルに連結されるスロットルワイヤ100が配策される。
図5に示すように、フロントフレーム19の下面を構成する前側下板部材55には、下方に開口する開口部55aが設けられ、ブレーキケーブル101,102はこの開口部を55a通って、中空のフロントフレーム19内部に入り、ABSモジュレーター74につながる。開口部55aは、本発明の「車外に向けて開口する開口部」に相当し、以下、「ケーブル用開口部55a」と表記する。
第1ブレーキケーブル101a,102aは、柔軟性を有するケーブルであり、マスターシリンダ及び前輪13のブレーキ装置のそれぞれからヘッドパイプ18の下方に引き回された後、車体側面視で下方凸の湾曲形状に引き回され、前側下板部材55に設けられた固定部材78に保持される。
メインハーネス91は、その前端が、ヘッドパイプ18近傍に位置し、車体前部の電装部品(ヘッドライト84等)と電気的に接続される。このメインハーネス91は、ヘッドパイプ18の下方を通ってヘッドパイプ18後方へ延びた後、パワーユニット12の前上方からパワーユニット12と車体上下方向で重なる位置まで下方へ延び、その後、後上方へ延び、テールライト85等に電気的に接続される。
より具体的には、図6に示すように、車体下面視(ケーブル用開口部55aに対して垂直方向外側から視て、に相当)において、第二ケーブル保持具78bは、メインハーネス91を、ブレーキケーブル101,102に対して車幅方向一方側に相当する左側、かつ、ケーブル用開口部55aと上下方向で重なる位置に保持する。メインハーネス91がケーブル用開口部55aと上下方向で重なるので、ケーブル用開口部55aをグロメット等で覆わなくても、外部から、塵埃や雨水等からなる塵埃等がケーブル用開口部55aに進入する事態を抑制できる。
この第三ケーブル保持具78cは、単一の線状部材を弓状に屈曲した屈曲形状に形成され、スロットルワイヤ100を着脱自在に保持する。
この傾斜部55bは、フロントフレーム19の下面を構成する前側下板部材55の一部を、車体後方に向けて凹ませることによって、前側下板部材55に一体に形成されるので、傾斜部55bを、後上方に凹む凹部と言うこともできる。
図7に示すように、ケーブル用開口部55aに向けて後上方に延出するメインハーネス91は、傾斜部55bによって後下方に向けてガイドされることによって、ケーブル用開口部55aを、ケーブル用開口部55aの下方に離間させる。
換言すると、傾斜部55bによって、メインハーネス91を、前側下板部材55の表面近傍に配置しながら、ケーブル用開口部55aの縁等に当接させずに配策することができる。したがって、メインハーネス91を、ケーブル用開口部55a周辺のスペースを効率良く利用して配置でき、メインハーネス91を外観から目立たなく配置できる。すなわち、傾斜部55bは、ケーブル用開口部55a近傍に配策されるメインハーネス91を、ケーブル用開口部55aから離間させるガイドとして機能する。
図7に示すように、傾斜部55bの一部には、車外に相当する下方から締結部材110が締結される。この締結部材110によって、傾斜部55bの裏側(前側下板部材55の上方に相当)に、所定部品111が固定される。所定部品111は、中空のフロントフレーム19内に配置される部品であり、本実施形態では、第2ブレーキケーブル101b,102bの支持に関わる支持部材112が取り付けられる部品である。なお、傾斜部55b以外の位置に、締結部材110を締結するように構成してもよい。
なお、本説明の「ケーブル用開口部55aに対して垂直方向外側から視て」とは、「ケーブル用開口部55aの開口断面垂直視で」、と言うこともできるし、「ケーブル用開口部55aの軸線方向に沿って車外側から視て」、と言うこともできる。
この構成によれば、ブレーキケーブル101,102のケーブル用開口部55aへのアクセスをスムーズにしながら、スロットルワイヤ100及びメインハーネス91によって、ケーブル用開口部55aへの塵埃等の進入を効果的に抑制しかつ、ケーブル用開口部55aの外観露出を抑制することができる。
この構成によれば、メインハーネス91をケーブル用開口部55aに近づけることができ、メインハーネス91によって、ケーブル用開口部55aへの塵埃等の進入を抑制する効果、及び、ケーブル用開口部55aの外観露出を抑制する効果をより得やすくなる。
この構成によれば、メインハーネス91をケーブル用開口部55aに近づけて配置しても、傾斜部55bによって、メインハーネス91がケーブル用開口部55aの縁等に接触しないようにできる。したがって、メインハーネス91に設けられる被覆層を薄くし、メインハーネス91の大径化を抑制し易くなる。メインハーネス91の大型化を抑制することで、メインハーネス91の配置スペースを確保し易くなり、メインハーネス91を配策し易くなる。
この構成によれば、ケーブル用開口部55aが下方を向くので、上方からの塵埃や雨水がケーブル用開口部55aに進入し難くなる。これによっても、ケーブル用開口部55aへの塵埃等の進入を抑制し易くなり、ケーブル用開口部55aの外観露出を抑制し易くなる。
この構成によれば、ジョイント部78aを用いずにブレーキケーブル101,102を固定部材78に支持する場合と比べて、ブレーキケーブル101,102をより強固に保持できると共に、ブレーキケーブル101,102の支持強度の向上、及び、組み付け性の向上を図りやすくなる。
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
この構成によれば、開口部をグロメットや外部カバーで覆う構成と比べ、簡易な構成で、開口部への塵埃等の進入を抑制すると共に、開口部の外観露出を抑制することができる。
この構成によれば、第一ケーブルの開口部へのアクセスをスムーズにしながら、第二ケーブル及び第三ケーブルによって、開口部への塵埃等の進入を抑制することができる。
この構成によれば、第二ケーブルを開口部に近づけることができ、第二ケーブルによって、開口部への塵埃等の進入を抑制する効果、及び、開口部の外観露出を抑制する効果を効果的に高めることができる。
この構成によれば、第二ケーブルを開口部に近づけて配置した際に、ガイドによって、第二ケーブルが開口部の縁等に接触しないようにでき、第二ケーブルの被覆層を薄くし、第二ケーブルの大径化を抑制し易くなる。
この構成によれば、上方からの塵埃や雨水が開口部に進入し難くなり、開口部周辺の第一から第三ケーブルによって開口部への塵埃等の進入を十分に抑制し易くなる。
この構成によれば、ジョイント部によって第一ケーブルを強固に保持できると共に、ジョイント部の位置が安定するので、第一ケーブルの組み付け性が向上する。
11 車体フレーム
12 パワーユニット(駆動装置)
17 シート
18 ヘッドパイプ
19 フロントフレーム
20 リアフレーム
55a ケーブル用開口部
55b 傾斜部(ガイド)
78 固定部材
91 メインハーネス(第二ケーブル)
100 スロットルワイヤ(第三ケーブル)
101,102 ブレーキケーブル(第一ケーブル)
Claims (7)
- 車外に向けて開口する開口部(55a)を有する車体フレーム(11)と、前記開口部(55a)を通過する第一ケーブル(101,102)とを備える鞍乗り型車両において、
前記第一ケーブル(101,102)の少なくとも一部は前記車体フレーム(11)内部に配索され、
前記開口部(55a)の車外側であって、前記開口部(55a)に対して垂直方向外側から視て、前記開口部(55a)と重なる位置に、前記第一ケーブル(101,102)と異なる第二ケーブル(91)が配置され、
前記車体フレーム(11)は中空であり、
前記開口部(55a)は、前記車体フレーム(11)における車体下方に向く面に設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記開口部(55a)の周囲に設けられ、前記第一ケーブル(101,102)と、前記第二ケーブル(91)と、前記開口部(55a)の車外側に配置される第三ケーブル(100)とを保持する固定部材(78)を備え、
前記開口部(55a)に対して垂直方向外側から視て、前記開口部(55a)に遠い側から、前記第三ケーブル(100)、前記第二ケーブル(91)、前記第一ケーブル(101,102)の順に並ぶことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。 - 前記固定部材(78)は、前記第二ケーブル(91)を前記開口部(55a)に近づける方向に向けて保持することを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両。
- 前記開口部(55a)における車外かつ一端側に、前記固定部材(78)が設けられ、
前記開口部(55a)における車外かつ他端側に、前記第二ケーブル(91)を、前記開口部(55a)から離間させるガイド(55b)が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗り型車両。 - 前記第一ケーブル(101,102)を構成する複数のケーブル同士を接続するジョイント部(78a)を備え、前記ジョイント部(78a)が前記固定部材(78)に支持されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 車外に向けて開口する開口部(55a)を有する車体フレーム(11)と、前記開口部(55a)を通過する第一ケーブル(101,102)とを備える鞍乗り型車両において、
前記第一ケーブル(101,102)の少なくとも一部は前記車体フレーム(11)内部に配索され、
前記開口部(55a)の車外側であって、前記開口部(55a)に対して垂直方向外側から視て、前記開口部(55a)と重なる位置に、前記第一ケーブル(101,102)と異なる第二ケーブル(91)が配置され、
前記開口部(55a)の周囲に設けられ、前記第一ケーブル(101,102)と、前記第二ケーブル(91)と、前記開口部(55a)の車外側に配置される第三ケーブル(100)とを保持する固定部材(78)を備え、
前記開口部(55a)に対して垂直方向外側から視て、前記開口部(55a)に遠い側から、前記第三ケーブル(100)、前記第二ケーブル(91)、前記第一ケーブル(101,102)の順に並び、
前記開口部(55a)における車外かつ一端側に、前記固定部材(78)が設けられ、
前記開口部(55a)における車外かつ他端側に、前記第二ケーブル(91)を、前記開口部(55a)から離間させるガイド(55b)が設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 車外に向けて開口する開口部(55a)を有する車体フレーム(11)と、前記開口部(55a)を通過する第一ケーブル(101,102)とを備える鞍乗り型車両において、
前記第一ケーブル(101,102)の少なくとも一部は前記車体フレーム(11)内部に配索され、
前記開口部(55a)の車外側であって、前記開口部(55a)に対して垂直方向外側から視て、前記開口部(55a)と重なる位置に、前記第一ケーブル(101,102)と異なる第二ケーブル(91)が配置され、
前記開口部(55a)の周囲に設けられ、前記第一ケーブル(101,102)と、前記第二ケーブル(91)と、前記開口部(55a)の車外側に配置される第三ケーブル(100)とを保持する固定部材(78)を備え、
前記開口部(55a)に対して垂直方向外側から視て、前記開口部(55a)に遠い側から、前記第三ケーブル(100)、前記第二ケーブル(91)、前記第一ケーブル(101,102)の順に並び、
前記第一ケーブル(101,102)を構成する複数のケーブル同士を接続するジョイント部(78a)を備え、前記ジョイント部(78a)が前記固定部材(78)に支持されていることを特徴とする鞍乗り型車両。
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