JP7344011B2 - 圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサ - Google Patents

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Description

本発明は、圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサに関し、例えば振動抑制層を有する圧電薄膜共振器を有する圧電薄膜共振器、フィルタおよびマルチプレクサに関する。
圧電薄膜共振器は、例えば携帯電話等の無線機器のフィルタおよびマルチプレクサとして用いられている。圧電薄膜共振器は、圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する構造を有している(特許文献1、2)。
特開2013-168748号公報 特開2006-203304号公報
圧電薄膜共振器に大電力の高周波信号が加わると、下部電極、圧電膜および上部電極を含む積層膜が損傷する。これにより耐電力が低下する。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、高耐電力化することを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた下部電極と、前記下部電極上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される第1領域を形成するように設けられた上部電極と、前記第1領域の外周で囲われた領域で規定される第2領域内の中央領域の圧電膜に挿入され、前記第2領域内の周縁領域に設けられておらず、前記圧電膜内の振動を抑制する振動抑制層と、を備え、前記振動抑制層のヤング率は前記圧電膜のヤング率より小さい圧電薄膜共振器である。
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた下部電極と、前記下部電極上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される第1領域を形成するように設けられた上部電極と、前記第1領域の外周で囲われた領域で規定される第2領域内の中央領域の圧電膜に挿入され、前記第2領域内の周縁領域に設けられておらず、前記圧電膜内の振動を抑制する振動抑制層と、を備え、前記振動抑制層は前記第2領域の平面形状の重心を含む圧電薄膜共振器である
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた下部電極と、前記下部電極上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される第1領域を形成するように設けられた上部電極と、前記第1領域の外周で囲われた領域で規定される第2領域内の中央領域の圧電膜に挿入され、前記第2領域内の周縁領域に設けられておらず、前記圧電膜内の振動を抑制する振動抑制層と、を備え、前記第2領域の平面形状は略楕円形であり、前記振動抑制層は、前記略楕円形の中心および/または焦点を含む圧電薄膜共振器である
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた下部電極と、前記下部電極上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される第1領域を形成するように設けられた上部電極と、前記第1領域の外周で囲われた領域で規定される第2領域内の中央領域の圧電膜に挿入され、前記第2領域内の周縁領域に設けられておらず、前記圧電膜内の振動を抑制する振動抑制層と、を備え、前記振動抑制層は前記第2領域内に1個のみ設けられている圧電薄膜共振器である
上記構成において、前記振動抑制層のヤング率は前記圧電膜のヤング率より小さい構成とすることができる。
上記構成において、前記第1領域と前記第2領域とは一致する構成とすることができる。
上記構成において、前記中央領域に前記上部電極は設けられていない構成とすることができる。
上記構成において、前記振動抑制層の平面形状の面積は前記第2領域の面積の1/2以下である構成とすることができる。
上記構成において、前記中央領域を囲む少なくとも一部の前記第1領域の外周を含む領域に前記振動抑制層から平面方向に離れて設けられ、前記圧電膜に挿入された挿入膜を備える構成とすることができる。

上記構成において、平面視において、前記第2領域と重なり、前記第2領域より大きい空隙が前記基板と前記下部電極との間に設けられている構成とすることができる。
本発明は、上記圧電薄膜共振器を含むフィルタである。
本発明は、上記フィルタを含むマルチプレクサである。
本発明によれば、高耐電力化することができる。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。 図2(a)は、実施例1の変形例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図2(b)は、図2(a)のA-A断面図である。 図3(a)は、実施例1の変形例2に係る圧電薄膜共振器の平面図、図3(b)は、図3(a)のA-A断面図である。 図4(a)から図4(c)は、それぞれ実施例1の変形例3から5に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図5は、実施例1の変形例6に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図6は、実施例1の変形例7に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図7は、実施例1の変形例8に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図8(a)および図8(b)は、それぞれ実施例1の変形例9および10における圧電薄膜共振器の断面図である。 図9(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図、図9(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。
以下、図面を参照し実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。図1(a)は、主に下部電極12、上部電極16および振動抑制層28を図示している。
図1(a)および図1(b)に示すように、基板10および空隙30上に、下部電極12が設けられている。基板10は例えばシリコン(Si)基板であり、下部電極12は例えばルテニウム(Ru)膜である。基板10の平坦主面と下部電極12との間にドーム状の膨らみを有する空隙30(空気層)が形成されている。ドーム状の膨らみとは、例えば空隙30の周辺では空隙30の高さが小さく、空隙30の内部ほど空隙30の高さが大きくなるような形状の膨らみである。
下部電極12上に、圧電膜14が設けられている。圧電膜14は例えばC軸方向を主軸とする窒化アルミニウム(AlN)を主成分とする。圧電膜14は下部圧電膜14aと下部圧電膜14a上に設けられた上部圧電膜14bとを備えている。圧電膜14上に上部電極16が設けられている。上部電極16は例えばルテニウム膜である。積層膜18は、下部電極12、圧電膜14および上部電極16を含む。
共振領域50は、圧電膜14の少なくとも一部を挟み下部電極12と上部電極16が平面視において重なる領域で規定される。共振領域50の平面形状は略楕円形である。共振領域50の外周51に囲まれた領域を領域58とする。実施例1では、共振領域50と領域58とは一致する。領域58の中心60を含む中央領域52の下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に振動抑制層28が設けられている。振動抑制層28は共振領域50の外周51を含む周縁領域54には設けられていない。すなわち、振動抑制層28は、平面視において共振領域50の外周51から離れて設けられている。
共振領域50は、厚み縦振動モードの弾性波が共振する領域である。振動抑制層28が設けられた中央領域52は、弾性波の振動が抑制される。例えば、中央領域52の共振周波数は、周縁領域54の共振周波数から大きく異なる。
基板10としては、シリコン基板以外に、サファイア基板、スピネル基板、アルミナ基板、石英基板、ガラス基板、セラミック基板またはGaAs基板等を用いることができる。下部電極12および上部電極16としては、Ru以外にもクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)またはイリジウム(Ir)等の単層膜またはこれらの積層膜を用いることができる
圧電膜14は、窒化アルミニウム以外にも、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛(PbTiO3)等を用いることができる。また、例えば、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、共振特性の向上または圧電性の向上のため他の元素を含んでもよい。例えば、添加元素として、Sc(スカンジウム)、2族元素と4族元素との2つの元素、または2族元素と5族元素との2つの元素を用いることにより、圧電膜14の圧電性が向上する。このため、圧電薄膜共振器の実効的電気機械結合係数を向上できる。2族元素は、例えばCa(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Sr(ストロンチウム)またはZn(亜鉛)である。4族元素は、例えばTi、Zr(ジルコニウム)またはHf(ハフニウム)である。5族元素は、例えばTa、Nb(ニオブ)またはV(バナジウム)である。さらに、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、B(ボロン)を含んでもよい。
振動抑制層28は、圧電膜14のヤング率より小さいヤング率を有する。振動抑制層28は、酸化シリコン以外に、アルミニウム(Al)、金(Au)、銅、チタン、白金、タンタルまたはクロム等の単層膜またはこれらの積層膜を用いることができる。
共振周波数が約2.5GHzの圧電薄膜共振器おける各層の材料および厚さについて例示する。下部電極12、圧電膜14および上部電極16は例えば厚さが180nmのルテニウム膜、厚さが1μmの窒化アルミニウム膜および厚さが160nmのルテニウム膜である。振動抑制層28は例えば圧電膜14の厚さ方向の中央に設けられた厚さが100nmの酸化シリコン膜である。共振領域50の面積は5000μmから30000μmである。
HPUE(High Power User Equipment)の対応、およびCA(Carrier Aggregation)の対応により、圧電薄膜共振器には高耐電力化が求められている。下部電極12と上部電極16との間に大電力の高周波信号が印加されると、共振領域50内の中心60付近の積層膜18の温度が上昇する。特に、空隙30が設けられていると共振領域50内の積層膜18の熱は外周51を経由して放熱されるため、共振領域50の中心60付近の積層膜18の温度が最も高くなる。これにより、共振領域50の中心60付近の積層膜18が損傷しやすくなる。例えば下部電極12および上部電極16との界面の剥離、または下部電極12および上部電極16の損傷が生じ易くなる。
実施例1では、共振領域50の中心60を含む中央領域52に振動抑制層28を設けることで、中央領域52における発熱を抑制できる。よって、下部電極12と上部電極16との間に大電力の高周波信号が印加されても積層膜18の損傷が抑制され、圧電薄膜共振器の高耐電力化が可能となる。
共振領域50の中心60付近では、横モードの弾性波の定在波が干渉し強め合う。特に共振領域50の外周51が曲線の場合、中心60付近の定在波が強くなる。これにより、積層膜18が損傷しやすくなり耐電力が低下する。そこで、中心60を含む中央領域52に振動抑制層28を設けることで、積層膜18の損傷が抑制され、圧電薄膜共振器の高耐電力化が可能となる。また、定在波を弱めることでスプリアスを抑制できる。共振領域50の平面形状が略楕円形の場合、楕円形の焦点62付近に定在波が集中する。よって、中心60および/または焦点62を含む中央領域52に振動抑制層28を設けることが好ましい。
[実施例1の変形例1]
図2(a)は、実施例1の変形例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図2(b)は、図2(a)のA-A断面図である。図2(a)および図2(b)に示すように、共振領域50の外周51を含み外周51に沿った外周領域56の下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に挿入膜26が設けられている。挿入膜26は中央領域52を囲むように設けられ、中央領域52から平面方向に離れて設けられている。挿入膜26の材料は振動抑制層28に例示した材料と同じであり、挿入膜26のヤング率は圧電膜14のヤング率より小さい。
挿入膜26を設けることで、平面方向に伝搬する弾性波が共振領域50の外に漏洩することを抑制し、損失を抑制できる。挿入膜26は、中央領域52を囲む少なくとも一部の領域に設けられていればよい。
下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に挿入膜26を設けることで、振動抑制層28と挿入膜26とを同時に形成できる。これにより、製造工程を省略できる。この場合、振動抑制層28の主成分と挿入膜26の主成分とは同じとなり、振動抑制層28の厚さと挿入膜26の厚さとは略同じとなる。振動抑制層28と挿入膜26の材料は異なっていてもよい。
[実施例1の変形例2]
図3(a)は、実施例1の変形例2に係る圧電薄膜共振器の平面図、図3(b)は、図3(a)のA-A断面図である。図3(a)および図3(b)に示すように、実施例1の変形例2では、中央領域52に上部電極16は設けられておらず、凹部53が形成されている。これにより、中央領域52では弾性波の振動が抑制される。
共振領域50は周縁領域54を含み中央領域52を含まない。よって、共振領域50の外周51に囲まれた領域58と共振領域50とは一致しない。領域58の平面形状は略楕円形であり、中央領域52は略楕円形の中心60および焦点62を含む。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例3]
図4(a)は、実施例1の変形例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図4(a)に示すように、実施例1の変形例3では中央領域52に上部電極16および上部圧電膜14bが設けられていない。これにより、中央領域52に凹部53が設けられている。その他の構成は実施例1の変形例2と同じであり説明を省略する。
実施例1の変形例2および3のように、領域58の中心60および/または焦点62を含む中央領域52には下部電極12、圧電膜14および上部電極16のうち少なくとも1つが設けられていなくてもよい。これにより、中央領域52は共振領域50ではなくなり、弾性波が共振しない。よって、圧電薄膜共振器の高耐電力化が可能となる。また、中央領域52は共振領域50に含まれなくなるため圧電薄膜共振器の静電容量が小さくなり、電気機械結合係数を大きくできる。実施例1の変形例1のように、挿入膜26が設けられている場合に、中央領域52に下部電極12、圧電膜14および上部電極16のうち少なくとも1つが設けられていなくてもよい。
[実施例1の変形例4]
図4(b)は、実施例1の変形例4に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図4(b)に示すように、実施例1の変形例4では振動抑制層28が圧電膜14と上部電極16との間に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例5]
図4(c)は、実施例1の変形例5に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図4(c)に示すように、実施例1の変形例5では振動抑制層28が下部電極12と圧電膜14との間に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1の変形例4および5のように、振動抑制層28は、圧電膜14に挿入されていればよい。実施例1の変形例1から3においても振動抑制層28は圧電膜14に挿入されていればよい。弾性波の振動を抑制する観点からは実施例1のように、振動抑制層28は下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に設けられていることが好ましい。
[実施例1の変形例6]
図5は、実施例1の変形例6に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図5に示すように、実施例1の変形例6では、領域58の平面形状は略楕円形である。領域58が略楕円形の場合、略楕円形の中心60付近は外周51から遠く発熱しやすい。また、焦点62には横モードの定在波が集中しやすい。よって、中心60と2個の焦点62のそれぞれに3個の振動抑制層28を設ける。これにより、耐電力性を向上できる。複数の振動抑制層28を設けることで、領域58内の振動抑制層28の割合を小さくでき、小型化が可能となる。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例7]
図6は、実施例1の変形例7に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図6に示すように、実施例1の変形例7では、領域58の平面形状は略円形である。領域58が略円形の場合、略円形の中心60付近は外周51から遠く発熱しやすい。また、中心60には横モードの定在波が集中しやすい。よって、中心60付近に振動抑制層28を設けることで、耐電力性を向上できる。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例8]
図7は、実施例1の変形例8に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図7に示すように、実施例1の変形例8では、領域58の平面形状は略多角形である。領域58の平面形状が略多角形の場合、略多角形の中心60(重心)付近は外周51から遠く発熱しやすい。また、中心60には横モードの定在波が集中しやすい。よって、中心60付近に振動抑制層28を設けることで、耐電力性を向上できる。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1の変形例7および8のように、領域58の平面形状は任意に設定できる。振動抑制層28は領域58の重心に設けることが好ましい。実施例1の変形例1から6においても領域58の平面形状を任意にできる。振動抑制層28は領域58の平面形状の重心に設けることが好ましい。
[実施例1の変形例9]
図8(a)は、実施例1の変形例9における圧電薄膜共振器の断面図である。図8(a)に示すように、基板10の上面に窪みが形成されている。下部電極12は、基板10上に平坦に形成されている。これにより、空隙30が、基板10の窪みに形成されている。空隙30は共振領域50を含むように形成されている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。空隙30は、基板10を貫通するように形成されていてもよい。なお、下部電極12の下面に絶縁膜が接して形成されていてもよい。すなわち、空隙30は、基板10と下部電極12に接する絶縁膜との間に形成されていてもよい。絶縁膜としては、例えば窒化アルミニウム膜を用いることができる。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例10]
図8(b)は、実施例1の変形例10における圧電薄膜共振器の断面図である。図8(b)に示すように、共振領域50の下部電極12下に音響反射膜31が形成されている。音響反射膜31は、音響インピーダンスの低い膜31bと音響インピーダンスの高い膜31aとが交互に設けられている。膜31aおよび31bの膜厚は例えばそれぞれほぼλ/4(λは弾性波の波長)である。膜31aと膜31bの積層数は任意に設定できる。音響反射膜31は、音響特性の異なる少なくとも2種類の層が間隔をあけて積層されていればよい。また、基板10が音響反射膜31の音響特性の異なる少なくとも2種類の層のうちの1層であってもよい。例えば、音響反射膜31は、基板10中に音響インピーダンスの異なる膜が一層設けられている構成でもよい。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1およびその変形例1から8において、実施例1の変形例9と同様に空隙30を形成してもよく、実施例1の変形例10と同様に空隙30の代わりに音響反射膜31を形成してもよい。
実施例1およびその変形例1から9のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において空隙30が基板10と下部電極12との間に形成されているFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)でもよい。また、実施例1の変形例10のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において下部電極12下に圧電膜14を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜31を備えるSMR(Solidly Mounted Resonator)でもよい。共振領域50を含む音響反射層は、空隙30または音響反射膜31を含めばよい。
実施例1およびその変形例によれば、振動抑制層28は、共振領域50(第1領域)の外周51で囲われた領域で規定される領域58(第2領域)内の中央領域52の圧電膜14に挿入され、領域58内の周縁領域54に設けられておらず、圧電膜14内の振動を抑制する。これにより、高耐電力化が可能となる。
実施例1およびその変形例1、4から10のように、共振領域50と領域58とは一致してもよい。実施例1の変形例2および3のように、中央領域52に上部電極16は設けられていなくてもよい。これにより、静電容量を削減できる。
振動抑制層28は、領域58の平面形状の重心を含む。これにより、高耐電力化がより可能となる。
実施例1およびその変形例1から6、9、10のように、振動抑制層28の平面形状は略楕円形であり、振動抑制層28は、略楕円形の中心60および/または焦点62を含む。これにより、高耐電力化がより可能となる。
振動抑制層28が設けられた領域は共振に寄与しない。よって、振動抑制層28の面積が大きくなると圧電薄膜共振器が大型化してしまう。そこで、実施例1およびその変形例1から5、7から10のように、振動抑制層28は領域58内に1個のみ設けられていることが好ましい。これにより、小型化が可能となる。
領域58の平面形状が略楕円形の場合、実施例1およびその変形例1から5、9および10のように、領域58内には中心60および焦点62を含む1つの振動抑制層28のみが設けられ、領域58内に他の振動抑制層28は設けられていなくてもよい。実施例1の変形例6のように、領域58内には中心60および焦点62を含む2または3つの振動抑制層28が設けられ、領域58内に他の振動抑制層28は設けられていなくてもよい。また、振動抑制層28は中心60を含み焦点62を含まなくてもよいし、焦点62の少なくとも1つを含み中心60を含まなくてもよい。これにより、小型化が可能となる。
振動抑制層28の平面形状の面積は領域58の面積の1/2以下が好ましく、1/4以下がより好ましく、1/10以下がさらに好ましい。これにより圧電薄膜共振器を小型化できる。振動抑制層28の平面形状の面積は領域58の面積の1/100以上が好ましい。これにより、高耐電力化がより可能となる。
振動抑制層28のヤング率は圧電膜14のヤング率より小さい。これにより、振動がより抑制され、高耐電力がより可能となる。
実施例1およびその変形例1から9のように、平面視において、領域58と重なり、領域58より大きい空隙30が基板10と下部電極12との間に設けられている。この場合、共振領域50の中心60付近の積層膜18が高温となる。よって、振動抑制層28を設けることで、高耐電力化がより可能となる。
実施例2は、実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器を用いたフィルタおよびデュプレクサの例である。図9(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図である。図9(a)に示すように、入力端子T1と出力端子T2との間に、1または複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。入力端子T1と出力端子T2との間に、1または複数の並列共振器P1からP4が並列に接続されている。1または複数の直列共振器S1からS4および1または複数の並列共振器P1からP4の少なくとも1つの共振器に実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器を用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数等は適宜設定できる。
入力端子T1に大電力の高周波信号が入力した場合、複数の直列共振器S1からS4のうち最も入力端子T1に回路構成上近い直列共振器S1に、最も大きな高周波信号が加わる。そこで、直列共振器S1を実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器とすることが好ましい。直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP4のうち少なくとも1個の共振器は、振動抑制層28を設けないことが好ましい。これにより、フィルタを小型化できる。
図9(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。図9(b)に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例2のフィルタとすることができる。送信フィルタ40には大電力の高周波信号が印加される。そこで、送信フィルタ40に実施例2のフィルタを用いることが好ましい。
マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したがトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 下部電極
14 圧電膜
16 上部電極
18 積層膜
26 挿入膜
28 振動抑制層
30 空隙
40 送信フィルタ
42 受信フィルタ
50 共振領域
51 外周
52 中央領域
54 周縁領域
56 外周領域
58 領域
60 中心
62 焦点

Claims (12)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた下部電極と、
    前記下部電極上に設けられた圧電膜と、
    前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される第1領域を形成するように設けられた上部電極と、
    前記第1領域の外周で囲われた領域で規定される第2領域内の中央領域の圧電膜に挿入され、前記第2領域内の周縁領域に設けられておらず、前記圧電膜内の振動を抑制する振動抑制層と、
    を備え
    前記振動抑制層のヤング率は前記圧電膜のヤング率より小さい圧電薄膜共振器。
  2. 基板と、
    前記基板上に設けられた下部電極と、
    前記下部電極上に設けられた圧電膜と、
    前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される第1領域を形成するように設けられた上部電極と、
    前記第1領域の外周で囲われた領域で規定される第2領域内の中央領域の圧電膜に挿入され、前記第2領域内の周縁領域に設けられておらず、前記圧電膜内の振動を抑制する振動抑制層と、
    を備え、
    前記振動抑制層は前記第2領域の平面形状の重心を含む圧電薄膜共振器
  3. 基板と、
    前記基板上に設けられた下部電極と、
    前記下部電極上に設けられた圧電膜と、
    前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される第1領域を形成するように設けられた上部電極と、
    前記第1領域の外周で囲われた領域で規定される第2領域内の中央領域の圧電膜に挿入され、前記第2領域内の周縁領域に設けられておらず、前記圧電膜内の振動を抑制する振動抑制層と、
    を備え、
    前記第2領域の平面形状は略楕円形であり、前記振動抑制層は、前記略楕円形の中心および/または焦点を含む圧電薄膜共振器
  4. 基板と、
    前記基板上に設けられた下部電極と、
    前記下部電極上に設けられた圧電膜と、
    前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と平面視において重なる領域で規定される第1領域を形成するように設けられた上部電極と、
    前記第1領域の外周で囲われた領域で規定される第2領域内の中央領域の圧電膜に挿入され、前記第2領域内の周縁領域に設けられておらず、前記圧電膜内の振動を抑制する振動抑制層と、
    を備え、
    前記振動抑制層は前記第2領域内に1個のみ設けられている圧電薄膜共振器
  5. 前記振動抑制層のヤング率は前記圧電膜のヤング率より小さい請求項からのいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
  6. 前記第1領域と前記第2領域とは一致する請求項1から5のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
  7. 前記中央領域に前記上部電極は設けられていない請求項1から5のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
  8. 前記振動抑制層の平面形状の面積は前記第2領域の面積の1/2以下である請求項1からのいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
  9. 前記中央領域を囲む少なくとも一部の前記第1領域の外周を含む領域に前記振動抑制層から平面方向に離れて設けられ、前記圧電膜に挿入された挿入膜を備える請求項1からのいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
  10. 平面視において、前記第2領域と重なり、前記第2領域より大きい空隙が前記基板と前記下部電極との間に設けられている請求項1から9のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器を含むフィルタ。
  12. 請求項11に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
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