JP7342815B2 - エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)エピタキシャル成長装置のチャンバ内にシリコンウェーハを搬入し、前記チャンバ内に設けられたサセプタ上に前記シリコンウェーハを載置し、前記チャンバ内で前記シリコンウェーハのおもて面にエッチングを施し、前記エッチングが施された前記おもて面上に所定条件下でシリコンエピタキシャル層を成長させることによってエピタキシャルシリコンウェーハを製造するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法であって、
前記エッチングにおけるエッチング条件は、前記エピタキシャルシリコンウェーハのおもて面外周部の平坦度の目標値から、前記エッチングを施す前の前記シリコンウェーハのおもて面外周部の平坦度と前記エピタキシャル成長装置により前記所定条件下で成膜されるシリコンエピタキシャル層のおもて面外周部の平坦度とを減ずることによって算出される目標エッチング量に基づいて決定される、エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
前記目標エッチング量を実現するためのエッチング条件が、前記エッチングガスの流量に対する前記第1のキャリアガスの流量及び/又は前記第2のキャリアガスの流量の比率である、上記(1)に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
図1を参照して、本発明の一実施形態において用いることができるエピタキシャル成長装置100を説明する。エピタキシャル成長装置100は、チャンバ10と、サセプタ20と、サセプタサポートシャフト30と、3本のリフトピン40と、昇降シャフト50と、加熱ランプ60と、を備える。
チャンバ10は、上部ドーム11、下部ドーム12、及びドーム取付体13を含む。チャンバ10は、シリコンエピタキシャル層の成長室を区画するとともに、サセプタ20によって上側と下側の空間に仕切られている。チャンバ10の側面には、原料ガス、エッチングガス、及び第1のキャリアガスをシリコンウェーハWのおもて面上側に供給する第1のガス供給口14が設けられている。また、チャンバ10の側面には、第1のガス供給口14と対向する位置に、原料ガス、エッチングガス、及び第1のキャリアガスをチャンバ10外へ排出する第1のガス排出口15が設けられている。さらに、チャンバ10の側面には、サセプタ20よりも低い位置に、第2のキャリアガスをサセプタ20の裏面下側に供給する第2のガス供給口16が設けられている。
サセプタ20は、チャンバ10内でシリコンウェーハWを載置する円盤状の部材である。ここで、サセプタ20の表面のうち、上部ドーム11側の面をサセプタ20のおもて面とし、その反対側の面をサセプタ20の裏面とする。サセプタ20は、そのおもて面から裏面に向けてサセプタ20を貫通する3つの貫通孔21(1つは不図示)を周方向に120°の等間隔で有する。各貫通孔21には、後述するリフトピン40がそれぞれ挿通される。なお、サセプタ20は、シリコンウェーハの結晶方位に依存する方位依存制御手段を有してもよい。方位依存制御手段として、例えば特開2007-294942号公報に開示のものを好適に採用することができる。
サセプタサポートシャフト30は、チャンバ10内でサセプタ20を下方から支持するものであり、主柱31と、3本のアーム32(1本は不図示)と、3本の支持ピン33(1本は不図示)と、を有する。主柱31は、サセプタ20の中心と同軸上に配置される。3本のアーム32は、主柱31からサセプタ20の周縁部下方に放射状に延びる。各アーム32は、その延在方向に垂直な断面の形状が矩形であり、アーム32の4つの面のうち、サセプタ20側の面をアーム32の上面とし、その反対側の面をアーム32の下面とする。各アーム32は、その上面から下面に向けてアーム32を貫通する貫通孔34を有する。各貫通孔34には、後述するリフトピン40がそれぞれ挿通される。各支持ピン33は、各アーム32の先端においてサセプタ20を直接支持する。サセプタサポートシャフト30は、鉛直方向に沿って上下動することにより、サセプタ20を上下方向に昇降させる。なお、本明細書において「サセプタの周縁部」とは、サセプタ20の中心からサセプタ半径の80%以上外側の領域を意味する。また、エピタキシャル成長装置100におけるアーム32の数は3本であるが、これに限定されない。
各リフトピン40は、サセプタ20の各貫通孔21とアーム32の各貫通孔34にそれぞれ挿通され、後述する昇降シャフト50によって上下方向に昇降される。なお、エピタキシャル成長装置100におけるリフトピン40の数は3本であるが、これに限定されない。
昇降シャフト50は、サセプタサポートシャフトの主柱31と回転軸を共にする昇降シャフトの主柱51と、昇降シャフトの主柱51の先端で分岐する3本の支柱52と、を有する。なお、昇降シャフトの主柱51は、サセプタサポートシャフトの主柱31を収容する中空を区画する。また、各支柱52の先端では、各リフトピン40の下端がそれぞれ支持される。昇降シャフト50は、シリコンウェーハWの搬入及び搬出の際に、鉛直方向に沿って上下動することにより、各リフトピン40を上下方向に昇降させる。
加熱ランプ60は、チャンバ10の上側領域及び下側領域に配置される。加熱ランプ60には、昇降温速度が速く、かつ温度制御に優れるハロゲンランプ又は赤外ランプを用いることが好ましい。
外部サーバ200は、制御部201と、記憶部202と、を備える。外部サーバ200は、任意の通信インタフェース等を介して、エピタキシャル成長装置100と相互に通信可能である。
制御部201は、データ処理用の任意のプログラムを用いて、種々のデータに基づいて、後述するエッチング条件及びエピタキシャル成長条件を設定し、プロセスレシピをエピタキシャル成長装置100に送信する。これによって、エピタキシャル成長装置100は、例えば調整弁の開閉を制御することができる。制御部201は、コンピュータ内部の中央演算処理装置(CPU)等によって実現することができる。
記憶部202には、おもて面外周部の平坦度の測定値等が格納される。記憶部202は、ハードディスク、ROM又はRAMを用いて実現することができる。
図1、2を参照して、上述したエピタキシャル成長装置100及び外部サーバ200を用いて行うことが可能なエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法の一例を説明する。
図2を参照して、ステップS10では、エピタキシャル成長に供するシリコンウェーハのESFQDを測定し、ESFQD-meanを算出する。本工程は、公知の平坦度測定装置を用いて行うことができる。ここで、本工程に供するシリコンウェーハとして、単結晶シリコンインゴットをワイヤーソー等でスライスして得られたシリコンウェーハに、ラッピング及びポリッシングを施して得られたシリコンウェーハを用いることができる。なお、ESFQDの測定値及びESFQD-meanの算出値は、記憶部202に送信され格納される。
続いて、ステップS20では、エピタキシャルシリコンウェーハのESFQD-meanの目標値を設定する。本実施形態では、ESFQD-meanの目標値を0nmに設定するが、これに限定されない。なお、ESFQD-meanの目標値は、記憶部202に送信され格納される。
続いて、ステップS30では、ステップS20で設定したエピタキシャルシリコンウェーハのESFQD-meanの目標値から、ステップS10で測定・算出したシリコンウェーハのESFQD-meanと、エピタキシャル成長装置100により成膜されるシリコンエピタキシャル層のESFQD-meanとを減じることによって、目標エッチング量を算出する。例えば、制御部201は、ステップS20で設定したエピタキシャルシリコンウェーハのESFQD-meanの目標値から、ステップS10で測定・算出したシリコンウェーハのESFQD-meanとエピタキシャル成長装置100により成膜されるシリコンエピタキシャル層のESFQD-meanとを減じることによって、目標エッチング量を算出することができる。本実施形態において、「エピタキシャル成長装置100により成膜されるシリコンエピタキシャル層のESFQD-mean」は、以下のようにして予め求めることができる。すなわち、予め、エピタキシャル成長装置100を用いて、所定のエピタキシャル成長条件(ステップS70でエピタキシャルシリコンウェーハの製造に適用するエピタキシャル成長条件)の下で、テスト用ウェーハ上にエピタキシャル成長を行う。そして、エピタキシャル成長前のテスト用ウェーハのESFQD-meanとエピタキシャル成長後のウェーハのESFQD-meanとの差分を「エピタキシャル成長装置100により成膜されるシリコンエピタキシャル層のESFQD-mean」と定義する。例えば、エピタキシャルシリコンウェーハのESFQD-meanの目標値が0nm、ステップS10で測定・算出したシリコンウェーハのESFQD-meanが10nm、予め求めた「エピタキシャル成長装置100により成膜されるシリコンエピタキシャル層のESFQD-mean」が30nmである場合、0-10-30=-40nmであることから、目標エッチング量は40nmとなる。なお、算出された目標エッチング量は、記憶部202に送信され格納される。
続いて、ステップS40では、ステップS30で算出した目標エッチング量に実現するためのエッチング条件を決定する。ここで、シリコンウェーハのおもて面外周部(ウェーハ最外周から径方向に沿って2~30mmの環状の領域)のエッチング量は、エッチングガスの流量、第1のキャリアガスの流量、及び第2のキャリアガスの流量に応じて変化する。図3Aに示すように、エッチングガスの流量に対する第1のキャリアガスの流量の比率を変化させると、ウェーハ最外周から径方向に沿って2~30mmの領域(図3Aの横軸120~148mmの範囲)において、エッチング量をnm単位で高精度に変化させることができる。同様に、図3Bに示すように、エッチングガスの流量に対する第2のキャリアガスの流量の比率を変化させると、ウェーハ最外周から径方向に沿って2~30mmの領域(図3Bの横軸120~148mmの範囲)において、エッチング量をnm単位で高精度に変化させることができる。このようにエッチング量をnm単位で制御することにより、DR(Design Rule)10nm以下の製品群に求められる平坦性を得ることができる。したがって、エッチング量は、エッチングガスの流量に対する第1のキャリアガスの流量及び/又は第2のキャリアガスの流量の比率を調整することによって制御され得る。ステップS40では、制御部201が、ステップS30で算出した目標エッチング量を実現することができる、エッチングガスの流量に対する第1のキャリアガスの流量及び/又は第2のキャリアガスの流量の比率を決定し、こうして決定した比率(エッチング条件)をエピタキシャル成長装置100に送信する。より具体的には、エッチング量と、エッチングガスの流量に対する第1のキャリアガスの流量及び/又は第2のキャリアガスの流量の比率との対応関係が記憶部202にマトリクスとして予め格納されており、制御部201がこれを適宜参照することによって、エッチング条件が決定される。なお、上記対応関係は、エッチングガスの流量を固定した状態で、第1のキャリアガスの流量及び/又は第2のキャリアガスの流量が所定の値となる条件下で、シリコンウェーハをエッチングしたときのエッチング量を測定するという動作を複数回繰り返すことによって、予め把握される。なお、目標エッチング量は、シリコンウェーハのおもて面外周部の最外端におけるエッチング量(本実施形態では、図3A,Bにおける横軸148mmの位置でのエッチング量)と対応させることが好ましい。例えば、目標エッチング量40nmを実現するためには、図3Aの情報に基づくと、第1キャリアガスの流量を30slmとすればよいことが分かる。
続いて、ステップS50では、加熱ランプ60によって600℃以上900℃以下に予め加熱したチャンバ10内に、搬送ブレードを用いてシリコンウェーハWを搬入する。その後、シリコンウェーハWを搬送ブレードから各リフトピン40に受け渡す。その後、シリコンウェーハWをサセプタ20上に載置する。なお、サセプタ20のおもて面より上側に第1のガス供給口14及び第1のガス排出口15が位置し、サセプタ20の裏面より下側に第2のガス供給口16が位置する。
続いて、ステップS60では、ステップS40で決定したエッチング条件下で、シリコンウェーハのおもて面をエッチングする。ステップS60は、加熱ランプ60によってチャンバ10内の温度を1000℃以上1200℃以下に昇温させた後、ステップS40で決定したエッチング条件となるように、第1のキャリアガスの流量及び/又は第2のキャリアガスの流量を調整するための調整弁の開閉をエピタキシャル装置100が制御することによって、シリコンウェーハのおもて面がエッチングされる。
続いて、ステップS70では、シリコンウェーハのおもて面上にシリコンエピタキシャル層を成長させる。ステップS70は、以下のようにして行うことができる。加熱ランプ60によってチャンバ10内の温度を1000℃以上1200℃以下に昇温させる。その後、トリクロロシラン又はジクロロシラン等の原料ガスを第1のガス供給口14からチャンバ10内に供給する。これにより、原料ガスがシリコンウェーハWのおもて面に沿って層流状態で流れ、シリコンウェーハW上にシリコンエピタキシャル層が成長する。これにより、エピタキシャルシリコンウェーハWが得られる。なお、原料ガスとしてトリクロロシランを用いる場合、トリクロロシランの流量は、3~15slmから適宜設定されるが、これに限定されない。また、ウェーハ中心におけるエピタキシャル層の膜厚は、2~8μmから適宜設定されるが、これに限定されない。また、成膜時間については、エピタキシャル層の成長速度と膜厚の目標値とから適宜調整すればよい。
続いて、ステップS80では、チャンバ10内の温度を1000℃以上1200℃以下から600℃以上900℃以下に降温させる。その後、サセプタ20を下方向に移動させて、エピタキシャルシリコンウェーハWを各リフトピン40で一旦支持する。その後、エピタキシャルシリコンウェーハWを各リフトピン40から搬送ブレードに受け渡し、搬送ブレードと共にチャンバ10外へ搬出する。
原料ガス:トリクロロシラン
原料ガスの流量:10slm
チャンバ内の温度:1130℃
10 チャンバ
11 上部ドーム
12 下部ドーム
13 ドーム取付体
14 第1のガス供給口
15 第1のガス排出口
16 第2のガス供給口
20 サセプタ
30 サセプタサポートシャフト
31 主柱
32 アーム
33 支持ピン
34 アームの貫通孔
40 リフトピン
50 昇降シャフト
51 昇降シャフトの主柱
52 支柱
60 加熱ランプ
200 外部サーバ
201 制御部
202 記憶部
W シリコンウェーハ(エピタキシャルシリコンウェーハ)
Claims (6)
- エピタキシャル成長装置のチャンバ内にシリコンウェーハを搬入し、前記チャンバ内に設けられたサセプタ上に前記シリコンウェーハを載置し、前記チャンバ内で前記シリコンウェーハのおもて面にエッチングを施し、前記エッチングが施された前記おもて面上に所定条件下でシリコンエピタキシャル層を成長させることによってエピタキシャルシリコンウェーハを製造するエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法であって、
前記エッチングにおけるエッチング条件は、前記エピタキシャルシリコンウェーハのおもて面外周部の平坦度の目標値から、前記エッチングを施す前の前記シリコンウェーハのおもて面外周部の平坦度と前記エピタキシャル成長装置により前記所定条件下で成膜されるシリコンエピタキシャル層のおもて面外周部の平坦度とを減ずることによって算出される目標エッチング量に基づいて決定される、エピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。 - 前記エピタキシャル成長装置では、前記チャンバの側面に設けられた第1のガス供給口から前記エッチングガスと第1のキャリアガスとが前記シリコンウェーハのおもて面上側に供給され、前記チャンバの側面であって、前記サセプタよりも低い位置に設けられた第2のガス供給口から第2のキャリアガスが前記サセプタの裏面下側に供給され、
前記目標エッチング量を実現するためのエッチング条件が、前記エッチングガスの流量に対する前記第1のキャリアガスの流量及び/又は前記第2のキャリアガスの流量の比率である、請求項1に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。 - 前記目標エッチング量を実現するためのエッチング条件が、エッチングガスの流量、エッチングにおけるプロセス温度、及びエッチング時間の少なくとも一つである、請求項1又は2に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
- 前記平坦度は、ESFQD-meanである、請求項1~3のいずれか一項に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
- 前記平坦度は、ESFQR-maxである、請求項1~3のいずれか一項に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
- 前記サセプタは、前記シリコンウェーハの結晶方位に依存する方位依存制御手段を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
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