JP7341645B2 - 光学体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学体の製造方法に関する。
光の拡散特性を変化させるために、入射した光を所望の方向に拡散させる拡散板が用いられることが多い。かかる拡散板は、その表面に所望の拡散状態を実現させるための光学体を有しており、かかる光学体の一種として、数十μm程度の大きさのマイクロレンズが複数配置されたマイクロレンズ構造を有するものがある。
例えば以下の特許文献1には、複数のマイクロレンズが不規則に配列されたマイクロレンズアレイを有する光学フィルムが開示されており、かかるマイクロアレイ内に形成されたマイクロレンズの頂点位置、頂点間隔が所定の条件を満たす。
特開2003-4907号公報
ところで、拡散板には光をなるべく均質に配光するという均質配光性が強く求められている。しかし、十分な均質配光性を有する拡散板は未だ提案されていないのが実情である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、均質配光性を向上させることが可能な、新規かつ改良された光学体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、
複数の主構造体を合成してなる形状を有する合成構造体が基材の面内に連続して展開される光学体の製造方法であって、
仮想空間内に設定されたx 平面上の任意の位置に、複数の中心点を配置する第1工程と、
予め設定された主構造体の振幅A、周期Λ、存在領域T、及び周期摂動δに基づいて、前記主構造体の周期摂動δの範囲内で前記主構造体の周期を前記主構造体毎にランダムに決定し、前記第1工程で配置された各中心点に前記主構造体をそれぞれ配置する第2工程と、
前記第2工程で配置された複数の主構造体の高さz を単純和することにより、前記複数の主構造体を合成して、前記x 平面上に前記合成構造体を形成する第3工程と、
前記第3工程で形成された前記合成構造体のパターン画像に基づいて、前記合成構造体の反転形状が表面に形成された原盤を作製する第4工程と、
前記原盤を転写型として用いて、前記合成構造体が形成された光学体を作製する第5工程と、
を含み、
前記第2工程で配置される前記主構造体の位相分布は、2次元光学開口の瞳関数をフーリエ変換することで得られる振幅分布に相当し、
前記瞳関数は、光強度分布が一様な均質瞳関数、又は、光強度分布がガウシアン分布を示す瞳関数であり、
前記第2工程で配置される前記主構造体の面内存在確率P、前記存在領域T、前記周期Λ、及び前記周期摂動δが以下の条件1~3の少なくとも1つ以上を満たすことを特徴とする、光学体の製造方法が提供される。
条件1 Λ≧5μm
条件2 P≧0.3%、かつΛ≧3μm
条件3 P≧0.2%、Λ≧3μm、T≧10Λ、かつδ≧30%(条件3-1)
またはP≧0.2%、Λ≧4μm、T>10Λ、かつδ≧0%(条件3-2)
が満たされる。
ここで、2次元光学開口は、円形、矩形、多角形、または自由形状を有してもよい。
また、位相分布はSinc関数で示されてもよい。
また、合成構造体の位相分布は、主構造体の位相分布を単純和したものであってもよい。
また、前記光学体のピークレシオ値が2.5以下であってもよい。
また、主構造体の位相分布の周期Λが以下の条件1を満たしてもよい。
条件1 Λ≧5μm
また、主構造体の面内存在確率P及び周期Λが以下の条件2を満たしてもよい。
条件2 P≧0.3%、かつΛ≧3μm
また、主構造体の面内存在確率P、存在領域T、周期Λ、及び周期摂動δが以下の条件3を満たしてもよい。
条件3 P≧0.2%、Λ≧3μm、T≧10Λ、かつδ≧30%(条件3-1)
またはP≧0.2%、Λ≧4μm、T>10Λ、かつδ≧0%(条件3-2)
が満たされる。
本発明の他の観点によれば、上記の光学体を光源の表面に配置したことを特徴とする、照明装置が提供される。
本発明の他の観点によれば、上記の光学体を光源と表示部との間に配置したことを特徴とする、画像表示装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、光学体の均質配光性を向上させることが可能となる。
本発明の実施形態に係る光学体の構造を示す斜視図である。 同実施形態に係る主構造体の構造を示す平面図である。 主構造体の構造を示す断面図である。 瞳関数の一例を示すグラフである。 パターン画像を作製する手順を示す説明図である。 パターン画像を作製する手順を示す説明図である。 光学体を作製する手順を示すフローチャートである。 実施例に係るパターン画像の一例を示すビットマップ画像である。 実施例に係る光学体の配光特性の一例を示すグラフである。 合成構造体の構造を示す共焦点顕微鏡像である。 合成構造体の構造を示す断面図である。 実施例に係る光学体の配光特性を示すシミュレーション画像である。 実施例に係る光学体の配光特性を示すシミュレーション画像である。 実施例に係るパターン画像の一例を示すビットマップ画像である。 実施例に係る光学体の配光特性の一例を示すグラフである。 合成構造体の構造を示す共焦点顕微鏡像である。 実施例に係る光学体の配光特性を示すシミュレーション画像である。 実施例に係る光学体の配光特性を示すシミュレーション画像である。 実施例に係るパターン画像の一例を示すビットマップ画像である。 実施例に係る光学体の配光特性を示すシミュレーション画像である。 実施例に係る光学体の配光特性を示すシミュレーション画像である。 実施例に係る光学体の配光特性の一例を示すグラフである。 合成構造体の構造を示す共焦点顕微鏡像である。 実施例に係る光学体の配光特性を示すレーザ投影像である。 実施例に係る光学体の配光特性を示すシミュレーション画像である。 実施例に係る光学体の配光特性の一例を示すグラフである。 合成構造体の構造を示す共焦点顕微鏡像である。 実施例に係る光学体の配光特性を示すレーザ投影像である。 実施例に係る光学体の配光特性を示すシミュレーション画像である。 マイクロレンズアレイのビットマップ画像である。 比較例に係る光学体の配光特性を示すシミュレーション画像である。 ピークレシオ値の一例を示す輝度プロファイルである。 ピークレシオ値の一例を示す輝度プロファイルである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.光学体の全体構成>
まず、図1及び図2に基づいて本実施形態に係る光学体1の全体構成について説明する。光学体1は、例えば光拡散板として使用されるものであり、基材10と、基材10の表面に形成された合成構造体層15とを備える。
基材10は、本実施形態に係る光学体1に入射する光の波長帯域において、透明とみなすことが可能な材質からなる基材である。かかる基材10は、フィルム状のものであっても良いし、板状のものであっても良い。かかる基材の材質については、特に限定するものではないが、例えば、ポリメチルメタクリレート(polymenthyl methacrylate:PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate:PET)、ポリカーボネート(polycarbonate:PC)、環状オレフィン・コポリマー(Cyclo Olefin Copolymer:COC)、環状オレフィンポリマー(Cyclo Olefin Polymer:COP)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose:TAC)等といった公知の樹脂を基材10として用いることも可能であるし、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、白板ガラス等といった公知の光学ガラスを用いることも可能である。図1では、基材10が矩形である場合を例に挙げて図示を行っているが、基材10の形状は矩形に限定されるものではなく、例えば光学体1が実装される照明装置、画像表示装置等の形状に応じて、任意の形状(例えば円形等)を有していても良い。
合成構造体層15には、合成構造体20が形成されている。合成構造体20は、多数の主構造体30が合成された形状を有しており、基材10の面内に連続して形成されている。合成構造体20及び主構造体30の詳細な構成については後述する。合成構造体層15は、例えば、硬化性樹脂の硬化物で構成される。硬化性樹脂は、本実施形態に係る光学体1に入射する光の波長帯域において、透明とみなすことが可能な樹脂で構成される。このような樹脂としては、例えば紫外線硬化性アクリル樹脂または紫外線硬化性エポキシ樹脂等が挙げられる。
<2.合成構造体20及び主構造体30の詳細な構成>
つぎに、図2~図6に基づいて合成構造体20及び主構造体30の詳細な構成について説明する。上述したように、合成構造体20は多数の主構造体30が合成された形状を有している。
図2及び図3は、主構造体30の構造例を示す。なお、図2では、x平面100上に主構造体30が描かれている。x平面100は、合成構造体20の設計図に相当するパターン画像が描かれる平面である。パターン画像は、例えば電子計算機を用いて作製される。パターン画像に描かれた合成構造体20が基材10の面内に形成される。したがって、x平面100は基材10の表面形状を規定するための平面である。パターン画像の生成方法については後述する。図3は図2のAA断面図である。
基材10の面内(言い換えればx平面100内)における主構造体30の位相分布は、2次元光学開口の瞳関数をフーリエ変換することで得られる振幅分布に相当する。この振幅分布は、上記2次元光学開口の像面における振幅分布(いわゆる点像分布関数)を示す。ここで、瞳関数は設定される光強度分布(想定される光源の光強度分布)に概ね対応したものであれば特に制限されないが、光強度分布がガウシアン分布を示す瞳関数であることが好ましく、光強度分布が一様な瞳関数(以下、「均質瞳関数」とも称する)であることがより好ましい。この場合、光学体1の均質配光性をより高くすることができる。以下の実施形態では、瞳関数が均質瞳関数であることを前提として説明を行う。
図4に示すグラフL1は、均質瞳関数の一例を示す。図4のx平面は光学開口が描かれる平面であり、z軸は光強度を示す。この例では、光学開口は円形となっており、光学開口内の光強度が一様(すなわち光強度=aの一定値)となっており、他の領域の光強度がゼロとなっている。なお、光学開口は必ずしも円形に限られず、矩形、多角形、または自由形状であってもよい。
このような均質瞳関数を開口面全域でフーリエ変換することで得られる振幅分布は、例えばSinc関数で示される。このため、本実施形態では、主構造体30の位相分布(すなわち振動波形)は、図2及び図3に示すようにSinc関数で示される。より具体的には、主構造体30の中心点31が位相ゼロの点となり、中心点31からの距離rにおける主構造体30の高さzが以下の数式(1)、(2)で示される。数式(1)、(2)中、Aは主構造体30の振幅(μm)を示し、Λは主構造体30の周期(μm)を示す。
Figure 0007341645000001
図2及び図3に示すように、主構造体30は多数の凸部32及び凹部33を有し、高さzの変動量(すなわち凸部32の高さ及び凹部33の深さ)は、中心点31からの距離rが大きくなるにつれて小さくなる。
主構造体30がこのような位相分布を有するのは以下の理由による。すなわち、均質瞳関数をフーリエ変換することで得られる振幅分布をさらにフーリエ変換した場合(いわゆる逆フーリエ変換)、元の均質瞳関数が得られる。例えば、振幅分布がSinc関数で示される場合、そのフーリエ変換像は均質瞳関数となる。
一方、光学体1の表面構造を瞳関数と考えれば、光学体1を透過した(または反射した)光の振幅分布は光学体1の表面構造の振動波形をフーリエ変換したものに相当すると考えられる。したがって、光学体1の表面構造が上記主構造体30を合成した合成構造体20となっていれば、光学体1を透過した光(の光束)は上記均質瞳関数に相当する振幅分布を有すると考えられる。このような理由により、主構造体30は、均質瞳関数をフーリエ変換することで得られる振幅分布に相当する位相分布を有する。これにより、本実施形態では、光学体1を透過した(または反射した)光の均質配光性を高めることができる。
図3に示すように、主構造体30の高さzは中心点31の凸部32で最大値となり、中心点31に最も近い凹部33において最小値となる。中心点31を透過する光と中心点31に最も近い凹部33を透過する光との光路差が光の1波長分であることが好ましい。具体的には、光学体1に入射する光の波長がλ~λ(μm)の範囲で変動する場合、x平面100上に配置されるm番目の主構造体30の振幅Aは、以下の数式(3)を満たすことが好ましい。なお、m番目の主構造体30は、後述する中心点31の位置決定処理において、m番目に決定された中心点31の主構造体30を意味する。
Figure 0007341645000002
数式(3)において、nは合成構造体層15の相対屈折率であり、Rは0~1の乱数(実数)である。振幅Aが数式(3)で示される場合、波長がλ~λ(μm)となる任意の入射光に対して均質配光性の高い光を拡散させることができる。
合成構造体20は多数の主構造体30が合成された形状を有する。そこで、まず、図5~図6に基づいて、主構造体30の合成方法(合成構造体20の作製方法)について説明する。合成構造体20の作製は電子計算機によって行われる。まず、図5に示すように、仮想空間内にx平面100を設定する。x平面100は、複数の画素(ピクセル)の集合体である。x平面100の形状、サイズ、及び1画素に対応する実空間上の大きさ(いわゆる解像度)は実際に作製される光学体1の形状、サイズ等に応じて設定されればよい。解像度は露光を行う装置の機能等にも依存するが、合成構造体20の精度を高めるために、0.2~0.8μm/px程度に設定されることが好ましい。x平面100のサイズは、x平面100を構成する画素の数で特定される。例えばx平面100が矩形となる場合、長辺の画素数×短辺の画素数でx平面100のサイズが規定される。そして、x平面100のサイズに解像度を乗じた値が実空間における光学体1のサイズ、詳細には基材10の表面のサイズとなる。
ついで、x平面100をx方向(矢印P方向)に1画素ずつスキャンする。そして、画素毎に主構造体30の中心点31を配置するか否かを面内存在確率P(%)に基づいて決定する。面内存在確率Pは作業者(光学体1の作製を行う作業者)によって設定される。同一のy座標に対するスキャンが終わったらスキャン位置をy方向に1画素ずらし、同様の処理をx平面100の全域のスキャンが終わるまで繰り返す。これにより、x平面100上の任意の位置に中心点31が配置される。
ついで、図6に示すように、予め作業者に設定された主構造体30の振幅A、周期Λ、存在領域T、及び周期摂動δに従って、各中心点31に主構造体30を配置する。ここで、存在領域Tは、主構造体30のx平面100における半径に相当するものであり、周期Λの整数倍の値(=αΛ、αは整数であり、周期Λの繰り返し数を示す)となる。周期摂動δ(%)は、周期Λのばらつきであり、主構造体30毎に具体的な周期Λの値が周期摂動の範囲内でランダムに決定される。周期摂動がβ%となる場合、各主構造体30の周期Λは、周期Λ±(周期Λ×β%)となる。
ついで、主構造体30を合成する。具体的には、x平面100上の画素毎に主構造体30の高さzを単純和する。これにより、合成構造体20がx平面100上に形成される。つまり、x平面100上の各画素における合成構造体20の高さzは、x平面100上にランダムに配置された主構造体30の高さzを単純和したものとなる。なお、合成方法は単純和に限定されず、他の合成方法であってもよい。
これにより、パターン画像が作製される。パターン画像における合成構造体20の高さzは、例えば画素の色の階調で表現される。したがって、パターン画像はいわゆるビットマップ画像である。なお、実空間における合成構造体20の各部分の高さzは以下のように規定される。すなわち、基材10の高さ(厚さ)方向にz軸を定義し、基材10から離れる方向を正方向とする。そして、z=0の原点(Sinc関数の位相がゼロとなる点)をz軸上に定義する。合成構造体20の各部分における高さzはこのように定義されたz軸の座標値として規定される。合成構造体20の全領域における高さz2の最大値と最小値との差δZは4.5以上であることが好ましい。この場合、より光の均質配光性が高まることが期待できる。
そして、このパターン画像に基づいて原盤(合成構造体20の反転形状が表面に形成されたもの)が作製され、この原盤を転写型として用いて光学体1が作製される。光学体1には、パターン画像で設計された合成構造体20が形成される。このような光学体1を透過または反射した光は、高い均質配光性を有する。具体的には、ピークレシオ値が2.5以下となる。ピークレシオ値は、光の輝度プロファイルのピークレベルとベースレベルとの比として定義される。輝度プロファイルは、拡散光が照射されるスクリーン上の各位置における輝度を示す。
ここで、図32及び図33に基づいてピークレシオ値の例について説明する。図32に示すグラフL10はピークレシオ値が2.5以下となる輝度プロファイルの例(すなわち本実施形態の実施例の1種)であり、図33に示すグラフL20はピークレシオ値が2.5より大きくなる例(すなわち本実施形態の比較例の1種)である。図32及び図33の横軸はスクリーン上の位置を示し、縦軸は輝度を示す。ピークレベルLPは輝度プロファイルの最大値として定義される。一方、ベースレベルBLは振幅度数の多い領域の平均(算術平均)輝度レベルとして定義される。ピークレシオ値が2.5以下となる輝度プロファイルでは、輝度がスクリーン上で均質となっている。これに対し、ピークレシオ値が2.5より大きくなる輝度プロファイルでは、0次光のピークP0または1次光のピークP1が極端に大きくなっており、光の均質配光性が損なわれている。
なお、光学体1のピークレシオ値が2.5以下となるためには、主構造体30の面内存在確率P、存在領域T、周期Λ、及び周期摂動δが以下の条件1~3の少なくとも1つ以上を満たす必要がある。
条件1 Λ≧5μm
条件2 P≧0.3%、かつΛ≧3μm
条件3 P≧0.2%、Λ≧3μm、T≧10Λ、かつδ≧30%(条件3-1)
またはP≧0.2%、Λ≧4μm、T>10Λ、かつδ≧0%(条件3-2)
を満たす。
ここで、拡散板からの拡散光をスクリーン上に照射した場合、スクリーン内の照射領域内にマクロ状の斑模様(いわゆるマクロ斑)が観察される場合がある。このような斑模様も光の均質配光性を損なう原因の一つである。後述する実施例で検証される通り、本実施形態に係る光学体1では、このような斑模様の発生も抑制することができる。
以上により、本実施形態によれば、光学体1の合成構造体20は、主構造体30を合成した形状を有する。そして、主構造体30の位相分布は、光強度分布が一様な2次元光学開口の瞳関数(すなわち均質瞳関数)をフーリエ変換することで得られる振幅分布に相当する。これにより、光学体1は、様々な入射光(例えばコリメート光または他の種類の光)に対して高効率かつ均質配光性の高い(マクロ斑の少ない)拡散光を出射することができる。なお、瞳関数は必ずしも均質瞳関数に限られず、設定される光強度分布(想定される光源の光強度分布)に概ね対応したものであれば特に制限されない。例えば瞳関数は光強度分布がガウシアン分布を示す瞳関数であってもよく、この場合にも上記と同様の効果が得られると考えられる。
このような光学体1から出射される拡散光は、マクロ斑が極めて少なく、視認性が良好で均質性が高い。したがって、光学体1は、入射光の反射、透過、干渉、吸収、または導波などの作用に効率的に寄与するものである。つまり、本実施形態では、光学体1の合成構造体20に入射する入射光に対する反射光の配光成分を制御し、または透過光束の配光成分を制御することによって、均質なエネルギー分布を有し、マクロ斑の少ない拡散を実現するものである。
光学体1が適用されるシートフィルム体あるいは各種装置は、拡散光の高い均質性により、光の均質拡散機能、光学開口の拡大機能に優れる。したがって、本実施形態の光学体1をバックライト、一般乃至特殊照明装置、または高明度で高諧調(例えば8bit,16bit,24bitなど)な高画質の画像を表示する画像表示装置等に適用することで、これらの精度及び信頼性を飛躍的に高めることができる。光学体1は、上記を含む様々な装置、例えば照明装置、画像表示装置、光計測装置、計測医療装置、及び紫外光応用装置等にも適用できる。
<3.光学体の製造方法>
つぎに、光学体1の製造方法を図7に示すフローチャートに沿って説明する。ステップS100において、パターン画像を作製する。パターン画像を作製するにあたっては、まず、パターン画像を作製可能な電子計算機を準備する。電子計算機は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit、すなわちプロセッサ)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク、各種入力操作装置(キーボード、マウス等)、ディスプレイ、通信装置等を備える。ROMには、電子計算機の処理に必要な情報、特にパターン画像の作製に必要なプログラム等が記録されている。CPUは、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行する。
作業者は、まず電子計算機にパターン画像の形状、サイズ、解像度、主構造体30の面内存在確率P、振幅A、周期Λ、存在領域T、及び周期摂動δを入力する。存在領域Tに関しては、繰り返し数αを入力してもよい。また、主構造体30の凹凸を逆転させてもよい。この場合、作業者は、主構造体30の凹凸を逆転させる旨の情報を電子計算機に入力する。
ついで、電子計算機は、作業者から与えられた情報に基づいて、パターン画像を作製する。まず、電子計算機は、図5に示すように、仮想空間内にx平面100を設定する。x平面100の形状、サイズは入力されたパターン画像の形状、サイズに基づいて設定される。ついで、電子計算機は、x平面100をx方向(矢印P方向)に1画素ずつスキャンする。そして、画素毎に主構造体30の中心点31を配置するか否かを面内存在確率P(%)に基づいて決定する。同一のy座標に対するスキャンが終わったらスキャン位置をy方向に1画素ずらし、同様の処理をx平面100の全域のスキャンが終わるまで繰り返す。これにより、x平面100上の任意の位置に中心点31が配置される。
ついで、電子計算機は、図6に示すように、予め作業者に設定された主構造体30の振幅A、周期Λ、存在領域T、及び周期摂動δに従って、各中心点31に主構造体30を配置する。
ついで、電子計算機は、主構造体30を合成する。具体的には、x平面100上の画素毎に主構造体30の高さzを単純和する。これにより、合成構造体20がx平面100上に形成される。すなわち、パターン画像が作製される。なお、合成方法は単純和に限定されず、他の合成方法であってもよい。なお、ステップS100の処理はステップS105の処理が行われる前の任意のタイミングで行われればよい。
ついで、ステップS101において、作業者は基盤を洗浄する。かかる基盤は、例えば、ガラスロールのようなロール状のものであってもよく、ガラスウェハのような平板状のものであってもよい。また、基盤はシリコンウェハであってもよい。
ステップS103において、作業者は、洗浄後の基盤の表面にレジストを形成する。ここで、レジストの例としては、金属酸化物を用いたレジストや、有機物を用いたレジスト等が挙げられる。レジストはポジ型またはネガ型の光反応レジストであってもよい。具体的な例として、東京応化工業社製PMER-LA900、AZエレクトロニックマテリアルズ社製AZ4620等が挙げられる。レジストにはカップリング剤を添加してもよい。レジスト厚は例えば2~15μm程度であってもよい。かかるレジストの形成処理は、ロール状の基盤に対しては、塗布処理又はディッピングにより実現され、平板状の基盤に対しては、各種のコーティング処理により実現される。
ついで、ステップS105において、レジストの形成された基盤に対して、露光処理が実施される。かかる露光処理は、グレースケールマスク等を利用した露光(複数のグレースケールマスクの重ね合わせによる多重露光を含む。)、平板又はロール板に対するグレースケール露光、ピコ秒パルスレーザやフェムト秒パルスレーザ等を用いたレーザ露光など、公知の様々な露光方法を適宜適用することが可能である。作業者は、露光処理を行う装置に上述したパターン画像を入力する。当該装置は、パターン画像に基づいて露光を行う。レーザの波長は適宜選択されればよいが、一例として405nm、436nm等が挙げられる。これらの装置は、パターン画像に基づいてレジストを露光する。露光は、解像度に従って画素ごとに行われる。
ステップS107において、作業者は露光後の基盤をアルカリ現像する。現像液の例としては、NMD-3、NMD-7、PMER P-7G(何れも東京応化工業株式会社製、成分は同等)、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)等が挙げられる。
ステップS111において、作業者は、マスター原盤を作製する。例えば、作業者は、アルカリ現像後の基盤にエッチング(例えばCFガス、Arガス等を用いたガラスエッチング等)を施すことでマスター原盤(ガラスマスター等)を作製してもよい。また、作業者は、アルカリ現像後の基盤に対してNiスパッタ(例えば20~60nm相当)または電鋳前処理等を行い、その後Ni電鋳を行い基盤から被覆体を剥離する。そしてこの被覆体をマスター原盤(メタルマスター)としてもよい。電鋳前処理は例えばスルファミン酸Ni浴等のNi浴に現像後の基盤を浸漬することで行われる。被覆体の厚さは適宜選択されればよい。マスター原盤の表面には、合成構造体20と同様の形状の凹凸が形成される。
ステップS113において、作業者は、完成したマスター原盤を用いて、ソフトモールド等のモールドを作成する。例えば、基材上に未硬化の硬化性樹脂を塗布し、未硬化の硬化性樹脂層にマスター原盤の凹凸を押し付ける。この状態で硬化性樹脂を硬化させる。以上の工程によりソフトモールドが作製される。基材及び硬化性樹脂の材質は光学体1と同様の材質であってもよい。ソフトモールドの表面には、合成構造体20の反転形状となる凹凸が形成される。
ステップS115において、作業者は、基材10上に転写処理を実施する。例えば、作業者は、基材10上に未硬化の硬化性樹脂を塗布し、未硬化の硬化性樹脂層にモールドの凹凸を押し付ける。この状態で硬化性樹脂を硬化させる。これにより、光学体1が作製される。ステップS117において、作業者は必要に応じて保護膜等を光学体1の表面に成膜する。以上の工程により光学体1が作製される。なお、ソフトモールドの作製工程を省略し、マスター原盤から直接光学体1を作製してもよい。この場合、マスター原盤の表面には、合成構造体20の反転形状となる凹凸が形成される。
なお、図7に示した製造方法の流れは、あくまでも一例であって、本実施形態に係る光学体1の製造方法が図7に示した例に限定されるものではない。
<4.光学体の適用例>
光学体の適用例は特に制限されず、拡散光の均質配光性が求められる分野であればどのような分野にも適用してもよい。光学体1は、例えば照明装置、画像表示装置、光計測装置、計測医療装置、及び紫外光応用装置等に適用されても良い。光学体1を照明装置に適用する場合、光学体1は光源の表面に配置されてもよい。光学体1を画像表示装置に適用する場合、光学体1を光源と表示部との間に配置してもよい。いずれの場合においても光源の種類は特に問われない。光源はコリメート光あるいは平行主光線を含むテレセントリック光を出射するものであってもよく、他の種類の光源であってもよい。
<1.実施例A~E>
実施例A~Eでは、実際に光学体1を作製し、その配光特性を評価した。あわせて実施例A~Eの配光特性をシミュレーションでも評価した。
(1-1.実施例A)
実施例Aでは、上述した製造方法に従って、光学体1を作製した。概略的には、アルカリ現像後の基盤に対して電鋳前処理等を行い、その後Ni電鋳を行い基盤から被覆体を剥離した。そしてこの被覆体をマスター原盤(メタルマスター)とした。なお、パターン画像の形状は矩形、サイズは200×200px(矩形)、解像度は0.8μm/px、面内存在確率Pは0.1%、振幅Aは上述した数式(3)を満たす値(光の波長は532nmとした)、周期Λは5μm、存在領域Tは50Λ、周期摂動δを10%とした。また、基材10及び合成構造体層15の屈折率は1.5とし、基材10の厚さを100μmとした。
図8はパターン画像を示す。このパターン画像では、合成構造体20の高さzが8階調で描かれている。図8から明らかな通り、合成構造体20の凹凸がパターン画像内にランダムに分布していることがわかる。本発明者は、比較のために、図30に示すマイクロレンズアレイのパターン画像を作製した。この例では、マイクロレンズの平面視の直径を15μmとし、マイクロレンズ毎に5%の摂動で直径をばらつかせた。さらに、各マイクロレンズの曲率半径を8μmとし、マイクロレンズ毎に5%の摂動で曲率半径をばらつかせた。なお、図30のパターン画像は、同じパターン画像を2×2の配列でタイリングしたものである。この例から明らかな通り、凹凸の形状が近似する領域Aが点在している。このような領域Aは、マクロ斑の原因となりうる。このような領域Aのない実施例Aでは、マクロ斑の発生が抑制される。
つぎに、この光学体1の配光特性を評価した。測定装置としてサイバネットシステム社製Mini-Diffを使用した。光学体1に波長650nmのコリメート光を基材側から入射し、20mm開口内で拡散光の輝度分布を測定した。開口への拡散光の入射角度毎に平均値を測定し、それを輝度値とした。結果を図9に示す。横軸は拡散光の入射角度を示し、縦軸は輝度を示す。この例から明らかな通り、均質配光性の高い分布が得られる。
図10は、光学体1の合成構造体20の共焦点顕微鏡像を示す。図11は、直線L2に沿った合成構造体20の断面形状、具体的には図10の表面構造の共焦点顕微鏡像の断面プロファイルとなる。縦軸は基材10の表面からの高さを示し、横軸は直線L2上の位置を示す。図10及び図11から明らかな通り、光学体1の表面には合成構造体20が形成されていることがわかる。また、合成構造体20は基材10の面内にランダムに配置された主構造体30が合成されたものなので、高さzはランダムに変動する。
本発明者は、光学体1の配光特性をシミュレーションで評価した。シミュレーションのソフトウェアとしてはジーメンス社のVirtual-Labを使用した。シミュレーションの条件は以下のとおりである。すなわち、光源として直径0.8mmのコリメート光源を使用し、波長は532nm(及び追加波長473nm、635nm)とした。光学体1の形状を直径0.8mmの円形とし、基材10の厚さを100μmとした。さらに、基材及び合成構造体層15の屈折率を1.5とした。そして、基材側からコリメート光を入射し、光学体1から100mm離した仮想スクリーン面に拡散光を照射した。結果を図12及び図13に示す。図12は波長532nmの光を光学体1に入射したときにスクリーン上に投影された投影像であり、図13は波長473nm、532nm、635nmの合成光を光学体1に入射したときにスクリーン上に投影された投影像である。この投影像の輝度分布に基づいてピークレシオ値が算出される。いずれの例においても拡散光が高い均質性を有していることがわかる。
(1-2.実施例B)
実施例Bでは、周期摂動を10%とした他は実施例Aと同様の条件で光学体1を作製し、実施例Aと同様の方法で配光特性を評価した。図14はパターン画像を示す。このパターン画像では、合成構造体20の高さzが8階調で描かれている。図14から明らかな通り、合成構造体20の凹凸がパターン画像内にランダムに分布していることがわかる。
図15はMini-Diffを使用して測定された配光特性を示す。実施例Bでも均質配光性の高い分布が得られる。図16は、光学体1の合成構造体20の共焦点顕微鏡像を示す。図16から明らかな通り、光学体1の表面には合成構造体20が形成されていることがわかる。
図17及び図18はシミュレーションの結果を示す。図15は波長532nmの光を光学体1に入射したときにスクリーン上に投影された投影像であり、図16は波長473nm、532nm、635nmの合成光を光学体1に入射したときにスクリーン上に投影された投影像である。いずれの例においても拡散光が高い均質性を有していることがわかる。
(1-3.実施例C)
実施例Cでは、周期摂動を0%とした他は実施例Aと同様の条件で光学体1を作製し、実施例Aと同様の方法で配光特性を評価した。図19はパターン画像を示す。このパターン画像では、合成構造体20の高さzが8階調で描かれている。図19から明らかな通り、合成構造体20の凹凸がパターン画像内にランダムに分布していることがわかる。
図20及び図21はシミュレーションの結果を示す。図20は波長532nmの光を光学体1に入射したときにスクリーン上に投影された投影像であり、図21は波長473nm、532nm、635nmの合成光を光学体1に入射したときにスクリーン上に投影された投影像である。いずれの例においても拡散光が高い均質性を有していることがわかる。
(1-4.実施例D)
実施例Dでは、面内存在確率Pを0.6%、周期Λを4μmとした他は実施例Aと同様の条件で光学体1を作製し、実施例Aと同様の方法で配光特性を評価した。図22はMini-Diffを使用して測定された配光特性を示す。実施例Dでも均質配光性の高い分布が得られる。図23は、光学体1の合成構造体20の共焦点顕微鏡像を示す。図23から明らかな通り、光学体1の表面には合成構造体20が形成されていることがわかる。図24は図22と同様の条件で得られた拡散光をスクリーンに照射した際に得られる投影像である。スクリーンの光学体1からの距離は100mmとした。図25はシミュレーションの結果を示す。図25は波長532nmの光を光学体1に入射したときにスクリーン上に投影された投影像である。図24及び図25から明らかな通り、拡散光が高い均質性を有していることがわかる。
(1-5.実施例E)
実施例Eでは、面内存在確率Pを0.5%とした他は実施例Aと同様の条件で光学体1を作製し、実施例Aと同様の方法で配光特性を評価した。図26はMini-Diffを使用して測定された配光特性を示す。実施例Eでも均質配光性の高い分布が得られる。図27は、光学体1の合成構造体20の共焦点顕微鏡像を示す。図27から明らかな通り、光学体1の表面には合成構造体20が形成されていることがわかる。図28は図26と同様の条件で得られた拡散光をスクリーンに照射した際に得られる投影像である。スクリーンの光学体1からの距離は100mmとした。図29はシミュレーションの結果を示す。図29は波長532nmの光を光学体1に入射したときにスクリーン上に投影された投影像である。図28及び図29から明らかな通り、拡散光が高い均質性を有していることがわかる。
<2.実施例1~34、比較例1~9>
実施例1~34、比較例1~9では、面内存在確率P、周期Λ、存在領域T、及び周期摂動δをが配光特性に与える影響を調べるために、これらのパラメータを変動させた光学体1の配光特性をシミュレーションにより評価した。シミュレーションの具体的な方法は実施例Aと同様とした。各実施例及び比較例のパラメータ及び結果を表1~8に示す。表1~8の観察における「配光良」は、リング光、斑模様などが観察されない状態(拡散光の均質性が高い)状態を示す。つまり、図12等と同様の拡散光が観察されたことを示す。「極薄リング光」は、極薄のリング光が観察されたが、ピークレシオ値が2.5以下となったことを示す。「リング光」は、リング光が明確に観察され、ピークレシオ値が2.5より大きくなったことを示す。リング光の例を図31に示す。「判定」は、ピークレシオ値が2.5以下なら「Good」となり、ピークレシオ値が2.5より大きい場合には「NG」となる。
Figure 0007341645000003
実施例1~6、比較例1、2は配光特性の周期依存性を評価したものである。実施例1~6、比較例1、2から明らかな通り、Λ≧5μmであれば(すなわち条件1が満たされれば)良好な配光特性が得られることがわかる。
Figure 0007341645000004
Figure 0007341645000005
実施例7~15、比較例3~5は主構造体30の周期Λを3または4μmで固定した状態で面内存在確率を変動させ、光学特性を評価したものである。実施例7~15、比較例3~5から明らかな通り、P≧0.3%、かつΛ≧3μmであれば(すなわち条件2が満たされれば)良好な配光特性が得られることがわかる。
Figure 0007341645000006
Figure 0007341645000007
Figure 0007341645000008
Figure 0007341645000009
Figure 0007341645000010
実施例16~34、比較例6~16は主構造体30の面内存在確率P、及び周期Λをある値に固定した状態で存在領域T及び周期摂動δを変動させ、光学特性を評価したものである。実施例16~34、比較例6~16から明らかな通り、P≧0.2%、Λ≧3μm、T≧10Λ、かつδ≧30%(条件3-1)またはP≧0.2%、Λ≧4μm、T>10Λ、かつδ≧0%(条件3-2)であれば(すなわち条件3が満たされれば)良好な配光特性が得られることがわかる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、主構造体30の位相分布がSinc関数で示されることとしたが、本発明はかかる例に限定されない。すなわち、主構造体30の位相分布は、均質瞳関数をフーリエ変換することで得られる振幅分布に相当するものであればどのようなものであってもよい。
1 光学体
10 基材
15 合成構造体層
20 合成構造体
30 主構造体
31 中心点
32 凸部
33 凹部

Claims (5)

  1. 複数の主構造体を合成してなる形状を有する合成構造体が基材の面内に連続して展開される光学体の製造方法であって、
    仮想空間内に設定されたx 平面上の任意の位置に、複数の中心点を配置する第1工程と、
    予め設定された主構造体の振幅A、周期Λ、存在領域T、及び周期摂動δに基づいて、前記主構造体の周期摂動δの範囲内で前記主構造体の周期を前記主構造体毎にランダムに決定し、前記第1工程で配置された各中心点に前記主構造体をそれぞれ配置する第2工程と、
    前記第2工程で配置された複数の主構造体の高さz を単純和することにより、前記複数の主構造体を合成して、前記x 平面上に前記合成構造体を形成する第3工程と、
    前記第3工程で形成された前記合成構造体のパターン画像に基づいて、前記合成構造体の反転形状が表面に形成された原盤を作製する第4工程と、
    前記原盤を転写型として用いて、前記合成構造体が形成された光学体を作製する第5工程と、
    を含み、
    前記第2工程で配置される前記主構造体の位相分布は、2次元光学開口の瞳関数をフーリエ変換することで得られる振幅分布に相当し、
    前記瞳関数は、光強度分布が一様な均質瞳関数、又は、光強度分布がガウシアン分布を示す瞳関数であり、
    前記第2工程で配置される前記主構造体の面内存在確率P、前記存在領域T、前記周期Λ、及び前記周期摂動δが以下の条件1~3の少なくとも1つ以上を満たすことを特徴とする、光学体の製造方法
    条件1 Λ≧5μm
    条件2 P≧0.3%、かつΛ≧3μm
    条件3 P≧0.2%、Λ≧3μm、T≧10Λ、かつδ≧30%(条件3-1)
    またはP≧0.2%、Λ≧4μm、T>10Λ、かつδ≧0%(条件3-2)
    が満たされる。
  2. 前記2次元光学開口は、円形、矩形、多角形、または自由形状を有することを特徴とする、請求項1記載の光学体の製造方法
  3. 前記各主構造体の位相分布はSinc関数で示されることを特徴とする、請求項1または2に記載の光学体の製造方法
  4. 前記合成構造体の位相分布は、前記複数の主構造体の位相分布を単純和したものであることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の光学体の製造方法
  5. 前記光学体のピークレシオ値が2.5以下であることを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載の光学体の製造方法。
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