JP7341392B2 - 嵩高アクリル織物および嵩高アクリル織物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は収縮発現した収縮性アクリル短繊維を含有する嵩高アクリル混紡糸を用いた嵩高アクリル織物および嵩高アクリル織物の製造方法に関する。
収縮性アクリル繊維と非収縮性繊維を含む混紡糸は、収縮性アクリル繊維を収縮させることにより非収縮性繊維が混紡糸の表層部に浮き出して嵩高性を発現できることから、編物に膨らみ感を与えることを目的として多用されている。しかし、織物においては、織組織における拘束が強いために膨らみ感が得られにくいこと、また、アクリル混紡糸はほぼ編物用に使用されてきたことから、アクリル繊維の特長を活かした実用的な織物を開発する取り組みは限定的なものであった。
そのような中において、アクリル繊維の収縮性を活用する織物の事例としては、特許文献1が知られている。該文献には、嵩高性を有する織物を得るために、アルカリ処理木綿繊維と高収縮アクリル繊維からなる混紡糸を用いて織物を織成し、熱水処理によって収縮させて嵩高織物とすることが開示されている。また、前記混紡糸を収縮処理した後に織物に織成する嵩高織物の製造方法も開示されている。
特開平11-100737号公報
特許文献1の発明は、織物を構成する素材に着目した発明であるが、素材の選択だけでは狙いの嵩高性を有する織物が得られない場合や嵩高にはなっても織物の目が詰まり風合いが硬くなる場合がある。本発明の目的は、十分な嵩高性と柔らかい風合いを発現することができる嵩高アクリル織物を提供することにある。
本発明者らは、上述の目的を達成するために鋭意検討を進めた結果、嵩高アクリル混紡糸を織物の全部ではなく一部に使用することにより、嵩高性と柔らかい風合いを両立させた衣料用途等に好適な嵩高アクリル織物が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は以下の手段により達成される。
(1) 収縮発現した収縮性アクリル短繊維20~60重量%と非収縮性短繊維40~80重量%を含み、前記非収縮性繊維が表面に浮き出ている嵩高アクリル混紡糸を緯糸の少なくとも一部に用いており、かつ経糸の全てが非収縮性紡績糸または長繊維であり、緯糸に使用する嵩高アクリル混紡糸の英式綿番手が経糸の英式綿番手以下であることを特徴とする嵩高アクリル織物。
(2)前記嵩高アクリル織物において嵩高アクリル混紡糸の代わりに該嵩高アクリル混紡糸の前記収縮発現した収縮性アクリル短繊維を前記非収縮性短繊維と同一の繊維に置き換えた紡績糸を用いたこと以外は同様である織物に対する比容積比率が120%以上であることを特徴とする(1)に記載の嵩高アクリル織物。
) 収縮発現した収縮性アクリル短繊維が、沸水収縮率15~45%の収縮性アクリル短繊維を収縮発現させたものであることを特徴とする(1)または)に記載の嵩高アクリル織物。
) 非収縮性短繊維が繊度1.0dtex以下の非収縮性アクリル短繊維を含むものであることを特徴とする(1)~()のいずれかに記載の嵩高アクリル織物。
) 嵩高アクリル混紡糸がポリウレタン長繊維を芯とする長短複合糸であることを特徴とする(1)~()のいずれかに記載の嵩高アクリル織物。
) デニム生地であることを特徴とする(1)~()のいずれかに記載の嵩高アクリル織物。
) 沸水収縮率が15~45%である収縮性アクリル短繊維20~60重量%と非収縮性短繊維40~80重量%を含むアクリル混紡糸に、80~100℃の熱水で10分以上処理する収縮発現工程と無緊張下における冷却速度1℃/分以下の徐冷処理工程を含む製造工程によって得られた嵩高アクリル混紡糸を、緯糸の少なくとも一部に用いて製織することを特徴とする嵩高アクリル織物の製造方法。

本発明の嵩高アクリル織物は、嵩高アクリル混紡糸を一部に使用することにより、嵩高性と柔らかい風合いを両立させたものであり、衣料用途等に好適に利用できる。かかる嵩高アクリル織物は、アクリル繊維の特長を活かした実用的な織物であって、十分な嵩高性とアクリル繊維ならではの柔らかい風合いを有するものである。また、かかる嵩高アクリル織物は、非収縮性短繊維として繊度の小さいものを使用した場合には、起毛処理をせずとも起毛感を有する優れた風合いとできる。かかる性能を有する本発明の嵩高アクリル織物は、例えば、シャツ、ブラウス、コート、スポーツウェア、スカート、ズボン、パンツ、裏地、シーツ、クッション、カーテン、インテリアなどに利用することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明に採用する嵩高アクリル混紡糸は、収縮発現した収縮性アクリル短繊維と非収縮性短繊維を含む糸であって、前記非収縮性繊維が糸の表面に浮き出ていることによって嵩高性を発現するものである。すなわち、上記嵩高アクリル混紡糸は、収縮性アクリル短繊維と非収縮性短繊維を含む糸を収縮処理し収縮性アクリル短繊維を収縮させることによって非収縮性繊維を撓ませて糸の表面に浮き出させたものであって、収縮発現した収縮性アクリル短繊維と非収縮性短繊維を含む糸の芯部から外側方向に向けて非収縮性短繊維が撓んではみ出している構造を有するものである。
ここで、収縮発現前の収縮性アクリル短繊維(以下、単に収縮性アクリル短繊維という)は、後述する方法で測定した沸水収縮率が好ましくは15~45%、より好ましくは20~45%、さらに好ましくは30~40%である。沸水収縮率が上記下限に満たない場合には十分な嵩高性が得られないことがあり、上限を超える場合には、収縮発現後の単繊維伸度が高くなりすぎて、嵩高アクリル混紡糸が伸びやすくなり製織が困難になることがある。なお、かかる収縮性アクリル短繊維は複数種を使用してもよい。
また、収縮性アクリル短繊維の繊度は、好ましくは0.4~5.0dtex、より好ましくは0.5~3.0dtex、さらに好ましくは0.9~2.4dtexである。繊度が上記下限に満たない場合には紡績が難しく、上限を超える場合には、糸を構成する繊維本数が少なくなり糸強力が低下するため、製織中にエアで吹き切れるなどして製織できない恐れがある。
さらに、収縮性アクリル短繊維の繊維長は、好ましくは32~150mm、より好ましくは38~51mmである。繊維長が上記下限に満たない場合には紡績品位が悪くなり、上限を超える場合には通常の紡績設備では紡績することができず、ローラー間のゲージ変更やパーツ変更などの紡績設備の改造が必要となる場合がある。
また、上記のように嵩高アクリル混紡糸は、非収縮性短繊維を含むものである。かかる非収縮性短繊維の沸水収縮率は、上記の収縮性アクリル短繊維よりも小さく、好ましくは10%以下、より好ましくは3%以下である。沸水収縮率が上記上限を超える場合には収縮性アクリル短繊維との収縮率の差が小さくなるため、収縮性アクリル短繊維を収縮発現させたときの非収縮性短繊維の糸表面への浮き出しが小さくなって嵩高感が得られなくなる恐れがある。なお、かかる非収縮性短繊維は、全く収縮しないものであってもよく、また、複数種を使用してもよい。
上記非収縮性短繊維としては、綿、麻、羊毛、獣毛(モヘア、カシミヤ、キャメル、アルパカ、アンゴラ等)などの天然繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維、アセテート、プロミックスなどの半合成繊維、アクリル、ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維などを採用することができる。中でも、素材としてアクリル繊維を採用することにより、保温性や接触温感に優れた織物を得られやすくなる。また、非収縮性短繊維の繊度としては、好ましくは5.0dtex以下、より好ましくは1.0dtex以下である。特に、1.0dtex以下の細繊度であることにより、柔らかく、起毛感を有する風合いという利点が得られやすくなる。繊度の下限としては、紡績加工性の観点から0.3dtex以上であることが望ましい。
上記非収縮性短繊維の繊維長は、好ましくは32~150mm、より好ましくは38~51mmである。かかる繊維長範囲とすることにより、収縮処理後の糸表面に程よく繊維端部が出てくるため起毛感が得られやすくなる。繊維長が上記下限に満たない場合には紡績品位が悪くなり、上限を超える場合には通常の紡績設備では紡績することができず、ローラー間のゲージ変更やパーツ変更などの紡績設備の改造が必要となる恐れがある。
また、本発明に採用する嵩高アクリル混紡糸は、上述した収縮発現した収縮性アクリル短繊維を20~60重量%、好ましくは30~40重量%含むものである。かかるアクリル短繊維の含有量が上記下限に満たない場合には、収縮処理前における収縮性アクリル短繊維の含有量が不足しており十分かつ均一な嵩高性が得られない。一方、上記上限を超える場合には非収縮性短繊維が少なくなるので収縮後に糸の表層部に配置される繊維の量が少なくなって膨らみ感を得られなくなる。
また、本発明に採用する嵩高アクリル混紡糸は、上述した非収縮性短繊維を40~80重量%、好ましくは60~70重量%含むものである。非収縮性短繊維の含有量が上記下限に満たない場合には収縮後に糸の表層部に配置される繊維の量が少なくなって膨らみ感を得られなくなり、上記上限を超える場合には、収縮処理前における収縮性アクリル短繊維の量が少なくなるので十分かつ均一な嵩高性が得られなくなる。
さらに、本発明に採用する嵩高アクリル混紡糸は、上述の収縮発現した収縮性アクリル短繊維と非収縮性短繊維以外の繊維(以下、その他の繊維という)を含有するものであってもよい。かかるその他の繊維としては、長繊維を挙げることができ、例えば、ポリウレタン長繊維、ナイロン長繊維、レーヨン長繊維などを採用することができる。
また、嵩高アクリル混紡糸の構造としては、一般的な短繊維紡績糸のほか、コアスパンヤーン、カバードヤーン、ラッピングヤーンなどの長短複合糸などを挙げることができる。長短複合糸としては、上述したポリウレタン長繊維を芯とし、外側を収縮性アクリル短繊維と非収縮性短繊維で構成した糸が代表的なものである。
本発明の嵩高アクリル織物は、上述してきた嵩高アクリル混紡糸を用いた織物であって、経糸の少なくとも一部に該嵩高アクリル混紡糸以外の糸を用いている織物である。経糸の全てに嵩高アクリル混紡糸を用いた場合には、一斉サイジングや製織中に経糸に加えられる張力により嵩高アクリル混紡糸が伸ばされて嵩高性が失われ、残留収縮が大きくなり、問題となる恐れがある。経糸に使用される嵩高アクリル混紡糸以外の糸としては、沸水収縮率が10%以下の繊維で構成されている糸であることが望ましい。
また、本発明の嵩高アクリル織物においては、緯糸の少なくとも一部を嵩高アクリル混紡糸とし、経糸の全てを非収縮性紡績糸または長繊維とした場合に、嵩高性と柔らかい風合いを両立し、形態安定も良好なものが得られやすい。ここで、経糸に使用する非収縮性紡績糸は、沸水収縮率が10%以下の繊維で構成されている紡績糸であって、例えば綿糸や各種短繊維紡績糸などを例示することができる。また、経糸に使用する長繊維としては、キュプラ長繊維、ナイロン長繊維、レーヨン長繊維などを用いることができる。
また、本発明の嵩高アクリル織物においては、緯糸に使用する嵩高アクリル混紡糸の英式綿番手が経糸の英式綿番手以下であることが望ましい。緯糸に使用する嵩高アクリル混紡糸の英式綿番手が経糸の英式綿番手よりも大きい場合には、緯糸に使用する嵩高アクリル混紡糸が経糸よりも細いことになるため、嵩高性が感じられなくなる恐れがある。
さらに、本発明の嵩高アクリル織物においては、該織物に採用されている嵩高アクリル混紡糸の代わりに該嵩高アクリル混紡糸中の収縮発現した収縮性アクリル短繊維を該嵩高アクリル混紡糸中の非収縮性短繊維と同一の繊維に置き換えた紡績糸を用いたこと以外は同様である織物に対する比容積比率が120%以上である。かかる比容積比率が120%に満たない場合には、織物の嵩高性を実感することが難しくなる。
本発明の嵩高アクリル織物の織組織としては、特に限定されず、1/1の平織であってもよいが、嵩高性と柔らかい風合いを得る観点から、嵩高アクリル混紡糸の連続して浮き出ている本数が、好ましくは2本以上、より好ましくは3本または4本浮き出ている織組織であることが望ましい。一方、浮き出ている本数が7本を超える場合にはスナッギングやスリップの問題が発生しやすくなる。ここで、「連続して2本以上浮き出ている織組織」とは、経糸(または緯糸)が緯糸(または経糸)の上に連続して2本以上出ている織組織を基本とした組織を意味しており、2/2や3/1の綾織、4/1の朱子織物、二重織などが例示できる。
かかる本発明の嵩高アクリル織物の代表的な構成としては、経糸に短繊維紡績糸である綿糸、緯糸に嵩高アクリル混紡糸を用いた3/1のデニム生地や、経糸に長繊維であるレーヨン長繊維、緯糸に嵩高アクリル混紡糸を用いた4/1のサテン生地などを挙げることができる。
上述してきた本発明の嵩高アクリル織物の製造方法としては、大きく分けて2つの方法を挙げることができる。すなわち、沸水収縮率が15~45%である収縮性アクリル短繊維20~60重量%と非収縮性短繊維40~80重量%を含むアクリル混紡糸(以下、潜在嵩高性アクリル混紡糸ともいう)を作成し、これを製織して織物とした後に収縮処理する方法と、前記潜在嵩高性アクリル混紡糸を収縮処理した後に製織する方法である。前者の方法においては、織物としてから収縮処理を行うため、収縮による織物の寸法変化や織密度の変化を考慮して製織しなければならず、織物の設計が難しくなる。これに対して、後者の方法においては、既に収縮処理した糸を用いて製織するため、上記のような織物設計の困難は避けられる。また、糸染め工程を利用して収縮処理をすることもできるので、より簡便に本発明の嵩高アクリル織物を得ることができる。
前者の方法の収縮処理方法としては、上記の潜在嵩高性アクリル混紡糸を製織した織物を沸水中に20分以上浸漬する方法や拡布状態で160℃×1分以上乾熱処理する方法を挙げることができる。
後者の方法における収縮処理方法としては、上記の潜在嵩高性アクリル混紡糸に、80~100℃の熱水に浸漬して10分以上処理する工程の後に無緊張下において冷却速度1℃/分以下で徐冷処理する工程を施す方法を挙げることができる。かかる方法においては、前半の工程で、収縮を潜在化させている仮セット状態が解除され、後半の徐冷処理中に徐々に収縮が発現する。ここで、仮に後半の工程で急冷すると、急速に構造が固定されてしまうため、収縮を十分に発現することができなくなる。なお、上述のように収縮処理は染色工程の一部として実施してもよい。
また、上記潜在嵩高性アクリル混紡糸の英式綿番手としては、好ましくは6~80番手、より好ましくは10~70番手である。英式綿番手が上記下限に満たない場合には糸が太すぎて膨らみ感の特長が感じられにくくなり、上限を超える場合には糸が細すぎて嵩高性が不十分となることがある。
さらに、上記潜在嵩高性アクリル混紡糸の撚係数は、好ましくは2.7~4.0、より好ましくは3.0~3.5である。撚係数が上記下限に満たない場合には糸強度が低く糸切れや素抜けが発生しやすくなり、上限を超える場合には撚りの拘束が強すぎ収縮性アクリル短繊維の収縮が阻害され嵩高性が不十分となることがある。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の評価に用いた測定方法は、以下の通りである。また、実施例中の部及び百分率は特に限定が無い限り重量基準で示す。
<沸水収縮率>
沸水処理前のサンプルに荷重(0.1g/dtex)をかけ、一定間隔の原長さ(L1[mm])を計測し、該サンプルを沸水にて15分間処理し、乾燥後、サンプルに荷重(0.1g/dtex)をかけ、変化長さ(L2[mm])を計測し、次式により収縮率を求める。
沸水収縮率(%)={(L1-L2)/L1}×100
<繊度>
JIS L 1015:2010 8.5に従って求める。
<英式綿番手>
JIS L 1095:2010 9.4.1に従って求める。
<撚係数>
前項に従って求めた英式綿番手Neと、JIS L 1095:2010 9.15.1のA法に従って求めた1インチあたりの撚数Tから次式より撚係数を算出する。
撚係数=T/(Ne)1/2
<比容積比>
JIS L 1096:2010 8.5 かさ高性に記載の方法に従い、測定織物試料および比較織物試料の嵩高性(以下、比容積ともいう)[cm/g]を測定する。比較織物試料の比容積に対する測定織物試料の比容積の比率[%]を算出し、これを比容積比とする。なお、比較織物試料は、測定織物試料の作成において使用された収縮性アクリル短繊維を、該測定織物試料の作成において使用された非収縮性短繊維に置き換えたこと以外は同様にして作成した織物である。
<風合い(柔らかさ)、起毛感>
各織物試料の風合いおよび起毛感を5名の熟練技術者により以下の5段階で評価してもらい、最も多い評価を評価結果とする。
非常に良好:◎、良好:○、やや良:△、やや不良:△△、不良:×
[実施例1]
収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率38%、1dtex、38mm)と非収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率3%、0.5dtex、32mm)を35:65の重量比として練条工程で混紡し、リング精紡により英式綿番手24番手、撚係数3.0の潜在嵩高性アクリル混紡糸を得た。かかる潜在嵩高性アクリル混紡糸を100℃の熱水に浸漬して20分処理した後、無緊張下で冷却速度0.5℃/分で室温まで徐冷を行い、乾燥することで英式綿番手15.6番手の嵩高アクリル混紡糸を得た。次に、経糸に英式綿番手20番手の綿紡績糸、緯糸に前記嵩高アクリル混紡糸を用いて、経糸密度70本/インチ、緯糸密度53本/インチとして2/2ツイル織にて嵩高アクリル織物を作成した。
[実施例2]
実施例1において、収縮性アクリル短繊維と非収縮性アクリル短繊維の重量比を50:50に変更すること以外は同様にして嵩高アクリル織物を得た。なお、本実施例における嵩高アクリル混紡糸の英式綿番手は15.6番手であった。
[実施例3]
実施例1において、収縮性アクリル短繊維と非収縮性アクリル短繊維の重量比を25:75に変更すること以外は同様にして嵩高アクリル織物を得た。なお、本実施例における嵩高アクリル混紡糸の英式綿番手は16.2番手であった。
[実施例4]
実施例1において、収縮性アクリル短繊維を沸水収縮率20%、0.9dtex、38mmの収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製)に変更すること以外は同様にして嵩高アクリル織物を得た。なお、本実施例における嵩高アクリル混紡糸の英式綿番手は19.7番手であった。
[実施例5]
収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率38%、1dtex、38mm)と非収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率3%、0.5dtex、32mm)を35:65の重量比として練条工程で混紡し、リング精紡により英式綿番手70番手、撚係数3.0の潜在嵩高性アクリル混紡糸を得た。かかる潜在嵩高性アクリル混紡糸を100℃の熱水に浸漬して20分処理した後、無緊張下で冷却速度0.5℃/分で室温まで徐冷を行い、乾燥することで英式綿番手45.5番手の嵩高アクリル混紡糸を得た。次に、経糸に英式綿番手50番手の綿紡績糸、緯糸に前記嵩高アクリル混紡糸を用いて、経糸密度145本/インチ、緯糸密度90本/インチとして4/1サテン織にて嵩高アクリル織物を作成した。
[実施例6]
収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率38%、1dtex、38mm)と非収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率3%、1.7dtex、38mm)を35:65の重量比として練条工程で混紡し、リング精紡により英式綿番手16番手、撚係数3.0の潜在嵩高性アクリル混紡糸を得た。かかる潜在嵩高性アクリル混紡糸を100℃の熱水に浸漬して20分処理した後、無緊張下で冷却速度0.5℃/分で室温まで徐冷を行い、乾燥することで英式綿番手10.4番手の嵩高アクリル混紡糸を得た。次に、経糸に英式綿番手12番手の綿紡績糸、緯糸に前記嵩高アクリル混紡糸を用いて、経糸密度90本/インチ、緯糸密度48本/インチとして3/1ツイル織にて嵩高アクリル織物を作成した。
[比較例1]
実施例1において、収縮性アクリル短繊維を非収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率3%、1dtex、38mm)に変更すること以外は同様にして織物を得た。なお、本比較例における収縮処理後のアクリル混紡糸の英式綿番手は24番手であった。なお、本比較例1の織物の比容積比の測定においては、比較織物試料として、前記非収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率3%、1dtex、38mm)を非収縮性アクリル短繊維(日本エクスラン工業社製、沸水収縮率3%、0.5dtex、32mm)に置き換えた紡績糸を用いて作成した織物を使用した。
[比較例2]
実施例1において、収縮性アクリル短繊維と非収縮性アクリル短繊維の重量比を15:85に変更すること以外は同様にして織物を得た。なお、本比較例における収縮処理後のアクリル混紡糸の英式綿番手は16.8番手であった。
[比較例3]
実施例1において、収縮性アクリル短繊維と非収縮性アクリル短繊維の重量比を65:35に変更すること以外は同様にして織物を得た。なお、本比較例における収縮処理後のアクリル混紡糸の英式綿番手は15.6番手であった。
表1に各実施例、比較例における織物を評価した結果を表1に示す。
Figure 0007341392000001
実施例1~6においては、比容積比、風合い、起毛感のいずれも良好な嵩高織物を得ることができた。これに対して、比較例1および2では収縮性アクリル繊維を使用していない、または、使用量が少なすぎるため、比容積比が低く十分な嵩高性が得られなかった。また、比較例3では、収縮性アクリル繊維の使用量が多すぎるため、収縮後に糸の表層部に配置される繊維の量が少なくなって膨らみ感のとぼしいものとなった。

Claims (7)

  1. 収縮発現した収縮性アクリル短繊維20~60重量%と非収縮性短繊維40~80重量%を含み、前記非収縮性繊維が表面に浮き出ている嵩高アクリル混紡糸を緯糸の少なくとも一部に用いており、かつ経糸の全てが非収縮性紡績糸または長繊維であり、緯糸に使用する嵩高アクリル混紡糸の英式綿番手が経糸の英式綿番手以下であることを特徴とする嵩高アクリル織物。
  2. 前記嵩高アクリル織物において嵩高アクリル混紡糸の代わりに、該嵩高アクリル混紡糸の前記収縮発現した収縮性アクリル短繊維を前記非収縮性短繊維と同一の繊維に置き換えた紡績糸を用いたこと以外は同様である織物に対する比容積比率が120%以上であることを特徴とする請求項1に記載の嵩高アクリル織物。
  3. 収縮発現した収縮性アクリル短繊維が、沸水収縮率15~45%の収縮性アクリル短繊維を収縮発現させたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の嵩高アクリル織物。
  4. 非収縮性短繊維が繊度1.0dtex以下の非収縮性アクリル短繊維を含むものであることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の嵩高アクリル織物。
  5. 嵩高アクリル混紡糸がポリウレタン長繊維を芯とする長短複合糸であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の嵩高アクリル織物。
  6. デニム生地であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の嵩高アクリル織物。
  7. 沸水収縮率が15~45%である収縮性アクリル短繊維20~60重量%と非収縮性短繊維40~80重量%を含むアクリル混紡糸に、80~100℃の熱水で10分以上処理する収縮発現工程と無緊張下における冷却速度1℃/分以下の徐冷処理工程を含む製造工程によって得られた嵩高アクリル混紡糸を、緯糸の少なくとも一部に用いて製織することを特徴とする嵩高アクリル織物の製造方法。

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