JP7340390B2 - 建設重機の支持構造 - Google Patents
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Description
また、構台よりも下方に設けられる補強柱部であって、対象床部又は構台を補強するための補強柱部を備えるので、対象床部又は構台を補強することができ、対象床部又は構台の設置安定性を高めることができる。
また、補強柱部に取付けられた振止め手段であって、当該補強柱部の振れを抑制するための振止め手段を備えるので、補強柱部の振れを抑制でき、振止め手段を設けない場合に比べて補強柱部の設置安定性を高めやすくなる。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、既設の複数の床部を用いた工事において、建設重機を支持するための支持構造に関する。ここで、「既設の複数の床部」を備える「建物」は、1つ以上の数の階層を有する建物であって、既設建物の一部が解体された後に一部新設される建物である。この「建物」は、例えば、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、公共施設、及び工場施設等を含む概念であるが、実施の形態では、地下階を有するオフィスビルであって、地下階を施工している途中のオフィスビルとして説明する。また、「既設の複数の床部」とは、上記建物を構成する床部のうち、建物の解体後に撤去されずに残された床部を意味する。また、「工事」とは、例えば、解体工事、新築工事、改修工事等を含む概念である。また、「建設重機」とは、例えば、解体重機(一例として、掘削機、コンクリート破砕機)、タワークレーン、運搬機械(一例として、トラック等)、地盤改良機等を含む概念であるが、実施の形態では、地盤改良機として説明する。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
最初に、実施の形態に係る建設重機CEの支持構造の構成と、当該支持構造40が適用される建物1の構成とについて説明する。
まず、建物1の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る建物1の支持構造40を概念的に示す側面図である。以下の説明では、図1のX方向を建物1の左右方向(-X方向を建物1の左方向、+X方向を建物1の右方向)、後述の図4のY方向を建物1の前後方向(+Y方向を建物1の前方向、-Y方向を建物1の後方向)、図1のZ方向を建物1の上下方向(+Z方向を建物1の上方向、-Z方向を建物1の下方向)と称する。
床部10は、建物1の階層を構成するものであり、図1に示すように、相互に間隔を隔てて上下方向に向けて複数並設されている。また、複数の床部10は、少なくとも、地上1階側床部11、地下1階側床部12、地下2階側第1床部13a、地下2階側第2床部13b、及び基礎床部14を含んで構成されている。
柱部20は、床部10を支持するものであり、床部10同士の相互間(すなわち、建物1の各階層の空間)に複数設けられている。
梁部30は、床部10を支持するものであり、各床部10の下面と当接するように複数設けられたり、又は同一階の床部10同士の相互間に設けられている。また、複数の梁部30は、図1に示すように、地上1階側梁部31、地下1階側第1梁部(図示省略)、地下1階側第2梁部32、及び地下2階側梁部33を含んで構成されている。
壁部は、床部10同士の相互間を仕切るためのものであり、床部10同士の相互間に複数設けられている。
次に、建設重機CEの支持構造40について説明する。建設重機CEの支持構造40は、建物1における既設の複数の床部10を用いた工事において、建設重機CEを支持するための構造である。この支持構造40は、図1に示すように、地上1階1aから地下2階1cに至る範囲にわたって設けられており、構台50と、桁材60と、補強柱部70と、振止め部100とを備えている。
構台50は、建設重機CEを載置するためのものである。この構台50は、複数の床部10のうち最下方の床部10(具体的には、基礎床部14)以外の床部10に設けられている。具体的には、図1に示すように、構台50は、地上1階側床部11に対して取外し可能に設置されており、より具体的には、少なくとも1つ以上の桁材60を介して地上1階側床部11に設けられている(すなわち、少なくとも1つ以上の桁材60の上面に載置されている)。
桁材60は、構台50及び建設重機CEの荷重を地上1階側床部11に伝達するためのものである。この桁材60は、例えば公知の鋼製の桁材(一例として、長尺なH形鋼)を用いて構成されており、図1に示すように、構台50と地上1階側床部11との相互間に少なくとも1つ以上設けられ、地上1階側床部11に対して固定具(例えば、アンカーボルト。なお、他の固定具についても同様とする)によって固定されている。
補強柱部70は、地上1階側床部11又は構台50を補強するためのものである。この補強柱部70は、例えば鋼製の柱材を用いて構成され、図1に示すように、構台50よりも下方に設けられており、地下1階側第1補強柱部80a、地下2階側第1補強柱部80b、及び第2補強柱部90を備えている。
図2は、地下1階側第1補強柱部80a及び地下2階側第1補強柱部80bの構成を示す側面図である。地下1階側第1補強柱部80aは、地下1階1bに設けられるものである。この地下1階側第1補強柱部80aは、図2に示すように、地上1階側第1梁部と地下1階側第2梁部32との相互間に設けられており、本体部81及び位置調整部82を備えている。
地下2階側第1補強柱部80bは、地下2階1cに設けられるものである。この地下2階側第1補強柱部80bは、地下1階側第1補強柱部80aの構成と略同一に構成されており、図2に示すように、地下1階側第2梁部32と地下2階側梁部33との相互間に設けられており、本体部81及び位置調整部82を備えている。
図3は、第2補強柱部90の構成を示す側面図である。第2補強柱部90は、地下1階1bから地下2階1cにわたって設けられるものである。この第2補強柱部90は、図3に示すように、地上1階側床部11と地下2階側第1床部13a(又は基礎床部14)との相互間に設けられており(具体的には、地下2階側第1床部13a(又は基礎床部14)に載置されており)、第1本体部91、第1位置調整部92、第2本体部93、及び第2位置調整部94を備えている。なお、実施の形態では、第2補強柱部90のうち、地上1階側床部11と基礎床部14との相互間に設けられる第2補強柱部90は、地上1階側床部11と地下2階側第1床部13aとの相互間に設けられる第2補強柱部90と略同様に構成されているが、前者の第2補強柱部90の上下方向の長さは、後者の第2補強柱部90の上下方向の長さよりも短く設定されている。
図4は、図3のA-A矢視断面図である。振止め部100は、第2補強柱部90の振れを抑制するための振止め手段である。この振止め部100は、図3、図4に示すように、溶接又は固定具(例えば、ネジ)等を介して第2補強柱部90に取付けられている。
続いて、実施の形態に係る建設重機CEの支持構造40の施工方法について説明する。図5は、実施の形態に係る支持構造40の施工方法の解体工程を示す側面図である。図6は、支持構造40の施工方法の挿通孔形成工程を示す側面図である。図7は、支持構造40の施工方法の補強柱部設置工程を示す側面図である。この施工方法は、解体工程、挿通孔形成工程、補強柱部設置工程、構台設置工程、及び撤去工程を含んでいる。
最初に、解体工程について説明する。解体工程は、建物1の床部10、柱部20、梁部30、又は壁部を解体する工程である。
次に、挿通孔形成工程について説明する。挿通孔形成工程は、解体工程の後に、第1挿通孔H1、第2挿通孔H2、及び第3挿通孔H3を床部10に形成する工程である。
次に、補強柱部設置工程について説明する。補強柱部設置工程は、挿通孔形成工程の後に、補強柱部70を設置する工程である。
次いで、構台設置工程について説明する。構台設置工程は、補強柱部設置工程の後に、構台50を設置する工程である。
続いて、撤去工程について説明する。撤去工程は、構台設置工程の後に、支持構造40を撤去する。
このように実施の形態によれば、複数の床部10のうち最下方の床部10以外の床部10であって、建設重機CEを設置する対象となる床部10である対象床部に対して取外し可能に設置される構台50であって、建設重機CEを載置するための構台50を備えるので、従来技術(コンクリートを増し打ちした床部にクレーンを設置する技術)に比べて、当該支持構造40の設置作業及び撤去作業を簡易に行うことができ、当該支持構造40の設置性及び撤去性を高めることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
上記実施の形態では、建物1が、地下2階側第1床部13a及び地下2階側第2床部13bを備えていると説明したが、これに限らず、例えば、地下2階側第1床部13a又は地下2階側第2床部13bのいずれか一方を省略してもよい。また、上記実施の形態では、建物1が、地下1階側第1梁部及び地下1階側第2梁部32を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、地下1階側第1梁部又は地下1階側第2梁部32のいずれか一方を省略してもよい
上記実施の形態では、建設重機CEの支持構造40が、地上1階1aから地下2階1cに至る範囲に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、上記範囲以外の範囲に設けられてもよい。一例として、図示しない地上2階から地下2階1cに至る範囲に設けられてもよく、あるいは、図示しない地上2階から地下1階1bに至る範囲に設けられてもよい。
上記実施の形態では、構台50が、鋼製の覆工板であると説明したが、これに限らず、例えば、コンクリート製又は木製の覆工板であってもよい。
上記実施の形態では、補強柱部70が、地下1階側第1補強柱部80a、地下2階側第1補強柱部80b、及び第2補強柱部90を備えていると説明したが、これに限らない。例えば、地下1階側第1補強柱部80a及び地下2階側第1補強柱部80bのみを備えてもよく、又は第2補強柱部90のみを備えてもよい。
上記実施の形態では、桁材60が、補強柱部70に対応する位置に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、当該対応する位置に加えて、補強柱部70に対応しない位置に設けられてもよい。
上記実施の形態では、振止め部100が、第2挿通孔H2の近傍位置に設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、第2補強柱部90が、第2挿通孔H2及び第3挿通孔H3を介して基礎床部14に載置される場合には、第2挿通孔H2及び第3挿通孔H3にそれぞれ設けられてもよい。
上記実施の形態では、支持構造40の施工方法が、解体工程及び撤去工程を含むと説明したが、これに限らない。例えば、建物1の床部10、柱部20、梁部30、又は壁部を解体する必要がない場合には、解体工程を省略してもよい。また、構台設置工程の後に、設置した支持構造40を撤去する必要がない場合には、撤去工程を省略してもよい。
付記1の建設重機の支持構造は、既設の複数の床部を用いた工事において、建設重機を支持するための支持構造であって、前記複数の床部のうち最下方の床部以外の床部であって、前記建設重機を設置する対象となる床部である対象床部に対して取外し可能に設置される構台であって、前記建設重機を載置するための構台を備える。
付記1に記載の建設重機の支持構造によれば、複数の床部のうち最下方の床部以外の床部であって、建設重機を設置する対象となる床部である対象床部に対して取外し可能に設置される構台であって、建設重機を載置するための構台を備えるので、従来技術(コンクリートを増し打ちした床部にクレーンを設置する技術)に比べて、当該支持構造の設置作業及び撤去作業を簡易に行うことができ、当該支持構造の設置性及び撤去性を高めることが可能となる。
1a 地上1階
1b 地下1階
1c 地下2階
10 床部
11 地上1階側床部
12 地下1階側床部
13a 地下2階側第1床部
13b 地下2階側第2床部
14 基礎床部
20 柱部
30 梁部
31 地上1階側梁部
32 地下1階側第2梁部
33 地下2階側梁部
40 支持構造
50 構台
60 桁材
61 第1桁材
62 第2桁材
70 補強柱部
80a 地下1階側第1補強柱部
80b 地下2階側第1補強柱部
81 本体部
82 位置調整部
90 第2補強柱部
91 第1本体部
92 第1位置調整部
93 第2本体部
94 第2位置調整部
100 振止め部
101 梁材
CE 建設重機
DE 搬送機
G 地盤
H1 第1挿通孔
H2 第2挿通孔
H3 第3挿通孔
HE 重機
HF 貫通孔形成器具
Claims (5)
- 既設の複数の床部を用いた工事において、建設重機を支持するための支持構造であって、
前記複数の床部のうち最下方の床部以外の床部であって、前記建設重機を設置する対象となる床部である対象床部に対して取外し可能に設置される構台であって、前記建設重機を載置するための構台と、
前記構台よりも下方に設けられる補強柱部であって、前記対象床部又は前記構台を補強するための補強柱部と、
前記補強柱部に取付けられた振止め手段であって、当該補強柱部の振れを抑制するための振止め手段と、を備え、
前記複数の床部のいずれかに、前記補強柱部を挿通する挿通孔を形成し、
前記振止め手段は、前記挿通孔の近傍において相互に間隔を隔てて設けられ、且つ当該挿通孔が形成された前記床部に対して固定具で固定される一対の梁材のみを備える、
建設重機の支持構造。 - 前記補強柱部は、
第1本体部と、
前記第1本体部よりも下方に設けられる第2本体部と、
前記第1本体部と前記第2本体部との相互間に設けられる位置調整部であり、前記第1本体部の高さ位置を調整するための位置調整部と、を備え、
前記位置調整部を、前記振止め手段と接触しないように配置した、
請求項1に記載の建設重機の支持構造。 - 前記構台を、少なくとも1つ以上の桁材を介して前記対象床部に設け、
前記少なくとも1つ以上の桁材を、前記補強柱部に対応する位置に設けた、
請求項1又は2に記載の建設重機の支持構造。 - 前記複数の床部、又は前記複数の床部を備える建物を構成する複数の梁部は、
前記対象床部よりも下方に位置する床部又は梁部であって、前記建設重機及び前記構台を支持できない床部又は梁部である第1床部又は第1梁部と、
前記第1床部又は前記第1梁部よりも下方に位置する床部又は梁部であって、前記建設重機及び前記構台を支持可能な床部又は梁部である第2床部又は第2梁部と、を含み、
前記補強柱部を、前記第1梁部又は前記第1床部に形成された挿通孔を介して前記第2梁部又は前記第2床部に載置した、
請求項1から3のいずれか一項に記載の建設重機の支持構造。 - 前記構台は、鋼製の覆工板である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の建設重機の支持構造。
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