JP7339188B2 - 剥落物落下防止構造及びその構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トンネルなどの天井部からの剥落物の落下を防止する構造及びその構築方法に関する。
地下鉄、鉄道、車両用などのトンネルの天井部はモルタル、コンクリート、レンガ、ブロックなどからなる。これらの剥落部がトンネル内部に落下することを防止して安全を確保する必要がある。
例えば、地下鉄を走行させながらトンネルの天井部の補修を行う際にモルタルの吹き付け施工を行った場合、地下鉄の走行による振動などによって施工後のモルタルが剥落するおそれがある。そこで、モルタルの剥落物が落下しても地下鉄などと接触しないように、モルタルの施工面をシートで覆って、剥落したモルタルを受け止めるなどの方策がとられている。
従来、このようなシートは、矩形状であって、その四隅部にハトメなどで補強された孔が形成されている。そして、この孔を挿通するカラビナや針金などの連結具を用いて、天井部に打ち込まれたアンカーボルトのヘッド部を挿通させて連結することにより、シートを天井部に張設している。
なお、特許文献1には、天井裏の構造体から吊り下げた天井材の下方にネットなどのフレキシブルな面材を張って、天井材の落下を防ぐ技術が開示されている。面材は、長辺方向に間隔を隔てて短辺方向に張設された複数本のワイヤーで支持されることにより、張設されている。各ワイヤーの両端部はそれぞれ、構造体の壁面に対向して設置されたレール部材に嵌め込まれて固定可能な駒部材にターンバックルを用いて固定されている。
特開2016-169492号公報
しかしながら、トンネル内において、シートの直下を地下鉄などが高速で走行すると、シートに向って強風が吹き付ける。そのため、シートの孔部や連結具が破損する、連結具による連結が解除されるなどにより、シートが垂れ下がることによって、シートが地下鉄などに接触する、又は剥落物がトンネル内に落下するおそれがあった。
本発明は、以上の点に鑑み、シートの垂れ下がりを効果的に抑制可能な剥落物落下防止構造及びその構築方法を提供することを目的とする。
本発明の剥落物落下防止構造は、少なくも四隅部に第1の孔が形成されると共に少なくも対向する2辺の縁部にそれぞれ間隔を隔てて第2の孔が形成された矩形状のシートと、前記対向する2辺の縁部にそれぞれ形成された全ての前記複数の第2の孔をそれぞれ連続して挿通する長尺の挿通材と、土木構造物の天井部に前記第1の孔にそれぞれ対応して固定される複数の固定具と、前記第1の孔をそれぞれ挿通すると共に前記固定具にそれぞれ連結される少なくとも4つの第1の連結具と、前記挿通材に連結されると共に前記固定具に連結される第2の連結具とを備えることを特徴とする。
本発明の剥落物落下防止構造によれば、第1の連結具を用いてシートを固定具に直接的に連結することによってシートの垂れ下がりを防止することができると共に、第2の連結具を用いてシートを固定具に長尺の挿通材を介して連結することによってシートの垂れ下がりを防止することができる。これにより、一方の連結が強風などによって解除されても他方の連結によるバックアップが存在するので、シートの垂れ下がりを効果的に防止することが可能となる。
本発明の剥落物落下防止構造において、前記固定具は、前記第1の連結具と連結される第1の固定具と、前記第2の連結具と連結され、前記第1の固定具とは異なる第2の固定具とからなることが好ましい。
この場合、第1及び第2の連結具を用いたシートの連結において、第1及び第2の固定具をそれぞれ適切な位置に配置することが容易となる。これにより、第1及び第2の連結具を用いた連結されるシートの引っ張り具合をそれぞれ適正なものとすることが可能となる。
また、本発明の剥落物落下防止構造において、前記固定具は、前記第1の連結具と連結される共に前記第2の連結具と連結されることも好ましい。
この場合、固定具の個数の削減を図ることが可能となる。
また、本発明の剥落物落下防止構造において、前記第2の孔は前記シートの4辺の縁部に間隔を隔てて形成されており、前記挿通材は全ての前記第2の孔を挿通されることが好ましい。
この場合、シートの4辺の縁部に形成された全ての第2の孔を挿通される挿通材を第1の連結具を介して固定具に固定するため、シートを全周に渡って保持できるので、シートの部分的な垂れ下がりの抑制を図ることが可能となる。
また、本発明の剥落物落下防止構造において、前記第1の連結具は、前記第1の孔と前記固定具とを連結する際の距離を調整不可能な第3の連結具と前記第1の孔と前記固定具とを連結する際の距離を調整可能な第4の連結具とからなることが好ましい。
この場合、連結する際の距離が調整不可能な第3の連結具は作業者による連結作業が概して簡易であるので、連結作業の簡易化を図ることが可能となる。さらに、第4の連結具は連結する際の距離を調整可能であるので、シートの引っ張り具合を適正なものとすることが可能となる。
また、本発明の剥落物落下防止構造において、前記各辺の縁部に形成された前記第2の孔のうち前記各辺の端部に位置する前記第2の孔は前記第1の孔と近接する位置に形成されていることが好ましい。
この場合、長い距離に渡ってシートの各辺を挿通材によって保持できるので、シートの各辺の部分的な垂れ下がりの抑制を図ることが可能となる。
また、本発明の剥落物落下防止構造において、前記対向する2辺の縁部にそれぞれ形成された前記複数の第2の孔の隣り合う間隔が相違し、前記隣り合う間隔が広い前記第2の孔の間においては前記シートの下側に前記挿通材が位置し、前記広い隣り合う間隔よりも前記隣り合う間隔が狭い前記第2の孔の間においては前記シートの上側に前記挿通材が位置することが好ましい。
この場合、隣り合う間隔が広い第2の孔の間においてシートの下側に挿通材が位置するので、シートの垂れ下がりの抑制を図ることが可能となる。なお、第2の孔の隣り合う間隔が狭いか広いかは相対的なものであり、全ての隣り合う間隔に関して挿通材がシートの上側に位置するか下側に位置するかが上述した関係になくともよい。
本発明の剥落物落下防止構造の構築方法は、少なくも四隅部に第1の孔が形成されると共に少なくも対向する2辺の縁部にそれぞれ間隔を隔てて第2の孔が形成された矩形状のシートを準備する工程と、前記対向する2辺の縁部にそれぞれ形成された全ての前記複数の第2の孔にそれぞれ連続させて長尺の挿通材を挿通する工程と、土木構造物の天井部に前記第1の孔にそれぞれ対応して複数の固定具を固定する工程と、少なくとも4つの第1の連結具を、それぞれ前記第1の孔を挿通させると共に、それぞれ前記固定具に連結する工程と、第2の連結具を、前記挿通材に連結すると共に前記固定具に連結する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の剥落物落下防止構造の構築方法によれば、第1の連結具を用いてシートを固定具に直接的に連結することによってシートの垂れ下がりを防止することができると共に、第2の連結具を用いてシートを固定具に長尺の挿通材を介して連結することによってシートの垂れ下がりを防止することができる。これにより、一方の連結が強風などによって解除されても他方の連結によるバックアップが存在するので、シートの垂れ下がりを防止することが可能となる。
本発明の実施形態に係る剥落物落下防止構造を下方から見た概略図。 図1のA部拡大概略図。 図1のB部拡大概略図。 本発明の実施形態の変形例に係る剥落物落下防止構造を下方から見た概略図。 図4のC部拡大概略図。 本発明の実施形態に係る剥落物落下防止構造の構築方法のフローチャート。
本発明の実施形態に係る剥落物落下防止構造100について図1から図3を参照して説明する。
剥落物落下防止構造100は、地下鉄、鉄道、車両用などのトンネルの天井部Åから剥落物がトンネル内部に落下することを防止することにより、トンネル内部の安全を確保するものである。トンネルの天井部Åはモルタル、コンクリート、レンガ、ブロックなどからなる。
以下では、トンネルの天井部がモルタルからなり、この天井部Åを補修するためにモルタルの吹き付け施工を行った後にモルタルの剥落物のトンネル内への落下を防止することを意図した場合を例に挙げて説明する。ただし、剥落物落下防止構造100の用途はこれに限定されない。また、剥落物落下防止構造100は、恒久的に、又は後述するシート10などの交換を伴いながら長期間にわたって使用するものであってもよい。
剥落物落下防止構造100は、矩形状のシート10、ロープ20、天井部Aに固定された固定具30、シート10と固定具30とを連結する連結具40,50、及びシート10に取り付けられたロープ20と固定具30とを連結する連結具60,70を備えている。ここで、ロープ20は本発明の長尺の挿通材に相当し、連結具40,50は本発明の第1の連結具に相当し、連結具60,70は本発明の第2の連結具に相当する。
シート10は、矩形状であり、ここでは長辺と短辺とを有する長方形状であるが、正方形状であってもよい。シート10の大きさは、モルタルの吹き付け施工を行った範囲を十分に覆うことが可能な大きさとすればよい。また、このような範囲を1枚のシート10によって十分に覆うことができない場合には、複数の剥落物落下防止構造100をシート10が隣り合うように設置すればよい。
シート10は、トンネルの天井部Aから剥落したモルタルの剥落物などの落下物を確実に支持することができると共に強風やトンネル内の気温変化などによっても破損しないような頑強な素材から構成されている。シート10は、網目(メッシュ)を有するメッシュシートであっても、網目のないシートであってもよく、その素材は織物や樹脂又はこれらの積層品であってもよい。シート10は、例えば、建築現場などで防音シート、防災シート、養生シートなどとして用いられる生地を用いて形成すればよい。
シート10には、その4つの隅部にそれぞれ1つずつ第1の孔11が形成されている。そして、これら各第1の孔11は、それぞれハトメ、グロメット、アイレットなどの補強具12によって補強されている。なお、図示しないが、シート10の長辺側の縁部にも、さらには短辺側の縁部にも、第1の孔11が形成されていてもよい。
また、シート10には、長辺及び短辺の各辺側の縁部に、狭い間隔を開けて形成された1対の第2の孔13が広い間隔を隔てて連続して形成されている。さらに、ここでは、シート10には、4つの隅部に1対の第2の孔13が形成されている。これら各1対の第2の孔13は、それぞれ第1の孔11と近接するようにして、第1の孔11を間に挟み込むように形成されている。そして、第2の孔13も、ハトメ、グロメット、アイレットなどの補強具14によって補強されている。
シート10は、各辺の縁部を折り返して2重、3重などとして補強し、この折り返し部に補強具12,14で補強された孔11,13を形成することが好ましい。
ロープ20は、第2の孔13を挿通することが可能な径を有する。ロープ20の代わりに紐やワイヤーなどを用いてもよい。ロープ20は、第2の孔13を連続して挿通されてシート10の上下を通るが可能な可撓性を有すると共に、強風などでシート10が煽られても破損しない十分な強度を有している。ロープ20は、例えば、クレモナ(登録商標)等のビニロンなどの合成繊維からなるロープ、特に複数本のロープを撚り合せて形成されたロープであることが好ましい。
なお、ロープ20は、狭い隣り合う間隔を有する1対の第2の孔13の間においてはシート10の上面に沿って、広い隣り合う間隔を有する第2の孔13の間においてはシート10の下面に沿って位置している。これにより、長い距離においてロープ20によってシート10の下面を支持することができるので、シート10の垂れ下がりを効果的に抑制することが可能となる。ただし、これには限定されず、例えば、第2の孔13の間の間隔が全て同じ程度であり、シート10の上側と下側とで同じ長さ程度のロープ10が通るものであってもよい。
ここでは、ロープ20は、シート10の4辺の縁部に形成された全ての第2の孔13を挿通している。そして、ロープ20は、1本のロープの両端部同士を、ビニールテープを巻くことなどによって連結することにより、環状に形成されている。
天井部Aに固定されている固定具30は、ここでは、ヘッド部31がアイ状(円環状)又はフック状のアンカーボルトである。ただし、固定具30は、天井部Aに固定されていれば、ボルト部を有さないものであってもよく、さらに、天井部Aに構造物が固定されている場合には、この構造物に固定されているものであってもよい。
固定具30は、シート10の四隅部に形成された第1の孔11の位置に対応した位置にて天井部Aに固定されている。具体的には、固定具30は、各第1の孔11より外側であってシート10の隅より少し外側にヘッド部31が下方に突出するように位置し、ヘッド部31の円状の開口がシート10の隅と対向するように固定されている。
固定具30は、天井部Aのモルタルの健全部に所定の深さより深くボルト部が打ち込まれるようなものを選択する。例えば、補修しないモルタルの部分は全て健全部であるので補修しないモルタル部分に打ち込む固定具30のボルト部は短くし、補修したモルタルの部分は健全部の開始位置が深いので補修したモルタル部分に打ち込む固定具30のボルト部は長くすればよい。
連結具40,50は、シート10と固定具30とを連結するものである。連結具40,50は、ここでは、第1の孔11を挿通すると共にアンカーボルト30のヘッド部31を挿通することにより、シート10と固定具30とを連結するものである。
連結具60,70は、シート10の第2の孔12を挿通するロープ20と固定具30とを連結するものである。連結具60,70は、ここでは、ロープ20が内側に入るように環状になると共にアンカーボルト30のヘッド部31を挿通することにより、シート10と固定具30とロープ20を介して連結する。
連結具40,50は、第1の孔11と固定具30とを連結する際の距離を調整不可能な連結具40と、第1の孔11と固定具30とを連結する際の距離を調整可能な連結具50とからなる。連結具60,70は、ロープ20と固定具30とを連結する際の距離を調整不可能な連結具60と、ロープ20と固定具30とを連結する際の距離を調整可能な連結具50とからなる。これら連結具40,50,60,70の使い分けは、後述するように連結順序などに応じて行えばよい。
連結具40,60は、例えば、カラビナ、ナスカンなどの金属などからなるものであり、市販品を用いることができる。連結具40,60は、全体として環形状であり、この環形状を開閉可能なゲートを備えている。ゲートは、ストレートゲート、ベントゲート、ワイヤーゲートなどの公知のゲートを用いればよい。なお、連結具40,60は同じもの又は同種のものであっても異なるものであってもよい。
連結具40,60は、ゲートを開いた状態ではフック形状をなし、第1の孔11又は環状としたロープ20及び固定具30のヘッド部31の開口を挿通することが可能となる。そして、作業者がゲートを閉じることにより、第1の孔11又はロープ20と固定具30とが連結具40,60によって連結された状態となる。このとき、連結具40,60に連結された第1の孔11又はロープ20の部分におけるシート11の移動可能な範囲は連結具40,60の環形状の開口の範囲内となる。
連結具50,70は、例えば、針金、ロープ、紐、ワイヤーなどの金属製や樹脂製などからなる長尺の可撓性を有するものであり、市販品を用いることができる。連結具50,70は、長尺方向において伸縮性を有するものであってもよいが、このような伸縮性を有さないものであることが好ましい。なお、連結具50,70は同じもの又は同種のものであっても異なるものであってもよい。そして、1か所の連結箇所において、連結具50,70として複数本の針金やロープなどを用いてもよい。
作業者が、固定具30のヘッド部31の開口を挿通させたうえで、第1の孔11を挿通させて又はロープ20が内側に入るようにして環状になるように連結具50,70の両端部同士を結び付けることにより、第1の孔11又はロープ20と固定具30とが連結具50,70によって連結された状態となる。このとき、連結具50,70に連結された第1の孔11又はロープ20の移動可能な範囲は連結具50を結んだときの環形状の開口の範囲内となる。
ここでは、シート10の一方の短辺の両端に位置する2か所の隅部に形成されている孔11,12においては連結具40,60によって、シート10が固定具30に連結されている。そしてシート10の他方の短辺の両端に位置する2か所の隅部に形成されている孔11,12においてはロープ20を介した連結具50,70によって、シート10が固定具30に連結されている。
これにより、2か所においては連結具40,60による作業の簡易な連結を図ることができ、2か所においては連結具50,70による連結の程度の調整又は固定具30の打ち込み位置の誤差に起因する調整を簡易に図ることが可能となる。連結具50,70による連結は連結具40,60による連結よりも後に作業を行うことが好ましい。なお、連結具40,50,60,70の選択は前述したものに限定されず、例えば、全て連結具40,60又は連結具50,70によって連結してもよい。
なお、シート10の四隅部に形成されている第2の孔12を挿通するロープ20は、これらの第2の孔12の間においてシート10の上方を通っている。そのため、この部分においてロープ20に連結される連結具60,70は連結具40,50よりも上方に位置することが好ましい。
以上のようにして、連結具40,60を用いてシート10を固定具30に直接的に連結することによってシート10の垂れ下がりを防止することができると共に、連結具50,70を用いてシート10を固定具30にロープ20を介して連結することによってシート10の垂れ下がりを防止することができる。これにより、一方の連結が強風などによって解除されても他の連結によるバックアップが存在するので、シート10の垂れ下りを効果的に防止することが可能となる。
また、連結具40,60を用いた連結と連結具50,70を用いた連結とは、連結の余裕(シート10の引っ張り具合)の程度を相違させることが好ましい。これは、シート10を垂れ下げさせる大きな力が作用した場合に、両方の連結がほぼ同時に解除されるおそれがあるためである。ただし、連結の余裕の程度は同程度であってもよい。この場合も、従来と比較してシート10により大きな力が作用しても垂れ下がらないようにすることが可能となる。また、これらの連結の余裕は、シート10の中央部が大きく垂れ下がらない程度とすることにも留意すべきである。
なお、連結具40,60を用いた連結と連結具50,70を用いた連結との作業の順序は、シート10を取り付ける際には連結の余裕の程度が小さいほうを先に、シート10を取り外す際には連結の余裕の程度が大きいほうを先に行うことが好ましい。
以下、本発明の実施形態の変形例に係る剥落物落下防止構造200について図4及び図5を参照して説明する。剥落物落下防止構造200は前述した剥落物落下防止構造100と類似するので、相違点に関してのみ説明する。
剥落物落下防止構造200は、矩形状のシート110、ロープ120、天井部Aに固定されている固定具30、シート110と固定具30とを連結する連結具40,50及びシート110に取り付けられたロープ120と固定具30とを連結する連結具70を備えている。
シート110は、長辺の各辺側の縁部には第2の孔13が形成されているが、シート10とは異なり、短辺の各辺側の縁部には第2の孔13が形成されていない。
ロープ120は、ロープ20と同様の構成であるが、2本であり、それぞれシート110の各長辺の縁部に形成された全ての第2の孔13を挿通している。そして、各ロープ120は、両端部にそれぞれ結び目を形成する、ビニールテープを巻くことなどによって、挿通された第2の孔13から抜け出ないように構成されている。
固定具30は、シート110の四隅部に形成された第1の孔11の位置に対応した位置の他に、シート110の各長辺の中央部付近に形成された1対の第2の孔12に対応した位置にて天井部Aに固定されている。
連結具40,50は、前述した剥落物落下防止構造100と同様であって、シート110と固定具30とを連結している。連結具40,50は、ここでは、第1の孔11を挿通すると共にアンカーボルト30のヘッド部31を挿通することにより、シート10と固定具30とを連結している。
連結具70は、シート110の第2の孔12を挿通する2本のロープ120と、シート110の長辺の中央部付近に位置する固定具30とをそれぞれ連結するものである。連結具70は、ここでは、シート110の長辺の中央部付近に位置する1対の第2の孔12の間においてロープ120が内側に入るように環状になると共に固定具30のヘッド部31を挿通することにより、シート110と固定具30とロープ120を介して連結している。
このようにして、シート110の一方の短辺の両端に位置する2か所の隅部に形成されている第1の孔11においては連結具40によって、シート110が固定具30に連結されている。そして、シート110の他方の短辺の両端に位置する2か所の隅部に形成されたている第1の孔11においては連結具50によって、シート110の長辺の中央部付近に位置する1対の第2の孔12の間においてはロープ20を介した連結具50によって、シート10が固定具30に連結されている。固定具30が本発明の第2の固定具に相当する。
これにより、2か所においては連結具40,60による作業の簡易な連結を図ることができ、4か所においては連結具70による連結の程度の調整又は固定具30の打ち込み位置の誤差に起因する調整を簡易に図ることが可能となる。連結具70による連結は連結具40,60による2か所の連結よりも後に作業を行うことが好ましい。
以上のようにして、連結具40,60を用いてシート110を固定具30に直接的に連結することによってシート110の垂れ下がりを防止することができると共に、連結具70を用いてシート110を固定具30にロープ20を介して連結することによってシート110の垂れ下がりを防止することができる。これにより、一方の連結が強風などによって解除されても他の連結によるバックアップが存在するので、シート110の垂れ下りを効果的に防止することが可能となる。
なお、図示しないが、シート110の短辺の各辺側の縁部にも第2の孔13を形成して、ロープ120を各短辺に形成された全ての第2の孔13を挿通させ、これら各ロープ120を、シート110の短辺の中央部付近にて天井部Aに打ち込んだ固定具30に連結具70によって連結してもよい。
また、シート110の各辺に形成された第2の孔13を挿通する略直線状のロープ120は、これら各辺の中央部付近に位置する固定具30に固定されているが、これに限定されない。例えば、略直線状のロープ120は、各辺の中央部付近以外に位置する固定具30に連結してもよく、連結具40,50が連結されている固定具30に連結してもよい。さらに、図示しないが、前述した剥落物落下防止構造100のシート10の全辺に形成された第2の孔13を挿通する環状のロープ20を、シート10の各辺の中央部付近などに位置する固定具30に固定してもよい。
さらに、剥落物落下防止構造200を短辺の延びる方向に並べて設置する場合、シート110の隣り合う長辺の中央部付近にて天井部Aに固定される固定具30を2つの剥落物落下防止構造200に共通して使用することが好ましい。
以下、本発明の実施形態に係る剥落物落下防止構造100の構築方法について図1から図3及び図6を参照して説明する。
まず、シート10を準備するシート準備工程(S1)を行う。そして、このシート10の各辺の縁部にそれぞれ形成された全ての第2の孔12を連続させて1本のロープ20を挿通するロープ挿通工程(S2)を行う。ロープ20を挿通させた後、両端部を結ぶなどによって連結する。
また、土木構造物の天井部Aに固定具30を固定する固定具固定工程(S3)を行っておく。この固定具固定工程(S3)は、シート準備工程(S1)及びロープ挿通工程(S2)の前に又は同時に行ってもよい。
その後、4つの連結具40,50を、それぞれシート10の四隅部に形成された第1の孔11を挿通させると共に、それぞれ固定具30に連結する第1の連結工程(S4)を行う。
また、4つの連結具60,70を、それぞれロープ20に連結すると共に固定具30に連結する第2の連結工程(S5)を行う。以上により、剥落物落下防止構造100が構築される。なお、第1の連結工程(S4)と第2の連結工程(S5)とは、何れを先に行ってもよい。
なお、本発明は、上述した剥落物落下防止構造100,200及びこれらの構築方法に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、シート10,110の四隅部以外にも第1の孔11を形成し、この第1の孔11を用いて固定具30と連結してもよい。そして、この固定具30に第2の孔12を挿通するロープ20,120が連結されていない場合、この固定具30が本発明の第1の固定具に相当する。
また、シート10,110の垂れ下がりを防止するために、説明した以外の構成を追加ものであってもよい。例えば、シート10,110の中央部などの垂れ下がりを防止するために、シート10,110の中央部などの下面に沿ってロープを張設してもよい。なお、シート10,100の形状が矩形状である場合について説明したが、三角形、五角形などの多角形、円形、楕円形など他の形状であることも想定され得る。
10,110…シート、 11…第1の孔、 12,14…補強具、 13…第2の孔、 20,120…ロープ(長尺の挿通材)、 30…固定具(第1の固定具、第2の固定具)、 31…ヘッド部、 40…連結具(第1の連結具)、 50…連結具(第1の連結具)、 60…連結具(第2の連結具)、 70…連結具(第2の連結具)、 100,200…剥落物落下防止構造、 A…トンネルの天井部。

Claims (8)

  1. 少なくも四隅部に第1の孔が形成されると共に少なくも対向する2辺の縁部にそれぞれ間隔を隔てて第2の孔が形成された矩形状のシートと、
    前記対向する2辺の縁部にそれぞれ形成された全ての前記複数の第2の孔をそれぞれ連続して挿通する長尺の挿通材と、
    土木構造物の天井部に前記第1の孔にそれぞれ対応して固定される複数の固定具と、
    前記第1の孔をそれぞれ挿通すると共に前記固定具にそれぞれ連結される少なくとも4つの第1の連結具と、
    前記挿通材に連結されると共に前記固定具に連結される第2の連結具とを備えることを特徴とする剥落物落下防止構造。
  2. 前記固定具は、前記第1の連結具と連結される第1の固定具と、前記第2の連結具と連結され、前記第1の固定具とは異なる第2の固定具とからなることを特徴とする請求項1に記載の剥落物落下防止構造。
  3. 前記固定具は、前記第1の連結具と連結される共に前記第2の連結具と連結されることを特徴とする請求項1に記載の剥落物落下防止構造。
  4. 前記第2の孔は前記シートの4辺の縁部に間隔を隔てて形成されており、前記挿通材は全ての前記第2の孔に挿通されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の剥落物落下防止構造。
  5. 前記第1の連結具は、前記第1の孔と前記固定具とを連結する際の距離を調整不可能な第3の連結具と前記第1の孔と前記固定具とを連結する際の距離を調整可能な第4の連結具とからなることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の剥落物落下防止構造。
  6. 前記各辺の縁部に形成された前記第2の孔のうち前記各辺の端部に位置する前記第2の孔は前記第1の孔と近接する位置に形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の剥落物落下防止構造。
  7. 前記対向する2辺の縁部にそれぞれ形成された前記複数の第2の孔の隣り合う間隔が相違し、前記隣り合う間隔が広い前記第2の孔の間においては前記シートの下側に前記挿通材が位置し、前記広い隣り合う間隔よりも前記隣り合う間隔が狭い前記第2の孔の間においては前記シートの上側に前記挿通材が位置することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の剥落物落下防止構造。
  8. 少なくも四隅部に第1の孔が形成されると共に少なくも対向する2辺の縁部にそれぞれ間隔を隔てて第2の孔が形成された矩形状のシートを準備する工程と、
    前記対向する2辺の縁部にそれぞれ形成された全ての前記複数の第2の孔にそれぞれ連続させて長尺の挿通材を挿通する工程と、
    土木構造物の天井部に前記第1の孔にそれぞれ対応して複数の固定具を固定する工程と、
    少なくとも4つの第1の連結具を、それぞれ前記第1の孔を挿通させると共に、それぞれ前記固定具に連結する工程と、
    第2の連結具を、前記挿通材に連結すると共に前記固定具に連結する工程とを備えることを特徴とする剥落物落下防止構造の構築方法。
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