JP7337828B2 - オレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法、オレフィン類重合用固体触媒及びオレフィン類重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
マグネシウム化合物に、四価のチタンハロゲン化合物及び1種以上の内部電子供与性化合物を接触させて反応させることにより、あるいは、該反応後、更に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を1回又は2回以上繰り返し接触させることにより、オレフィン類重合用触媒成分を得るオレフィン類重合用固体触媒成分の製造工程において、該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程で、1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法を提供するものである。
該第一中間生成物に対し、再接触処理用不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を1回又は2回以上繰り返し行うことにより、再接触生成物を得る第二工程(A)と、
該第二工程(A)を行った後、該第二工程の最終の再接触処理を行い得られる再接触生成物を、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄処理を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用固体触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用固体触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とする(1)のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法を提供するものである。
該第一中間生成物に対し、再接触処理用不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を2回以上繰り返し行い、最初の再接触処理から最終の再接触処理の間に、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を少なくとも1回行うことにより、再接触生成物を得る第二工程(B)と、
該第二工程(B)を行った後、該第二工程の最終の再接触処理を行い得られる再接触生成物を、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄処理を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用固体触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用固体触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とする(1)のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法を提供するものである。
該第一工程を行い得られる反応生成物を、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄処理を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用固体触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用固体触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とする(1)のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法を提供するものである。
R1 pAlQ3-p (I)
(式中、R1は炭素数1~6のアルキル基であり、Qは水素原子またはハロゲン原子であり、pは0<p≦3の実数である。)
で表される有機アルミニウム化合物を接触させることにより得られるものであることを特徴とするオレフィン類重合用触媒を提供するものである。
R1 pAlQ3-p (I)
(式中、R1は炭素数1~6のアルキル基であり、Qは水素原子またはハロゲン原子であり、pは0<p≦3の実数である。)
で表される有機アルミニウム化合物、及び外部電子供与性化合物を接触させることにより得られるものであることを特徴とする(13)のオレフィン類重合用触媒を提供するものである。
R2 qSi(OR3)4-q (II)
(式中、R2は炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基またはアラルキル基であり、同一または異なっていてもよい。R3は炭素数1~4のアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基またはアラルキル基であり、同一または異なっていてもよい。qは0≦q≦3の整数である。)および下記一般式(III)
(R4R5N)sSiR6 4-s (III)
(式中、R4とR5は水素原子、炭素数1~20の直鎖状または炭素数3~20の分岐状アルキル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、アリール基であり、同一でも異なってもよく、またR4とR5が互いに結合して環を形成してもよい。R6は炭素数1~20の直鎖状または炭素数3~20の分岐状アルキル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、炭素数1~20の直鎖状または分岐状アルコキシ基、ビニルオキシ基、アリロキシ基、炭素数3~20のシクロアルキル基、アリール基またはアリールオキシ基であり、R6が複数ある場合、複数のR6は同一でも異なってもよい。sは1から3の整数である。)から選ばれる一種以上の有機ケイ素化合物である(14)のオレフィン類重合用触媒を提供するものである。
先ず、本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法について説明する。
本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法は、オレフィン類重合用触媒成分を得るオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法であって、
マグネシウム化合物に、四価のチタンハロゲン化合物及び1種以上の内部電子供与性化合物を接触させて反応させることにより、あるいは、該反応後、更に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を1回又は2回以上繰り返し接触させることにより、オレフィン類重合用触媒成分を得るオレフィン類重合用固体触媒成分の製造工程において、該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程で、1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法である。
本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法のうち、(i)の形態は、不活性有機溶剤の存在下、マグネシウム化合物に、四価のチタンハロゲン化合物及び1種以上の内部電子供与性化合物を接触させて反応させる形態である。以下、(i)の形態を、本発明(i)のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法と記載する。
(I)マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、1種以上の内部電子供与性化合物と、を第一接触処理用不活性有機溶剤の存在下で接触させて反応させることにより、又は更に、該反応後、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を行うことにより、第一中間生成物を得る第一工程(A)と、(1)該第一中間生成物に対し、再接触処理用不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を1回又は2回以上繰り返し行うことにより、又は(2)該第一中間生成物に対し、再接触処理用不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を2回以上繰り返し行い、最初の再接触処理から最終の再接触処理の間に、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を少なくとも1回行うことにより、再接触生成物を得る第二工程と、を有し、
あるいは、(II)マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、1種以上の内部電子供与性化合物と、を第一接触処理用不活性有機溶剤の存在下で接触させて反応させることにより、反応生成物を得る第一工程(B)を有し、
更に、該(I)の場合は、該第二工程を行った後、該第二工程の最終の再接触処理を行い得られる再接触生成物を、該(II)の場合は、該第一工程を行った後、反応生成物を洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄処理を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とするオレフィン類重合用触媒成分の製造方法である。
(I)マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、1種以上の内部電子供与性化合物と、を第一接触処理用不活性有機溶剤の存在下で接触させて反応させることにより、又は更に、該反応後、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を行うことにより、第一中間生成物を得る第一工程(A)と、
(1)該第一中間生成物に対し、再接触処理用不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を1回又は2回以上繰り返し行うことにより、又は(2)該第一中間生成物に対し、再接触処理用不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を2回以上繰り返し行い、最初の再接触処理から最終の再接触処理の間に、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を少なくとも1回行うことにより、再接触生成物を得る第二工程と、
該再接触生成物を洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄処理を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とするオレフィン類重合用触媒成分の製造方法である。
本発明(i)の第一の形態のオレフィン類重合用触媒成分の製造方法では、第二工程において、再接触処理を2回以上繰り返す場合は、(1)再接触処理と再接触処理との間で、洗浄工程を行わなくてもよいし、あるいは、(2)再接触処理と再接触処理との間に、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を行ってもよい。
(II)マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、1種以上の内部電子供与性化合物と、を第一接触処理用不活性有機溶剤の存在下で接触させて反応させることにより、反応生成物を得る第一工程(B)と、
該反応生成物を洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄処理を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とするオレフィン類重合用触媒成分の製造方法である。
本発明(i)の第一の形態のオレフィン類重合用触媒成分の製造方法は、第一工程(A)と、第二工程と、最終の洗浄工程と、を有する。
・1回再接触処理を行う場合:第一中間生成物に最終の再接触処理を行う。
・2回再接触処理を行う場合:第一中間生成物に1回目の再接触処理を行う。→1回目の再接触生成物に、最終の再接触処理を行う。
・3回再接触処理を行う場合:第一中間生成物に1回目の再接触処理を行う。→1回目の再接触生成物に、2回目の再接触処理を行う。→2回目の再接触生成物に、最終の再接触処理を行う。
・n回再接触処理を行う場合:第一中間生成物に1回目の再接触処理を行う。→1回目の再接触生成物に、2回目の再接触処理を行う。→・・・→n-2回目の再接触生成物に、n-1回目の再接触処理を行う(再接触対象物はn-2回目の再接触処理を行い得られる再接触生成物)。→n-1回目の再接触生成物に、最終の再接触処理を行う(再接触対象物はn-1回目の再接触処理を行い得られる再接触生成物)。
・2回再接触処理を行う場合:1回目の再接触処理→第二工程中間洗浄工程→2回目の再接触処理
・3回再接触処理を行う場合:1回目の再接触処理→(1)→2回目の再接触処理→(2)→3回目の再接触処理、かつ、再接触処理と再接触処理との間(1)及び(2)のうちの少なくとも1つで第二工程中間洗浄工程を行う。
・n回再接触処理を行う場合:1回目の再接触処理→(1)→2回目の再接触処理→(2)→・・・→n-2回目の再接触処理→(n-2)→n-1回目の再接触処理→(n-1)→n回目の再接触処理、かつ、最初の再接触処理から最終の再接触処理の間の(1)~(n-1)のうちの少なくとも1つで第二工程中間洗浄工程を行う。
再接触処理液中の内部電子供与性化合物の含有量(質量ppm)-洗浄処理用不活性有機溶剤中の内部電子供与性化合物の含有量(質量ppm)=A
で求められるA値が、300質量ppm以上、好ましくは500質量ppm以上、より好ましくは999質量ppm以上、更に好ましくは1999質量ppm以上である。
再接触処理液中の内部電子供与性化合物の含有量(質量ppm)-洗浄処理用不活性有機溶剤中の内部電子供与性化合物の含有量(質量ppm)=A
で求められるA値が、300質量ppm以上、好ましくは500質量ppm以上、より好ましくは999質量ppm以上、更に好ましくは1999質量ppm以上である。
また、本発明(i)の第一の形態のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法において、第一工程洗浄工程及び最終洗浄工程を行い、かつ、第二工程中間洗浄工程を行わない場合は、第一工程洗浄工程及び最終洗浄工程のうちのいずれか一方又は両方の洗浄工程の洗浄処理の少なくとも1回で、1質量ppm以上、好ましくは1~700質量ppm、より好ましくは1~500質量ppmの内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行う。
また、本発明(i)の第一の形態のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法において、第二工程中間洗浄工程及び最終洗浄工程を行い、かつ、第一工程洗浄工程を行わない場合は、第二工程中間洗浄工程及び最終洗浄工程のうちのいずれか一方又は両方の洗浄工程の洗浄処理の少なくとも1回で、1質量ppm以上、好ましくは1~700質量ppm、より好ましくは1~500質量ppmの内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行う。
また、本発明(i)の第一の形態のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法において、第一工程洗浄工程、第二工程中間洗浄工程及び最終洗浄工程を行う場合は、第一工程洗浄工程、第二工程中間洗浄工程及び最終洗浄工程のうちのいずれか一つ又は二つ以上の洗浄工程の洗浄処理の少なくとも1回で、1質量ppm以上、好ましくは1~700質量ppm、より好ましくは1~500質量ppmの内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行う。
特に、本発明(i)の第一の形態のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法では、最終の洗浄工程において、内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行う場合、最終の洗浄工程では、1質量ppm以上、好ましくは1~200質量ppm、より好ましくは1~100質量ppmの内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うことが好ましい。
本発明(i)の第二の形態のオレフィン類重合用触媒成分の製造方法は、第一工程(B)及び最終の洗浄工程を有する。
本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法のうち、(ii)の形態は、不活性有機溶剤を用いずに、マグネシウム化合物に、四価のチタンハロゲン化合物及び1種以上の内部電子供与性化合物を接触させて反応させる形態である。以下、(ii)の形態を、本発明(ii)のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法と記載する。
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法である。
(I)マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、1種以上の内部電子供与性化合物と、を、不活性有機溶剤の不存在下、接触させて、反応させることにより、又は更に、該反応後、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を行うことにより、第一中間生成物を得る第一工程(A)と、(1)該第一中間生成物に対し、不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を1回又は2回以上繰り返し行うことにより、又は(2)該第一中間生成物に対し、不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を2回以上繰り返し行い、最初の再接触処理から最終の再接触処理の間に、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を少なくとも1回行うことにより、再接触生成物を得る第二工程と、を有し、
あるいは、(II)マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、1種以上の内部電子供与性化合物と、を、不活性有機溶剤の不存在下、接触させて、反応させることにより、反応生成物を得る第一工程(B)を有し、
更に、該(I)の場合は、該第二工程を行った後、該第二工程の最終の再接触処理を行い得られる再接触生成物を、該(II)の場合は、該第一工程を行った後、反応生成物を洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄処理を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とするオレフィン類重合用触媒成分の製造方法である。
(I)マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、1種以上の内部電子供与性化合物と、を、不活性有機溶剤の不存在下、接触させて、反応させることにより、又は更に、該反応後、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を行うことにより、第一中間生成物を得る第一工程(A)と、
(1)該第一中間生成物に対し、不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を1回又は2回以上繰り返し行うことにより、又は(2)該第一中間生成物に対し、不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を2回以上繰り返し行い、最初の再接触処理から最終の再接触処理の間に、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を少なくとも1回行うことにより、再接触生成物を得る第二工程と、
該再接触生成物を洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とするオレフィン類重合用触媒成分の製造方法である。
本発明(ii)の第一の形態のオレフィン類重合用触媒成分の製造方法では、第二工程において、再接触処理を2回以上繰り返す場合は、(1)再接触処理と再接触処理との間で、洗浄処理を行わなくてもよいし、あるいは、(2)再接触処理と再接触処理の間に、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を行ってもよい。
(II)マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、1種以上の内部電子供与性化合物と、を、不活性有機溶剤の不存在下、接触させて、反応させることにより、反応生成物を得る第一工程(B)と、
該反応生成物を洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とするオレフィン類重合用触媒成分の製造方法である。
従って、ここでは、第一工程(A)及び第一工程(B)について詳細に説明し、上記本発明(i)において説明した第二工程及び最終の洗浄工程に関する説明を適宜省略する。
以下、本発明(i)及び本発明(ii)のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法において用いられる各触媒成分原料について説明する。なお、各触媒成分原料は、本発明(i)及び本発明(ii)の何れかの製造方法において用いられる触媒成分原料である。
本発明(i)及び本発明(ii)のオレフィン類重合用触媒成分の製造方法に係るマグネシウム化合物としては、ジアルコキシマグネシウム、ジハロゲン化マグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド等が挙げられる。マグネシウム化合物は、1種であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。
なお、本発明(i)及び本発明(ii)において、ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度とは、ジアルコキシマグネシウム粒子を500個以上走査型電子顕微鏡により撮影し、撮影した粒子を画像解析処理ソフトにより処理することで各粒子の面積Sと周囲長Lを求め、各ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度を下記式
各ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度=L2/(4π×S)
により算出したときの算術平均値を意味する。粒子の形状が真円に近づくほど、円形度は1に近い値を示す。
ジアルコキシマグネシウムが球状である場合、上記平均粒径は1~100μmであることが好ましく、5~60μmであることがより好ましく、10~50μmであることがさらに好ましい。
具体的には、ジアルコキシマグネシウムは、レーザー光散乱回折法粒度測定機を用いて測定したときに、5μm以下の粒子が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。一方、レーザー光散乱回折法粒度測定機を用いて測定したときに、100μm以上の粒子が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
更にその粒度分布をln(D90/D10)(ここで、D90は体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径、D10は体積積算粒度分布における積算粒度で10%の粒径である。)で表すと3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
なお、マグネシウム化合物が液体状である場合には、そのまま溶液状のマグネシウム化合物として用いてもよいし、マグネシウム化合物の可溶化能を有する溶媒にさらに溶解して溶液状のマグネシウム化合物として用いてもよい。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イソプロピルアルコール、イソプロピルベンジルアルコール、エチレングリコールなどの炭素原子数が1~18のアルコール、トリクロロメタノール、トリクロロエタノール、トリクロロヘキサノールなどの炭素原子数が1~18のハロゲン含有アルコール、メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、エチルベンジルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテルなどの炭素原子数が2~20のエーテル、テトラエトキシチタン、テトラ-n-プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラヘキソキシチタン、テトラブトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウムなどの金属酸エステルなどが挙げられ、中でも、エタノール、プロパノール、ブタノール、2-エチルヘキサノールなどのアルコールが好ましく、2-エチルヘキサノールが特に好ましい。
飽和炭化水素溶媒または不飽和炭化水素溶媒は、安全性や工業的汎用性が高いことから、具体的にはヘキサン、ヘプタン、デカン、メチルヘプタンなどの沸点50~200℃の直鎖状または分岐鎖状脂肪族炭化水素化合物、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレンなどの沸点50~200℃の脂環式炭化水素化合物、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの沸点50~200℃の芳香族炭化水素化合物が挙げられ、中でも、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの沸点50~200℃の直鎖状脂肪族炭化水素化合物や、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの沸点50~200℃の芳香族炭化水素化合物が、好適である。
Ti(OR7)rX4-r (IV)
(式中、R7は炭素数1~4のアルキル基を示し、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を示し、rは0または1~3の整数である。)で表されるチタンハライドもしくはアルコキシチタンハライド群から選択される化合物の一種以上であることが好適である。
また、アルコキシチタンハライドとしては、メトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、プロポキシチタントリクロライド、n-ブトキシチタントリクロライド、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジプロポキシチタンジクロライド、ジ-n-ブトキシチタンジクロライド、トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリプロポキシチタンクロライド、トリ-n-ブトキシチタンクロライド等が挙げられる。
四価のチタンハロゲン化合物としては、チタンテトラハライドが好ましく、チタンテトラクロライドがより好ましい。
これらのチタン化合物は単独あるいは2種以上併用することもできる。
上記不活性有機溶媒として、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の直鎖脂肪族炭化水素化合物、メチルヘプタン等の分岐状脂肪族炭化水素化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物等から選ばれる一種以上が挙げられる。
上記不活性有機溶媒のうち、常温下で液体かつ、沸点が50~150℃である芳香族炭化水素化合物が、得られる固体触媒成分の活性を向上させ、得られる重合体の立体規則性を向上させることができるため、好適である。
本発明(i)及び本発明(ii)のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法で得られるオレフィン重合用固体触媒成分において、チタン原子の含有量は、0.5~8.0質量%が好ましく、0.5~5.0質量%が好ましく、0.5~3.0質量%がさらに好ましい。
本発明(i)及び本発明(ii)のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法で得られるオレフィン重合用固体触媒成分において、ハロゲン原子の含有量は、20~88質量%が好ましく、30~ 85質量%がより好ましく、40~80質量%がさらに好ましく、45~75質量%が一層好ましい。
本発明(i)及び本発明(ii)のオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法で得られるオレフィン重合用固体触媒成分において、内部電子供与性化合物の含有量は、0.1~30質量%が好ましく、0.3~25質量% がより好ましく、0.5~20質量%がさらに好ましい。
本発明(i)及び本発明(ii)において、固体触媒成分中のチタン原子の含有量は、JIS 8311-1997「チタン鉱石中のチタン定量方法」に記載の方法(酸化還元滴定)に準じて測定した値を意味するものとする。
本発明(i)及び本発明(ii)において、固体触媒成分中のハロゲン原子の含有量は、固体触媒成分を硫酸と純水の混合溶液で処理して水溶液とした後、所定量を分取し、硝酸銀標準溶液でハロゲン原子を滴定する硝酸銀滴定法により測定した値を意味するものとする。
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、少なくとも、本発明のオレフィン類重合用触媒成分の製造方法により得られるオレフィン類重合用固体触媒成分、及び下記一般式(I)
R1 pAlQ3-p (I)
(式中、R1は炭素数1~6のアルキル基であり、Qは水素原子またはハロゲン原子であり、pは0<p≦3の実数である。)
で表される有機アルミニウム化合物を接触させて得られたものであることを特徴とするオレフィン類重合用触媒である。また、本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、本発明のオレフィン類重合用触媒成分の製造方法により得られるオレフィン類重合用固体触媒成分、下記一般式(I)
R1 pAlQ3-p (I)
(式中、R1は炭素数1~6のアルキル基であり、Qは水素原子またはハロゲン原子であり、pは0<p≦3の実数である。)
で表される有機アルミニウム化合物、及び外部電子供与性化合物を接触させて得られたものであってもよい。また、本発明に係るオレフィン類重合用触媒の製造方法は、少なくとも、本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物を相互に接触させることを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法である。また、本発明に係るオレフィン類重合用触媒の製造方法は、本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分、有機アルミニウム化合物及び外部電子供与性化合物を相互に接触させることを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法であってもよい。
R2Si(OR3)4-q (II)
(式中、R2は炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基またはアラルキル基であり、同一または異なっていてもよい。R3は炭素数1~4のアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基またはアラルキル基であり、同一または異なっていてもよい。qは0≦q≦3の整数である。)で表される有機ケイ素化合物が挙げられる。
(R4R5N)sSiR6 4-s (III)
(式中、R4とR5は水素原子、炭素数1~20の直鎖または炭素数3~20の分岐状アルキル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、アリール基であり、同一でも異なってもよく、またR4とR5が互いに結合して環を形成してもよい。R6は炭素数1~20の直鎖状または炭素数3~20の分岐状アルキル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、炭素数1~20の直鎖状または分岐状アルコキシ基、ビニルオキシ基、アリロキシ基、炭素数3~20のシクロアルキル基、アリール基またはアリールオキシ基であり、R6が複数ある場合、複数のR6は同一でも異なってもよい。sは1から3の整数である。)で表わされる有機ケイ素化合物が挙げられる。
上記各成分を接触させる順序は任意であるが、例えば、以下の接触順序を例示することができる。
(i)(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法で得られたオレフィン類重合用固体触媒成分→(γ)外部電子供与性化合物→(β)有機アルミニウム化合物
(ii)(β)有機アルミニウム化合物→(γ)外部電子供与性化合物→(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法で得られたオレフィン類重合用固体触媒成分
(iii)(γ)外部電子供与性化合物→(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法で得られたオレフィン類重合用固体触媒成分→(β)有機アルミニウム化合物(iv)(γ)外部電子供与性化合物→(β)有機アルミニウム化合物→(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法で得られたオレフィン類重合用固体触媒成分
上記接触例(i)~(iv)において、接触例(ii)が好適である。
なお、上記接触例(i)~(iv)において、「→」は接触順序を意味し、例えば、「(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法で得られたオレフィン類重合用固体触媒成分→(β)有機アルミニウム化合物→(γ)外部電子供与性化合物」は、(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法で得られたオレフィン類重合用固体触媒成分に(β)有機アルミニウム化合物を添加して接触させた後、(γ)外部電子供与性化合物を添加して接触させることを意味する。
本発明のオレフィン類重合体の製造方法は、本発明のオレフィン類重合用触媒の存在下に、オレフィン類の重合を行うことを特徴とするものである。
共重合されるオレフィン類としては、炭素数2~20のα-オレフィン(炭素数3のプロピレンを除く)であることが好ましく、具体的には、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、ビニルシクロヘキサン等を挙げることができ、これ等のオレフィン類は一種以上併用することができる。とりわけ、エチレンおよび1-ブテンが好適に用いられる。
また、重合対象となるオレフィン類は、気体および液体のいずれの状態でも用いることができる。
また、連続重合法、バッチ式重合法のいずれでも可能である。更に重合反応は一段で行ってもよいし、二段以上で行ってもよい。
前段及び後段における重合温度は共に、200℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、重合圧力は10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましい。
上記共重合反応においても、連続重合法、バッチ式重合法のいずれの重合法も採用することができ、重合反応は1段で行なってもよいし、2段以上で行なってもよい。
また、重合時間(反応炉内の滞留時間)は、前段または後段の各重合段階のそれぞれの重合段階で、あるいは連続重合の際においても、1分~5時間であることが好ましい。
重合方法としては、シクロヘキサン、ヘプタン等の不活性炭化水素化合物の溶媒を使用するスラリー重合法、液化プロピレン等の溶媒を使用するバルク重合法、実質的に溶媒を使用しない気相重合法が挙げられ、バルク重合法または気相重合法が好適であり、後段の反応は一般的にはEPRのPP粒子からの溶出を抑える目的から気相重合反応であることが好ましい。
予備重合の際には、本重合と同様のオレフィン類、あるいはスチレン等のモノマーを用いることができ、予備重合条件も、上記重合条件と同様である。
なお、以下に示す実施例および比較例において、ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度、固体触媒成分中のマグネシウム原子、チタン原子、ハロゲン原子および内部電子供与性化合物の含有量は、以下の方法により測定したものである。
ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度は、ジアルコキシマグネシウム粒子を走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM-7500F)により、500~1000個の粒子が一画面に表示される程度の倍率で撮影し、撮影した粒子の中から無作為に500個以上を抽出し、画像解析処理ソフト(株式会社MOUNTECH製、MacView バージョン4.0)により各粒子の面積Sと周囲長Lを測定した後、各ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度を下記式により算出したときの算術平均値として求めた。
各ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度=L2/(4π×S)
固体触媒成分中のマグネシウム原子の含有量は、予め加熱減圧乾燥により溶媒成分を完全に除去した固体触媒成分を秤量後、塩酸溶液で溶解し、指示薬のメチルオレンジと飽和塩化アンモニウム溶液を加え、アンモニア水で中和後に加熱し、冷却後に一定容としたものをろ別して沈殿物(Tiの水酸化物)を除去し、得られたろ液を一定量分取し、加熱後に緩衝液とEBT混合指示薬を加え、EDTA溶液で滴定するEDTA滴定方法により測定した。
固体触媒成分中のチタン原子含有量は、JIS 8311-1997「チタン鉱石中のチタン定量方法」に記載の方法(酸化還元滴定)に準じて測定した。
固体触媒成分中のハロゲン原子含有量は、予め加熱減圧乾燥により溶媒成分を完全に除去した固体触媒成分を秤量し、硫酸と純水の混合溶液で処理して水溶液とした後に一定容としたものを所定量分取し、自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COM-1500)を用い、硝酸銀標準溶液でハロゲン原子を滴定する硝酸銀滴定法により測定した。
固体触媒成分中に含まれる第一の内部電子供与性化合物~第三の内部電子供与性化合物の含有量は、ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、GC-14B)を用いて下記の条件にて測定することで求めた。また、各成分(各内部電子供与性化合物)のモル数については、ガスクロマトグラフィーの測定結果より、予め既知濃度において測定した検量線を用いて求めた。
<測定条件>
カラム:パックドカラム(φ2.6×2.1m, Silicone SE-30 10%,Chromosorb WAW DMCS 80/100、ジーエルサイエンス(株)社製)
検出器:FID(Flame Ionization Detector,水素炎イオン化型検出器)
キャリアガス:ヘリウム、流量40ml/分
測定温度:気化室280℃、カラム225℃、検出器280℃、または気化室265℃、カラム180℃、検出器265℃
(固体触媒成分(A1)の合成)
窒素ガスで十分に置換され、攪拌機を具備した容量500mlの丸底フラスコに四塩化チタン20mlおよびトルエン40mlを装入して、混合溶液を形成した。次いで、球状ジエトキシマグネシウム(球形度l/w:1.10)10gとトルエン47mlから形成された懸濁液を前記混合溶液中に添加後、4℃で1時間攪拌し、フタル酸ジ-n-ブチル2.7mlを加え、105℃に昇温し、2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた固体生成物をトルエン100mlで4回洗浄し、トルエンを含んだウエットな固体成分Xを得た(I工程)。次いで、固体成分Xに対し、新たに四塩化チタン20mlおよびトルエン80mlを加え、100℃に昇温し、2時間攪拌しながら反応させた(II工程)。反応終了後、トルエンの上澄みを除去し、トルエンを含んだウエットな固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄して、固体触媒成分(A1)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.92質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は12.7質量%であった。
前記II工程の反応終了後、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する代わりに、フタル酸ジ-n-ブチルを7質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する以外は、実施例1と同様にして固体触媒成分(A2)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.81質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は13.1質量%であった。
前記II工程の反応終了後、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する代わりに、フタル酸ジ-n-ブチルを30質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで5回洗浄する以外は、実施例1と同様にして固体触媒成分(A3)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.73質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は14.3質量%であった。
前記II工程の反応終了後、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する代わりに、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-ヘキサン100mlで7回洗浄する以外は、実施例1と同様にして固体触媒成分(A4)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.81質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は13.0質量%であった。
前記II工程の反応終了後、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する代わりに、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-オクタン100mlで7回洗浄する以外は、実施例1と同様にして固体触媒成分(A5)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.84質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は13.1質量%であった。
前記(固体触媒成分(A1)の合成)のI工程においてフタル酸ジ-n-ブチルの代わりに、同モルのジイソブチルマロン酸ジメチルを用い、さらに前記II工程の反応終了後、トルエンを含んだウエットな固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する代わりに、ジイソブチルマロン酸ジメチルを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する以外は、実施例1と同様にして固体触媒成分(A6)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.83質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は12.9質量%であった。
前記(固体触媒成分(A1)の合成)のI工程においてフタル酸ジ-n-ブチルの代わりに、同モルの2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパンを用い、さらに前記II工程の反応終了後、トルエンを含んだウエットな固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する代わりに、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパンを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する以外は、実施例1と同様にして固体触媒成分(A7)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.80質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は13.0質量%であった。
前記II工程の反応終了後、トルエンを含んだウエットな固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する代わりに、フタル酸ジ-n-ブチルを含有しないn-ヘプタン100mlで7回洗浄する以外は、実施例1と同様にして固体触媒成分(a1)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.01質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は12.6質量%であった。
前記II工程の反応終了後、トルエンを含んだウエットな固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する代わりに、フタル酸ジ-n-ブチルを含有しないn-ヘキサン100mlで7回洗浄する以外は、実施例1と同様にして固体触媒成分(a2)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.98質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は12.5質量%であった。
前記II工程の反応終了後、トルエンを含んだウエットな固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを1質量ppm含有するn-ヘプタン100mlで7回洗浄する代わりに、フタル酸ジ-n-ブチルを含有しないn-オクタン100mlで7回洗浄する以外は、実施例1と同様にして固体触媒成分(a3)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.04質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は12.8質量%であった。
窒素ガスで十分に置換され、攪拌機を具備した容量500mlの丸底フラスコに四塩化チタン20mlおよびトルエン40mlを装入して、混合溶液を形成した。次いで、球状ジエトキシマグネシウム(球形度l/w:1.10)10gとトルエン47mlから形成された懸濁液を前記混合溶液中に添加後、4℃で1時間攪拌し、フタル酸ジ-n-ブチル2.7mlを加え、105℃に昇温し、2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを300質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄し、トルエンを含んだウエットな固体成分Xを得た(I工程)。次いで、固体成分Xに対し、新たに四塩化チタン20mlおよびトルエン80mlを加え、100℃に昇温し、2時間攪拌しながら反応させた(II工程)。反応終了後、トルエンの上澄みを除去し、トルエンを含んだウエットな固体生成物をn-ヘプタン100mlで7回洗浄して、固体触媒成分(A8)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.93質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は18.6質量%であった。
前記(固体触媒成分(A1)の合成)のI工程において反応終了後、得られた固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを300質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する代わりに、フタル酸ジ-n-ブチルを600質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する以外は、実施例8と同様にして固体触媒成分(A9)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.89質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は21.7質量%であった。
前記(固体触媒成分(A1)の合成)のI工程において反応終了後、得られた固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを300質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する代わりに、ジイソブチルマロン酸ジエチルを300質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する以外は、実施例8と同様にして固体触媒成分(A10)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.99質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は18.4質量%であった。
前記(固体触媒成分(A1)の合成)のI工程において反応終了後、得られた固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを300質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する代わりに、ジイソブチルマロン酸ジエチルを600質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する以外は、実施例8と同様にして固体触媒成分(A11)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.17質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は21.5質量%であった。
前記(固体触媒成分(A1)の合成)のI工程において反応終了後、得られた固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを300質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する代わりに、フタル酸ジ-n-ブチルを100質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する以外は、実施例8と同様にして固体触媒成分(A12)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.98質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は14.6質量%であった。
前記(固体触媒成分(A1)の合成)のI工程において反応終了後、得られた固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを300質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する代わりに、フタル酸ジ-n-ブチルを100質量ppm及びジイソブチルマロン酸ジエチルを30質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する以外は、実施例8と同様にして固体触媒成分(A13)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.81質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は15.1質量%であった。
前記(固体触媒成分(A1)の合成)のI工程において反応終了後、得られた固体生成物を、フタル酸ジ-n-ブチルを300質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する代わりに、フタル酸ジ-n-ブチルを150質量ppm及びジイソブチルマロン酸ジエチルを7質量ppm含有するトルエン100mlで4回洗浄する以外は、実施例8と同様にして固体触媒成分(A14)を得た。
なお、得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.80質量%、内部電子供与性化合物の合計含有量は16.2質量%であった。
Claims (21)
- オレフィン類重合用触媒成分を得るオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法であって、
マグネシウム化合物に、四価のチタンハロゲン化合物及び2,2-ジアルキル-1,3―ジメトキシプロパン、9,9-ビス(アルコキシメチル)フルオレン、エーテルカーボネート、フタル酸ジエステル、アルキル置換フタル酸ジエステル、ハロゲン置換フタル酸ジエステル、マロン酸ジエステル、アルキル置換マロン酸ジエステル、コハク酸ジエステル、アルキル置換コハク酸ジエステル、マレイン酸ジエステル、アルキル置換マレイン酸ジエステル、シクロアルカン-1,2-ジカルボン酸ジエステル、1-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステル及び4-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステルから選ばれる1種以上の内部電子供与性化合物を接触させて反応させることにより、あるいは、該反応後、更に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は内部電子供与性化合物を1回又は2回以上繰り返し接触させることにより、オレフィン類重合用触媒成分を得るオレフィン類重合用固体触媒成分の製造工程において、該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程で、2,2-ジアルキル-1,3―ジメトキシプロパン、9,9-ビス(アルコキシメチル)フルオレン、エーテルカーボネート、フタル酸ジエステル、アルキル置換フタル酸ジエステル、ハロゲン置換フタル酸ジエステル、マロン酸ジエステル、アルキル置換マロン酸ジエステル、コハク酸ジエステル、アルキル置換コハク酸ジエステル、マレイン酸ジエステル、アルキル置換マレイン酸ジエステル、シクロアルカン-1,2-ジカルボン酸ジエステル、1-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステル及び4-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステルから選ばれる1種以上の内部電子供与性化合物を1質量ppm以上含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。 - マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、2,2-ジアルキル-1,3―ジメトキシプロパン、9,9-ビス(アルコキシメチル)フルオレン、エーテルカーボネート、フタル酸ジエステル、アルキル置換フタル酸ジエステル、ハロゲン置換フタル酸ジエステル、マロン酸ジエステル、アルキル置換マロン酸ジエステル、コハク酸ジエステル、アルキル置換コハク酸ジエステル、マレイン酸ジエステル、アルキル置換マレイン酸ジエステル、シクロアルカン-1,2-ジカルボン酸ジエステル、1-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステル及び4-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステルから選ばれる1種以上の内部電子供与性化合物と、を第一接触処理用不活性有機溶剤の存在下で接触させて反応させることにより、又は該反応後、更に、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を行うことにより、第一中間生成物を得る第一工程(A)と、
該第一中間生成物に対し、再接触処理用不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は2,2-ジアルキル-1,3―ジメトキシプロパン、9,9-ビス(アルコキシメチル)フルオレン、エーテルカーボネート、フタル酸ジエステル、アルキル置換フタル酸ジエステル、ハロゲン置換フタル酸ジエステル、マロン酸ジエステル、アルキル置換マロン酸ジエステル、コハク酸ジエステル、アルキル置換コハク酸ジエステル、マレイン酸ジエステル、アルキル置換マレイン酸ジエステル、シクロアルカン-1,2-ジカルボン酸ジエステル、1-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステル及び4-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステルから選ばれる1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を1回又は2回以上繰り返し行うことにより、再接触生成物を得る第二工程と、
該第二工程を行った後、該第二工程の最終の再接触処理を行い得られる再接触生成物を、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄処理を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用固体触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用固体触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、前記内部電子供与性化合物を1質量ppm以上含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とする請求項1記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。 - マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、2,2-ジアルキル-1,3―ジメトキシプロパン、9,9-ビス(アルコキシメチル)フルオレン、エーテルカーボネート、フタル酸ジエステル、アルキル置換フタル酸ジエステル、ハロゲン置換フタル酸ジエステル、マロン酸ジエステル、アルキル置換マロン酸ジエステル、コハク酸ジエステル、アルキル置換コハク酸ジエステル、マレイン酸ジエステル、アルキル置換マレイン酸ジエステル、シクロアルカン-1,2-ジカルボン酸ジエステル、1-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステル及び4-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステルから選ばれる1種以上の内部電子供与性化合物と、を第一接触処理用不活性有機溶剤の存在下で接触させて反応させることにより、又は該反応後、更に、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を行うことにより、第一中間生成物を得る第一工程(A)と、
該第一中間生成物に対し、再接触処理用不活性有機溶剤の存在下、再接触対象物に、四価のチタンハロゲン化合物及び/又は2,2-ジアルキル-1,3―ジメトキシプロパン、9,9-ビス(アルコキシメチル)フルオレン、エーテルカーボネート、フタル酸ジエステル、アルキル置換フタル酸ジエステル、ハロゲン置換フタル酸ジエステル、マロン酸ジエステル、アルキル置換マロン酸ジエステル、コハク酸ジエステル、アルキル置換コハク酸ジエステル、マレイン酸ジエステル、アルキル置換マレイン酸ジエステル、シクロアルカン-1,2-ジカルボン酸ジエステル、1-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステル及び4-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステルから選ばれる1種以上の内部電子供与性化合物を接触させる再接触処理を2回以上繰り返し行い、最初の再接触処理から最終の再接触処理の間に、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄工程を少なくとも1回行うことにより、再接触生成物を得る第二工程と、
該第二工程を行った後、該第二工程の最終の再接触処理を行い得られる再接触生成物を、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄処理を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用固体触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用固体触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、前記内部電子供与性化合物を1質量ppm以上含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とする請求項1記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。 - マグネシウム化合物と、四価のチタンハロゲン化合物と、2,2-ジアルキル-1,3―ジメトキシプロパン、9,9-ビス(アルコキシメチル)フルオレン、エーテルカーボネート、フタル酸ジエステル、アルキル置換フタル酸ジエステル、ハロゲン置換フタル酸ジエステル、マロン酸ジエステル、アルキル置換マロン酸ジエステル、コハク酸ジエステル、アルキル置換コハク酸ジエステル、マレイン酸ジエステル、アルキル置換マレイン酸ジエステル、シクロアルカン-1,2-ジカルボン酸ジエステル、1-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステル及び4-シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸ジエステルから選ばれる1種以上の内部電子供与性化合物と、を第一接触処理用不活性有機溶剤の存在下で接触させて反応させることにより、反応生成物を得る第一工程(B)と、
該第一工程を行い得られる反応生成物を、洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄処理を行い、懸濁状又は粉末状のオレフィン類重合用固体触媒成分を得る最終の洗浄工程と、
を有するオレフィン類重合用固体触媒成分の製造工程において、
該製造工程中の洗浄工程のうち、少なくとも1回の洗浄工程において、前記内部電子供与性化合物を1質量ppm以上含有する洗浄処理用不活性有機溶剤を用いて洗浄処理を行うこと、
を特徴とする請求項1記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。 - 前記第一工程(A)において、前記内部電子供与性化合物を1質量ppm以上含有する洗浄処理用不活性有機溶剤で洗浄する洗浄処理を行うことを特徴とする請求項2又は3いずれか1項記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記第二工程において、再接触処理と再接触処理との間に行う前記洗浄工程の洗浄処理で用いる洗浄処理用不活性有機溶剤が、前記内部電子供与性化合物を1質量ppm以上含有する洗浄処理用不活性有機溶剤であることを特徴とする請求項3記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記最終の洗浄工程の洗浄処理で用いる洗浄処理用不活性有機溶剤が、前記内部電子供与性化合物を1質量ppm以上含有する洗浄処理用不活性有機溶剤であることを特徴とする請求項2、3、5及び6いずれか1項記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記最終の洗浄工程の洗浄処理における前記1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤の使用量が、最終の反応生成物1g当たり1~500mlであること特徴とする請求項7記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記最終の洗浄工程における洗浄処理の回数が、1~20回であること特徴とする請求項2、3、5~8いずれか1項記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記最終の洗浄工程において、デカンテーション又はフィルトレーションにより固液分離を行い、洗浄後の有機溶剤を除去することを特徴とする請求項2、3、5~9いずれか1項記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記第一工程(A)に用いる前記内部電子供与性化合物が、カルボン酸モノエステル、カルボン酸ジエステル、モノエーテル、ジエーテル及びエーテルとエステルの複合化合物よりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項2、3、5~10いずれか1項記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記第二工程の再接触処理に用いる前記内部電子供与性化合物が、カルボン酸モノエステル、カルボン酸ジエステル、モノエーテル、ジエーテル及びエーテルとエステルの複合化合物よりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項2、3、5~11いずれか1項記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記最終の洗浄工程の洗浄処理で用いる洗浄処理用不活性有機溶剤が、前記内部電子供与性化合物を1質量ppm以上含有する洗浄処理用不活性有機溶剤であることを特徴とする請求項4記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記最終の洗浄工程の洗浄処理における前記1質量ppm以上の内部電子供与性化合物を含有する洗浄処理用不活性有機溶剤の使用量が、最終の反応生成物1g当たり1~500mlであること特徴とする請求項13記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記最終の洗浄工程における洗浄処理の回数が、1~20回であること特徴とする請求項4、13及び14いずれか1項記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記最終の洗浄工程において、デカンテーション又はフィルトレーションにより固液分離を行い、洗浄後の有機溶剤を除去することを特徴とする請求項4、13~15いずれか1項記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 前記第一工程(B)に用いる前記内部電子供与性化合物が、カルボン酸モノエステル、カルボン酸ジエステル、モノエーテル、ジエーテル及びエーテルとエステルの複合化合物よりなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項4、13~16いずれか1項記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
- 少なくとも請求項1~17いずれか1項記載の製造方法により、オレフィン類重合用固体触媒成分を得、次いで、得られるオレフィン類重合用固体触媒成分、及び下記一般式(I)
R1 pAlQ3-p (I)
(式中、R1は炭素数1~6のアルキル基であり、Qは水素原子またはハロゲン原子であり、pは0<p≦3の実数である。)
で表される有機アルミニウム化合物を接触させることにより、オレフィン類重合用触媒を得ることを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法。 - 請求項1~17いずれか1項記載の製造方法により、オレフィン類重合用固体触媒成分を得、次いで、得られるオレフィン類重合用固体触媒成分、下記一般式(I)
R1 pAlQ3-p (I)
(式中、R1は炭素数1~6のアルキル基であり、Qは水素原子またはハロゲン原子であり、pは0<p≦3の実数である。)
で表される有機アルミニウム化合物、及び外部電子供与性化合物を接触させることにより、オレフィン類重合用触媒を得ることを特徴とする請求項13記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法。 - 前記外部電子供与性化合物が、下記一般式(II)
R2 qSi(OR3)4-q (II)
(式中、R2は炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基またはアラルキル基であり、同一または異なっていてもよい。R3は炭素数1~4のアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基またはアラルキル基であり、同一または異なっていてもよい。qは0≦q≦3の整数である。)および下記一般式(III)
(R4R5N)sSiR6 4-s (III)
(式中、R4とR5は水素原子、炭素数1~20の直鎖状または炭素数3~20の分岐状アルキル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、アリール基であり、同一でも異なってもよく、またR4とR5が互いに結合して環を形成してもよい。R6は炭素数1~20の直鎖状または炭素数3~20の分岐状アルキル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、炭素数1~20の直鎖状または分岐状アルコキシ基、ビニルオキシ基、アリロキシ基、炭素数3~20のシクロアルキル基、アリール基またはアリールオキシ基であり、R6が複数ある場合、複数のR6は同一でも異なってもよい。sは1から3の整数である。)から選ばれる一種以上の有機ケイ素化合物である請求項19に記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法。 - 請求項18~20いずれか1項記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法により、オレフィン類重合用触媒を得、次いで、得られるオレフィン類重合用触媒の存在下に、オレフィン類の重合を行うことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法。
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