JP7337531B2 - 立体造形装置用材料、立体造形装置用フィラメント材料、及び立体造形物の製造方法 - Google Patents

立体造形装置用材料、立体造形装置用フィラメント材料、及び立体造形物の製造方法 Download PDF

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本発明は、立体造形装置用材料、立体造形装置用フィラメント材料、及び立体造形物の製造方法に関する。
近年、3Dプリンター等の立体造形装置を用いて3次元の物品を造形する技術が注目を集めている。立体造形装置を用いた物品の造形では、特殊な形状の金型を用いることなく、従来では困難であった形状及び大きさの物品の造形を容易に行うことができる。
立体造形装置を用いた物品の造形には、樹脂を主体成分とした材料が用いられる。具体的には、フィラメント状の樹脂を熱で溶融させて溶融液とし、造形データに基づいて立体造形装置のノズルヘッドからこの溶融液を塗布し、塗布した溶融液を冷却固化することを繰り返すことで目的の物品を造形する。
立体造形装置を用いた物品の造形では、樹脂溶融液の冷却固化後に樹脂が収縮して物品に反りが生じる場合があり、形状再現性に問題があった。
本発明の目的は、冷却固化後の収縮を抑制して優れた形状再現性が得られる立体造形装置用材料を提供することである。
本発明によれば、以下の立体造形装置用材料等が提供される。
1.熱可塑性樹脂組成物(S)を含む立体造形装置用材料であって、
前記熱可塑性樹脂組成物(S)について、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークの面積で定義される融解吸熱量(ΔH-D)が0J/g以上80J/g以下である
立体造形装置用材料。
2.前記熱可塑性樹脂組成物(S)が、
示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークの面積で定義される融解吸熱量(ΔH-D)が0J/g以上45J/g以下である熱樹脂組成物(A)、及び
示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークの面積で定義される融解吸熱量(ΔH-D)が45J/gを超え200J/g以下である熱可塑性樹脂組成物(B)を含む、
1に記載の立体造形装置用材料。
3.前記熱可塑性樹脂組成物(A)について、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が0℃以上90℃以下である、2に記載の立体造形装置用材料。
4.前記熱可塑性樹脂組成物(B)について、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が90℃を超え200℃以下である、2又は3に記載の立体造形装置用材料。
5.前記熱可塑性樹脂組成物(A)がホモポリプロピレンを含む、2~4のいずれかに記載の立体造形装置用材料。
6.前記熱可塑性樹脂組成物(A)が低結晶性ホモポリプロピレンである2~5のいずれかに記載の立体造形装置用材料。
7.前記低結晶性ホモポリプロピレンが、下記式(A-1)を満たす、6に記載の立体造形装置用材料。
(A-1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が0℃以上120℃以下である。
8.前記熱可塑性樹脂組成物(B)がホモポリプロピレン及びプロピレン-オレフィン共重合体からなる群から選択される1以上を含む、2~7のいずれかに記載の立体造形装置用材料。
9.前記熱可塑性樹脂組成物(B)がプロピレン-オレフィン共重合体を含む、2~8のいずれかに記載の立体造形装置用材料。
10.前記熱可塑性樹脂組成物(B)が高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体である2~9のいずれかに記載の立体造形装置用材料。
11.前記高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体が、下記式(B-1)及び(B-2)を満たす、10に記載の立体造形装置用材料。
(B-1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が125℃以上170℃以下である。
(B-2)前記高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体が、高結晶性ホモポリプロピレン部とプロピレン-エチレン共重合体部とを含み、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体部の極限粘度が1.2以上であり、前記高結晶性ホモポリプロピレン部の極限粘度と前記プロピレン-エチレンブロック共重合体部の極限粘度との比(高結晶性ホモポリプロピレン部の極限粘度/プロピレン-エチレンブロック共重合体部の極限粘度)が0.4以上1.3以下である。
12.前記熱可塑性樹脂組成物(S)100質量%中に占める前記熱可塑性樹脂組成物(A)の含有量が1質量%以上99質量%以下である、2~11のいずれかに記載の立体造形装置用材料。
13.前記熱可塑性樹脂組成物(S)100質量%中に占める前記熱可塑性樹脂組成物(B)の含有量が5質量%以上90質量%以下である、2~12のいずれかに記載の立体造形装置用材料。
14.1~13のいずれかに記載の立体造形装置用材料からなる立体造形装置用フィラメント材料。
15.14に記載の立体造形装置用フィラメント材料を加熱溶融する工程を含む、立体造形物の製造方法。
本発明によれば、冷却固化後の収縮を抑制して優れた形状再現性が得られる立体造形装置用材料が提供できる。
[立体造形装置用材料]
本発明の一態様に係る立体造形装置用材料は、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークの面積で定義される融解吸熱量(ΔH-D)が0J/g以上80J/g以下である熱可塑性樹脂組成物(S)を含む。
融解吸熱量は結晶性のパラメーターであり、融解吸熱量が0J/g以上80J/g以下である熱可塑性樹脂組成物(S)を含む立体造形装置用材料は、溶融状態から冷却固化するときの収縮を抑えることができ、得られる立体造形物の反りを抑制することができる。
本態様において「熱可塑性樹脂組成物(S)の融解吸熱量」とは、熱可塑性樹脂組成物(S)全体の融解吸熱量を意味する。例えば熱可塑性樹脂組成物(S)が2種以上の重合体と添加剤からなる場合は、当該2種以上の重合体と添加剤全体の融解吸熱量が0J/g以上80J/g以下であり、例えば熱可塑性樹脂組成物(S)が1種単独の重合体からなる場合は、当該1種単独の重合体の融解吸熱量が0J/g以上80J/g以下である。
熱可塑性樹脂組成物(S)の融解吸熱量は、実施例に記載の方法で確認する。
熱可塑性樹脂組成物(S)の融解吸熱量は、好ましくは10J/g以上70J/g以下、より好ましくは20J/g以上60J/g以下、さらに好ましくは20J/g以上50J/g以下である。
熱可塑性樹脂組成物(S)の融解吸熱量は、組成物に含まれる重合体の種類、配合量等を適宜選択することにより調整することができる。
熱可塑性樹脂組成物(S)は、好ましくは融解吸熱量(ΔH-D)が0J/g以上45J/g以下である熱可塑性樹脂組成物(A)及び融解吸熱量(ΔH-D)が45J/gを超え、200J/g以下である熱可塑性樹脂組成物(B)を含む。
融解吸熱量が互いに異なる熱可塑性樹脂組成物を含むことにより、造形時における収縮を抑制し、且つ、得られる立体造形物の剛性を担保することができる。
「熱可塑性樹脂組成物(A)の融解吸熱量」とは、熱可塑性樹脂組成物(A)全体の融解吸熱量を意味し、例えば熱可塑性樹脂組成物(A)が2種以上の重合体からなる場合は、当該2種以上の重合体全体の融解吸熱量が0J/g以上45J/g以下であり、例えば熱可塑性樹脂組成物(A)が1種単独の重合体からなる場合は、当該1種単独の重合体の融解吸熱量が0J/g以上45J/g以下である。
同様に、「熱可塑性樹脂組成物(B)の融解吸熱量」とは、熱可塑性樹脂組成物(B)全体の融解吸熱量を意味し、例えば熱可塑性樹脂組成物(B)が2種以上の重合体からなる場合は、当該2種以上の重合体全体の融解吸熱量が45J/gを超え、200J/g以下であり、例えば熱可塑性樹脂組成物(B)が1種単独の重合体からなる場合は、当該1種単独の重合体の融解吸熱量が45J/gを超え、200J/g以下である。
熱可塑性樹脂組成物(A)の融解吸熱量は、より好ましくは20J/g以上45J/g以下である。熱可塑性樹脂組成物(B)の融解吸熱量は、より好ましくは50J/g以上、さらに好ましくは55J/g以上、特に好ましくは60J/g以上であり、より好ましくは150J/g以下、さらに好ましくは90J/g以下、よりさらに好ましくは80J/g以下、特に好ましくは70J/g以下、最も好ましくは65J/g以下である。
熱可塑性樹脂組成物(A)及び熱可塑性樹脂組成物(B)の融解吸熱量は、熱可塑性樹脂組成物(S)の融解吸熱量の測定方法と同じ測定方法で確認する。
熱可塑性樹脂組成物(A)及び熱可塑性樹脂組成物(B)について、それぞれ以下説明する。
熱可塑性樹脂組成物(A)の融点(Tm-D)は、好ましくは0℃以上90℃以下である。
本態様において「熱可塑性樹脂組成物(A)の融点」とは、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義され、熱可塑性樹脂組成物(A)全体の融点を意味する。例えば熱可塑性樹脂組成物(A)が2種以上の重合体からなる場合は、当該2種以上の重合体全体の融点が0℃以上90℃以下であると好ましく、例えば熱可塑性樹脂組成物(A)が1種単独の重合体からなる場合は、当該1種単独の重合体の融点が0℃以上90℃以下であると好ましい。
熱可塑性樹脂組成物(A)の融点(Tm-D)は、好ましくは50℃以上90℃以下である。
熱可塑性樹脂組成物(A)の融点は、実施例に記載の方法で確認する。
熱可塑性樹脂組成物(A)は、好ましくはホモポリプロピレンを含み、ホモポリプロピレンのみからなってもよい。
本態様において「ホモポリプロピレンのみからなる」とは、熱可塑性樹脂組成物(A)の100質量%がホモポリプロピレンであることを意味する。
熱可塑性樹脂組成物(A)のホモポリプロピレンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。具体的には、物性の異なる2種以上のホモポリプロピレンを組み合わせて用いてよい。
熱可塑性樹脂組成物(A)が含むホモポリプロピレンは、好ましくは低結晶性ホモポリプロピレンである。
本態様において「低結晶性ホモポリプロピレン」とは、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が0℃以上120℃以下であるホモポリプロピレンをいう。
熱可塑性樹脂組成物(A)が含むホモポリプロピレンは、下記式(A-1)を満たす低結晶性ホモポリプロピレンであると好ましい。(A-1)を満たす低結晶性ホモポリプロピレンは、造形時に層状構造を形成して収縮を抑制し、立体造形物の形状再現性を向上させることができる。
(A-1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が0℃以上120℃以下である。
低結晶性ホモポリプロピレンの融点(Tm-D)が0℃以上120℃以下であることで、得られる立体造形物のべたつきの発生が抑制され、十分な弾性回復性が得られる。
低結晶性ホモポリプロピレンの融点(Tm-D)は、好ましくは0℃以上100℃以下であり、より好ましくは0℃以上90℃以下である。
低結晶性ホモポリプロピレンの質量平均分子量(Mw)は、10,000以上200,000以下であると好ましく、30,000以上150,000以下であるとより好ましく、50,000以上150,000以下であるとさらに好ましい。
低結晶性ホモポリプロピレンの質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により、下記の装置及び条件で測定したポリスチレン換算の質量平均分子量である。
<GPC測定装置>
カラム:TOSO GMHHR-H(S)HT
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
<測定条件>
溶媒 :1,2,4-トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ml/分
試料濃度 :2.2mg/ml
注入量 :160μl
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT-GPC(Ver.1.0)
低結晶性ホモポリプロピレンは、分子量分布(Mw/Mn)<4を満たすと好ましく、分子量分布(Mw/Mn)≦3を満たすとより好ましい。
低結晶性ホモポリプロピレンの数平均分子量(Mn)は、上述の重量平均分子量(Mw)の測定と同じ装置及び同じ条件でゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
熱可塑性樹脂組成物(A)に用いる低結晶性ホモポリプロピレンは、例えば、WO2003/087172号に記載されているような、いわゆるメタロセン触媒と呼ばれる均一系の触媒を用いて合成することができる。
熱可塑性樹脂組成物(A)に用いることができる低結晶性ホモポリプロピレンの市販品としては、エルモージュS901、エルモージュS600及びエルモージュS400(いずれも出光興産株式会社製)が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物(S)100質量%中に占める熱可塑性樹脂組成物(A)の含有量は、好ましくは1質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上90質量%以下であり、20質量%以上80質量%以下、30質量%以上80質量%以下、又は40質量%以上90質量%以下としてもよい。
熱可塑性樹脂組成物(B)が後述するプロピレン-オレフィン共重合体である場合、熱可塑性樹脂組成物(S)100質量%中に占める熱可塑性樹脂組成物(A)の含有量は、好ましくは1質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上95質量%以下であり、30質量%以上90質量%以下又は40質量%以上80質量%以下としてもよい。
熱可塑性樹脂組成物(B)が後述するホモポリプロピレンである場合、熱可塑性樹脂組成物(S)100質量%中に占める熱可塑性樹脂組成物(A)の含有量は、好ましくは1質量%以上95質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上95質量%以下である。
熱可塑性樹脂組成物(A)の含有量が上記範囲であれば、得られる立体造形物の形状再現性を向上させることができる。
(熱可塑性樹脂組成物(B))
熱可塑性樹脂組成物(B)の融点(Tm-D)は、好ましくは90℃を超え、200℃以下であり、120℃以上190℃以下であってもよい。
本態様において「熱可塑性樹脂組成物(B)の融点」とは、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義され、熱可塑性樹脂組成物(B)全体の融点を意味する。例えば熱可塑性樹脂組成物(B)が2種以上の重合体からなる場合は、当該2種以上の重合体全体の融点が90℃を超え、200℃以下であると好ましく、例えば熱可塑性樹脂組成物(B)が1種単独の重合体からなる場合は、当該1種単独の重合体の融点が90℃を超え、200℃以下であると好ましい。
熱可塑性樹脂組成物(B)の融点は、実施例に記載の方法で確認する。
熱可塑性樹脂組成物(B)は、好ましくはホモポリプロピレン及びプロピレン-オレフィン共重合体からなる群から選択される1以上を含む。
熱可塑性樹脂組成物(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせもよい。具体的には、物性の異なる2種以上のホモポリプロピレンを組み合わせて用いてもよいし、2種以上のプロピレン-オレフィン共重合体を組み合わせて用いてもよいし、1種又は2種以上のホモポリプロピレンと1種又は2種以上のプロピレン-オレフィン共重合体を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂組成物(B)のプロピレン-オレフィン共重合体としては、例えばプロピレンとエチレンの共重合体、プロピレンとブテンの共重合体、プロピレンとヘキセンの共重合体、プロピレンとペンテンの共重合体、プロピレンとオクテンの共重合体、プロピレンとデセンの共重合体、プロピレンとドデンセンの共重合体が挙げられ、プロピレンとエチレンの共重合体が好ましい。
また、上記プロピレン-オレフィン共重合体の重合形式は特に限定されず、プロピレンとオレフィンのブロック共重合体、又はプロピレンとオレフィンのランダム共重合体を用いることができる。
熱可塑性樹脂組成物(B)は、好ましくはプロピレン-オレフィン共重合体を含む。
熱可塑性樹脂組成物(B)が含むプロピレン-オレフィン共重合体は、好ましくはプロピレン-エチレン共重合体であり、より好ましくはプロピレン-エチレンブロック共重合体であり、さらに好ましくは高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体である。
本態様において「高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体」とは、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が125℃以上であるプロピレン-エチレンブロック共重合体をいう。
熱可塑性樹脂組成物(B)は、好ましくはプロピレン-オレフィン共重合体を含み、プロピレン-オレフィン共重合体のみからなってもよい。
本態様において「プロピレン-オレフィン共重合体のみからなる」とは、熱可塑性樹脂組成物(B)の100質量%がプロピレン-オレフィン共重合体であることを意味する。
熱可塑性樹脂組成物(B)のプロピレン-エチレン共重合体における、エチレンに由来する構造単位の含有量は、例えば5質量%以上95質量%以下であり、好ましくは5質量%以上50質量%以下である。
また、熱可塑性樹脂組成物(B)のプロピレン-エチレン共重合体における、プロピレンに由来する構造単位の含有量は、例えば5質量%以上95質量%以下であり、好ましくは10質量%以上40質量%以下である。
熱可塑性樹脂組成物(B)のプロピレン-エチレン共重合体は、JIS K7210:2014に準じて230℃、2.16kg荷重の条件で測定したメルトフローレイト(MFR)が、好ましくは0.1~2000g/10分であり、より好ましくは0.1~100g/10分であり、さらに好ましくは1~30g/10分である。
上記プロピレン-エチレンブロック共重合体のMFRは、例えばプロピレン-エチレンブロック共重合体が2種以上からなる場合は、当該2種以上のプロピレン-エチレンブロック共重合体全体のMFRが上記範囲にあると好ましく、例えばプロピレン-エチレンブロック共重合体が1種単独の重合体からなる場合は、当該1種単独のプロピレン-エチレンブロック共重合体のMFRが上記範囲にあると好ましい。
熱可塑性樹脂組成物(B)が含む高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体は、下記(B-1)及び(B-2)を満たすと好ましい。
(B-1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が125℃以上170℃以下である。
(B-2)プロピレン-エチレンブロック共重合体が結晶性ホモポリプロピレンとプロピレン-エチレン共重合体とからなり、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体の極限粘度が1.2以上であり、前記結晶性ホモポリプロピレンの極限粘度と前記プロピレン-エチレンブロック共重合体の極限粘度との比(結晶性ホモポリプロピレンの極限粘度/プロピレン-エチレンブロック共重合体の極限粘度)が0.4以上1.3以下である。
高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体の融点は、好ましくは125℃以上170℃以下であり、融点がこの範囲にあるプロピレン-エチレンブロック共重合体は高結晶性であり、得られる立体造形物に剛性を与えることができる。当該融点は、より好ましくは150℃以上170℃以下である。
上記プロピレン-エチレンブロック共重合体の融点は、例えばプロピレン-エチレンブロック共重合体が2種以上からなる場合は、当該2種以上のプロピレン-エチレンブロック共重合体全体の融点が上記範囲にあると好ましく、例えばプロピレン-エチレンブロック共重合体が1種単独の重合体からなる場合は、当該1種単独のプロピレン-エチレンブロック共重合体の融点が上記範囲にあると好ましい。
プロピレン-エチレンブロック共重合体の融点は、実施例に記載の方法で確認する。
高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体が、高結晶性ホモポリプロピレン部とプロピレン-エチレン共重合体部とからなり、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体部の極限粘度が1.2以上であり、前記高結晶性ホモポリプロピレン部の極限粘度と前記プロピレン-エチレンブロック共重合体部の極限粘度との比(高結晶性ホモポリプロピレン部の極限粘度/プロピレン-エチレンブロック共重合体部の極限粘度)が0.4以上1.3以下であると好ましい。
極限粘度は実施例に記載の方法で確認する。
熱可塑性樹脂組成物(B)に用いることができる高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体の市販品としては、日本ポリプロ株式会社製のプロピレン-エチレンブロック共重合体「NEWCON NAC5D」等が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物(B)のホモポリプロピレンは、好ましくは高結晶性ホモポリプロピレンである。
本態様において「高結晶性ホモポリプロピレン」とは、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が155℃以上であるポリプロピレンをいう。
熱可塑性樹脂組成物(B)の高結晶性ホモポリプロピレンは、JIS K7210:2014に準じて230℃、2.16kg荷重の条件で測定したメルトフローレイト(MFR)が、好ましくは0.1~50g/10分である。
熱可塑性樹脂組成物(S)100質量%中に占める熱可塑性樹脂組成物(B)の含有量は、好ましくは1質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上60質量%以下であり、20質量%以上60質量%以下としてもよい。
熱可塑性樹脂組成物(B)がプロピレン-オレフィン共重合体である場合、熱可塑性樹脂組成物(S)100質量%中に占める熱可塑性樹脂組成物(B)の含有量は、好ましくは1質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上60質量%以下であり、20質量%以上60質量%以下としてもよい。熱可塑性樹脂組成物(B)がホモポリプロピレンである場合、熱可塑性樹脂組成物(S)100質量%中に占める熱可塑性樹脂組成物(B)の含有量は、好ましくは1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上30質量%以下である。
熱可塑性樹脂組成物(B)の含有量が上記範囲であれば、得られる立体造形物の形状再現性を向上させることができる。
(添加剤)
本態様に係る立体造形装置用材料は、熱可塑性樹脂組成物(S)以外に、その他の成分として添加剤を含んでもよい。
添加剤としては、例えば、乾燥剤、可塑剤、充填剤、補強剤、安定剤、分散剤、酸化防止剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、顔料、各種高分子改質剤等が挙げられる。
上記添加剤を任意に添加することにより、得られる立体造形物の造形安定性、造形精度、機械的特性等の向上が期待できる。
本態様の立体造形装置用材料は、本質的に、熱可塑性樹脂組成物(S)及び任意に上記添加剤からなってもよい。本態様の立体造形装置用材料の、例えば、80%質量以上、90質量%以上、95質量%以上、99質量%以上、99.5質量%以上、99.9質量%以上、又は100質量%が、熱可塑性樹脂組成物(S)、又は熱可塑性樹脂組成物(S)及び上記添加剤であってもよい。
また、立体造形装置用材料が、熱可塑性樹脂組成物(S)のみ、又は熱可塑性樹脂組成物(S)及び上記添加剤のみからなる場合、不可避不純物を含んでもよい。
本態様に係る立体造形装置用材料は、立体造形装置用フィラメント材料として用いると好ましい。
本態様において「フィラメント材料」とは、本態様に係る立体造形装置用材料を紐状又は糸状に成形した材料を意味する。フィラメント材料への成形は、従来公知の押出成形の方法を用いて製造することができる。
本態様の立体造形装置用材料からなる立体造形装置用フィラメント材料の直径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するとよい。立体造形用フィラメント材料の直径は、例えば、0.5mm以上10mm以下が好ましく、1.5mm以上3.5mm以下がより好ましい。
[立体造形物の製造方法]
本発明の一態様に係る立体造形物の製造方法は、本発明の立体造形装置用材料を材料として、従来公知の立体造形装置を用いて造形する。ここで立体造形装置用材料は、モデル材として用いてもよいし、サポート材として用いてよいし、モデル材とサポート材の両方として用いてもよい。
立体造形装置は、例えば、入力された三次元形状のデータに基づいて、熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し、それを任意の位置に吐出する手段(ノズルヘッド)と、吐出された熱可塑性樹脂組成物を堆積させる手段(ベッド)とを有する装置を用いることができる。
具体的には、公知の熱溶融積層方式の立体造形装置(3Dプリンタ―)が好適に用いられる。この立体造形装置は、本発明の立体造形装置用材料を所定の速度でノズルヘッドに向けて搬送し、ノズルヘッド部で立体造形装置用材料が加熱溶融されるとともに、任意の位置に吐出される。吐出された立体造形装置用材料はベッド上に堆積される。これら一連の操作が終わると、ベッドが下降し、同様の操作を繰り返すことによりノズルヘッドより吐出された立体造形装置用材料が積層され、立体造形物を製造することが可能になる。
立体造形装置のノズルヘッドの加熱温度としては、立体造形装置用材料を溶融できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜決定するとよく、熱可塑性樹脂組成物(S)の分解温度を超えないことが好ましい。
立体造形装置のベッドは、立体造形装置用材料が造形中に剥がれないよう、加熱手段を設けてもよい。加熱温度は立体造形装置用材料が造形中ベッドから剥がれたり、あるいはベッド上で立体造形物が溶融変形したりしなければ特に制限はなく、目的に応じて適宜決定するとよく、熱可塑性樹脂組成物(S)のガラス転移温度以上であることが好ましい。
以下の実施例及び比較例では、下記材料を用いた。
ポリプロピレン1:低結晶性ホモポリプロピレン(商品名「L-MODU S901」、出光興産株式会社製)
ポリプロピレン2:高結晶性ホモポリプロピレン(商品名「プライムポリプロY-400SP」、株式会社プライムポリマー製)
プロピレン-オレフィン共重合体1:高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体(商品名「Newcon NAC5D」日本ポリプロ株式会社製)
上記材料について以下の評価をした。結果を表1に示す。
(1)融解吸熱量(ΔH-D)及び融点(Tm-D)
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、「DSC-7」)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークの面積を測定し、融解吸熱量(ΔH-D)とした。また、得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップから融点(Tm-D)を求めた。
融解吸熱量(ΔH-D)は、熱量変化の無い低温側の点と熱量変化の無い高温側の点とを結んだ線をベースラインとして、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、「DSC-7」)を用いた、示差走査熱量測定により得られた融解吸熱カーブのピークを含むライン部分と当該ベースラインとで囲まれる面積を求めることで算出した。
(2)極限粘度(プロピレン-オレフィン共重合体1)
ステンレス鋼製400メッシュ(線径0.03mm,目開き0.034mm,空間率27.8%)で作製された籠に、サンプル(プロピレン-オレフィン共重合体1)50mgを入れ、攪拌装置付きガラス製セパラブルフラスコの攪拌翼に固定した。酸化防止剤(BHT:2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール)1gを含む700mlのパラキシレンを投入し、温度140℃で2時間攪拌しながら、サンプルを溶解させた。熱パラキシレン不溶分が入った籠を回収し、十分に乾燥させることで熱パラキシレン不溶分(ホモポリプロピレン部)を得た。また、熱パラキシレンに溶解した成分を十分に乾燥させることでプロピレン-エチレン共重合体部を得た。これらそれぞれ、及び分離前のプロピレン-オレフィン共重合体1について、以下の方法により極限粘度を求めた。
135℃のデカリン中、ウベローデ型粘度計で比粘度(ηsp)を測定し、下記一般式(ハギンスの式)を用いて算出した。
ηsp/c=[η]+k[η]
ηsp/c(dl/g):還元粘度
[η](dl/g):極限粘度
C(g/dl)ポリマー濃度
k=0.35(ハギンス定数)
Figure 0007337531000001
実施例1
表2に示す各成分を表2に示す割合で配合して熱可塑性樹脂組成物を調製した。得られた熱可塑性樹脂組成物の融解吸熱量(ΔH-D)を上記(1)と同じ方法で評価した。結果を表2に示す。
得られた熱可塑性樹脂組成物を、単軸押出成形機ラボプラスミル(株式会社東洋精機製作所製「4M150」(登録商標))を用いて、200℃での溶融混練とフィラメント成形を行い、直径1.75mmの立体造形装置用フィラメント材料を製造した。
製造した立体造形用フィラメント材料を熱溶融積層方式の3Dプリンター「MF-500」(武藤工業株式会社製)にセットし、MF-500にプリセットされている3Dデータを用いて、一辺が30mmの立方体を造形した。用いた3Dプリンターの造形ステージには温度調節機能はなく、ノズル温度を250℃に設定して造形を行った。
造形した立方体を、大気中23℃の環境下で48時間静置した。静置後、この立方体の造形ステージ接触面を定盤と接するようにして立方体を定盤上に置き、定盤から立方体底面(造形ステージ接触面)までの最大長さを「反り返り高さ」としてハイトゲージにより測定した。反り返り高さの測定値を表2に示す。
実施例2~4及び比較例1
組成を表2に示すように変更した他は実施例1と同じ方法で熱可塑性樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 0007337531000002
表2より、本発明の立体造形装置用材料を用いた実施例1~4では、得られた立体造形物の反りが小さく、形状再現性が高いことが分かる。特に、実施例1及び2では立体造形物の反りが極めて小さく、非常に優れた形状再現性を示した。比較例1では、立体造形物を造形する際に、造形物の造形ステージからの反り返りによって造形物とノズルヘッド部が接触してしまい、そもそも立体造形物を製造できなかった。

Claims (12)

  1. 体造形装置を用いた物品の造形時に用いられる材料であって、
    前記材料の80%質量以上が熱可塑性樹脂組成物(S)であるか、又は前記材料の80%質量以上が熱可塑性樹脂組成物(S)及び添加剤であり、
    前記添加剤は、乾燥剤、可塑剤、充填剤、補強材、安定剤、分散剤、酸化防止剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、顔料、及び高分子改質剤からなる群から選択される1以上であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物(S)について、前記添加剤を含む場合は前記熱可塑性樹脂組成物(S)と前記添加剤の全体について、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークの面積で定義される融解吸熱量(ΔH-D)が0J/g以上80J/g以下であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物(S)が、
    示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークの面積で定義される融解吸熱量(ΔH-D)が0J/g以上45J/g以下である熱可塑性樹脂組成物(A)、及び
    示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークの面積で定義される融解吸熱量(ΔH-D)が45J/gを超え200J/g以下である熱可塑性樹脂組成物(B)を含み、
    前記熱可塑性樹脂組成物(B)がプロピレン-オレフィン共重合体を含む、
    前記材料。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物(A)について、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が0℃以上90℃以下である、請求項に記載の材料。
  3. 前記熱可塑性樹脂組成物(B)について、示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が90℃を超え200℃以下である、請求項1又は2に記載の材料。
  4. 前記熱可塑性樹脂組成物(A)がホモポリプロピレンを含む、請求項のいずれかに記載の材料。
  5. 前記熱可塑性樹脂組成物(A)が低結晶性ホモポリプロピレンである請求項のいずれかに記載の材料。
  6. 前記低結晶性ホモポリプロピレンが、下記(A-1)を満たす、請求項に記載の材料。
    (A-1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が0℃以上120℃以下である。
  7. 前記熱可塑性樹脂組成物(B)が高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体である請求項のいずれかに記載の材料。
  8. 前記高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体が、下記(B-1)及び(B-2)を満たす、請求項に記載の材料。
    (B-1)示差走査型熱量計(DSC)を用い、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより測定した融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)が125℃以上170℃以下である。
    (B-2)前記高結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体が、高結晶性ホモポリプロピレン部とプロピレン-エチレン共重合体部とを含み、前記プロピレン-エチレンブロック共重合体部の極限粘度が1.2以上であり、前記高結晶性ホモポリプロピレン部の極限粘度と前記プロピレン-エチレンブロック共重合体部の極限粘度との比(高結晶性ホモポリプロピレン部の極限粘度/プロピレン-エチレンブロック共重合体部の極限粘度)が0.4以上1.3以下である。
  9. 前記熱可塑性樹脂組成物(S)100質量%中に占める前記熱可塑性樹脂組成物(A)の含有量が1質量%以上99質量%以下である、請求項のいずれかに記載の材料。
  10. 前記熱可塑性樹脂組成物(S)100質量%中に占める前記熱可塑性樹脂組成物(B)の含有量が5質量%以上90質量%以下である、請求項のいずれかに記載の材料。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載の材料からなる立体造形装置を用いた物品の造形時に用いられるフィラメント材料。
  12. 請求項11に記載のフィラメント材料を加熱溶融する工程を含む、立体造形物の製造方法。
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