本発明の第1態様によれば、第1の姿勢にあるリード付き部品をピックアップして保持し、保持した前記部品を前記第1の姿勢から第2の姿勢に変更する姿勢変更機構を有する第1の部品保持部と、前記第1の部品保持部から前記第2の姿勢の部品が受け渡され、当該部品を保持する第2の部品保持部と、前記第2の部品保持部が保持している前記部品をピックアップして保持し、保持した前記部品のリードを基板の挿入孔に挿入する第3の部品保持部と、を備える、部品実装装置を提供する。
このような構成によれば、第1の部品保持部から別の部品保持部に持ち替えてから基板に部品を実装することで、姿勢変更機構によるスペース上の制約を受けないようにすることができ、基板上の広範囲で部品を実装することができる。
本発明の第2態様によれば、前記第2の部品保持部は、前記基板に挿入された前記リードをクリンチするアンビルユニットである、第1態様に記載の部品実装装置を提供する。このような構成によれば、第2の部品保持部としてアンビルユニットを用いることで、第2の部品保持部として専用の構成を設ける必要がなく、部品実装装置の製造コストを低減することができる。
本発明の第3態様によれば、前記アンビルユニットは、前記部品の第1のリードをクリンチして切断する第1の切断刃と、前記部品の第2のリードをクリンチして切断する第2の切断刃と、前記第1の切断刃と前記第2の切断刃の間隔を調整する間隔調整部と、を備え、前記間隔調整部によって前記間隔を縮小することにより、前記第1の部品保持部に保持されている前記部品を前記アンビルユニットで挟み、前記部品を保持する、第2態様に記載の部品実装装置を提供する。このような構成によれば、第1の切断刃と第2の切断刃の間隔を調整可能とすることで、2本のリードの間隔に応じて適切な位置でリードを切断することができる。また、間隔調整部による間隔調整によって部品を挟むことにより、部品を容易に保持することができる。
本発明の第4態様によれば、前記アンビルユニットはさらに、前記第1の切断刃側に取り付けられた第1のブロックと、前記第2の切断刃側に取り付けられた第2のブロックとを備え、前記第1のブロックと前記第2のブロックは、互いに対向する対向面をそれぞれ有し、前記対向面はともに、前記第1の切断刃と前記第2の切断刃が相対的に移動する方向に垂直な面を有する、第3態様に記載の部品実装装置を提供する。このような対向面を有するブロックを設けることで、部品をより確実に挟んで保持することができる。
本発明の第5態様によれば、前記第1の姿勢は、前記部品のリードが横向きに延びる姿勢であり、前記第2の姿勢は、前記部品のリードが下向きに延びる姿勢である、第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の部品実装装置を提供する。このような構成によれば、部品のリードを基板の挿入孔に挿入できない姿勢から挿入可能な姿勢に変えた上で、基板に部品を実装することができる。
本発明の第6態様によれば、前記第1の部品保持部の前記姿勢変更機構は、前記部品をスイングするスイング機構である、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載の部品実装装置を提供する。このような構成によれば、部品の姿勢を簡単に変更することができる。
本発明の第7態様によれば、第1の部品保持部により、第1の姿勢にあるリード付き部品をピックアップして保持する第1部品保持ステップと、前記第1の部品保持部の姿勢変更機構により、前記第1部品保持ステップで保持した前記部品を前記第1の姿勢から第2の姿勢に変更する姿勢変更ステップと、前記第1の部品保持部により、前記第2の姿勢にある前記部品を第2の部品保持部に受け渡して保持させる第2部品保持ステップと、第3の部品保持部により、前記第2の部品保持部が保持する前記部品をピックアップして保持する第3部品保持ステップと、前記第3の部品保持部により、前記第3部品保持ステップで保持した前記部品のリードを基板の挿入孔に挿入する挿入ステップと、を含む、部品実装基板の製造方法を提供する。
このような方法によれば、第1態様の部品実装装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第8態様によれば、前記挿入ステップにより挿入された前記部品のリードを、アンビルユニットによりクリンチするクリンチステップをさらに含み、前記アンビルユニットは前記第2の部品保持部である、第7態様に記載の部品実装基板の製造方法を提供する。このような方法によれば、第2態様の部品実装装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第9態様によれば、前記クリンチステップは、前記アンビルユニットの第1の切断刃により、前記部品の第1のリードをクリンチして切断し、前記アンビルユニットの第2の切断刃により、前記部品の第2のリードをクリンチして切断し、前記第2部品保持ステップは、前記第1の切断刃と前記第2の切断刃の間隔を縮小することにより、前記部品を前記アンビルユニットで挟むことで、前記部品を前記アンビルユニットに受け渡して保持させる、第8態様に記載の部品実装基板の製造方法を提供する。このような方法によれば、第3態様の部品実装装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第10態様によれば、前記第2部品保持ステップは、前記アンビルユニットに設けられた一対のブロックの対向面で前記部品を挟むことにより、前記部品を前記アンビルユニットに受け渡し、前記対向面は、前記第1の切断刃と前記第2の切断刃が相対的に移動する方向に対して垂直な面を有する、第9態様に記載の部品実装基板の製造方法を提供する。このような方法によれば、第4態様の部品実装装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第11態様によれば、前記第1の姿勢は、前記部品のリードが横向きに延びる姿勢であり、前記第2の姿勢は、前記部品のリードが下向きに延びる姿勢である、第7態様から第10態様のいずれか1つに記載の部品実装基板の製造方法を提供する。このような方法によれば、第5態様の部品実装装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第12態様によれば、前記姿勢変更ステップは、前記部品をスイングすることにより前記部品の姿勢を変更する、第7態様から第11態様のいずれか1つに記載の部品実装基板の製造方法を提供する。このような方法によれば、第6態様の部品実装装置と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明に係る部品実装装置およびそれを用いた部品実装基板の製造方法の例示的な実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本発明に含まれる。
(実施の形態1)
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る部品実装装置について説明する。
図1に示す部品実装装置1は、下方に延びた2本のリード2Lを備えたリード付きの部品2を基板3に装着・実装する装置である。部品2が実装された基板3は、「部品実装基板」となる。以下、基板3の搬送方向である水平方向をX方向、水平面内においてX方向と直交する方向をY方向、XY平面に対して垂直な方向、すなわち鉛直方向をZ方向と定義する。X方向とY方向は直交する場合に限らず、互いに交差する方向であればよい。
部品実装装置1は、基板位置決め部10と、第1移動機構11と、スイングヘッド12と、ボディチャック13と、第2移動機構14と、アンビルユニット15と、制御部21とを備える。
基板位置決め部10は、基板3を所定の実装位置に位置決めする部材である。基板3の実装位置は予め、制御部21にプログラムされている。実施の形態1の基板位置決め部10は一対のコンベア機構から成り、基板3の両端を下方から支持してX方向に搬送し、実装位置に位置決めする。基板3には、部品2のリード2Lを挿通するための挿入孔3aが設けられている。
第1移動機構11は、スイングヘッド12とボディチャック13を一体的に移動させる機構である。実施の形態1の第1移動機構11は矢印X1、Y1で示すように、スイングヘッド12とボディチャック13をX方向とY方向に一体的に移動させる。スイングヘッド12とボディチャック13は一体的に移動する場合に限らず、それぞれ独立して移動してもよい。
スイングヘッド12は、部品2を吸着して保持するためのスイングノズル12Aを有する部材である。スイングノズル12Aは、部品2を負圧により吸着する吸着ノズルである。スイングヘッド12は、スイングノズル12Aを例えばR方向にスイングさせるスイング機構(図示せず)を内蔵している。スイング機構は、スイングノズル12Aをスイングさせることで、スイングノズル12Aにより吸着した部品2の姿勢を変更する。スイング機構は、部品2の姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢に変更する姿勢変更機構の一例である。
ボディチャック13は、部品2を挟んで保持するための一対のピックアップ爪13aを備える部材である。ボディチャック13は矢印Z1で示すように、ピックアップ爪13aをZ方向に移動させる駆動機構(図示せず)を内蔵する。
上述したスイングヘッド12およびボディチャック13は、基板位置決め部10よりも上方に配置されている。
第2移動機構14は、アンビルユニット15を移動させる機構である。実施の形態1の第2移動機構14は直交座標テーブルから成り、アンビルユニット15を取り付けるためのアタッチメント部材14Tを水平方向および上下方向に移動させる。第2移動機構14およびアタッチメント部材14Tの構成は、大きく簡略化して図示している。
アンビルユニット15は、基板3の挿入孔3aから基板3の下面側に突出したリード2Lを切断してクリンチする機構である。アンビルユニット15は基板位置決め部10よりも下方に配置される。アンビルユニット15は矢印X2、Y2、Z2で示すように、第2移動機構14によってX方向、Y方向、Z方向に移動される。
図1に示すように、アンビルユニット15は、アンビル本体部23と、リード屑回収容器24とを備える。アンビルユニット15の拡大斜視図を図2に示す。
図2に示すアンビル本体部23は、基板3の下面側に突出したリード2Lの下端部を切断して、残ったリードをクリンチするユニットである。アンビル本体部23には、後述する切断刃80(図示せず)が設けられている。アンビル本体部23は、前述したアタッチメント部材14Tに取り付けられている(図示省略)。リード屑回収容器24は、アンビル本体部23が切断したリード2Lの下端部であるリード屑を回収するための容器である。リード屑回収容器24は、図示しないネジなどの固定手段によりアンビル本体部23に固定されている。
アンビル本体部23にはリード屑誘導パイプ73が設けられている。リード屑誘導パイプ73は、アンビル本体部23で生じたリード屑をリード屑回収容器24に誘導するパイプである。リード屑誘導パイプ73の上流側開口(図示せず)はアンビル本体部23の内部に配置され、リード屑誘導パイプ73の下流側開口74はリード屑回収容器24の上方に配置される。リード屑誘導パイプ73はリード屑回収容器24と同様に、アンビル本体部23に固定されている。
図1に戻ると、制御部21は、部品実装装置1の各構成要素の動作を制御する部材である。制御部21は、配線等を介して部品実装装置1の各構成要素に電気的に接続されている。制御部21は例えばマイクロコンピュータで構成される。
次に、図1、図2に示したアンビルユニット15においてリード2Lの切断・クリンチを行う構成を図3に示す。
図3は、アンビル本体部23の概略斜視図である。図3に示すように、実施の形態1のアンビル本体部23は、一対のアンビル部52によって構成されている。それぞれのアンビル部52は、アンビルベース51と、マウント部51aと、固定刃保持部54と、可動刃保持部55と、揺動軸55Jと、アンビル操作ロッド56と、下端側ローラ57と、上端側ローラ58とを備える。マウント部51aには貫通孔75が形成されており、貫通孔75は前述したリード屑誘導パイプ73(図示省略)を挿通して保持するための孔である。
このような構成を用いてリード2Lを切断・クリンチする方法について、図4A、図4B、図5A、図5Bを用いて説明する。図4A、図4B、図5A、図5Bはそれぞれ、アンビル本体部23によるリード2Lを切断・クリンチする方法を説明するための概略斜視図である。
図4A、図5Aは、後述する「待機位置」、「非切断位置」に対応し、図4B、図5Bは、後述する「操作位置」、「切断位置」に対応する。図4A、図4B、図5A、図5Bでは、リード屑誘導パイプ73を保持するための貫通孔75の図示を省略する等、構成を簡略化している。
図4A、図4B、図5A、図5Bにおいて、アンビルベース51は、図示しない支柱によって水平姿勢に支持されており、操作板43の上方に位置している。操作板43は、下端側ローラ57を支持する板状の部材であり、図示しない駆動源によって上下方向に移動可能である。操作板43は、前述したアタッチメント部材14Tに取り付けられている(図示省略)。アンビルベース51は固定側ベース51Aと可動側ベース51Bとを備える。固定側ベース51Aは水平方向に移動せずに固定された構成であるのに対して、可動側ベース51Bは移動ガイド53に沿って水平方向に移動自在である。移動ガイド53も操作板43と同様に、アタッチメント部材14Tに取り付けられている(図示省略)。可動側ベース51Bが移動ガイド53に沿って移動すると、可動側ベース51Bと固定側ベース51Aとの間隔が変化する。
図4A、図4B、図5A、図5Bにおいて、固定側ベース51Aと可動側ベース51Bはそれぞれ上方に突出したマウント部51aを有している。各マウント部51aにはアンビル部52が設けられている。図5A、図5Bにおいて、各アンビル部52は固定刃保持部54と可動刃保持部55を備えている。固定刃保持部54はマウント部51aに固定して設けられている。可動刃保持部55はマウント部51aに対して揺動軸55Jの回りに揺動自在に設けられている。固定刃保持部54には固定刃54aが保持されており、可動刃保持部55には可動刃55aが保持されている。固定刃54aと可動刃55aを総称して、「切断刃80」と称する。
図4A、図4Bにおいて、アンビルベース51の固定側ベース51Aと可動側ベース51Bのそれぞれにはアンビル操作ロッド56が設けられている(可動側ベース51B側のアンビル操作ロッド56は図示せず)。固定側ベース51Aに設けられたアンビル操作ロッド56は、固定側ベース51Aを上下方向に貫通して上下方向に移動自在となっている。可動側ベース51Bに設けられたアンビル操作ロッド56は、可動側ベース51Bを上下方向に貫通して上下方向に移動自在となっている。各アンビル操作ロッド56は下端側に下端側ローラ57を有しており、上端側に上端側ローラ58を有している。各アンビル操作ロッド56の下端側ローラ57は操作板43の上方に位置している。
各アンビル操作ロッド56は、操作板43が下方の「非操作位置」に位置しているときには下端側ローラ57が操作板43に当接しておらず、自重によって「下方位置」に位置する(図4A)。一方、操作板43が上方の「操作位置」に位置しているときには、アンビル操作ロッド56は、下端側ローラ57を介して操作板43によって押し上げられ(図4B中に示す矢印F2)、「上方位置」に位置する(図4B)。
図4A、図4Bにおいて、各アンビル部52の可動刃保持部55は、揺動軸55Jとは反対側の端部の下面において、アンビル操作ロッド56の上端側ローラ58と当接している。各可動刃保持部55は、図示しないばね等の付勢部材によって上端側ローラ58に押し付けられており、可動刃保持部55と上端側ローラ58は常に接触した状態を維持する。
可動刃保持部55は、アンビル操作ロッド56が「下方位置」に位置した状態では、アンビル操作ロッド56からの押し上げを受けず、可動刃55aを固定刃54aから離間させた「待機位置」に位置する(図4Aおよび図5Aに示す位置)。一方、可動刃保持部55は、アンビル操作ロッド56が「上方位置」に位置した状態ではアンビル操作ロッド56からの押し上げを受けて(図5Bに示す矢印F3)、可動刃55aを固定刃54aの上方に位置させた「カット位置」(図4Bおよび図5Bに示す位置)に移動(揺動)する(図5Bに示す矢印F4)。
上記動作によって、アンビル本体部23はリード2Lの下端部を切断するとともに、残ったリードをクリンチすることができる。
上述した一対のアンビル部52は、図3の矢印Aで示すように相対的に移動可能に構成されている。これにより、一方のアンビル部52の切断刃80と、他方のアンビル部52の切断刃80との間隔を調整することができる。すなわち、アンビルユニット15は、部品2の一方のリード2Lをクリンチして切断する第1の切断刃80と、部品2の他方のリード2Lをクリンチして切断する第2の切断刃80との相対的な間隔を調整する間隔調整部(図示せず)を有する。
切断されたリード2Lの下端部であるリード屑は、前述したリード屑誘導パイプ73(図2)に入る。図4A、図4B、図5A、図5Bでは図示を省略しているが、固定刃54aおよび可動刃55aによる切断箇所の真下にリード屑誘導パイプ73の上流側開口が配置されている。リード屑はその後、リード屑誘導パイプ73を介してリード屑回収容器24に誘導される。リード屑回収容器24に回収されたリード屑はその後、アンビルユニット15の移動によって外部に排出される。
上述した構成を有する部品実装装置1を用いて、基板3に部品2を実装した部品実装基板を製造する方法の一例について、図6および図7~図10を用いて説明する。図6は、部品実装基板を製造する方法の一例を示すフローチャートである。図7~図10は、図6のフローチャートに沿って部品実装基板を製造する場合の各工程を順に示す概略図である。
図6に示すように、まず、基板3を位置決めする(ステップS1:「基板位置決めステップ」)。具体的には、図1に示す基板位置決め部10を用いて、基板3を所定の実装位置に位置決めする。図1では、基板3が実装位置に位置決めされた状態が示される。
次に、スイングヘッド12により、部品2をピックアップして保持する(ステップS2:「第1部品保持ステップ」)。具体的には、図7の(a)~(c)に示すように、ラジアル型の部品2が横倒し姿勢で供給されているところ、部品2の本体部2Aの側面をスイングヘッド12のスイングノズル12Aにより吸着する。スイングヘッド12は、部品2の横倒し姿勢を維持した状態で部品2を保持する。このようにして、スイングヘッド12を、横倒し姿勢の部品2をピックアップして保持する「第1の部品保持部」として機能させる。
次に、スイングノズル12Aをスイングさせる(ステップS3:「スイングステップ」)。具体的には、図7の(d)に示すように、スイングノズル12AをR方向に回転させる。これにより、スイングノズル12Aに吸着保持された部品2をR方向にスイングさせる。当該スイングによって、部品2の姿勢は、横倒し姿勢(第1の姿勢)から起立姿勢(第2の姿勢)に変更される。横倒し姿勢では部品2のリード2Lが横方向に延びていたのに対し、起立姿勢では部品2のリード2Lが下方に延びた状態となる。なお、スイングステップS3は、部品2の姿勢を第1の姿勢から第2の姿勢に変更する姿勢変更ステップの一例である。
次に、アンビルユニット15に部品2を受け渡す(ステップS4:「受け渡しステップ」、「第2部品保持ステップ」)。具体的には、図8の(a)に示すように、起立姿勢の部品2を保持したスイングノズル12Aをアンビルユニット15の上方へXY移動させる。アンビルユニット15は予め、基板3の実装位置からXY方向に離れた位置まで移動されており、スイングノズル12Aが上方からアクセス可能である。アンビルユニット15の間隔調整部によって一対のアンビル部52の間隔を広げることで、一対のアンビル部52の間に部品2を配置可能としている。
その後、図8の(b)に示すように、部品2の起立姿勢を維持した状態でスイングノズル12Aを下降させ、部品2の本体部2Aを一対のアンビル部52の間の位置まで下降させる。
その後、図8の(c)に示すように、アンビルユニット15の間隔調整部によって一対のアンビル部52の間隔を狭めることで、一対のアンビル部52によって部品2の本体部2Aの側面を挟んで保持する。
その後、図8の(d)に示すように、スイングノズル12Aによる部品2の吸着を解除し、スイングヘッド12を上昇させて退避させる。
このようにして、スイングヘッド12からアンビルユニット15へ、起立姿勢の部品2を受け渡すことができる。アンビルユニット15は、第2の姿勢である起立姿勢にて部品2を保持する「第2の部品保持部」として機能する。
次に、ボディチャック13により、部品2をピックアップして保持する(ステップS5:「第3部品保持ステップ」)。具体的には、図9の(a)に示すように、部品2を保持しているアンビルユニット15の上方までボディチャック13をXY移動させる。その後、図9の(b)に示すように、ボディチャック13を下降させる。その後、図9の(c)に示すように、ボディチャック13の間隔を縮小することで、部品2の本体部2Aの側面をボディチャック13で挟む。その後、図9の(d)に示すように、アンビルユニット15の間隔調整部によって一対のアンビル部52の間隔を広げることにより、アンビルユニット15による部品2の保持を解除する。
このようにして、アンビルユニット15からボディチャック13へ、起立姿勢の部品2を受け渡すことができる。ボディチャック13は、第2の姿勢である起立姿勢で部品2を保持する「第3の部品保持部」として機能する。
次に、ボディチャック13により、部品2を基板3に挿入する(ステップS6:「挿入ステップ」)。具体的には、図10の(a)に示すように、起立姿勢の部品2を保持したボディチャック13を、実装位置にある基板3の上方までXY移動させる。その後、図10の(b)に示すように、ボディチャック13を下降させ、部品2のリード2Lを基板3の挿入孔3aに挿入する。
次に、アンビルユニット15により、部品2のリード2Lをクリンチして切断する(ステップS7:「クリンチステップ」)。具体的には、実装位置にある基板3の下方までアンビルユニット15をXY移動させ、アンビルユニット15の切断刃80により部品2の2本のリードをクリンチして切断する。リード2Lのうちの一方のリード2Lを第1の切断刃80によりクリンチして切断し、もう一方のリード2Lを第2の切断刃80によりクリンチして切断する。具体的な方法については、図4A~図5Bを用いて説明した通りであるため、説明を省略する。
上述したステップS1~S7を実行することにより、部品2を基板3に実装した部品実装基板を製造することができる。複数の基板3のそれぞれにステップS1~S7を順次実行することにより、部品実装基板の量産を行うことができる。
上述した本実施の形態1の部品実装装置1および部品実装基板の製造方法によれば、基板3上の広範囲で部品2を実装することができる。具体的には、スイングヘッド12を用いて部品2をそのまま基板3に実装しようとすると、部品2を保持しているスイングノズル12Aのスペース上の制約によって、部品2が既に実装されている領域では部品2を実装できない場合がある。これに対して、スイングヘッド12からアンビルユニット15に部品2を持ち替えてから基板3に実装することで、スイングノズル12Aによるスペース上の制約を受けないようにすることができ、基板3上の広範囲で部品2を実装することができる。
実施の形態1では、第2の部品保持部としてアンビルユニット15を用いている。これにより、スイングヘッド12から部品2を受け渡すための中継地である第2の部品保持部として専用の構成を別途設ける必要がなく、部品実装装置1の製造コストを低減することができる。
また実施の形態1では、第2部品保持ステップS4でアンビルユニット15に部品2を受け渡す際に、第1の切断刃80と第2の切断刃80の間隔を縮小して一対のアンビル部52で部品2を挟むことにより、部品2の受け渡しを行っている。このように、間隔調整部による切断刃80の間隔調整によって部品2を挟むことにより、部品2を容易に保持することができる。
図8では、一対のアンビル部52で部品2を挟む構成を簡略化して図示したが、具体的な構成について図11を用いて説明する。
図11は、一対のアンビル部52およびブロック60A、60Bを示す概略平面図である。図11に示すように、アンビル部52のそれぞれにはブロック60A、60Bが取り付けられている。ブロック60Aは、第1の切断刃80(ここでは、第1の切断刃80Aとする。)を有するアンビル部52に取り付けられたブロックである。ブロック60Bは、第2の切断刃80(ここでは、第2の切断刃80Bとする。)を有するアンビル部52に取り付けられたブロックである。ブロック60A、60Bのそれぞれは、互いに対向する対向面62A、62Bを有する。対向面62Aと対向面62Bの間に部品2を挟むことにより、部品2が保持される。
図11に示すように、平面視において、固定刃54aに対して可動刃55aが移動するB方向は、一対のアンビル部52が相対的に移動するA方向と交差している。このような構成において、対向面62A、62BをともにA方向に垂直な面で構成している。このような構成によれば、アンビル部52の本体側で部品2を挟んで保持する場合に比べて、部品2を精度良く挟んで保持することができる。なお、対向面62A、62Bの全体がA方向に垂直な面である必要はなく、少なくとも一部がA方向に垂直な面であればよい。
(実施の形態2)
本発明に係る実施の形態2の部品実装装置について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明し、実施の形態1と重複する記載は省略する。
実施の形態1では、アンビルユニット15で部品2を挟んで保持していたのに対して、実施の形態2では、アンビルユニットの上に部品2を置くことにより部品2を保持する点が、実施の形態1と異なる。
図12A、図12Bはそれぞれ、実施の形態2の部品実装装置におけるアンビルユニット102を示す概略平面図、概略側面図である。
図12A、図12Bに示すように、アンビルユニット102は、一対のアンビル部52と、各アンビル部52に取り付けられたブロック104A、104Bとを備える。
ブロック104A、104Bは、図11に示したブロック60A、60Bと同様の形状を有し、かつ、上面にリード保持孔106A、106Bを有している。リード保持孔106A、106Bは、部品2のリード2Lを収容して保持するための孔である。図12Bに示すように、起立姿勢の部品2を保持したスイングヘッド12を下降させて、部品2のリード2Lをリード保持孔106A、106Bに挿入する。これにより、部品2を位置決めした状態でブロック104A、104Bの上に置いて保持することができる。ブロック104A、104Bの上に置かれた部品2はその後、第3の部品保持部であるボディチャック13によりピックアップされて、基板3に実装される。
リード保持孔106A、106Bは、ブロック104A、104Bに設ける場合に限らず、アンビル部52の本体側に設ける場合や、アンビルユニット15以外の構成に設けてもよい。
(実施の形態3)
本発明に係る実施の形態3の部品実装装置について説明する。なお、実施の形態3では、主に実施の形態1、2と異なる点について説明し、実施の形態1、2と重複する記載は省略する。
実施の形態1、2では、第2の部品保持部としてアンビルユニット15を用いていたのに対して、実施の形態3では、第2の部品保持部としてフィーダー設置部を用いる点が、実施の形態1、2と異なる。
図13Aは、実施の形態3の部品実装装置202の概略斜視図である。図13Bは、部品実装装置202に設けられた開閉部204の概略図である。
図13Aに示すように、部品実装装置202にはフィーダー設置部204が設けられている。フィーダー設置部204は、複数の部品2をそれぞれ収容したフィーダー(図示せず)を設置可能な部分である。フィーダー設置部204には、スイングヘッド12から起立姿勢の部品2を受け取って保持するために開閉可能な開閉部206が設けられている。
図13Bに示すように、開閉部206はエアシリンダ208に接続されており、エアシリンダ208の駆動によってC方向に開閉可能に構成されている。このような構成において、開閉部206を開いた状態で、第1の部品保持部であるスイングヘッド12が起立姿勢の部品2を保持した状態で下降し、開閉部206の間に部品2を配置させる。その後、エアシリンダ208を駆動して開閉部206の間隔を狭めることで、開閉部206により部品2を挟む。その後、スイングヘッド12による吸着を解除し、スイングヘッド12を上昇させて退避させる。開閉部206が保持している部品2は、第3の部品保持部であるボディチャック13によりピックアップされて、基板3に実装される。
このようにして、アンビルユニット15以外にも、起立姿勢の部品2を保持する第2の部品保持部としてフィーダー設置部204を利用することができる。
(実施の形態4)
本発明に係る実施の形態4の部品実装装置について説明する。なお、実施の形態4では、主に実施の形態1~3と異なる点について説明し、実施の形態1~3と重複する記載は省略する。
実施の形態1、2では、第2の部品保持部としてアンビルユニット15を用いていたのに対して、実施の形態4では、第2の部品保持部としてトレイプレートを用いる点が、実施の形態1、2と異なる。
図14Aは、実施の形態4のトレイ供給ユニット302およびトレイプレート304の概略斜視図である。図14Bは、トレイプレート304の概略図である。
図14Aに示すトレイ供給ユニット302は、トレイプレート304によって部品2を供給するためのユニットである。トレイプレート304は、複数の部品2を配置可能なプレートである。トレイプレート304の上面には、自立できない横倒し姿勢の部品2が複数個置かれている(図示省略)。
図14Aに示すように、収納位置にあるトレイプレート304をD1方向に移動させてからD2方向に移動させることで、トレイプレート304が外側に露出する。トレイプレート304の上面に乗せられた複数の部品2に対してスイングヘッド12などの部品実装装置の構成がアクセス可能となり、部品2を供給することができる。
図14Bに示すように、トレイプレート304には部品保持部306が設けられている。部品保持部306は、第1の部品保持部であるスイングヘッド12から部品2を一時的に受け渡して保持するための中継地となる部材である。図14Bに示す例では、部品保持部306は、トレイプレート304の上面で上方に開口した筒状の部材である。
部品保持部306に部品2を配置して保持させた状態を図14Cに示す。図14Cに示すように、起立姿勢の部品2を保持したスイングヘッド12を下降させて、部品2を部品保持部306の中に配置する。これにより、部品保持部306の中に部品2を位置決めした状態で部品2を保持することができる。部品保持部306が保持している部品2はその後、第3の部品保持部であるボディチャック13によりピックアップされて、基板3に実装される。
このようにして、アンビルユニット15以外にも、起立姿勢の部品2を保持する第2の部品保持部としてトレイプレート304を利用することができる。
(実施の形態5)
本発明に係る実施の形態5の部品実装装置について説明する。なお、実施の形態5では、主に実施の形態1~4と異なる点について説明し、実施の形態1~4と重複する記載は省略する。
実施の形態1、2では、第2の部品保持部としてアンビルユニット15を用いていたのに対して、実施の形態5では、第2の部品保持部としてノズルチェンジャー402を用いる点が、実施の形態1、2と異なる。
図15Aは、実施の形態5のノズルチェンジャー402の概略斜視図である。図15Aに示すノズルチェンジャー402は、前述したスイングノズル12Aの先端の吸着ノズル等、部品実装装置において用いるノズルを交換するための部材である。図15Aに示すように、ノズルチェンジャー402は、固定プレート404と、可動プレート406とを備える。
固定プレート404は、複数のノズル412を収容するためのプレートである。固定プレート404の上面には複数の孔408が形成されている。図15Aでは、複数の孔408の一部に複数のノズル412が収容された状態が示される。可動プレート406は、固定プレート404に対して横方向に移動可能な状態で固定プレート404の上に配置されたプレートである。
固定プレート404に設けられた複数の孔408のうち、図15Aに示すような端に位置する孔410はノズル412の保持孔としては使用されず、ノズル412は配置されない。実施の形態5では、このような孔410を、スイングヘッド12から部品2を受け渡す第2の部品保持部として用いる。
具体的には、孔410に部品2を配置した状態を図15Bに示す。図15Bに示すように、起立姿勢の部品2を保持したスイングヘッド12を下降させて、部品2を孔410に配置する。この状態で固定プレート404に対して可動プレート406を横方向に移動させて、可動プレート406により部品2を保持する。このようにして、部品2を孔410に配置した状態で保持することができる。
上述したように、アンビルユニット15以外にも、起立姿勢の部品2を保持する第2の部品保持部としてノズルチェンジャー402を利用することができる。
以上、上述の実施の形態1~5を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態1~5に限定されない。例えば、実施の形態1~5では、スイングヘッド12のスイング機構としてスイングノズル12Aを用いる場合について説明したが、このような場合に限らない。部品2を挟んで掴むスイングチャックなど、任意のスイング機構を用いてもよい。あるいは、スイング機構に限らず、部品2の姿勢を変更できる姿勢変更機構であれば、任意の機構を用いてもよい。なお、スイング機構を用いることで、部品2の姿勢を簡単に変更することができる。
また、実施の形態1~5では、第3の部品保持部がボディチャック13である場合について説明したが、このような場合に限らない。起立姿勢の部品2をピックアップして保持し基板3に装着できるものであれば、任意の構成を用いてもよい。また、第3の部品保持部として、第1の部品保持部と同じスイングヘッド12を用いてもよい。すなわち、第1の部品保持部と第3の部品保持部は同じであってもよい。
また、実施の形態1~5では、部品2としてラジアル型の部品を用いる場合について説明したが、このような場合に限らない。横倒し姿勢で供給される部品であれば、任意の種類の部品を用いてもよい。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施の形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
なお、前記実施の形態の様々な変形例のうち、任意の変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。