以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
以下に、本発明にかかる電子部品判定装置、自動化率判定ユニット及び電子部品判定方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。なお、以下の実施形態では、実装装置関連情報管理システムが電子部品判定装置及び自動化率判定ユニットを有する場合として説明する。
図1は、実装装置関連情報管理システムの概略構成を示す模式図である。実装装置関連情報管理システム(以下、単に管理システムとも言う。)100は、電子部品実装装置に関連する情報を管理するシステムである。具体的には、管理システム100は、電子部品実装装置の製造元である製造メーカと、製造メーカから委託等により、各地で電子部品実装装置を販売し、保守する代理店及び関連会社と、電子部品実装装置を使用して基板を生産する使用者と、の間で電子部品実装装置に関連する情報を管理するシステムである。
管理システム100は、製造メーカ端末104と、サーバ106と、共有サーバ108と、代理店端末110A、110B、110Cと、関連会社端末112、使用者端末120と、ゲートウェイ130と、を有する。なお、製造メーカ端末104と、サーバ106と、共有サーバ108と、代理店端末110A、110B、110Cと、関連会社端末112、多数の使用者端末120と、ゲートウェイ130と、の数は、本実施形態に限定されない。
管理システム100の製造メーカ端末104と、サーバ106と、共有サーバ108と、代理店端末110A、110B、110Cと、関連会社端末112とは、ネットワーク102を介して有線、無線で接続されている。ネットワーク102は、公衆回線網等の通信回線網であり、接続されている各通信機器間でデータの送受信を行う。
製造メーカ端末104は、製造メーカに配置されている。製造メーカ端末104は、パーソナルコンピュータ(Personal computer)等の演算装置であり、CPU等を有し演算処理を行う制御部104aと、ROM、RAM等の記録装置を有し制御プログラムやデータを記憶する記憶部104bと、キーボード、マウス等を有し、ユーザにより操作が入力される操作部104c、液晶ディスプレイ等を有し、操作画面や計算結果を表示させる表示部104dと、ゲートウェイ130を介してネットワーク102と接続し、データの送受信を行う通信部104eと、を有する。
サーバ106は、製造メーカが所有する機器であり、電子部品実装装置に関する各種情報が記憶されている。サーバ106は、製造メーカ端末104に接続されている。なお、サーバ106は、ネットワーク102には直接接続されていない。サーバ106は、ゲートウェイ130よりもネットワーク102側からはアクセスできないように設定されている。つまり、サーバ106は、記憶しているデータを製造メータ端末104で閲覧することができるが、代理店端末110A、110B、110Cや関連会社端末112で閲覧することができない。
共有サーバ108は、ゲートウェイ130を介してネットワーク102に接続している。共有サーバ108は、管理システム100の各部から供給された情報を記憶し、入力された情報を解析して、解析結果を出力する機器である。共有サーバ108の構成については後述する。
代理店端末110A、110B、110Cは、各地の代理店にそれぞれ配置されたパーソナルコンピュータ等の演算装置であり、製造メーカ端末104と同様に各部を備えている。代理店端末110A、110B、110Cは、ネットワーク102に接続されており、共有サーバ108と通信することができる。代理店端末110A、110B、110Cは、共有サーバ108と情報の送受信を行う。
関連会社端末112は、関連会社に配置されたパーソナルコンピュータ等の演算装置であり、製造メーカ端末104と同様に各部を備えている。関連会社端末112は、ネットワーク102に接続されており、共有サーバ108と通信することができる。関連会社端末112は、共有サーバ108と情報の送受信を行う。
管理システム100は、代理店端末110A、110B、110C及び関連会社端末112のそれぞれに対して複数の使用者端末120が配置されている。ここで、代理店端末110Aを所有する代理店の商圏111Aに含まれる使用者端末120は、代理店端末110Aとデータの送受信を行う。代理店端末110Bを所有する代理店の商圏111Bに含まれる使用者端末120は、代理店端末110Bとデータの送受信を行う。代理店端末110Cを所有する代理店の商圏111Cに含まれる使用者端末120は、代理店端末110Cとデータの送受信を行う。関連会社端末112を所有する関連会社の商圏111Dに含まれる使用者端末120は、関連会社端末112とデータの送受信を行う。なお、代理店、関連会社に所属する人員は、それぞれ自社の商圏111A〜111Dにあり、使用者端末120の所有者に対して、電子部品実装装置を販売したり、販売した電子部品実装装置を保守したりする。したがって、使用者端末120の所有者は、工場や施設に電子部品実装装置を備えている。使用者端末120は、電子部品実装装置の動作を制御したり、稼動情報を収集したりする。
使用者端末120は、含まれる商圏の代理店端末110A〜110C、関連会社端末112とデータの送受信を行うことで、データの授受を行う。使用者端末120と代理店端末110A〜110C、関連会社端末112との間でデータを授受する方法としては、種々の方法を用いることができる。使用者端末120は、ネットワーク102に接続され、ネットワーク102を介して、代理店端末110A〜110C、関連会社端末112と接続し、ネットワーク102を介して、データの授受を実行してもよい。使用者端末120は、ネットワーク102と接続している場合、共有サーバ108と通信することもできる。また、使用者端末120は、専用の通信回線で代理店端末110A〜110C、関連会社端末112と接続し、専用の通信回線を介して、データの授受を実行してもよい。また、使用者端末120は、代理店端末110A〜110C、関連会社端末112と通信回線を介して接続せず、記録媒体を用いて、データの授受を実行してもよい。
ゲートウェイ130は、ネットワーク102と製造メーカ端末104とを接続する通信回線に配置されている。別のゲートウェイ130は、ネットワーク102と共有サーバ108とを接続する通信回線に配置されている。ゲートウェイ130は、通信を接続する機器であり、ネットワーク102と製造メーカ端末104との間の通信、ネットワーク102と共有サーバ108と間の通信を監視し、必要に応じて通信を遮断する。具体的には、ゲートウェイ130は、通信回線を通過するデータを解析し、製造メーカ端末104または共有サーバ108に不正なアクセスが行われることを抑制する。なお、図1では図示を省略したが、管理システム100のネットワーク102に接続される代理店端末110A、110B、110C、関連会社端末112、使用者端末120は、製造メーカ端末104及び共有サーバ108と同様にゲートウェイ130を介して接続される。
管理システム100は、以上のような構成である。管理システム100は、各端末から共有サーバ108に各種情報が供給される。これにより、共有サーバ108は、電子部品実装装置に関連する各種情報を集約することができる。例えば、製造メーカは、製造メーカ端末104からサーバ106に記憶されている電子部品実装装置の本体の情報や、製造したフィーダの情報、計測した電子部品の情報等を供給する。代理店、関連会社は、自身の商圏111Aから111Dにある使用者端末120から取得した情報を共有サーバ108に供給する。管理システム100は、使用者端末120が直接ネットワーク102を介して情報を共有サーバ108に供給することもできる。また、管理システム100は、共有サーバ108に記憶された情報を必要に応じて加工し、各端末に供給することもできる。この点については後述する。
管理システム100は、共有サーバ108を設けることで、製造メーカが機密情報をサーバ106に保持したまま、必要な情報を共有することができる。また、代理店、関連会社、使用者も同様に、供給可能な情報のみ共有サーバ108に共有し、機密情報は、各自で保管することができる。これにより、機密情報のセキュリティ性を維持することができる。なお、管理システム100は、本実施形態のようなネットワーク構成(図1参照)であればよく、供給サーバ108の設置場所は特に限定されない。つまり、共有サーバ108は、ゲートウェイ130を介して独立してネットワーク102に接続されていればよく、製造メーカや代理店、関連会社の敷地内、建物内に設置されていてもよい。供給サーバ108は、設置場所に係らず、本実施形態のようなネットワーク構成であれば、機密情報のセキュリティ性を維持することができる。
次に、図2を用いて、共有サーバ108について説明する。図2は、共有サーバの概略構成を示す模式図である。共有サーバ108は、図2に示すように、通信部140と、制御部142と記憶部144とを有する。通信部140は、ゲートウェイ130を介してネットワーク102と接続されており、ネットワーク102を介して他の通信機器とデータの送受信を行う。
制御部142は、各種演算を行い、授受するデータの加工を制御する。制御部142は、自動化率算出部142aと電子部品判定部142bとを有する。自動化率算出部142aは、基板に実装する対象のうち、電子部品実装装置で実装できる電子部品の割合を算出する。電子部品判定部142bは、電子部品、主として挿入型電子部品が電子部品実装装置で基板に実装できるか電子部品であるかを判定する。また、制御部142は、ネットワークを介して受け取ったデータを記憶部144に記憶させる処理や記憶部144に記憶させたデータの削除処理等の制御も実行する。
記憶部144は、販売店データベース144aと、使用者データベース144bと、本体データベース144cと、フィーダデータベース144dと、ノズルデータベース144eと、部品データベース144fと、を有する。
販売店データベース144aは、代理店端末110A、110B、110Cや関連会社端末112に対応する代理店、関連会社の情報を有する。具体的には、代理店、関連会社の所在地、人員構成、電子部品実装装置を販売した使用者の情報、購入の可能性がある会社、施設の情報を有する。また、販売店データベース144aは、代理店、関連会社のそれぞれで電子部品実装装置に対して実行できる処理についての情報も記憶している。具体的には、対応できる改造、修理のレベルや、生産プログラムの作成のレベル、電子部品実装装置の組み立てを実行できるか等である。
使用者データベース144bは、電子部品実装装置を使用している使用者、つまり電子部品実装装置を購入した会社に関連する情報を有する。具体的には、使用者の位置情報、購入した電子部品実装装置の数、型番、稼動している電子部品実装装置の数、型番、購入した電子部品供給装置(フィーダ)の情報、基板への電子部品の搭載の前後で使用している機械の情報、稼動している電子部品実装装置の故障情報等を有する。
本体データベース144cは、電子部品実装装置の本体、つまり交換可能なフィーダおよびノズル以外の部分の情報である。具体的には、製造メーカが取り扱っている各型の電子部品実装装置の性能、装置構成の情報を有する。
図3は、フィーダデータベースのデータ構成の一例を示す模式図である。フィーダデータベース144dは、電子部品実装装置に装着される電子部品供給装置の各種情報を有する。ここで、電子部品供給装置(フィーダ)は、所定の位置、具体的には、電子部品を搬送するヘッドのノズルが電子部品を吸着できる位置まで供給する装置である。フィーダデータベース144dは、管理システム100で管理している対象の使用者が使用している電子部品供給装置や、製造メーカが開発し、販売している電子部品供給装置の各種情報を記憶している。フィーダデータベース144dは、例えば、図3に示すように、電子部品供給装置の型番、種類(ラジアルフィーダかボウルフィーダかトレイフィーダかアキシャルフィーダか等)、本体幅(供給可能な電子部品の本体の最大幅)、リード線長さ(供給位置におけるリード線の最大長さ)等を含む。また、フィーダデータベース144dは、図3に示すように電子部品実装装置の各型に装着可能か否かの情報も記憶している。なお、フィーダデータベース144dが記憶する項目、フィーダの数は、図3に限定されない。
図4は、ノズルデータベースのデータ構成の一例を示す模式図である。ノズルデータベース144eは、電子部品実装装置で使用されるノズルの各種情報を有する。ここで、ノズルは、フィーダで吸着位置に供給された電子部品を保持し、ノズルが装着されたヘッドにより基板の搭載位置まで搬送されたら、電子部品の保持を解放し基板上に実装する。ノズルデータベース144eは、管理システム100で管理している対象の使用者が使用しているノズルや、製造メーカが開発し、販売しているノズルの各種情報を記憶している。ノズルデータベース144eは、例えば、図4に示すように、ノズルの型番、種類(吸着ノズルか把持ノズルか)、本体幅(保持可能な本体の最大幅)等を含む。また、ノズルデータベース144eは、図4に示すように電子部品実装装置の各型に装着可能か否かの情報も記憶している。ノズルデータベース144eは、さらに、保持可能な電子部品の形状の制約の情報や、重さの情報等も記憶していてもよい。なお、ノズルデータベース144eが記憶する項目、ノズルの数は、図4に限定されない。
図5は、部品データベースのデータ構成の一例を示す模式図である。部品データベース144fは、電子部品実装装置で実装される電子部品や、実装できない電子部品、実装される可能性がある電子部品に関する情報(例えば搭載実績の有無の情報、挿入型電子部品を保持して基板孔に挿入する電子部品実装装置の搭載実績の有無の情報)を有する。つまり、部品データベース144fは、基板に実装される可能性がある種々の電子部品の情報を有する。部品データベース144fは、例えば、図5に示すように、製品種類、型番、製造元、本体幅、リード線の長さ、リード線の本数等を記憶している。また、部品データベース144fは、図5に示すように電子部品実装装置の各型で供給可能か否かの情報も記憶している。なお、部品データベース144fが記憶する項目、部品の数は、図5に限定されない。また、部品データベース144fは、各電子部品が各ノズルで供給することができるか否かの情報も記憶している。さらに、部品データベース144fは、電子部品に類似する電子部品、略同じとみなすことができる電子部品について、類似電子部品の項目に対応する電子部品の識別情報、例えば型番等が記憶される。
なお、記憶部144に記憶されている各種情報は、随時更新することができる。これにより、販売店、使用者、電子部品実装装置本体、フィーダ及び電子部品の情報を網羅的に蓄積することができ、さらにより新しい情報を記憶することができる。また、記憶部144は、共有サーバ108にアクセスできる端末の情報、ログイン名、パスワード等に基づいて、アクセスできる情報の階層を特定するデータ、つまり各端末または使用者、代理店、関連会社、製造メーカ毎のアクセス権、およびアクセス制限のデータを記憶していてもよい。共有サーバ108は、以上のような構成である。
以下、図6から図10を用いて、共有サーバで実行する処理の一例について説明する。図6から図10は、それぞれ共有サーバで実行する処理動作の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態の管理システムは、共有サーバで実行する処理としたが、必要な情報を共有サーバから取得し、各端末で処理動作を実行するようにしてもよい。
まず、図6を用いて、制御部142の電子部品判定部142bで実行する処理について説明する。なお、図6に示す処理の入力、出力は、各端末(製造メーカ端末104、代理店端末110A、110B、110C、関連会社端末112、使用者端末120)のいずれで実行してもよい。この点は、以下の処理も同様である。
制御部142は、ステップS12として、電子部品の品番(型番)の入力を検出したら、ステップS14として搭載実績ありかを判定する。具体的には、制御部142は、部品データベース144fを読み出し、ステップS12で検出した型番と部品データベース144fの電子部品の型番とを比較し、一致する電子部品があるかを判定する。制御部142は、部品データベース144fに一致する電子部品がある場合、当該項目に搭載実績があるかを判定する。制御部142は、当該電子部品を搭載可の電子部品供給装置がある場合搭載実績ありと判定する。なお、部品データベース144fに搭載実績の有無の項目を設けてもよい。
制御部142は、ステップS14で搭載実績あり(Yes)と判定した場合、ステップS16として対応可能な電子部品供給装置とノズルの情報を抽出し、ステップS18として、抽出した電子部品供給装置とノズルの情報を出力し、本処理を終了する。制御部142は、部品データベース144fの電子部品の項目から当該電子部品に対応可能な電子部品供給装置とノズルの情報を取得することができる。
制御部142は、ステップS14で搭載実績なし(No)と判定した場合、ステップS20として、搭載実績がない旨を出力する。つまり、入力された電子部品は電子部品実装装置で搭載したことがない電子部品、または搭載をあきらめた電子部品であることを通知する。
制御部142は、ステップS20で出力を行ったら、ステップS22として個別判定の依頼があるかを判定する。ここで、個別判定とは、型番以外の情報を加味したより詳細な判定である。制御部142は、ステップS22で個別判定の依頼なし(No)と判定した場合、本処理を終了する。
制御部142は、ステップS22で個別判定の依頼あり(Yes)と判定した場合、ステップS24として、電子部品の詳細条件の入力画面を表示させる。ここで、詳細条件とは、電子部品の形状、大きさ、リード線の数、長さ等である。制御部142は、対応する端末に入力画面のデータを送信する。制御部142は、ステップS26で入力終了、つまり、入力画面の各項目に入力された情報があるか、例えば端末から入力結果が出力されたかを判定する。制御部142は、ステップS26で入力終了ではない(No)と判定した場合、ステップS26に進む。制御部142は、ステップS26で入力終了である(Yes)と判定した場合、ステップS28として、電子部品の詳細条件に基づいて個別判定処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図7を用いて、個別判定処理について説明する。制御部142は、ステップS30として、搭載実績のある類似部品があるか、つまり、対象の電子部品と類似する電子部品があり、かつその類似する電子部品に搭載実績があるかを判定する。
図8を用いて、ステップS30の判定処理について説明する。制御部142は、ステップS50として、部品データベースを読み込み、ステップS52として対象部品と類似の電子部品があるかを判定する。つまり、制御部142は、部品データベースに対象部品と類似の内容の部品が既に電子部品実装装置により基板に挿入された実績ある部品として登録されているかを判定する。部品データベースの電子部品を列挙した項目に対象の電子部品と部品本体の形状及び大きさ、リードの本数、配置、長さ等が類似する電子部品の情報が含まれているかを判定する。制御部142は、部品データベースの類似する電子部品を登録する項目の情報を抽出することで、判定を行うことができる。なお、本実施形態では、搭載実績のある電子部品を対象としてステップS52の処理を行う。制御部142は、ステップS52で対象部品あり(Yes)と判定した場合、ステップS58に進む。
制御部142は、ステップS52で対象部品なし(No)と判定した場合、ステップS54として、形状の差が許容範囲内の電子部品ありかを判定する。つまり、対象の電子部品との形状の差が許容範囲内、つまり搭載動作上、同じ電子部品であるとみなすことができる電子部品があるかを判定する。制御部142は、ステップS54で許容範囲内の電子部品がない(No)と判定した場合、ステップS59に進む。
制御部142は、ステップS54で許容範囲内の電子部品がある(Yes)と判定した場合、ステップS56として抽出した電子部品に搭載実績ありかを判定する。制御部142は、搭載実績あり(Yes)と判定した場合、ステップS58に進み、搭載実績なし(No)と判定した場合、ステップS59に進む。なお、上述したようにステップS54で抽出する対象を搭載実績がある電子部品のみとし、ステップS56の処理を省略してもよい。
制御部142は、ステップS52、ステップS56でYesと判定した場合、ステップS58として、該当電子部品を類似の電子部品として検出し、本処理を終了する。制御部142は、ステップS54、ステップS56でNoと判定した場合、ステップS59として、類似の電子部品なしと判定し、本処理を終了する。
図7に戻り、個別判定処理についての説明を続ける。制御部142は、ステップS30で類似部品あり(Yes)と判定した場合、ステップS32として類似部品に対応可能な電子部品供給装置とノズルの情報を抽出し、ステップS34として、抽出した電子部品供給装置とノズルの情報を出力し、ステップS36として、類似部品との相違点の情報を出力し、本処理を終了する。これにより、制御部142は、該当する電子部品の搭載に使用可能である可能性が高い、電子部品供給装置とノズルの情報を提供することができる。また、対象の電子部品と類似の電子部品との相違点の情報も出力することで、搭載時に必要な調整も行うことができる。
また、制御部142は、ステップS30で類似部品なし(No)と判定した場合、ステップS38として、類似の電子部品がない旨を出力する。つまり、入力された電子部品と類似しかつ搭載実績がある電子部品がないことを通知する。
制御部142は、ステップS38で出力を行ったら、ステップS40として形状が対応可能な範囲内であるかを判定する。具体的には、入力された形状が許容範囲に含まれている電子部品供給装置があるか、また、ノズルがあるかを判定する。なおこの場合、許容範囲には設計変更で対応可能な範囲も含んだ情報に基づいて判定することが好ましい。制御部142は、ステップS40で許容範囲内にない(No)と判定した場合、ステップS42として対応不能である旨を出力し、本処理を終了する。対応の電子部品の形状では、現行の電子部品実装装置を改造しても対応できないことを示す通知を出力する。
制御部142は、ステップS40で対応可能な範囲内である(Yes)と判定した場合、ステップS44として、電子部品の詳細条件の入力画面を表示させる。ここで、ステップS44の詳細条件とは、上述したステップS24の詳細条件よりもさらに詳細な条件である。制御部142は、ステップS44で電子部品の詳細条件の入力画面を表示させ、入力を検出した場合、ステップS46として、電子部品の詳細条件に基づいて個別判定処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図9を用いて、ステップS46で実行する個別判定処理について説明する。制御部142は、ステップS60として、電子部品の詳細情報に基づいて対応できる可能性のある電子部品供給装置とノズルを抽出する。ここで、制御部142は、電子部品供給装置とノズルの許容範囲を含むデータベースの各種情報に基づいて抽出処理を行う。
制御部142は、ステップS60で抽出を行ったら、ステップS62として抽出結果を表示させる。ここで、抽出結果の画面は、判定処理を実行する対象の電子部品供給装置とノズルを選択する操作が入力できる画面である。
制御部142は、ステップS62で抽出結果を表示させたら、ステップS64として、電子部品供給装置とノズルの選択があるかを判定する。制御部142は、ステップS64で選択なし(No)と判定したら、ステップS72に進む。制御部142は、ステップ64で選択あり(Yes)と判定した場合、ステップS66として、電子部品供給装置とノズルの設計変更の指示ありかを判定する。ここで、設計変更の指示は、製造メーカ端末104のみで作成可能としてもよい。設計変更の指示は、製造メーカ端末104で許可がされた場合のみ選択可能としてもよい。これにより、実際に搭載可能な電子部品供給装置とノズルの設計で処理を進めることができる。
制御部142は、ステップS66で指示なし(No)と判定した場合、ステップS72に進む。制御部142は、ステップS66で指示あり(Yes)と判定した場合、ステップS68として、設計変更した場合の電子部品供給装置とノズルの作成費用を算出する。本実施形態では、制御部142が費用を算出したが、製造メーカ端末で入力された作成費用を検出してもよい。制御部142は、ステップS68で費用を算出した場合、ステップS70として、算出した作成費用を表示し、ステップS72に進む。
制御部142は、ステップS64、S66でNoと判定した場合、またはステップS70の処理を実行した場合、ステップS72として、処理終了かを判定する。制御部142は、ステップS72で処理終了ではない(No)と判定した場合、ステップS64に進む。制御部142は、ステップS72で処理終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
管理システム100は、電子部品判定部142bを含む各部を電子部品判定装置として用い、上記処理を実行することで、対象の電子部品が搭載可能か否かを判定することができる。また、図7及び図8の処理を行うことで、類似の電子部品についての判定も自動的に行うことができる。また、図7に示す処理を行うことで、装置構成上対応が出来ない電子部品についてはその旨を出力することができる。さらに図9に示す処理を実行することで、電子部品供給装置またはノズルの少なくとも一方を特注または設計変更とした場合の作成費用も判定することができる。
これにより、管理システム100は、多種多様な電子部品、特に挿入型電子部品を電子部品実装装置で基板に実装する場合に、所望の電子部品が電子部品実装装置で実装できるかを簡単に判定することができる。
次に、図10を用いて、自動化率算出部142aで実行する処理の一例について説明する。なお、図10に示す処理は、上述した電子部品判定部142bの判定結果を用いて処理を行うことで、効率よく判定を行うことができる。
制御部142は、ステップS80として、基板の設計図のデータを取得し、ステップS82として、設計図から搭載する電子部品の情報を抽出し、ステップS84として、抽出した電子部品からさらにリード型電子部品(挿入型電子部品)を抽出する。なお、搭載型の電子部品は基本的に電子部品実装装置で実装が可能であるので、実装可能であると判定してもよい。
制御部142は、ステップS84でリード型電子部品を抽出したら、ステップS86として、搭載するリード型電子部品が搭載可能かを判定する。ここで、制御部142は、対象のリード型電子部品に対して上述した電子部品判定処理を実行することでステップS86の処理を実行することができる。制御部142は、対象のリード型電子部品が実装できるか否かを判定する。ここで、制御部142は、上記実施形態のように、電子部品実装装置及びノズルの設計変更まで加味してもよいが、加味しなくてもよい。また、類似の電子部品がある場合搭載可能と判断するか否かも設定により調整可能としてもよい。
制御部142は、ステップS86で搭載可能かを判定したら、ステップS88として、全てのリード型電子部品の判定が終了したかを判定する。制御部142は、ステップS88でリード型電子部品の判定が終了していない(No)と判定した場合、ステップS86に進み、判定をしていないリード型電子部品に対してステップS86の処理を実行する。
制御部142は、ステップS88で全てのリード型電子部品の判定が終了した(Yes)と判定した場合、ステップS90として、実装装置で搭載可能な電子部品の割合を算出する。例えば、(搭載可能と判定した電子部品の数)/(基板に搭載する電子部品の数)で算出すればよい。
次に、制御部142は、ステップS92として、実装装置を使用した場合、つまりリード型電子部品の実装に実装装置を使用した場合の生産工程のシミュレーションを実行し、ステップS94として、実装装置を使用しない場合、つまりリード型電子部品の実装に実装装置を使用しない場合の生産工程のシミュレーションを実行する。ここで、シミュレーションとしては、費用や、生産にかかる時間(タクト)、生産効率、歩留まり等についてのシミュレーションを実行すればよい。実装装置を使用しない場合は、工場で標準的な能力のオペレータが手動で電子部品を実装する場合を想定して解析を行えばよい。
制御部142は、ステップS94でシミュレーションを実行したら、ステップS96として算出結果及びシミュレーション結果を出力し、本処理を終了する。
管理システム100は、図10に示すように、基板の設計図から、電子部品実装装置で実装できるリード型電子部品を検出し、検出結果を出力することで、本実施形態の電子部品実装装置を用いることで搭載できる電子部品が増加することを好適に認知させることができる。なお、シミュレーション結果の比較と搭載できる電子部品の割合の算出は、いずれか一方のみを行ってもよい。また、搭載できる電子部品の割合を算出する場合、手実装でリード型電子部品を実装する場合に、電子部品実装装置で搭載できる電子部品の割合を比較のために算出してもよい。
また、管理システム100は、実際に試験や生産を行い、電子部品が一定割合以上、例えば70%以上、実装できた場合、搭載可能としてデータベースに登録できるようにしてもよい。また、管理システム100は、ノズルとフィーダとの組み合わせで実装できる確率が変化する場合は、組み合わせのデータも合わせて記憶し、判定の基準とすることが好ましい。
図11は、生産ラインを備える工場の概略構成を示す模式図である。工場170は、使用者端末120の管理対象の電子部品実装装置を含む生産ラインが配置されている。工場170は、使用者端末120と、管理装置172と、複数台の電子部品実装装置174と、複数台の電子部品実装装置10と、パターン形成装置176と、リフロー処理装置178と、を有する。工場170は、複数台の電子部品実装装置174と、複数台の電子部品実装装置10と、パターン形成装置176と、リフロー処理装置178とが、1つの生産ラインとなっており、一例に並んだ複数台の電子部品実装装置174と、複数台の電子部品実装装置10との両端を挟むようにパターン形成装置176と、リフロー処理装置178とが配置されている。
管理装置172は、電子部品実装装置174と、電子部品実装装置10との動作を統括して管理する制御装置である。管理装置172は、複数台の電子部品実装装置174及び電子部品実装装置10に生産プログラムを供給し、動作を制御することで、連動して基板を生産することができる。
電子部品実装装置174は、搭載型の電子部品を基板に搭載する装置である。電子部品実装装置10は、基板に電子部品を実装する。ここで、電子部品実装装置10は、電子部品として、リード型電子部品を実装することができる。また、電子部品実装装置10は、電子部品として、リード型電子部品と搭載型電子部品の両方を実装することもできる。電子部品実装装置10については後述する。
パターン形成装置176は、基板の表面に半田ペーストのパターンを形成し、基板の挿入穴に半田ペーストを充填する装置である。リフロー処理装置178は、基板を所定温度に加熱し、基板の半田ペーストを一時的に溶かすことで、半田ペーストに接している基板と電子部品とを接着させる。つまり、リフロー処理装置178は、基板の表面に形成された半田ペーストのパターン上に実装された搭載型電子部品と基板とをパターンの半田ペーストで接着させ、挿入穴にリードが挿入されたリード型電子部品(挿入型電子部品)のリード挿入穴と当該リード型電子部品のリードとを挿入穴に充填された半田ペーストで接着させる。
工場170の生産ラインは、パターン形成装置176で、基板の表面に半田ペーストのパターンを形成し、挿入穴に半田ペーストを充填させる。生産ラインは、半田ペーストを印刷した基板をライン上の電子部品実装装置174に搬入し、電子部品実装装置174で基板に搭載型電子部品を実装する。電子部品が実装された基板は、電子部品実装装置174から搬出される。基板は、電子部品実装装置174を通過する毎に基板上に電子部品が実装されていく。次に、生産ラインは、ライン上の電子部品実装装置10に搬入し、電子部品実装装置10で基板にリード型電子部品および搭載型電子部品を実装する。電子部品が実装された基板は、電子部品実装装置10から搬出される。基板は、電子部品実装装置10を通過する毎に基板上に電子部品が実装されていく。生産ラインは、電子部品実装装置10で電子部品が実装された基板をリフロー処理装置178に搬入し、リフロー処理を実行する。生産ラインは以上の工程で基板を生産する。
次に、図12から図27を用いて、本実施形態の搭載型電子部品と挿入型電子部品の両方を実装することができる電子部品実装装置10について説明する。電子部品実装装置10は、基板上に載せることで実装される搭載型電子部品とリードを基板の挿入穴に差し込んで実装するリード型電子部品(挿入型電子部品)との両方を実装することができる装置である。電子部品実装装置10は、1台で搭載型電子部品とリード型電子部品の両方を実装することも、いずれか一方のみを実装することもできる。つまり電子部品実装装置10は、搭載型電子部品とリード型電子部品の両方を実装することが可能で、製造する基板や他の電子部品実装装置のレイアウトに応じて、種々の用途で使用することができる。
図12は、電子部品実装装置の概略構成を示す模式図である。図12に示す電子部品実装装置10は、基板8の上に電子部品を搭載する装置である。電子部品実装装置10は、筐体11と、基板搬送部12と、部品供給ユニット14f、14rと、ヘッド15と、XY移動機構16と、VCSユニット17と、交換ノズル保持機構18と、部品貯留部19と、制御装置20と、操作部40と、表示部42と、を有する。なお、XY移動機構16は、X軸駆動部22と、Y軸駆動部24と、を備える。ここで、本実施形態の電子部品実装装置10は、図12に示すように、基板搬送部12を中心にしてフロント側とリア側に部品供給ユニット14f、14rを備える。電子部品実装装置10は、部品供給ユニット14fが電子部品実装装置10のフロント側に配置され、部品供給ユニット14rが電子部品実装装置10のリア側に配置される。また、以下では、2つの部品供給ユニット14f、14rを特に区別しない場合、部品供給ユニット14とする。
図13は、電子部品実装装置の筐体の概略構成を示す斜視図である。筐体11は、本体11aとカバー11bf、11brとを有する。本体11aは、電子部品実装装置10を構成する各部を収納する箱である。本体11aは、フロント側に、カバー11bfと操作部40と表示部42とが配置されている。本体11aは、2つの側面にそれぞれ基板8を装置内に搬入し、排出する開口11cが形成されている。本実施形態の操作部40は、キーボード40aとマウス40bとを有する。本実施形態の表示部42は、タッチパネル42aとビジョンモニタ42bとを有する。なお、タッチパネル42aは、操作部40の一部ともなる。電子部品実装装置10は、部品供給ユニット14f、14rと筐体11の内部各部の配線とを備えている。ここで、配線としては、電気信号を伝達する配線や、空気を供給するチューブがある。
カバー11bfは、本体11aのフロント側の一部に設けられた囲いであり、鉛直方向上側に配置されている。カバー11brは、本体11aのリア側の一部に設けられた囲いであり、鉛直方向上側に配置されている。カバー11bf、11brは、本体11aの正面または背面の一部と上面の一部を覆う形状であり断面がLとなる。カバー11bf、11brは、本体11aに対して開閉することができる。カバー11bf、11brが開状態となることで、本体11aの内部に配置された各部に対する作業を行うことができる。
基板8は、電子部品を搭載する部材であればよく、その構成は特に限定されない。本実施形態の基板8は、板状部材であり、表面に配線パターンが設けられている。基板8に設けられた配線パターンの表面には、リフローによって板状部材の配線パターンと電子部品とを接合する接合部材であるはんだが付着している。また、基板8には、電子部品が挿入されるスルーホール(挿入穴、基板孔)も形成されている。
基板搬送部12は、基板8を図中X軸方向に搬送する搬送機構である。基板搬送部12は、X軸方向に延在するレールと、基板8を支持し、基板8をレールに沿って移動させる搬送機構とを有する。基板搬送部12は、基板8の搭載対象面がヘッド15と対面する向きで、基板8を搬送機構によりレールに沿って移動させることで基板8をX軸方向に搬送する。基板搬送部12は、電子部品実装装置10に供給する機器から供給された基板8を、レール上の所定位置まで搬送する。ヘッド15は、前記所定位置で、電子部品を基板8の表面に搭載する。基板搬送部12は、前記所定位置まで搬送した基板8上に電子部品が搭載されたら、基板8を、次の工程を行う装置に搬送する。なお、基板搬送部12の搬送機構としては、種々の構成を用いることができる。例えば、基板8の搬送方向に沿って配置されたレールと前記レールに沿って回転するエンドレスベルトとを組合せ、前記エンドレスベルトに基板8を搭載した状態で搬送する、搬送機構を一体としたベルト方式の搬送機構を用いることができる。
図14は、電子部品実装装置の概略構成を示す模式図である。電子部品実装装置10は、図14に示すように、フロント側に部品供給ユニット14fが配置され、リア側に部品供給ユニット14rが配置されている。フロント側の部品供給ユニット14fと、リア側の部品供給ユニット14rは、それぞれ基板8上に搭載する電子部品を多数保持し、図14に示すように、ヘッド15に供給可能、つまり、ヘッド15で保持(吸着または把持)可能な状態で保持位置に供給する電子部品供給装置を備える。本実施形態の部品供給ユニット14f、14rはともに、本体と、本体に連結されたリードとを有するリード型電子部品を供給する。
フロント側の部品供給ユニット14fは、2つのボウルフィーダアセンブリ92を有する。ボウルフィーダアセンブリ92は、ボウルフィーダである部品供給装置を複数備え、各部品供給装置から保持位置(吸着位置、把持位置)に電子部品を供給する。各部品供給装置が保持位置に供給した電子部品は、ヘッド15により基板8に実装される。ボウルフィーダアセンブリ92については後述する。部品供給ユニット14fの2つのボウルフィーダアセンブリ92は、フロント側バンク44に設置される。
リア側の部品供給ユニット14rは、複数の電子部品供給装置(以下、単に「部品供給装置」ともいう。)90を有する。電子部品供給装置90は、ラジアルフィーダであり、保持位置(吸着位置、把持位置)に電子部品を供給する。各部品供給装置90が保持位置に供給した電子部品は、ヘッド15により基板8に実装される。
部品供給装置90は、テープに複数のラジアルリード型電子部品のリードを貼り付けて構成される電子部品保持テープを使用してヘッド15にラジアルリード型電子部品を供給する。部品供給装置90は、電子部品保持テープを保持し、保持している電子部品保持テープを送り、保持しているラジアルリード型電子部品をヘッド15のノズルにより電子部品が保持できる保持領域(吸着位置、把持位置、保持位置)まで移動するテープフィーダである。部品供給装置90は、保持領域まで移動させたラジアルリード型電子部品のリードを切断して分離することで、当該テープでリードが固定されたラジアルリード型電子部品を所定位置に保持可能な状態とすることができ、当該ラジアルリード型電子部品をヘッド15のノズルにより保持(吸着、把持)することができる。部品供給装置90については後述する。なお、複数の部品供給装置90は、それぞれ異なる品種の電子部品を供給しても、別々の電子部品を供給してもよい。
図15は、リア側の部品供給ユニットの他の例の概略構成を示す模式図である。部品供給ユニット14は、複数のラジアルリード型電子部品(ラジアルリード部品)をテープ本体に固定した電子部品保持テープ(ラジアル部品テープ)を装着し、当該電子部品保持テープで保持したリード型電子部品のリードを保持位置(第2保持位置)で切断し、当該保持位置にあるリード型電子部品をヘッドに備えた吸着ノズルまたは把持ノズルで保持可能とする電子部品供給装置90を複数装着することに加え、複数の搭載型電子部品をテープ本体に固定した電子部品保持テープ(チップ部品テープ)を装着し、当該電子部品保持テープで保持した搭載型電子部品の保持位置(第1保持位置)でテープ本体から剥がし、当該保持位置にある搭載型電子部品をヘッドに備えた吸着ノズルまたは把持ノズルで保持可能とする電子部品供給装置90aを備えていてもよい。部品供給ユニット14は、その他電子部品供給装置90aとしてスティックフィーダやトレイフィーダをリア側バンク46に設置してもよい。図15に示す複数の部品供給装置90、90aは、支持台(バンク)96に保持される。また、支持台96は、部品供給装置90、90aの他の装置(例えば、計測装置やカメラ等)を搭載することができる。
部品供給ユニット14は、支持台96に保持されている複数の部品供給装置90、90aが、搭載する電子部品の種類、電子部品を保持する機構または供給機構が異なる複数種類の部品供給装置90、90aで構成される。また、部品供給ユニット14は、同一種類の部品供給装置90、90aを複数備えていてもよい。また、部品供給ユニット14は、装置本体に対して着脱可能な構成とすることが好ましい。
電子部品供給装置90aは、テープに基板搭載するチップ型の電子部品を貼り付けて構成される電子部品保持テープを使用してヘッド15に電子部品を供給する。なお、電子部品保持テープは、テープに複数の格納室が形成されており、当該格納室に電子部品が格納されている。電子部品供給装置90aは、電子部品保持テープを保持し、保持している電子部品保持テープを送り、格納室をヘッド15のノズルにより電子部品が吸着できる保持領域まで移動させるテープフィーダである。なお、格納室を保持領域に移動させることで、当該格納室に収容されている電子部品を所定位置に露出した状態とすることができ、当該電子部品をヘッド15のノズルにより吸着、把持することができる。電子部品供給装置90aは、テープフィーダに限定されず、チップ型電子部品を供給する種々のチップ部品フィーダとすることができる。チップ部品フィーダとしては、例えば、スティックフィーダ、テープフィーダ、バルクフィーダを用いることができる。
ヘッド15は、部品供給ユニット14fに保持された電子部品(ボウルフィーダユニットに保持されたリード型電子部品)、または部品供給ユニット14rに保持された電子部品(電子部品供給装置90に保持されたラジアルリード型電子部品(リード型電子部品、挿入型電子部品))、をノズルで保持(吸着または把持)し、保持した電子部品を基板搬送部12によって所定位置に移動された基板8上に実装する機構である。また、ヘッド15は、部品供給ユニット14rが電子部品供給装置90aを備えている場合、電子部品供給装置90aに保持されたチップ型電子部品(搭載型電子部品)を基板8上に搭載(実装)する機構である。なお、ヘッド15の構成については、後述する。なお、チップ型電子部品(搭載型電子部品)とは、基板の形成された挿入穴(スルーホール)に挿入するリードを備えないリードなし電子部品である。搭載型電子部品としては、上述したようにSOP、QFP等が例示される。チップ型電子部品は、リードを挿入穴に挿入せずに、基板に実装される。
XY移動機構16は、ヘッド15を図12及び図13中X軸方向及びY軸方向、つまり、基板8の表面と平行な面上で移動させる移動機構でありX軸駆動部22とY軸駆動部24とを有する。X軸駆動部22は、ヘッド15と連結しており、ヘッド15をX軸方向に移動させる。Y軸駆動部24は、X軸駆動部22を介してヘッド15と連結しており、X軸駆動部22をY軸方向に移動させることで、ヘッド15をY軸方向に移動させる。XY移動機構16は、ヘッド15をXY軸方向に移動させることで、ヘッド15を基板8と対面する位置、または、部品供給ユニット14f、14rと対面する位置に移動させることができる。また、XY移動機構16は、ヘッド15を移動させることで、ヘッド15と基板8との相対位置を調整する。これにより、ヘッド15が保持した電子部品を基板8の表面の任意の位置に移動させることができ、電子部品を基板8の表面の任意の位置に搭載することが可能となる。つまり、XY移動機構16は、ヘッド15を水平面(XY平面)上で移動させて、部品供給ユニット14f、14rの電子部品供給装置にある電子部品を基板8の所定位置(搭載位置、実装位置)に移送する移送手段となる。なお、X軸駆動部22としては、ヘッド15を所定の方向に移動させる種々の機構を用いることができる。Y軸駆動部24としては、X軸駆動部22を所定の方向に移動させる種々の機構を用いることができる。対象物を所定の方向に移動させる機構としては、例えば、リニアモータ、ラックアンドピニオン、ボールねじを用いた搬送機構、ベルトを利用した搬送機構等を用いることができる。
VCSユニット17と、交換ノズル保持機構18と、部品貯留部19とは、XY平面において、ヘッド15の可動領域と重なる位置で、かつ、Z方向における位置がヘッド15よりも鉛直方向下側となる位置に配置されている。本実施形態では、VCSユニット17と、交換ノズル保持機構18と、部品貯留部19とは、基板搬送部12と部品供給ユニット14rとの間に、隣接して配置される。
VCSユニット(部品状態検出部、状態検出部)17は、画像認識装置であり、ヘッド15のノズル近傍を撮影するカメラや、撮影領域を照明する照明ユニットを有する。VCSユニット17は、ヘッド15のノズルで吸着された電子部品の形状や、ノズルによる電子部品の保持状態を認識する。より具体的には、VCSユニット17は、対面する位置にヘッド15が移動されると、ヘッド15のノズルを鉛直方向下側から撮影し、撮影した画像を解析することで、ノズルで吸着された電子部品の形状や、ノズルによる電子部品の保持状態を認識する。VCSユニット17は、取得した情報を制御装置20に送る。
交換ノズル保持機構18は、複数種類のノズルを保持する機構である。交換ノズル保持機構18は、複数種類のノズルをヘッド15が着脱交換可能な状態で保持する。ここで、本実施形態の交換ノズル保持機構18は、電子部品を吸引することで保持する吸引ノズルと、電子部品を把持することで保持する把持ノズルと、を保持している。ヘッド15は、交換ノズル保持機構18で装着するノズルを変更し、装着されたノズルに対して空気圧を供給して駆動することで、保持する電子部品を適切な条件(吸引または把持)で保持することができる。
部品貯留部19は、ヘッド15がノズルで保持し、基板8に実装しない電子部品を貯留する箱である。つまり、電子部品実装装置10では、基板8に実装しない電子部品を廃棄する廃棄ボックスとなる。電子部品実装装置10は、ヘッド15が保持している電子部品の中に基板8に実装しない電子部品がある場合、ヘッド15を部品貯留部19と対面する位置に移動させ、保持している電子部品を解放することで、電子部品を部品貯留部19に投入する。
制御装置20は、電子部品実装装置10の各部を制御する。制御装置20は、各種制御部の集合体である。操作部40は、作業者が操作を入力する入力デバイスであり、キーボード40a、マウス40bと、タッチパネル42aと、を有する。操作部40は検出した各種入力を制御装置20に送る。表示部42は、作業者に各種情報を表示する画面であり、タッチパネル42aとビジョンモニタ42bとを有する。表示部42は、制御装置20から入力される画像信号に基づいて各種画像をタッチパネル42aとビジョンモニタ42bとに表示させる。
なお、本実施形態の電子部品実装装置10は、ヘッドを1つとしたが部品供給ユニット14f、14rのそれぞれに対応して2つのヘッドを設けてもよい。この場合、X軸駆動部を2つ設け、2つのヘッドをそれぞれXY方向に移動させることで、2つのヘッドを独立して移動させることができる。電子部品実装装置10は、2つのヘッドを備えることで、1つの基板8に対して、交互に電子部品を搭載することができる。このように、2つのヘッドで交互に電子部品を搭載することで、一方のヘッドが電子部品を基板8に搭載している間に、他方のヘッドは、部品供給装置にある電子部品を保持することができる。これにより、基板8に電子部品が搭載されない時間をより短くすることができ、効率よく電子部品を搭載することができる。さらに、電子部品実装装置10は、基板搬送部12を平行に2つ配置することも好ましい。電子部品実装装置10は、2つの基板搬送部12で2つの基板を交互に電子部品搭載位置に移動させ、前記2つのヘッド15で交互に部品搭載すれば、さらに効率よく基板に電子部品を搭載することができる。
次に、図16及び図17を用いて、ヘッド15の構成について説明する。図16は、電子部品実装装置のヘッドの概略構成を示す模式図である。図17は、電子部品実装装置のヘッドの概略構成を示す模式図である。なお、図16には、電子部品実装装置10を制御する各種制御部と部品供給ユニット14rの1つの部品供給装置90もあわせて示す。ヘッド15は、図16及び図17に示すように、ヘッド本体30と撮影装置(基板状態検出部)36と高さセンサ(基板状態検出部)37とレーザ認識装置(部品状態検出部、状態検出部)38と、を有する。
電子部品実装装置10は、図16に示すように、制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64と、を有する。制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64とは、上述した制御装置20の一部である。また、電子部品実装装置10は、電源と接続されており電源から供給される電力を制御部60、ヘッド制御部62、部品供給制御部64及び各種回路を用いて、各部に供給する。制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64とについては後述する。
電子部品供給装置90は、電子部品保持テープ(ラジアル部品テープ)にリードが保持された電子部品80の本体が上方に露出している。なお、電子部品80としては、アルミ電解コンデンサが例示される。なお、電子部品80として、アルミ電解コンデンサの他にも、リードを有する各種電子部品を用いることができる。電子部品供給装置90は、電子部品保持テープを引き出し、移動させることで、電子部品保持テープに保持された電子部品80を保持領域(吸着領域、把持領域)に移動させる。本実施形態では、部品供給装置90のY軸方向の先端近傍が、電子部品保持テープに保持された電子部品80をヘッド15のノズルが保持する保持領域となる。電子部品供給装置90の構成については後述する。また、電子部品供給装置90aの場合も同様に、所定の位置が、ヘッド15のノズルが電子部品保持テープに保持された電子部品80を保持する保持領域となる。
ヘッド本体30は、各部を支持するヘッド支持体31と、複数のノズル32と、ノズル駆動部34と、を有する。本実施形態のヘッド本体30には、図17に示すように、6本のノズル32が一列に配置されている。6本のノズル32は、X軸に平行な方向に並んでいる。なお、図17に示すノズル32は、いずれも電子部品80を吸着して保持する吸着ノズルが配置されている。
ヘッド支持体31は、X軸駆動部22と連結している支持部材であり、ノズル32及びノズル駆動部34を支持する。なお、ヘッド支持体31は、レーザ認識装置38も支持している。
ノズル32は、電子部品80を吸着し、保持する吸着機構である。ノズル32は、先端に開口33を有し、この開口33から空気を吸引することで、先端に電子部品80を吸着し、保持する。なお、ノズル32は、開口33が形成され電子部品80を吸着する先端部に連結されたシャフト32aを有する。シャフト32aは、先端部を支持する棒状の部材であり、Z軸方向に延在して配置されている。シャフト32aは、内部に開口33とノズル駆動部34の吸引機構とを接続する空気管(配管)が配置されている。
ノズル駆動部34は、ノズル32をZ軸方向に移動させ、ノズル32の開口33で電子部品80を吸着させる。ここで、Z軸は、XY平面に対して直交する軸である。なお、Z軸は、基板の表面に対して直交する方向となる。また、ノズル駆動部34は、電子部品の実装時等にノズル32をθ方向に回転させる。θ方向とは、すなわち、Z軸駆動部がノズル32を移動させる方向と平行な軸であるZ軸を中心とした円の円周方向と平行な方向である。なお、θ方向は、ノズル32の回動方向となる。
ノズル駆動部34は、ノズル32をZ軸方向に移動させる機構として、例えば、Z軸方向が駆動方向となる直動リニアモータを有する機構がある。ノズル駆動部34は、直動リニアモータでノズル32のシャフト32aをZ軸方向に移動させることで、ノズル32の先端部の開口33をZ軸方向に移動させる。また、ノズル駆動部34は、ノズル32をθ方向に回転させる機構として、例えばモータとシャフト32aに連結された伝達要素とで構成された機構がある。ノズル駆動部34は、モータから出力された駆動力を伝達要素でシャフト32aに伝達し、シャフト32aをθ方向に回転させることで、ノズル32の先端部もθ方向に回転させる。
ノズル駆動部34は、ノズル32の開口33で電子部品80を吸着させる機構、つまり吸引機構としては、例えば、ノズル32の開口33と連結された空気管と、当該空気管と接続されたポンプと、空気管の管路の開閉を切り換える電磁弁と、を有する機構がある。ノズル駆動部34は、ポンプで空気管の空気を吸引し、電磁弁の開閉を切り換えることで開口33から空気を吸引するか否かを切り換える。ノズル駆動部34は、電磁弁を開き開口33から空気を吸引することで開口33に電子部品80を吸着(保持)させ、電磁弁を閉じ開口33から空気を吸引しないことで開口33に吸着していた電子部品80を解放する、つまり開口33で電子部品80を吸着しない状態(保持しない状態)とする。
また、本実施形態のヘッド15は、電子部品の本体を保持するときに本体上面がノズル(吸着ノズル)32で吸着できない形状である場合には、後述する把持ノズルを用いる。把持ノズルは、吸着ノズルと同様に空気を吸引解放することで固定片に対して可動片が開閉することで電子部品の本体を上方から把持解放することができる。また、ヘッド15は、ノズル駆動部34でノズル32を移動させ、交換動作を実行することで、ノズル駆動部34が駆動させるノズルを換えることができる。
撮影装置36は、ヘッド本体30のヘッド支持体31に固定されており、ヘッド15と対面する領域、例えば、基板8や電子部品80が搭載された基板8等を撮影する。撮影装置36は、カメラと、照明装置と、を有し、照明装置で視野を照明しつつ、カメラで画像を取得する。これにより、ヘッド本体30に対面する位置の画像、例えば、基板8や、部品供給ユニット14の各種画像を撮影することができる。例えば、撮影装置36は、基板8の表面に形成された基準マークとしてのBOCマーク(以下単にBOCともいう)やスルーホール(挿入穴)の画像を撮影する。ここで、BOCマーク以外の基準マークを用いる場合、当該基準マークの画像を撮影する。
高さセンサ37は、ヘッド本体30のヘッド支持体31に固定されており、ヘッド15と対面する領域、例えば、基板8や電子部品80が搭載された基板8との距離を計測する。高さセンサ37としては、レーザ光を照射する発光素子と、対面する位置で反射して戻ってくるレーザ光を受光する受光素子とを有し、レーザ光を発光してから受光するまでの時間で対面する部分との距離を計測するレーザセンサを用いることができる。また、高さセンサ37は、測定時の自身の位置及び基板の位置を用いて、対面する部分との距離を処理することで、対面する部分、具体的には電子部品の高さを検出する。なお、電子部品との距離の測定結果に基づいて電子部品の高さを検出する処理は制御部60で行ってもよい。
レーザ認識装置38は、光源38aと、受光素子38bと、を有する。レーザ認識装置38は、ブラケット50に内蔵されている。ブラケット50は、図16に示すように、ヘッド支持体31の下側、基板8及び部品供給装置90側に連結されている。レーザ認識装置38は、ヘッド本体30のノズル32で吸着した電子部品80に対して、レーザ光を照射することで、電子部品80の状態を検出する装置である。ここで、電子部品80の状態とは、電子部品80の形状、ノズル32で電子部品80を正しい姿勢で吸着しているか等である。光源38aは、レーザ光を出力する発光素子である。受光素子38bは、Z軸方向における位置、つまり高さが同じ位置であり、光源38aに対向する位置に配置されている。レーザ認識装置38による形状の認識処理については後述する。
次に、電子部品実装装置10の装置構成の制御機能について説明する。電子部品実装装置10は、図16に示すように、制御装置20として、制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64と、を有する。各種制御部は、それぞれ、CPU、ROMやRAM等の演算処理機能と記憶機能とを備える部材で構成される。また、本実施形態では、説明の都合で複数の制御部としたが、1つの制御部としてもよい。また、電子部品実装装置10の制御機能を1つの制御部とした場合、1つの演算装置で実現しても複数の演算装置で実現してもよい。
制御部60は、電子部品実装装置10の各部と接続されており、入力された操作信号や、電子部品実装装置10の各部で検出された情報に基づいて、記憶されているプログラムを実行し、各部の動作を制御する。制御部60は、例えば、基板8の搬送動作、XY移動機構16によるヘッド15の駆動動作、レーザ認識装置38による形状の検出動作等を制御する。また、制御部60は、上述したようにヘッド制御部62に各種指示を送り、ヘッド制御部62による制御動作も制御する。制御部60は、部品供給制御部64による制御動作も制御する。
ヘッド制御部62は、ノズル駆動部34、ヘッド支持体31に配置された各種センサ及び制御部60に接続されており、ノズル駆動部34を制御し、ノズル32の動作を制御する。ヘッド制御部62は、制御部60から供給される操作指示及び各種センサ(例えば、距離センサ)の検出結果に基づいて、ノズル32の電子部品の吸着(保持)/解放動作、各ノズル32の回動動作、Z軸方向の移動動作を制御する。
部品供給制御部64は、部品供給ユニット14f、14rによる電子部品80の供給動作を制御する。部品供給制御部64は、部品供給装置90、ボウルフィーダユニット240毎に設けても、1つですべての部品供給装置90、ボウルフィーダユニット240を制御してもよい。例えば、部品供給制御部64は、部品供給装置90による電子部品保持テープの引き出し動作(移動動作)、リードの切断動作及びラジアルリード型電子部品の保持動作を制御する。また、部品供給制御部64は、ボウルフィーダユニット240による部品の供給動作を制御する。また、部品供給制御部64は、部品供給ユニット14rが部品供給装置90aを備えている場合、部品供給装置90aによる電子部品保持テープの引き出し動作(移動動作)等を制御する。部品供給制御部64は、制御部60による指示に基づいて各種動作を実行する。部品供給制御部64は、電子部品保持テープまたは電子部品保持テープの引き出し動作を制御することで、電子部品保持テープまたは電子部品保持テープの移動を制御する。
ここで、上記実施形態では、ヘッドに装着するノズルに吸着ノズルを用いる場合として説明したがこれに限定されない。図18は、ノズルの一例を示す説明図である。図18は、把持ノズル(グリッパーノズル)の一例を示す図である。図18に示すノズル201は、固定アーム202と、可動アーム204とを有する。ノズル201は、可動アーム204の支点205がノズル201の本体に回動可能な状態で固定されており、可動アーム204は、支点205を軸として固定アーム202と対面する部分が固定アーム202に近づく方向から遠ざかる方向に移動することができる。可動アーム204は、ノズル201の本体の部分、固定アーム202に近づいたり遠ざかったりする部分とは、支点205を介して反対側に駆動部206が連結されている。駆動部206は、吸着ノズルを駆動する駆動源(空気圧)により移動される。可動アーム204は、駆動部206が移動することで、固定アーム202と対面する部分が固定アーム202に近づく方向から遠ざかる方向に移動する。
ノズル201は、固定アーム202と可動アーム204との間に電子部品80がある状態で、固定アーム202と可動アーム204との距離を縮めることで、電子部品80を把持することができる。
把持ノズルは、ノズル201に限定されず、種々の形状とすることができる。把持ノズルは、それぞれ固定アームと可動アームとの間隔や、可動範囲を種々の値とすることができる。このように把持ノズルは、ノズルの形状毎に把持できる電子部品の形状が異なる。
電子部品実装装置10は、保持する電子部品の種類に応じて、当該電子部品を保持するノズルの種類を選択することで、電子部品を適切に保持することができる。具体的には、保持する電子部品に応じて、吸着ノズルを用いるか把持ノズルを用いるかを選択し、さらにそれぞれの種類のノズル中でもどのノズルを用いるかを切り換えることで、1台の電子部品実装装置でより多くの種類の電子部品を実装することができる。
次に、図19及び図20を用いて部品供給装置90について説明する。部品供給装置90は、上述したようにラジアルリード型電子部品を保持位置に供給するラジアルフィーダである。まず、図19を用いて、電子部品保持テープについて説明する。図19は、電子部品保持テープの一例の概略構成を示す模式図である。
図19に示す電子部品保持テープ(ラジアル部品テープ)70は、テープ本体72と、テープ本体72に保持される複数の電子部品(ラジアルリード型電子部品、ラジアルリード部品)80と、を有する。テープ本体72は、第1テープ74と第1テープ74よりも幅の細い第2テープ76とが貼り合わされている。また、テープ本体72は、延在方向に一定間隔で送り穴としての穴78が形成されている。つまり、テープ本体72は、複数の穴78が延在方向に列状に形成されている。
電子部品80は、電子部品本体(以下単に「本体」という。)82と、本体82のラジアル方向に配置された2本のリード84と、を有する。電子部品80は、リード84が、第1テープ74と第2テープ76との間に挟まれ、固定されている。これにより、電子部品80は、リード84が、第1テープ74と第2テープ76との間に挟まれ固定されることで、テープ本体72の所定位置に固定される。また、複数の電子部品80は、2本のリード84の間に穴78が配置され、テープ本体72の穴78が形成されている位置に、それぞれ固定されている。つまり、電子部品80は、穴78と同じ送りピッチPの間隔で、かつテープの延在方向における位置が同じ位置に配置されている。なお、電子部品80は、テープ本体72の第1テープ74と第2テープ76との間に挟まれるリード線を有した形状であればよく、リード線及び本体の形状、種類は特に限定されない。また、電子部品保持テープは、テープの延在方向における穴78と電子部品80との相対位置関係を種々の設定とすることができる。例えば、電子部品保持テープは、穴78と穴78との間に電子部品80が配置してもよい。
次に、図20は、リア側の部品供給ユニットの電子部品供給装置の概略構成を示す斜視図である。電子部品供給装置(部品供給装置)90は、図20に示すように、他の各部を保持し、電子部品保持テープを案内する筐体210と、リア側バンク46と連結されるクランプユニット212と、電子部品保持テープを搬送するフィードユニット214と、電子部品保持テープに保持されている電子部品のリードを切断するカットユニット216と、を有する。また、電子部品供給装置90は、筐体210の内部に空気圧調整部が配置されている。空気圧調整部は、フィードユニット214の駆動部とカットユニット216の駆動部の空気圧を調整し、各部の駆動を制御する。
筐体210は、縦に細長い中空の箱であり、クランプユニット212とフィードユニット214とカットユニット216と空気圧調整部とを内部に保持する。筐体210は、案内溝220と、ガイド部222と、排出部226と、把持部228と、が設けられている。案内溝220は、筐体210の鉛直方向上側の細長い面の長手方向に沿って形成された2本の直線の一方の端部が連結した形状である。つまり、案内溝220は、筐体210の一方の端部から他方の端部近傍まで延び、他方の端部近傍で折り返し、一方の端部まで延びるU字形状で形成されている。案内溝220は、電子部品保持テープを案内する溝であり、U字形状の一方の端部(供給側の端部)から電子部品保持テープが供給される。案内溝220は供給された電子部品保持テープをU字形状に沿って移動させ、U字形状の他方の端部(排出側の端部)から排出する。また、案内溝220は、テープ本体72が筐体210の内部にあり、電子部品が筐体210の外部に露出した状態で電子部品保持テープを案内する。
ガイド部222は、案内溝220の供給側の端部と連結されており、電子部品が保持された状態の電子部品保持テープを案内溝220に案内する。排出部226は、案内溝220の排出側の端部と連結されており、筐体210内を移動して電子部品をヘッド15に供給した部分が電子部品保持テープを排出する。把持部228は、電子部品供給装置90の搬送時等に、オペレータが持つ部分である。
クランプユニット212は、支持台96と連結される機構である。クランプユニット212は、筐体210に固定されており、支持台96と連結し固定されている状態と、支持台96と連結せずに解放されている状態と、を切り換えることができる機構である。オペレータは、クランプユニット212を操作することで、電子部品供給装置90を支持台96に対して着脱することができる。
フィードユニット214は、電子部品保持テープを搬送する、つまり案内溝220に沿って案内される電子部品保持テープを移動させる機構である。フィードユニット214は、電子部品保持テープの穴に挿入される突起部を備えており、突起部が電子部品保持テープの穴に挿入されている状態で、当該突起部を搬送方向に移動させることで電子部品保持テープを移動させる。フィードユニット214の突起部は、搬送方向と反対側に移動される場合、穴から取り外される。これによりフィードユニット214は、突起部をテープ本体72の穴の1ピッチ分、送り方向に往復運動させることで、テープを1ピッチ分送り方向に順次移動させることができる。
カットユニット216は、電子部品を供給する供給位置に配置されており、電子部品保持テープに保持されている電子部品のリードを切断する。また、カットユニット216は、リードを切断した電子部品を、電子部品がノズルによって吸着(保持)されるまで、クランプ、つまり保持する。カットユニット216は、リードを切断する高さを調整する機構、電子部品のクランプ時にクランプする機構を移動させる範囲を調整する機構等を備えている。当該機構で各種調整を行うことで、種々のリード型電子部品のリードを切断し、クランプすることができる。
ここで、カットユニット216が切断するリードの切断位置について説明する。従来の基板挿入用のリード型電子部品専用ヘッドを備えた実装装置では、リードを固定するテープに近いリード先端側で切断し、非常に長いリードを基板に挿入していた。これは、従来の実装装置は、ヘッド側にリード切断部とリード把持部を備え、リード把持部でリードの根元を把持してからその下方を切断(仮切断)していたために切断したリードが長くなるためである。また、従来の実装装置は、挿入穴にリード挿入するときにガイドピンに案内して挿入するためリードが長くても基板挿入に差し支えなかったためである。また、従来の実装装置は、基板裏面でリードを必要な長さに切断(本切断)して折り曲げするリード折り曲げ装置で後処理を実行するために部品テープからリードを切り離すための仮切断時は長くしておく必要があったためである。
これに対して、カットユニット216は、ラジアルリード型電子部品のリードの切断長さを、基板の厚みと同等の長さ又は基板の裏側に突出するリードが半田不良にならず、かつ、基板の厚みに対応した長さである所定長さとする。所定長さは、例えば、基板の挿入穴とほぼ同じ長さである。より具体的には、基板の挿入穴の長さに対して0mm以上3mm以下長い長さである。このように、従来のようにヘッドで部品を仮切断するのではなく部品供給装置で始めから所定の長さに短く切断する構成とすることで、次のような効果をえることができる。
電子部品実装装置10は、カットユニット216が、リードを短く切断することで、部品供給装置90の保持位置にある電子部品の本体をノズルで保持したときのリード間隔の安定性を向上させることができ、リードが挿入穴に挿入できる部品を多くすることができ、非常に効率よくかつ高い精度で実装できる。
また、従来の実装装置は、予め挿入穴に充填または塗布した半田ペーストに対して長いリードを挿入すると半田ペーストのほとんどがリード先端側に押し出されてしまい、リフロー半田付け時に溶けた半田が挿入穴とリードとの細い隙間に上昇できず半田付けが不良になることがある。これに対して、電子部品実装装置10は、カットユニット216が、リードを短く切断することで前記隙間に溶けた半田が上昇して隙間なく半田が満たされる最良の半田付けができる。さらにこのとき搭載型電子部品も基板上面に塗布した半田ペーストに搭載しておくことで、リード型電子部品と搭載型電子部品を一度のリフロー半田付け工程によって同時に行うことができる効果も生じる。言い換えると、予め挿入穴に充填または塗布した半田ペーストに対して長すぎるリードを挿入すると半田ペーストのほとんどがリード先端側に押し出されてしまい、リフロー半田付け時に溶けた半田が基板に上昇できず、つまり半田が基板に到達できず半田付けが不良になることがある。これに対して、上記構成の電子部品実装装置は、リードを前記所定長さに短く切断することにより、挿入穴を挿通したリードにより挿入穴から押し出された一部の半田は溶けた状態になると前記基板の裏面に上昇して基板裏面の電極と半田付けできる。さらに、挿入穴(基板孔)の内部にも電極がある場合にはリードと基板の内部の電極との隙間に半田が上昇して半田付けできる。このようにして機械的電気的に半田付けができる。
また、所定の長さを基板の厚みと同等の長さとすることで、ラジアルリード型電子部品を基板に実装してもリードが基板(基板の裏面)から突出することを抑制することができる。また、所定長さを、基板の裏側に突出するリードが半田不良にならない長さとすることで、リードを短くしても、リフロー処理でリードを基板の挿入穴に好適に固定することができる。
電子部品供給装置90は、以上のような構成であり、クランプユニット212で支持台96の所定位置に固定される。電子部品供給装置90は、フィードユニット214で電子部品保持テープを移動させる。また、電子部品供給装置90は、カットユニット216で供給位置にある電子部品のリードを切断し、リードを切断した電子部品をヘッド15のノズル32で吸着されるまで保持する。これにより、電子部品保持テープで搬送される電子部品をヘッドで搬送可能な状態とすることができる。
次に、部品供給ユニット14fについて説明する。ここで、部品供給ユニット14fは、2つのボウルフィーダアセンブリ92を有する。2つのボウルフィーダアセンブリ92は、並列に配置され、基本的に同じ構成である。以下、1つのボウルフィーダアセンブリ92について説明する。
図21は、ボウルフィーダアセンブリの概略構成を示す斜視図である。ボウルフィーダアセンブリ92は、図21に示すように、2つのボウルフィーダユニット240と、支持機構241と、を有する。本実施形態において、ボウルフィーダユニット240およびボウルフィーダアセンブリ92は、制御部によって動作が制御される。ボウルフィーダユニット240およびボウルフィーダアセンブリ92は、電子部品実装装置10が有する制御装置20を制御部として用いてもよいし、ボウルフィーダユニット240およびボウルフィーダアセンブリ92が制御部を有していてもよい。
支持機構241は、2つのボウルフィーダユニット240を支持する機構である。支持機構241は、支持板241と、支持棒252と、連結部253と、を有する。支持板241は、板状の部材であり、2つのボウルフィーダユニット240が設置、固定されている。支持板241は、部品を供給する側の先端がフロント側バンク44と連結する。支持棒252は連結部253を介して、支持板241のフロント側バンク44から遠い側に連結している。支持棒252は、鉛直方向下側の端部が電子部品実装装置10を設置する設置面(床)に支持されている。支持機構241は、2つのボウルフィーダユニット240が設置された支持板241がフロント側バンク44と支持棒252とで支持される。支持機構241は、フロント側バンク44と、フロント側バンク44から離れた支持棒252の2箇所で支持板241を支持することで、支持板241がたわむことを抑制することができる。これにより、ボウルフィーダユニット240の振動が支持板241の振動となって吸収されることを抑制することができ、ボウルフィーダユニット240を好適に駆動することができる。
ボウルフィーダアセンブリ92が有する1つのボウルフィーダユニット240は、後述するボウルが他のボウルフィーダユニット240のボウルと鉛直方向に2列、かつ保持位置(レール282の先端、吸着位置)に対して前後にずらして配置される。すなわち、ボウルフィーダアセンブリ92は、Y方向において、2つのボウルフィーダユニット240の後述するボウルが前後する位置に配置されている。そして、X方向(後述するレールの延在方向に直交する方向、基板の搬送方向)において、第1列のボウルフィーダユニット240が有するボウルと第2列のボウルフィーダユニット240が有するボウルとの配置領域の少なくとも一部が重なっている。すなわち、ボウルフィーダアセンブリ92は、X方向において、2つのボウルフィーダユニット240の後述するボウルの位置が重なって配置されている。また、ボウルフィーダアセンブリ92は、Y方向において、2つのボウルフィーダユニット240の後述するボウルが前後する位置に配置されている。これにより、ボウルフィーダアセンブリ92は、ボウルフィーダユニット240を効率よく配置することができる。具体的には、X方向の幅を狭くすることができ、電子部品実装装置10の部品供給可能領域により多くの部品供給装置を配置することができる。
本実施形態において、第1列のボウルフィーダユニット240が有するボウルと第2列のボウルフィーダユニット240(第1列のボウルフィーダユニット240よりも保持位置から離れた位置に配置される)が有するボウルとは、レールの延在方向に直交する方向(X方向、基板の搬送方向)において、ボウルの外径の2倍以内の領域に配置される。このようにすることで、確実にX方向の幅を狭くすることができ、電子部品実装装置10の部品供給可能領域により多くの部品供給装置を配置することができる。
次に、図22及び図23を用いて、部品供給ユニット14fのボウルフィーダアセンブリ92のボウルフィーダユニット240について説明する。図22及び図23に示すボウルフィーダユニット240は、ボウルフィーダを電子部品供給装置として用いている。まず、図22及び図23を用いてボウルフィーダユニット240の全体構成について説明する。図22は、部品供給ユニットの他の例を示す側面図である。図23は、部品供給ユニットの他の例を示す上面図である。
ボウルフィーダユニット240は、電子部品供給装置(ボウルフィーダ)262、264、266と、駆動装置268と、固定部270と、を有する。つまり、ボウルフィーダユニット240は、3つの電子部品供給装置262、264、266を備え、3箇所で部品を供給することができる機構である。また、ボウルフィーダユニット240は、1つの駆動装置268が、電子部品供給装置262、264、266の駆動部となる。また、ボウルフィーダユニット240は、固定部270が電子部品供給装置262、264、266と、駆動装置268と、を支持している。固定部270は、鉛直方向に伸びた枠形状の支持部296と、支持部298とを有し、電子部品供給装置262、264、266と、駆動装置268と、を上端と下端で支持している。また、支持部296と、支持部298とは、後述する駆動装置268の回転軸まで延在しており、駆動装置268が電子部品供給装置262、264、266の対象部分を回転軸中心に回動できる状態で支持している。
電子部品供給装置262は、ボウル280aと、レール282aと、支持機構284aと、を有する。電子部品供給装置264は、ボウル280bと、レール282bと、支持機構284bと、を有する。電子部品供給装置266は、ボウル280cと、レール282cと、支持機構284cと、を有する。電子部品供給装置262、264、266は、ボウル280a、280b、280cが水平方向における位置が重なる位置に積層して配置され、鉛直方向上から順にボウル280a、280b、280cの順で配置されている。また、電子部品供給装置262、264、266は、支持機構284a、284b、284cが同一平面上に並列して配置されている。すなわち、複数のレール282a、282b、282cのそれぞれの保持位置は、同一平面に配置される。
電子部品供給装置262、264、266は、配置位置や、この配置位置が異なる関係でレール282a、282b、282cの形状が異なるのみで基本的に同様の構成である。以下、電子部品供給装置262、264、266のボウル280a、280b、280cで共通する点については、ボウル280として説明する。同様に、レール282a、282b、282cで共通する点については、レール282として説明する。支持機構284a、284b、284cで共通する点については、支持機構284として説明する。
ボウル280は、複数の電子部品が投入されている入れ物である。レール282は、ボウル280に投入された電子部品を吸着位置まで案内する案内部材となる。支持機構284は、レール282で案内された電子部品を吸着位置で支持する機構である。電子部品供給装置262、264、266は、ボウル280及び駆動装置268の加振部と連結しており、駆動装置268からボウル280に振動を伝達する連結部をさらに有する。なお、本実施形態において、電子部品供給装置262、264、266は、駆動装置268が振動部となる。
駆動部268は、モータ290と、軸292と、取付ブロック部294と、を有する。モータ290は、駆動装置408の駆動源である。軸292は、固定部に固定され、回転可能な状態で支持されている。軸292は、取付ブロック部294と連結している。取付ブロック部294は、ボウル280a、280b、280cと連結されており、軸432を回転軸として一体で回動する。駆動部268は、モータ290の駆動力を軸292、取付ブロック部294及び電子部品供給装置262、264、266の連結部を介してボウル280a、280b、280cに伝達し、ボウル280a、280b、280cを振動させることで、ボウル280a、280b、280cが保持している電子部品をレール282a、282b、282cに搬送する。また、駆動部268は、レール282a、282b、282cも一方向に振動させる。
ボウルフィーダユニット240は、以上のように部品供給装置262、264、266のボウルを鉛直方向に積層することで、水平方向の領域を有効に活用することができ、複数の部品供給装置を省スペースで配置することができる。これにより、ボウルフィーダユニット240は、吸着位置に多数の電子部品を供給することができる。また、ボウルフィーダユニット240は、以上のように部品供給装置262、264、266のボウルを鉛直方向に積層することで、支持機構284を水平方向に近接して配置することができる。これにより、電子部品の吸着位置を近づけることができ、部品の吸着時のヘッドの移動距離を少なくすることができる。また、ボウルフィーダユニット240は、1つの駆動装置268を、3つの部品供給装置262、264、266の駆動部として用いることで、駆動源を少なくすることができ、装置構成を簡単にすることができる。また、固定部270で部品供給装置262、264、266の回転軸を支持することで、安定して各部を振動させることができる。また、上記実施形態のボウルフィーダユニット240は、部品供給装置を3つとしたが、これに限定されず、部品供給装置の数は限定されない。
また、本実施形態では、ボウルフィーダユニット240の駆動部として、ボウル280を振動させる駆動機構を用いたがこれに限定されない。ボウルフィーダユニット240を構成する電子部品供給装置(ボウルフィーダ)は、ボウル280を震わすことでレール282に電子部品80を供給することができればよい。例えば、駆動部としてボウル280を揺動させる駆動部を用いてもよい。
次に、電子部品実装装置の各部の動作について説明する。なお、下記で説明する電子部品の各部の動作は、いずれも制御装置20に基づいて各部の動作を制御することで実行することができる。
図24は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。図24を用いて、電子部品実装装置10の全体の処理動作の概略を説明する。なお、図24に示す処理は制御装置20が各部を制御することで実行される。電子部品実装装置10は、ステップS252として、生産プログラムを読み込む。生産プログラムは、専用の生産プログラム作成装置で作成されたり、入力された各種データに基づいて制御装置20によって作成されたりする。
電子部品実装装置10は、ステップS252で生産プログラムを読み込んだら、ステップS254として、装置の状態を検出する。具体的には、部品供給ユニット14f、14rの構成、充填されている電子部品の種類、準備されているノズルの種類等を検出する。電子部品実装装置10は、ステップS254で装置の状態を検出し、準備が完了したら、ステップS256として、基板を搬入する。電子部品実装装置10は、ステップS256で基板を搬入し、電子部品を実装する位置に基板を配置したら、ステップS258として電子部品を基板に実装する。電子部品実装装置10は、ステップS258で電子部品の実装が完了したら、ステップS260として基板を搬出する。電子部品実装装置10は、ステップS260で基板を搬出したら、ステップS262として生産終了かを判定する。電子部品実装装置10は、ステップS262で生産終了ではない(No)と判定した場合、ステップS256に進み、ステップS256からステップS260の処理を実行する。つまり、生産プログラムに基づいて、基板に電子部品を実装する処理を実行する。電子部品実装装置10は、ステップS262で生産終了である(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
電子部品実装装置10は、以上のようにして、生産プログラムを読み込み、各種設定を行った後、基板に電子部品を実装することで、電子部品が実装された基板を製造することができる。また、電子部品実装装置10は、電子部品として、本体と当該本体に接続されたリードとを有するリード型電子部品を基板に実装、具体的には、リードを基板に形成された穴(挿入穴)に挿入することで当該電子部品を基板に実装することができる。
図25は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図25に示す処理動作は、基板を搬入してから、基板への電子部品の搭載が完了するまでの動作である。また、図25に示す処理動作は、制御部60が各部の動作を制御することで実行される。
制御部60は、ステップS302として、基板を搬入する。具体的には、制御部60は、電子部品を搭載する対象の基板を基板搬送部12で所定位置まで搬送する。制御部60は、ステップS302で基板を搬入したら、ステップS304として保持移動を行う。ここで、保持移動(吸着移動)とは、ノズル32が部品供給ユニット14の保持領域にある電子部品80と対面する位置までヘッド本体30を移動させる処理動作である。
制御部60は、ステップS304で保持移動を行ったら、ステップS306として、ノズル32を下降させる。つまり、制御部60は、電子部品80を保持(吸着、把持)できる位置までノズル32を下方向に移動させる。制御部60は、ステップS306でノズル32を下降させたら、ステップS308として、ノズル32で部品を保持し、ステップS310として、ノズル32を上昇させる。制御部60は、ステップS310でノズルを所定位置まで上昇させたら、具体的には電子部品80をレーザ認識装置38の計測位置まで移動させたら、ステップS312として、ノズル32で吸着している電子部品の形状を検出する。制御部60は、ステップS312で電子部品の形状を検出したら、ステップS314としてノズルを上昇させる。なお、制御部60は、上述したようにステップS312で部品形状を検出し、保持した電子部品が搭載不可であると判定した場合、電子部品を廃棄し、再び電子部品を吸着する。制御部60は、ノズルを所定位置まで上昇させたら、ステップS316として、搭載移動、つまりノズル32で吸着している電子部品を基板8の搭載位置(実装位置)に対向する位置まで移動させる処理動作を行い、ステップS318として、ノズル32を下降させ、ステップS320として部品搭載(部品実装)、つまりノズル32から電子部品80を解放する処理動作を行い、ステップS322として、ノズル32を上昇させる。つまり、制御部60は、ステップS312からステップS320の処理動作は、上述した実装処理を実行する。
制御部60は、ステップS322でノズルを上昇させた場合、ステップS324として全部品の搭載が完了したか、つまり基板8に搭載する予定の電子部品の実装処理が完了したかを判定する。制御部60は、ステップS324で全部品の搭載が完了していない(No)、つまり搭載する予定の電子部品が残っていると判定した場合、ステップS304に進み、次の電子部品を基板8に搭載する処理動作を実行する。このように制御部60は、基板に全部品の搭載が完了するまで、上記処理動作を繰り返す。制御部60は、ステップS324で全部品の搭載が完了した(Yes)と判定した場合、本処理を終了する。
次に、図26に示す処理は、電子部品の実装前の処理、具体的には電子部品の形状の計測処理及び計測結果に基づいた判定処理である。なお、制御部60は、図26の処理を保持するすべての電子部品に対して実行する。制御部60は、ステップS420として保持対象の電子部品のデータを取得する。ここで、保持対象(吸着対象、把持対象)の電子部品のデータとは、当該電子部品を基板に実装するために必要な各種情報である。保持対象の電子部品のデータは、当該電子部品が保持されている部品供給装置90の位置、電子部品の形状データ、電子部品の吸着高さ(保持高さ)、電子部品をレーザ認識装置38で計測する計測位置の情報等である。
制御部60は、ステップS420でデータを取得したら、ステップS422として計測位置を決定する。つまり、制御部60は、ステップS420で取得したデータに基づいて電子部品の形状を検出する位置、つまり、電子部品のZ軸方向の位置を決定する。なお、制御部60は、ステップS420及びステップS422の処理を、電子部品の吸着前に行ってもよい。
制御部60は、ステップS422で計測位置を決定し、かつノズルで電子部品を吸着した場合、ステップS424として、電子部品のZ軸位置を調整する。つまり、制御部60は、ノズルをZ軸方向に移動させることで、電子部品のステップS422で決定した計測位置をレーザ認識装置38の計測領域に移動させる。制御部60は、ステップS424で電子部品のZ軸位置を調整したら、ステップS426として電子部品の形状を計測する。つまり、制御部60は、レーザ認識装置38を用いて電子部品の計測位置における形状を検出する。
制御部60は、ステップS426で電子部品の計測位置における形状を検出したら、ステップS428として計測終了かを判定する。つまり制御部60は、ステップS422で決定した計測位置での形状の計測が終了したかを判定する。制御部60は、ステップS428で計測終了ではない(No)と判定した場合、ステップS424に進み、ステップS424とステップS426の処理を再び行い、計測が終了していない計測位置の形状を計測する。制御部60は、このように電子部品の位置の調整と形状の計測とを繰り返すことで、設定した計測位置の形状を検出する。
制御部60は、ステップS428で計測終了である(Yes)と判定した場合、ステップS430として計測結果と基準データとを比較する。ここで基準データは、ステップS420で取得した吸着対象(保持対象)の電子部品の形状のデータである。制御部60は、計測結果と基準データとを比較することで、吸着している電子部品が基準データと一致する形状であるか、電子部品の向きが基準データの向きと一致するか等を判定する。
制御部60は、ステップS430で比較を行ったら、ステップS432として部品は適正であるかを判定する。具体的には、制御部60は、ステップS432で電子部品を実装可能な状態で吸着しているかを判定する。制御部60は、ステップS432で部品は適正ではない(No)と判定した場合、ステップS434としてノズルが吸着している電子部品を廃棄し、本処理を終了する。制御部60は、部品貯留部19と対面する位置にヘッド及びノズルを移動させ、当該ノズルが保持している電子部品を部品貯留部19に投入することで、電子部品を廃棄する。なお、制御部60は、同一種類の電子部品を基板の同一搭載位置(実装位置)に実装する処理を再び実行する。
制御部60は、ステップS432で部品は適正である(Yes)と判定した場合、ステップS436として部品の方向(ノズルの回転方向における方向)が適正であるかを判定する。つまり、吸着している電子部品が基準の向きと同一であるかを判定する。なお、本実施形態の制御部60は、ステップS436として電子部品は反転しているかを判定する。制御部60は、ステップS436で方向が適正ではない(No)、つまり電子部品が反転した状態であると判定した場合、ステップS438で電子部品を反転させた後ステップS440に進む。
制御部60は、ステップS436でYesと判定した場合またはステップS438の処理を実行した場合、ステップS440として保持位置に基づいて、電子部品の搭載位置(実装位置)を微調整する。例えば、電子部品の形状の検出結果に基づいて、ノズルが電子部品を吸着している位置を検出し、基準位置に対する保持位置のずれに基づいて、実装時のノズルと基板の相対位置を調整する。制御部60は、ステップS440の処理を実行したら本処理を終了する。また、制御部60は、図26のステップS440の処理を行ったら、判定した電子部品をステップS440の結果を加味して電子部品を基板に実装する。
電子部品実装装置10は、このようにレーザ認識装置38を用いて電子部品の形状を検出し、その結果に基づいて各種処理を行うことで、基板により適切に電子部品を実装することができる。
電子部品実装装置10は、図26に示すフローチャートのステップS434で電子部品を廃棄したが、電子部品のリードの形状が不適切と判定した場合、リードの形状を修正する処理を実行するようにしてもよい。つまり、ステップS434で電子部品を廃棄せずに、電子部品のリードを挿入可能な形状に補正(加工)し、搭載位置(実装位置)に実装するようにしてもよい。電子部品実装装置10は、電子部品供給装置90のカットユニットの電子部品をクランプする機構で電子部品のリードを修正するようにしても、別途設けた修正機構で電子部品のリードを修正するようにしてもよい。このようにリードの形状を加工する加工手段としては、電子部品の本体またはリードをクランプする機構、別途設けた修正機構等、種々の手段を用いることができる。
次に、図27を用いて、電子部品の搭載時の処理動作の一例について説明する。図27は、電子部品実装装置の動作の一例を示すフローチャートである。電子部品実装装置10は、ヘッドのノズルで電子部品を保持する動作の度に図27の処理を実行する。なお、図27の処理は、基本的に、電子部品として、リード型電子部品と搭載型電子部品の両方を基板に実装する場合の処理である。電子部品実装装置10は、ステップS510として、保持する電子部品を特定し、ステップS512として保持対象の部品がリード型電子部品であるかを判定する。
電子部品実装装置10は、ステップS512でリード型電子部品である(Yes)と判定した場合、ステップS514として、電子部品供給装置のリード型電子部品をノズルで保持する。つまり、電子部品実装装置10は、電子部品供給装置90の保持位置(第2保持位置)に供給されるリード型電子部品をノズルで保持する。電子部品実装装置10は、ステップS514でリード型電子部品をノズルで保持したら、ステップS516として、リード型電子部品のリードを挿入穴に挿入して基板に実装する。
電子部品実装装置10は、ステップS512でリード型電子部品ではない(No)と判定した場合、ステップS517として、電子部品供給装置の搭載型電子部品をノズルで保持する。つまり、電子部品実装装置10は、電子部品供給装置90aの保持位置(第1保持位置)に供給される搭載型電子部品をノズルで保持する。電子部品実装装置10は、ステップS517で搭載型電子部品をノズルで保持したら、ステップS518として、搭載型電子部品を基板に実装する。つまり、電子部品実装装置10は、搭載型電子部品を挿入穴に挿入せずに基板に実装する。
電子部品実装装置10は、ステップS516またはステップS518の処理を実行したら、つまり電子部品を実装したら、ステップS519として全ての電子部品の実装が完了したかを判定する。電子部品実装装置10は、ステップS519で実装が完了していない(No)と判定した場合、ステップS510に進み、次に実装する電子部品を特定して、当該特定した電子部品に対して上記処理を実行する。電子部品実装装置10は、ステップS519で実装が完了した(Yes)と判定したら、本処理を終了する。
電子部品実装装置10は、図27に示すように、1つのヘッドで搭載型電子部品とリード型電子部品を基板に実装することができる。さらに、電子部品実装装置10は、同じノズルで、搭載型電子部品とリード型電子部品の両方を搭載することができる。ここで、電子部品実装装置10は、リード型電子部品の本体を保持(吸着または把持)することで、搭載型電子部品と同じノズルで移送し、実装することができる。また、電子部品実装装置10は、搭載型電子部品かリード型電子部品かを判定しそれぞれに応じてリードを挿入穴に挿入する、しないを切り換えることで、同じヘッドや同じノズルで実装を行った場合でもそれぞれの電子部品に適した条件で基板に実装することができる。これにより、ノズルを交換することなく搭載型電子部品とリード型電子部品とを実装することができる。また、搭載型電子部品とリード型電子部品とを分けずに混合して搭載できることで、搭載順序の制限がより少なくなり、実装の効率をより向上させることができる。
ここで、電子部品実装装置10は、リード型電子部品として、上述したように電子部品供給装置90で供給するラジアルリード型電子部品を用いることで上記効果をより好適に得ることができる。電子部品実装装置10は、電子部品供給装置90でリードが所定の長さに切断されたラジアルリード型電子部品をノズルで保持し、より具体的には、本体をノズルで保持し、移送し、リードを挿入穴に挿入することで基板に実装する。このように、電子部品実装装置10は、電子部品の本体を保持するため、リードの長さを短くすることができる。さらに、電子部品実装装置10は、テープ本体で搬送し、保持する前にリードを切断する構成であるため、ラジアルリード型電子部品のリードのうち搬送を行うためにテープで保持していた部分を除去した状態で基板に実装することができる。これにより、ラジアルリード型電子部品のリードを短くして基板に実装することができ、電子部品を安定した状態で基板に実装させることができる。具体的には、ラジアルリード型電子部品のリードを短くして基板に実装することができることで、基板の実装時にリードと挿入穴が接触して基板に与える振動を低減することができる。これにより、ラジアルリード型電子部品と搭載型電子部品とを同じ工程で実装してもお互いの実装に与える影響を少なくすることができ、同じ工程で、つまり同じヘッドや同じノズルで連続して実装しても好適に両方の電子部品を実装することができる。
ここで、上記実施形態の電子部品実装装置10は、部品供給ユニット14fとして、ボウルフィーダを用いたボウルフィーダアセンブリ92を備え、部品供給ユニット14rとして、ラジアルフィーダの電子部品供給装置90を備える構成としたが、これに限定されない。電子部品実装装置10は、部品供給ユニットを各種組み合わせとすることができる。例えば、フロント、リアの両方の部品供給ユニットにボウルフィーダの電子部品供給装置を設置してもよいし、フロント、リアの両方の部品供給ユニットにラジアルフィーダの電子部品供給装置を設置してもよい。また、上述したように部品供給ユニットとして、搭載型電子部品を電子部品保持テープで供給する電子部品供給装置(チップ部品フィーダ)90aを含んでいてもよい。また、フロント、リアのうち、一方の部品供給ユニットの電子部品供給装置を、全て電子部品供給装置(チップ部品フィーダ)90aとしてもよい。つまり、フロント、リアの一方の部品供給ユニットは、リード型電子部品(基板に挿入される電子部品)を供給し、他方は、リードなし電子部品(基板に搭載される電子部品)を供給するようにしてもよい。また、電子部品実装装置は、電子部品供給装置として、いわゆるトレイフィーダを用いることもできる。さらに、電子部品実装装置は、電子部品供給装置としてテープに保持されたアキシャル型電子部品のリードを上記のように基板下に短く出るように切断してコ字型に折り曲げた状態で保持位置に供給するアキシャルフィーダを用いることもできる。この場合、電子部品実装装置は、ノズルでアキシャルフィーダの保持位置のアキシャル型電子部品本体を保持した後、リード間隔の良否を判別して良と判定したアキシャル型電子部品を挿入穴(基板孔)に挿入する。電子部品実装装置10は、いずれの電子部品供給装置で供給された電子部品であっても、電子部品を吸着または把持することで、基板に搭載または挿入することができる。なお、リード型電子部品を供給する電子部品供給装置は、本体がリードの鉛直方向上側に配置される向き、つまり、リードが本体の鉛直方向下側に配置される向きでリード型電子部品をノズルによって保持される保持位置に供給する。ここで、電子部品実装装置10は、本実施形態のように、ボウルフィーダを備える部品供給ユニットと、その他の種類の電子部品供給装置、例えば、上記ラジアルフィーダ、上記アキシャルフィーダ、搭載型電子部品テープフィーダ、スティックフィーダ、トレイフィーダ等の部品供給ユニットと、を基板搬送部12を介して対向する位置であるフロント側とリア側に配置することが好ましい。これにより、その他の種類の部品供給ユニットに、ボウルフィーダの振動の影響が及ぶことを抑制することができるのでその他の種類の電子部品供給装置が保持位置で供給する電子部品に対するノズル保持作用を安定させることができる。
なお、本実施形態では、部品供給ユニットを部品供給ユニット14f、14rの二つとして説明したが、数は限定されない。また、2つの部品供給ユニット14f、14rを1つの部品供給ユニットとみなし、部品供給ユニット14f、14rのそれぞれを第1部品供給部、第2部品供給部とみなすこともできる。例えば、上記実施形態のように1つの部品供給ユニットが、ボウルフィーダ(部品供給ユニット14f)とラジアルフィーダ(部品供給ユニット14r)を備えている構成とみなすことができる。この場合、第1部品供給部と第2部品供給部とは、基板が配置されている位置を挟んで対向する位置に配置される。また、1つの部品供給ユニット14fに第1部品供給部、第2部品供給部が備えられているとみなすこともできる。例えば、上述したように、1つの部品供給ユニット14fが、ラジアルフィーダ(第1部品供給部)とチップ部品フィーダ(第2部品供給部)を備えている構成とみなすことができる。このように、電子部品実装装置10は、組み合わせによらず、複数種類の電子部品供給装置を備える構成とすることができる。
ここで、ラジアルフィーダである電子部品供給装置90が供給する電子部品としては、テープでリードを保持することができる種々のラジアルリード型電子部品がある。電子部品供給装置90は、例えば、アルミ電解コンデンサ、インダクタ、セラミックコンデンサ、フィルムコンデンサ等を供給することができる。また、ボウルフィーダである電子部品供給装置262、264、266が供給する電子部品としては、パッケージ部品の各種リード型電子部品がある。電子部品供給装置262、264、266は、例えば、ソリッドステートリレー、DIP型電子部品、SIP型電子部品、コネクタ、トランス等を供給することができる。
また、本実施形態のヘッド15は、1台のヘッドでより多くの種類の電子部品を実装できるようにするため複数のノズルを備えている場合は、前記ノズル自動交換装置(本実施形態では交換ノズル保持機構とヘッド本体との組み合わせで実現されるヘッド交換動作)を使って実装生産中に各ノズルを種々の吸着ノズル、把持ノズルに交換できる。電子部品実装装置10は、搭載型電子部品及びリード型電子部品に対する大きさ、重さ、部品本体上面が吸着可能な平面を有するかどうか、及び部品本体を把持可能かどうか等の部品条件により、部品ごとに適切な吸着孔径の吸着ノズルまたは適切な形状の把持部材を備えた把持ノズルが指定され、生産プログラムに記憶されている。電子部品実装装置10は、生産プログラムに記憶されている電子部品とノズルとの対応関係に基づいて、ヘッドに装着するノズルを切り換えたり、ヘッド内で当該電子部品を保持するノズルを決定したりする。
その結果、電子部品実装装置10は、例えば基板実装中にノズルが保持する電子部品が搭載型電子部品からリード型電子部品に変更される場合、搭載型電子部品を保持するノズルとリード型電子部品を同一のノズルで保持する場合と相違するノズルで保持する場合が生じる。電子部品実装装置10は、前記ノズルが相違する場合、段取り時または生産中に、搭載する電子部品が変更されるときに前記ノズル自動交換装置により自動的にノズルを交換する。すなわち、生産中に基板に実装する電子部品が例えば搭載型電子部品であるときはその電子部品に適したノズル(吸着ノズルまたは把持ノズル)を選択し、該電子部品を供給する電子部品供給装置の保持位置にある搭載型電子部品にノズルを移動して電子部品を保持し基板の所定位置に移動して、電子部品を下降速度制御しながら搭載することを継続する。電子部品実装装置10は、該電子部品の実装が所定数終了し、次に実装すべき電子部品がリード型電子部品に変更されるときは、ノズルが同一か相違するかを判別する。電子部品実装装置10は、ノズルが同一であると判定した場合、ノズルの交換が不要であるため同一のノズルを該リード型電子部品用のノズルとする。また、電子部品実装装置10は、ノズルが相違すると判定した場合、ヘッドに装着された他のノズルで使用可能なものがある場合にはそのノズルを該リード型電子部品用のノズルとし、他のノズルに利用できるノズルがない場合には前記ノズル自動交換装置により自動的に該リード型電子部品用ノズルに交換する。電子部品実装装置10は、このようにしてリード型電子部品用のノズルが準備できたら、ヘッドを移動してこのノズルをリード型電子部品供給装置の保持位置に移動する。電子部品実装装置10は、リード型電子部品を供給する電子部品供給装置によって、内蔵された切断装置(カットユニット)により電子部品テープ(電子部品保持テープ)から予め所定長さに短く切断されたリードを備えたリード型電子部品を保持位置にセットしている。電子部品実装装置10は、前記ノズルでリード型電子部品を吸着また把持することで保持し、検出手段(レーザ認識装置38)でリード間隔を判別すると共に位置ずれを判別することで、基板に移動して挿入穴(基板孔)に挿入する電子部品を選別し挿入穴に挿入するときにリードを位置ずれ補正すると共に挿入するときの下降速度をリードの切断長さに合わせて順次減速する切り替え制御しながら実装する。
また、ヘッド15は、複数のノズルを備える場合、リード型電子部品(挿入型電子部品)を保持し搭載可能なノズルを少なくとも一本備えていればよく、ノズルの構成を種々の構成とすることができる。例えば、ヘッド15は、一部のノズルがリード型電子部品を保持するノズルであり、残りのノズルが搭載型電子部品を保持するノズルとしてもよい。この場合、電子部品実装装置は、ノズルが搭載型電子部品を保持した場合には、当該搭載型電子部品を基板搭載する実装制御を行い、リード型電子部品を保持した場合には、当該リード型電子部品を挿入穴(基板孔)に挿入する実装制御を行う。また、ヘッド15は、すべてのノズルを、リード型電子部品を保持するノズルとしてもよい。また、電子部品実装装置10は、生産プログラムに基づいて、搭載対象の電子部品を吸着する吸着ノズル(または把持する把持ノズル)を決定する際、電子部品の種類によって当該電子部品を保持し実装するノズルを決定する。電子部品実装装置10は、このように一台のヘッドに装着可能な複数のノズルを用意し、生産プログラムに基づく指令により生産中にノズル自動交換装置を作動させて、ヘッドに装着するノズルを次に生産する電子部品(実装する電子部品)に合わせたノズルに着脱交換することで、基板に対してリード型電子部品を保持挿入するとともに搭載型電子部品を基板搭載することで順次基板実装できる。
管理システム100は、電子部品実装装置10のように、1つのヘッドが使用用途に応じて使用するノズルを交換しつつ、挿入型電子部品と搭載型電子部品との両方を搭載する装置を対象として、電子部品実装装置10が対象の電子部品、特に挿入型電子部品を基板に実装できるかを判定することで、電子部品実装装置10をより効率よく使用することができる。