JP7336213B2 - 発泡製品、及び、発泡製品の製造方法 - Google Patents
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発泡によって盛り上がった第1部分と、前記第1部分よりも低い第2部分と、を有する発泡メディアと、
複数の加飾粒子を有し、前記第1部分と前記第2部分とのうちの前記第2部分のみに形成された加飾部と、
を備える。
ようにしてもよい。
ようにしてもよい。
前記加飾部は、前記発泡部分と前記低発泡部分とのうちの前記低発泡部分の少なくとも一部のみに形成されている、
ようにしてもよい。
前記複数の加飾粒子は、前記凹部に満たされている、
ようにしてもよい。
前記複数の加飾粒子は、前記熱可塑性樹脂層に融着している、
ようにしてもよい。
前記複数の加飾粒子は、前記透明層のうち前記第2部分に対応する部分に配置されている、
ようにしてもよい。
発泡製品の製造方法であって、
発泡メディアを発泡させることにより、当該発泡メディアに、発泡によって盛り上がった第1部分と、前記第1部分よりも低い第2部分と、を形成する第1ステップと、
前記第1部分と前記第2部分とのうちの前記第2部分のみに複数の加飾粒子を定着させる第2ステップと、
を有する。
前記第2ステップは、
前記発泡メディアの少なくとも前記第2部分に複数の加飾粒子を供給する第2-1ステップと、
前記第2-1ステップで供給された複数の加飾粒子のうち、前記発泡メディアの前記第1部分に残留した加飾粒子を前記第2部分にかき落とす第2-2ステップと、を有する、
ようにしてもよい。
この発明の実施の形態に係る発泡製品1の形成方法を、図1~図8を参照しながら説明する。発泡製品1は、後述のように、発泡による凹凸を表面に備えている(図8等)。発泡製品1には、複数の凸部12A~12Cに画像(カラーインク層14A~14C)が印刷され、凸部12A~12Cの間の凹部12E及び12Fそれぞれには多数の加飾粒子Rから構成される加飾部15A及び15Bが設けられている。加飾粒子Rは、後述のように、樹脂ビーズ等の熱可塑性樹脂製の粒子から構成され、当該加飾部15A及び15Bはざらつき感を表現している。
ステップS1では、発泡メディア10を準備する。発泡メディア10は、図2に示すように、表面が平坦なシート状の媒体であり、積層された基材11と発泡層12とから構成されている。
ステップS2では、発泡メディア10の表面に、発泡制御インクにより図3に示す発泡制御インク層13A~13Cを印刷し、カラーインクにより図3に示すカラーインク層14A~14Cを印刷する。
ステップS3では、発泡メディア10を発泡させるため、当該発泡メディア10を加熱する第1加熱処理を行う。第1加熱処理では、発泡メディア10Pに電磁波(近赤外線)を照射する。発泡制御インク層13A~13Cは、照射された電磁波を吸収し、発熱する。当該発熱は、共有結合の分子構造を有するカーボン分子が当該電磁波を吸収する減少を利用したものである。発泡制御インク層13A~13Cが発熱することで、発泡層12のうち、発泡制御インク層13A~13Cが設けられた領域(発泡制御インク層13A~13Cそれぞれの直下の領域)が加熱され発泡する。この発泡により、発泡メディア10Pの表面のうち、発泡制御インク層13A~13Cそれぞれが設けられた3つの部分が盛り上がり、図4に示すように凸部12A~12Cが形成される。凸部12A~12Cの各凸部の間は、凹部12E及び12Fとなっている。ステップS3により発泡された後の発泡メディア10Pを発泡メディアQともいう。
ステップS4では、発泡メディアQに多数の加飾粒子Rを付与する。加飾粒子Rは、ここでは、熱可塑性樹脂製の樹脂ビーズである。加飾粒子Rは、図5等において球形状に形成されているが、球形状に限らず種々の形状に形成される。加飾粒子Rは、ディスペンサ、人の手作業等により付与される。加飾粒子Rは、凹部12E及び12Fを中心にして付与されるが、凹部12E及び12Fのみに加飾粒子Rを付与するのは難しく(特に凹部12E及び12Fが小さい場合に顕著となる)、図5に示すように、一部、凸部12A~12C、より詳細には、カラーインク層14A~14C上に残留する。
ステップS5では、カラーインク層14A~14C上に残留した加飾粒子Rをかき落とす。ここでは、図6に示すように、かき落とし用の工具30を、カラーインク層14A~14Cに沿って右から左に移動させることで、加飾粒子Rをかき落とす。工具30は、ここでは、金属製の刃を有するナイフであり、カラーインク層14A~14Cを傷つけないよう当該カラーインク層14A~14Cに触れない位置で移動する。工具30は、当該工具30とカラーインク層14A~14Cとの間の距離Sが、加飾粒子Rの大きさ(粒径等)よりも小さい位置で移動する。距離Sを加飾粒子Rの大きさ(粒径等)より小さくすることで、工具30が確実に加飾粒子Rをかき落とすことができる。工具30(ナイフの刃の部分)は、静電気を発生させないよう接地(アース)するとよい。工具30は、所定の駆動機構により駆動され移動する。
ステップS6では、発泡メディア10Rを加熱し、加飾粒子Rを発泡メディア10Rに定着させるための第2加熱処理を行う。当該第2加熱処理により、熱可塑性の樹脂からなる加飾粒子Rは、発泡メディア10Rに熱融着し、定着する。第2加熱処理では、例えば、ヒータ等により、発泡メディア10Rを非接触で上方から加熱する。また、第2加熱処理では、オーブン等により、発泡メディア10R全体を加熱してもよい。
発泡製品1は、発泡によって盛り上がった第1部分である凸部S1~S3と、凸部S1~S3よりも低い第2部分である凹部12E~12F(特に底面)を有する発泡メディア10(第2熱処理後の発泡メディア10)と、複数の加飾粒子Rを有し、凸部S1~S3と凹部12E~12Fと、のうちの凹部12E~12Fのみに形成された加飾部15A~15Bと、を備える。このような構成により、発泡メディア10全面に加飾部が形成されたときに比べて発泡製品1の見た目は単調でなく、当該発泡製品1は、高い意匠性(デザイン性が高く、見た目がよいなど)を有する。特に、凹部12E~12Fの形状に合わせて加飾部15A及び15Bが設けられているので、高い意匠性が得られている。さらに、第1部分(凸部S1~S3)には、画像等での加飾はなされているが、加飾粒子(肉眼で視認可能な粒子)による加飾がなされていないので、見た目が新しく、意匠性が高い。
本発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。以下、変形例を説明する。
発泡制御インクは、カーボンブラックの他、所定波長の電磁波(発泡層12全体は加熱しない電磁波)等を吸収して発熱する吸収剤を含有するインクであってもよい。この場合には、第1熱処理において、前記所定波長の電磁波を発泡メディア10Pに照射する。発泡制御インク層13A~13Cは、裏面に設けられてもよい。この場合、電磁波等は、下方から照射する。
発泡層12を、熱可塑性樹脂をベースとし、加熱に伴い熱分解等により気体を発生する化学発泡剤と、化学発泡剤の発泡を促進し発泡開始温度を低下させる発泡助剤と、を含有する、化学発泡を利用した発泡層としてもよい。化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミドなどが望ましい。発泡助剤としては、酸化亜鉛などが望ましい。この場合、発泡抑制インクは、インクジェットプリンタなどにより、発泡させたくない領域(上記では、凹部12E及び12F)に塗布(印刷)される。この場合の発泡抑制インクとしては、発泡層12内部に浸透し、発泡を化学的に抑制するものが採用される。例えば、当該発泡抑制インクは、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物をはじめとする化学的発泡抑制剤を含有する。なお、発泡抑制インクの少なくとも一部が発泡層12に浸透しない場合があってもよく、この場合には、変形例1と同様に、後述の接着材等により加飾粒子Rを定着させるか、当該発泡抑制インクの上に熱可塑性樹脂層を設け当該熱可塑性樹脂層と加飾粒子Rとを熱融着させてもよい。
その他、発泡層12は、用途に応じて、任意で、可塑剤、充填剤、顔料、難燃剤などをさらに含んでもよい。 可塑剤としては、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(TOTM)、リン酸トリクレジル(TCP)などが挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、粘土鉱物が挙げられる。顔料としては、任意の顔料(発泡層12を着色する任意の色の顔料)、例えば、酸化チタンなどの白色顔料などが挙げられる。難燃剤としては、リン酸系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、水酸化アルミニウム難燃剤、水酸化マグネシウム難燃剤、塩素系難燃剤などが挙げられる。
加飾粒子Rは、樹脂ビーズ等の樹脂製粒子に限らず、種々のものを採用できる。加飾粒子Rとしては、ガラスビーズ等のガラス製粒子、天然雲母又は人工雲母の粒子、貝殻を粉砕した粒子、蓄光材の粒子、ラメ、パールの粒子などを採用できる。加飾粒子Rは、無色又は有色透明であってもよいし、非透明で所定の色を有するものであってもよい。加飾部15A及び15Bは、複数種類の加飾粒子Rから構成されてもよい。加飾粒子Rは、例えば、0.01mm以上のものとすればよい。加飾粒子Rは、インクジェットプリンタ(インクジェット方式)では吐出できない大きさのものであるとよく(これにより、インクジェットでは表現できない加飾を実現できる)、この場合、加飾粒子Rは、上記のようにディスペンサや手作業等で発泡メディア10に供給されればよい。加飾部15A及び15Bは、例えば、複数の加飾粒子R固有の風合い、素材感、光彩、光沢、金属感などを表現したものであればよい(これら表現を可能な大きさに加飾粒子Rを形成する)。これにより、高い意匠性が得られる。
発泡メディア10は、図9に示すように、発泡層12全面上に、発泡制御インク又はカラーインクの滲みを防止するインク受理層17を備えてもよい。インク受理層17としては、例えば、無機微粒子とそれを結合するバインダー(ベース)と、を含む、空隙型のインク受理層を採用できる。図9では、変形例2の発泡層12を採用しており、発泡制御インク(発泡抑制インク)は、発泡層12内に浸透しているものとする(つまり、発泡制御インク層は、形成されていない)。図9では、カラーインクがインク受理層17に浸透しており、インク受理層17内にカラーインク層13A等が形成されている。インク受理層17のバインダー(ベース)は、加飾粒子Rと熱融着できるよう熱可塑性樹脂とする。図9では、インク受理層17に加飾粒子Rが熱融着し、加飾部15A等が形成されている。インク受理層17により、加飾粒子Rを定着させることで、加飾粒子Rを固定するための接着材等が不要になる。
加飾粒子Rを、接着剤等により、発泡後の発泡メディア10Qに固定してもよい。この場合、第2熱処理が不要となる。また、インク受理層17等において、熱可塑性樹脂を採用する必要もない。接着剤として、放射線硬化樹脂、熱硬化樹脂等の硬化樹脂を採用してもよい。例えば、硬化前の硬化樹脂を、加飾粒子Rを分散させた状態で、発泡メディア10Qに塗布後、放射線(紫外線、電子線等)又は熱を、発泡メディア10Qに照射等し、硬化樹脂を硬化させる。これにより、硬化樹脂は、発泡メディア10Qに融着し、当該硬化樹脂に分散した加飾粒子Rも発泡メディア10Qに定着する。また、発泡メディア10Q全面又は加飾部15A等を設ける領域に硬化樹脂を塗布し硬化させたあと(全面の場合には、カラーインク層14A等は当該硬化樹脂層により覆われる)、加飾粒子Rを熱融着により定着させてもよい。この場合、硬化樹脂は、熱可塑性を有するとよい。なお、硬化樹脂の代わりに、所定の熱可塑性樹脂層を設けて、加飾粒子Rの定着に用いてもよい。
図10に示すように、加飾部15A等の代わりに、加飾部16A等を設けてもよい。加飾部16A等は、凹部12E内に満たされた複数(多数)の加飾粒子Rを含んで構成されている。
カラーインク層14A、加飾部15A等を保護するための保護層(例えば、透明な樹脂層)を、加飾粒子Rの定着後に設けてもよい。保護層は、発泡製品1の表面全面に設けられてもよいし、保護したいもの(例えば、カラーインク層のみ)のみ(つまり、表面の一部)に設けられてもよい。
上記で説明した要素(凸部、凹部、加飾部等)の形状は任意である。画像は、凸部12A~12C上に印刷される他、凸部と凹部とに亘って形成されてもよい。特に、加飾部の下地を構成するよう、加飾部が設けられる凹部内に画像を印刷してもよい。発泡制御インクの塗布量を、塗布する場所に応じて異ならせ、発泡度合い(高さ)の異なる凸部を形成するようにしてもよい。加飾部は、ある凸部と、当該凸部よりも発泡度合いが低い(非発泡を含む)部分と、のうち、後者のみに設ければよい。加飾部は、凹部の底面に加え、凹部の内壁面に形成されてもよい。
本発明は、壁紙等に適用出来るほか、スマートフォンのケースやノベルティーグッズ(特に携行品)などに貼り付けられるシール、前記のケースやグッズ等自身の構造などの種々の加飾対象に適用してもよい。
10,10P,10Q,10R 発泡メディア
11 基材
12 発泡層
12A~12C 凸部
12E,12F 凹部
13A~13C 発泡制御インク層
14A~14C カラーインク層
15A,15B 加飾部
16A 加飾部
17 インク受理層
18A,19 透明層
S1~S3 凸部
R 加飾粒子
M 加飾粒子
Claims (8)
- 発泡によって盛り上がった第1部分と、前記第1部分よりも低い第2部分と、を有する、発泡層を有する発泡メディアと、
前記発泡層の表面に複数の加飾粒子を有し、前記第1部分と前記第2部分とのうちの前記第2部分のみに形成された加飾部と、
を備え、
前記第1部分の上には、発泡制御インク層及びカラーインク層が形成され、
前記発泡層は、熱可塑性樹脂を有し、前記第2部分において前記複数の加飾粒子を融着し、
前記熱可塑性樹脂のガラス転移点は、前記発泡層の発泡開始温度より低い温度である発泡製品。 - 前記複数の加飾粒子の高さ又は幅は、0.01mm以上である、
請求項1に記載の発泡製品。 - 前記複数の加飾粒子は、1つ1つが肉眼で視認可能な大きさである、
請求項1又は2に記載の発泡製品。 - 前記発泡メディアには、画像が印刷されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の発泡製品。 - 前記発泡メディアは、前記第1部分を含む発泡部分と、前記第2部分を含み前記発泡部分よりも発泡していない低発泡部分と、からなり、
前記加飾部は、前記発泡部分と前記低発泡部分とのうちの前記低発泡部分の少なくとも一部のみに形成されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の発泡製品。 - 前記第2部分は、凹部となっており、
前記複数の加飾粒子は、前記凹部に満たされている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の発泡製品。 - 発泡によって盛り上がった第1部分と、前記第1部分よりも低い第2部分と、を有する発泡メディアと、
複数の加飾粒子を有し、前記第1部分と前記第2部分とのうちの前記第2部分のみに形成された加飾部と、
前記第1部分と前記第2部分とにわたって連続して形成され、前記第1部分と前記第2部分とに固着されている透明層と、
を備え、
前記複数の加飾粒子は、前記透明層のうち前記第2部分に対応する部分で、且つ前記透明層より前記発泡メディア側に配置されている、
発泡製品。 - 発泡製品の製造方法であって、
前記発泡製品は発泡層を有する発泡メディアを備え、
前記発泡層を第1温度で加熱して発泡させることにより、当該発泡層に、発泡によって盛り上がった第1部分と、前記第1部分よりも低い第2部分と、を形成する第1ステップと、
前記第1部分と前記第2部分とのうちの前記第2部分のみに複数の加飾粒子を定着させる第2ステップと、
を有し、
前記第2ステップは、
前記発泡層の少なくとも前記第2部分に複数の加飾粒子を供給する第2-1ステップと、
前記第2-1ステップで供給された複数の加飾粒子のうち、前記発泡層の前記第1部分に残留した加飾粒子を前記第2部分にかき落とす第2-2ステップと、
前記第2-2ステップで得られた前記発泡層を、前記発泡層の発泡開始温度より低い温度である第2温度で加熱して、前記発泡層の表面に前記複数の加飾粒子を融着させる第2-3ステップと、
を有する、発泡製品の製造方法。
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