カートリッジベースの注射および医療用シリンジシステムは、多くの場合、いくつかの例では無線接続性とともに内部圧力センサの統合を支持する一体型の電子機器を含む。いくつかの例では、カートリッジストッパ(栓と呼ばれることもある)が、圧力または力センサと、無線モジュールと、電力モジュールと、メモリを有するプロセッサとを含む自立型の電子アセンブリを含むことができる。たとえば、ストッパは、ストッパとは分離された挿入可能な電子アセンブリを受け入れることができる。ストッパは、たとえば、滅菌後にストッパまたはカートリッジ内へ組み入れることができる。電子アセンブリは、薬物送達デバイスの組立て前に構築され、薬物送達デバイスの最終組立て中にストッパ内に埋め込まれた自立型ユニットとすることができる。いくつかの例では、自立型の電子アセンブリにより、カートリッジ内の圧力またはストッパに印加された力の検出が有効になり、外部デバイスとペアリング(たとえば、Bluetoothまたは類似の無線プロトコルを介する)して、薬物送達動作中に測定した圧力または力を報告し、薬物送達動作が完了したか否か、および所期の用量の送達に成功したかどうかを判定することが有効になる。たとえば、無線モジュールを有する薬物送達デバイスは、スマートフォンまたはタブレットが薬物送達デバイスとペアリングして、注射が行われたことを確認すること、または排出された用量の確認を提供する内部圧力センサからの測定値を受信することを有効にすることができる。他の例では、電子アセンブリは、薬物送達デバイスのプランジャロッドまたは駆動機構内へ一体化されており、プランジャロッドによってカートリッジのストッパに印加される力を測定するように配置される。
薬物送達動作の失敗または未完了の検出には、課題が存在する。さらに、薬物送達デバイス内の圧力または力が正常化した(すなわち、内部構成要素が弛緩した)後にのみ、選択された用量を患者へ完全に送達することができるため、薬物送達動作が完了したことを検出することも重要である。本開示の例は、圧力または力センサを使用して薬物送達動作の品質を分析し、その品質の標示の生成を有効にすることを含む。いくつかの例では、この標示は、薬物送達動作中に感知された圧力または力に応じて薬物送達動作が完了し、薬物送達動作により薬剤の予期の用量が送達されたという確認を表す。薬物送達動作の完了は、内部圧力または力の正常化に基づいて検出可能であるが、薬剤の予期の用量が送達されたことを示す標示はより複雑であり、検出される力曲線の形状に依存する。たとえば、薬物送達デバイスの特定の一般的な障害モードの結果、薬物送達動作中に送達される薬剤がより少なくなり、またはゼロになる可能性がある。一例では、針または薬剤流体経路が閉塞される可能性があり、したがって後の薬物送達動作(たとえば、カートリッジ内のストッパに印加される力)が閉塞に打ち勝つことができない可能性があり、予期の用量より少ない(またはゼロの)量が送達される(いくつかの場合(たとえば、少ない用量から中程度の用量、自動システム)、この用量が使用者/患者に気づかれない可能性があり、典型的に用量不足が検出されないという危険がある)。
カートリッジに印加される力を測定するように位置する圧力または力センサは、閉塞の抵抗の結果、予期の圧力より高い圧力測定値を観察する。別の例では、薬物送達デバイスのプランジャロッドは、使用前はカートリッジのストッパに直接接していないことがある。この場合、薬物送達動作がプランジャロッドの事前設定された動きを伴うとき、プランジャロッドの全体的な変位のみに基づいて予期された値と比較すると、ストッパに接触する前のプランジャロッドの最初の動きは、送達された用量の低減に等しい。この例では、圧力または力センサが、圧力または力と、圧力または力がストッパに印加された時間とを測定し、その時間が予期の時間より短いこと、またはストッパに印加された力の経時積分が予期の時間より短いことを判定することができる。これらの検出方式の3つすべて(完了、閉塞、およびプライミング)について、より詳細に以下に論じるが、他の検出も可能である。たとえば、センサはまた、ペンの分解(力レベルの低下)を検出することができ、たとえば再利用可能なデバイスでは、カートリッジ交換事象を検出および記録すること、分解後に特有の動作(たとえば、プランジャのリセット)をとるべきであることを使用者に通知すること、または不十分なアセンブリの所期の分解について使用者に警告することができる。使い捨てデバイスの場合、センサは、偽造の検出および警告を提供する(たとえば、デバイスが不法に分解および再充填されているかどうかを検出する)ように構成することができる。
本開示のいくつかの例では、これらの課題に対する解決策は、薬物送達動作中に薬剤に印加される圧力を検出し、検出された圧力に基づいて、次に薬物送達動作の品質の標示を判定するようにストッパまたはプランジャロッド内に配置された圧力センサを伴う。追加として、いくつかの例では、第2の課題に対する解決策は、より詳細に以下に説明するように、位置センサを使用してストッパまたはプランジャロッドの位置を検出し、これを検出された圧力と比較して、薬物送達動作の品質の標示を判定することを伴う。
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では1つまたはそれ以上の薬学的に活性な化合物を記述するために使用される。以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つの低分子もしくは高分子またはそれらの組合せを含みうる。例示的な薬学的に活性な化合物としては、低分子;ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素);炭水化物および多糖;ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、ならびにオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。これらの薬物の1つまたはそれ以上の混合物も企図される。
「薬物送達デバイス」という用語は、薬物の体積を人体または動物体に投薬するように構成された任意のタイプのデバイスまたはシステムを包含するものである。体積は、典型的に、約0.5ml~約10mlの範囲とすることができる。限定されることなく、薬物送達デバイスは、シリンジ、針安全システム、ペン注射器、自動注射器、大容量性デバイス(LVD)、ポンプ、かん流システム、または薬物の皮下送達、筋肉内送達、もしくは血管内送達用に構成された他のデバイスでありうる。そのようなデバイスは、針を含むことが多く、針は、小ゲージ針(たとえば、約24ゲージ超、27、29、または31ゲージを含む)を含むことができる。
特有の薬物と組み合わせて、本明細書に記載するデバイスはまた、必要とされるパラメータ内で動作するようにカスタマイズすることができる。たとえば、特定の期間(たとえば、注射器の場合は約3~約20秒、LVDの場合は約5分~約60分)内、低レベルもしくは最小レベルの不快さ、または人的要因、保管寿命、有効期限、生体適合性、環境的考慮などに関係する特定の条件の範囲内とすることができる。そのような変動は、たとえば薬物の粘性が約3cP~約50cPの範囲に及ぶことなどの様々な要因によって生じる可能性がある。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージ、カートリッジ、または「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬学的に活性な化合物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの実施形態では、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの実施形態では、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの実施形態では、薬物容器は、薬物製剤の2つ以上の成分(たとえば、薬物と希釈剤、または2つの異なるタイプの薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。そのような実施形態では、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に薬物もしくは薬剤の2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
本発明に記載の薬物送達デバイスおよび薬物は、多くの異なるタイプの障害の治療および/または予防のために使用可能である。例示的な障害としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。さらなる例示的な障害は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。
糖尿病または糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のための例示的な薬物としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、もしくはそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「誘導体」という用語は、元の物質と実質的に同様の機能性または活性(たとえば、治療効果)を有するように、構造的に十分同様である任意の物質を指す。
例示的なインスリンアナログは、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28-B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
例示的なインスリン誘導体は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。例示的なGLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストは、たとえば:リキシセナチド/AVE0010/ZP10/リキスミア、エキセナチド/エキセンジン-4/バイエッタ/ビデュリオン/ITCA650/AC-2993(ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド/ビクトーザ、セマグルチド、タスポグルチド、シンクリア/アルビグルチド、デュラグルチド、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、TT-114、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
例示的なオリゴヌクレオチドは、たとえば:家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセン/キナムロである。
例示的なDPP4阻害剤は、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
例示的なホルモンとしては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
例示的な多糖としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20/シンビスク、ヒアルロン酸ナトリウムである。
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本発明に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
例示的な抗体は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
本明細書に記載の化合物は、(a)化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および(b)薬学的に許容可能な担体を含む医薬製剤に使用可能である。化合物は、1つもしくはそれ以上の他の活性医薬成分を含む医薬製剤、または本化合物もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩が唯一の活性成分である医薬製剤にも使用可能である。したがって、本開示の医薬製剤は、本明細書に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体を混合することによって作られる任意の製剤を包含する。
本明細書に記載のいずれの薬物の薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩は、たとえば、HClまたはHBr塩である。塩基性塩は、たとえば、アルカリもしくはアルカリ土類金属、たとえば、Na+、もしくはK+、またはCa2+、またはアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)、(式中、R1からR4は互いに独立して:水素、場合により置換されたC1~C6-アルキル基、場合により置換されたC2~C6-アルケニル基、場合により置換されたC6~C10-アリール基、または場合により置換されたC6~C10-ヘテロアリール基を意味する)から選択されるカチオンを有する塩である。薬学的に許容可能な塩のさらなる例は当業者には公知である。
薬学的に許容可能な溶媒和物は、たとえば、水和物またはメタノラート(methanolate)もしくはエタノラート(ethanolate)などのアルカノラート(alkanolate)である。
図1は、薬物送達デバイス100の分解図であり、薬物送達デバイス100は、使い捨てまたは再利用可能の薬物送達デバイスとすることができる。薬物送達デバイス100はハウジング110を含み、ハウジング110は、カートリッジ114およびカートリッジハウジング104を収容し、カートリッジハウジング104内にカートリッジ114が配置される。カートリッジ114の本体104内には栓またはストッパ200が配置されており、使用中に本体104内でストッパ200を前進させて、カートリッジ114から薬剤を排出することができる。カートリッジハウジング104にニードルアセンブリ115を取り付けることができる。ニードルアセンブリ115の針109は、使用前、内側ニードルキャップ116および外側ニードルキャップ117によって保護されており、外側ニードルキャップ117は、キャップ118によって覆うことができる。薬物送達デバイス100から排出すべき薬剤または薬物の用量は、投与量ノブ112を回すことによって選択され、選択された用量は、投与量窓またはディスプレイ113を介して表示される。
以下にさらに説明するように、薬物送達デバイス100は、1つまたはそれ以上の電子構成要素122、124を含むことができ、そのうちのいくつかを、たとえば自立型の電子アセンブリとして、カートリッジ114のストッパ200内に含むことができる。いくつかの例では、電子構成要素122、124は、薬物送達デバイスの他の部材内に位置しながら、電子構成要素122、124のセンサが、プランジャロッド106によってカートリッジ114のストッパ200に印加される力または薬物送達デバイスの駆動機構によって印加されるプランジャロッド106内の力を判定または測定することを有効にする。いくつかの例では、電子構成要素122、124は、たとえばストッパ200の外側に位置するが、印加された力を測定するためにプランジャロッド106上に力センサが配置される。他の例では、電子構成要素122、124は分離される。たとえば、ハウジング110内に位置する電子構成要素と電子通信するように、プランジャロッド106のヘッドとストッパ200との間に力または圧力センサを配置することができる。
薬物送達デバイス100の動作について続けると、投与量ノブ112を回すことで機械的クリック音が生じて、使用者に音響フィードバックを提供する。投与量ディスプレイ113内に表示される数字は、ハウジング110内に収容されたスリーブ上に印刷されており、カートリッジ114と相互作用するように構成されたプランジャと機械的に相互作用する。針109が患者に刺されて、次いで注射ボタン111が押されたとき、ディスプレイ113内に表示されている薬物用量が、薬物送達デバイス100から排出される。注射中、プランジャアームの輪郭として示されている駆動機構106が、ストッパ200をカートリッジ114内へ駆動して薬物を排出させる。ストッパ200は、流体および気体がカートリッジ114の内外に漏れることを防止するためのバリアとして作用し、H2Oおよび他の流体の蒸発を防止することができる。いくつかの実施形態では、封止機能は、容器の壁に接触している弾性封止要素によって提供されるが、それでもなおストッパ200が滑ることは可能である。注射ボタン111が押された後、薬物送達デバイス100の針109が特定の時間にわたって患者の皮膚の中に留まったとき、用量の大部分が実際に患者の体内へ注射されている。いくつかの例では、薬物送達デバイス100は、一度だけ使用されるまたは使い捨てのデバイスであり、薬物送達デバイス100内で使用される電子構成要素122、124は、一度だけ使用されるまたは使い捨ての薬物送達デバイス内で類似の機能とともに同様に存在しうることが、当業者には理解されよう。
図2Aは、薬物送達デバイス100のストッパ200の一実施形態の断面図である。ストッパ200は、電子デバイス122、124を収容するシェル202およびコア204を含み、いくつかの実施形態では、電子デバイス122、124は、コア204の材料に埋め込まれている。いくつかの例では、コア204は、製造後にストッパ200のシェル202内へ挿入されるように構成される。たとえば、コア204は、シェルが薬物送達デバイス100のカートリッジ114内に配置された後に、シェル202内へ挿入することができる。他の例では、シェル202は、電子デバイス122、124を有するコア204とともに組立てられ、後にカートリッジ114内へ挿入される。いくつかの例では、シェル202は、シェル202がカートリッジ114内へ挿入されるときにカートリッジ114の内面との封止インターフェースを提供するように配置された封止要素208(たとえば、Oリング)を含む。いくつかの例では、シェル202およびコア204は、電子デバイス122、124の有無にかかわらず、単一の構成要素として製造される。
いくつかの例では、シェル202およびコア204の材料は、センサ信号を通過させることができるように選択される。たとえば、ポリマーもしくはセラミックのような非金属材料、または非常に薄い金属(たとえば、厚さ0.1mm未満)を使用することができる。電子デバイス122、124は、たとえばセンサ、エネルギー源、マイクロコントローラ、および/または無線トランシーバを含むことができる。電子デバイス122、124は代表例にすぎない。任意の数の電子デバイスが存在することができる。センサは、たとえば圧電抵抗歪みゲージ、容量ダイアフラムおよび圧力キャビティ、電磁デバイス、または圧電デバイスなどの圧力感知または力感知デバイスとすることができる。圧力または力センサは、プランジャロッド106によってストッパ200に印加された力、またはストッパ200によってカートリッジ114内の薬剤に印加された力に応答して、信号を生成することができ、いくつかの実施形態では、この力は、薬物送達動作中にストッパ200によってカートリッジ114から駆動される薬剤の量を判定するために、または注射が実施されたかどうか、完了したかどうか、もしくは薬物送達動作中に可能性のある複数の異なる障害が発生したかどうかを判定するために使用される。いくつかの実施形態では、位置センサもまた、カートリッジ114内のストッパ200の位置またはカートリッジ114もしくはストッパ200に対するプランジャロッド106の位置を感知するために含まれる。注射前後のストッパ200の位置は、カートリッジ114内に残っている薬剤の体積の変化に対応しており、カートリッジ114から排出された薬剤の体積または用量を示すことができる。薬物送達動作の経過中にストッパに印加される力の形状が予期の値に密接に一致することを条件として、プランジャ106によってストッパ200に印加される力もまた、カートリッジ114内に残っている薬剤の体積の変化に対応しており、カートリッジ114から排出された薬剤の体積または用量を示すことができる。
いくつかの実施形態では、圧力もしくは力および/または位置センサによって受信された応答は、コントローラ(たとえば、ストッパ200内または薬物送達デバイス100内の他の場所に位置するプロセッサ)へ提供され、コントローラは、この応答を受信し、カートリッジ114の状態を計算することができる。カートリッジ114の状態は、ストッパ200の位置または薬物送達動作の品質の標示に対応することができる。
いくつかの実施形態では、エネルギー源は、電池または他のエネルギー貯蔵デバイスである。無線モジュールは、外部電子デバイスならびにセンサと通信することができる。外部電子デバイスは、コントローラ、スマートフォン、タブレット、またはコンピュータとすることができ、センサから受信したデータを外部データベースへ通信することができる。外部デバイスとの通信は、一方向または双方向とすることができる。センサデバイスから外部データベースへ転送されたデータは、デバイスの識別に関係する情報(たとえば、固有の番号)、較正データ、生産ロット情報、デバイス材料情報、収納時間および生産時間に関係するデータ、ならびにセンサ測定に関係する情報(たとえば、測定時間、温度、距離などのセンサ測定結果、光信号、および音響信号など)を含むことができる。無線モジュールは、たとえばBluetooth、NFC、または無線周波数を含む任意の知られている無線通信技法を使用して通信することができる。
いくつかの実施形態では、ストッパ200のシェル202は、金属、ポリマー(たとえば、COC、PA、PP、PE、POM、PS、ABS、COPなど)、ガラス、またはセラミックなどの材料から構築される。いくつかの実施形態では、電子デバイス(または電子アセンブリ)122、124は、センサ、電源(たとえば、電池)、コントローラまたはプロセッサ、無線通信モジュール(たとえば、Bluetooth、NFC、Bluetooth LE、任意のRF、IrDA)、メモリ、オンオフスイッチ、感熱要素、圧力または力センサなどのうちの1つまたはそれ以上を含む。いくつかの実施形態では、電子デバイス122、124は、たとえば、薬物送達デバイス100の組立て中に薬物送達デバイス100の構成要素(たとえば、駆動機構106からの力)によるストッパ200との接触によって電子デバイス122、124をトリガするように構成されたオンオフ機構を含む。いくつかの例では、オンオフ機構は圧力または力センサである。
図2Bは、ストッパ200の上面図である。シェル202は、コア204を取り囲み、封止要素208と連係しており、封止要素208は、ストッパ200がカートリッジ114内へ導入されたとき、カートリッジ114との封止インターフェースを形成する。封止インターフェースは、薬物送達デバイス100によって送達される薬剤の滅菌性を維持するために、カートリッジ114内に滅菌バリアの少なくとも一部を形成することができる。
図2Cは、カートリッジ114内に配置されたストッパ200の断面図である。示されているストッパ200の様々な機能は、図2Aおよび図2Bに関連して上記で説明した。カートリッジ114は、ストッパ200の封止要素208と連係してカートリッジ114の開端を封止するハウジング602を含む。いくつかの実施形態では、カートリッジ114のキャップ604とストッパ200のシェル202との間の空間内に薬剤が配置される。
いくつかの実施形態では、ストッパ200(たとえば、カートリッジ114内の薬剤)に印加される圧力またはプランジャロッド106内の力を測定するために、異なる測定方法が使用される。いくつかの例では、ストッパ200にかかるプランジャ106の力を受けるように位置するセンサによって測定信号が生成され、測定信号は、プランジャロッド106の無運動(null movement)に対するストッパ200の力とともに変化する。この無運動は、薬物送達動作の開始前のプランジャロッド106によるストッパ200に対する静止圧力を表すことができる。様々な圧力または力センサにより、ストッパ200にかかる圧力もしくは力またはプランジャロッド106内の力(たとえば、応力)の検出が有効になることが、当業者には理解されよう。いくつかの場合、たとえば、圧力または力センサは歪みゲージであり、または静電容量の変化を使用して測定信号を生成するダイアフラム型センサである。
いくつかの実施形態では、ストッパ200の位置を測定するために、異なる測定方法が使用される。システムまたはカートリッジ114内の固定位置に対するストッパ200の動きとともに変化する特定の信号が生成される。この固定位置は、カートリッジ114の内側とすることができる。いくつかの場合、たとえば、固定位置は、カートリッジ114のセプタム区域またはカートリッジ114の別の剛壁上である。別法として、固定基準を提供する目的で、カートリッジ内へ要素を導入することができる。他の実施形態では、固定基準は、薬物送達デバイス100のハウジング上など、カートリッジの外側とすることもできる。いくつかの実施形態では、センサは、光源(たとえば、LED)から固定区域へ光を送り出し、再放出された光を光検出器によって受信することによって、光信号の変化を測定する。再放出の強度は、距離に相関することができる。別の可能性は、信号(たとえば、音響信号)が送信器から固定位置へ移動し、送信器付近に位置する受信器に戻るために必要とされる時間の変化を測定することである。別の実施形態では、動いているストッパ200内の受信器へ固定位置から信号(光、音響、容量など)を送り出して、ストッパの移動中の信号の変化を測定し、この変化をカートリッジ114内のストッパ位置に相関させることができる。
例示的な位置感知動作では、送信器(たとえば、電子デバイス122、124のうちの1つ、または電子アセンブリ340の位置センサ342の構成要素)は、第1の時間t1に音波を伝送する。第1の時間t1(たとえば、音波の伝送時間)は、外部デバイスへ提供することができる。音波は、ストッパ200内の送信器からカートリッジ114の遠位端(すなわち、キャップ604を有する端部)の方へ伝播し、カートリッジ114の表面またはカートリッジ114の遠位端内に配置された反射器から反射される(たとえば、跳ね返る)。音波の反射(たとえば、反射波)は、カートリッジ114の遠位端からストッパ200内のセンサの方へ伝播する。反射波は、第2の時間t2に受信される。音波の速度は、カートリッジ114内の薬剤中の周知の音の速度Sである。音波の伝送と受信との間の経過時間は、t2-t1である。経過時間に音の速度を掛けて、波が送信器からカートリッジ114の遠位端へ移動し、センサへ戻った距離を判定する。移動距離を2で割って、ストッパ200とカートリッジ114の遠位端との間の距離Dを判定する。判定された距離にカートリッジ114の断面積Aを掛けることによって、カートリッジ114内の薬剤の体積V(たとえば、カートリッジ114内でストッパ200と遠位端との間に密閉されている薬剤の体積)を判定する。したがって、V=A*(t2-t1)*S/2である。薬物送達動作前後のカートリッジ114内の薬剤の判定された体積の検出された差が、患者へ投与された用量に対応する。
図3は、電子アセンブリ340の内部構成要素の概略断面図であり、電子アセンブリ340は、たとえば図1に示す電子構成要素122、124とすることができる。ストッパ200内に配置された電子アセンブリ340が示されており、ストッパ200自体は、カートリッジ114の開端内に設置されている。電子アセンブリ340は、圧力または力センサ341、位置センサ342、プロセッサ343、メモリ344、無線モジュール345、および電力モジュール346を含む。圧力または力センサ341および位置センサ342は、電子アセンブリ内に配置されており、したがって電子アセンブリ340がストッパ200内に配置されたとき、位置センサ342は、カートリッジ114の内部体積303との間で感知信号を送信および受信することができ、または他の方法でストッパ200もしくはプランジャロッド106の位置を検出することができ、圧力または力センサ341は、薬物送達デバイス100のプランジャ106を介してストッパ200(または電子アセンブリ)に印加される力を測定することができ、または他の方法でプランジャロッド106もしくは駆動機構内の圧力を検出することができる。プロセッサ343は、電子アセンブリ340のすべての要素に動作可能に連結されており、圧力センサ341、位置センサ342、および無線モジュール345の起動を制御する。メモリ344は、以下の図に関連してより詳細に論じるように、上述した電子アセンブリ340の構成要素を動作させる際にプロセッサ343によって使用される命令を記憶する。
図3は、圧力または力センサ341が電子アセンブリ340に一体化されているストッパ200内の電子アセンブリ340を示すが、他の例では、圧力または力センサ341は、電子アセンブリの外部に位置する(たとえば、プランジャロッド106との接点に位置し、プランジャロッド106自体に取り付けられ、またはプランジャロッド106に力を印加するように配置された薬物送達デバイス100の駆動機構内に位置する)。追加として、図3は、ストッパ200内の電子アセンブリ340を示しているが、電子アセンブリ340は、内部圧力または力センサ341の有無にかかわらず、圧力または力センサ341から信号を受信することができるように、薬物送達デバイス100内の任意の場所に位置することができることが、当業者には理解されよう。
動作の際、無線モジュール345は、外部電子デバイスと通信して電子アセンブリ340からの情報を通信するように構成される。電力モジュール346は、電子アセンブリ340のすべての構成要素へ電力を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、電子アセンブリ340は、たとえばスマートフォンから近距離通信プロトコル(NFC)信号を介して、またはモジュール346へエネルギーを提供するために他の誘導性装荷手段を有する典型的な無線充電デバイスによって、電力を無線で受信するように構成された容量性回路を含む容量性デバイスを含む。
図3は、無線モジュールを含む電子アセンブリ340を示しているが、いくつかの例では、無線接続性が存在せず、薬物送達デバイスまたは電子アセンブリ自体が、視覚的もしくは可聴的に使用者に警報し、または特定の情報を使用者へ提供するように構成された警報機構を収容する。たとえば、代表的な警報機構は、感知された圧力または力信号および薬物送達動作の品質の判定された標示に基づいて異なる色を使用者に照明するように配置されたディスプレイまたは一連のLED光とすることができる。たとえば、青色光は、デバイスをすぐに使用できることを示すことができ、橙色光は、薬物送達デバイスが薬物送達動作を行っている間に照明することができ、次いで緑色または赤色光が、薬物送達動作の完了を感知したとき、それぞれ送達動作の成功または失敗を示すために点灯することができる。他の例では、警報機構は、視覚警報機構と同じまたは異なる情報を伝えるために、異なる音またはビープを生じさせることができる。
図4Aは、薬物送達デバイス100内に配置されるように構成されたストッパ200内の電子アセンブリ340の断面図である。ストッパ200は、電子アセンブリ340を保持するシェル402と、電子アセンブリ340をストッパ200内へ封止するように構成されたキャップ410とを含む。図4Aは、薬剤がカートリッジ114の内部体積303内に充填される前、またはカートリッジ114が薬物送達デバイス100内に設置される前、カートリッジ114の組立て中にキャップ410が設置(497)されているところを示す。このようにして、図4Aは組立て工程を表し、いくつかの例では、電子アセンブリ340は、圧力もしくは力センサ341または位置センサ342を使用してストッパ200の動きまたはストッパ200に印加される力を検出することで、ストッパ200または薬物送達デバイス100の組立てを検出するように構成され、ストッパ200の動きまたはストッパ200に印加される力は、薬物送達デバイスまたはカートリッジ114をすぐに使用できることを示す。
図4Aで、電子アセンブリ340は、圧力もしくは力センサ341または位置センサ341がカートリッジ114をすぐに使用できることを検出するまで、低電力状態とすることができる。いくつかの実施形態では、圧力または力センサ341は、図4Bに示すように、ストッパ200または薬物送達デバイス100内に設置されることによって電子アセンブリ340をトリガするための起動機構になるように構成される。
図4Bは、すぐに使用できる構成の薬物送達デバイス100内に配置された電子アセンブリ340およびストッパ200の断面図である。図4Bは、カートリッジ114およびストッパ200が電子アセンブリ340を収容し、カートリッジ114が薬物送達デバイス100内に設置され、プランジャ106が、ストッパ200および電子アセンブリ340をカートリッジ114内へ駆動するように配置されているところを示す。キャップ410は、電子アセンブリ340をストッパ200の内部領域内に封止している。カートリッジ114の内部体積303は、薬剤40で充填されており、いくつかの例では、電子アセンブリ340は、内部体積303内のストッパ200の位置を感知することができる(感知信号471を介する)。
図4Bで、プランジャ106は、カートリッジ114を収容する薬物送達デバイス100のアクチュエータまたは駆動機構によって駆動される。動作の際、プランジャ106をストッパ200に対して駆動し(矢印498によって示す)、力を印加してストッパ200をカートリッジ114内へ動かし、薬剤40の一部分をカートリッジ114から駆動する。この例では、電子アセンブリの圧力または力センサ341は、キャップ410がプランジャロッド106から電子アセンブリ340へ圧力または力を伝送する箇所471で、圧力または力を感知するように配置される。他の例では、ストッパ200はキャップを有しておらず、プランジャロッド106は電子アセンブリに直接作用する。他の例では、圧力または力センサ341は、電子アセンブリから離れており、たとえばストッパ200とプランジャロッド106との間に位置し、またはプランジャロッド106によってストッパ200もしくは薬剤40に印加される力を測定するのに好適な任意の他の箇所に位置する。
図4Cは、薬物送達動作後の電子アセンブリ340、ストッパ200、および薬物送達デバイス100の断面図である。図4Cは、薬物送達デバイス100のプランジャ106がストッパ200に接触し、ストッパ200をカートリッジ114内へ駆動して(矢印499によって示す)、薬物送達動作(たとえば、針109を介した注射)を行っているところを示す。動作の際、図4Bと図4Cとの間のプランジャロッド106は、圧力または力の感知箇所470でストッパ200に特定の力プロファイルを印加して、図4Cに示す箇所にストッパを位置決めし、さらにこの動きにより、薬剤40の一部分をカートリッジ114から駆動する。圧力または力センサ341は、ストッパ200が示されている箇所へ動く間に、箇所471の力を表す信号を生成するように配置される。このようにして、圧力または力センサ341は、電子アセンブリ340が薬物送達動作の品質を判定することが有効になるように、その箇所470における圧力または力の時間履歴を電子アセンブリ340へ提供する。追加として、いくつかの実施形態では、感知信号471は、電子アセンブリ340によって処理され、電子アセンブリ340は、示されている薬物送達動作後のストッパ200の動きまたはカートリッジ114の充填レベルを検出する。電子アセンブリ340は、感知したストッパ200の位置を使用して、たとえば感知したストッパ200の位置の変化に基づいて、薬剤40がカートリッジ114から駆動された用量を正確に測定することによって、薬物送達動作の品質の標示の検出をさらに改善することができる。追加として、いくつかの例では、注射の検出に応答して、電子アセンブリ340の無線モジュールを短時間だけ起動して、外部デバイス480とのペアリングを有効にする。
図4Cは、外部デバイス480が電子アセンブリ340との無線通信481を開始し、電子アセンブリ340の無線モジュールが戻り無線通信482に応答しているところを示す。いくつかの例では、外部デバイス480への戻り無線通信482は、カートリッジ114内のストッパ200の位置の検出された変化、薬物送達動作中に感知された圧力または力、および薬物送達動作の品質の標示を含む。いくつかの例では、戻り無線通信482は、力または位置の検出された変化の履歴を含み、それにより外部デバイス480が、カートリッジ114または薬物送達デバイス100の以前の薬物送達履歴のすべてまたは一部分を受信することが有効になる。検出された変化の履歴は、たとえば、前の変化、複数の前の変化(たとえば、特定の数または特定の期間)、または検出された変化の完全な履歴を含むことができる。いくつかの例では、戻り無線通信482は、位置情報、電子アセンブリ340のメモリ344によって記憶されている感知された位置履歴、電子アセンブリ340によって判定された薬物送達動作の品質の標示、または前の薬物送達動作の標示の履歴を含む。
いくつかの例では、戻り無線通信482は、薬剤、カートリッジ、または薬物送達デバイスのバッチまたは有効期限情報を含む。戻り無線通信482はまた、電子アセンブリ340のいずれかまたはすべての構成要素によって感知、検出、または判定された任意の他のパラメータまたは変化を含むことができる。いくつかの実施形態では、戻り無線通信482は、電力残量など、電子アセンブリまたは電子アセンブリの特定の構成要素の状態を含む。いくつかの例では、プランジャ106はシリンジのプランジャであり、カートリッジ114はシリンジハウジング(たとえば、一度だけ使用される薬物送達デバイス)である。
図5は、薬物送達動作前の構成にある電子アセンブリ340、ストッパ201、および薬物送達デバイス100の断面図であり、薬物送達デバイス100は警報機構541を有する。図5は、電子アセンブリ340がストッパ200の外部で薬物送達デバイス100のハウジング110内に位置するところを示す。追加として、圧力または力センサ341が、電子アセンブリ340への電気接続543によって、プランジャロッド106によってストッパ200に印加される応力または力を感知するように、プランジャロッド106上に位置する。ここでストッパ201は、上記で示したように、内部電子アセンブリを有していない一般的なカートリッジストッパである。図5はまた、上述したプライミング間隙状態を示し、プランジャロッド106のヘッド506は、ストッパ201から距離540をあけて隔置されており、したがってプランジャロッド106の最初の動きにより、プランジャロッド106が変位するが、ストッパ201には力が印加されない。いくつかの例では、電子アセンブリ340はまた、用量設定機構(たとえば、投与量ノブ112)の位置を検出するように構成されたセンサから信号を受信し、それにより電子アセンブリは、薬物送達デバイス100が薬物送達動作で送達しようとする予期の用量を認識することが有効になる。異なる用量を送達することが可能な薬物送達デバイス100では、こうした用量設定機構の位置の感知(または単に設定用量に対応する信号の一般的な受信)により、電子アセンブリは、感知された圧力または力が、設定用量に対応する予期の感知圧力または力に対応するかどうかを判定することが有効になる。
図5で、プランジャ106は、カートリッジ114から排出すべき薬剤40の用量に基づいて、所定の距離でカートリッジ114を収容するように、薬物送達デバイス100のアクチュエータまたは駆動機構によって駆動される。動作の際、プランジャ106をストッパ200に対して駆動し(矢印498によって示す)、箇所506で力を印加して、ストッパ201をカートリッジ114内へ動かし、薬剤40の一部分をカートリッジ114から駆動する。圧力または力センサ341は、薬物送達動作中にプランジャロッド106内の応力を感知し、測定した応力を電子アセンブリ340へ提供し、次いで薬物送達動作の品質を判定するように配置され、上記で論じた警報信号542を薬物送達デバイス100の使用者へ提供するように警報機構541を動作させる。
図6は、上記で論じた薬物送達デバイス100の薬物送達動作中に感知された圧力または力の力と時間との関係を示すグラフである。図6は、3つの異なる薬物送達動作中に感知された圧力または力601と時間602との関係を示す。第1の薬物送達動作(太線)で、感知された力610は、最初に解放力(break-loose force)603でピークに達し、解放力603は、カートリッジ114内のストッパ200の動き始めを表す。時間を進めると、感知された力610は、ストッパ200がプランジャロッド106の力を受けてカートリッジ114内を動くにつれて減少し、この例では、ストッパ200はその後、時間620でカートリッジ114の末端に到達し、この時点で、プランジャロッド106の全力621が感知された力610にあることが示されている。最後に、駆動機構および薬物送達デバイス100は弛緩し(605)、その後、感知された圧力または力610は、時間622で再び正常化し(たとえば、最初の値に戻る)、これは薬物送達動作の完了を示す。第2の薬物送達動作(細い点線)で、感知された力611は、たとえばプランジャロッド106によるストッパ200への接触が遅延した結果、第1の薬物送達動作の感知された力610より遅れて上昇する。感知された圧力または力611の上昇の遅延および感知された圧力または力611による解放力603への到達の遅延は、最初に感知された公称の圧力または力611に対して明らかに識別可能である。第3の薬物送達動作(太い点線)で、感知された力612は、薬物送達動作中に解放力603を越えて上昇し、その後、感知された圧力または力612は、プランジャロッド106の全力621でピークに達する。この第3の薬物送達動作で、感知された力612が引き続き上昇することは、薬物送達動作中にストッパ200に大きい力が印加されたことを示し、これは、ストッパ200がカートリッジ114内で動かなかったこと、またはストッパ200の動きに対して余分の抵抗が存在したことを示し、これは、たとえばカートリッジ114からの針109または薬物送達経路の閉塞または詰まりに起因する可能性がある。
動作の際、電子アセンブリ340は、感知された圧力または力610、611、612を受信し、感知された圧力または力610、611、612で生じた各薬物送達動作の品質の標示を判定する。たとえば、メモリ344は、正常な薬物送達動作の正常な圧力曲線を記憶することができ(たとえば、関数または異なる時点の複数の圧力値として)、プロセッサ343は、感知された圧力610、611、612を薬物送達動作の異なる時点の正常な圧力曲線と比較して、第2の薬物送達動作におけるプライミング間隙および第3の薬物送達動作における閉塞を検出する。電子アセンブリ340は、感知された圧力610、611、612に対応する薬物送達動作の品質の標示を生成し、この標示は、それぞれ正常なプライミング間隙および閉塞時の品質を表す。
図7Aおよび図7Bは、感知された圧力に基づいて薬物送達動作の状態を判定する方法700を示す流れ図である。いくつかの例では、方法700は、電子アセンブリ340のメモリ344にコード化された一連の命令を含む。第1の工程720で、上述したように、薬物送達動作中に圧力センサ341が起動され、薬物送達デバイス100から薬剤の設定用量が投薬される間に、たとえばストッパ200または駆動機構106にかかる感知された圧力に対応する測定信号が生成される。次の工程730で、圧力センサ341は、測定信号をプロセッサ343へ提供し、プロセッサ343は、次の工程740で、受信した測定信号に基づいて、薬剤40の用量が薬物送達デバイス100から排出されたかどうかを判定する。工程740の判定は、予期の値に対する異なる比較に基づいて行うこともできる。たとえば、第1の態様では、工程740の比較は、薬物送達デバイス100の使用者によって設定された実際の用量の標示を含む用量信号を用量選択機構112から受信する第1の工程741を含む。次の工程742で、受信した用量の標示に基づいて、基準値(たとえば、予期の圧力信号)が計算される。別法として、第2の態様では、工程740の比較は、圧力信号に対する記憶された基準値を受信する単一の工程749を含む。たとえば、薬物送達デバイス100が単一用量のデバイスである場合、用量投薬動作の成功に対して、単一の範囲の予期の圧力信号が存在する。
他の例では、可能性のある様々な用量に基づいて、予期の範囲の圧力信号が存在する。いずれの態様でも、位置センサ342を使用して、基準信号の1つまたはそれ以上の値の計算または参照を支援することができる。いずれの態様でも、図7Bに示すように、受信した測定信号を基準値と比較する最終工程780を行って、可能性のある1つまたはそれ以上の障害が比較によって示されるかどうかを識別する。図7Aを引き続き参照すると、工程790で、比較工程780の結果を使用して、薬物送達標示を生成する。たとえば、比較が特有の公差範囲内であった場合、注射または薬物送達の成功を示すことができ、そうでなければ、たとえば注射の未完了または失敗、ならびに障害に対する可能性のある理由(たとえば、閉塞またはプライミング間隙)を示すことができる。いくつかの例では、薬物送達標示は、薬物送達動作中に排出された薬剤の用量の推定または計算を含むことができる。最後に、工程791で、薬物送達標示を使用して、警報機構541を起動し、または工程792で、薬物送達標示を外部デバイス480へ伝送して、使用者への薬物送達標示の情報の提示および/もしくは薬物送達標示の記憶を行う。
図7Bは、工程780で様々な薬物送達標示を判定するために行われる工程の流れ図である。たとえば、工程781で、工程742または749からの予期の圧力が、圧力センサ341によって生成された最大圧力信号と比較され、受信した最大圧力が早すぎる段階で生じた場合、または薬物送達動作の予期の終了後に長く残りすぎた場合(たとえば、図6のトレース612参照)、工程784で流体経路閉塞状態が検出される。工程782で、薬物送達動作の開始と受信された圧力信号の増大との間の時間遅延を最初に計算することによって、別の障害モード、すなわちプライミング間隙が検出される。プライミング間隙の存在は、工程785で、薬物送達動作の開始と圧力信号の増大との間の時間遅延の長さの存在(たとえば、図6の遅延604参照)に基づいて検出される。追加として、検出工程780は、所望の用量のすべての薬剤が薬物送達デバイス100から排出されるように、注射の終了時に駆動機構106が弛緩したことを判定する能力を含むことができる。薬物送達デバイス100が薬物送達後に弛緩したことを判定するために、薬物送達動作の終了時に受信した圧力信号を予期の最小圧力と比較する工程783が行われる。次に、工程786で、受信信号の最小圧力が薬物送達動作の完了をいつ示したか、および受信信号の最小圧力が薬物送達動作の完了を示したかどうかに関する判定が行われる。いくつかの態様では、工程786のこの判定は、薬物送達動作の完了を示す警報を使用者へ生成するために、実時間で行われる。
図8は、例示的なコンピュータシステム800のブロック図である。たとえば、使用者はコンピュータシステムを使用して電子アセンブリ340と通信することができるため、本明細書に記載する電子アセンブリ340の一例は図3を参照されたい。システム800は、プロセッサ810、メモリ820、記憶デバイス830、および1つまたはそれ以上の入出力インターフェースデバイス840を含む。構成要素810、820、830、および840はそれぞれ、たとえばシステムバス850を使用して相互接続することができる。
プロセッサ810は、システム800内の実行のために命令を処理することが可能である。本明細書で使用される「実行」という用語は、プログラムコードによってプロセッサに1つまたはそれ以上のプロセッサ命令を実施させる技法を指す。いくつかの実装では、プロセッサ810はシングルスレッドプロセッサである。いくつかの実装では、プロセッサ810はマルチスレッドプロセッサである。いくつかの実装では、プロセッサ810は量子コンピュータである。プロセッサ810は、メモリ820内または記憶デバイス830上に記憶されている命令を処理することが可能である。プロセッサ810は、圧力センサ信号の処理および薬物送達動作の品質の判定などの動作を実行することができる。
メモリ820は、システム800内に情報を記憶する。いくつかの実装では、メモリ820はコンピュータ可読媒体である。いくつかの実装では、メモリ820は揮発性メモリユニットである。いくつかの実装では、メモリ820は不揮発性メモリユニットである。
記憶デバイス830は、システム800のための大容量記憶を提供することが可能である。いくつかの実装では、記憶デバイス830は非一時的なコンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装で、記憶デバイス830は、たとえばハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、ソリッドステートドライブ、フラッシュドライブ、磁気テープ、または他の大容量記憶デバイスを含むことができる。いくつかの実装では、記憶デバイス830は、クラウド記憶デバイス、たとえばネットワーク上に分散させた1つまたはそれ以上の物理記憶デバイスを含む論理記憶デバイスとすることができ、ネットワークを使用して外部電子デバイス480との通信を介してアクセスすることができる。いくつかの例では、記憶デバイスは、圧力もしくは力の基準値、薬物送達デバイスの識別、薬剤の識別もしくは有効期限、または薬物送達デバイス100内の1つもしくはそれ以上のセンサ(たとえば、位置センサまたは圧力もしくは力センサ341)の履歴などの長期データを記憶することができる。入出力インターフェースデバイス840は、システム800のための入出力動作を提供する。いくつかの実装では、入出力インターフェースデバイス840は、ネットワークインターフェースデバイス、たとえばイーサネットインターフェース、シリアル通信デバイス、たとえばRS-232インターフェース、および/または無線インターフェースデバイス、たとえば802.11インターフェース、3G無線モデム、4G無線モデムなどのうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。ネットワークインターフェースデバイスにより、システム800は、図4Cに示すように、たとえば戻り無線通信482を使用して、薬物送達デバイスの識別、薬剤の識別もしくは有効期限、圧力もしくは力信号、または薬物送達動作の品質の標示などのデータを通信、たとえば伝送および受信することが可能になる。いくつかの実装では、入出力デバイスは、入力データを受信し、出力データを他の入出力デバイス、たとえばキーボード、プリンタ、および表示デバイス860へ送信するように構成されたドライバデバイスを含むことができる。いくつかの実装では、移動演算デバイス、移動通信デバイス、および他のデバイスを使用することもできる。
図7を参照すると、圧力または力の感知および検出方法は、実行されたとき、1つまたはそれ以上の処理デバイスに、上記のプロセスおよび機能、たとえば圧力または力センサデータの処理を実施させる命令によって実現することができる。そのような命令は、たとえば、スクリプト命令などの解釈済み命令、もしくは実行可能コード、またはコンピュータ可読媒体内に記憶されている他の命令を含むことができる。
図3に示す電子アセンブリ340の態様は、サーバファームもしくは1組の広く分散させたサーバなどのネットワーク上で分散的に実施することができ、または互いに連係して動作する複数の分散させたデバイスを含む単一の仮想デバイス内で実施することができる。たとえば、これらのデバイスのうちの1つが、他のデバイスを制御することができ、これらのデバイスは、1組の連係規則もしくはプロトコル下で動作することができ、またはこれらのデバイスは、別の方式で連係することができる。複数の分散させたデバイスの連係動作により、単一のデバイスとして動作する外観が提示される。
いくつかの例では、システム800は、単一の集積回路パッケージ内に収容される。この種のシステム800は、マイクロコントローラと呼ばれることがあり、プロセッサ810と1つまたはそれ以上の他の構成要素との両方が、単一の集積回路パッケージ内に収容され、かつ/または単一の集積回路として製作される。いくつかの実装では、集積回路パッケージは、たとえば入出力インターフェースデバイス840のうちの1つまたはそれ以上との間で信号を通信するために使用することができる入出力ポートに対応するピンを含む。
例示的な処理システムについて、図6および図7に説明したが、上述した主題および機能動作の実装は、本明細書に開示する構造およびその構造的均等物を含む他のタイプのデジタル電子回路、もしくはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアで、またはこれらの1つもしくはそれ以上の組合せで実施することができる。アーティファクトの記憶、維持、および表示などの本明細書に記載する主題の実装は、処理システムによる実行または処理システムの動作の制御のために、1つまたはそれ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち有形のプログラムキャリア、たとえばコンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたはそれ以上のモジュールとして実施することができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、またはそれらの1つもしくはそれ以上の組合せとすることができる。
「システム」という用語は、例としてプログラム可能プロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するすべての装置、デバイス、および機械を包含することができる。処理システムは、ハードウェアに対する追加として、当該コンピュータプログラムに対する実行環境を生み出すコード、たとえばプロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはこれらの1つもしくはそれ以上の組合せを構成するコードを含むことができる。
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、実行可能論理、またはコードとしても知られている)は、コンパイル済みもしくは解釈済み言語または宣言型もしくは手続き型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、演算環境で使用するのに好適な独立型プログラムまたはモジュール、構成要素、サブルーチン、もしくは他のユニットを含む任意の形態で導入することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラムもしくはデータ(たとえば、マークアップ言語文書内に記憶された1つまたはそれ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部分、当該プログラム専用の単一のファイル、または複数の連係ファイル(たとえば、1つまたはそれ以上のモジュール、サブプログラム、またはコード部分を記憶するファイル)に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つの箇所に位置する複数のコンピュータ、もしくは複数の箇所に分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように導入することができる。
コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに好適なコンピュータ可読媒体は、任意の形態の不揮発性または揮発性のメモリ、媒体、およびメモリデバイスを含み、例として、半導体メモリデバイス、たとえばEPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、たとえば内部ハードディスクもしくは取外し可能ディスクまたは磁気テープ;光磁気ディスク;ならびにCD-ROM、DVD-ROM、およびBlu-Rayディスクを含む。プロセッサおよびメモリは、特殊目的論理回路によって補完することができ、または特殊目的論理回路内に組み込むことができる。
リチウムイオン、ニッケル金属水素、ニッケル-カドミウム、空気亜鉛などの技術を使用して、たとえば電池または他の電力貯蔵デバイスを含むことができる電力モジュール(PM)を使用してカートリッジシステム(たとえば、本明細書に開示したもの)内の電子回路へ提供されるエネルギーの使用を必要とするデバイスおよび動作について上記で説明した。
上記で開示したシステムの態様により、医療用注射器が、含まれている電子構成要素(たとえば、RFID、センサ)の付属物を用いた「スマート」技術を利用して、薬物送達デバイス(たとえば、ペン型注射器)のカートリッジに特定の機能を与えることが有効になる。電子機器をカートリッジのストッパに一体化したとき、1つまたはそれ以上の構成要素(たとえば、注射器またはカートリッジの特定の特性を測定するセンサ)を活動状態にすることができ、それにはエネルギー源が必要とされ、エネルギー源は典型的には電池とすることができる。1つの代替手段は、電池の代わりの電源代用品としてエネルギーハーベスティング手段を使用することである。
本開示の実施形態はまた、カートリッジを使用することがでない充填済みの単一および2つのチャンバを有するシリンジに適用することもできる。カートリッジのストッパ内の電子アセンブリに関して上述した例は、使い捨ての充填済みシリンジまたは再利用可能/再充填可能カートリッジなどの他の薬物容器とともに使用することもできる。いくつかの例では、電子アセンブリは、電子アセンブリが注射後にカートリッジまたはシリンジの充填レベルの変化を感知することが有効になるように、カートリッジまたは薬物送達デバイス内に収容される。いくつかの例では、電子アセンブリの構成要素は、ストッパの外側またはカートリッジもしくは薬物送達デバイスの異なる部材内に位置する。
記載した機能のうちのいくつかは、デジタル電子回路、もしくはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組合せで実施することができる。装置は、プログラム可能プロセッサによる実行のために、情報キャリア、たとえば機械可読記憶デバイス内で有形に実施されるコンピュータプログラム製品内で実施することができ;方法工程は、プログラム可能プロセッサが、入力データ上の動作および出力の生成によって記載の実施形態の機能を実行するための命令プログラムを実行することによって実施することができる。記載の機能は、有利には、データ記憶システムからデータおよび命令を受信し、データ記憶システムへデータおよび命令を伝送するように連結された少なくとも1つのプログラム可能プロセッサと、少なくとも1つの入力デバイスと、少なくとも1つの出力デバイスとを含むプログラム可能システム上で実行可能な1つまたはそれ以上のコンピュータプログラム内で実施することができる。コンピュータプログラムは、特定の活動の実行または特定の結果の実現のためにコンピュータ内で直接または間接的に使用することができる1組の命令である。コンピュータプログラムは、コンパイル済みまたは解釈済み言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、演算環境で使用するのに好適な独立型プログラムまたはモジュール、構成要素、サブルーチン、もしくは他のユニットを含む任意の形態で導入することができる。
本発明の概念の完全な範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載する物質、構成、装置、方法、システム、デバイス、および実施形態の様々な構成要素に修正(たとえば、調整、追加、または削除など)を加えることができ、本発明は、そのような修正およびその均等物を包含することが、当業者には理解されよう。
本開示の複数の実施形態について説明した。それにもかかわらず、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができることが理解されよう。したがって、他の実施形態も以下の特許請求の範囲の範囲内である。