JP7333764B2 - 制御装置、制御方法およびプログラム - Google Patents

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本発明は、制御装置、制御方法およびプログラムに関する。
近年、ドライバによる運転操作(具体的には、加減速操作および操舵操作)によらずに車両を自動で走行させる自動運転に関する技術が提案されている。自動運転では、車両を目標経路に沿って走行させる制御が行われる。このような自動運転に関する技術として、例えば、特許文献1に開示されているように、車両の目標経路上の目標地点と現在地点とを通り、現在地点において車両の現在の進行方向に沿った接線を有する円弧上を車両に走行させるように操舵角(つまり、タイヤの切れ角)を制御する技術がある。
国際公開第2017/208781号
特許文献1に開示されている上記の円弧に基づく操舵角の制御によれば、操舵角の急激な変化を抑制することができるので、目標経路上に急カーブがある場合等においても、車両が目標地点に到達する前における車両の挙動を安定化させることができる。しかしながら、目標経路上の目標地点での上記の円弧の接線方向は、当該目標地点での目標経路の接線方向に必ずしも一致せず、大きく乖離する場合がある。この場合、車両が目標地点に到達したときに、目標経路の接線方向に対して車両の進行方向が乖離しやすくなってしまう。このような目標経路の接線方向に対する車両の進行方向の乖離は、目標地点に到達した後の車両の挙動が不安定となる要因となり得る。
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、車両の挙動を安定化させつつ、車両を目標経路に沿って走行させることが可能な制御装置、制御方法およびプログラムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の制御装置は、目標操舵角を決定する決定部と、車両の操舵角を目標操舵角に制御する制御部と、を備え、決定部は、車両の目標経路上の基準目標地点と現在地点とを通り、基準目標地点において目標経路の接線方向に沿った接線を有する第1円弧を特定し、基準目標地点に対して手前、かつ、第1円弧に基づいて設定される副目標地点と現在地点とを通り、現在地点において車両の現在の進行方向に沿った接線を有する第2円弧を特定し、第2円弧上を車両に走行させる場合の操舵角に基づいて目標操舵角を決定する。
決定部は、第1円弧の中心位置が現在地点に対して車両の現在の進行方向側に位置する場合、第1円弧よりも内側に副目標地点を設定し、第1円弧の中心位置が現在地点に対して車両の現在の進行方向側と逆側に位置する場合、第1円弧よりも外側に副目標地点を設定してもよい。
決定部は、車両の現在の進行方向と、現在地点での第1円弧の接線方向との間の相対角度が大きいほど、第1円弧と副目標地点との間の距離が長くなるように、副目標地点を設定してもよい。
第2円弧上を車両に走行させる場合の操舵角を第1操舵角とした場合、決定部は、基準目標地点と現在地点とを通り、現在地点において車両の現在の進行方向に沿った接線を有する第3円弧上を車両に走行させる場合の操舵角を第2操舵角として決定し、第1操舵角および第2操舵角に基づいて目標操舵角を決定してもよい。
決定部は、第1操舵角および第2操舵角を重み付け平均して得られる操舵角を目標操舵角として決定してもよい。
決定部は、目標操舵角の決定における第1操舵角および第2操舵角の各々の重みを、基準目標地点での目標経路の接線方向と、基準目標地点での第3円弧の接線方向との間の相対角度に応じて変化させてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の制御方法は、目標操舵角を決定するステップと、車両の操舵角を制御装置により目標操舵角に制御するステップと、を備え、目標操舵角を決定するステップにおいて、車両の目標経路上の基準目標地点と現在地点とを通り、基準目標地点において目標経路の接線方向に沿った接線を有する第1円弧を特定し、基準目標地点に対して手前、かつ、第1円弧に基づいて設定される副目標地点と現在地点とを通り、現在地点において車両の現在の進行方向に沿った接線を有する第2円弧を特定し、第2円弧上を車両に走行させる場合の操舵角に基づいて目標操舵角を決定する。
上記課題を解決するために、本発明のプログラムは、コンピュータを、目標操舵角を決定する決定部と、車両の操舵角を目標操舵角に制御する制御部と、として機能させるためのプログラムであって、決定部は、車両の目標経路上の基準目標地点と現在地点とを通り、基準目標地点において目標経路の接線方向に沿った接線を有する第1円弧を特定し、基準目標地点に対して手前、かつ、第1円弧に基づいて設定される副目標地点と現在地点とを通り、現在地点において車両の現在の進行方向に沿った接線を有する第2円弧を特定し、第2円弧上を車両に走行させる場合の操舵角に基づいて目標操舵角を決定する。
本発明によれば、車両の挙動を安定化させつつ、車両を目標経路に沿って走行させることが可能となる。
本発明の実施形態に係る制御装置が搭載される車両の概略構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 比較例における目標操舵角の決定処理について説明するための図である。 本発明の実施形態に係る制御装置の決定部による目標操舵角の決定処理について説明するための図である。 本発明の実施形態に係る制御装置が行う自動運転モード中の操舵制御に関する処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る副目標地点の設定処理において、第1円弧よりも内側に副目標地点が設定される様子を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る副目標地点の設定処理において、第1円弧よりも外側に副目標地点が設定される様子を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る制御装置が行う自動運転モード中の操舵制御に関する処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
<車両の構成>
図1~図4を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置100が搭載される車両1の構成について説明する。
なお、以下で説明する車両1は、本発明に係る制御装置が搭載される車両の一例に過ぎず、本発明に係る制御装置が搭載される車両は、後述するように、車両1に特に限定されない。
図1は、制御装置100が搭載される車両1の概略構成を示す模式図である。図1に示されるように、車両1は、駆動用モータ21と、インバータ22と、バッテリ23と、ブレーキ装置31と、液圧制御ユニット32と、マスタシリンダ33と、アクセルペダル41と、ブレーキペダル42と、動力伝達系51と、車輪52と、ステアリングホイール53と、アクセル開度センサ61と、ブレーキセンサ62と、パワーステアリング機構71と、ナビゲーション装置81と、車速センサ91と、車両位置センサ92と、制御装置100とを備える。
車両1は、駆動用モータ21のみを駆動源として備え、駆動用モータ21から出力される動力を用いて走行する電気車両である。
車両1の運転モードは、手動運転モードと自動運転モードとの間で切り替え可能となっている。手動運転モードは、ドライバの運転操作(つまり、加減速操作および操舵操作)に応じて車両1の加減速度および操舵角が制御される運転モードである。自動運転モードは、ドライバの運転操作によらずに車両1の加減速度および操舵角が自動で制御される運転モードである。
駆動用モータ21は、車両1の車輪52に伝達される動力を出力するモータであり、例えば、三相交流式のモータである。駆動用モータ21は、インバータ22を介してバッテリ23と接続されており、バッテリ23の電力を用いて駆動されて動力を出力する。
なお、駆動用モータ21は、車両1の減速時に回生駆動されて車輪52の運動エネルギを用いて発電可能なモータジェネレータであってもよい。この場合、駆動用モータ21により発電される電力は、インバータ22を介してバッテリ23へ供給される。それにより、バッテリ23が駆動用モータ21により発電される電力によって充電される。
駆動用モータ21の出力軸は、動力伝達系51を介して車輪52と接続されており、駆動用モータ21から出力される動力は、動力伝達系51を介して車輪52に伝達される。
なお、車両1において、駆動用モータ21から出力される動力が伝達される駆動輪は、前輪であってもよく、後輪であってもよい。また、動力伝達系51の出力側から出力される動力は、図示しないプロペラシャフトを介して前輪および後輪の双方へ伝達されてもよい。
インバータ22は、双方向の電力変換を行う電力変換装置である。例えば、インバータ22は、三相ブリッジ回路を含む。インバータ22は、バッテリ23から供給される直流電力を交流電力に変換して駆動用モータ21に供給可能である。また、インバータ22は、駆動用モータ21により発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ23に供給可能である。
バッテリ23は、電力を充放電可能な電池である。バッテリ23として、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池または鉛蓄電池が用いられるが、これら以外の電池が用いられてもよい。バッテリ23は、駆動用モータ21に供給される電力を蓄電する。
マスタシリンダ33は、倍力装置(図示省略)を介してブレーキペダル42と接続されており、ブレーキペダル42の操作量であるブレーキ操作量に応じて、油圧を発生させる。マスタシリンダ33は、液圧制御ユニット32を介して、各車輪52にそれぞれ設けられるブレーキ装置31と接続されている。マスタシリンダ33によって発生した油圧は、液圧制御ユニット32を介して各ブレーキ装置31へ供給される。
ブレーキ装置31は、油圧を用いて車輪52に制動力を付与する。各車輪52に対して各ブレーキ装置31により付与される制動力の合計が、車両1に付与される制動力となる。
ブレーキ装置31は、例えば、ブレーキパッドおよびホイールシリンダを含むブレーキキャリパ(図示省略)を有する。ブレーキパッドは、例えば、車輪52と一体として回転するブレーキディスクの両側面にそれぞれ対向して一対設けられる。ホイールシリンダは、ブレーキキャリパ内に形成され、ホイールシリンダ内にはピストンが摺動可能に設けられる。ピストンの先端部はブレーキパッドと対向して設けられ、ピストンの摺動に伴ってブレーキパッドがブレーキディスクの各側面へ向けて移動するようになっている。マスタシリンダ33によって発生した油圧は、ブレーキ装置31のホイールシリンダへ供給される。それにより、ブレーキキャリパ内のピストンおよびブレーキパッドが移動することによって、ブレーキディスクの両側面が一対のブレーキパッドにより挟まれ、車輪52に制動力が付与される。
液圧制御ユニット32は、各ブレーキ装置31へ供給される油圧(つまり、各ブレーキ装置31のブレーキ液圧)を調整可能である。具体的には、液圧制御ユニット32は、ポンプおよび制御弁等の装置を有しており、これらの装置の動作が制御されることにより、各ブレーキ装置31のブレーキ液圧が制御される。それにより、各車輪52に付与される制動力が制御される。液圧制御ユニット32は各ブレーキ装置31へ供給される油圧を個別に調整可能であってもよい。また、ブレーキ系統は、2系統であってもよい。
アクセルペダル41は、ドライバによるアクセル操作を受け付ける。アクセル操作は、具体的には、アクセルペダル41を踏み込む操作である。
ブレーキペダル42は、ドライバによるブレーキ操作を受け付ける。ブレーキ操作は、具体的には、ブレーキペダル42を踏み込む操作である。
アクセル開度センサ61は、ドライバによるアクセルペダル41の操作量であるアクセル開度を検出し、検出結果を制御装置100に出力する。
ブレーキセンサ62は、ドライバによるブレーキペダル42の操作量であるブレーキ操作量を検出し、検出結果を制御装置100に出力する。
パワーステアリング機構71は、ドライバのステアリングホイール53を用いた操舵操作を補助する。例えば、パワーステアリング機構71は、ステアリングホイール53を回動させる動力を出力可能な電動モータを有している。この場合、ドライバの操舵操作の補助は、当該電動モータを駆動させることによって実現される。なお、後述するように、自動運転モードにおいて、パワーステアリング機構71を利用して車両1の操舵角の制御が行われる。
ナビゲーション装置81は、ユーザによる入力操作に応じて車両1の現在地点(つまり、車両1が現在位置する地点)からユーザが所望する目的地までのルートを案内する装置である。ナビゲーション装置81は、案内の対象となる走行ルート(つまり、車両1の現在地点から目的地までのルートとしてユーザにより設定されたルート)を示す情報を制御装置100に出力する。また、ナビゲーション装置81は、情報を視覚的に表示する機能を有し、ルート案内に関する各種情報(例えば、車両1の現在地点、案内の対象となる走行ルート、目的地の位置、車両1の現在地点から目的地までの走行ルート上での距離および目的地までの到達時間等)を表示する。ナビゲーション装置81は、例えば、後述する車両位置センサ92による検出結果を用いて車両1の現在地点を取得することができる。
車速センサ91は、車両1の速度である車速を検出し、検出結果を制御装置100に出力する。
車両位置センサ92は、車両1の位置を検出し、検出結果を制御装置100に出力する。具体的には、車両位置センサ92は、車両1が現在位置する地点である現在地点を検出することができる。例えば、車両位置センサ92は、GPS(Global Positioning System)信号を取得すること等によって車両1の位置を特定することができる。
制御装置100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)、および、CPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等を含む。
図2は、制御装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。例えば、図2に示されるように、制御装置100は、取得部110と、制御部120と、決定部130とを有する。
取得部110は、制御部120および決定部130が行う処理において用いられる各種情報を取得し、制御部120および決定部130へ出力する。例えば、取得部110は、アクセル開度センサ61、ブレーキセンサ62、ナビゲーション装置81、車速センサ91および車両位置センサ92から出力される各種情報を取得する。
制御部120は、車両1内の各装置の動作を制御する。例えば、制御部120は、モータ制御部121と、ブレーキ制御部122と、操舵制御部123とを含む。
モータ制御部121は、駆動用モータ21の動作を制御する。具体的には、モータ制御部121は、インバータ22のスイッチング素子の動作を制御することによって、バッテリ23と駆動用モータ21との間の電力の供給を制御する。それにより、モータ制御部121は、駆動用モータ21による動力の生成および発電を制御することができる。
ブレーキ制御部122は、ブレーキ装置31の動作を制御する。具体的には、ブレーキ制御部122は、液圧制御ユニット32の動作を制御することによって、各車輪52に対して設けられている各ブレーキ装置31のブレーキ液圧を制御する。それにより、ブレーキ制御部122は、車両1に付与される制動力を制御することができる。
操舵制御部123は、パワーステアリング機構71の動作を制御する。具体的には、操舵制御部123は、パワーステアリング機構71の電動モータの出力を制御することによって、当該電動モータによりステアリングホイール53に付与されるトルクを制御することができる。
上述したように、車両1の運転モードは、手動運転モードと自動運転モードとの間で切り替え可能となっている。例えば、車両1には、手動運転モードと自動運転モードとのいずれを実行させるかを選択するための入力装置(例えば、スイッチまたはボタン等)が設けられており、ドライバは、当該入力装置を操作することにより、手動運転モードまたは自動運転モードを選択することができる。なお、自動運転モード中にドライバによりブレーキ操作等の特定の操作が行われた場合には、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが行われるようになっていてもよい。制御部120は、運転モードに応じて、車両1の加減速度および操舵角を制御する。
手動運転モードでは、制御部120は、車両1の加減速度がドライバによる加減速操作(つまり、アクセル操作およびブレーキ操作)に応じた加減速度となるように、各装置を制御する。具体的には、制御部120は、車両1に付与される駆動力がアクセル開度に応じた駆動力となるように、駆動用モータ21の動作を制御する。それにより、車両1の加速度をドライバによるアクセル操作に応じて制御することができる。また、制御部120は、車両1に付与される制動力がブレーキ操作量に応じた制動力となるように、ブレーキ装置31の動作を制御する。それにより、車両1の減速度をドライバによるブレーキ操作に応じて制御することができる。また、制御部120は、ドライバによる操舵操作が行われている時に、ステアリングホイール53の回動方向と一致する方向のトルクがステアリングホイール53に付与されるようにパワーステアリング機構71の動作を制御する。それにより、ドライバの操舵操作が補助される。
自動運転モードでは、制御部120は、車両1が目標経路に沿って自動で走行するように、各装置を制御する。目標経路としては、例えば、ナビゲーション装置81においてユーザによる入力操作に応じて設定されている走行ルートが用いられる。具体的には、制御部120は、自動運転モードにおいて、車両1の操舵角が後述する決定部130により決定される目標操舵角θtになるように、パワーステアリング機構71の動作を制御する。また、制御部120は、例えば、車両1の車速が設定速度に維持されるように、車両1の加減速度を制御する。なお、車両1の前方を走行する先行車が存在する場合、制御部120は、車両1と先行車との車間距離が設定距離に維持されるように、車両1の加減速度を制御することが好ましい。
決定部130は、自動運転モードにおける操舵角の制御(以下、操舵制御とも呼ぶ)において用いられる上述した目標操舵角θtを決定し、当該目標操舵角θtを制御部120に出力する。
制御装置100は、上述したように、車両1に搭載される各装置と通信を行う。制御装置100と各装置との通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)通信を用いて実現される。
なお、本実施形態に係る制御装置100が有する機能は複数の制御装置により部分的に分割されてもよく、複数の機能が1つの制御装置によって実現されてもよい。制御装置100が有する機能が複数の制御装置により部分的に分割される場合、当該複数の制御装置は、CAN等の通信バスを介して、互いに接続されてもよい。
ここで、図3を参照して、比較例における目標操舵角θtの決定処理を説明した後に、図4を参照して、本実施形態に係る制御装置100の決定部130による目標操舵角θtの決定処理の概略について説明する。
図3は、比較例における目標操舵角θtの決定処理について説明するための図である。なお、図3ならびに以下で参照する図4、図6および図7は、車両1の現在の進行方向をY方向とし、Y方向に直交する方向をX方向として示されている。
比較例では、目標経路9上の基準目標地点203と現在地点201とを通り、現在地点201において車両1の現在の進行方向(つまり、Y方向)に沿った接線を有する円弧303を特定し、円弧303上を車両1に走行させる場合の操舵角を目標操舵角θtとして決定する。ゆえに、車両1は、自動運転モードにおいて、円弧303上を走行するように制御される。
ここで、基準目標地点203が現在地点201から過度に近い場合、目標操舵角θtが目標経路9における曲率の変化に応じて変化しやすくなる。ゆえに、例えば、目標経路9上に急カーブがある場合等において、目標操舵角θtが急激に変化してしまい、車両1の挙動が不安定となる場合がある。よって、基準目標地点203は、目標操舵角θtの急激な変化が抑制される程度に現在地点201から遠くに設定される。このように設定される基準目標地点203を用いて上記のように操舵角が制御されることによって、車両1が基準目標地点203に到達する前における目標操舵角θtの変化を抑制することができる。ゆえに、基準目標地点203に到達する前における車両1の挙動を安定化させることができる。
しかしながら、基準目標地点203での上記の円弧303の接線方向D2は、基準目標地点203での目標経路9の接線方向D1に対して大きく乖離する場合(つまり、図3に示される接線方向D1と接線方向D2との間の相対角度φ1が大きくなる場合)がある。この場合、車両1が基準目標地点203に到達したときに、目標経路9の接線方向D1に対して車両1の進行方向が乖離しやすくなってしまう。それにより、基準目標地点203に到達した後の車両1の挙動が不安定になりやすくなる。
図4は、制御装置100の決定部130による目標操舵角θtの決定処理について説明するための図である。
本実施形態に係る制御装置100では、決定部130は、基準目標地点203と現在地点201とを通り、基準目標地点203において目標経路9の接線方向D1に沿った接線を有する第1円弧301を特定する。そして、決定部130は、基準目標地点203に対して手前(つまり、車両1に近い側)、かつ、第1円弧301に基づいて設定される副目標地点205と現在地点201とを通り、現在地点201において車両1の現在の進行方向(つまり、Y方向)に沿った接線を有する第2円弧302を特定する。そして、決定部130は、第2円弧302上を車両1に走行させる場合の操舵角に基づいて目標操舵角θtを決定する。例えば、決定部130は、第2円弧302上を車両1に走行させる場合の操舵角を目標操舵角θtとして決定する。
なお、副目標地点205は、図4に示される例のように第1円弧301上の地点であってもよく、後述するように、第1円弧301から離れた地点(具体的には、第1円弧301の近傍の地点)であってもよい。
本実施形態では、上記のように基準目標地点203に対して手前、かつ、第1円弧301に基づいて設定される副目標地点205と現在地点201とを通る第2円弧302上を車両1に走行させる場合の操舵角に基づいて目標操舵角θtが決定される。それにより、基準目標地点203において目標経路9の接線方向D1に沿った接線を有する第1円弧301に車両1の走行経路を近づけることができる。ゆえに、車両1が基準目標地点203に到達したときに、目標経路9の接線方向D1に対して車両1の進行方向が乖離することを抑制することができる。よって、目標経路9の接線方向D1に対する車両1の進行方向の乖離に起因して基準目標地点203に到達した後の車両1の挙動が不安定になることを抑制することができる。ゆえに、車両1の挙動を安定化させつつ、車両1を目標経路9に沿って走行させることが可能となる。なお、自動運転モード中に制御装置100により行われる操舵制御に関する処理(特に、決定部130により行われる目標操舵角θtの決定処理)の詳細については、後述する。
<制御装置の動作>
続いて、図5~図8を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置100の動作について説明する。具体的には、自動運転モード中の操舵制御に関する処理の流れの例として、第1の例および第2の例をこの順に説明する。
[第1の例]
まず、図5~図7を参照して、制御装置100が行う自動運転モード中の操舵制御に関する処理の流れの第1の例について説明する。具体的には、以下では、上記で参照した図4を適宜参照して、第1の例について説明する。
図5は、制御装置100が行う自動運転モード中の操舵制御に関する処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。具体的には、図5に示される制御フローは、運転モードが自動運転モードとなっている間、予め設定された時間間隔で繰り返し実行される。
図5に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS501において、制御装置100は、車両1の前方に目標経路9が存在するか否かを判定する。車両1の前方に目標経路9が存在すると判定された場合(ステップS501/YES)、ステップS502に進む。一方、車両1の前方に目標経路9が存在しないと判定された場合(ステップS501/NO)、図5に示される制御フローは終了する。
ステップS501でYESと判定された場合、ステップS502において、決定部130は、基準目標地点203を設定する。
上述したように、目標操舵角θtは、基準目標地点203と現在地点201とを通る円弧(具体的には、第1円弧301)に基づいて決定される。そして、基準目標地点203が現在地点201から過度に近い場合、当該円弧の軌跡が急激に変化しやすくなるので、目標操舵角θtも急激に変化しやすくなる。それにより、車両1の挙動が不安定になりやすくなる。ゆえに、決定部130は、具体的には、目標操舵角θtの急激な変化が抑制される程度に現在地点201から遠い位置に、基準目標地点203を設定する。
例えば、決定部130は、目標経路9上で現在地点201から最も近い地点209(図4を参照)から目標経路9を現在の車速で基準走行時間(例えば、1.5s等)だけ走行した場合に到達する地点を基準目標地点203として設定する。
次に、ステップS503において、決定部130は、第1円弧301を特定する。
上述したように、第1円弧301は、基準目標地点203と現在地点201とを通り、基準目標地点203において目標経路9の接線方向D1に沿った接線を有する円弧である。
次に、ステップS504において、決定部130は、副目標地点205を設定する。
上述したように、副目標地点205は、基準目標地点203に対して手前(つまり、車両1に近い側)、かつ、第1円弧301に基づいて設定される地点である。例えば、決定部130は、図4に示されるように、基準目標地点203に対して手前の第1円弧301上の位置に副目標地点205を設定する。
ここで、第1円弧301上での基準目標地点203と副目標地点205の両地点間の距離は、適宜設定され得る。例えば、決定部130は、両地点間の距離として、予め設定された距離を用いてもよく、現在の車速で所定時間だけ走行した場合の走行距離を用いてもよい。なお、現在地点201から副目標地点205までの距離が短いほど、車両1の走行経路を第1円弧301により効果的に近づけることができるが、当該距離は車両1の旋回性能等の仕様に応じて適宜設定されることが好ましい。
次に、ステップS505において、決定部130は、第2円弧302を特定する。
上述したように、第2円弧302は、副目標地点205と現在地点201とを通り、現在地点201において車両1の現在の進行方向(例えば、図4に示される例ではY方向)に沿った接線を有する円弧である。
次に、ステップS506において、決定部130は、目標操舵角θtを決定する。
具体的には、決定部130は、第2円弧302上を車両1に走行させる場合の操舵角を特定し、特定された当該操舵角を目標操舵角θtとして決定する。より具体的には、決定部130は、第2円弧302上を車両1に走行させる場合の操舵角を、第2円弧302の半径および車速に基づいて決定する。ここで、第2円弧302上を車両1に走行させる場合の操舵角として、車速が大きいほど大きな値を決定することが好ましい。
次に、ステップS507において、制御部120は、車両1の操舵角を目標操舵角θtに制御し、図5に示される制御フローは終了する。
なお、上記では、第1円弧301上の位置に副目標地点205を設定する例を説明したが、決定部130は、第1円弧301から離れた位置に副目標地点205を設定してもよい。ここで、車両1の挙動をより効果的に安定化させる観点では、決定部130は、第1円弧301の中心位置が現在地点201に対して車両1の現在の進行方向側に位置する場合、第1円弧301よりも内側に副目標地点205を設定し、第1円弧301の中心位置が現在地点201に対して車両1の現在の進行方向側と逆側に位置する場合、第1円弧301よりも外側に副目標地点205を設定することが好ましい。
図6は、副目標地点205の設定処理において、第1円弧301よりも内側に副目標地点205が設定される様子を示す模式図である。
図6には、目標経路9a上の基準目標地点203aと現在地点201aとを通り、基準目標地点203aにおいて目標経路9aの接線方向D1aに沿った接線を有する第1円弧301aが示されている。ここで、図6に示される例では、第1円弧301aの中心位置305aが現在地点201aに対して車両1の現在の進行方向側(つまり、Y方向側)に位置している。ゆえに、決定部130は、第1円弧301aよりも内側(つまり、第1円弧301aに対して中心位置305a側)に副目標地点205aを設定する。
決定部130は、例えば、第1円弧301aと比べて小さな半径を有する第1円弧301aと同心の円弧309aを設定し、円弧309a上の位置に副目標地点205aを設定する。具体的には、決定部130は、図6に示されるように、円弧309a上で基準目標地点203aから最も近い地点207aを設定し、当該地点207aに対して手前の円弧309a上の位置に副目標地点205aを設定する。ここで、円弧309a上での地点207aと副目標地点205aの両地点間の距離は、図4に示される例における第1円弧301上での基準目標地点203と副目標地点205の両地点間の距離と同様に、適宜設定され得る。
図6に示される例と同様に、第1円弧301の中心位置が現在地点201に対して車両1の現在の進行方向側に位置する場合、第1円弧301上の位置に副目標地点205を設定すると、車両1の走行経路を第1円弧301に近づける効果が大きくなる一方で、車両1が第1円弧301を内側から外側に横切るように走行する状況が生じやすくなる。このように車両1が第1円弧301を横切ってしまうと、その後、車両1が第1円弧301に戻る方向に操舵が制御されるので、操舵角が急激に変化しやすくなり、基準目標地点203に到達する前における車両1の挙動が不安定になってしまう。
ここで、図6を参照して説明したように、第1円弧301よりも内側に副目標地点205を設定することによって、車両1の走行経路を第1円弧301の内側に調整することができる。それにより、車両1が第1円弧301を内側から外側に横切るように走行してしまうことを抑制することができるので、基準目標地点203に到達する前における車両1の挙動を安定化させることができる。
図7は、副目標地点205の設定処理において、第1円弧301よりも外側に副目標地点205が設定される様子を示す模式図である。
図7には、目標経路9b上の基準目標地点203bと現在地点201bとを通り、基準目標地点203bにおいて目標経路9bの接線方向D1bに沿った接線を有する第1円弧301bが示されている。ここで、図7に示される例では、第1円弧301bの中心位置305bが現在地点201bに対して車両1の現在の進行方向側と逆側(つまり、Y方向側と逆側)に位置している。ゆえに、決定部130は、第1円弧301bよりも外側(つまり、第1円弧301bに対して中心位置305b側と逆側)に副目標地点205bを設定する。
決定部130は、例えば、第1円弧301bと比べて大きな半径を有する第1円弧301bと同心の円弧309bを設定し、円弧309b上の位置に副目標地点205bを設定する。具体的には、決定部130は、図7に示されるように、円弧309b上で基準目標地点203bから最も近い地点207bを設定し、当該地点207bに対して手前の円弧309b上の位置に副目標地点205bを設定する。ここで、円弧309b上での地点207bと副目標地点205bの両地点間の距離は、図4に示される例における第1円弧301上での基準目標地点203と副目標地点205の両地点間の距離と同様に、適宜設定され得る。
図7に示される例と同様に、第1円弧301の中心位置が現在地点201に対して車両1の現在の進行方向側と逆側に位置する場合、第1円弧301上の位置に副目標地点205を設定すると、車両1の走行経路を第1円弧301に近づける効果が大きくなる一方で、車両1が第1円弧301を外側から内側に横切るように走行する状況が生じやすくなる。上述したように、車両1が第1円弧301を横切ってしまうと、その後、車両1が第1円弧301に戻る方向に操舵が制御されるので、操舵角が急激に変化しやすくなり、基準目標地点203に到達する前における車両1の挙動が不安定になってしまう。
ここで、図7を参照して説明したように、第1円弧301よりも外側に副目標地点205を設定することによって、車両1の走行経路を第1円弧301の外側に調整することができる。それにより、車両1が第1円弧301を外側から内側に横切るように走行してしまうことを抑制することができるので、基準目標地点203に到達する前における車両1の挙動を安定化させることができる。
上記のように、第1円弧301から離れた位置に副目標地点205を設定する場合において、車両1の挙動をさらに効果的に安定化させる観点では、決定部130は、車両1の現在の進行方向と、現在地点201での第1円弧301の接線方向との間の相対角度が大きいほど、第1円弧301と副目標地点205との間の距離が長くなるように、副目標地点205を設定することが好ましい。
例えば、図6に示される例において、決定部130は、車両1の現在の進行方向(つまり、Y方向)と、現在地点201aでの第1円弧301aの接線方向D3aとの間の相対角度φ2aが大きいほど、第1円弧301aと円弧309aとの間での半径差ΔRaを大きくする。それにより、第1円弧301aと副目標地点205aとの間の距離を長くすることができる。
また、例えば、図7に示される例において、決定部130は、車両1の現在の進行方向(つまり、Y方向)と、現在地点201bでの第1円弧301bの接線方向D3bとの間の相対角度φ2bが大きいほど、第1円弧301bと円弧309bとの間での半径差ΔRbを大きくする。それにより、第1円弧301bと副目標地点205bとの間の距離を長くすることができる。
車両1の現在の進行方向と、現在地点201での第1円弧301の接線方向との間の相対角度(例えば、図6の相対角度φ2aまたは図7の相対角度φ2b)が大きいほど、第1円弧301上の位置に副目標地点205を設定した場合に第2円弧302と第1円弧301のなす角(具体的には、副目標地点205における両円弧のなす角)が大きくなる。ゆえに、車両1が第1円弧301を横切るように走行する状況がより生じやすくなる。よって、車両1の現在の進行方向と、現在地点201での第1円弧301の接線方向との間の相対角度が大きいほど、第1円弧301と副目標地点205との間の距離を長くすることにより、車両1が第1円弧301を横切るように走行する状況をより効果的に抑制することができる。なお、第1円弧301と副目標地点205との間の距離(例えば、図6の半径差ΔRaまたは図7の半径差ΔRb)は、上限を有していてもよい。
[第2の例]
次に、図8を参照して、制御装置100が行う自動運転モード中の操舵制御に関する処理の流れの第2の例について説明する。
図8は、制御装置100が行う自動運転モード中の操舵制御に関する処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。具体的には、図8に示される制御フローは、上述した図5に示される制御フローと同様に、運転モードが自動運転モードとなっている間、予め設定された時間間隔で繰り返し実行される。
図8に示される制御フローでは、上述した図5に示される制御フローと比較して、ステップS501でYESと判定された後における目標操舵角を決定するための処理(具体的には、図8のステップS601~S604)が異なる。
図8に示される制御フローが開始され、ステップS501でYESと判定された場合、ステップS601において、決定部130は、第1操舵角θ1を決定する。
第1操舵角θ1は、上述した第2円弧302上を車両1に走行させる場合の操舵角(つまり、図5に示される制御フローにおいて目標操舵角θtとして用いられる操舵角)である。決定部130は、上記で説明したように第1円弧301を特定し、第1円弧301に基づいて副目標地点205を設定し、副目標地点205に基づいて第2円弧302を特定することによって、第1操舵角θ1を決定することができる。
次に、ステップS602において、決定部130は、第2操舵角θ2を決定する。
第2操舵角θ2は、基準目標地点203と現在地点201とを通り、現在地点201において車両1の現在の進行方向に沿った接線を有する第3円弧上を車両1に走行させる場合の操舵角である。例えば、図3に示される例における円弧303が第3円弧に相当する。つまり、図3を参照して上記で説明した比較例で目標操舵角θtとして決定される操舵角が第2操舵角θ2である。以下、円弧303を第3円弧303とも呼ぶ。具体的には、決定部130は、第2操舵角θ2を、第3円弧303の半径および車速に基づいて決定する。ここで、第2操舵角θ2として、車速が大きいほど大きな値を決定することが好ましい。
次に、ステップS603において、決定部130は、目標操舵角θtの決定における第1操舵角θ1および第2操舵角θ2の各々の重みを決定する。
後述するように、図8に示される制御フローでは、目標操舵角θtの決定において、決定部130は、第1操舵角θ1および第2操舵角θ2に基づいて目標操舵角θtを決定する(具体的には、第1操舵角θ1および第2操舵角θ2を重み付け平均することにより決定する)。目標操舵角θtの決定における各操舵角の重みは、目標操舵角θtの決定に各操舵角が寄与する程度に相当する。例えば、目標操舵角θtの決定で重み付け平均が行われる場合において、各操舵角に乗じられる係数が各操舵角の重みに相当する。
例えば、決定部130は、目標操舵角θtの決定における第1操舵角θ1および第2操舵角θ2の各々の重みを、基準目標地点203での目標経路9の接線方向D1と、基準目標地点203での第3円弧303の接線方向D2との間の相対角度φ1(図3を参照)に応じて変化させる。具体的には、決定部130は、相対角度φ1が大きいほど、第1操舵角θ1の重みを重くする。例えば、決定部130は、相対角度φ1が1°である場合、第1操舵角θ1と第2操舵角θ2の重みの比率を1:9にし、相対角度φ1が8°である場合、第1操舵角θ1と第2操舵角θ2の重みの比率を8:2にする。
目標操舵角θtの決定では、第1操舵角θ1の重みを重くするほど、車両1の走行経路が第1円弧301に近づく程度が大きくなる。ゆえに、車両1が基準目標地点203に到達したときに、目標経路9の接線方向D1に対して車両1の進行方向が乖離することを抑制しやすくなる。よって、基準目標地点203に到達した後の車両1の挙動を安定化させる効果を大きくすることができる。
このように、第1操舵角θ1の重みを重くするほど、基準目標地点203に到達した後の車両1の挙動を安定化させる効果が大きくなるが、基準目標地点203に到達する前における車両1の挙動を安定化させる効果は小さくなる。一方、第2操舵角θ2の重みを重くするほど、基準目標地点203に到達する前における車両1の挙動を安定化させる効果が大きくなるが、基準目標地点203に到達した後の車両1の挙動を安定化させる効果は小さくなる。つまり、基準目標地点203に到達した後の車両1の挙動を安定化させる効果と、基準目標地点203に到達する前における車両1の挙動を安定化させる効果とは、トレードオフの関係にある。また、これらの効果の程度は、第1操舵角θ1および第2操舵角θ2の各々の重みに応じて変化する。
ゆえに、上記のように、第1操舵角θ1および第2操舵角θ2に基づいて目標操舵角θtを決定することによって、上記のトレードオフの関係にある両効果を適切に両立させることができるので、基準目標地点203に到達する前後に亘って車両1の挙動を適切に安定化させることができる。ここで、基準目標地点203での目標経路9の接線方向D1と、基準目標地点203での第3円弧303の接線方向D2との間の相対角度φ1は、車両1が基準目標地点203に到達したときに、目標経路9の接線方向D1に対して車両1の進行方向が乖離する程度を示す指標である。つまり、相対角度φ1が大きいほど、目標経路9の接線方向D1に対する車両1の進行方向の乖離を抑制し、基準目標地点203に到達した後の車両1の挙動を安定化させる必要性が高くなる。ゆえに、上記のように、第1操舵角θ1および第2操舵角θ2の各々の重みを相対角度φ1に応じて変化させることによって、基準目標地点203に到達する前後に亘って車両1の挙動をより適切に安定化させることができる。
次に、ステップS604において、決定部130は、目標操舵角θtを決定する。
ここで、決定部130は、上述したように、第1操舵角θ1および第2操舵角θ2に基づいて目標操舵角θtを決定する。具体的には、決定部130は、第1操舵角θ1および第2操舵角θ2を重み付け平均して得られる操舵角を目標操舵角θtとして決定する。
次に、ステップS507において、制御部120は、車両1の操舵角を目標操舵角θtに制御し、図8に示される制御フローは終了する。
なお、上記では、目標操舵角θtの決定における第1操舵角θ1および第2操舵角θ2の各々の重みを相対角度φ1に応じて変化させる例を説明したが、決定部130は、第1操舵角θ1および第2操舵角θ2の重みの比率を予め設定された比率に設定してもよい。
また、上記では、目標操舵角θtの決定において、第1操舵角θ1および第2操舵角θ2を重み付け平均する例を説明したが、決定部130は、目標操舵角θtを他の方法で決定してもよい。例えば、決定部130は、第1操舵角θ1および第2操舵角θ2を単純平均することにより得られる操舵角を目標操舵角θtとして決定してもよい。
<制御装置の効果>
続いて、本発明の実施形態に係る制御装置100の効果について説明する。
本実施形態に係る制御装置100では、決定部130は、車両1の目標経路9上の基準目標地点203と現在地点201とを通り、基準目標地点203において目標経路9の接線方向D1に沿った接線を有する第1円弧301を特定する。また、決定部130は、基準目標地点203に対して手前(つまり、車両1に近い側)、かつ、第1円弧301に基づいて設定される副目標地点205と現在地点201とを通り、現在地点201において車両1の現在の進行方向に沿った接線を有する第2円弧302を特定する。また、決定部130は、第2円弧302上を車両1に走行させる場合の操舵角に基づいて目標操舵角θtを決定する。そして、制御部120は、車両1の操舵角を目標操舵角θtに制御する。
それにより、基準目標地点203において目標経路9の接線方向D1に沿った接線を有する第1円弧301に車両1の走行経路を近づけることができる。ゆえに、車両1が基準目標地点203に到達したときに、目標経路9の接線方向D1に対して車両1の進行方向が乖離することを抑制することができる。よって、目標経路9の接線方向D1に対する車両1の進行方向の乖離に起因して基準目標地点203に到達した後の車両1の挙動が不安定になることを抑制することができる。ゆえに、車両1の挙動を安定化させつつ、車両1を目標経路9に沿って走行させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、決定部130は、第1円弧301の中心位置が現在地点201に対して車両1の現在の進行方向側に位置する場合、第1円弧301よりも内側に副目標地点205を設定し、第1円弧301の中心位置が現在地点201に対して車両1の現在の進行方向側と逆側に位置する場合、第1円弧301よりも外側に副目標地点205を設定することが好ましい。それにより、車両1が第1円弧301を横切るように走行してしまうことを抑制することができるので、基準目標地点203に到達する前における車両1の挙動を安定化させることができる。ゆえに、車両1の挙動をより効果的に安定化させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、決定部130は、車両1の現在の進行方向と、現在地点201での第1円弧301の接線方向との間の相対角度(例えば、図6の相対角度φ2aまたは図7の相対角度φ2b)が大きいほど、第1円弧301と副目標地点205との間の距離が長くなるように、副目標地点205を設定することが好ましい。それにより、車両1が第1円弧301を横切るように走行する状況をより効果的に抑制することができる。ゆえに、基準目標地点203に到達する前における車両1の挙動をより効果的に安定化させることができる。ゆえに、車両1の挙動をさらに効果的に安定化させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、決定部130は、基準目標地点203と現在地点201とを通り、現在地点201において車両1の現在の進行方向に沿った接線を有する第3円弧303上を車両1に走行させる場合の操舵角を第2操舵角θ2として決定し、第1操舵角θ1(つまり、第2円弧302上を車両1に走行させる場合の操舵角)および第2操舵角θ2に基づいて目標操舵角θtを決定することが好ましい。それにより、基準目標地点203に到達する前後に亘って車両1の挙動を適切に安定化させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、決定部130は、第1操舵角θ1および第2操舵角θ2を重み付け平均して得られる操舵角を目標操舵角θtとして決定することが好ましい。それにより、基準目標地点203に到達する前後に亘って車両1の挙動を適切に安定化させることを適切に実現することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、決定部130は、目標操舵角θtの決定における第1操舵角θ1および第2操舵角θ2の各々の重みを、基準目標地点203での目標経路9の接線方向D1と、基準目標地点203での第3円弧303の接線方向D2との間の相対角度φ1に応じて変化させることが好ましい。それにより、目標経路9の接線方向D1に対する車両1の進行方向の乖離を抑制する必要性に応じて第1操舵角θ1および第2操舵角θ2の各々の重みを変化させることができる。ゆえに、基準目標地点203に到達する前後に亘って車両1の挙動をより適切に安定化させることができる。
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例または修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
例えば、上記では、図1を参照して、車両1の構成について説明したが、本発明に係る車両の構成は、このような例に限定されない。本発明に係る車両は、例えば、図1に示される車両1に対して一部の構成要素の削除、追加または変更を加えたものであってもよい。例えば、本発明に係る車両は、各車輪に対してそれぞれ駆動用モータが設けられる(つまり、4つの駆動用モータが設けられる)車両であってもよい。また、例えば、本発明に係る車両は、駆動源として駆動用モータに加えてエンジンを備えるハイブリッド車両であってもよい。また、例えば、本発明に係る車両は、駆動源として駆動用モータを備えずに、エンジンのみを備えるエンジン車であってもよい。
また、例えば、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
本発明は、制御装置、制御方法およびプログラムに利用できる。
1 車両
9,9a,9b 目標経路
21 駆動用モータ
22 インバータ
23 バッテリ
31 ブレーキ装置
32 液圧制御ユニット
33 マスタシリンダ
41 アクセルペダル
42 ブレーキペダル
51 動力伝達系
52 車輪
53 ステアリングホイール
61 アクセル開度センサ
62 ブレーキセンサ
71 パワーステアリング機構
81 ナビゲーション装置
91 車速センサ
92 車両位置センサ
100 制御装置
110 取得部
120 制御部
121 モータ制御部
122 ブレーキ制御部
123 操舵制御部
130 決定部
201,201a,201b 現在地点
203,203a,203b 基準目標地点
205,205a,205b 副目標地点
301,301a,301b 第1円弧
302 第2円弧
303 第3円弧

Claims (8)

  1. 目標操舵角を決定する決定部と、
    車両の操舵角を前記目標操舵角に制御する制御部と、
    を備え、
    前記決定部は、
    前記車両の目標経路上の基準目標地点と現在地点とを通り、前記基準目標地点において前記目標経路の接線方向に沿った接線を有する第1円弧を特定し、
    前記基準目標地点に対して手前、かつ、前記第1円弧に基づいて設定される副目標地点と前記現在地点とを通り、前記現在地点において前記車両の現在の進行方向に沿った接線を有する第2円弧を特定し、
    前記第2円弧上を前記車両に走行させる場合の操舵角に基づいて目標操舵角を決定する、
    制御装置。
  2. 前記決定部は、
    前記第1円弧の中心位置が前記現在地点に対して前記車両の現在の進行方向側に位置する場合、前記第1円弧よりも内側に前記副目標地点を設定し、
    前記第1円弧の中心位置が前記現在地点に対して前記車両の現在の進行方向側と逆側に位置する場合、前記第1円弧よりも外側に前記副目標地点を設定する、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記決定部は、前記車両の現在の進行方向と、前記現在地点での前記第1円弧の接線方向との間の相対角度が大きいほど、前記第1円弧と前記副目標地点との間の距離が長くなるように、前記副目標地点を設定する、
    請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記第2円弧上を前記車両に走行させる場合の操舵角を第1操舵角とした場合、
    前記決定部は、前記基準目標地点と前記現在地点とを通り、前記現在地点において前記車両の現在の進行方向に沿った接線を有する第3円弧上を前記車両に走行させる場合の操舵角を第2操舵角として決定し、前記第1操舵角および前記第2操舵角に基づいて前記目標操舵角を決定する、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の制御装置。
  5. 前記決定部は、前記第1操舵角および前記第2操舵角を重み付け平均して得られる操舵角を前記目標操舵角として決定する、
    請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記決定部は、前記目標操舵角の決定における前記第1操舵角および前記第2操舵角の各々の重みを、前記基準目標地点での前記目標経路の接線方向と、前記基準目標地点での前記第3円弧の接線方向との間の相対角度に応じて変化させる、
    請求項4または5に記載の制御装置。
  7. 目標操舵角を決定するステップと、
    車両の操舵角を制御装置により前記目標操舵角に制御するステップと、
    を備え、
    前記目標操舵角を決定するステップにおいて、
    前記車両の目標経路上の基準目標地点と現在地点とを通り、前記基準目標地点において前記目標経路の接線方向に沿った接線を有する第1円弧を特定し、
    前記基準目標地点に対して手前、かつ、前記第1円弧に基づいて設定される副目標地点と前記現在地点とを通り、前記現在地点において前記車両の現在の進行方向に沿った接線を有する第2円弧を特定し、
    前記第2円弧上を前記車両に走行させる場合の操舵角に基づいて目標操舵角を決定する、
    制御方法。
  8. コンピュータを、
    目標操舵角を決定する決定部と、
    車両の操舵角を前記目標操舵角に制御する制御部と、
    として機能させるためのプログラムであって、
    前記決定部は、
    前記車両の目標経路上の基準目標地点と現在地点とを通り、前記基準目標地点において前記目標経路の接線方向に沿った接線を有する第1円弧を特定し、
    前記基準目標地点に対して手前、かつ、前記第1円弧に基づいて設定される副目標地点と前記現在地点とを通り、前記現在地点において前記車両の現在の進行方向に沿った接線を有する第2円弧を特定し、
    前記第2円弧上を前記車両に走行させる場合の操舵角に基づいて目標操舵角を決定する、
    プログラム。
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