JP7332265B2 - 着色分散液及び疎水性繊維の捺染方法 - Google Patents
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Description
(1)プリント工程:インクジェットプリンタにより染料インクを中間記録媒体に付与する工程、
(2)転写工程:熱処理により染料を中間記録媒体から繊維中に転写・染着させる工程、
の2工程が含まれ、市販の転写紙が広く使用できる為、繊維の前処理は必要とせず、また洗浄工程も省略されている。
1)
(A)下記式(1)で表される化合物、(B)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系分散剤及びポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤、を含む着色分散液。
2)
上記式(1)におけるR4が塩素原子または臭素原子である、1)に記載の着色分散液。
3)
上記式(1)におけるR1が水素原子、R2、R3がそれぞれ独立に、C1~C4アルコキシ基で置換されても良いC1~C4アルキル基、R4が塩素原子である、1)に記載の着色分散液。
4)
さらに水溶性有機溶剤を含む1)~3)のいずれか一項に記載の着色分散液。
5)
イエロー染料を1種と、アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、620nm以上700nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー染料を1種と、アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、550nm以上620nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー染料を1種と、をさらに含む1)~4)のいずれか一項に記載の着色分散液。
6)
1)~5)のいずれか一項に記載の着色分散液が付着した記録メディア。
7)
上記記録メディアが繊維である、6)に記載の記録メディア。
8)
上記繊維が、疎水性繊維である7)に記載の記録メディア。
9)
上記疎水性繊維が、ポリエステル又はポリエステルを含有する混紡繊維である、8)に記載の記録メディア。
上記C1~C4アルコキシ基またはフェニル基で置換されても良い、C1~C4アルキル基としては、C1~C4アルキル基、C1~C4アルコキシ基で置換されたC1~C4アルキル基、フェニル基で置換されたC1~C4アルキル基が挙げられる。
上記イエロー系染料としては、一般的にイエロー系の色相を有する染料であれば特に限定はないが、水不溶性イエロー系染料であることが好ましく、水不溶性イエロー系染料のなかでも、分散染料系イエロー系染料または油溶性染料系イエロー系染料であることがさらに好ましく、C.I.Disperse Yellow系染料、C.I.Solvent Yellow系染料であることがより好ましい。C.I.Disperse Yellow系染料としては、例えば、C.I.Disperse Yellow 3、7、8、23、39、51、54、60、64、71、79、82、86等が挙げられる。C.I.Solvent Yellow系染料としては、例えば、C.I.Solvent Yellow 114、163等が挙げられる。これら染料は単独あるいは複数を組み合わせて用いることが可能である。上記イエロー系染料としては、C.I.Disperse Yellow 7、54、C.I.Solvent Yellow 114を用いることが好ましく、C.I.Disperse Yellow 54を用いることが特に好ましい。
上記ブルー系染料としては、一般的にブルー系の色相を有する染料であれば特に限定はないが、水不溶性ブルー系染料であることが好ましく、水不溶性ブルー系染料のなかでも、分散染料系ブルー系染料または油溶性染料系ブルー系染料であることがさらに好ましく、C.I.Disperse Blue系染料、C.I.Solvent Blue系染料であることがより好ましい。C.I.Disperse Blue系染料としては、例えば、C.I.Disperse Blue 3、5、19、26、26:1、35、55、56、58、60、64、64:1、72、72:1、81、81:1、91、95、108、131、141、145、334、359、360、336等が挙げられる。C.I.Solvent Blue系染料としては、例えば、C.I.Solvent Blue 3、36、63、83、105、111等が挙げられる。これら染料は単独あるいは複数を組み合わせて用いることが可能である。上記ブルー系染料としては、C.I.Disperse Blue 60、72、334、359、360であることが好ましく、C.I.Disperse Blue 359、360であることがさらに好ましく、C.I.Disperse Blue 359と360を組み合わせて用いることがより好ましい。該C.I.Disperse Blue 360は、上記アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、550nm以上620nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー系染料であり、該C.I.Disperse Blue 359は、上記、アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、620nm以上700nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー系染料である。
上記着色分散液は、上記式(1)で表される化合物、上記イエロー系染料、上記ブルー系染料以外に、その他染料を含んでいても良い。該その他染料としては、例えば、乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法[JIS L 0879:2005](2010年 確認、平成17年1月20日 改定、 財団法人日本規格協会 発行)、「ISO 105-P01, Textiles-Tests for colour fastness-PartP01:Colour fastness to dry heat(excluding pressing)」における、感熱処理試験(C法)汚染(ポリエステル)の試験結果が、好ましくは3-4級以下、より好ましくは3級以下、の染料が挙げられる。そのような公知の染料のうち、C.I.番号を有する染料としては、例えば、以下の染料が挙げられる。
ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系分散剤としては、例えば、パイオニンD-6112、パイオニンD-6115、パイオニンD-6120、パイオニンD-6131、パイオニンD-6512、タケサーフD-6413、DTD-51、パイオニンD-6112、パイオニンD-6320(いずれも竹本油脂社製)、TS-1500、TS-2000、TS-2600、SM-174N(いずれも東邦化学社製)、エマルゲンA60、エマルゲンA90、エマルゲンA500(花王)等が挙げられ、これらは単独あるいは複数を組合せて用いることが可能である。ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤としては、例えば、SM-57、SM-130、SM-210(いずれも東邦化学社製)が挙げられ、これらは単独あるいは複数を組合せて用いることが可能である。
繊維の中には、着色分散液受容層を有するものも知られており、そのような繊維も好適に使用することができる。着色分散液受容層を有する繊維は公知の方法で調製することも、また、市販品として入手することもできる。着色分散液受容層の材質や構造等は特に限定されず、目的等に応じて適宜使用することができる。
[エマルション液の調製]
25%水酸化ナトリウム 6部、イオン交換水 54部、プロピレングリコール 20部へJoncryl 678(BASF社製)20部を投入し、90-120℃に昇温して5時間撹拌することにより、Joncryl 678のエマルション液を得た。
[調製例2]
[Y54分散液の調製]
昇華性染料としてカヤセットイエローAG(日本化薬株式会社製、C.I.Disperse Yellow 54)30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することによりY54分散液を得た。
[調製例3]
[Bw27分散液の調製]
昇華性染料としてC.I.Disperse Brown 27を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することによりBw27分散液を得た。
[調製例4]
[B359分散液の調製]
昇華性染料としてC.I.Disperse Blue 359を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することによりB359分散液を得た。
[調製例5]
[B360分散液の調製]
昇華性染料としてC.I.Disperse Blue 360を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することによりB360分散液を得た。
[調製例6]
[R60分散液の調製]
昇華性染料としてカヤセットレッドB(日本化薬株式会社製、C.I.Disperse Red 60)30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することによりR60分散液を得た。
[調製例7]
[Or25分散液の調製]
昇華性染料としてC.I.Disperse Orange 25を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することによりOr25分散液を得た。
[調製例8]
[Or60分散液の調製]
昇華性染料としてC.I.Solvent Orange 60を30部、上記Joncryl 678のエマルション液 60部、プロクセルGXL 0.2部、サーフィノール104PG50 0.4部、イオン交換水 24部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。得られた液にイオン交換水 60部、Joncryl 678のエマルション液 30部を加えて染料含有量を15%に調整した後、ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することによりOr60分散液を得た。
[調製例9]
(工程1)下記式(13)で表される化合物の合成
DMF30部中に、m-クロロアニリン6.4部、炭酸カリウム13.8部、パラトルエンスルホン酸2-メトキシエチル8.0部を加えて、110℃に加熱し、6時間反応させた。60℃に冷却し、得られた反応液に水100部を加え、トルエン50部で3回抽出を行った。得られた有機層を1%塩酸水100部で3回、水100部で1回洗浄した後、エバポレーターにて、トルエンを留去し、油状物5.5部を得た。
次にDMF30部中に、得られた油状物5.5部、炭酸カリウム4.4部、ヨードエタン7.0部を加えて、110℃に加熱し、6時間反応させた。60℃に冷却し、得られた反応液に水100部を加え、トルエン50部で3回抽出を行った。得られた有機層を水100部で2回洗浄した後、エバポレーターにて、トルエンを留去し、下記式(13)で表される化合物5.5部を得た。
氷水50部中に、p-ニトロアニリン8.2部、35%塩酸18.8部を加えて、0~10℃にて30分撹拌した。同温度にて、40%亜硝酸ナトリウム10.9部を添加し、1時間撹拌した。得られた反応液に式(13)の化合物10部を加え、pH2.0~pH2.5、0~10℃で2時間、pH3.0~pH3.5、0~10℃で2時間反応を実施した。反応終了後、濾過し、水洗することで、式(14)で表される化合物9.3部を得た。
(工程1)下記式(9)で表される化合物の合成
DMF30部中に、m-クロロアニリン6.4部、炭酸カリウム13.8部、ヨードエタン18.7部を加えて、100℃に加熱し、6時間反応させた。60℃に冷却し、得られた反応液に水100部を加え、トルエン50部で3回抽出を行った。得られた有機層を水100部で3回水洗した後、エバポレーターにて、トルエンを留去、乾燥することにより、下記式(9)で表される化合物10部を得た。
氷水50部中に、p-ニトロアニリン8.2部、35%塩酸18.8部を加えて、0~10℃にて30分撹拌した。同温度にて、40%亜硝酸ナトリウム10.9部を添加し、1時間撹拌した。得られた反応液に式(9)の化合物10部を加え、pH2.0~pH2.5、0~10℃で2時間、pH3.0~pH3.5、0~10℃で2時間反応を実施した。反応終了後、濾過し、水洗することで、式(10)で表される化合物15.0部を得た。
(工程1)下記式(11)で表される化合物の合成
DMF30部中に、m-ブロモアニリン8.6部、炭酸カリウム13.8部、ヨードエタン18.7部を加えて、100℃に加熱し、6時間反応させた。60℃に冷却し、得られた反応液に水100部を加え、トルエン50部で3回抽出を行った。得られた有機層を水100部で3回水洗した後、エバポレーターにて、トルエンを留去、乾燥することにより、下記式(11)で表される化合物11部を得た。
氷水50部中に、p-ニトロアニリン8.2部、35%塩酸18.8部を加えて、0~10℃にて30分撹拌した。同温度にて、40%亜硝酸ナトリウム10.9部を添加し、1時間撹拌した。得られた反応液に式(11)の化合物11部を加え、pH2.0~pH2.5、0~10℃で2時間、pH3.0~pH3.5、0~10℃で2時間反応を実施した。反応終了後、濾過し、水洗することで、式(12)で表される化合物14.0部を得た。
(工程1)下記式(21)で表される化合物の合成
アセトン30部中に、m-クロロアニリン12.7部、トリエチルアミン10.6部を加えて、30分撹拌した。この液に40℃以下で塩化ベンゾイル14.8部を滴下し、30~40℃で1時間反応した。反応液を氷水700部に滴下し、濾過、水洗することで、式(21)の化合物34.6部をウエットケーキとして得た。得たウエットケーキを乾燥し、式(21)の化合物22.6部を得た。
脱水THF90部中に、式(21)の化合物22.6部を加えて、30分撹拌した。この液に30℃以下でボラン-THF錯体(0.93mol/l)140部を1時間かけて滴下し、30~40℃で1時間、50~60℃で4時間反応した。反応液に水30部を1時間かけて滴下し、1時間撹拌した。この反応液を濃縮することで、式(22)の化合物21.2部を得た。
DMF70部中に、式(22)の化合物21.2部、炭酸カリウム22.7部、ヨードエタン34.7部を加えて、100℃に加熱し、6時間反応させた。60℃に冷却し、得られた反応液に水250部を加え、トルエン200部で3回抽出を行った。得られた有機層を水200部で3回水洗した後、エバポレーターにて、トルエンを留去、乾燥することにより、下記式(23)で表される化合物24.7部を得た。
下記式(24)で表される化合物の合成
氷水50部中に、p-ニトロアニリン8.2部、35%塩酸18.8部を加えて、0~10℃にて30分撹拌した。同温度にて、40%亜硝酸ナトリウム10.9部を添加し、1時間撹拌した。得られた反応液に式(23)の化合物12.3部を加え、pH2.0~pH2.5、0~10℃で2時間、pH3.0~pH3.5、0~10℃で2時間反応を実施した。反応終了後、濾過し、水洗することで、式(24)で表される化合物14.7部を得た。
[着色分散液1の調製]
上記式(14)で表される化合物を15部、TS-1500を4.5部、SM-57を4.5部、プロクセルGXL 0.1部、サーフィノール104PG50を0.2部、イオン交換水 75.7部からなる混合物を、0.2mm径ガラスビーズを用いてサンドミルにて、冷却下、約15時間分散化処理を行った。ガラス繊維濾紙GC-50(ADVANTEC社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過することにより着色分散液1を得た。
[実施例2~7、比較例1~2]
[着色分散液2~9の調製]
表1に示すような上記式(1)で表される化合物の種類、量、及び分散剤の量に変更した以外は、実施例1と同様にして着色分散液2~9を得た。
下記表1中の略号は、それぞれ以下を表す。
TS-1500:ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系分散剤(東邦化学工業株式会社製)
SM-57:ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤(東邦化学工業株式会社製)
JC678:ジョンクリル 678 (BASFジャパン株式会社製)
[実施例8]
上記調製例3で得たY54分散液を6部、上記実施例1で得た着色分散液1を25部、上記調製例2で得たB359分散液を6部、調製例5で得たB360分散液8を18部、を混合し、グリセリンを15部、プロピレングリコールを10部、プロクセルGXL(ロンザ社製)を0.1部、BYK-348(ビックケミージャパン製)を0.8部、TEA-80(純正化学株式会社製)を0.1部、メトキシグリコールを5.0部、イオン交換水14.0部を加えて撹拌した後、5μmのフィルターにより濾過して、実施例1のインク1を得た。
[実施例9~14、比較例3~7]
表2に示すような着色分散液の種類、量、及びイオン交換水の量に変更した以外は、実施例8と同様にしてインク2~12を得た。
調製した各インクを、インクジェットプリンタ(EPSON株式会社製、商品名PX-504A)に充填し、中間記録媒体としてTRANSJET Eco II 8385(95g/m2)を用いて、100%Dutyあるいは25%Dutyの単色ベタ画像を印刷した中間記録媒体をそれぞれ得た。得られた各中間記録媒体のインク付着面とポリエステル布(帝人トロピカル)とを重ね合わせた後、卓上自動平プレス機(アサヒ繊維機械株式会社製:AF-65TEN)を用いて200℃×30秒の条件にて熱処理することによって、昇華転写染色方法により染色された染色物をそれぞれ得た。得られた各染色物について、下記の評価を行った。
分光測色計「eXact(X-rite社製)」を用いて、200℃×30秒の条件にて熱処理することによって、昇華転写染色方法により染色された25%Dutyの単色ベタの各染色物の色相L*a*b*を測定した。測色は視野角2°、ステータスIの条件を使用して、D65光源とF2光源における各L*a*b*の値を得た。得られた各光源のL*a*b*の値から色差△ED65-F2を下記(式1)から求め、以下の評価基準に従って評価した。
評価結果を上記表2に示す。
△ED65-F2=[(L* D65-L* F2)2+(a* D65-a* F2)2+(b* D65-b* F2)2]1/2 (式1)
[評価基準]
A:色差△ED65-F2が1.0以上4.5未満。
B:色差△ED65-F2が4.5以上5.0未満。
C:色差△ED65-F2が5.0以上。
[演色性2:D65光源とA光源の色差]
分光測色計「eXact(X-rite社製)」を用いて、200℃×30秒の条件にて熱処理することによって、昇華転写染色方法により染色された25%Dutyの単色ベタの各染色物の色相L*a*b*を測定した。測色は視野角2°、ステータスIの条件を使用して、D65光源とA光源における各L*a*b*の値を得た。得られた各光源のL*a*b*の値から色差△ED65-Aを下記(式2)から求め、以下の評価基準に従って評価した。
評価結果を上記表2に示す。
△ED65-A=[(L* D65-L* A)2+(a* D65-a* A)2+(b* D65-b* A)2]1/2 (式2)
[評価基準]
A:色差△ED65-Aが1.0以上3.5未満。
B:色差△ED65-Aが3.5以上4.0未満。
C:色差△ED65-Aが4.0以上。
[発色性:シグマK/S値]
分光測色計「eXact(X-rite社製)」を用いて、200℃×30秒の条件にて熱処理することによって、昇華転写染色方法により染色された100%Dutyの単色ベタの各染色物の染色濃度を測定した。測色はD65光源、視野角2°、ステータスIの条件で行った。各染色布の400~700nmにおける反射率Rラムダを測色し、Kubelka-Munkの式:K/S=(1-Rラムダ)2/2RラムダによりK/S値を算出した。そして、各波長におけるK/S値の合計であるシグマK/S値を算出し、以下の基準で染色濃度を評価した。シグマK/S値が大きい方が、染色濃度が高いことを示すため、品質が優れる。
評価結果を上記表2に示す。
[評価基準]
A:シグマK/S値が470以上
B:シグマK/S値が450以上470未満
C:シグマK/S値が430以上450未満
[再分散性]
上記各実施例、及び比較例の着色分散液、インクをそれぞれガラスシャーレの上に25μLの滴下のせ、60℃の恒温恒湿機で1時間乾燥させた。
乾燥後、室温で10mLのイオン交換水を滴下し、再分散するか否かを目視にて観察し、下記4段階の基準で評価した。
残渣が無くあるいは少なく再分散するインクほど、乾燥後の目詰まりを解消し易いため優れている。A、B又はCの場合、再分散性は良好と、Dの場合、不良と評価した。結果を上記表1、2に示す。
[評価基準]
A:残渣無く、全てが再分散した。
B:残渣が少し残るが、ほとんどが再分散している。
C:残渣は多く残るが、多少再分散している。
D:まったく再分散しない。
Claims (8)
- (A)下記式(1)で表される化合物、(B)ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル系分散剤及びポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルサルフェート系分散剤、さらに、イエロー染料を1種と、アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、620nm以上700nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー染料を1種と、アセトンに溶解した溶液の紫外可視分光吸収において、550nm以上620nm未満の波長域に極大吸収波長を有するブルー染料を1種と、を含む着色分散液。
- 上記式(1)におけるR4が塩素原子または臭素原子である、請求項1に記載の着色分散液。
- 上記式(1)におけるR1が水素原子、R2、R3がそれぞれ独立に、C1~C4アルコキシ基で置換されても良いC1~C4アルキル基、R4が塩素原子である、請求項1に記載の着色分散液。
- さらに水溶性有機溶剤を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の着色分散液。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の着色分散液が付着した記録メディア。
- 上記記録メディアが繊維である、請求項5に記載の記録メディア。
- 上記繊維が、疎水性繊維である請求項6に記載の記録メディア。
- 上記疎水性繊維が、ポリエステル又はポリエステルを含有する混紡繊維である、請求項7に記載の記録メディア。
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