JP7332262B2 - インク用分散液組成物 - Google Patents
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Description
特に、ポリエステル繊維の染色に使用される一般的なブルー染料としては、C.I.ディスパースブルー 359が挙げられる。この染料は耐光性がそれほど高くないため、高い耐光性を有する染料の開発が、市場から強く要求されている。しかしながら、現状ではこの要求を満足できる染料は見出されていない。
1)
下記式(1)で表される化合物と、C.I.ディスパースブルー 359とを含む着色液。
2)
上記式(1)で表される化合物が、C.I.ディスパースブルー 56、C.I.ディスパースブルー 81、C.I.ディスパースブルー 97、C.I.ディスパースブルー 145からなる群から選択される少なくとも一種である1)に記載の着色液。
3)
着色液中における、C.I.ディスパースブルー 359の含有量と、上記式(1)で表される化合物の含有量とが、含有重量比率(C.I.ディスパースブルー 359と上記式(1)で表される化合物との比)が、1:0.3~1:4.0の範囲であることを特徴とする1)または2)に記載の着色液。
4)
さらに分散剤を含む1)~3)のいずれか一項に記載の着色液。
5)
上記分散剤が、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、及び高分子系分散剤からなる群から選択される少なくとも一種の分散剤である4)に記載の着色液。
6)
上記アニオン系分散剤が、β-ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン塩のホルマリン縮合物からなる群から選択される少なくとも一種である5)に記載の着色液。
7)
フィトステロール化合物、及びコレスタノール化合物からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含む5)または6)に記載の着色液。
8)
上記高分子系分散剤が、スチレン・アクリル系ポリマー分散剤を含む5)~7)のいずれか一項に記載の着色液。
9)
さらに、消泡剤を含む1)~8)のいずれか一項に記載の着色液。
10)
さらに、水溶性有機溶剤を含む1)~9)のいずれか一項に記載の着色液。
11)
さらに、防腐剤を含む1)~10)のいずれか一項に記載の着色液。
12)
さらに、ロジン系化合物を含む1)~11)のいずれか一項に記載の着色液。
13)
上記式(1)で表される化合物と、上記C.I.ディスパースブルー 359とが、上記着色液中において、それぞれ、数平均粒子径が10~500nmの粒子を形成している1)~12)のいずれか一項に記載の着色液。
14)
1)~13)のいずれか一項に記載の着色液を含むインクジェットインク、及びそのインクジェットインクを用いるインクジェット印刷方法及びインクジェット印刷物。
15)
14)に記載のインクジェット印刷物を加熱して、印刷物側に付与された着色物を被染色対象物に昇華転写する昇華転写染色方法及び昇華転写染色物。
上記C.I.ディスパースブルー 359の、上記着色液中における含有量は、特に限定されるものではないが、上記着色液の総量に対して、0.1~25重量%、好ましくは0.5~20重量%、より好ましくは1~15重量%の範囲である。C.I.ディスパースブルー 359の含有量が0.1重量%未満の場合は、発色の濃度が不十分となる。また、25重量%を超えて含有するとインク用分散液組成物の保存安定性不良を引き起こしやすくなる。
上記着色液は分散剤を含むことが可能である。分散剤としては、例えば、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、及び高分子系分散剤からなる群から選択される少なくとも一種の分散剤であることが好ましい。
なお、上記(α-メチル)スチレンとは、本明細書においてα-メチルスチレン、及びスチレンを含む意味として用いる。具体例としては、JoncrylRTM 52J、57J、60J、63J、70J、JDX-6180、HPD-196、HPD96J、PDX-6137A、6610、JDX-6500、JDX-6639、PDX-6102B、PDX-6124(BASF製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、本明細書において上付きのRTMは登録商標を意味する。
上記カチオン分散剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。上記両性分散剤としては、例えば、カルボキシベタイン類、スルホベタイン類、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等の(C1~C4)アルコール;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2-ピロリドン、ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルピロリジン-2-オン等のラクタム;1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン、1,3-ジメチルヘキサヒドロピリミド-2-オン等の環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2-メチル-2-ヒドロキシペンタン-4-オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,6-ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール等のC2-C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ、若しくはポリアルキレングリコール又はチオグリコール;トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサン-1,2,6-トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1~C4)アルキルエーテル;γ-ブチロラクトン;ジメチルスルホキシド;等があげられる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。なお、上記の水溶性有機溶剤にはトリメチロールプロパン等のように、常温で固体の物質も含まれているが、これらは固体であっても水溶性を示し、水に溶解させた場合には水溶性有機溶剤と同じ目的で使用することができるため、便宜上、本明細書においては水溶性有機溶剤の範疇に記載する。
防腐剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N-ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8-オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物の具体例としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、例えば2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウムが挙げられ、イソチアゾリン系化合物の具体例としては、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンマグネシウムクロライド、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンカルシウムクロライド、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐の具体例として、無水酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム、アーチケミカル社製、商品名プロクセルRTMGXL(S)やプロクセルRTMXL-2(S)等が挙げられる。
本発明の着色液の製造方法としては、以下の2つの製造方法を主に用いうるが、これらに限定されるものではない。
第1の分散液の製造方法としては、例えば、以下の製造方法が使用できる。具体的には、上記式(1)で表される化合物、水、消泡剤、分散剤、防腐剤を含む溶液にガラスビーズを加え、サンドミルを用い、水冷下、約15時間分散処理を行なう。この分散処理には、上記サンドミル(ビーズミル)以外に、例えば、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて、分散液を構成する各成分を撹拌混合する等の公知の方法を用いることが可能である。分散時間は特に限定されないが、上記式(1)で表される化合物の数平均粒子径が10~500nmとなるように設定するのが好ましい。数平均粒子径が10~500nmとなるように設定することで、上記着色液あるいはインクの分散安定性や保存安定性が悪くなるのを防止することができる。上記分散処理中に、発泡が生じることがあるが、その場合、水溶性有機溶剤や界面活性剤等のインク調製剤を加えることにより、これを抑制することができる。また、必要に応じてシリコーン系;アセチレンアルコール系;等の消泡剤を、分散液の調製時に添加してもよい。但し、消泡剤には染料等の分散・微粒子化を阻害するものもあるため、微粒子化や分散液の安定性等に影響を及ぼさないものを使用するのが好ましい。好ましい消泡剤としては、例えば、日信化学工業株式会社製のオルフィンシリーズ(SK-14等);エアープロダクツジャパン株式会社製のサーフィノールシリーズ(104、DF-110D等);等が挙げられる。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC-50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した水性分散液を得られた。なお、上記ガラスビーズは、数平均粒子径を制御する目的で、任意の粒径のものを用いることが可能である。
第2の分散液の製造方法としては、例えば、以下の製造方法が使用できる。具体的には、C.I.ディスパースブルー 359、水、消泡剤、分散剤、防腐剤を含む溶液にガラスビーズを加え、サンドミルを用い、水冷下、約15時間分散処理を行なう。この分散処理には、上記サンドミル(ビーズミル)以外に、例えば、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて、分散液を構成する各成分を撹拌混合する等の公知の方法を用いることが可能である。分散時間は特に限定されないが、C.I.ディスパースブルー 359の数平均粒子径が10~500nmとなるように設定するのが好ましい。数平均粒子径が10~500nmとなるように設定することで、上記着色液あるいはインクの分散安定性や保存安定性が悪くなるのを防止することができる。上記分散処理中に、発泡が生じることがあるが、その場合、水溶性有機溶剤や界面活性剤等のインク調製剤を加えることにより、これを抑制することができる。また、必要に応じてシリコーン系;アセチレンアルコール系;等の消泡剤を、分散液の調製時に添加してもよい。但し、消泡剤には染料等の分散・微粒子化を阻害するものもあるため、微粒子化や分散液の安定性等に影響を及ぼさないものを使用するのが好ましい。好ましい消泡剤としては、例えば、日信化学工業株式会社製のオルフィンシリーズ(SK-14等);エアープロダクツジャパン株式会社製のサーフィノールシリーズ(104、DF-110D等);等が挙げられる。さらに該分散液をガラス繊維濾紙GC-50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した水性分散液を得られた。なお、上記ガラスビーズは、数平均粒子径を制御する目的で、任意の粒径のものを用いることが可能である。
上記第1の分散液と第2の分散液を混合して本発明の着色液を作製する。分散液を混合する方法として、撹拌しながら両分散液を混ぜ合わせ、着色液を作製する方法等を挙げることができる。
上記インクジェットインクと他のインクとのインクセットも本願発明に含まれる。上記インクジェットインクのインクセットとしては、上記インクジェットインクと異なる色調のインクとのインクセットとすることが好ましく、例えば、上記インクジェットインクと、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクからなる群から選択される少なくとも1つのインクとを含むインクセットが好ましい。
上記インクジェットインク、または上記インクセットを用いて捺染した疎水性繊維も本願発明に含まれる。上記疎水性繊維の具体例としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、トリアセテート、ジアセテート、ポリアミド等の各樹脂、及びこれらの樹脂を二種類以上含有する樹脂等が挙げられる。疎水性樹脂を含有する繊維としては、前記の樹脂からなる繊維、及び、これらの繊維とレーヨン等の再生繊維、木綿、絹、羊毛等の天然繊維との混紡繊維も、本明細書においては疎水性樹脂を含有する繊維に含まれる。繊維の中には、インク受容層(滲み防止層)を有するものも知られており、そのような繊維も後述する捺染方法に使用することができる。インク受容層を有する繊維は公知の方法で調製することも、また、市販品として入手することもできる。インク受容層の材質や構造等は特に限定されず、目的等に応じて適宜使用することができる。疎水性樹脂を含有する繊維の構造物である布帛の具体例としては、例えば、サテン、トロピカル、ダブルピケ、マイクロファイバー等が挙げられる。疎水性樹脂を含有するフィルム、及びシートとしては、PETフィルム、PETシート;疎水性樹脂がコーティングされた布帛、ガラス、金属、陶器;等が挙げられる。なお、上記「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」の略号である。
前記の染色方法は、繊維又は物質の染色方法であり、二つの種類に大別される。
本発明の着色液及びインクジェットインクは、長期に保管しても固体の凝集や沈殿等を生じることなく、保存安定性が良好である。また、粘度、平均粒子径等の物性の変化も極めて少ない。また、本発明の着色液及びインクジェットインクは、発色性に優れるだけでなく、印刷物の耐光性、耐擦性、耐ガス性、耐塩素性、耐汗性、洗濯堅牢度等の、各種の堅牢性にも優れる。
ジョンクリル 678(BASF社製)を25部、48%水酸化ナトリウム水溶液を8.0部、イオン交換水を71.8部、プロクセル GXL(アーチケミカル社製)を0.1部、サーフィノール 104(日信化学工業株式会社製)を0.1部、を混合し、80-90℃に昇温して10時間撹拌することにより、ジョンクリル 678の25%水溶液(分散剤1)を得た。
ジョンクリル 690(BASF社製)を25部、48%水酸化ナトリウム水溶液を9.0部、イオン交換水を71.8部、プロクセル GXL(アーチケミカル社製)を0.1部、サーフィノール 104(日信化学工業株式会社製)を0.1部、を混合し、80-90℃に昇温して10時間撹拌することにより、ジョンクリル 690の25%水溶液(分散剤2)を得た。
イオン交換水80部に、BPS-30(日光ケミカルズ株式会社製)を20部投入し50-60℃に昇温して1時間撹拌し、溶液「20%BPS-30」を得た。
C.I.ディスパースブルー 359を15部、40%ラベリン W40(第一工業製薬株式会社製)を18.8部、製造例2-1で得た20%BPS-30を3.8部、イオン交換水を71.8部、プロクセル GXL(アーチケミカル社製)を0.1部、サーフィノール 104(日信化学工業株式会社製)を0.1部、を混合し、ガラスビーズを加え、サンドミルを用い、水冷下、15時間分散処理を行なった。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC-50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した15%水性分散液(分散液1)を得た。
C.I.ディスパースブルー 56(江蘇亜邦染料股分有限公司製)を15部、40%ラベリン W40(第一工業製薬株式会社製)を18.8部、製造例2-1で得た20%BPS-30を3.8部、イオン交換水を71.8部、プロクセル GXL(アーチケミカル社製)を0.1部、サーフィノール 104(日信化学工業株式会社製)を0.1部、を混合し、ガラスビーズを加え、サンドミルを用い、水冷下、15時間分散処理を行なった。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC-50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した15%水性分散液(分散液2)を得た。
下記表1~2に記載の各成分に0.2mm径のガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、15時間分散処理を行った。分散処理後、染料含有量が15%の水性分散液を調製した。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC-50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した水性分散液を得た得られた着色分散液を、それぞれ分散液1~13とする。
下記表3に記載の各成分に0.2mm径ガラスビーズを加え、サンドミルにて水冷下、約15時間分散処理を行った。分散処理後、染料含有量が15%の水性分散液を調製した。次いで、該分散液をガラス繊維濾紙GC-50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)で濾過し、粒子サイズの大きい成分を除去した水性分散液を得た得られた着色分散液を、それぞれ分散液14~17とする。なお、本願明細書における分散液は上記着色液を示す。
DB359:C.I.ディスパースブルー 359(江蘇亜邦染料股分有限公司製)
DB56:C.I.ディスパースブルー 56(江蘇亜邦染料股分有限公司製)
DB81:C.I.ディスパースブルー 81(江蘇亜邦染料股分有限公司製)
DB97:C.I.ディスパースブルー 97(江蘇亜邦染料股分有限公司社製)
DB145:C.I.ディスパースブルー 145(江蘇亜邦染料股分有限公司社製)
バニレックスN:リグニンスルホン酸(日本製紙株式会社製)
ラベリンW40:ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(第一工業製薬株式会社製)
BPS-30:ニッコール BPS-30(日光ケミカルズ株式会社製)
サーフィノール104:アセチレングリコール界面活性剤(日信化学工業株式会社製)
プロクセルGXL(S):プロクセルGXL(S)(アーチケミカル社製)
上記のようにして得られた分散液1~15について、分散液初期粒子径、分散液経時粒子径、分散液保存安定性を、後述する評価方法にて評価した。なお、上記分散液初期粒子径は、上記数平均粒子径と同義である。
表1~6の実施例及び比較例の分散液1~15をそれぞれ1000倍に希釈し、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)を用いて、体積平均粒子径(D10 D50 D90)の測定を行い、D50の値を分散液初期粒子径とした。評価基準は以下のとおりである。ランク2以下は、実用上耐えられないレベルである。
(評価基準)
ランク5:分散液初期粒子径が100nm未満である。
ランク4:分散液初期粒子径が100nm以上120nm未満である。
ランク3:分散液初期粒子径が120nm以上150nm未満である。
ランク2:分散液初期粒子径が150nm以上180nm未満である。
ランク1:分散液初期粒子径が180nm以上である。
表1~6の実施例及び比較例の分散液1~15をそれぞれ100g、ガラス瓶内に密封し、60℃で14日間放置した。放置後に、分散液1~15をそれぞれ1000倍に水を用いて希釈し、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)を用いて、体積平均粒子径(D50)の測定を行い、分散液経時粒子径とした。
評価基準は以下のとおりである。ランク2以下は、実用上耐えられないレベルである。
(評価基準)
ランク5:分散液初期粒子径が100nm未満である。
ランク4:分散液初期粒子径が100nm以上120nm未満である。
ランク3:分散液初期粒子径が120nm以上150nm未満である。
ランク2:分散液初期粒子径が150nm以上180nm未満である。
ランク1:分散液初期粒子径が180nm以上である。
表1~6の実施例及び比較例の分散液1~15をそれぞれ10000倍に希釈し、400nm~780nmにおける極大吸収波長の吸光度を測定した。次に、分散液1~42を、それぞれ100gを、ガラス瓶内に密封し、60℃で14日間放置した。放置後に、得られた分散液1~42をそれぞれ10000倍に希釈し、同様に極大吸収波長の吸光度を測定した。放置前の吸光度を100%として、放置後の吸光度を算出し、その値を用いて分散液保存安定性を評価した。評価基準は以下の通りである。ランク2以下は実用上耐えられないレベルである。
(評価基準)
ランク5:放置後の吸光度が95%以上である。
ランク4:放置後の吸光度が90%以上95%未満である。
ランク3:放置後の吸光度が80%以上90%未満である。
ランク2:放置後の吸光度が60%以上80%未満である。
ランク1:放置後の吸光度が60%未満である。
下記表4及び表5に記載の各成分を混合し、30分間攪拌することにより、インク1~11を得た。得られた各インクをガラス繊維ろ紙 GC-50(ADVANTEC社製)で濾過することにより、染料の含有量がいずれも5%であるインクジェット記録に用いる試験用の各インク1~11を調製した。表4及び表5中の耐光性評価及び結果については後述する。
下記表6に記載の各成分を混合し、30分間攪拌することにより、インク12~15を得た。得られた各インクをガラス繊維ろ紙GC-50(ADVANTEC社製)で濾過することにより、染料の含有量がいずれも5%であるインクジェット記録に用いる試験用の各インク12~15を調製した。表6中の耐光性評価及び結果については後述する。
表4~6に記載した、実施例及び比較例の各インク1~15を、インクジェットプリンタ(EPSON株式会社製、商品名PX-504A)にそれぞれ充填し、中間記録媒体としてTRANSJET EcoII 8385(95g/m2)を用いて、100%Dutyの単色ベタ画像を印刷した中間記録媒体をそれぞれ得た。得られた各中間記録媒体の着色物付着面とポリエステル布(帝人トロピカル)とを重ね合わせた後、卓上自動平プレス機(アサヒ繊維機械株式会社製:AF-65TEN)を用いて200℃×30秒の条件にて熱処理することによって、昇華転写染色方法により染色された染色物をそれぞれ得た。得られた各染色物について、下記の評価を行った。
スガ試験機株式会社製、商品名:低温キセノンウェザオメーター XL75を用い、10万Lux照度、湿度60%RH、温度24℃の条件下に、200℃×30秒の条件にて熱処理することによって、昇華転写染色方法により染色された各染色物を24時間放置した。試験後の各染色物のキセノンランプの照射箇所の変退色度合いをJIS変褪色用ブルースケール及びで判定した。判定級は大きいほど変退色の度合いが低いことを示し、優れた結果であることを意味する。試験結果は上記表4~6に示した。更に、上記実施例及び比較例で得られた各染色物の染色部分について測色を行った。具体的には染色布のキセノンランプの照射箇所、及び照射していない場所それぞれについて、分光光度計「eXact(X-rite社製)」を用いて測色し、L*a*b*を測定した。測色はD65光源、視野角2°、ステータスIの条件で行った。得られた結果からキセノンランプの照射箇所、及び照射していない箇所の△Eabを算出した結果を下記表7~9に示す。△Eabの数値が低いほど変退色度合いが低いことを表わしており、すなわち耐光性に効果があるといえる。
Claims (15)
- 上記式(1)で表される化合物が、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー81、C.I.ディスパースブルー97、C.I.ディスパースブルー145からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1に記載の着色液。
- 着色液中における、C.I.ディスパースブルー359の含有量と、上記式(1)で表される化合物の含有量とが、含有重量比率(C.I.ディスパースブルー359と上記式(1)で表される化合物との比)が、1:0.3~1:4.0の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の着色液。
- さらに分散剤を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の着色液。
- 上記分散剤が、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、及び高分子系分散剤からなる群から選択される少なくとも一種の分散剤である請求項4に記載の着色液。
- 上記アニオン系分散剤が、β-ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン塩のホルマリン縮合物からなる群から選択される少なくとも一種である請求項5に記載の着色液。
- フィトステロール化合物、及びコレスタノール化合物からなる群から選択される少なくとも一種をさらに含む請求項5または6に記載の着色液。
- 上記高分子系分散剤が、スチレン・アクリル系ポリマー分散剤を含む請求項5~7のいずれか一項に記載の着色液。
- さらに、消泡剤を含む請求項1~8のいずれか一項に記載の着色液。
- さらに、水溶性有機溶剤を含む請求項1~9のいずれか一項に記載の着色液。
- さらに、防腐剤を含む請求項1~10のいずれか一項に記載の着色液。
- さらに、ロジン系化合物を含む請求項1~11のいずれか一項に記載の着色液。
- 上記式(1)で表される化合物と、上記C.I.ディスパースブルー359とが、上記着色液中において、それぞれ、数平均粒子径が10~500nmの粒子を形成している請求項1~12のいずれか一項に記載の着色液。
- 請求項1~13のいずれか一項に記載の着色液を含むインクジェットインク。
- 請求項14に記載のインクジェットインクを用いて印刷されたインクジェット印刷物。
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