JP7331772B2 - 点火制御装置 - Google Patents

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Description

内燃機関等の点火を制御する点火制御装置に関する。
火花点火式の車両エンジンにおける点火制御装置は、気筒ごとに設けられる点火プラグに、一次コイルと二次コイルを有する点火コイルを接続した点火装置を備え、一次コイルへの通電遮断時に二次コイルに発生する高電圧を印加して、火花放電を発生させている。また、火花放電による混合気への着火性を高めるために、火花放電の開始後に、放電エネルギを投入する手段を設けている。
その際に、1つの点火コイルによる点火動作を繰り返す複数回点火を行うことも可能であるが、より安定した点火制御を行うために、主点火動作によって発生した火花放電中に、放電エネルギを追加して、二次電流を重畳的に増加させるようにしたものがある。例えば、特許文献1には、1気筒毎に2系統のエネルギ供給手段が設けられており、一方の系統のエネルギ供給手段にて主点火を開始した後に、他方の系統のエネルギ供給手段を動作させて、二次コイルに同一方向の二次電流を継続して流すことで、火花放電を継続させるように構成された点火装置が提案されている。
特許文献1に開示される点火装置は、主点火回路とエネルギ投入回路の2系統のエネルギ供給手段を有すると共に、その一方の系統に共通の信号線を設けることで、制御側の出力端子の不足等を抑制している。共通の信号線は、一方の端部が、制御側の出力端子に接続されると共に、他方の端部が途中で分岐して、分岐した各信号線が、気筒毎に設けられるエネルギ投入回路とそれぞれ接続される。このようにすると、一本の信号線の追加で、複数気筒のエネルギ投入を制御することができる。
特開2017-210965号公報
特許文献1の構成では、共通の信号線から、電気的に並列な複数の分岐線を介して、各気筒に同じエネルギ投入信号が入力されるようになっている。これにより、エンジン側と点火装置側とを接続する信号線や端子の数を低減できる一方で、点火装置側のインターフェイスの仕様変更が必要となることが、新たな課題となっている。すなわち、複数気筒の信号入力回路部に設けられる複数の入力抵抗が並列接続になることから、気筒数による入力インピーダンスの変化に起因してインピーダンス不整合が起こり、信号レベルの低下により各気筒にてエネルギ投入信号を正しく認識できなくなるおそれがある。そのため、従来は、気筒数に応じた回路構成の変更が必要となっていた。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、複数の点火装置に共通の信号線を用いてエネルギ投入する構成において、気筒数によらず、共通の信号入力回路部を用いてエネルギ投入信号を正しく認識可能な点火制御装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
内燃機関の複数の気筒に対応する複数の点火装置(10)を備える内燃機関の点火制御装置(1)であって、
複数の上記点火装置のそれぞれに、主点火信号(IGt)を受信するためのIGt信号線(L1)が設けられると共に、複数の上記点火装置に対して共通に、エネルギ投入信号(IGw)を受信するためのIGw信号線(L2)が設けられており、
上記点火装置は、
上記主点火信号に基づく主点火動作を制御する主点火制御回路部(3)と、
上記エネルギ投入信号に基づくエネルギ投入動作を制御するエネルギ投入制御回路部(4)と、
上記主点火信号及び上記エネルギ投入信号が入力される信号入力回路部(5)と、を備え、
上記信号入力回路部は、上記IGw信号線に接続されるIGw入力線(L21)と接地電位(GND)との間に挿入される入力抵抗(Rw)と、上記主点火信号の入力に対応して開始される気筒選択期間(Ta)の間のみ上記入力抵抗を有効化する気筒選択回路(50)と、を含んでおり、
上記気筒選択回路は、
上記主点火信号の入力開始を検出してIGtトリガ信号を生成するIGt入力開始検出回路(51)と、
上記IGtトリガ信号の入力により、上記気筒選択期間に対応する選択期間信号を生成する期間生成回路(52)と、
上記IGw入力線に挿入され、上記選択期間信号に対応して切り替えられて、上記気筒選択期間に入力される上記エネルギ投入信号を選択的に通過させる第1切替スイッチ(SW1)と、を含む、内燃機関の点火制御装置にある。
上記点火制御装置において、複数の点火装置は、IGt信号線からの信号に基づいて主点火動作を行い、さらに、IGw信号線からの信号に基づいてエネルギ投入動作を行う。このとき、共通のIGw信号線から受信されるエネルギ投入信号は、各点火装置の信号入力回路部に入力される一方、信号入力回路部に設けられる入力抵抗は、気筒選択回路による気筒選択期間中にのみ有効化される。気筒選択期間は、主点火信号が入力された気筒にて開始され、常に1つの気筒でのみ入力抵抗が有効となるので、気筒数の変化によるインピーダンス不整合が抑制される。これにより、選択された気筒において、気筒別のエネルギ投入信号の信号レベルを正しく認識できるので、主点火動作に続くエネルギ投入動作を制御性よく実施することができる。また、気筒数に応じて回路構成を変更する必要がないので、信号入力回路部の共通化が可能になる。
以上のごとく、上記態様によれば、複数の点火装置に共通の信号線を用いてエネルギ投入する構成において、気筒数によらず、共通の信号入力回路部を用いてエネルギ投入信号を正しく認識可能な点火制御装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、内燃機関の点火制御装置の全体概略構成図。 実施形態1における、内燃機関の点火制御装置に設けられる点火装置の詳細構成を示す全体構成図。 実施形態1における、点火制御装置の点火制御回路に入力される各種信号に基づく主点火動作及びエネルギ投入動作を示すタイムチャート図。 実施形態1における、点火制御装置の点火制御回路の構成を、従来の点火制御回路の構成と比較して示す図。 従来の点火制御回路における、入力信号に基づく主点火動作及びエネルギ投入動作を示すタイムチャート図。 実施形態2における、内燃機関の点火制御装置に設けられる点火装置の詳細構成を示す全体構成図。 実施形態2における、点火制御装置の点火制御回路に入力される各種信号に基づく主点火動作及びエネルギ投入動作を示すタイムチャート図。 実施形態3における、内燃機関の点火制御装置に設けられる点火装置の詳細構成を示す全体構成図。 実施形態4における、内燃機関の点火制御装置の全体概略構成図。 実施形態4の変形例における、内燃機関の点火制御装置の全体概略構成図。
(実施形態1)
内燃機関の点火制御装置に係る実施形態1について、図1~図3を参照して説明する。
図1において、点火制御装置1は、例えば、内燃機関としての車載用の火花点火式エンジンに適用されて、気筒毎に設けられる点火プラグPの点火を制御する。点火制御装置1は、図示しないエンジンの複数の気筒に対応する複数の点火装置10を備えており、エンジンからの点火指令に基づいて、各点火装置10に接続される点火コイル2の通電が制御される。ここで「接続」とは、電気的な接続を意味するものとし、以降も同様とする。
複数の点火装置10は、それぞれ、点火制御回路11を備えており、点火指令に基づく点火制御を行う。そのために、複数の点火装置10のそれぞれに対して、主点火信号IGtを受信するためのIGt信号線L1が設けられると共に、複数の点火装置10に対して共通に、エネルギ投入信号IGwを受信するためのIGw信号線L2が設けられる。IGt信号線L1及びIGw信号線L2は、外部のエンジン用電子制御装置(以下、エンジンECU;Electronic Control Unitと略称する)100に接続される。
具体的には、各点火装置10の点火制御回路11は、主点火信号IGtに基づく主点火動作を制御する主点火制御回路部3と、エネルギ投入信号IGwに基づくエネルギ投入動作を制御するエネルギ投入制御回路部4と、主点火信号IGt及びエネルギ投入信号IGwが入力される信号入力回路部5と、を備える。
図2に構成例を示すように、点火コイル2は、一次コイル21及び二次コイル22を備え、一次コイル21を流れる一次電流I1の増減に伴い、点火プラグPに接続される二次コイル22に放電エネルギを発生させる。主点火制御回路部3は、点火コイル2の一次コイル21への通電を制御して、点火プラグPに火花放電を生起する主点火動作を行う。また、エネルギ投入制御回路部4は、主点火動作により点火コイル2の二次コイル22を流れる二次電流I2に電流を重畳させるエネルギ投入動作を行う。
信号入力回路部5は、具体的には、入力抵抗Rwと、気筒選択回路50とを含む。入力抵抗Rwは、IGw信号線L2に接続されるIGw入力線L21と接地電位GNDとの間に挿入される。気筒選択回路50は、主点火信号IGtの入力に対応して開始される気筒選択期間Taの間のみ、入力抵抗Rwを有効化するよう構成される。これにより、気筒数によらず、選択された気筒においてのみ入力抵抗Rwが有効となり、入力インピーダンスの不整合が抑制されるので、エネルギ投入信号IGwを正しく認識することができる。
好適には、気筒選択期間Taは、自気筒への主点火信号IGtの入力を起点とし、他気筒への主点火信号IGtの入力が開始される時点よりも前に終了する。また、信号入力回路部5は、入力抵抗Rwを含むIGw検出回路6を備える。IGw検出回路6は、IGw入力線L21からの入力信号IGw_inの信号レベルを基準値V(-)と比較した結果に基づいて、エネルギ投入信号IGwを識別すると共に、気筒選択期間Taの間のみエネルギ投入制御回路部4へ出力する。
好適には、気筒選択回路50は、IGt入力開始検出回路としてのIGt立ち上がり検出回路51と、期間生成回路としてのタイマ回路52と、第1切替スイッチSW1とを含む。IGt立ち上がり検出回路51は、主点火信号IGtの入力開始を検出して、IGtトリガ信号としての立ち上がりトリガ信号を生成する。タイマ回路52は、立ち上がりトリガ信号の入力により、気筒選択期間Taに対応する選択期間信号としてのタイマ信号を生成する。第1切替スイッチSW1は、IGw入力線L21に挿入されて、タイマ信号に対応して切り替えられ、気筒選択期間Taに入力されるエネルギ投入信号IGwを選択的通過させる。
これにより、選択された気筒においてのみ、エネルギ投入制御回路部4へエネルギ投入信号IGwを入力させて、主点火動作に続くエネルギ投入動作を行うことができる。期間生成回路は、主点火信号IGtの入力開始をオントリガとして選択期間信号を生成する回路であればよく、後述するように、エネルギ投入信号IGwの入力停止をオフトリガとして選択期間信号となるパルス信号を生成するパルス生成回路であってもよい。
以下、点火制御装置1の各部構成について、詳細に説明する。
図2に示すように、本形態の点火制御装置1は、任意の気筒数の火花点火式エンジンに適用され、気筒毎に設けられる点火装置10を用いて、点火プラグPに火花放電を生起する。以下、気筒番号を#1~#nとして示す。ここでは、#1気筒について、点火装置10の具体的構成を示しているが、他の気筒においても同様の構成を有するものとする。例えば、図1には、4気筒エンジンの場合を示している(すなわち、#1~#4)。
点火装置10は、点火プラグPに接続される点火コイル2と、点火コイル2に接続される主点火用スイッチ2A及びエネルギ投入用スイッチ2Bと、主点火動作及びエネルギ投入動作を制御する点火制御回路11とを備える。点火プラグPは、火花ギャップGを挟んで対向する中心電極と接地電極とを備える公知の構成とすることができる。
点火コイル2は、一次コイル21を流れる一次電流I1の増減により、点火プラグPに接続される二次コイル22に放電エネルギを発生させる。ここでは、一次コイル21を、中間タップ20を介して、主一次コイル21a及び副一次コイル21bが直列接続された構成としており、主一次コイル21aと副一次コイル21bの接続点となる中間タップ20には、車両バッテリ等の直流電源Bから、第1ダイオード23を介して、バッテリ電圧が供給される。第1ダイオード23は、アノード端子が直流電源Bに接続されカソード端子が中間タップ20に接続される。中間タップ20と反対側において、主一次コイル21aと接地電位GNDとの間には、主点火用スイッチ2Aが接続されており、副一次コイル21bと接地電位GNDとの間には、エネルギ投入用スイッチ2Bが接続される。
点火コイル2は、一次コイル21となる主一次コイル21a又は副一次コイル21bと、二次コイル22とが、互いに磁気結合されて、公知の昇圧トランスを構成する。二次コイル22の一端側は、点火プラグPに接続されており、他端は、第2ダイオード24及び二次電流検出抵抗25を介して接地されている。第2ダイオード24は、アノード端子が二次コイル22に接続しカソード端子が二次電流検出抵抗25に接続するように配置されて、二次コイル22を流れる二次電流I2の方向を規制している。
点火装置10には、外部のエンジンECU100に接続されるIGt信号線L1から、主点火動作を行うための主点火信号IGtが入力されると共に、IGw信号線L2から、エネルギ投入動作を行うためのエネルギ投入信号IGwが入力される。点火制御回路11には、主点火動作を制御する主点火制御回路部3と、エネルギ投入動作を制御するエネルギ投入制御回路部4とが設けられると共に、主点火信号IGt及びエネルギ投入信号IGwが入力される信号入力回路部5が設けられる。
エンジンECU100には、気筒数に応じた複数のIGt生成部101と、全気筒に共通のIGw生成部102が設けられる。IGt生成部101は、対応する気筒の主点火信号IGtを生成し、気筒別のIGt信号線L1を介して、対応する気筒の点火装置10に送信する。また、IGw生成部102において、各気筒に対応するエネルギ投入信号IGwを生成し、共通のIGw信号線L2を介して、各気筒に送信する。
このとき、各IGt信号線L1の一端側は、気筒毎のIGt生成部101に連なるエンジンECU100の出力端子に接続し、他端側は、対応する点火装置10の入力端子を介して、点火制御回路11のIGt入力線L11に接続される。気筒別の主点火信号IGt、IGt信号線L1は、図2中にIGt#1~IGt#n、L1#1~L1#nとして示されている。
また、共通のIGw信号線L2の一端側は、共通のIGw生成部102に連なるエンジンECU100の出力端子に接続し、他端側は、各気筒の点火装置10に対応して順次二股状に分岐している。IGw信号線L2の各分岐線は、対応する点火制御回路11の入力端子を介して、IGw入力線L21に接続される。これにより、複数の点火装置10に対応する複数のIGw入力線L21は、互いに並列接続される。
各点火装置10の点火制御回路11において、IGt入力線L11及びIGw入力線L21は、信号入力回路部5を経由して、主点火制御回路部3及びエネルギ投入制御回路部4に接続される。信号入力回路部5は、IGt入力線L11に入力される主点火信号IGtを検出して、主点火制御回路部3へ出力するIGt検出回路31を有すると共に、IGw入力線L21に入力されるエネルギ投入信号IGwを検出して、エネルギ投入制御回路部4へ出力するIGw検出回路6を有する。信号入力回路部5は、気筒選択回路50を通過した信号を、IGw検出回路6への入力信号IGw_inとして、気筒別のエネルギ投入信号IGwを抽出し、エネルギ投入制御回路部4への出力信号IGw_outとする。信号入力回路部5の詳細は、後述する。
主点火制御回路部3は、主点火信号IGtに基づいて、主点火用スイッチ2Aの駆動信号を生成し、所定のタイミングで主点火用スイッチ2Aをオンオフ駆動することにより、主一次コイル21aへの通電を制御する。主点火用スイッチ2Aは、電圧駆動型のスイッチング素子、例えば、IGBT(すなわち、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)であり、ゲート端子に入力するゲート信号に応じて、ゲート電位が制御されることにより、コレクタ端子とエミッタ端子の間が導通又は遮断される。主点火用スイッチ2Aのコレクタ端子は、主一次コイル21aに接続され、エミッタ端子は接地されている。
エネルギ投入制御回路部4は、エネルギ投入信号IGwに基づいて、エネルギ投入用スイッチ2Bの駆動信号を生成し、所定のタイミングでエネルギ投入用スイッチ2Bをオンオフ駆動することにより、副一次コイル21bへの通電を制御する。エネルギ投入用スイッチ2Bは、電圧駆動型のスイッチング素子、例えば、MOSFET(すなわち、電界効果型トランジスタ)であり、ゲート端子に入力するゲート信号に応じてゲート電位が制御されることにより、ドレイン端子とソース端子の間が導通又は遮断される。エネルギ投入用スイッチ2Bのドレイン端子は、副一次コイル21bに接続され、ソース端子は接地されている。
主点火動作は、主点火用スイッチ2Aがオン(すなわち、閉状態)となることで開始され、主一次コイル21aへの通電により、一次電流I1が流れる。次いで、主点火用スイッチ2Aがオフ(すなわち、開状態)となり、主一次コイル21aへの通電が遮断されると、相互誘導作用により二次コイル22に高電圧が発生する。この高電圧が、点火プラグPの火花ギャップGに印加されて、火花放電が発生し、二次電流I2が流れる。
エネルギ投入動作は、主点火動作による火花放電の発生後に、エネルギ投入用スイッチ2Bがオン(すなわち、閉状態)となることで開始され、二次コイル22を流れる二次電流I2に対して電流が重畳されて、火花放電が継続される。このとき、主一次コイル21aと副一次コイル21bとは、直流電源Bからの通電時に生じる磁束の向きが逆方向になるように巻回されており、副一次コイル21bへの通電により、同じ向きの重畳磁束を生じさせて、エネルギ投入用スイッチ2Bがオフ(すなわち、開状態)となるまで、重畳的に放電エネルギを増加させることができる。
エネルギ投入動作において、エネルギ投入用スイッチ2Bは、二次電流I2の検出値が所定の目標値となるように、オンオフ駆動される。エネルギ投入制御回路部4には、二次電流検出抵抗25に基づく二次電流I2の検出値が入力されており、エネルギ投入制御回路部4は、目標値と検出値との比較結果に基づいて、エネルギ投入用スイッチ2Bをオンオフし、二次電流I2のフィードバック制御を行う(すなわち、I2F/B)。
エンジンECU100において、複数のIGt生成部101は、それぞれ、pnp型の出力トランジスタTrECU_Tと出力抵抗RECU_Tとを含んで構成される。出力トランジスタTrECU_Tのエミッタ端子には、電源電圧Vccが供給されており、出力抵抗RECU_Tは、出力トランジスタTrECU_Tのコレクタ端子とIGt信号線L1への出力端子との間に挿入されている。このとき、IGt生成部101は、出力トランジスタTrECU_Tのベース端子に印加される電圧によって、エミッタ-コレクタ間の導通・遮断を制御することによって、Hiレベル又はLoレベルの二値電圧信号である、主点火信号IGtを生成する。
主点火信号IGtは、IGt生成部101からIGt信号線L1へ出力され、対応する気筒の信号入力回路部5に入力される。信号入力回路部5において、IGt入力線L11に挿入されるIGt検出回路31は、後述するIGw検出回路6と同様の回路構成を有し、入力抵抗Rtと図示しない比較回路を含んで構成され、入力信号の電圧レベルに基づいて、主点火信号IGtを検出する。入力抵抗Rtは、例えば、#2気筒に対応する点火制御回路11中に示すように、IGt入力線L11と接地電位GNDとの間に挿入される。比較回路は、入力抵抗Rtに応じた基準電圧と、入力信号の電圧レベルとを比較して、基準電圧を超えたときにHiレベル信号が出力されるように設定される。
また、共通のIGw生成部102は、pnp型の出力トランジスタTrECU_Wと出力抵抗RECU_Wとを含んで構成される。出力トランジスタTrECU_Wのエミッタ端子には、電源電圧Vccが供給されており、出力抵抗RECU_Wは、出力トランジスタTrECU_Wのコレクタ端子とIGw信号線L2への出力端子との間に挿入されている。このとき、IGw生成部102は、出力トランジスタTrECU_Wのベース端子に印加される電圧によって、エミッタ-コレクタ間の導通・遮断を制御することにより、Hiレベル又はLoレベルの二値電圧信号である、エネルギ投入信号IGwを生成する。
エネルギ投入信号IGwは、IGw生成部102からIGw信号線L2へ出力され、分岐線から各気筒の信号入力回路部5に入力される。信号入力回路部5において、IGw入力線L21には、気筒選択回路50と、IGw検出回路6とが設けられる。IGw検出回路6は、入力抵抗Rwと比較回路61を含んで構成され、入力信号の電圧レベルに基づいて、エネルギ投入信号IGwを検出する。入力抵抗Rwは、IGw入力線L21と接地電位GNDとの間を接続する接地線L3に挿入される。
気筒選択回路50は、主点火信号IGtが出力されている気筒を判別して、エネルギ投入信号IGwを選択的に通過させるように構成されている。これにより、選択されている気筒においてのみ、後段のIGw検出回路6にエネルギ投入信号IGwが入力され、気筒別のエネルギ投入信号IGwが検出されて、エネルギ投入制御回路部4へ出力される。
具体的には、気筒選択回路50は、IGt入力線L11に接続されるIGt立ち上がり検出回路51と、主点火信号IGtの立ち上がりをトリガとしてタイマ信号を生成するタイマ回路52と、タイマ回路52からのタイマ信号を反転させる反転回路53と、反転回路53からの反転信号に基づいて、IGw入力線L21の開閉状態を切り替えるための第1切替スイッチSW1とを含む。
IGt立ち上がり検出回路51は、IGt検出回路31と主点火制御回路部3との間のIGt入力線L11に接続される。IGt立ち上がり検出回路51は、IGt検出回路31を通過して後段に出力される信号レベルの変化から、主点火信号IGtの入力開始を検出する。具体的には、主点火信号IGtの立ち上がりを検出したときに、立ち上がりトリガ信号を生成して出力する。
タイマ回路52は、主点火信号IGtの立ち上がりを起点として、所定の気筒選択期間Taに対応する矩形波パルス信号を生成し、タイマ信号として出力する。タイマ信号は、選択された気筒に対する主点火信号IGtの出力以後で、次の気筒に対する主点火信号IGtの出力以前の期間に出力されるものである。気筒選択期間Taは、少なくとも、エネルギ投入信号IGwが出力される期間を含んで、その出力期間よりも長い期間となるように設定される。反転回路53は、タイマ回路52からのタイマ信号が反転された信号を出力する。
第1切替スイッチSW1は、ここでは、pnp型トランジスタにて構成されており、そのベース端子には、反転回路53からタイマ信号の反転信号が入力される。これにより、第1切替スイッチSW1は、タイマ信号の反転信号がLoレベルとなっている間、オンとなる。言い換えれば、Hiレベルのタイマ信号が出力されている気筒選択期間Taの間、IGw入力線L21に挿入された第1切替スイッチSW1がオンとなり、エミッタ端子とコレクタ端子の間が導通する。
第1切替スイッチSW1のエミッタ端子は、IGw入力線L21を介して、IGw信号線L2に連なる入力端子に接続されている。第1切替スイッチSW1のコレクタ端子は、IGw入力線L21と入力抵抗Rwとの接続点を介して、IGw検出回路6を構成する比較回路61の非反転入力端子(+)に接続されている。これにより、第1切替スイッチSW1がオンとなっている間、IGw入力線L21を介して、IGw検出回路6がIGw信号線L2に接続され、入力抵抗Rwが有効化される。
このとき、比較回路61の非反転入力端子(+)には、IGw入力線L21からの入力信号IGw_inが入力される。一方、比較回路61の反転入力端子(-)には、入力信号IGw_inの信号レベルに対応させた基準電圧V(-)が、基準値として供給されており、これらの比較結果に基づいて、気筒別のエネルギ投入信号IGwが検出される。入力信号IGw_inの信号レベルは、後述するように、入力抵抗Rwに応じて定まり、選択された気筒においてのみ入力抵抗Rwが有効となることで、気筒数によらず、共通の基準電圧V(-)を用いることができる。
次に、図3に示すタイムチャートを参照しながら、上記構成の点火制御装置1による点火制御と、各気筒の点火制御回路11における信号入力回路部5の作動について説明する。ここでは、図3中にIGt#1、IGt#2、と示すように、上述したエンジンECU100のIGt生成部101において、#1気筒、#2気筒に対応する主点火信号IGtが順に生成されて、対応するIGt信号線L1に出力されるものとする。また、図3中にIGw#1、IGw#2、と示すように、共通のIGw生成部102において、#1気筒、#2気筒に対応するエネルギ投入信号IGwが順に生成されて、共通のIGw信号線L2に出力されるものとする。
これに伴い、各気筒の点火装置10において、IGt信号線L1及びIGw信号線L2に接続されるIGt入力線L11及びIGw入力線L21から、気筒別の主点火信号IGt及び全気筒のエネルギ投入信号IGwが、信号入力回路部5に入力される。信号入力回路部5は、IGt検出回路31に入力される信号レベルに基づいて主点火信号IGtを検出し、主点火制御回路部3へ出力する。#1気筒の主点火信号IGtは、例えば、時刻t1にてHiレベルへ立ち上がり、時刻t3にてLoレベルへ立ち下がる、矩形波パルス信号である。
主点火制御回路部3は、時刻t1にて点火コイル2の主点火動作を開始させる。すなわち、主点火用スイッチ2Aをオン状態として、主一次コイル21aへ通電することで、主一次電流I1_mainを上昇させる。次いで、時刻t3にて主点火用スイッチ2Aをオフ状態として、通電を遮断することで、二次コイル22に高い二次電圧が発生する。これにより、点火プラグPに火花放電が発生し、二次電流I2が流れる。
一方、主点火動作後に、エネルギ投入動作が要求される場合には、#1気筒の主点火信号IGtの出力後、#2気筒の主点火信号IGtの出力までの期間T(すなわち、時刻t1から時刻t6までの間)において、エネルギ投入信号IGwが出力される。ここでは、#1気筒のエネルギ投入信号IGwは、例えば、時刻t2にてHiレベルへ立ち上がり、時刻t4にてLoレベルへ立ち下がる、矩形波パルス信号である。#1気筒のエネルギ投入信号IGwは、時刻t6以降において、次の主点火信号IGtが出力されるまでの間に出力される。エネルギ投入動作が要求されない場合には、対応するエネルギ投入信号IGwは出力されない。
信号入力回路部5は、IGt検出回路31にて検出される主点火信号IGtに基づいて、気筒選択回路50を作動させることにより、IGw検出回路6へのエネルギ投入信号IGwの入力を制御する。すなわち、時刻t1にて#1気筒の主点火信号IGtが出力されると、IGt検出回路31と主点火制御回路部3との間のIGt入力線L11に接続されるIGt立ち上がり検出回路51が、主点火信号IGtの立ち上がりエッジを検出して、立ち上がりエッジに対応する立ち上がりトリガ信号を出力する。次いで、タイマ回路52が、この立ち上がりトリガ信号の出力を起点として、タイマ信号の出力を開始する。
タイマ信号は、予め設定された気筒選択期間Taに対応する矩形波パルス信号であり、例えば、時刻t1にてHiレベルへ立ち上がり、時刻t5にてLoレベルへ立ち下がる。気筒選択期間Taは、立ち上がりトリガ信号の出力を起点とし、エネルギ投入信号IGwの出力が終了するまでの期間(すなわち、時刻t1から時刻t4までの間)よりも長く、次気筒の主点火信号IGtの出力までの期間T(すなわち、時刻t1から時刻t6までの間)よりも短い期間となるように設定される。
この気筒選択期間Taに出力されるエネルギ投入信号IGwのみを、主点火信号IGtの入力に対応させて選択的に検出することで、共通のIGw信号線L2に出力される信号から、気筒別のエネルギ投入信号IGwを抽出することができる。ここでは、エネルギ投入信号IGwは、主点火信号IGtの出力期間T1(すなわち、時刻t1から時刻t3までの間)の途中で出力が開始され、出力期間T1後に出力が終了する。
反転回路53は、pnp型トランジスタである第1切替スイッチSW1(すなわち、図3中の第1切替スイッチSW)のオンオフを行うために、気筒選択期間Taに対応するタイマ信号の反転信号を出力する。すなわち、反転信号は、時刻t1にてLoレベルへ立ち下がり、時刻t5にてHiレベルへ立ち上がる矩形波パルス信号である。これにより、第1切替スイッチSW1は、時刻t1にてオンとなって、エミッタ-コレクタ間が導通し、IGw入力線L21に入力されるエネルギ投入信号IGw(すなわち、図3中のIGw#1)を通過させることが可能になる。
第1切替スイッチSW1が、時刻t5にてオフとなると、エミッタ-コレクタ間が遮断されて、エネルギ投入信号IGwの通過も停止される。このように、気筒選択回路50は、対応する気筒のエネルギ投入信号IGwのみを通過させることができる。他気筒についても同様であり、例えば、時刻t6に#2気筒の主点火信号IGtが出力されると、所定の気筒選択期間Ta内の時刻t7に出力されるエネルギ投入信号IGw(すなわち、図3中のIGw#2)は、#2気筒の気筒選択回路50のみを通過する。
気筒選択期間Taに第1切替スイッチSW1がオンとなることにより、気筒選択回路50を通過してIGw検出回路6へ入力される信号は、入力信号IGw_inとして、比較回路61の非反転入力端子(+)に入力される。比較回路61では、入力信号IGw_inと、反転入力端子(-)に入力される基準電圧V(-)とが比較されて、その結果に基づく出力信号IGw_outが、エネルギ投入制御回路部4へ出力される。基準電圧V(-)は、気筒別のエネルギ投入信号IGwを判別できるように、エネルギ投入信号IGwのHiレベルよりも十分低い電圧レベルに設定される。
これにより、時刻t2にて入力信号IGw_inがHiレベルへ立ち上がると、比較回路61からの出力信号IGw_outが、Hiレベルへ立ち上がる。次いで、時刻t4にて入力信号IGw_inがLoレベルへ立ち下がると、出力信号IGw_outがLoレベルへ立ち下がる。これに伴い、エネルギ投入制御回路部4は、時刻t3の主点火動作に引き続いて、エネルギ投入用スイッチ2B(すなわち、図3中のエネルギ投入用SW)を駆動して、エネルギ投入動作を開始させることができる。
エネルギ投入動作は、時刻t3において、主点火動作により点火プラグPに火花放電が発生した後、所定の遅延時間後に、エネルギ投入用スイッチ2Bをオンとすることにより開始され、副一次コイル21bを副一次電流I1_subが流れると共に、二次電流I2が重畳される。二次電流I2の目標値は、例えば、主点火信号IGtの出力後、出力信号IGw_outの立ち上がりまでの期間Tb(すなわち、時刻t1から時刻t2までの間)の長さによって、指示することができる。これにより、二次電流I2の検出値が目標値に維持されるように、すなわち、目標値に基づく二次電流I2の上限値I2_Hiと下限値I2_Loとの間となるように、エネルギ投入用スイッチ2Bがオンオフ駆動されて、火花放電が継続される。時刻t4において、出力信号IGw_outが立ち下がると、エネルギ投入動作が終了される。
ここで、図4の上図に示すように、点火制御装置1の複数の点火装置10が共通のIGw信号線L2で接続される構成において、各点火装置10の信号入力回路部5に設けられる気筒選択回路50の作用効果を説明する。上記図2に示したように、エンジンECU100からIGt信号線L1、IGw信号線L2への信号出力は、オープンコレクタ方式であり、出力抵抗RECU_T、出力抵抗RECU_Wによって電源電圧Vccにプルアップされる。信号入力回路部5のIGt検出回路31、IGw検出回路6には、それぞれ、入力抵抗Rt、入力抵抗Rwが設定されると共に、IGt入力線L11、IGw入力線L21へ入力する信号レベルを検出するための基準電圧V(-)が設定される。
このとき、主点火信号IGtが、気筒別のIGt信号線L1に出力されるのに対して、エネルギ投入信号IGwは、共通のIGw信号線L2へ出力される。その場合においても、気筒選択回路50が設けられることにより、第1切替スイッチSW1によってIGw入力線L21の開閉状態が選択的に切り替えられて、共通のIGw信号線L2との接続状態が切り替えられる。すなわち、主点火信号IGtが出力されている気筒においてのみ、気筒選択回路50がエネルギ投入信号IGwを通過させて、IGw検出回路6に入力させることになる。また、共通のIGw信号線L2と接続状態にあるIGw検出回路6においてのみ、入力抵抗Rwが有効化されるので、複数の気筒の入力抵抗Rwは並列接続とならない。
したがって、気筒数によらず、共通のIGw信号線L2と接続されるIGw検出回路6は1つとなり、他の気筒の入力抵抗Rwは非有効化される。そのため、IGw生成部102の出力トランジスタTrECU_Wの開閉に伴い、IGw入力線L21を介して比較回路61の非反転端子(+)へ入力する信号レベルが、所定のHiレベルとLoレベルの間で切り替えられ、反転端子(-)へ入力する基準電圧V(-)との比較によって検出可能となる。所定のHiレベルは、入力抵抗Rwに応じて定まる電源電圧Vccに近い電圧レベルであり、一般に、入力抵抗Rwの抵抗値は、出力側の出力抵抗RECU_Wの抵抗値よりも大きくなるように設定される(RECU_W<Rw)。
一方、図4の下図に示すように、信号入力回路部5が気筒選択回路50を備えない場合には、共通のIGw信号線L2に、複数のIGw入力線L21を介して複数の入力抵抗Rwが並列に接続された状態となる。その場合には、気筒数によって並列接続される入力抵抗Rwの数が変わるために、IGw入力線L21へ入力する信号レベルが変化する。例えば、気筒数をnとし、比較回路61の非反転入力端子(+)にHiレベルの信号が入力されたとき、その入力電位をV(+)とすると、入力電位V(+)と電源電圧Vccとは、下記式で表される関係となる。
V(+)=[(Rw/n)/{RECU_W+(Rw/n)}]×Vcc
上記式から、気筒数nが増えるほど、入力電位V(+)は小さくなる。例えば、RECU_W/Rw=0.2、Vcc=5Vとしたとき、n=1,3,4の場合のV(+)を比較すると、以下のようになる。
V(+)=4.17V(n=1)
V(+)=3.125V(n=3)
V(+)=2.78V(n=4)
そのため、比較回路61の基準電圧V(-)を一定とした場合には(例えば、電源電圧Vccと0Vの中間値程度)、気筒数nが増えるほど、入力電位V(+)と基準電圧V(-)との差分値が小さくなり、信号レベルがHiレベルかLoレベルかを、正常に認識できなくなるおそれがある。
その場合には、図5に示すように、時刻t2にて入力信号IGw_inがHiレベルへ立ち上がっても、比較回路61からの出力信号IGw_outが、Hiレベルへ立ち上がらない。そのため、時刻t3にて主点火動作が開始された後に、エネルギ投入用スイッチ2Bが駆動されず、エネルギ投入動作を行うことができなくなる。
その対策の一つとしては、入力抵抗Rwをより大きくすることが挙げられる。例えば、RECU_W/Rw=0.1とすると、気筒数n=4のとき、上記式からV(+)=3.57Vとなり、基準電圧V(-)との差分値が大きくなる。ただし、その場合には、IGw信号線L2が接続されるコネクタにおける接触面(すなわち、メッキ部分)の接触不良を考慮する必要があり、例えば、スズメッキの接触面で、摺動により摩耗し、酸化することで接触不良が起きやすいことが知られている(すなわち、フレッティングコロージョン)。その場合には、接触不良の原因である酸化膜を破壊するために、一定以上の電流(例えば、1mA以上)を流せるようにすることが望ましいことから、入力抵抗Rwをむやみに大きくすることができない。
これに対して、図4の上図のように、信号入力回路部5が気筒選択回路50を備える構成とすることによって、共通のIGw信号線L2に用いた場合においても、回路構成を変更することなく、インターフェイス不整合を抑止できる。したがって、点火制御装置1の複数の点火装置10において、共通のIGw信号線L2に接続される信号入力回路部5を共通化し、かつ、エネルギ投入信号IGwを正確に検出して、エネルギ投入動作を行うことができる。
その場合には、各気筒の信号入力回路部5が共通化されることにより、気筒数に応じて入力抵抗Rwを大きくする必要がなくなるので、一定以上の入力電流を確保してコネクタの接触不良を抑制することができる。また、信号入力回路部5を含む点火制御回路11の回路構成全体が共通となるので、MIC(すなわち、monolithic IC)等に集積化された制御回路の統一化が可能になり、製造コストが低減できる。
(実施形態2)
点火制御装置に係る実施形態2について、図6、図7を参照して説明する。
上記実施形態1では、点火制御装置1の点火制御回路11において、信号入力回路部5の気筒選択回路50に第1切替スイッチSW1を設けて、IGw入力線L21を開閉する構成としたが、本形態では、信号入力回路部5の回路構成を変更している。気筒選択回路50には、第1切替スイッチSW1に代えて、入力抵抗Rwが挿入される接地線L3に第2切替スイッチSW2が設けられ、また、IGw検出回路6には、IGw出力回路60が設けられる。以下、相違点を中心に説明する。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本形態においても、信号入力回路部5は、気筒選択回路50と、IGw検出回路6とを含む。IGw検出回路6は、上記実施形態1と同様の入力抵抗Rwと比較回路61とを含んで構成され、さらに、IGw出力回路60を備える。上記実施形態1では、選択された気筒においてのみ、エネルギ投入信号IGwが気筒選択回路50を通過する回路構成としたが、本形態では、IGw出力回路60が、比較回路61とエネルギ投入制御回路部4との間に配置されて、気筒選択期間Taが継続している間、エネルギ投入信号IGwを選択的に通過させる。また、気筒選択回路50によって、選択された気筒においてのみ、入力抵抗Rwが有効化される。
気筒選択回路50は、上記実施形態1と同様のIGt立ち上がり検出回路51とタイマ回路52とを含んで構成され、さらに、第2切替スイッチSW2を備える。IGt立ち上がり検出回路51は、主点火信号IGtの立ち上がりに対応する立ち上がりトリガ信号を生成し、タイマ回路52は、主点火信号IGtの立ち上がりを起点として、気筒選択期間Taに対応するタイマ信号を生成する。第2切替スイッチSW2は、接地線L3において、入力抵抗Rwと接地電位GNDとの間に挿入され、タイマ信号に対応して入力抵抗Rwと接地電位GNDとの接続状態を切り替える。
第2切替スイッチSW2は、ここでは、npn型トランジスタにて構成されており、そのベース端子には、タイマ回路52からタイマ信号が入力される。第2切替スイッチSW2のコレクタ端子は、入力抵抗Rwを介して、IGw入力線L21に接続されており、エミッタ端子は、接地電位GNDに接続されている。第2切替スイッチSW2は、Hiレベルのタイマ信号が出力されている気筒選択期間Taの間オンとなり、コレクタ端子とエミッタ端子との間が導通する。これにより、第2切替スイッチSW2がオンとなっている間、入力抵抗Rwが接地電位GNDに接続されて、有効化される。
このとき、比較回路61の非反転入力端子(+)には、IGw入力線L21からの入力信号IGw_inが入力される。一方、比較回路61の反転入力端子(-)には、入力信号IGw_inの信号レベルに対応させた基準電圧V(-)が供給されており、これらの比較結果に基づいて、Hiレベル又はLoレベルの信号が出力される。その場合には、複数の気筒に対応するエネルギ投入信号IGwが、比較回路61を通過することになる。
IGw出力回路60は、比較回路61とエネルギ投入制御回路部4との間に配置される。IGw出力回路60は、アンド回路にて構成されており、2つの入力端子の一方には、比較回路61からの出力信号が入力され、他方には、タイマ回路52からの出力信号が入力される。これにより、比較回路61の出力とタイマ回路52の出力の両方が、Hiレベル信号となったときに、IGw出力回路60からエネルギ投入制御回路部4への出力信号IGw_outがiレベルとなる。すなわち、主点火信号IGtが出力されている気筒のみ、気筒選択期間Taの間にタイマ信号が出力されることにより、気筒毎に出力されるエネルギ投入信号IGwがIGw出力回路60を通過して、気筒別のエネルギ投入信号IGwとして検出される。
次に、図7に示すタイムチャートを参照しながら、上記構成の点火制御装置1について、各気筒の点火制御回路11における信号入力回路部5の作動について説明する。図7中には、#1気筒、#2気筒の主点火信号IGt及びエネルギ投入信号IGwに対応する、タイマ信号の出力(すなわち、タイマ信号#1、タイマ信号#2)と、第2切替スイッチ(すなわち、第2切替スイッチSW#1、第2切替スイッチSW#2)の作動を示している。点火制御装置1による点火制御のための基本動作については、上記実施形態1と同様であり、説明を省略する。
#1気筒の信号入力回路部5は、時刻t1にて主点火信号IGtが立ち上がると、気筒選択回路50のIGt立ち上がり検出回路51が、主点火信号IGtの立ち上がりエッジを検出して、立ち上がりトリガ信号を出力する。次いで、タイマ回路52が、この立ち上がりトリガ信号の出力を起点として、気筒選択期間Taに対応するタイマ信号を出力する。タイマ信号は、npn型トランジスタである第2切替スイッチSW2のベース端子に入力されると共に、IGw出力回路60の入力端子に入力される。
これにより、タイマ信号が出力されている気筒選択期間Ta(すなわち、時刻t1から時刻t5まで)の間、第2切替スイッチSW2がオンとなり、IGw検出回路6の入力抵抗Rwが接地電位GNDに接続されて、有効化される。一方、共通のIGw出力線L2に出力されるエネルギ投入信号IGwは、IGw入力線L21を介して、入力信号IGw_inとして比較回路61の非反転入力端子(+)に入力される。このとき、有効化される入力抵抗Rwは、気筒数によらず、常に主点火信号IGtが出力されている1気筒分となるため、上記実施形態1と同様に、比較回路61への入力信号IGw_inを基準電圧V(-)と比較することにより、正常に認識することができる。
本形態の回路構成では、IGw入力線L21へ入力される信号は、気筒別に選択されることなく、比較回路61へ入力される。その場合には、比較回路61への入力信号IGw_inに、他気筒に対応するエネルギ投入信号IGwが含まれることから、対応する気筒のエネルギ投入信号IGwを抽出するために、比較回路61の後段にIGw出力回路60が設けられる。IGw出力回路60では、#1気筒のタイマ信号が出力されている間(すなわち、時刻t1から時刻t5まで)に、比較回路61から入力する信号のみを通過させる。これに伴い、時刻t2から時刻t4の間、IGw出力回路60から出力信号IGw_outが出力され、エネルギ投入制御回路部4において、エネルギ投入動作が実施される。
このようにしても、信号入力回路部5が備える気筒選択回路50によって、対応する気筒のエネルギ投入信号IGwのみを通過させることができる。そして、共通のIGw信号線L2に用いた場合においても、回路構成を変更することなく、インターフェイス不整合を抑止できる。したがって、点火制御装置1の複数の点火装置10において、共通のIGw信号線L2に接続される信号入力回路部5を共通化し、かつ、エネルギ投入信号IGwを正確に検出して、エネルギ投入動作を行うことができる。
(実施形態3)
点火制御装置に係る実施形態3について、図8を参照して説明する。
本形態では、上記実施形態2と同様の点火制御装置1において、さらに、点火制御回路11の気筒選択回路50に、第2切替スイッチSW2のリセット回路7が設けられる。それ以外の点火制御装置1の基本構成及び基本作動は、上記実施形態2と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。
本形態において、気筒選択回路50は、IGt立ち上がり検出回路51と、タイマ回路52と、第2切替スイッチSW2とを含むと共に、リセット回路7を有している。また、IGw検出回路6は、入力抵抗Rwと、比較回路61と、IGw出力回路60とを有する。実施形態2と同様に、IGt立ち上がり検出回路51は、主点火信号IGtの立ち上がりを検出して、立ち上がりトリガ信号を出力し、タイマ回路52は、主点火信号IGtの立ち上がりを起点として、所定の気筒選択期間Taに対応するタイマ信号を出力する。これにより、第2切替スイッチSW2がオンとなって、入力抵抗Rwが有効化されると共に、比較回路61への入力信号IGw_inとタイマ信号とに基づいて、IGw出力回路60からエネルギ投入制御回路部4へ、出力信号IGw_outが出力される。
リセット回路7は、IGw入力停止検出回路としてのIGw立ち下がり検出回路71と、リセット用スイッチSW3とを含む。IGw立ち下がり検出回路71は、IGw入力線L21に接続されており、共通のIGw出力線L2から入力される入力信号IGw_inの立ち下がりエッジを検出して、IGwトリガ信号としての立ち下がりトリガ信号を出力する。リセット用スイッチSW3は、ここでは、npn型トランジスタにて構成されており、そのベース端子に、IGw立ち下がり検出回路71からの立ち下がりトリガ信号が入力される。
リセット用スイッチSW3は、第2切替スイッチSW2へのタイマ信号の入力経路と接地電位GNDとの間に挿入され、その接続状態を切り替える。すなわち、リセット用スイッチSW3のコレクタ端子は、タイマ回路52と第2切替スイッチSW2のベース端子との接続点に接続されており、リセット用スイッチSW3のエミッタ端子は、接地電位GNDに接続されている。リセット用スイッチSW3のベース端子に、立ち下がりトリガ信号が入力されると、リセット用スイッチSW3がオンとなって、タイマ信号の入力経路が接地されることにより、第2切替スイッチSW2を速やかにリセットすることができる。
具体的には、上記図7に示したタイムチャートと同様に、主点火信号IGtが出力されると、IGt立ち上がり検出回路51から立ち上がりトリガ信号が出力される(例えば、図7の時刻t1)。この立ち上がりトリガ信号を起点として、タイマ回路52からタイマ信号が出力され(例えば、図7の時刻t1から時刻t5)、第2切替スイッチSW2がオンとなる。このとき、リセット用スイッチSW3のコレクタ端子は、第2切替スイッチSW2のベース端子と同電位となる。
その後、気筒選択期間Taにエネルギ投入信号IGwが出力されると(例えば、図7の時刻t2)、IGw検出回路6において、入力信号IGw_inと基準電圧V(-)とが比較されて、エネルギ投入制御回路部4へ出力信号IGw_outが出力され、エネルギ投入動作が実施される(例えば、図7の時刻t3)。次いで、エネルギ投入信号IGwが立ち下がると(例えば、図7の時刻t4)、IGw立ち下がり検出回路71から立ち下がりトリガ信号が出力されて、リセット用スイッチSW3がオンとなる。これに伴い、リセット用スイッチSW3のコレクタ-エミッタ間が導通し、リセット用スイッチSW3を介して第2切替スイッチSW2のベース端子が接地電位GNDに接続される。これにより、第2切替スイッチSW2のベース電荷が強制的に引き抜かれて、気筒選択期間Taが終了するより前に、第2切替スイッチSW2がオフとなる。
このような回路構成においても、上記実施形態2と同様の作用効果が得られる。また、リセット回路7により、エネルギ投入信号IGwの立ち下がりに基づいて、エネルギ投入動作を終了させるリセット機能を持たせることができるので、より応答性よい点火制御が可能になる。
ここで、タイマ回路52に代えて、IGt立ち上がり検出回路51からの立ち上がりトリガ信号と、IGw立ち下がり検出回路71からの立ち下がりトリガ信号とが入力されるパルス生成回路を設けることもできる。具体的には、パルス生成回路は、立ち上がりトリガ信号をオントリガとし、立ち下がりトリガ信号をオフトリガとすることで、IGt立ち上がりからIGw立ち下がりまでHiレベル状態を維持する矩形波パルス信号を出力する。また、このパルス生成回路を、実施形態1、2の構成に適用してもよく、生成した選択期間信号を反転させて、第1切替スイッチSW1に入力することもできる。このように、気筒選択期間Taに対応する選択期間信号を生成する期間生成回路であれば、同様の機能を持たせることができる。
(実施形態4)
点火制御装置に係る実施形態4について、図9、図10を参照して説明する。
上記実施形態1では、各気筒の点火装置10において、点火コイル2の一次コイル21を、主一次コイル21aと副一次コイル21bとで構成して、直流電源Bに対して並列に接続されるようにしたが、エネルギ投入動作のための構成を変更することもできる。例えば、図9に示すように、点火コイル2を、一次コイル21と二次コイル22とで構成し、点火制御回路11のエネルギ投入制御回路部4に昇圧回路41を設けて、昇圧回路41にて発生させたエネルギを、一次コイル21の接地側へ重畳的に投入するようにしてもよい。
図9において、点火制御回路11のエネルギ投入制御回路部4は、エネルギ投入用スイッチ2Bの駆動信号を生成するエネルギ投入用駆動回路40と、エネルギ投入用スイッチ2Bを介して一次コイル21の接地側へ接続される昇圧回路41を備える。昇圧回路41は、昇圧用スイッチSW4と、チョークコイル42と、コンデンサ43と、昇圧用スイッチSW4を駆動するための昇圧用駆動回路44と、ダイオード45とを備える。
昇圧用駆動回路44は、昇圧用スイッチSW4をオンオフ駆動することにより、チョークコイル42に発生させたエネルギを、コンデンサ43へ蓄積させる。エネルギ投入用スイッチ2Bは、一次コイル21と主点火用スイッチ2Aとの間に、ダイオード46を介して接続され、エネルギ投入用駆動回路40によって駆動される。ダイオード45はコンデンサ43へ向かう方向を、ダイオード46は、一次コイル21へ向かう方向を、それぞれ順方向としている。
昇圧用駆動回路44は、主点火信号IGtに基づいて駆動されて、主点火動作中にコンデンサ43に充電する。エネルギ投入用駆動回路40は、エネルギ投入信号IGwに基づいて、主点火動作後にエネルギ投入動作を行い、二次電流I2が目標値となるようにエネルギ投入用スイッチ2Bを駆動することで、火花放電を継続させることができる。
このような構成の点火装置10においても、エンジンECU100と各気筒の点火制御回路11とが、上記実施形態1~3に示したように、共通のIGw信号線L2にて接続される場合に、気筒選択回路50を含む信号入力回路部5を備えることによって、同様の作用効果が得られる。
あるいは、図10に示すように、点火コイル2の一次コイル21が、主一次コイル21aと副一次コイル21bとで構成される点火装置10において、通電経路に還流用スイッチ2Cを挿入してもよい。その場合には、点火制御回路11によって、主点火用スイッチ2A及びエネルギ投入用スイッチ2Bを含むスイッチング制御を行って、一次コイル21への通電と一次電流I1の還流を制御することができる。
具体的には、直流電源Bと一次コイル21の中間タップ20とを接続する電源線L4に、還流時にオフとなる還流用スイッチ2Cが挿入されると共に、還流用スイッチ2Cと中間タップ20との間に、還流用のダイオード26が挿入された接地線L5が接続されている。電源線L4には、第1ダイオード23と中間タップ20との間に、ダイオード26のカソード端子が接続され、ダイオード26のアノード端子は接地電位GNDに接続されている。
この構成において、スイッチング制御を行う場合には、まず、エネルギ投入信号IGwがオフされた状態で、還流用スイッチ2Cと主点火用スイッチ2Aをオン状態とし、次いで、主点火用スイッチ2Aをオフ状態とすることで、主点火信号IGtに基づく主点火動作を行う。その後、主点火用スイッチ2Aがオフされた状態で、還流用スイッチ2Cとエネルギ投入用スイッチ2Bをオン状態とし、次いで、還流用スイッチ2Cをオフ状態とすることで、エネルギ投入信号IGwに基づいてエネルギ投入動作を行うと共に、一次電流I1を還流させることができる。
このエネルギ投入動作において、ダイオード26が挿入される接地線L5は、一次電流I1の還流線として機能する。エネルギ投入動作時には、主点火用スイッチ2Aは常にオフ状態となっており、主一次コイル21aへの通電は遮断されている。この状態で、還流用スイッチ2Cとエネルギ投入用スイッチ2Bをオン状態とすると、副一次コイル21bに副一次電流I1_subが流れる。次いで、エネルギ投入用スイッチ2Bをオン状態としたまま、還流用スイッチ2Cをオフ状態とすることで、電源線L4から副一次コイル21bへのバッテリ電圧の供給が遮断される一方、接地線L5を介して還流する電流が副一次コイル21bへ流れる。
この還流電流により、副一次電流I1_subの減衰が緩やかとなり、二次電流I2の急激な変化が抑制される。また、接地線L5から還流する電流が、中間タップ20から直接、副一次コイル21bへ流れるので、主一次コイル21aの影響を受けることなく、一次電流I1を制御可能となる。
このような構成の点火装置10においても、エンジンECU100と各気筒の点火制御回路11とが、上記実施形態1~3に示したように、共通のIGw信号線L2にて接続される場合に、気筒選択回路50を含む信号入力回路部5を備えることによって、同様の作用効果が得られる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の実施形態に適用することが可能である。なお、主点火信号IGtは、信号電圧がHiレベルであるときに論理「1」とする正論理信号の場合で説明したが、電位が逆になる負論理信号であってもよい。エネルギ投入信号IGwの他、点火制御用の各種信号も同様である。
点火制御装置1が適用される内燃機関は、自動車用のガソリンエンジンの他、火花点火式の各種内燃機関とすることができる。また、点火コイル2や点火装置10の構成は、取り付けられる内燃機関に応じて適宜変更することができ、主点火動作後にエネルギ投入動作が可能な構成となっていればよい。例えば、点火コイル2を2組設けて、一方の点火コイル2にて、主点火動作を行うと共に、他方の点火コイル2を用いて、エネルギ投入動作を行ってもよい。
1 点火制御装置
10 点火装置
2 点火コイル
3 主点火制御回路部
4 エネルギ投入制御回路部
5 信号入力回路部
50 気筒選択回路
L1 IGt信号線
L2 IGw信号線
L21 IGw入力線
Rw 入力抵抗

Claims (6)

  1. 内燃機関の複数の気筒に対応する複数の点火装置(10)を備える内燃機関の点火制御装置(1)であって、
    複数の上記点火装置のそれぞれに、主点火信号(IGt)を受信するためのIGt信号線(L1)が設けられると共に、複数の上記点火装置に対して共通に、エネルギ投入信号(IGw)を受信するためのIGw信号線(L2)が設けられており、
    上記点火装置は、
    上記主点火信号に基づく主点火動作を制御する主点火制御回路部(3)と、
    上記エネルギ投入信号に基づくエネルギ投入動作を制御するエネルギ投入制御回路部(4)と、
    上記主点火信号及び上記エネルギ投入信号が入力される信号入力回路部(5)と、を備え、
    上記信号入力回路部は、上記IGw信号線に接続されるIGw入力線(L21)と接地電位(GND)との間に挿入される入力抵抗(Rw)と、上記主点火信号の入力に対応して開始される気筒選択期間(Ta)の間のみ上記入力抵抗を有効化する気筒選択回路(50)と、を含んでおり、
    上記気筒選択回路は、
    上記主点火信号の入力開始を検出してIGtトリガ信号を生成するIGt入力開始検出回路(51)と、
    上記IGtトリガ信号の入力により、上記気筒選択期間に対応する選択期間信号を生成する期間生成回路(52)と、
    上記IGw入力線に挿入され、上記選択期間信号に対応して切り替えられて、上記気筒選択期間に入力される上記エネルギ投入信号を選択的に通過させる第1切替スイッチ(SW1)と、を含む、内燃機関の点火制御装置。
  2. 上記気筒選択期間は、自気筒への上記主点火信号の入力を起点とし、他気筒への上記主点火信号の入力が開始される時点よりも前に終了する、請求項1に記載の内燃機関の点火制御装置。
  3. 上記主点火制御回路部は、上記主点火信号に基づいて、点火コイル(2)の一次コイル(21)への通電を制御し点火プラグ(P)に火花放電を生起する上記主点火動作を行い、
    上記エネルギ投入制御回路部は、上記点火コイルの二次コイル(22)を流れる二次電流(I2)に電流を重畳させる上記エネルギ投入動作を行い、
    上記信号入力回路部は、上記入力抵抗を含むIGw検出回路(6)を備え、
    上記IGw検出回路は、上記IGw入力線からの入力信号(IGw_in)の信号レベルを基準値(V(-))と比較した結果に基づいて、上記エネルギ投入信号を識別すると共に、上記気筒選択期間にのみ上記エネルギ投入制御回路部へ出力する、請求項1又は2に記載の内燃機関の点火制御装置。
  4. 上記気筒選択回路は、
    上記入力抵抗が挿入される接地線(L3)において、上記入力抵抗と上記接地電位との間に配置され、上記選択期間信号に対応して上記入力抵抗と上記接地電位との接続状態を切り替える第2切替スイッチ(SW2)を、さらに含み、
    上記IGw検出回路は、上記気筒選択期間が継続している間、上記エネルギ投入信号を選択的に通過させるIGw出力回路(60)を含む、請求項3に記載の内燃機関の点火制御装置。
  5. 上記信号入力回路部は、上記エネルギ投入信号の入力停止を検出したときに、上記入力抵抗と上記接地電位との接続を遮断するリセット回路(7)を含む、請求項4に記載の内燃機関の点火制御装置。
  6. 上記リセット回路は、上記エネルギ投入信号の入力停止を検出してIGwトリガ信号を生成するIGw入力停止検出回路(71)と、
    上記第2切替スイッチへの上記選択期間信号の入力経路と上記接地電位との間に挿入され、上記IGwトリガ信号の入力により、上記選択期間信号の入力経路を上記接地電位に接続するリセット用スイッチ(SW3)と、を含む、請求項5に記載の内燃機関の点火制御装置。
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