JP7330869B2 - 自動分析方法および自動分析装置 - Google Patents

自動分析方法および自動分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7330869B2
JP7330869B2 JP2019214107A JP2019214107A JP7330869B2 JP 7330869 B2 JP7330869 B2 JP 7330869B2 JP 2019214107 A JP2019214107 A JP 2019214107A JP 2019214107 A JP2019214107 A JP 2019214107A JP 7330869 B2 JP7330869 B2 JP 7330869B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
reaction
time
measured
automatic analysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019214107A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021085731A (ja
Inventor
考洋 増村
法重 掛川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2019214107A priority Critical patent/JP7330869B2/ja
Publication of JP2021085731A publication Critical patent/JP2021085731A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7330869B2 publication Critical patent/JP7330869B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、ラテックス凝集反応を利用して被検試料の成分を自動分析する技術に関する。
上記のような自動分析では、人等の検体から採取された血液や尿等の被検試料に試薬を混合し、被検試料中に含まれる所定の検査項目(測定物)の成分量(濃度)を自動的に測定する。特にラテックス凝集反応を利用した自動分析では、ラテックス粒子の凝集体を光学的に測定することで測定物の濃度を定量化する。
被検試料に含まれる抗原(測定物)と表面を抗体で修飾したラテックス粒子を含む試薬とを混合すると、ラテックス粒子表面の抗体と抗原が反応し、抗原を介してラテックス粒子同士が凝集し、ラテックス粒子の凝集体が生成される。この凝集反応による凝集体の変化(サイズや濃度)に対して、透過光や散乱光の強度等の光学的な信号の変化が大きいほど、測定物を高感度に定量化することができる。
特許文献1には、特定の散乱角で散乱光強度を測定する自動分析装置が開示されている。特許文献2には、凝集体によって散乱された散乱光の強度の時間的な変動を相関関数を用いて解析し、凝集状態を検出する方法が開示されている。
特開2015-7649号公報 特開昭63-247644号公報
しかしながら、特許文献1に開示された自動分析装置では、測定物やラテックス粒子のサイズ、濃度および凝集状態等の反応液の条件に応じて、散乱光を高感度に測定するための最適な角度が異なる。また反応液中の気泡や反応容器のキズ等の凝集体以外の散乱によるノイズ源の影響を受けやすい。一方、特許文献2には、凝集反応の反応過程から測定物を定量化することについては開示されていない。
本発明は、簡易な構成で測定物を高感度に自動分析できるようにした装置および方法を提供する。
本発明の一側面としての自動分析方法は、測定物と試薬とが混合された反応液に照射光を照射して、反応液からの出射光の強度の時間変動を、反応液中での反応の開始からの反応時間と対応させて測定する測定ステップと、測定ステップにて取得された信号を処理して測定物を分析する処理ステップとを有する。処理ステップは、出射光の強度の時間変動の測定結果を用いて、自己相関に関する値を反応時間の関数として示す第1のデータを取得し、第1のデータを用いて反応速度に関する第2のデータを取得し、第2のデータを、測定物の濃度が既知であるときのキャリブレーションデータと比較することで、反応液中の測定物の濃度を定量することを特徴とする。なお、コンピュータに、上記自動分析方法に従う処理を実行させるコンピュータプログラムも、本発明の他の一側面を構成する。
また本発明の他の一側面としての自動分析装置は、測定物と試薬とが混合された反応液に照射光を照射する照射手段と、反応液からの出射光の強度の時間変動を、反応液中での反応の開始からの反応時間と対応させて測定する測定手段と、測定ステップにて取得された信号を処理して測定物を分析する処理手段とを有する。処理手段は、出射光の強度の時間変動の測定結果を用いて、自己相関に関する値を反応時間の関数として示す第1のデータを取得し、第1のデータを用いて反応速度に関する第2のデータを取得し、第2のデータを、測定物の濃度が既知であるときのキャリブレーションデータと比較することで、反応液中の測定物の濃度を定量することを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成で測定物を高感度に自動分析することができる。
本発明の実施例1である自動分析装置の構成を示す図。 実施例1における測定および処理の流れを示すフローチャート。 実施例1における自己相関関数の測定例を示す図。 実施例1における反応速度の測定例を示す図。 実施例におけるキャリブレーションデータの測定例を示す図。 本発明の実施例2における測定および処理の流れを示すフローチャート。 実施例2における測定例を示す図。 実施例2における別の自動分析装置の構成を示す図。 本発明の実施例3である自動分析装置の構成を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の実施例における自動分析方法の原理について説明する。この自動分析方法では、被検試料に光を照射し、被検試料から出射する散乱光の強度の時間変動(時間的揺らぎ)を測定し、測定結果を解析する動的光散乱法(DLS:Dynamic Light Scattering)の原理を利用する。実施例では、被検試料と試薬とが混合した反応液に光を照射する。
反応液中では、測定物と試薬内のラテックス粒子やその凝集体がブラウン運動によってランダムな方向に運動しており、粒子が大きいほど運動の速度が遅くなる。したがって、反応液から出射した散乱光の強度の時間変動を、例えば自己相関関数を用いて評価すると、小さい粒子は短い相関時間で、大きい粒子は長い相関時間として観測される。
一般に自己相関関数は、exp(-Γτ)のような指数関数で表現することができ(τは遅延時間)、その減衰係数Γを用いれば、短い相関時間の自己相関関数はΓが大きく、反対に長い相関時間の自己相関関数はΓが小さくなる。実施例では、ラテックス凝集反応の開始(反応開始時点)からの経過時間である反応時間に対して、凝集体の変化を散乱光の動的な特性の変化として捉えることで、被検試料中の測定物の濃度を定量する。以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
図1は、本実施例の自動分析方法を実施する自動分析装置100の構成を示している。光源110は、400~1100nmの可視帯域から近赤外帯域の波長の光を放射するレーザであり、例えば、波長633nmのHe-Neレーザを用いることができる。光源110が放射する光の波長は、測定物や試薬の条件に合わせて適宜選択すけばよい。
光源110から出射した照射光160は、不図示の照射光学系によりコリメートされて反応容器(反応セル)150にその側面に対して垂直に入射する。光源110と照射光学系とにより照射手段が構成される。反応容器150内には、測定物を含む被検試料とラテックス粒子を含む試薬とが混合された反応液151が収められている。反応液151は、測定物の濃度、ラテックス粒子のサイズや濃度および被検試料と試薬とを混合してからの反応時間等の反応条件に応じて、ラテックス粒子の凝集体が生成される。また、照射光160が反応容器150に入射する前に、反応液151は不図示の攪拌部により撹拌され、反応液151内にてラテックス粒子を含む試薬が一様に分散した状態とされる。この反応液151に被検試料が混合されて再び撹拌された後、測定が開始される。
照射光160は、反応液151に入射した後に反応液151中を伝搬する。そして反応容器150(反応液151)から様々な角度に進む散乱光としての出射光170が出射する。自動分析装置100では、ある角度θで出射した出射光170を、レンズ120で集光し、検出器130で受光する。検出器130は、応答速度が高速なセンサであり、例えばアバランシェフォトダイオード(APD)や光電子増倍管(PMT)が用いられる。検出器130は、所定の一定時間としての測定時間内で出射光170の強度を測定して、該強度の時間変動を測定する。このときの測定における時間分解能は、数10nsec程度である。出射光170の強度の時間変動を測定する測定時間は、試薬として用いるラテックス粒子や被検試料に応じて任意に設定することができる。例えば、測定時間は、数マイクロ秒~数秒の間で設定される。
自動分析装置100では、上記測定を、被検試料と試薬とを混合した時点から測定を終了するまでの測定時間の間に、反応時間に応じて複数回、行う。
なお、光源110から放射される光の強度は、反応開始前のキャリブレーションとして、検出器130で測定される信号レベルに応じて適切に調整することができる。また検出器130は、光源110からの照射光160を光軸として、後方散乱光を測定するように配置される。例えば、図中のθは5~20度程度である。ただし、検出器130を、前方散乱を測定するように配置してもよい。ラテックス粒子のサイズや反応液の濃度等の反応条件に応じて出射する散乱光の分布が変化するため、該反応条件に応じて検出器130を適切に配置すればよい。
検出器130から出力される電気信号は、処理部140に転送される。処理部140は、該電気信号をデータ化し、該データに対する後述の処理によって被検試料中の測定物を分析する。処理部140は、経過時間に応じて分析データを取得し、該分析データを随時、メモリに格納した上で、適宜、分析データを読み出しながら解析を行う。このときの解析結果を、モニタ等の不図示の表示部に出力してもよい。
図2のフローチャートは、本実施例における測定および処理の流れを示している。反応容器150中で被検試料と試薬が混合されて攪拌された時点から反応時間の計測が開始されて測定が開始される。自動分析装置100の一部であるコンピュータ(PC)101がコンピュータプログラムに従って本処理を実行する。コンピュータ101は、検出器130とともに測定手段として機能するとともに、処理手段として機能する。Sはステップを意味する。
まずS101において、コンピュータ101は、反応時間Tと対応させて散乱光170の強度(以下、光強度ともいう)の時間変動を測定する。具体的には、コンピュータ101は、後述するS102で算出したい自己相関関数G(τ)の遅延時間τの範囲に応じて光強度の時間変動を測定する。このとき、同じ測定を複数回実行して、複数の測定結果を平均化してもよい。S101は測定ステップに相当する。
次にS102では、コンピュータ101は、測定した光強度の時間変動の測定結果を用いて自己相関関数G(τ)を算出する。このとき、遅延時間τにおけるS101での測定に合わせてリアルタイムに自己相関関数G(τ)を算出してもよい。この場合は、遅延時間τの範囲に至るまでS101とS102を反復する。S102以降は処理ステップに相当する。
S102が終了して自己相関関数G(τ)を取得したコンピュータ101は、S103において、第1のモデルを用いて自己相関関数G(τ)をフィッティングする。本実施例では、第1のモデルとして指数関数exp(-Γτ)を用いる。S103では、コンピュータ101は、上記フィッティングによって、測定された自己相関関数G(τ)から指数関数の減衰係数Γを算出する。算出した減衰係数Γは、反応時間Tの関数としてΓ(T)と表すことができ、これを第1のデータとする。減衰係数Γは、自己相関に関する値に相当する。
次にS104では、コンピュータ101は、反応時間Tが予め設定された所定時間に達したか否かを判定する。この所定時間は、被検試料の凝集反応の反応時間や自動分析装置100の測定速度等の条件に応じて設定される。例えば、所定時間を5分として設定する。コンピュータ101は、反応時間Tが所定時間に達していなければS101に戻って、S101~S103の処理を行う。このときS101での測定のタイミングを、所定時間に対してある一定の時間間隔で反応時間Tがサンプリングされるように調整してもよい。
図3は、直径220nmのポリスチレン粒子の凝集反応を測定したときの自己相関関数G(τ)の測定結果の例を示す。自己相関関数G(τ)の減衰が、反応時間Tとともに小さくなっていることが確認できる。図2のS104が終了した時点で、コンピュータ101は、所定時間の範囲内での各反応時間Tにおける減衰係数Γを算出する。図3に示した測定結果を用いて、減衰係数Γを反応時間Tの関数Γ(T)としてプロットすると、図4に黒丸で示すようになる。図4は、反応開始時の減衰係数Γ(0)の値で規格化したプロット値を示している。つまり、反応過程におけるΓの相対変化を示している。
本実施例では、このように規格化した減衰係数Γを第1のデータとする。凝集反応による減衰係数Γの変化が測定できれば、上記以外の規格化の方法であってもよい。例えば、減衰係数Γの変化量(Γ(T)―Γ(0))を第1のデータとしてもよい。
次にS105では、コンピュータ101は、第1のデータであるΓ(T)を第2のモデルを用いてフィッティングする。図4に示す破線は、第2のモデルとして指数関数exp(-γT)を用いてフィッティングした結果を示している。フィッティングによって、パラメータγの値が得られ、これを第2のデータとする。γは、反応時間Tに対する減衰係数Γの変化の速さ、すなわち凝集速度(または反応速度)に関するパラメータである。このようにコンピュータ101は凝集速度を表すγの値を算出する。
図5(a)は、反応液151中の測定物の濃度をいくつか変えて減衰係数Γ(T)を測定した結果を示す。図中のプロット点が第1のデータであり、実線、破線および一点鎖線が第2のモデルを用いたフィッティングの結果を示している。コンピュータ101は、測定物の濃度が既知である標準試料を用いて上述したように予め減衰係数Γ(T)を測定し、さらに凝集速度γを測定物の濃度ρと対応させて測定しておく。そして図5(b)に簡易的に示すように、凝集速度γと濃度ρとの関係からキャリブレーションデータρ(γ)を作成しておく。
次にS106では、コンピュータ101は、上記キャリブレーションデータρ(γ)とS105で算出した凝集速度γとを用いて測定物の濃度ρを算出する。キャリブレーションデータとして、様々な濃度ρで凝集速度γを測定したデータρ(γ)を第3のモデルを用いてフィッティングした結果を用いてもよい。図5(b)では、例として直線でフィッティングした結果を示している。
第1~第3のモデルとしては、様々な濃度の標準試料を用いて図5に示すように作成されたキャリブレーションデータといくつかのモデルを用いたフィッティングの結果とで差が最も小さくなるモデルが選択される。このため、キャリブレーションデータとセットでフィッティングのモデルを生成しておく。つまり、測定したい被検試料に対してキャリブレーションデータを選択すると、同時に使用するモデル(S103における第1のモデルやS105における第2のモデル)も自動的に選択される。また、被検試料の測定とキャリブレーションデータ生成のための標準試料の測定は、同じ条件下で行われることが望ましい。
このように本実施例ではDLSの原理を利用しており、従来のDLSを用いる場合のような被検試料中の粒子の正確な粒径分布を測定することを目的とはしていない。本実施例では、凝集反応の反応過程における信号(減衰係数Γ)の変化としての反応速度を測定し、その反応速度から測定物の濃度を定量化することが目的である。この変化を捉える信号として、散乱光強度の時間的な変動を用いることが本実施例の特徴である。
また本実施例は、特許文献1に開示されているような特定の散乱角の光強度を測定する手法に比べ、光強度の時間的な自己相関に関するデータを取得するため、凝集反応における凝集体のサイズ変化を敏感に測定することができる。
さらに本実施例は、数nmサイズの粒径に対しても測定を行うことができるため、そのような微小サイズの試薬を用いることも可能である。微小サイズの試薬を用いる利点として、抗原抗体反応の反応を起こす表面積を大きくすることができ、この結果、反応の高感度化や反応速度の向上が期待でき、より微量な測定物に対しても分析が可能になる。また、粒子サイズが小さくなれば自己相関関数G(τ)の減衰係数Γが大きくなる(相関時間が短くなる)ため、測定時間を短縮することができる。加えて、そのような短い相関時間では、数マイクロメータ以上の不純物による散乱の影響や装置の機械的な振動等が自己相関関数G(τ)に影響しないため、それらのようなノイズを除去することができる。
なお、S103において、減衰係数Γの代わりに自己相関関数G(τ)がある値Grefになるときの遅延時間τの値を評価することを第1のモデルとしてもよい。例えばGref=0.5として、G(τref)=Grefになるときのτrefを求め、これを凝集時間Tに対する遅延時間τref(T)を第1のデータとして評価してもよい。ただし、試薬の粒子の粒子径によっては、Grefが大きいと凝集反応による変化を捉えるのが困難になるので、例えば図3の例では、Gref≦0.5とするのが望ましい。このGrefも含めて、標準試料の測定時に調整してキャリブレーションデータとすればよい。
また本実施例では、第1のモデルと第2のモデルを数学関数を用いてモデル化したものを用いたが、ある程度網羅的にデータを取得してそれをテーブル化したデータベースを用いてもよい。第1~第3のモデルは、測定結果を正確に再現できればどのようなモデルを用いてもよく、キャリブレーションデータと合わせて選択される。
次に、本発明の実施例2としての自動分析方法について説明する。本実施例の自動分析方法は、実施例1に示した自動分析装置100により実施される。図6のフローチャートは、本実施例における測定および処理の流れを示している。本実施例でも、自動分析装置100の一部であるコンピュータ101がコンピュータプログラムに従って実行する。Sはステップを意味する。
まずS201において、コンピュータ101は、評価したい遅延時間τrefを設定する。この遅延時間τrefは、実施例1で説明したように、キャリブレーションデータとセットになっている。つまり、測定前に、被検試料に対してキャリブレーションデータが選択されると、自動で評価する遅延時間τrefが設定される、コンピュータ101は、キャリブレーションデータに基づいて、ラテックス粒子のサイズや濃度に応じて、凝集変化が敏感に測定できるように遅延時間τrefを選択する。具体的には、小さい粒子サイズに対して遅延時間τrefを短く設定し、大きい粒子サイズに対しては遅延時間τrefを長く設定する。
コンピュータ101は、反応容器150中で被検試料と試薬が混合されて攪拌が終了した後に測定を開始する。測定開始後のS202において、コンピュータ101は、反応時間Tと対応させて散乱光170の強度(光強度)の時間変動を測定する。ここでは、基本的に、遅延時間τ=0のタイミングでの光強度I(t)と遅延時間τ=τrefのタイミングでの光強度I(t+τref)の2つのデータを測定する。ただし、信号のSNに応じて上記2つのデータを複数回測定してそれぞれを平均化してもよい。
次にS203では、コンピュータ101は、S202で取得した上記2つのデータ間の相関値C(=<I(t)・I(t+τref)>/<I(t)>)を求める。<>は時間平均を表す。この相関値Cは、実施例1にて説明した自己相関関数G(τ)における遅延時間τ=τrefでの値G(τ=τref)に相当する。すなわち相関値Cは、自己相関に関する値である。このようにコンピュータ101は、反応時間Tの関数として相関値Cを算出する。そして本実施例では、算出された相関値を第1のデータとする。このため、実施例1のように測定結果に対して第1のモデルを用いたフィッティングは行わない。
次にS204では、コンピュータ101は、実施例1と同様に、反応時間Tが予め設定された所定時間に達したか否かを判定し、反応時間Tが所定時間に達していなければ再びS201に戻ってS201~S203の処理を行う。
S204が終了すると、S205において、コンピュータ101は、測定された反応時間Tの関数としての相関値C(T)に対して、第2のモデルを用いたフィッティングを行う。そしてこのフィッティングの結果から、反応時間Tに対する相関値Cの変化の速さ、つまりは凝集速度に関するパラメータ(以下、これを凝集速度という)γの値を算出する。本実施例では、この凝集速度γの値を第2のデータとする。
パラメータγを算出したコンピュータ101は、S206において、標準試料を用いて測定したキャリブレーションデータを参照して、凝集速度γに対応するサンプル濃度を算出する。
図7は、実施例1で図5(a)に示した減衰係数Γ(T)の一部について、相関値Cを用いて評価した結果を示しており、反応開始直後の値C(T=0)で規格化したものを示している。図7では、反応時間Tにおける相関値C(T)を第2のモデルとして直線を用いてフィッティングした例を示している。図7中の実線と破線の傾きが凝集速度γである。コンピュータ101は、キャリブレーションデータとして、被検試料中で濃度が異なる測定物に対して濃度と凝集速度γの対応関係を相関値C(T)に基づいて測定したものを作成する。このとき、相関を求める遅延時間τrefの条件もキャリブレーションデータとセットで用意する。
本実施例を用いても、凝集反応の反応過程における減衰係数Γの変化(反応速度)を定量化することが可能である。本実施例では、ある任意の遅延時間τrefに対応する2つの光強度の時間変動についてその相関を算出すればよい。したがって、遅延時間τを変えながら自己相関関数G(τ)を算出する必要がなく、測定と処理に要する時間を短縮することができる。
図8は、本実施例における自動分析装置の変形例を示す。この変形例は、図1に示した自動分析装置100における角度θをθ=90°とした例であり、反応容器150の底面から出射した散乱光170をレンズ120で集光して検出器130で受光する構成を有する。このように光強度を測定するときの散乱角θは反応液151の散乱濃度に応じて任意に選択してもよい。また、検出器130を配置する角度θは、照射光160の伝搬方向に平行な面内であってもよいし垂直な面内であってもよい。
図9は、本発明の実施例3である自動分析装置10を示している。自動分析装置10は、分析部20、測定部22、制御部30、処理部40およびメモリ50を有する。制御部30は、測定部22が行う測定処理を制御し、該測定部22から出力される信号を受け取って処理部40およびメモリ50を制御してデータ転送、データ処理およびデータ保存を実行する。自動分析装置10は、処理部40で処理された結果を表示する表示部60を備えている。
分析部20は、回転駆動可能なディスク21と、該ディスク21の周方向に複数配置された反応容器23とを備える。測定部22は、ディスク21とともに回転して測定位置を通過する反応容器23内の反応液に対して照射光を照射し、反応容器23から出射する散乱光の強度(光強度)の時間変動を測定する。
分析部20は、標準試料や被検試料等のサンプルを反応容器23に分注するサンプル分注部24と、サンプルに含まれる成分と反応する第1試薬を分注する第1試薬分注部25と、第1試薬と対をなす第2試薬を分注する第2試薬分注部26とを備える。さらに分析部20は、サンプルと試薬を混合した混合液を攪拌する攪拌部27と、測定を終えた混合液を反応容器23から吸引して反応容器23内を洗浄および乾燥する洗浄乾燥部28とを備える。このような構成を有する自動分析装置10は、試料・試薬の分注、攪拌、測定、吸引・洗浄・乾燥までの一連の処理をディスク21を回転させながら連続的に行うことが可能である。反応容器23は恒温槽内に収められており、反応液の温度は一定に保たれている。
反応容器23に反応液が充填されて攪拌されるとディスク21が回転駆動され、その回転中に測定部22を通過した反応容器(反応液)23に対して又はディスク21の回転後に測定部22の位置にある反応容器23に対して、測定部22による測定が実行される。測定部22は、実施例1(図1)または実施例2(図8)で示した自動分析装置100によって構成される。例えば、測定部22が実施例1で示した自動分析装置100である場合、回転中の反応容器23が測定部22を通過するタイミングで光源110から反応容器150に照射光160を照射し、出射する散乱光170を検出器130で受光する。検出器130から出力される信号は制御部30に転送され、さらにメモリ50に格納され、処理部40にてデータ処理される。測定は、ディスク21の回転中に反応容器23が測定部22を通過するごとに行われ、反応時間Tの経過とともに減衰係数Γ(T)を示す第1のデータが取得され、処理部40によって第1のデータから反応速度に関する第2のデータγが算出される。
本実施例のように、試料・試薬の分注、攪拌、測定、吸引・洗浄・乾燥までの一連の処理を連続的に行う装置おいても、実施例1や実施例2で説明した自動分析方法を実施することができる。またキャリブレーションデータについても、同様に本実施例の自動分析装置10を用いて事前に測定し、その測定条件に合わせて測定物を分析することができる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
101 コンピュータ
151 反応液
110 光源
130 検出器

Claims (10)

  1. 測定物と試薬とが混合された反応液に照射光を照射して、前記反応液からの出射光の強度の時間変動を、前記反応液中での反応の開始からの反応時間と対応させて測定する測定ステップと、
    前記測定ステップにて取得された信号を処理して前記測定物を分析する処理ステップとを有し、
    前記処理ステップは、
    前記出射光の強度の時間変動の測定結果を用いて、自己相関に関する値を前記反応時間の関数として示す第1のデータを取得し、
    前記第1のデータを用いて反応速度に関する第2のデータを取得し、
    前記第2のデータと前記測定物の濃度が既知であるときのキャリブレーションデータとを用いて、前記反応液中の前記測定物の濃度を定量することを特徴とする自動分析方法。
  2. 前記自己相関に関する値は、前記出射光の強度の時間変動における自己相関関数であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析方法。
  3. 前記処理ステップは、前記第1のデータを、前記自己相関関数を第1のモデルに基づいたフィッティングによって取得することを特徴とする請求項に記載の自動分析方法。
  4. 前記第1のモデルは、指数関数であり、
    前記処理ステップは、前記フィッティングにより前記指数関数における減衰係数を算出することで前記第1のデータを取得することを特徴とする請求項3に記載の自動分析方法。
  5. 前記自己相関に関する値は、選択された遅延時間で前記出射光の強度の時間変動を測定することで得られたデータ間の相関値であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析方法。
  6. 前記処理ステップは、前記第1のデータに基づいて第2のモデルを選択し、該第2のモデルを用いて前記第1のデータをフィッティングすることで前記第2のデータを取得することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の自動分析方法。
  7. 前記処理ステップは、前記第1のデータと前記第2のデータを、前記キャリブレーションデータの生成に用いられたモデルと同じモデルを用いて取得することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の自動分析方法。
  8. 前記第1のデータは、前記反応時間に対する前記信号を反応開始時の前記信号で規格化された信号であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の自動分析方法。
  9. コンピュータに、請求項1から8のいずれか一項に記載の自動分析方法に従う処理を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  10. 測定物と試薬とが混合された反応液に照射光を照射する照射手段と、
    前記反応液からの出射光の強度の時間変動を、前記反応液中での反応の開始からの反応時間と対応させて測定する測定手段と、
    前記測定手段にて取得された信号を処理して前記測定物を分析する処理手段とを有し、
    前記処理手段は、
    前記出射光の強度の時間変動の測定結果を用いて、自己相関に関する値を前記反応時間の関数として示す第1のデータを取得し、
    前記第1のデータを用いて反応速度に関する第2のデータを取得し、
    前記第2のデータと前記測定物の濃度が既知であるときのキャリブレーションデータとを用いて、前記反応液中の前記測定物の濃度を定量することを特徴とする自動分析装置。
JP2019214107A 2019-11-27 2019-11-27 自動分析方法および自動分析装置 Active JP7330869B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019214107A JP7330869B2 (ja) 2019-11-27 2019-11-27 自動分析方法および自動分析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019214107A JP7330869B2 (ja) 2019-11-27 2019-11-27 自動分析方法および自動分析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021085731A JP2021085731A (ja) 2021-06-03
JP7330869B2 true JP7330869B2 (ja) 2023-08-22

Family

ID=76087378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019214107A Active JP7330869B2 (ja) 2019-11-27 2019-11-27 自動分析方法および自動分析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7330869B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030228603A1 (en) 2002-04-05 2003-12-11 Cload Sharon T. Compositions selective for caffeine or aspartame and methods of using same
JP2013205145A (ja) 2012-03-28 2013-10-07 Fujifilm Corp 低コヒーレンス光源を用いた動的光散乱測定法及び動的光散乱測定装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61277060A (ja) * 1985-06-01 1986-12-08 Joko:Kk 酵素免疫定量法
JPS63247644A (ja) * 1987-04-02 1988-10-14 Toa Medical Electronics Co Ltd 免疫反応測定方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030228603A1 (en) 2002-04-05 2003-12-11 Cload Sharon T. Compositions selective for caffeine or aspartame and methods of using same
JP2013205145A (ja) 2012-03-28 2013-10-07 Fujifilm Corp 低コヒーレンス光源を用いた動的光散乱測定法及び動的光散乱測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021085731A (ja) 2021-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5740264B2 (ja) 自動分析装置及び分析方法
JP2013531787A (ja) 粒子の運動度および/または細胞の分散を求めるためのホログラフィック変動顕微鏡装置および方法
CN105008899B (zh) 分析装置及自动分析装置
JP2008008794A (ja) 分析装置
US9645160B2 (en) Automatic analysis device
JP7077175B2 (ja) 自動分析装置、自動分析方法、および、プログラム
JP3283078B2 (ja) 免疫学的測定装置
JP7330869B2 (ja) 自動分析方法および自動分析装置
RU2610942C1 (ru) Способ оптического измерения счетной концентрации дисперсных частиц в жидких средах и устройство для его осуществления
JP6031552B2 (ja) 自動分析装置及び分析方法
US9019496B2 (en) Method for estimating the amount of entities deposited on microparticles in suspension in a solution, associated device and use of said device
JP2012211782A (ja) 生体物質分析装置および生体物質分析方法
RU2405133C1 (ru) Способ исследования агрегационной способности частиц коллоидной системы
RU2714751C1 (ru) Способ оценки агрегации наночастиц в коллоидных растворах
US20240085327A1 (en) Measuring method, measuring apparatus, and storage medium
KR100984183B1 (ko) 혈구 응집률 측정 장치 및 그 방법
JP2016061790A (ja) 検体の比濁分析決定(nephelometricdetermination)を行う方法
JPH01313737A (ja) 検体検査装置
JP6657016B2 (ja) 自動分析装置
JPH0421821B2 (ja)
JPH076985B2 (ja) 抗原−抗体反応の測定法
JPH07323033A (ja) 生体測定装置
JP2009098029A (ja) 生物学的反応の評価方法及び評価装置
JPS58173465A (ja) 抗原抗体反応の光学的測定方法
JPS61173136A (ja) 光強度ゆらぎによる免疫反応測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230809

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7330869

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151