JP7327955B2 - 鉛蓄電池状態検出装置および鉛蓄電池状態検出方法 - Google Patents

鉛蓄電池状態検出装置および鉛蓄電池状態検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉛蓄電池状態検出装置および鉛蓄電池状態検出方法に関するものである。
特許文献1には、鉛蓄電池を構成するセル間のばらつきを誘発する使用履歴を有する場合には、鉛蓄電池の劣化状態を示す所定の関数に対して補正を施すことで、より現実に近い劣化状態を得る技術が開示されている。
特開2017-181206号公報
ところで、車載用の鉛蓄電池では、設置する位置や方向により、エンジンまたはモータ等の原動機からの熱が、これらに近い位置にあるセルの温度を上昇させ、セル間の温度のばらつきが生じる場合がある。このような場合には、温度が異なるセル間で内部抵抗の値が異なったり、温度が高いセルの劣化が他のセルよりも早く進行したりする場合がある。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、温度センサが1つであるので、前述したような、温度のばらつきを検出することができないため、鉛蓄電池の状態を正確に検出できないという問題点がある。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、鉛蓄電池のセル間の温度のばらつきが存在する場合であっても、鉛蓄電池の状態を正確に推定することが可能な鉛蓄電池状態検出装置および鉛蓄電池状態検出方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、複数のセルに区画された電解槽を有する車載用の鉛蓄電池の状態を検出する鉛蓄電池状態検出装置において、プロセッサと、前記プロセッサによって実行された場合に以下の機能を実現するプログラムを格納するメモリと、を有し、前記鉛蓄電池の端子電圧を検出する電圧センサからの電圧信号と、前記鉛蓄電池の充放電電流を検出する電流センサからの電流信号と、前記電解槽の複数箇所の温度を検出する温度センサからの温度信号を受信し、前記鉛蓄電池の放電中の前記電圧信号と前記電流信号とに基づいて前記鉛蓄電池の等価回路を構成する素子の値を算出し、算出された前記等価回路を構成する素子の値を、前記電解槽の複数箇所の温度を示す温度信号に基づいて素子の値を補正し、補正された素子の値に基づいて、前記鉛蓄電池の状態を検出し、検出された前記鉛蓄電池の状態を出力する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、鉛蓄電池のセル間の温度のばらつきが存在する場合であっても、鉛蓄電池の状態を正確に推定することが可能になる。
また、本発明は、前記温度センサは、前記電解槽の両端に位置するセルの温度を検出可能に配置され、両端に位置するセルの車両の原動機から発生する熱による温度上昇を検出することを特徴とする。
このような構成によれば、熱源からの影響を低減して、鉛蓄電池の状態を正確に推定することが可能になる。
また、本発明は、前記温度センサは、前記電解槽の複数のセルの温度を検出可能に配置され、セルの劣化の進行に起因する温度上昇を検出することを特徴とする。
このような構成によれば、劣化の進行による影響を低減して、鉛蓄電池の状態を正確に推定することが可能になる。
また、本発明は、前記温度センサからの温度信号を時間積分した値に基づいて、前記等価回路の素子の値を補正することを特徴とする。
このような構成によれば、温度の過去の履歴に基づいて、等価回路の素子の値を正確に補正することが可能になる。
また、本発明は、前記等価回路の素子の値を、前記温度信号を時間積分して得た値に基づいて、それぞれのセルに分配することを特徴とする。
このような構成によれば、それぞれのセルが有する素子の値を正確に求めることが可能になる。
また、本発明は、各セルに分配された素子の値に基づいて、各セルの放電可能容量を補正することを特徴とする。
このような構成によれば、各セルの放電可能容量を正確に求めることが可能になる。
また、本発明は、各セルに対して1つずつ配置された前記温度センサからの前記温度信号を受信し、前記等価回路の素子の値を各セルからの前記温度信号に基づいて補正することを特徴とする。
このような構成によれば、各セルが有する素子の値を正確に求めることが可能になる。
また、本発明は、前記電解槽の垂直方向に離間して配置された少なくとも2つの前記温度センサからの前記温度信号を受信し、前記温度信号に基づいて前記電解槽の垂直方向の温度差を検出し、検出した温度差に基づいて電解液の成層化の程度を検出し、当該成層化の程度に基づいて素子の値を補正することを特徴とする。
このような構成によれば、成層化の影響を考慮して、鉛蓄電池の状態を正確に推定することが可能になる。
また、本発明は、前記温度センサは、前記鉛蓄電池を収容するカバー内に配置されていることを特徴とする。
このような構成によれば、外部の熱源の影響を低減しつつ、鉛蓄電池の状態を正確に推定することが可能になる。
また、本発明は、複数のセルに区画された電解槽を有する車載用の鉛蓄電池の状態を検出する鉛蓄電池状態検出方法において、前記鉛蓄電池の端子電圧を検出する電圧センサからの電圧信号と、前記鉛蓄電池の充放電電流を検出する電流センサからの電流信号と、前記電解槽の両端に位置するセルの温度を検出する少なくとも2つの温度センサからの温度信号を、プロセッサを有するシステムによって受信し、前記鉛蓄電池の放電中の前記電圧信号と前記電流信号とに基づいて前記鉛蓄電池の等価回路を構成する素子の値を前記システムによって算出し、算出された前記等価回路を構成する素子の値を、受信された前記両端に位置するセルの温度差に基づいて素子の値を前記システムによって補正し、補正された素子の値に基づいて、前記鉛蓄電池の状態を前記システムによって検出し、検出された前記鉛蓄電池の状態を前記システムによって出力する、ことを特徴とする。
このような方法によれば、鉛蓄電池のセル間の温度のばらつきが存在する場合であっても、鉛蓄電池の状態を正確に推定することが可能になる。
本発明によれば、鉛蓄電池のセル間の温度のばらつきが存在する場合であっても、鉛蓄電池の状態を正確に推定することが可能な鉛蓄電池状態検出装置および鉛蓄電池状態検出方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る鉛蓄電池状態検出装置の構成例を示す図である。 図1に示す鉛蓄電池の構成例を示す図である。 図1の制御部の詳細な構成例を示すブロック図である。 図2に示す鉛蓄電池の等価回路の一例を示す図である。 従来における端子間抵抗と各セルの抵抗値および推定容量の関係を示す図である。 本実施形態における端子間抵抗と各セルの抵抗値および推定容量の関係を示す図である。 本発明の実施形態において、エンジンが始動された場合に実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態において、エンジンが停止された場合に実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。 温度センサの他の配置例を示す図である。 鉛蓄電池の温度の等高線の例を示す図である。 温度センサの他の配置例を示す図である。 温度センサの他の配置例を示す図である。 温度センサの他の配置例を示す図である。 温度センサをカバーに配置する例を示す図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)本発明の実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係る鉛蓄電池状態検出装置を有する車両の電源系統を示す図である。この図において、鉛蓄電池状態検出装置1は、制御部10を主要な構成要素とし、電圧センサ11、電流センサ12、温度センサ13-1,13-2、および、放電回路15が外部に接続され、鉛蓄電池14の状態を検出する。なお、制御部10、電圧センサ11、電流センサ12、温度センサ13-1,13-2、および、放電回路15を別々の構成とするのではなく、これらの一部または全てをまとめた構成としてもよい。
ここで、制御部10は、電圧センサ11、電流センサ12、および、温度センサ13-1,13-2からの出力を参照し、鉛蓄電池14の状態を検出して検出結果の情報を外部に出力するとともに、オルタネータ16の発電電圧を制御することで鉛蓄電池14の充電状態を制御する。なお、制御部10がオルタネータ16の発電電圧を制御することで鉛蓄電池14の充電状態を制御するのではなく、例えば、図示しないECU(Electric Control Unit)が制御部10からの情報に基づいて充電状態を制御するようにしてもよい。
電圧センサ11は、鉛蓄電池14の端子電圧を検出し、制御部10に電圧信号として供給する。電流センサ12は、鉛蓄電池14に流れる電流を検出し、制御部10に電流信号として供給する。
温度センサ13-1,13-2は、鉛蓄電池14の電解液または鉛蓄電池14の周囲の温度(例えば、絶対温度)を検出し、制御部10に温度信号として供給する。温度センサ13-1,13-2としては、例えば、サーミスタ、測温抵抗体、熱電対、IC(Integrated Circuit)温度センサを使用することができる。なお、赤外線を感知する赤外線センサを用いるようにしてもよい。
図2は、鉛蓄電池14の構成例を示している。図2に示すように、鉛蓄電池14は、例えば、複数のセル141~146に区画された電解槽140を有している。セル141~146の内部には、鉛の陰極、セパレータ、二酸化鉛の陽極が積層されて配置されるとともに、電解液が充填されている。電解槽140の両端に位置するセル141,146の面14a,14bには、温度センサ13-1,13-2が配置されている。温度センサ13-1,13-2は、セル141,146の温度を検出して温度信号を出力する。
放電回路15は、例えば、直列接続された半導体スイッチおよび抵抗素子等によって構成され、制御部10の制御に応じて半導体スイッチをオン/オフすることで、鉛蓄電池14を所望の波形にて放電させることができる。
オルタネータ16は、エンジン17によって駆動され、交流電力を発生して整流回路によって直流電力に変換し、鉛蓄電池14を充電する。オルタネータ16は、制御部10によって制御され、発電電圧を調整することが可能とされている。
エンジン17は、例えば、ガソリンエンジンおよびディーゼルエンジン等のレシプロエンジンまたはロータリーエンジン等によって構成され、スタータモータ18によって始動され、トランスミッションを介して駆動輪を駆動し、車両に推進力を与えるとともに、オルタネータ16を駆動して電力を発生させる。スタータモータ18は、例えば、直流電動機によって構成され、鉛蓄電池14から供給される電力によって回転力を発生し、エンジン17を始動する。なお、エンジン17の代わりに、電気モータを使用するようにしてもよい。
負荷19は、例えば、電動ステアリングモータ、デフォッガ、シートヒータ、イグニッションコイル、カーオーディオ、および、カーナビゲーション等によって構成され、鉛蓄電池14から供給される電力によって動作する。なお、図1の例では、エンジン17のみが駆動力を出力する構成としたが、例えば、エンジン17をアシストする電動モータを具備したハイブリッド車であってもよい。ハイブリッド車の場合、鉛蓄電池14は、リチウム電池等によって構成される高圧システム(電動モータを駆動するシステム)を起動し、高圧システムがエンジン17を始動する。
図3は、図1に示す制御部10の詳細な構成例を示す図である。この図に示すように、制御部10は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)10a、ROM(Read Only Memory)10b、RAM(Random Access Memory)10c、通信部10d、I/F(Interface)10e、および、バス10fを有している。ここで、CPU10aは、ROM10bに格納されているプログラム10baに基づいて各部を制御する。ROM10bは、半導体メモリ等によって構成され、プログラム10ba等を格納している。RAM10cは、半導体メモリ等によって構成され、プログラム10baを実行する際に生成されるデータや、テーブル等のデータ10caを格納する。通信部10dは、上位の装置であるECU(Electronic Control Unit)等との間で通信を行い、検出した情報または制御情報を上位装置に通知する。I/F10eは、電圧センサ11、電流センサ12、および、温度センサ13-1,13-2から供給される電圧信号、電流信号、および、温度信号をデジタル信号に変換して取り込むとともに、放電回路15、オルタネータ16、および、スタータモータ18等に駆動電流を供給してこれらを制御する。バス10fは、CPU10a、ROM10b、RAM10c、通信部10d、および、I/F10eを相互に接続し、これらの間で情報の授受を可能とするための信号線群である。
なお、図3の例では、CPU10aを1つ有するようにしているが、複数のCPUによって分散処理を実行するようにしてもよい。また、CPU10aの代わりに、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、または、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成するようにしてもよい。あるいは、ソフトウエアプログラムを読み込むことで機能を実行する汎用プロセッサまたはクラウドコンピューティングによりサーバー上のコンピュータで処理が行われるようにしてもよい。また、図3では、ROM10bおよびRAM10cを有するようにしているが、例えば、これら以外の記憶装置(例えば、磁気記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive))を用いるようにしてもよい。
(B)本発明の実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の実施形態の動作について説明する。なお、以下では、本発明の実施形態の動作について説明した後、このような動作を実現するためのフローチャートの処理について説明する。
まず、本発明の実施形態の動作の概略について説明する。図示しないイグニッションスイッチがユーザによって操作されることで車両のエンジン17が始動されると、制御部10のCPU10aは、I/F10eを介して、温度センサ13-1,13-2から出力される温度信号を入力する。
ここで、温度センサ13-1は電解槽140のセル141の温度を検出し、温度センサ13-2は電解槽140のセル146の温度を検出して出力する。CPU10aは、温度センサ13-1から供給される温度信号が示す温度θ1を取得するとともに、温度センサ13-2から供給される温度信号が示す温度θ2を取得する。
つぎに、CPU10aは、温度θ1,θ2を時間によって積分する。例えば、温度θ1,θ2が所定の周期(ΔT)で取得されている場合には、変数C1に対してθ1×ΔTの計算結果を累積加算(C1←C1+θ1×ΔTを計算)し、変数C2に対してθ2×ΔTの計算結果を累積加算(C2←C2+θ2×ΔTを計算)する。そして、CPU10aは、得られたC1,C2の値をRAM10cにデータ10caとして格納する。
以上の動作は、エンジン17が停止されるか、あるいは、温度センサ13-1,13-2の温度が所定の温度になる(例えば、外気温と同じになる)まで繰り返し実行される。
エンジン17が停止されてから所定の時間(例えば、数時間)が経過すると、CPU10aは、I/F10eを介して放電回路15に制御信号を供給し、鉛蓄電池14を、例えば、パルス放電させるとともに、電圧センサ11および電流センサ12からの電圧信号および電流信号を受信する。なお、放電回路15によって放電させるのではなく、例えば、スタータモータ18によってエンジン17を始動する際、または、負荷19に電流が流れる際に、電圧信号および電流信号を取得するようにしてもよい。
つぎに、CPU10aは、鉛蓄電池14の等価回路を構成する素子の値を算出する。より詳細には、鉛蓄電池14の等価回路としては、例えば、図4に示す等価回路がある。図4の例は、等価回路は、鉛蓄電池14内部の導体要素および電解液抵抗に対応する抵抗成分であるRohmと、電極の活物質反応の反応抵抗に対応する抵抗成分であるRct1,Rct2と、電極と電解液の界面の電気二重層に対応する容量成分であるCd1,Cd2とを有している。CPU10aは、図4に示す鉛蓄電池14の等価回路を学習処理またはフィッティング処理によって求出し、等価回路を構成する素子の値を算出する。
つぎに、CPU10aは、エンジン17の動作時に算出したC1,C2を、RAM10Cから取得する。そして、例えば、C1,C2が所定の閾値以上異なっているか否かを判定する。
ここで、C1,C2が異なるのは、例えば、鉛蓄電池14がエンジン17からの熱を受ける場所に配置されている場合であって、セル141およびセル146の一方がエンジン17に近くなるように配置されているときである。
より詳細には、例えば、セル141がセル146よりもエンジン17に近くなるように配置されている場合であって、エンジン17の動作中に、セル141の方がセル146よりも温度が高くなるときである。
このような場合、鉛蓄電池14は、温度が高いセルが低いセルに比較して劣化の進行が早くなる。具体的には、アレニウスの式によると、温度が10℃上昇すると寿命が1/2になるとされている。
鉛蓄電池14は、セルの電極の劣化が進行すると、内部抵抗が増加することが知られている。また、複数のセル141~146を有する鉛蓄電池14は、最も劣化が進行したセルの容量が全セルの容量を決定付ける。すなわち、劣化が最も進んだ1つのセルの容量が40Ahであり、他のセルの容量が全て50Ahである場合、40Ahの放電が完了した時点で放電不能になることから、40Ahが全セルとしての容量になる。
ところで、従来においては、図5の上段に示すように、鉛蓄電池14の端子間抵抗が6Y[Ω]と測定された場合、各セルの内部抵抗は等しいと仮定して、図5の中段に示すように、全てのセルの内部抵抗はY[Ω](6Y/6)と推定されていた。また、各セルの容量についても、図5の下段に示すように、全て等しいと仮定して、X[Ah]とされていた。
しかしながら、図6の上段に示す鉛蓄電池14において、図の左側のセルが右側のセルよりもエンジン17に近い位置になるように配置されている場合であって、劣化が進行した場合には、図6の中段に示すように、各セルの内部抵抗は左から右にその値が小さくなることがある。すなわち、左のセルほど劣化が進んで抵抗値が大きくなっている。また、この場合、図6の下段に示すように、左のセルほど容量が小さくなっている。具体的には、左端のセルの容量はX/2[Ah]であり、右端のセルの容量はX/0.4[Ah]となっている。
図6の場合、最も容量が小さいセルの容量がセル全体の容量の容量となるので、X/2[Ah]がセル全体の容量となる。
なお、セル間の温度差が少ない場合(例えば、エンジン17から十分に離れた位置に鉛蓄電池14が配置されている場合、または、エンジン17の近くに配置された場合であって、全てのセルが略同じ温度分布になるように配置されているとき)には、図5に示すように、全てのセルの温度が略同じであり、温度に起因する劣化は均等に進行することから、そのような場合には、従来と同様の方法によってセルの内部抵抗および容量を求めることができる。
C1,C2の比較により、これらが所定の閾値以上異なっていない場合、例えば、ABS()を括弧内の絶対値を求める関数であり、閾値をThとするとき、ABS(1-C1/C2)<Th(例えば、Th=0.1)を満たす場合には、所定の閾値以上異なっていないと判定し、セル間の温度は略一定であると判断する。この場合、セル全体の内部抵抗が6Yである場合に、各セルの内部抵抗はYと判定する。
一方、セル間の温度が一定でない(温度のばらつきがある)と判定した場合であって、セル全体の内部抵抗が6Yであるとき、セル141~146の内部抵抗をR1~R6とすると、内部抵抗R1~R6は、以下の式によって求めることができる。なお、f1(C1,C2)~f6(C1,C2)は、C1,C2を変数とする所定の関数である。より詳細には、f1()~f6()は、C1=C2の場合にはf1()=f2()=f3()=f4()=f5()=f6()=1/6となり、C1>C2の場合にはf1()>f2()>f3()>f4()>f5()>f6()となり、C1<C2の場合にはf1()<f2()<f3()<f4()<f5()<f6()となる関数である。なお、これらの関数については、例えば、実測によって求めることができる。あるいは、鉛蓄電池14の熱的な等価回路(対象物を熱抵抗と熱容量によってモデリングした回路)を用いて求めることができる。
R1=6Y×f1(C1,C2) ・・・(1)
R2=6Y×f2(C1,C2) ・・・(2)
R3=6Y×f3(C1,C2) ・・・(3)
R4=6Y×f4(C1,C2) ・・・(4)
R5=6Y×f5(C1,C2) ・・・(5)
R6=6Y×f6(C1,C2) ・・・(6)
つぎに、CPU10aは、R1~R6のうち、値が最も大きいものを選択し、選択した内部抵抗の値に基づいて、セルの容量を推定するとともに、当該セルの容量を鉛蓄電池14の容量として推定する。例えば、セル毎の内部抵抗に基づいてセル毎のOCV(Open Circuit Voltage)を計算し、OCVからセル毎の容量(SOC:State of Charge)を求めることができる。
CPU10aは、このようにして計算したセルの容量に基づいて、オルタネータ16の発電電圧を調整し、鉛蓄電池14が満充電またはそれに近い状態になるように制御を行う。あるいは、CPU10aは、通信部10dを介して、図示しないECUに対して、このようにして計算したセルの容量を通知し、ECUは、セルの容量を参照してオルタネータ16の発電電圧を調整し、鉛蓄電池14が満充電またはそれに近い状態になるように制御を行う。
これにより、鉛蓄電池14のセル間の温度が異なることに起因して、劣化の進行がセル間で異なる場合であっても、セルの状態を知ることができるとともに、セル間のばらつきを考慮して、鉛蓄電池14の充電/放電制御を行うことができる。これにより、鉛蓄電池14の容量が低下して、エンジン17の始動ができなくなることを防止することができる。また、鉛蓄電池14の容量が低い状態が続くことで、劣化が進行することを抑制できる。
つぎに、図7および図8を参照して、本発明の実施形態において実行される処理の一例について説明する。
図7は、エンジン17が始動された場合に実行されるフローチャートである。図7に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS10では、CPU10aは、例えば、イグニッションキーがユーザによって操作されてエンジン17が始動されたか否かを判定し、エンジン17が始動されたと判定した場合(ステップS10:Y)にはステップS11に進み、それ以外の場合(ステップS10:N)には処理を終了する。
ステップS11では、CPU10aは、温度センサ13-1から出力される温度信号をI/F10eを介して受信し、温度θ1を取得する。例えば、図2に示す温度センサ13-1からセル141の温度θ1を取得する。
ステップS12では、CPU10aは、温度センサ13-2から出力される温度信号をI/F10eを介して受信し、温度θ2を取得する。例えば、図2に示す温度センサ13-2からセル146の温度θ2を取得する。
ステップS13では、CPU10aは、ステップS11で取得した温度θ1と、温度のサンプリング周期ΔTの積(θ1×ΔT)を求め、変数C1に累積加算(C1←C1+θ1×ΔTを計算)する。これにより、温度θ1の時間積分に該当する値が変数C1に順次格納される。
ステップS14では、CPU10aは、ステップS12で取得した温度θ2と、温度のサンプリング周期ΔTの積(θ2×ΔT)を求め、変数C2に累積加算(C2←C2+θ2×ΔTを計算)する。これにより、温度θ2の時間積分に該当する値が変数C2に順次格納される。
ステップS15では、CPU10aは、ステップS13およびステップS14で求めたC1,C2の値を、RAM10cにデータ10caとして格納する。
ステップS16では、CPU10aは、サンプリング時間であるΔTが経過したか否かを判定し、ΔTが経過したと判定した場合(ステップS16:Y)にはステップS17に進み、それ以外の場合(ステップS16:N)には同様の処理を繰り返す。
ステップS17では、CPU10aは、例えば、ユーザによってイグニッションキーが操作され、エンジン17が停止されたか否かを判定し、エンジン17が停止されたと判定した場合(ステップS17:Y)には処理を終了し、それ以外の場合(ステップS17:N)にはステップS11に戻って、前述の場合と同様の処理を繰り返す。なお、エンジン17が停止された場合に処理を終了するのではなく、エンジン17の温度が周囲温度と等しくなった場合、または、周囲温度との差が所定の閾値以下になった場合に処理を終了するようにしてもよい。
つぎに、図8を参照して、エンジンが停止された後に実行される処理の一例について説明する。図8に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS30では、CPU10aは、例えば、ユーザによってイグニッションキーが操作され、エンジン17が停止されたか否かを判定し、エンジン17が停止されたと判定した場合(ステップS30:Y)にはステップS31に進み、それ以外の場合(ステップS30:N)には処理を終了する。
ステップS31では、CPU10aは、エンジン17が停止されてから所定の時間(例えば、鉛蓄電池14の成層化等が解消される数時間)が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS31:Y)にはステップS32に進み、それ以外の場合(ステップS31:N)には同様の処理を繰り返す。
ステップS32では、CPU10aは、放電回路15に制御信号を供給し、鉛蓄電池14のパルス放電を開始させる。なお、放電回路15によって放電させるのではなく、例えば、スタータモータ18または負荷19による放電を利用するようにしてもよい。
ステップS33では、CPU10aは、電圧センサ11から電圧信号を受信し、鉛蓄電池14の端子電圧Vを検出する。
ステップS34では、CPU10aは、電流センサ12から電流信号を受信し、鉛蓄電池14に流れる電流Iを検出する。
ステップS35では、CPU10aは、所定の時間(例えば、100m秒~数秒)が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS35:Y)にはステップS36に進み、それ以外の場合(ステップS35:N)にはステップS33に戻って同様の処理を繰り返す。なお、ステップS33~ステップS35の繰り返しによって、鉛蓄電池14が繰り返しパルス放電され、そのときの電圧および電流が測定される。
ステップS36では、CPU10aは、放電回路15に制御信号を供給し、鉛蓄電池14のパルス放電を終了させる。
ステップS37では、CPU10aは、例えば、図4に示す鉛蓄電池14の等価回路を構成する素子の値を算出する。例えば、CPU10aは、図4に示す鉛蓄電池14の等価回路を学習処理またはフィッティング処理によって求出し、等価回路の素子の値を算出するとともに最適化を行う。最適化の方法としては、例えば、特許第4532416号に記載されているように、拡張カルマンフィルタ演算により最適な状態ベクトルXを推定し、推定された状態ベクトルXから等価回路の調整パラメータ(成分)を最適なものに更新する。より詳細には、ある状態における状態ベクトルXから得られる調整パラメータを用いた等価回路に基づき、所定の電流パターンで二次電池に放電させたときの電圧降下ΔVを計算し、これが実測値に近づくように状態ベクトルXを更新する。そして、更新により最適化された状態ベクトルXから、最適な調整パラメータを算出する。あるいは、WO2014/136593に記載されるように、鉛蓄電池14のパルス放電時に、電圧値の時間的変化を取得し、得られた電圧値の変化を、時間を変数とする所定の関数によってフィッティングすることで所定の関数のパラメータを算出し、算出された所定の関数のパラメータに基づいて、鉛蓄電池14の等価回路の成分を求めることができる。もちろん、これら以外の方法でもよい。
ステップS38では、CPU10aは、図7に示す処理によってRAM10cに格納されたC1,C2の値を読み出す。
ステップS39では、CPU10aは、ステップS38で読み出したC1,C2に基づいて、セル毎の内部抵抗を補正する処理を実行する。例えば、図4に示すRohm,Rct1,Rct2の合計値としての内部抵抗の値(6Y)を、式(1)~(6)によって、C1,C2に基づいて、セル毎の内部抵抗を補正する。
ステップS40では、CPU10aは、補正されたセル毎の内部抵抗の値に基づいて、SOCおよびSOHを算出する。より詳細には、セル毎の内部抵抗に基づいてセル毎のOCVを計算し、OCVからセル毎のSOCを求めることができる。また、セル毎の内部抵抗の値と、劣化特性との関係を示す式またはテーブルを参照することで、セル毎のSOHを求めることができる。もちろん、これら以外の方法で、SOCおよびSOHを求めるようにしてもよい。なお、内部抵抗に基づいて、エンジン17の始動性能を示すSOF(State of Function)を算出するようにしてもよい。
ステップS41では、CPU10aは、ステップS40で求めたセル毎のSOCおよびSOHに基づく制御を実行する。例えば、最小のSOCに基づいて充電制御を実行することで、充電状態を適正に保つことができる。また、最小のSOHに基づいて、劣化状態を判定することで、鉛蓄電池14の交換時期を正確にユーザに通知することができる。また、最小のSOFに基づいて、充電制御を実行することで、エンジン17の再始動ができなくなることを防止できる。なお、ステップS41は、CPU10aによって実行するのではなく、ステップS40で求めたセル毎のSOCおよびSOHをCPU10aが上位の制御装置(例えば、ECU)に供給し、上位の制御装置がSOCおよびSOHに基づいて、前述した処理を実行するようにしてもよい。
以上に説明したように、本発明の実施形態によれば、鉛蓄電池14のセル141~146の間に温度のばらつきが存在する場合であっても、鉛蓄電池14の状態を正確に検出することができる。これにより、鉛蓄電池14の充放電を確実に制御することができるので、車両の動作を安定化させることができる。
(C)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の実施形態では、図2に示すように、2つの温度センサ13-1,13-2を、鉛蓄電池14の電解槽140の面14a,14bにそれぞれ設けるようにしたが、例えば、図9に示すように、面14a,14bの2カ所に加えて、面14c(YZ平面に平行な手前側の面)、面14d(YZ平面に平行な奥側の面)、面14e(電解槽140の上面)、および、面14f(電解槽140の底面)の6カ所に丸印で示す温度センサを設けるようにしてもよい。このように、6つの温度センサを用いる場合、対向する面の温度を参照することで、熱源が存在する方向を予測することができるため、セル141~146の温度をより正確に推定することができる。
図10は、様々な方向に熱源が存在する場合における鉛蓄電池14の熱分布の一例を示す図である。なお、図10において、鉛蓄電池14に記載した線は、熱の等高線を示している。また、太線は熱源に最も近い、最も温度が高い等高線を示している。ここで、図10(A)は、熱源が電解槽140の頂点V1の近傍に存在する場合の等高線を示している。また、図10(B)は、熱源がX軸に平行な辺S1の近傍に存在する場合を示している。また、図10(C)は、熱源がY軸に平行な辺S2の近傍に存在する場合を示している。例えば、図9に示すように、複数のセンサを設けることで、図10に示すように、様々な位置に熱源が存在する場合でも、セル141~146の温度をより正確に推定することができる。
図11は、セル141~146のそれぞれに対して温度センサを設けた場合の実施形態を示している。図11の例では、面14cのセル141~146のそれぞれのY軸方向の中心付近であって、Z軸方向の中心付近に、丸印で示す温度センサを設けている。このような実施形態によれば、それぞれのセルの温度を検出することができるので、両端のセル141,146の温度から、中間のセル142~145の温度を推定する場合に比較して、中間のセル142~145の温度を正確に求めることができる。
なお、図11の例では、セル141~146の温度の時間積分を行って得られる値をC1~C6とするとき、前述した式(1)~式(6)は、例えば、以下の式(7)~式(12)に置換することができる。なお、f11()~f16()は、C1=C2=C3=C4=C5=C6の場合には、f11()~f16()=1/6となり、C1~C6の相対的な大小関係によってその値が変化する(例えば、C1がC2~C6よりも相対的に大きい場合にはf11()の値がf12()~f16()の値よりも相対的に大きくなる)関数である。
R1=6Y×f11(C1,C2,C3,C4,C5,C6) ・・・(7)
R2=6Y×f12(C1,C2,C3,C4,C5,C6) ・・・(8)
R3=6Y×f13(C1,C2,C3,C4,C5,C6) ・・・(9)
R4=6Y×f14(C1,C2,C3,C4,C5,C6) ・・・(10)
R5=6Y×f15(C1,C2,C3,C4,C5,C6) ・・・(11)
R6=6Y×f16(C1,C2,C3,C4,C5,C6) ・・・(12)
また、以上の実施形態では、鉛蓄電池14の外部に存在する熱源からの熱によって、セルの温度が上昇する場合を例に挙げて説明したが、鉛蓄電池14自身が発生する熱によってセルの温度が上昇する場合もある。より詳細には、鉛蓄電池14が発生する熱には、2種類がある。1つは、内部抵抗に電流が通じることで生じるジュール熱で、もう1つは、電気化学反応によって生じる熱である。ここで、セルの内部抵抗は、劣化が進行すると値が大きくなるので、劣化が進行したセルほどジュール熱の発生が多くなる。
外部の熱源からの熱によって、セルの温度が上昇する場合、熱源に近いセルから熱が伝達されて温度が上昇するので、一般的には熱源に近い端部のセルの温度が最も高くなる。しかしながら、鉛蓄電池14自身から発生する熱の場合、特に、ジュール熱については、劣化に応じて発生する熱の量が異なることから、端部以外のセルの温度が最も高くなる場合もあり得る。
図2に示す実施形態では、外部の熱源から熱が両端の一方のセルに伝達し、両端の他方のセルに熱が伝わるモデルである。このため、中間のセルの発熱が他のセルよりも相対的に大きい場合には、各セルの温度を正確に求めることが困難となる。
一方、図11に示す実施形態の場合には、セルが発熱する場合であっても、各セルの温度を正確に測定することができる。例えば、中間のセルであるセル143の劣化が進行し、セル143の発熱量が最も多い場合であっても、セル143の温度が高いことを求めるとともに、それ以外のセル141~142,144~146の温度についても正確に求めることができる。なお、図11に示す例では、面14cに対してのみ温度センサを設けるようにしたが、裏面である面14dに対しても、面14cと同様に各セルに対して温度センサを設けるようにしてもよい。そのような構成によれば、セル毎に2つの温度センサで温度を求め、求めた温度の平均値を求めることで、セルの温度をより正確に検出することができる。
図12は、温度センサをさらに増やした実施形態を示している。図12の例では、面14c,14dのそれぞれのセルに対してZ軸方向に3つの温度センサが並置されている。また、面14a,14bに対しても、X軸方向に3つ、Z軸方向に3つのセンサが並置されている。
このように多数の温度センサを配置することで、例えば、図10に示すような温度分布を正確に検出することが可能になる。また、上下方向(Z軸方向)に複数の温度センサを配置することで、成層化を検出することが可能になる。すなわち、成層化が生じている場合には、濃度が高い電解液(硫酸)がZ軸方向の下方に貯まっているので、この部分における化学反応熱の発生が相対的に多くなる。このため、上下方向の温度を検出して比較することで、成層化の状態を検出することができる。そして、成層化の状態を考慮して、セル毎の内部抵抗の値(式(7)~式(12)で求めたR1~R6の値)を補正することで、より正確な内部抵抗の値を得ることができる。
なお、図12では、面14a,14b,14c,14dの全ての面に温度センサを設けるようにしたが、対向する面14a,14bおよび面14c,14dの一方のみに設けるようにしてもよい。また、面14a,14bには設けないようにしてもよい。また、1つのセルには、1つの温度センサを最下部(成層化の影響が現れやすい部位)のみに設けるようにしてもよい。
図13は、他の実施形態を示している。図13に示す例では、面14cおよび面14bの中央に1つの温度センサが配置されるとともに、面の四隅付近に4つの温度センサがそれぞれ配置されている。
図13に示す実施形態では、面14cのセル141,146の上下方向に2つずつ温度センサを配置するとともに、面14aおよび面14bに5つずつの温度センサを配置することで、外部の熱源の影響を受けやすい両端のセル141,146の温度を正確に検出することができる。また、両端のセル141,146の上下方向に2つの温度センサを配置するとともに、面14aおよび面14bにも上下に2つずつの温度センサを配置することで成層化を正確に検出することができる。さらに、面14cの中央付近に温度センサを配置しているので、中間のセル143,144の温度を検出し、外部の熱源以外の影響が生じていないかを知ることができる。
図14は、他の実施形態を示している。図14の例では、鉛蓄電池14を収容するカバー20(例えば、鉛蓄電池14を高温/低温から保護するためのカバー)の内部に、温度センサを配置している。より詳細には、図14の例では、カバー20の内側には、セル141~146の位置に対応するように6つの温度センサが配置されている。また、鉛蓄電池14の面14aに対応する位置には、3つの温度センサが配置されている。このようにカバー20の内部に温度センサを設けることで、熱源からの熱の伝達を抑制し、各セルの状態を検出することができる。なお、図14の例では、面14cに接する面には6つの温度センサを設け、面14aに接する面には3つの温度センサを設けるようにしたが、これ以外の個数を配置するようにしてもよい。
なお、以上の実施形態では、図4に示す等価回路を用いるようにしたが、これ以外の等価回路を用いるようにしてもよい。例えば、Rct1,Cd1およびRct2,Cd2が1つだけの等価回路であったり、3つ以上の等価回路であったりしてもよい。また、抵抗Rohm,Rct1,Rct2だけの等価回路であったり、これらの3つの抵抗を1つの抵抗としたりする等価回路であってもよい。
また、以上の実施形態では、セルの温度の時間積分値を参照して内部抵抗を求めるようにしたが、図4に示す電気二重層容量Cd1,Cd2を求めるようにしてもよい。また、温度センサ13-1,13-2によって検出された温度を時間積分するのではなく、単に加算するようにしてもよい。
また、図7および図8に示すフローチャートは一例であって、本発明がこれらのフローチャートの処理のみに限定されるものではない。
1 鉛蓄電池状態検出装置
10 制御部
10a CPU
10b ROM
10c RAM
10d 通信部
10e I/F
11 電圧センサ
12 電流センサ
13-1,13-2 温度センサ
14 鉛蓄電池
15 放電回路
16 オルタネータ
17 エンジン
18 スタータモータ
19 負荷

Claims (5)

  1. 複数のセルに区画された電解槽を有する車載用の鉛蓄電池の状態を検出する鉛蓄電池状態検出装置において、
    プロセッサと、
    前記プロセッサによって実行された場合に以下の機能を実現するプログラムを格納するメモリと、を有し、
    前記鉛蓄電池の端子電圧を検出する電圧センサからの電圧信号と、前記鉛蓄電池の充放電電流を検出する電流センサからの電流信号と、前記電解槽の両端に位置する前記セルの温度をそれぞれ検出する2つの温度センサからの温度信号を受信し、
    前記鉛蓄電池の放電中の前記電圧信号と前記電流信号とに基づいて前記鉛蓄電池の等価回路を構成する素子の値を算出し、
    前記2つの温度センサから受信した温度信号が示す温度を、前記鉛蓄電池が搭載された車両のエンジンが停止されるか、あるいは前記2つの温度センサからの温度信号が外気温と同じになるまで前記温度センサ毎に累積加算し、当該累積加算して得られた値に所定の閾値を超える差があると判定された場合、算出された各前記セルについての前記等価回路を構成する素子の値を、前記累積加算して得られた値を用いた以下式(1)に基づいて補正し、補正された素子の値に基づいて、前記鉛蓄電池の状態を推定し、
    推定された前記鉛蓄電池の状態を出力する、
    ことを特徴とする鉛蓄電池状態検出装置。
    Rk=n×Y×fk(C1,C2)・・・式(1)
    ただし、式(1)において、k(1≦k≦n)は、電解槽における各セルを示す識別番号であり、前記電解槽の一端に位置する前記セルから前記電解槽の他端に向かって1ずつ増える自然数である。前記電解槽の一端に位置する前記セルはkが1となり、前記電解槽の他端に位置する前記セルはkがnとなり、nがセル数に等しくなる。Rkは各セルの内部抵抗であり、n×Yは前記セル全体の内部抵抗であり、fk(C1,C2)はC1,C2を変数とする各セルの所定の関数である。C1は前記2つの温度センサのうち前記電解槽の一端に位置する前記セルの温度を検出する前記温度センサから受信した温度信号が示す温度を累積加算して得られた値であり、C2は前記2つの温度センサのうち前記電解槽の他端に位置する前記セルの温度を検出する温度センサから受信した温度信号が示す温度を累積加算して得られた値である。またf1(C1,C2)~fn(C1,C2)は、C1=C2の場合にはf1(C1,C2)=・・=fk(C1,C2)=・・=fn(C1,C2)=1/nとなり、C1>C2の場合にはf1(C1,C2)>・・>fk(C1,C2)>・・>fn(C1,C2)となり、C1<C2の場合にはf1(C1,C2)<・・<fk(C1,C2)<・・<fn(C1,C2)となる関数である。
  2. 補正された各セル素子の値としての内部抵抗のうち、値が最大のものを選択し、選択した内部抵抗の値に基づいて、各セルの放電可能容量を推定することを特徴とする請求項に記載の鉛蓄電池状態検出装置。
  3. 前記2つの温度センサそれぞれは、前記電解槽の垂直方向に離間して配置され少なくとも一対の温度センサとして構成され、
    前記温度信号が示す温度に基づいて前記電解槽の垂直方向の温度差を検出し、検出した温度差に基づいて電解液の成層化の程度を検出し、当該成層化の程度に基づいて素子の値を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の鉛蓄電池状態検出装置。
  4. 前記温度センサは、前記鉛蓄電池を収容するカバー内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の鉛蓄電池状態検出装置。
  5. 複数のセルに区画された電解槽を有する車載用の鉛蓄電池の状態を検出する鉛蓄電池状態検出方法において、
    前記鉛蓄電池の端子電圧を検出する電圧センサからの電圧信号と、前記鉛蓄電池の充放電電流を検出する電流センサからの電流信号と、前記電解槽の両端に位置する前記セルの温度をそれぞれ検出する2つの温度センサからの温度信号を、プロセッサを有するシステムによって受信し、
    前記鉛蓄電池の放電中の前記電圧信号と前記電流信号とに基づいて前記鉛蓄電池の等価回路を構成する素子の値を前記システムによって算出し、
    前記2つの温度センサから受信した温度信号が示す温度を、前記鉛蓄電池が搭載された車両のエンジンが停止されるか、あるいは前記2つの温度センサからの温度信号が外気温と同じになるまで前記温度センサ毎に累積加算し、当該累積加算して得られた値に所定の閾値を超える差があると判定された場合、算出された各前記セルについての前記等価回路を構成する素子の値を、前記累積加算して得られた値を用いた以下式(1)に基づいて前記システムによって補正し、補正された素子の値に基づいて、前記鉛蓄電池の状態を前記システムによって推定し、
    推定された前記鉛蓄電池の状態を前記システムによって出力する、
    ことを特徴とする鉛蓄電池状態検出方法。
    Rk=n×Y×fk(C1,C2)・・・式(1)
    ただし、式(1)において、k(1≦k≦n)は、電解槽における各セルを示す識別番号であり、前記電解槽の一端に位置する前記セルから前記電解槽の他端に向かって1ずつ増える自然数である。前記電解槽の一端に位置する前記セルはkが1となり、前記電解槽の他端に位置する前記セルはkがnとなり、nがセル数に等しくなる。Rkは各セルの内部抵抗であり、n×Yは前記セル全体の内部抵抗であり、fk(C1,C2)はC1,C2を変数とする各セルの所定の関数である。C1は前記2つの温度センサのうち前記電解槽の一端に位置する前記セルの温度を検出する前記温度センサから受信した温度信号が示す温度を累積加算して得られた値であり、C2は前記2つの温度センサのうち前記電解槽の他端に位置する前記セルの温度を検出する温度センサから受信した温度信号が示す温度を累積加算して得られた値である。またf1(C1,C2)~fn(C1,C2)は、C1=C2の場合にはf1(C1,C2)=・・=fk(C1,C2)=・・=fn(C1,C2)=1/nとなり、C1>C2の場合にはf1(C1,C2)>・・>fk(C1,C2)>・・>fn(C1,C2)となり、C1<C2の場合にはf1(C1,C2)<・・<fk(C1,C2)<・・<fn(C1,C2)となる関数である。
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