以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
[ネブライザ]
図1は、実施の形態1に係るネブライザの概略断面図である。図1を参照して、実施の形態1に係るネブライザ200について説明する。
図1に示すように、実施の形態1に係るネブライザ200は、噴出された気体に液体を付与することにより、霧化した液体と気体とが混合した混合流体を生成して、後述する送出口122aから外部に送出する装置である。なお、本実施の形態では、上記液体が、気化されていない場合を例示して説明するが、当該液体は、気化された液体であってもよい。ネブライザ200は、ケース体110と、流路形成体120とを含む。
ケース体110は、第1方向(DR1方向)に沿って延びるように設けられている。なお、第1方向は、後述するノズル部113の軸方向と平行な方向であり、たとえば、上下方向と平行な方向である。
ケース体110には、液体貯留部111と、ポンプ収容室112と、ノズル部113と、混合部M、および導出部118が設けられている。
液体貯留部111とポンプ収容室112とは、後述する第2壁部112bによって区画されており、たとえば、第1方向に直交する第2方向(DR2方向)に並ぶように配置されている。なお、第2方向は、ノズル部113の軸方向と直交する方向であり、たとえば、左右方向と平行な方向である。
液体貯留部111は、第1方向に延在するように設けられている。液体貯留部111は、水、食塩水、気管支等の疾患を治癒させるための薬液、または、ワクチンといった液体Wを一時的に貯留する。
ノズル部113は、ポンプ収容室112に対して第1方向の一方側(上方側)に配置されている。ノズル部113は、先端にノズル孔113hを有する。ノズル部113は、先端に向かうにつれて先細る先細り形状を有する。ノズル部113の基端113bは、後述する圧電ポンプ1の下流側ノズル部15に接続されている。ノズル部113は、圧電ポンプ1から送出された空気をノズル孔113hから噴出させる。
混合部Mは、ノズル部113から噴出された気体と、導出部118から導出された液体とを混合する。これにより、当該液体が霧化して、霧化した液体と気体が混合した混合流体が生成される。混合部Mは、ノズル孔113hの出口領域に位置する。より特定的には、混合部Mは、ノズル部113からの気体の噴出方向において、ノズル部113の下流側に位置する。
導出部118は、混合部Mに向けて液体Wを導出する。導出部118は、混合部Mに面するように設けられている。具体的には、導出部118は、混合部Mに対して第2方向の一方側に設けられている。
導出部118は、導出路115を含む。導出路115は、液体貯留部111から混合部Mに向けて延びるように設けられている。具体的には、導出路115は、略L字状に設けられており、第1方向に沿って延びる第1部分1151と、第2方向に沿って延びる第2部分1152とを有する。
第1方向における他方側(下方側)に位置する第1部分1151の端部は、導出路115の一端115aを構成し、液体貯留部111に接続されている。第2部分1152の先端は、導出路115の他端115bを構成する。当該第2部分1152の先端から、液体Wが混合部Mに導出される。
ポンプ収容室112は、ケース体110が有する壁部によって形成される。当該壁部は、第1壁部112a、第2壁部112b、接続壁部112cを有する。本実施の形態においては、第1壁部112aおよび第2壁部112bは、第2方向に並んで配置されている。第1壁部112aは、後述する圧電ポンプ1の第1主面10aに対向し、第2壁部112bは、後述する圧電ポンプ1の第2主面10bに対向する。接続壁部112cは、ケース体110の底部を構成する。接続壁部112cは、第1壁部112a、および第2壁部112bの第1方向の他方側の端部(下端部)を接続する。
ポンプ収容室112は、2つの圧電ポンプ1を収容する。なお、ポンプ収容室112に収容される圧電ポンプ1の個数は、2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。ケース体110には、ポンプ収容室112に外気を吸気するための吸気口(不図示)が設けられている。当該吸気口は、上流側に位置する圧電ポンプ1が有する後述の上流側ノズル部14に吸気経路(不図示)を介して接続されている。
2つの圧電ポンプ1は、第1方向に直列して配置されている。2つの圧電ポンプ1は、後述するようにポンプ筐体10を含む。ポンプ筐体10は、後述するように互いに相対する第1主面10aおよび第2主面10b、上流側ノズル部14、ならびに下流側ノズル部15を有する。
2つの圧電ポンプ1の各々は、ポンプ筐体10の第1主面10aおよび第2主面10bがそれぞれ上記第1壁部112aおよび第2壁部112bに当接するように、ポンプ収容室112内に配置されている。この場合において、第1主面10aおよび第2主面10bは、ノズル部113の軸方向に直交する方向に相対している。
2つの圧電ポンプ1のうち下流側に位置する圧電ポンプ1の上流側ノズル部14と、2つの圧電ポンプ1のうち上流側に位置する圧電ポンプ1の下流側ノズル部15とは、不図示のチューブ等の管状部材によって接続されている。なお、2つの圧電ポンプ1のうち下流側に位置する圧電ポンプ1の下流側ノズル部15と、ノズル部113の基端113bとも管状部材によって接続されていてもよい。
流路形成体120は、ケース体110とともに流路部130を形成する。流路部130は、送出口122aと混合部Mとを接続し、混合部Mで生成された混合流体を外部へ送出する。
流路形成体120は、第1方向の一方側に位置するケース体110の端部側(上端側)に着脱可能に固定される。流路形成体120は、キャップ部121と案内部122とを含む。
キャップ部121は、ケース体110の第1方向の一方側の端部(上端)側を覆うように設けられており、混合部Mを覆う。案内部122は、キャップ部121に連続して設けられている。案内部122は、ノズル孔113hから噴出された気体を使用者の口、または鼻に向かうように案内する。
具体的には、案内部122は、当該第1壁部112aに沿う第1部分1221と、当該第1部分1221に接続され、第1壁部112aから離れる方向に延びる第2部分1222とを含む。
第1部分1221は、第1壁部112aに対向するように配置されており、第1壁部112aとともに上記流路部130の一部を形成する。当該第1壁部112aは、後述するように、流路部130を流れる混合流体によって冷却されることで、ポンプ筐体10を冷却する冷却部CPとして機能する。第1部分1221は、冷却部CPとの間に、上記流路部130の一部を形成する。
案内部122の先端(第2部分1122の先端)には、送出口122aが設けられている。なお、案内部122の先端には、マウスピースが取り付けられてもよい。また、流路形成体120自身が、マウスピースとして機能してもよい。
[圧電ポンプ]
図2および図3は、実施の形態1に係るネブライザに具備される圧電ポンプの断面図および分解斜視図である。図2および図3を参照して、実施の形態1に係る圧電ポンプ1について説明する。
図2および図3に示すように、本実施の形態に係る圧電ポンプ1は、ポンプ筐体としてのポンプ筐体10と、駆動部20とを主として備えている。ポンプ筐体10の内部には、偏平な円柱状の空間である収容空間13が設けられており、駆動部20は、この収容空間13に配置されている。
ポンプ筐体10は、樹脂製または金属製等の円盤状の第1筐体11と、樹脂製または金属製の偏平な有底円筒状の第2筐体12とを有している。ポンプ筐体10は、これら第1筐体11および第2筐体12が組み合わされてたとえば接着剤等によって接合されることにより、内部に上述した収容空間13を有している。
ポンプ筐体10は、軸線100方向に互いに相対する第1主面10aおよび第2主面10bを有する。なお、軸線100方向は、後述する第1振動板31に垂直な方向である。
第1主面10aおよび第2主面10bは、軸線100方向と略直交する。第1主面10aおよび第2主面10bは、後述する圧電素子60の主面に平行に配置されており、当該圧電素子60の主面に対向する。
第1主面10aは、主として、第1筐体11の外表面によって構成されている。第2主面10bは、主として、第1筐体11に対向する部分の第2筐体12の外表面によって構成されている。
また、ポンプ筐体10は、第1主面10aおよび第2主面10bを繋ぐ側面を有する。当該側面は、上記軸線方向100を取り囲む第2筐体12の外周面によって構成されている。
第2筐体12の外周部の対向する位置には、それぞれ外側に向けて突出する上流側ノズル部14および下流側ノズル部15が設けられている。すなわち、上流側ノズル部14および下流側ノズル部15は、ポンプ筐体10の上記側面に設けられている。圧電ポンプ1の外部の空間と上述した収容空間13とは、これら上流側ノズル部14および下流側ノズル部15を介してそれぞれ連通している。
駆動部20は、板状の第1振動体30と、板状の第2振動体40と、周壁部としてのスペーサ50と、駆動体としての圧電素子60とを主として有している。駆動部20は、これら部材が互いに積み重ねられた状態で一体化されることで構成されており、上述したポンプ筐体10の収容空間13に配置された状態で当該ポンプ筐体10によって保持されている。第1振動体30と圧電素子60とは、互いに積層されており、圧電振動子を構成する。
ポンプ筐体10の収容空間13は、駆動部20により、第1筐体11側の空間(すなわち、後述するポンプ室21を介することなく上流側ノズル部14に連通する空間)と、第2筐体12側の空間(すなわち、後述するポンプ室21を介することなく下流側ノズル部15に連通する空間)とに区画されている。
第1振動体30は、第1振動板31によって構成されている。第1振動板31は、たとえばステンレス鋼等からなる金属製の薄板にて構成されており、その外形は平面視円形状である。第1振動板31の中央部および周縁部を除く中間部には、複数個の孔部31aが円環状に点列して設けられている。
第2振動体40は、第2振動板41、補助振動板42、逆止弁43および弁体保持部材44の積層体によって構成されている。第2振動体40は、第1振動体30に対向しており、より詳細には、第1振動体30から見て第2筐体12が位置する側に配置されている。第2振動板41、補助振動板42、逆止弁43および弁体保持部材44は、第1振動体30に近い側からこの順で積層配置されている。
第2振動板41は、たとえばステンレス鋼等からなる金属製の薄板にて構成されており、その外形は平面視円形状である。第2振動板41の中央部およびその近傍には、複数個の孔部41aが設けられている。
補助振動板42は、第2振動板41よりもさらに薄いたとえばステンレス鋼等からなる金属製の薄板にて構成されており、その外形は平面視円形状である。補助振動板42は、逆止弁43を配置するためのスペースを形成されるための部材であり、補助振動板42の第2筐体12側に位置する主面の周縁部には、当該スペースを形成するための環状形状の突出部が設けられている。補助振動板42の周縁部は、第2振動板41の周縁部にたとえば導電性接着剤等によって接合されている。補助振動板42の中央部およびその近傍には、第2振動板41に設けられた複数個の孔部41aに連通する複数個の孔部42aが設けられている。
逆止弁43は、たとえばポリイミド樹脂等の樹脂製の薄板にて構成されており、その外形は平面視円形状である。逆止弁43は、上述した補助振動板42によって形成されたスペース(すなわち、補助振動板42の環状形状の突出部によって取り囲まれた空間)に配置されている。逆止弁43の中央部およびその近傍には、補助振動板42に設けられた複数個の孔部42aに直接的に対面することはないもののこれら複数個の孔部42aに近接して、複数個の孔部43aが設けられている。
弁体保持部材44は、たとえばステンレス鋼等からなる金属製の薄板にて構成されており、その外形は平面視円形状である。弁体保持部材44は、補助振動板42の上述したスペースに配置された逆止弁43を覆うように補助振動板42に取付けられている。より詳細には、弁体保持部材44の周縁部は、補助振動板42の上述した環状形状の突出部にたとえば導電性接着剤等によって接合されている。弁体保持部材44の中央部およびその近傍には、逆止弁43に設けられた複数個の孔部43aに連通する複数個の孔部44aが設けられている。
逆止弁43は、補助振動板42と弁体保持部材44との間の空間に遊嵌されている。これにより、逆止弁43は、補助振動板42に設けられた複数個の孔部42aを開閉できるように補助振動板42および弁体保持部材44によって移動可能に保持されている。より詳細には、逆止弁43は、補助振動板42に接近してこれに密着した状態において、複数個の孔部42aを閉鎖し、補助振動板42から遠ざかった状態において、複数個の孔部42aを開放する。
スペーサ50は、第1振動体30と第2振動体40との間に位置しており、これら第1振動体30と第2振動体40とによって挟み込まれている。スペーサ50は、たとえばステンレス鋼等からなる金属製の部材にて構成されており、その外形は円環板状である。
スペーサ50は、第1振動体30の周縁部と第2振動体40の周縁部とを接続している。これにより、第1振動体30および第2振動体40は、スペーサ50によって所定の距離だけ隔てて配置されることになる。なお、スペーサ50と第1振動体30とは、たとえば導電性接着剤等によって接合されており、スペーサ50と第2振動体40とは、たとえば導電性接着剤等によって接合されている。
第1振動体30と第2振動体40との間に位置する空間は、ポンプ室21として機能する。当該ポンプ室21は、第1振動体30、第2振動体40およびスペーサ50によって規定されており、偏平な円柱状の空間にて構成されている。ここで、スペーサ50は、ポンプ室21を規定するとともに第1振動体30および第2振動体40を接続する周壁部に該当することになる。
圧電素子60は、たとえば導電性接着剤を介して第1振動体30に貼り付けられている。より詳細には、圧電素子60は、第1振動体30のポンプ室21に面する側とは反対側に位置する主面側(すなわち、第1筐体11側)に貼り付けられている。圧電素子60は、たとえばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電材料からなる薄板にて構成されており、その外形は平面視円形状である。
圧電素子60は、交流電圧が印加されることで屈曲振動するものであり、当該圧電素子60に生じる屈曲振動が第1振動体30および第2振動体40に伝播されることにより、第1振動体30および第2振動体40も屈曲振動することになる。すなわち、圧電素子60は、第1振動体30および第2振動体40を屈曲振動させる駆動体に該当し、所定周波数の交流電圧が印加されることで第1振動体30および第2振動体40をそれぞれ共振周波数で振動させ、これにより第1振動体30および第2振動体40の双方に定在波を発生させる。
なお、弁体保持部材44の周縁部は、たとえば接着剤等によって第2筐体12に接合されている。これにより、第1振動体30、第2振動体40、スペーサ50および圧電素子60等からなる駆動部20が、ポンプ筐体10の内部において保持されることになる。
駆動部20は、圧電素子60に外部から電圧を印加するための給電線としての一対の外部接続端子をさらに有している。一対の外部接続端子は、上述した第1振動体30、第2振動体40およびスペーサ50とは別部材にて構成された第1端子70と、第2振動体40に含まれる弁体保持部材44に設けられた第2端子44bとによって構成されている。
第1端子70は、その一端が圧電素子60の第1筐体11側の主面にたとえば半田付け等によって接合され、その他端が、ポンプ筐体10の外部に露出するように引き出されている。一方、第2端子44bは、弁体保持部材44の外端の所定位置から外側に向けて延設された舌片状の部位からなり、その先端は、ポンプ筐体10の外部に露出するように引き出されている。
第2端子44bが設けられた弁体保持部材44は、圧電素子60と第1振動板31とを接合する導電接着剤等と、第1振動板31、スペーサ50、第2振動板41、補助振動板42およびこれらを相互に接合する導電性接着剤等と、弁体保持部材44と補助振動板42とを接合する導電接着剤等とを介して、圧電素子60の第2筐体12側の主面と導通しており、これにより上述した第2端子44bが、一対の外部接続端子の一方として機能することになる。
なお、第1端子70の上述した他端および第2端子44bの上述した先端は、いずれも第2筐体12の外周部の所定位置に設けられた端子台17上に引き出されることでポンプ筐体10の外部に露出している。
[圧電ポンプの動作]
本実施の形態に係る圧電ポンプ1においては、圧電素子60が、第1振動体30の中央部および第2振動体40の中央部に直交する軸線100を中心として第1振動体30および第2振動体40の双方に定在波が発生するように第1振動体30および第2振動体40を屈曲振動させる。
その際、圧電素子60は、当該圧電素子60が貼り付けられた第1振動体30を直接的に駆動し、当該圧電素子60が貼り付けられていない第2振動体40を周壁部としてのスペーサ50を介して間接的に駆動する。このとき、第1振動体30の形状および第2振動体40の形状(特にこれら振動板の厚み)を適切に設計することにより、第1振動体30と第2振動体40とが、それぞれ逆方向に向けて変位することになる。
この逆方向に向けての第1振動体30および第2振動体40の振動により、ポンプ室21は、膨張および収縮を繰り返すことになる。これにより、ポンプ室21の内部において共鳴が発生することになり、これに伴ってポンプ室21に大きな圧力変動が生じることになる。その結果、時間的に交互にポンプ室21に正圧および負圧が発生することになり、この圧力変動によって気体を圧送するポンプ機能が実現されることになる。これにより、図1中矢印DR1、DR2に示すように、気体が圧送される。上流側ノズル部14から外部の気体が吸入されて、下流側ノズル部15から外部に気体が吐出される。
[ネブライザの動作]
再び図1に示すように、上述した2つの圧電ポンプ1が駆動されると、ケース体110に設けられた上記吸気口から空気が吸引される。当該吸気口から吸引された空気は、2つの圧電ポンプ1を通過してノズル部113に導入される。ノズル部113に導入された空気は、ノズル孔113hから混合部Mに向けて噴出される。この際、上記導出部118の近傍に負圧が発生する。
当該負圧によって、液体貯留部111から導出路115に液体Wが吸い上げられる。吸い上げられた液体Wは、導出部118(より特定的には導出路115の他端115b)から混合部Mに徐々に導出される。混合部Mに導出された液体は、噴出された空気との衝突によって粉砕され、霧状粒子に変化する。当該霧状粒子によってエアロゾルが生成され、生成されたエアロゾルが、案内部122に案内されて上記送出口122aから排出される。
ここで、圧電ポンプ1を駆動させるために圧電素子60を駆動し、第1振動体30および第2振動体40を振動させる場合には、圧電素子60が発熱し、ポンプ筐体10の温度が上昇する。
上述のように、流路部130が、ポンプ収容室112を形成する壁部の少なくとも一部(より特定的には第1壁部112a)に沿うように設けられている。これにより、流路部130を流れる混合流体によって、当該第1壁部112aを介してポンプ収容室112に収容された圧電ポンプ1を冷却することができる。この結果、圧電ポンプ1が発熱よって正常に動作しなくなることを抑制できる。
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2に係るネブライザの概略断面図である。図4を参照して、実施の形態2に係るネブライザ200Aについて説明する。
図4に示すように、実施の形態2に係るネブライザ200Aは、実施の形態1に係るネブライザ200と比較した場合に、ケース体110に還流路116が設けられている点において相違する。その他の構成についてはほぼ同様である。
還流路116は、導出部118から混合部Mに導出されたものの外部に送出されずに残留した残留液体を当該混合部Mから液体貯留部111に還流する。なお、残留液体は、ノズル部113から噴出された気体に混合部Mにおいて付与されなかった液体、および上記気体に付与されたものの流路形成体120の内壁に衝突して液化したものを含む。ノズル部113の基端113b側には、液体を受ける液体受け部117が設けられており、還流路116は、当該液体受け部117と液体貯留部111とを接続するように設けられている。なお、液体受け部117は、ノズル部113を取り囲むように設けられている。
還流路116は、ポンプ筐体10の少なくとも一部に接触するように設けられている。具体的には、還流路116は、第1流路1161、第2流路1162、および第3流路1163を含む。
第1流路1161は、上記第1壁部112aに流路孔が設けられることにより構成されており、当該第1流路1161は、ポンプ筐体10の第1主面10aに接触している。
第2流路1162は、上記第2壁部112bに流路孔が設けられることにより構成されており、当該第2流路1162は、ポンプ筐体10の第2主面10bに接触している。
第3流路1163は、上記接続壁部112cに流路孔が設けられることにより構成されており、当該第3流路1163は、第1流路1161と第2流路1162とを合流させる合流路を形成するとともに液体貯留部111に接続されている。
このように構成される場合においても、流路部130を流れる混合流体によって、第1壁部112aが、ポンプ筐体10を冷却する冷却部として機能するため、実施の形態2に係るネブライザ200Aは、実施の形態1に係るネブライザ200とほぼ同様の効果が得られる。
加えて、還流路116が、ポンプ筐体10の少なくとも一部に接触するように設けられることにより、還流路116を流れる残留液体によってポンプ筐体10をさらに冷却することができる。
なお、実施の形態2においては、還流路116が、圧電ポンプ1の第1主面10aおよび第2主面10bの双方に接触するように設けられる場合を例示して説明したが、これに限定されず、圧電ポンプ1の第1主面10aおよび第2主面10bの少なくとも一方に接触するように設けられていてもよい。すなわち、第1流路1161および第2流路1162の少なくとも一方が設けられていればよい。
また、圧電素子60の主面に対向する圧電ポンプ1の第1主面10aおよび/または第2主面10bを冷却することにより、圧電ポンプ1を効果的に冷却することができる。
上述したように、上流側ノズル部14および下流側ノズル部15は、ポンプ筐体10の上記側面に設けられており、下流側ノズル部15がノズル部113の基端113bに接続されている。すなわち、ノズル部113が、ポンプ筐体10の上記側面に配置されている。このため、上記第1主面10aおよび/または第2主面10bに還流路116を容易に接触させることができ、圧電ポンプ1を容易に冷却することができる。また、記第1主面10aおよび/または第2主面10bに還流路116を容易に接触させることができるため、還流路116の形状が複雑化することを防止できるとともに、還流路116の設計の自由度を向上させることができる。
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に係るネブライザの概略断面図である。図5を参照して、実施の形態3に係るネブライザ200Bについて説明する。
図5に示すように、実施の形態3に係るネブライザ200Bは、実施の形態2に係るネブライザ200Aと比較した場合に、圧電ポンプ1Bの構成が主として相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
圧電ポンプ1Bにおいては、ポンプ筐体10B(図6参照)は、ノズル部113の軸方向に平行な方向に相対する第1主面10aおよび第2主面10bを有する。また、ポンプ筐体10Bは、当該第1主面10aおよび第2主面10bの周縁を接続する周面部を有する。当該周面部は、第2方向の一方側に位置する一方側周面部10cおよび第2方向の他方側に位置する他方側周面部10dを含む。
圧電ポンプ1Bは、ポンプ収容室112内において、第2主面10bが第1方向の一方側(上方側)を向き、第1主面10aが第1方向の他方側(下方側)を向くように配置されている。2つの圧電ポンプ1Bは、圧電ポンプ1B1、1B2を含み、圧電ポンプ1B1は、圧電ポンプ1B2に対して第1方向の一方側に配置されている。
図6は、実施の形態3に係るネブライザに具備される圧電ポンプの断面図である。図6に示すように、圧電ポンプ1Bのポンプ筐体10は、第1筐体11および第2筐体12を有しており、第1筐体11には、その中央部から外側に向けて突出するように上流側ノズル部14が設けられており、第2筐体12には、その中央部から外側に向けて突出するように下流側ノズル部15が設けられている。
上流側ノズル部14および下流側ノズル部15は、いずれも軸線100の延在方向と平行な方向において駆動部20に重なるように配置されている。なお、駆動部20の構成については、実施の形態1と同様であるため、その説明については省略する。
圧電ポンプ1Bをこのように構成した場合にも、駆動部20が駆動することにより、図6中矢印にて示すように、空気が流動する。
再び図5に示すように、実施の形態3に係るネブライザ200Bにおいても、流路部130を流れる混合流体によって、第1壁部112aが、ポンプ筐体10を冷却する冷却部CPとして機能するとともに、還流路116を流れる残留液体によってポンプ筐体10Bを冷却することができる。このため、実施の形態3に係るネブライザ200Bは、実施の形態2に係るネブライザ200Aとほぼ同様の効果が得られる。
さらに、実施の形態3に係るネブライザ200Bにおいては、実施の形態2に係るネブライザ200Aと比較して、ポンプ筐体10Bに接触する還流路116の接触面積が増加するため、実施の形態3に係るネブライザ200Bは、実施の形態2に係るネブライザ200Aと比較して、ポンプ筐体10Bをより効果的に冷却することができる。
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4に係るネブライザの概略断面図である。図7を参照して、実施の形態4に係るネブライザ200Cについて説明する。
図7に示すように、実施の形態4に係るネブライザ200Cは、実施の形態1に係るネブライザ200と比較した場合に、ならびに、流路形成体を備えておらず、流路部130がケース体110によって構成されている点が主として相違する。すなわち、ケース体110には、ポンプ収容室112、液体貯留部111、混合部M、導出部118、および流路部130が設けられている。
また、実施の形態4に係るネブライザ200Cは、実施の形態2に係るネブライザ200Aと比較した場合に、液体貯留部111およびポンプ収容室112の配置も相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
実施の形態4においては、第1方向(DR1方向)が、左右方向と平行になっており、第2方向(DR2方向)が、上下方向と平行になっている。すなわち、実施の形態4においては、液体貯留部111とポンプ収容室112とは、上下方向に並ぶように配置されており、第1壁部112aおよび第2壁部112bも、上下方向に並ぶように配置されている。接続壁部112cは、第2方向の他方側における第1壁部112a、および第2壁部112bの両端部を接続する。これら、第1壁部112a、第2壁部112b、および接続壁部112cは、ケース体110の一部によって構成されている。
また、ケース体110は、流路部130を構成する流路形成部119を含む。流路形成部119は、第1部分1191と第2部分1192とを含む。第1部分1191は、第1壁部112aに対向するように配置されており、当該第1壁部112aに沿って延びる。第1部分1191は、第1壁部112a(より特定的には冷却部CP)との間に、流路部130の一部を形成している。第2部分1192は、ノズル部113から噴出された気体の向きを変更するように設けられている。具体的には、第2部分1192は、第1部分1191と第1壁部112aとの間に混合流体が流れるように、ノズル部113から噴出された気体の向きを変更する。
このように構成される場合においても、流路部130を流れる混合流体によって、第1壁部112aが、ポンプ筐体10を冷却する冷却部として機能するため、実施の形態4に係るネブライザ200Cは、実施の形態1に係るネブライザ200とほぼ同様の効果が得られる。
(その他の変形例)
上述した実施の形態においては、ノズル部113から噴出された気体によって発生する負圧によって導出部118から液体Wが混合部Mに導出される場合を例示して説明したが、これに限定されず、液体Wを流動させるためのポンプを別途設け、ポンプを駆動させることにより、液体Wが混合部Mに導出されてもよい。また、圧電ポンプ1に液体Wが流れる第1ポンプ室と、気体が流れる第2ポンプ室とが形成されるように圧電ポンプ1を構成してもよい。この場合には、導出路115は、上記第1ポンプ室を通るように設けられる。
また、上述した実施の形態においては、混合流体送出装置が、ネブライザである場合を例示して説明したがこれに限定されず、アロマディヒューザーや加湿器にも適用することができる。混合流体送出装置が、加湿器である場合には、液体貯留部に貯留された液体を加熱あるいは超音波振動等によって気化し、気化された液体を導出部118から混合部Mに導出してもよい。この場合には、混合部Mにて、ノズル部113から噴出された気体に、当該気化された液体が混合された混合流体が形成される。
以上、今回発明された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。