JP7327148B2 - ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル育成方法 - Google Patents

ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル育成方法 Download PDF

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Description

本発明は、加工用高出力レーザ装置の戻り光対策に用いられる光アイソレータのファラデー回転子用薄膜材料として有用されるビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の育成方法に係り、特に、ビスマス置換希土類-鉄ガーネット薄膜表面に発生する放射状、直線状のクラックが抑制されるビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル育成方法の改良に関するものである。
磁性ガーネット単結晶はファラデー効果を有しており、光通信や加工用レーザの戻り光対策に利用される光アイソレータの中心材料である。近年、この種の磁性ガーネット単結晶として、液相エピタキシャル法(以下、LPE法と略称する場合がある)によりガーネット基板上に育成されるビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜(以下、RIG膜と略称する場合がある)が主流になっている。ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜は、希土類鉄ガーネット単結晶中における希土類元素の一部がビスマスで置換されたもので、厚さ数百μm程度を有する結晶膜である。尚、RIG膜の育成にLPE法が採用されている理由は、LPE法が量産性に優れるため高品質の結晶膜を低価格で製造できるからである。
そして、ガーネット基板上に育成されたRIG膜は、研削と研磨工程によりRIG膜のファラデー回転角が45度となるよう加工され、光アイソレータのファラデー回転子用材料として提供されている。
ところで、光アイソレータは、従来、出力5W程度のレーザを適用対象としていたが、近年、出力10W以上のハイパワーレーザを対象とするものも多くなってきている。ハイパワーレーザ用の場合、ファラデー回転角が45度に加工されたRIG膜両面に放熱用サファイア(Sapphire)を貼り付けた構造(Sapphire/RIG/Sapphire:以下、放熱用基板としてのSapphireを「S」と表記する)の光アイソレータでは、レーザが導入された際のRIG膜で発生する熱量が大きいため、放熱用サファイアにより十分な放熱を行うことが困難となり温度が上昇する。そして、温度上昇に起因してRIG膜の光透過率が低くなるため、挿入損失(Insertion Loss:以下、ILと略称する)が増加して基準外となってしまう。PIOI(Polarization Independent Optical Isolator:偏光無依存型光アイソレータ)の部品中において、熱源となるものは光を吸収するRIG膜のみである。
このような温度上昇を防止するため、ファラデー回転角が22.5度に加工されたRIG膜を2枚用い、あるいは、ファラデー回転角が15度に加工されたRIG膜を3枚用いると共に、これ等のRIG膜間にもサファイア等の放熱用基板を挿入して放熱性を高める(すなわち、ファラデー回転角が22.5度の場合にはS/RIG/S/RIG/S、ファラデー回転角が15度の場合にはS/RIG/S/RIG/S/RIG/S)ことにより上記挿入損失(IL)を増加させない手法が開発されている。
そして、上記手法を実現させるには、薄膜のRIG膜を効率よく製造できる育成法が不可欠で、例えば、特許文献1では、板厚200μm以上350μm以下のガーネット基板を用い、放射状、直線状のクラックが抑制された膜厚100μm以上300μm以下のRIG膜をLPE法により育成する方法が提案されている。
しかし、ファラデー回転角が15度に加工されたRIG膜を得る場合、その厚さは概ね40μm~70μmとなり、膜厚100μm未満のRIG膜を使用することが効率的であるが、特許文献1の方法では、100μm未満のRIG膜を育成しようとしても加工中や冷却時にクラックが発生し、所望とするRIG膜が得られない問題を有していた。
特開2013-87015号公報
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、放射状、直線状のクラックが抑制された膜厚100μm未満のRIG膜をLPE法により育成する方法を提供することにある。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
ビスマス置換希土類-鉄ガーネット成分をフラックスに溶解させた融液に、ガーネット基板を接触させてビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜を育成するビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル育成方法において、
上記フラックスが酸化系フラックスで構成され、上記ガーネット基板が、厚さ500μm以上1000μm以下の化学式Gd3(ScGa)512で示されるGSGG基板で構成されると共に、上記ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜が、厚さ100μm未満の化学式(Bi3-xx)Fe512(但し、Rはランタノイド金属およびYの内から選択される2種以上の希土類元素であり、0<x<3である)で示されるビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜であり、かつ、ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の格子定数AとGSGG基板の格子定数Bとの差(格子定数差=格子定数A-格子定数B)が0.003Å以上0.007Å以下となる融液温度でビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜を育成することを特徴とする。
第2の発明は、
第1の発明に記載のビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル育成方法において、
上記ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の格子定数AとGSGG基板の格子定数Bとの差(格子定数差=格子定数A-格子定数B)がX(0.003Å≦X≦0.007Å)となる融液温度Y(℃)を、下記数式から求めることを特徴とする。
X(Å)=0.0005Å/℃×[Y(℃)-820(℃)]
第3の発明は、
第1の発明または第2の発明に記載のビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル育成方法において、
上記ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜が、化学式Bi1.16Gd0.54Nd1.30Fe512で示されるビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜であることを特徴とする。
フラックスにビスマス置換希土類-鉄ガーネット成分を溶解させた融液にガーネット基板を接触させてビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜を育成する本発明方法によれば、
上記フラックスが酸化系フラックスで構成され、上記ガーネット基板が厚さ500μm以上1000μm以下の化学式Gd3(ScGa)512で示されるGSGG基板で構成されると共に、上記ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜が化学式(Bi3-xx)Fe512(但し、Rはランタノイド金属およびYの内から選択される2種以上の希土類元素であり、0<x<3である)で示されるビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜であり、かつ、ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の格子定数AとGSGG基板の格子定数Bとの差(格子定数差=格子定数A-格子定数B)が0.003Å以上0.007Å以下となる融液温度でビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜を育成するため、
放射状、直線状のクラックが抑制された膜厚100μm未満のビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜を液相エピタキシャル法により育成することが可能となる。
板厚T(μm)のガーネット(GSGG)基板1に育成された膜厚t(μm)のビスマス置換希土類-鉄ガーネット(RIG)膜2を示す概略断面図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(1)液相エピタキシャル法(LPE法)
RIG膜は、ガーネット基板上に上述のLPE法で育成される。
すなわち、LPE法は、RIG膜の原料(RIG成分)をフラックスに溶解させ、得られた融液にガーネット基板(以下、基板と略称する場合がある)を接触させ、その後、液相温度から過冷却状態に融液の温度を降下させ、過冷却状態において温度一定若しくは育成中の温度を変えてビスマス置換量を変えながらRIG膜を育成する手法である。
LPE法によるRIG膜(単結晶膜)の育成では、度々クラック等の発生により育成が困難となる現象が生じる。この現象は、基板とRIG膜(単結晶膜)の格子定数の不一致(ミスマッチ)が原因と言われている。このため、RIG膜(単結晶膜)を育成する際には、基板との間で格子定数が一致するようにRIG膜(単結晶膜)と基板の組成を選択するのが一般的である。従来法として、例えば、特許文献1には、基板取り扱いの容易さ等を考慮して、板厚500μm~650μmのガーネット基板を用い、このガーネット基板上に膜厚450μm前後のRIG膜を育成する手法が記載されている(特許文献1の段落0004参照)。
しかし、基板とRIG膜(単結晶膜)の格子定数を整合させた場合においてもクラックを生じることがある。例えば、特許文献1の実施例等では、RIG膜の薄膜化とクラック抑制を図る観点から、板厚200μm~300μmのガーネット基板を用い、膜厚100μm~300μmのRIG膜(単結晶膜)を育成しているが、冷却時におけるクラック発生率を0%にすることは達成されていない(特許文献1の表1参照)。
(2)膜厚100μm未満のRIG膜を育成する方法
上記ファラデー回転角が15度に加工されたRIG膜を得るため、特許文献1の育成方法により膜厚100μm未満、例えば膜厚70μmのRIG膜を育成しようと試みたとしても、板厚200μm~300μmのガーネット基板では直線状のクラックが発生し、膜厚70μmのRIG膜は得られない。
膜厚70μmのRIG膜が得られない原因について調査した結果、以下の原因が推測された。すなわち、板厚200μm~300μmのガーネット基板を適用した場合、RIG膜の育成中に基板が融液側に向かって凸形状に反って(基板の融液側が熱膨張するため)しまい、基板が反った状態でRIG膜の育成がなされ、RIG膜の育成終了後における冷却中に基板の反りが元の状態に戻ろうとする際、RIG膜に抵抗がかかるためと推測される。この場合、RIG膜の膜厚が100μm以上あればクラックは発生しないが、膜厚が70μmと薄い場合、元の状態に戻ろうとする基板の抵抗にRIG膜が耐え切れず、RIG膜に放射状、直線状のクラックが発生すると推測される。
(3)本発明に係るRIG膜の液相エピタキシャル育成方法
そこで、本発明においては、ガーネット基板の反りを抑制するため、従来に較べてガーネット基板の厚さを大きく設定する。更に、基板とRIG膜(単結晶膜)における格子定数の差を0(ミスマッチが0)にする従来法に代えて、基板とRIG膜(単結晶膜)における格子定数に差異が生ずる方法を採っている。
すなわち、本発明は、ビスマス置換希土類-鉄ガーネット成分をフラックスに溶解させた融液に、ガーネット基板を接触させてビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜を育成するビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル育成方法において、
上記フラックスが酸化系フラックスで構成され、上記ガーネット基板が、厚さ500μm以上1000μm以下の化学式Gd3(ScGa)512で示されるGSGG基板で構成されると共に、上記ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜が、厚さ100μm未満の化学式(Bi3-xx)Fe512(但し、Rはランタノイド金属およびYの内から選択される2種以上の希土類元素であり、0<x<3である)で示されるビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜であり、かつ、ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の格子定数AとGSGG基板の格子定数Bとの差(格子定数差=格子定数A-格子定数B)が0.003Å以上0.007Å以下となる融液温度でビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜を育成することを特徴とするものである。
以下、詳細に説明する。
まず、本発明で用いられるガーネット基板は、化学式Gd3(ScGa)512で示されるGSGG基板であることを要する。
他方、ガーネット基板上に育成されるRIG膜は、化学式(Bi3-xx)Fe512(但し、Rはランタノイド金属およびYの内から選択される2種以上の希土類元素であり、0<x<3である)で示されるビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜であり、具体的には、化学式Bi1.16Gd0.54Nd1.30Fe512で示されるビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜が例示されるが、化学式(Bi3-xx)Fe512で示される他のビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜でもよい。
また、上記ガーネット基板の厚さは500μm~1000μmであることを要する。特許文献1では、厚さ200μm~300μmのガーネット基板(尚、特許文献1の実施例4では厚さ350μmの基板が用いられているが、RIG膜の厚さは100μmに設定され、100μm未満でない)を用いてRIG膜を育成しているが、育成中に基板の反りが発生し易い。そこで、RIG膜の育成後から冷却までにおける基板反り量の変動を小さくするため、ガーネット基板の厚さを500μm~1000μmとしている。
他方、上記ファラデー回転角を15度に加工するRIG膜が得られるようにするため、RIG膜の膜厚は100μm未満であることを要し、好ましくは50μm~70μmである。特許文献1に記載されたRIG膜の育成方法では、クラックが発生し、膜厚が100μm未満であるRIG膜は得られていない。
そこで、本発明では、ガーネット基板の厚みを大きくすると共に、基板とRIG膜(単結晶膜)における格子定数に差異が生ずる方法を採用している。
(4)格子定数に差異を生じさせる融液温度
ガーネット基板とRIG膜における格子定数の差(ミスマッチ量)は、従来、両者が一致するように設定されてきた。
本発明においては、RIG膜の格子定数Aとガーネット基板(GSGG基板)の格子定数Bとの差(格子定数差=格子定数A-格子定数B)が0.003Å以上0.007Å以下となるように設定することを要する。上記格子定数差を0.003Å以上0.007Å以下にすることで、ガーネット基板の反りの影響を受けてもクラックの発生を抑制することが可能となる。すなわち、上記格子定数差が0.003Å未満または0.007Åを超えた場合、クラックの発生を抑制することが困難となる。
そして、本発明においては、RIG膜の格子定数Aとガーネット基板の格子定数Bとの差(格子定数差=格子定数A-格子定数B)が0.003Å以上0.007Å以下になるようにするため、RIG膜の育成時における融液温度を調整している。例えば、ガーネット基板がGSGG基板で構成され、RIG膜がBi1.16Gd0.54Nd1.30Fe512で示される場合、これ等格子定数の差を0(ミスマッチ量0)にする融液温度は820℃前後であることが確認されており、上記融液温度(820℃)を超える温度でRIG膜を育成することでミスマッチ量を変更させることが可能となる。
尚、ガーネット基板とRIG膜のミスマッチ量は、X線解析装置を用いてガーネット基板の格子定数とRIG膜の格子定数をそれぞれ測定し、その差をミスマッチ量としている。但し、育成後におけるRIG膜の格子定数は、膜厚が大きいため測定することができない。このため、事前に小径のダミー基板を用いて厚さ数μmのRIG膜を育成し、育成後、ダミー基板の格子定数と厚さ数μmのRIG膜の格子定数をそれぞれ測定してミスマッチ量としている。このとき、育成時における融液温度を820℃±15℃としてサンプルを作製し、サンプルの各格子定数からミスマッチ量と融液温度の相関が求められ、この結果、ミスマッチ量の温度変化量は約0.0005Å/℃であることが確認されている。
すなわち、RIG膜の格子定数Aとガーネット基板(GSGG基板)の格子定数Bとの差(格子定数差=格子定数A-格子定数B)がX(0.003Å≦X≦0.007Å)となる融液温度Y(℃)は、以下の数式から求めることができる。
X(Å)=0.0005Å/℃×[Y(℃)-820(℃)]
以下、本発明の実施例について比較例も挙げて具体的に説明する。
尚、ガーネット基板として化学式Gd3(ScGa)512で示されるGSGG基板を用い、化学式Bi1.16Gd0.54Nd1.30Fe512で示されるRIG膜をLPE法により育成した。
[RIG膜の育成]
白金坩堝中に、PbO、Bi23、B23をフラックスとし、RIG成分を溶かし込んだ融液を、電気炉内で所定の温度に加熱しながら、その融液表面に1インチ径のGSGG基板を接触させ、このGSGG基板を100rpmで回転させて、GSGG基板の片面に化学式Bi1.16Gd0.54Nd1.30Fe512で示されるRIG膜を育成した。
尚、育成時における融液温度を820℃±15℃とし、事前に小径のダミー基板を用いて厚さ数μmのRIG膜を育成してサンプルを作製し、ダミー基板の格子定数と厚さ数μmのRIG膜の格子定数をそれぞれ測定してミスマッチ量と融液温度の相関を求め、所定のミスマッチ量になるよう融液温度を調整した。すなわち、RIG膜の格子定数Aとガーネット基板(GSGG基板)の格子定数Bとの差(格子定数差=格子定数A-格子定数B)がX(0.003Å≦X≦0.007Å)となる融液温度Y(℃)について、
X(Å)=0.0005Å/℃×[Y(℃)-820(℃)]の数式から求めた。
尚、図1に、厚さTのGSGG基板1と膜厚tのRIG膜2をそれぞれ示す。
[評価方法]
育成したRIG膜の評価方法は、実体顕微鏡(40~50倍)で放射状、直線状のクラック発生の有無を確認する。クラックが一箇所でも見つかればその基板は不良(不合格)とした。その結果を表1に記載する。
[実施例1]
GSGG基板の厚さを550μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0.003Åとなる融液温度で膜厚70μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生はなく良好であった。
この結果を表1に示す。
[実施例2]
GSGG基板の厚さを550μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0.005Åとなる融液温度で膜厚70μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生はなく良好であった。
この結果を表1に示す。
[実施例3]
GSGG基板の厚さを550μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0.005Åとなる融液温度で膜厚68μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生はなく良好であった。
この結果を表1に示す。
[実施例4]
GSGG基板の厚さを550μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0.005Åとなる融液温度で膜厚55μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生はなく良好であった。
この結果を表1に示す。
[実施例5]
GSGG基板の厚さを700μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0.003Åとなる融液温度で膜厚64μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生はなく良好であった。
この結果を表1に示す。
[実施例6]
GSGG基板の厚さを700μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0.005Åとなる融液温度で膜厚50μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生はなく良好であった。
この結果を表1に示す。
[実施例7]
GSGG基板の厚さを700μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0.007Åとなる融液温度で膜厚55μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生はなく良好であった。
この結果を表1に示す。
[実施例8]
GSGG基板の厚さを900μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0.003Åとなる融液温度で膜厚45μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生はなく良好であった。
この結果を表1に示す。
[実施例9]
GSGG基板の厚さを900μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0.005Åとなる融液温度で膜厚40μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生はなく良好であった。
この結果を表1に示す。
[実施例10]
GSGG基板の厚さを900μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0.007Åとなる融液温度で膜厚45μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生はなく良好であった。
この結果を表1に示す。
[比較例1]
GSGG基板の厚さを350μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0Åとなる融液温度で膜厚78μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生が確認された。
この結果を表1に示す。
[比較例2]
GSGG基板の厚さを550μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0Åとなる融液温度で膜厚98μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生が確認された。
この結果を表1に示す。
[比較例3]
GSGG基板の厚さを700μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0Åとなる融液温度で膜厚50μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生が確認された。
この結果を表1に示す。
[比較例4]
GSGG基板の厚さを900μmとし、格子定数差(ミスマッチ量)が0Åとなる融液温度で膜厚55μmのRIG膜を1枚育成したところ、放射状、直線状のクラックの発生が確認された。
この結果を表1に示す。
Figure 0007327148000001
本発明に係るビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル成長方法によれば、放射状、直線状のクラックが抑制された膜厚100μm未満のビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜を育成できるため、例えば、光アイソレータのファラデー回転子用薄膜材料として適用される産業上の利用可能性を有している。
1 GSGG基板
2 RIG膜

Claims (3)

  1. ビスマス置換希土類-鉄ガーネット成分をフラックスに溶解させた融液に、ガーネット基板を接触させてビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜を育成するビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル育成方法において、
    上記フラックスが酸化系フラックスで構成され、上記ガーネット基板が、厚さ500μm以上1000μm以下の化学式Gd3(ScGa)512で示されるGSGG基板で構成されると共に、上記ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜が、厚さ100μm未満の化学式(Bi3-xx)Fe512(但し、Rはランタノイド金属およびYの内から選択される2種以上の希土類元素であり、0<x<3である)で示されるビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜であり、かつ、ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の格子定数AとGSGG基板の格子定数Bとの差(格子定数差=格子定数A-格子定数B)が0.003Å以上0.007Å以下となる融液温度でビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜を育成することを特徴とするビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル育成方法。
  2. 上記ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の格子定数AとGSGG基板の格子定数Bとの差(格子定数差=格子定数A-格子定数B)がX(0.003Å≦X≦0.007Å)となる融液温度Y(℃)を、下記数式から求めることを特徴とする請求項1に記載のビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル育成方法。
    X(Å)=0.0005Å/℃×[Y(℃)-820(℃)]
  3. 上記ビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜が、化学式Bi1.16Gd0.54Nd1.30Fe512で示されるビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜であることを特徴とする請求項1または2に記載のビスマス置換希土類-鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル育成方法。
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