JPH08165197A - ガーネット磁性酸化物単結晶及び静磁波素子の製造方法 - Google Patents

ガーネット磁性酸化物単結晶及び静磁波素子の製造方法

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JPH08165197A
JPH08165197A JP6310180A JP31018094A JPH08165197A JP H08165197 A JPH08165197 A JP H08165197A JP 6310180 A JP6310180 A JP 6310180A JP 31018094 A JP31018094 A JP 31018094A JP H08165197 A JPH08165197 A JP H08165197A
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single crystal
garnet
kug
magnetic field
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Masayuki Tanno
雅行 丹野
Toshihiko Riyuuou
俊彦 流王
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ガーネット磁性酸化物単結晶及びこれを用い
てなる静磁波素子において、垂直共鳴磁界の頂点となる
温度(頂点温度)が-100℃〜 200℃の範囲の所望の値と
なることを目的とする。 【構成】 格子定数が12.363〜12.386Åの基板単結晶の
<111>方向に、エピタキシャル成長させた膜組成
(BixY3-x)(Fe5-yMy)O12(ここで、MはGa、Alから
選択される1つ以上の元素、xは 0.002≦x≦0.4 、y
は 0.6≦y≦0.8 )で示され、該ガーネット磁性単結晶
の<111>方向の成長誘導異方性定数Kug が 0.3×
103 ≦Kug ≦ 1.5×103 (ジュール/m3)であるガー
ネット磁性酸化物単結晶において、該エピタキシャル膜
の膜厚hと略矩形状もしくは略楕円状の試料において短
い方の辺の長さをLで表したときのh/Lの値を 0.001
≦h/L≦0.25の範囲とすることを特徴とするガーネッ
ト磁性酸化物単結晶及び静磁波素子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周波数100MHzから数10
GHz のマイクロ波帯で使用される静磁波素子、例えばフ
ィルター、レゾネーター、発振素子、シグナル・ノイズ
エンハンサー、アイソレータ、サーキュレータ等用の新
規なガーネット磁性単結晶及び静磁波素子の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来、YIG膜を用いた静
磁波素子が提案されている。しかし、このものはYIG
膜の飽和磁化(4πMs)の温度依存が大きいことよ
り、素子の動作周波数の温度依存性を低減するため、Y
IG膜に加える磁場を温度によって適宜変化させる必要
があり、この磁場の温度補償のための装置が複雑になり
静磁波素子のコストが高くなるという欠点があった。こ
のため、YIG膜自体の飽和磁化の温度依存性を改善す
ることで磁場の温度補償の必要がなくなり、その結果温
度特性が良く、かつコストが安い静磁波素子を提供でき
る可能性がある。
【0003】YIG膜の温度依存性を改善する検討は
H.L.Glass等のマテリアル・リサーチ・ブリテン(Vol.1
2、pp.735-740、1977)に示されている。それによればL
a0.06Y2.94Fe4.13Ga0.87O12(飽和磁化 410G)の周波
数一定での垂直共鳴磁界の温度変化は室温付近で2次曲
線状となり、温度特性が改善されることが示された。ま
た、P.Roshmann等は、文献マテリアルズ・リサーチ・ブ
リテン(Vol.18、pp.449-459、1983)において、 Y3Fe
4.07Ga0.93O12が一定の磁場において強磁性共鳴周波数
(FMR周波数)の温度依存性を調べたところ室温付近
で2次曲線状となり、共鳴周波数が温度に対して安定と
なることが確認されている。これらの温度補償の主たる
機構はfを周波数、γをジャイロ磁気比として、飽和磁
化を4πMs、Hresを共鳴磁界、ガーネット形状係数を
N、Klを一次の立方晶結晶の異方性定数とすると式
(1)に示す<111>方向の垂直共鳴を表わすキッテ
ルの共鳴式により記述できる。 f=γ・(Hres−N・4πMs−4/3・Kl/Ms) (1)
【0004】P.Roshmann等の材料の温度補償は、4πM
sの温度変化とKlの温度変化の相殺によるものであ
る。しかし、これら文献の共鳴周波数(共鳴磁界)の温
度変化の幅は、室温付近の40℃の幅で 10MHz(3×79.6
(アンペア/m))以下程度であり実用には充分なもの
ではない。
【0005】また、T.Ryuoらの文献(アイトリブルイー
ウルトラソニックス・シンポジウム予稿集、pp.237-24
0、1988)に述べられているように、液相エピタキシャ
ル法により作製した前記材料と同様な温度補償効果を示
すLaGa置換YIG膜/Y置換GGG基板の室温での4π
Msが 500G以下となると磁気共鳴半値幅(△H)が急
激に劣化することが報告されている。このことより、前
述の温度補償材料では、温度補償の程度が不十分であ
り、かつ、△Hが悪いことから低損失な静磁波素子の作
成が難しいという問題点を有している。
【0006】本発明の発明者らは、この様な不具合を改
善するため、特開平6-236814号公報にその改善策を開示
した。すなわち、格子定数12.363〜12.386Åの間の一定
値を有する基板単結晶の<111>方向に、エピタキシ
ャル成長させた膜組成 (BixY3-x)(Fe5-yMy)O12(ここ
で、MはGa、Alから選択される1つ以上の元素、x
は 0.002≦x≦0.4 、yは 0.6≦y≦0.8 )で示される
静磁波素子用ガーネット磁性単結晶において、該ガーネ
ット磁性単結晶の<111>方向の成長誘導異方性定数
(Kug)が 0.3×103 ≦Kug ≦ 1.5×103 (ここでK
ug の単位はジュール/m3)であることを特徴とする静
磁波素子用ガーネット磁性酸化物単結晶とこれを用いて
成る静磁波素子が上述の共鳴周波数の温度依存性が小さ
く、エピタキシャル膜の△Hが小さく好ましいことを開
示した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このエピタキシャル膜
は、共鳴周波数を一定に保ったとき、温度変化により垂
直共鳴磁界は略2次曲線状に変化する。この2次曲線状
に変化する垂直共鳴磁界が頂点となる温度(頂点温度)
は、通常室温付近にあることが好ましい。同じく特開平
6-236814号公報では、熱処理を施すことにより不要な磁
気共鳴を無くすことや、頂点温度を変化させることが可
能であることが開示されている。しかし、このエピタキ
シャル膜では-100℃〜 200℃の所望の温度に頂点温度が
来るように製膜することが難しい。例えば、頂点温度が
20〜30℃となるように液相エピタキシャル法によりエピ
タキシャル膜を成膜するために許される成長温度の幅
は、 0.2℃と極めて狭い。また、上記の熱処理によって
頂点温度を変化させることができるが、熱処理により成
長誘導磁気異方性を少なくすると、共鳴磁界の温度によ
る変化が大きくなる欠点を有する。本発明は、上記従来
技術の問題を解決することを目的としてなされたもので
ある。すなわち、特開平6-236814号公報に開示したエピ
タキシャル膜の共鳴磁界の温度変化を小さく保ったま
ま、頂点温度を-100℃〜 200℃の所望の温度に調整する
ガーネット磁性酸化物単結晶及び静磁波素子の製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決した静磁波素子用ガーネット磁性酸化物単結晶に
関するものである。すなわち、格子定数12.363〜12.386
Åの間の一定値を有する基板単結晶の<111>方向
に、エピタキシャル成長させた膜組成 (BixY3-x)(Fe5-y
My)O12(ここで、MはGa、Alから選択される1つ以
上の元素、xは0.02≦x≦0.4 、yは 0.6≦y≦0.8 )
で示されるガーネット磁性単結晶において、該ガーネッ
ト磁性単結晶の<111>方向の成長誘導異方性定数
(Kug)が 0.3×103 ≦Kug ≦ 1.5×103 (ここでK
ug の単位はジュール/m3)であるガーネット磁性酸化
物単結晶の製造方法において、このものの共鳴周波数を
一定の値に保ったときの温度変化により略2次曲線状に
変化する垂直共鳴磁界の頂点となる温度(頂点温度)、
もしくは該ガーネット酸化物単結晶に加える磁界を一定
の値に保ったときの垂直共鳴が温度変化により略2次曲
線状に変化する垂直共鳴周波数が頂点となる温度(頂点
温度)を略矩形状もしくは略楕円形状の試料についてあ
らかじめ測定してから、このものの頂点温度が-100℃〜
200℃の範囲の所望の値となるように、該エピタキシャ
ルの膜厚hと略矩形状もしくは略楕円形状の試料の短い
方の辺の長さをLで表したとき、h/Lの値を 0.001≦
h/L≦0.25の範囲とすることを特徴とするガーネット
磁性酸化物単結晶の製造方法、及び格子定数12.363〜1
2.386Åの間の一定値を有する基板単結晶の<111>
方向に、エピタキシャル成長させた膜組成 (BixY3-x)(F
e5-yMy)O12(ここで、MはGa、Alから選択される1
つ以上の元素、xは0.02≦x≦0.4 、yは 0.6≦y≦0.
8 )で示されるガーネット磁性単結晶において、該ガー
ネット磁性単結晶の<111>方向の成長誘導異方性定
数 (Kug)が 0.3×103 ≦Kug ≦ 1.5×103 (ここで
Kug の単位はジュール/m3)であるガーネット磁性酸
化物単結晶を用いてなる静磁波素子の製造方法におい
て、該ガーネット酸化物単結晶からなる静磁波素子に加
える磁界を一定の値に保ったときの垂直共鳴の周波数が
温度変化により略2次曲線状に変化する垂直共鳴周波数
が頂点となる温度(頂点温度)をあらかじめ測定してか
ら、このものの頂点温度が-100℃〜 200℃の範囲の所望
の値となるように該ガーネット磁性酸化物単結晶の膜厚
hと略矩形状もしくは略楕円形状の試料の短い方の辺の
長さをLで表したとき、h/Lの値を 0.001≦h/L≦
0.25の範囲とするこを特徴とする静磁波素子の製造方法
を要旨とするものである。
【0009】以下に本発明の詳細について説明する。本
発明のガーネット磁性酸化物単結晶を構成する単結晶基
板としては格子定数が12.383Åであるガドリニウム・ガ
リウム・ガーネット(以下、GGGと記す)及び格子定
数が12.367Åであるイットリウム置換ガドリニウム・ガ
リウム・ガーネットが例示される。これらの基板単結晶
は公知のものであるが、Gd2O3 、Ga2O3 、また必要に応
じてY2O3を所定量ルツボに仕込み、高周波誘導でそれぞ
れの融点以上の温度に加熱して溶融した後、この溶液か
らチョクラルスキー法で単結晶の<111>方向に引き
上げることによって得ることができるが、このものは、
この単結晶から切りだしたウエーハを例えば熱リン酸で
エッチングした後格子定数を測定すると12.363〜12.386
Åを示す事が確認された。
【0010】次に、この基板単結晶上に液相エピタキシ
ャル法(以下LPE法と記す)でエピタキシャル成長さ
せる構造体は、上記したように膜組成 (BixY3-x)(Fe5-y
My)O12(ここで、MはGa、Alから選択される1つ以
上の元素、xは 0.002≦x≦0.4 、yは 0.6≦y≦0.8
)で示されるガーネット磁性単結晶であって、該ガー
ネット磁性単結晶の<111>方向の成長誘導異方性定
数 (Kug)が 0.3×103≦Kug ≦ 1.5×103 (ここで
Kug の単位はジュール/m3)であるガーネット磁性酸
化物単結晶とされる。これらは、組成範囲そのものは公
知のものとされるが、上記組成範囲の構造物は上記単結
晶基板と膜との格子定数のミスマッチが-0.003〜+0.015
Åに納まり、Mの範囲yが 0.6≦y≦0.8 であることよ
り△Hが1〜 1.5Oeと小さく抑える事が可能であり、
またKlによる上記温度補償効果が得られる。本発明は
Biを添加し、適当な飽和温度のものとで上記構造物を
エピタキシャル成長させ、成長誘導磁気異方性による異
方性磁界を生じさせ、そのときのガーネット磁性単結晶
の<111>方向の成長誘導異方性定数 (Kug)が 0.3
×103 ≦Kug ≦ 1.5×103 (ここでKug の単位はジ
ュール/m3)となる場合に、式(2)に示すように上
記、式(1)のキッテルの共鳴式に成長誘導異方性磁界
(2Kug/Ms)の項が付加され、式(2)より4πM
sとKl、そしてKug の3つの項の温度補償効果によ
り、さらに共鳴磁界の周波数fの温度特性が改善され
る。 f=γ・(Hres−N・4πMs−4/3・Kl/Ms+2Kug/Ms)(2)
【0011】しかし、上記組成物の組成範囲であって
も、そのときのガーネット磁性単結晶の<111>方向
の成長誘導異方性定数 (Kug)が 0.3×103 ジュール/
m3未満の場合は、従前の4πMsとKlによる温度補償
しか起こらず、この温度特性を改善できない。また、K
ug が 1.5×103 ジュール/m3を超える場合は、異方性
磁界が大きくなりすぎるため自然共鳴による吸収が発生
したり、静磁波がスピン波と結合しやすくなるため、不
要な静磁波モードが生じるようになり好ましくないので
Kug は 0.3×103 ≦Kug ≦ 1.5×103 (ここでKu
g の単位はジュール/m3)とすることが必要である。
【0012】さらに、本発明においては(2)式におけ
る反磁界係数Nに着目して、本発明のエピタキシャル膜
においては、試料の形状を調節すること、すなわち、該
エピタキシャル膜の膜厚hと略矩形状もしくは略楕円状
の試料において短い方の辺の長さをLで表したときのh
/Lの値を 0.001≦h/L≦0.25の範囲とすることによ
りエピタキシャル膜の△Hを 1.5Oe以下と小さく保っ
たまま、共鳴磁界の温度変化を小さく保ったままで、共
鳴磁界の頂点温度を-100℃〜 200℃の所望の値に調節す
ることができることを発見して本研究を完成させた。こ
こでh/Lが 0.001未満であると静磁波の励振効率が小
さいことから好ましくない。また、h/Lが0.25を超え
ると切断面の欠けが試料幅と同程度なることから△Hが
増加し好ましくない。この略矩形状もしくは略楕円形状
の試料において短い方の辺の長さLは、エピタキシャル
膜の形状が正方形の場合はその一辺の長さを、矩形状の
場合は短い方の辺の長さを、円形状の場合は直径の長さ
を、楕円状の場合は短軸の長さをそれぞれ示す。
【0013】基板単結晶上にLPE法でエピタキシャル
膜を成長させた構造体の製造方法は公知のLPE法によ
り行えばよい。一例を挙げると白金ルツボのような貴金
属ルツボにガーネット成分となる金属の酸化物例えばY2
O3、Bi2O3 、Ga2O3 、Fe2O3とフラックス成分としての
PbO、B2O3を充填し、これらを融点以上の高温度で溶融
して融液とした後、過飽和温度より低い温度例えば 890
℃にメルト温度を保ち、この融液にGGG基板のような
単結晶基板を挿入し回転させこの基板の<111>方向
にガーネットエピタキシャル膜を成長させることによっ
て得られる。
【0014】この様にして製造された基板単結晶上にエ
ピタキシャル膜を成長させてなる構造体について、図1
に示すようなこのものの共鳴周波数を一定の値に保った
ときの温度変化により略2次曲線状に変化する垂直共鳴
磁界の頂点となる温度(頂点温度)、もしくは該ガーネ
ット酸化物単結晶に加える磁界を一定の値に保ったとき
の垂直共鳴が温度変化により略2次曲線状に変化する垂
直共鳴周波数が頂点となる温度(頂点温度)を測定し、
エピタキシャル膜の膜厚hと短い辺の長さLとの比h/
Lとの関係を図2に示すように求め、この図2よりこの
構造体、又はこれを用いてなる静磁体素子の頂点温度が
−100 ℃〜 200℃の範囲の所望の値となるh/Lを求め
て、これよりLの長さを求め構造体の成形形状に応じて
正方形状の場合はその一辺の長さ、矩形状の場合は短い
方の辺の長さ、楕円状の場合は短軸の長さ、円状の場合
は直径の長さとすれば、構造体をこの様な辺の長さとし
た試料を用いたガーネット磁性単結晶又はそれを用いた
静磁源素子の頂点温度は所望の値となり、しかも温度変
化率や△Hも小さいものが得られるとするものである。
【0015】
【作用】本発明の格子定数12.363〜12.386Åの間の一定
値を有する基板単結晶の<111>方向に、エピタキシ
ャル成長させた膜組成 (BixY3-x)(Fe5-yMy)O12(ここ
で、MはGa、Alから選択される1つ以上の元素、x
は 0.002≦x≦0.4 、yは0.6≦y≦0.8 )で示される
ガーネット磁性単結晶において、該ガーネット磁性単結
晶の<111>方向の成長誘導異方性定数 (Kug)が
0.3×103 ≦Kug ≦1.5×103 (ここでKug の単位は
ジュール/m3)であるガーネット磁性酸化物単結晶にお
いて、該エピタキシャル膜の膜厚hと略矩形状もしくは
略楕円状の試料において短い方の辺の長さをLで表した
とき、h/Lの値を 0.001≦h/L≦0.25の範囲とする
ことにより共鳴周波数を一定に保ったとき、温度変化に
より略2次曲線状に変化する垂直共鳴磁界の頂点となる
温度(頂点温度)が-100℃〜 200℃の範囲の所望の値と
なるように調節することができる。このとき、頂点温度
付近での温度特性を劣化させること無く、同時に△Hが
小さく保たれることにより、本発明は有用なガーネット
磁性酸化物単結晶及びこれを用いたことよりなる静磁波
素子が得られるとするものである。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例1 白金ルツボにガーネット成分となるY2O3、Bi2O3 、Ga2O
3 、Fe2O3 及びフラックス成分として PbO、B2O3を充填
し、 1,100℃で溶融した後、過飽和温度より約50℃低い
890℃にメルト温度を保ち、この融液に格子定数12.383
Åの直径50mm、長さ 0.5mmのGGG基板を挿入し回転さ
せ基板の<111>方向にガーネットエピタキシャル膜
を成長させた。成長させたガーネットエピタキシャル膜
の膜厚hは54μmであり、ICP分析により膜組成の定
量分析をおこなったところ、このものは組成Bi0.15Y2.8
5Fe4.34Ga0.66O12である事が判った。膜の格子定数をボ
ンド法により測定したところ、このものの格子定数は1
2.385Åであった。また、振動子法により飽和磁化を測
定したところ25℃での飽和磁化は0.73×79.6(アンペア
/m)であった。Kug は1.46×103 (ジュール/m3)
であった。次にこの構造物を一辺の長さLとして 0.6m
m、1.0mm 、1.5mm 及び 2.0mmの正方形状に切断した試
料を作製し、これ等を、強磁性共鳴装置(FMR)によ
り9.2GHzでの△Hを測定したところ、 1.0Oeと小さな
値を示した。そして、周波数9.2GHz一定での垂直共鳴磁
界の温度変化をFMR装置により調べたところ、共鳴磁
界変動の頂点温度は試料の形状に大きく依存し図1に示
すようになった。頂点温度を中心とした約80〜 100℃の
広い温度幅で垂直共鳴磁界の変化は3×79.6(アンペ
ア)以下と極めて小さいものが得られた。又各試料のh
/Lについて頂点温度との関係を示したところ図2に●
印で示す結果が得られた。
【0017】実施例2 白金ルツボにガーネット成分となるY2O3、Bi2O3 、Ga2O
3 、Fe2O3 及びフラックス成分として PbO、B2O3を充填
し、 1,100℃で溶融した後、過飽和温度より約49.5℃低
い 890.5℃にメルト温度を保ち、この融液に格子定数1
2.383ÅのGGG基板を挿入し回転させ基板の<111
>方向にガーネットエピタキシャル膜を成長させた。成
長させたガーネットエピタキシャル膜の膜厚hは54μm
であり、ICP分析により膜組成の定量分析をおこなっ
たところ、このもは組成Bi0.15Y2.85Fe4.34Ga0.66O12で
ある事が判った。膜の格子定数をボンド法により測定し
たところ、このものの格子定数は12.385Åであった。ま
た、振動子法により飽和磁化を測定したところ25℃での
飽和磁化は0.73×79.6(アンペア/m)であった。Ku
g は1.26×103 (ジュール/m3)であった。次にこの構
造物を一辺の長さLとして 0.6mm、1.0mm 、1.5mm 及び
2.0mmの正方形状に切断した試料を作製し、これ等を、
強磁性共鳴装置(FMR)により9.2GHzでの△Hを測定
したところ、 1.2Oeと小さな値を示した。そして、周
波数9.2GHz一定での垂直共鳴磁界の温度変化をFMR装
置により調べたところ、共鳴磁界変動の頂点温度は試料
の形状に大きく依存した。また、このものは頂点温度を
中心とした約80℃の広い温度幅で垂直共鳴磁界の変化は
3×79.6(アンペア/m)以下と極めて小さかった。こ
のものの共鳴磁界の温度変化の頂点温度と試料のh/L
の関係を求めたところ図2に■印で示す結果が得られ
た。
【0018】実施例3 実施例1で製造した構造物を長辺の長さが 3.5mmと一定
で、短辺の長さLを 0.6mm、 1.0mm、 1.5mm及び 2.0mm
となるように切断した試料を作製し、これ等を強磁性共
鳴装置(FMR)により9.2GHzでの△Hを測定したとこ
ろ、 1.0Oeと小さな値を示した。そして、周波数9.2G
Hz一定での垂直共鳴磁界の温度変化をFMR装置により
調べたところ、共鳴磁界変動の頂点温度(図1参照)は
試料の形状に大きく依存し実施例1と同様のh/Lとの
関係は図2に●印で示すようになった。また、このもの
は頂点温度を中心とした約80〜 100℃の広い温度幅で垂
直共鳴磁界の変化は3×79.6(アンペア/m)以下と極
めて小さかった。
【0019】実施例4 実施例1で製造した構造物を直径Lが 0.6mm、 1.0mm、
1.5mm及び 2.0mmの円形となるように切断し、強磁性共
鳴装置(FMR)により9.2GHzでの△Hを測定したとこ
ろ、 1.0Oeと小さな値を示した。そして、周波数9.2G
Hz一定での垂直共鳴磁界の温度変化をFMR装置により
調べたところ、共鳴磁界変動の頂点温度は試料の形状に
大きく依存し図1に示すようになった。また、このもの
は頂点温度を中心とした約80〜 100℃の広い温度幅で垂
直共鳴磁界の変化は3×79.6(アンペア/m)以下と極
めて小さかった。又、これ等の共鳴磁界の温度変化の頂
点温度のh/L比依存性を図2に●印で示すがこの結果
は実施例1、3と同様であった。
【0020】実施例5 白金ルツボにガーネット成分となるY2O3、Bi2O3 、Ga2O
3 、Fe2O3 及びフラックス成分として PbO、B2O3を充填
し、 1,100℃で溶融した後、過飽和温度より約49.5℃低
い 890.5℃にメルト温度を保ち、この融液に格子定数1
2.383ÅのGGG基板を挿入し回転させ基板の<111
>方向にガーネットエピタキシャル膜を成長させた。成
長させたガーネットエピタキシャル膜の膜厚は54μmで
あり、ICP分析により膜組成の定量分析をおこなった
ところ、このもは組成Bi0.15Y2.85Fe4.34Ga0.66O12であ
る事が判った。膜の格子定数をボンド法により測定した
ところ、このものの格子定数は12.385Åであった。ま
た、振動子法により飽和磁化を測定したところ25℃での
飽和磁化は0.73×79.6(アンペア/m)であった。Ku
g は1.26×103 (ジュール/m3)であった。又、△Hは
9.2GHzで 1.2Oeと小さかった。次にこの構造物を0.83
mm角(L)に切断し、このものを用いて垂直共鳴を利用
した静磁波発振器を構成した。このガーネットエピタキ
シャル膜チップに垂直に一定の磁場をかけておき、該静
磁波発振器の発振周波数を温度を変化させて調べたとこ
ろ、発振周波数は温度に対して2次曲線状に変化し、そ
の発振周波数が頂点となる温度(頂点温度)は約−20℃
であり、この頂点温度を中心として約80℃の幅で発振周
波数の温度による変動は約 10MHz以下と小さかった。次
に、図2より頂点温度20℃のh/Lは 0.075であるので
(h=54μm)、この静磁波発振器にマウントされてい
るエピタキシャル膜チップの一部をYAGレーザで焼い
て蒸発させて、エピタキシャル膜チップを略0.72mm角に
修正した。このガーネットエピタキシャル膜チップに垂
直に一定の磁場をかけておき、該静磁波発振器の発振周
波数を温度を変化させて調べたところ、発振周波数は温
度に対して2次曲線状に変化し、その発振周波数が頂点
となる温度(頂点温度)は約20℃であり、この頂点温度
を中心として約80℃の幅で発振周波数の温度による変動
は約 10MHz以下と小さかった。さらに、この静磁波発振
器にマウントされているエピタキシャル膜チップの一部
をYAGレーザで焼いて蒸発させてエピタキシャル膜チ
ップを略 0.6mm角に修正した。このガーネットエピタキ
シャル膜チップに垂直に一定の磁場をかけておき、該静
磁波発振器の発振周波数を温度を変化させて調べたとこ
ろ、発振周波数は温度に対して2次曲線状に変化し、そ
の発振周波数が頂点となる温度(頂点温度)は約50℃で
あり、この頂点温度を中心として約80℃の幅で発振周波
数の温度による変動は約 10MHz以下と小さかった。
【0021】実施例6 白金ルツボにガーネット成分となるY2O3、Bi2O3 、Ga2O
3 、Fe2O3 及びフラックス成分として PbO、B2O3を充填
し、 1,100℃で溶融した後、過飽和温度より約50℃低い
890℃にメルト温度を保ち、この融液に格子定数12.383
ÅのGGG基板を挿入し回転させ基板の<111>方向
にガーネットエピタキシャル膜を成長させた。成長させ
たガーネットエピタキシャル膜の膜厚は54μmであり、
ICP分析により膜組成の定量分析をおこなったとこ
ろ、このものは組成Bi0.15Y2.85Fe4.34Ga0.66O12である
事が判った。膜の格子定数をボンド法により測定したと
ころ、このものの格子定数は12.385Åであった。また、
振動子法により飽和磁化を測定したところ25℃での飽和
磁化は0.73×79.6(アンペア/m)であった。△Hは、
1.0Oeと小さかった。Kug は1.46×103 (ジュール
/m3)であった。次にこの構造物を0.84mm角に切断し、
このものを用いて垂直共鳴を利用した静磁波発振器を構
成した。このガーネットエピタキシャル膜チップに垂直
に一定の磁場をかけておき、該静磁波発振器の発振周波
数を温度を変化させて調べたところ、発振周波数は温度
に対して2次曲線状に変化し、その発振周波数が頂点と
なる温度(頂点温度)は約75℃であり、この頂点温度を
中心として約90℃の幅で発振周波数の温度による変動は
約 10MHz以下と小さかった。次に、図2より頂点温度 1
10℃のh/Lは 0.075であるので(h=54μm)、この
静磁波発振器にマウントされているエピタキシャル膜チ
ップの一部をYAGレーザで焼いて蒸発させて、エピタ
キシャル膜チップを略0.72mm角に修正した。このガーネ
ットエピタキシャル膜チップに垂直に一定の磁場をかけ
ておき、該静磁波発振器の発振周波数を温度を変化させ
て調べたところ、発振周波数は温度に対して2次曲線状
に変化し、その発振周波数が頂点となる温度(頂点温
度)は約110℃であり、この頂点温度を中心として約90
℃の幅で発振周波数の温度による変動は約 10MHz以下と
小さかった。さらに、この静磁波発振器にマウントされ
ているエピタキシャル膜チップの一部をYAGレーザで
焼いて蒸発させてエピタキシャル膜チップを略 0.6mm角
に修正した。このガーネットエピタキシャル膜チップに
垂直に一定の磁場をかけておき、該静磁波発振器の発振
周波数を温度を変化させて調べたところ、発振周波数は
温度に対して2次曲線状に変化し、その発振周波数が頂
点となる温度(頂点温度)は約 140℃であり、この頂点
温度を中心として約90℃の幅で発振周波数の温度による
変動は約 10MHz以下と小さかった。
【0022】比較例1 白金ルツボにガーネット成分となるY2O3、Bi2O3 、Ga2O
3 、Fe2O3 及びフラックス成分として PbO、B2O3を充填
し、 1,100℃で溶融した後、過飽和温度より約10℃低い
930℃にメルト温度を保ち、この融液に格子定数12.367
Åの直径50mm、厚さ 0.5mmのY置換GGG基板を挿入し
回転させ基板の<111>方向にガーネットエピタキシ
ャル膜を成長させた。成長させたガーネットエピタキシ
ャル膜の膜厚は47μmであり、ICP分析により膜組成
の定量分析をおこなったところ、このものは組成Bi0.06
Y2.94Fe4.08Ga0.92O12である事が判った。膜の格子定数
をボンド法により測定したところ、このものの格子定数
は12.369Åであった。また、振動子法により飽和磁化を
測定したところ25℃での飽和磁化は0.38×79.6(アンペ
ア/m)であった。Kug は0.00×103 (ジュール/m
3)であった。次にこの構造物を0.59mm角、0.74mm角、
0.98mm角及び1.47mm角に切断した試料を作製し、これ等
を強磁性共鳴装置(FMR)により9.2GHzでの△Hを測
定したところ、4.3Oeと大きな値を示した。そして、
図3に示すように周波数9.2GHz一定での垂直共鳴磁界の
温度変化をFMR装置により調べたところ、共鳴磁界変
動の頂点温度は試料の形状にあまり依存せず、このもの
は頂点温度を中心とした約40℃と成長誘導異方性磁界を
持たない従来の材料と同様な温度幅で垂直共鳴磁界の変
化は3×79.6(アンペア/m)以下であった。このもの
の共鳴磁界の温度変化の頂点温度の試料のh/L依存性
を図2に▲で示したが頂点温度はh/Lに依存しない結
果を示している。
【0023】比較例2 実施例1で製造した構造物を正方形の辺の長さを 0.2mm
としh/Lが0.27より大きく加工すると加工面の欠けが
無視できなくなり△Hが 2Oe以上と大きくなった。
【0024】
【発明の効果】本発明の格子定数12.363〜12.386Åの間
の一定値を有する基板単結晶の<111>方向に、エピ
タキシャル成長させた膜組成 (BixY3-x)(Fe5-yMy)O12
(ここで、MはGa、Alから選択される1つ以上の元
素、xは 0.002≦x≦0.4 、yは0.6≦y≦0.8 )で示
されるガーネット磁性単結晶において、該ガーネット磁
性単結晶の<111>方向の成長誘導異方性定数 (Ku
g)が 0.3×103 ≦Kug ≦1.5×103 (ここでKug の
単位はジュール/m3)であるガーネット磁性酸化物単結
晶及びこれを用いてなる静磁波素子の製造方法におい
て、該エピタキシャル膜の膜厚hと略矩形状もしくは略
楕円状の試料において、短い方の辺の長さをLで表した
とき、h/Lの値を 0.001≦h/L≦0.25の範囲とする
ことにより共鳴周波数を一定に保ったとき、温度変化に
より略2次曲線状に変化する垂直共鳴磁界の頂点となる
温度(頂点温度)が-100℃〜 200℃の範囲の所望の値と
なるように調節することが出来る。このとき、頂点温度
付近での温度特性を劣化させること無く、同時に△Hが
小さく保たれることにより、有用なガーネット磁性酸化
物単結晶及び静磁波素子が得られるとされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試料の共鳴磁界の変動の温度との関係
を示した図。
【図2】本発明の実施例1〜6及び比較例1の試料のh
/Lと頂点温度の関係を示した図。
【図3】比較例1の試料の共鳴磁界の変動の温度との関
係を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01P 3/00 // H01P 1/215

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 格子定数12.363〜12.386Åの間の一定値
    を有する基板単結晶の<111>方向に、エピタキシャ
    ル成長させた膜組成 (BixY3-x)(Fe5-yMy)O12(ここで、
    MはGa、Alから選択される1つ以上の元素、xは0.
    02≦x≦0.4、yは 0.6≦y≦0.8 )で示されるガーネ
    ット磁性単結晶において、該ガーネット磁性単結晶の<
    111>方向の成長誘導異方性定数 (Kug)が 0.3×10
    3 ≦Kug ≦ 1.5×103 (ここでKug の単位はジュー
    ル/m3)であるガーネット磁性酸化物単結晶の製造方法
    において、このものの共鳴周波数を一定の値に保ったと
    きの温度変化により略2次曲線状に変化する垂直共鳴磁
    界の頂点となる温度(頂点温度)、もしくは該ガーネッ
    ト酸化物単結晶に加える磁界を一定の値に保ったときの
    垂直共鳴が温度変化により略2次曲線状に変化する垂直
    共鳴周波数が頂点となる温度(頂点温度)を略矩形状も
    しくは略楕円形状の試料についてあらかじめ測定してか
    ら、このものの頂点温度が-100℃〜 200℃の範囲の所望
    の値となるように、該エピタキシャルの膜厚hと略矩形
    状もしくは略楕円形状の試料の短い方の辺の長さをLで
    表したとき、h/Lの値を 0.001≦h/L≦0.25の範囲
    とすることを特徴とするガーネット磁性酸化物単結晶の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 格子定数12.363〜12.386Åの間の一定値
    を有する基板単結晶の<111>方向に、エピタキシャ
    ル成長させた膜組成 (BixY3-x)(Fe5-yMy)O12(ここで、
    MはGa、Alから選択される1つ以上の元素、xは0.
    02≦x≦0.4、yは 0.6≦y≦0.8 )で示されるガーネ
    ット磁性単結晶において、該ガーネット磁性単結晶の<
    111>方向の成長誘導異方性定数 (Kug)が 0.3×10
    3 ≦Kug ≦ 1.5×103 (ここでKug の単位はジュー
    ル/m3)であるガーネット磁性酸化物単結晶を用いてな
    る静磁波素子の製造方法において、該ガーネット酸化物
    単結晶からなる静磁波素子に加える磁界を一定の値に保
    ったときの垂直共鳴の周波数が温度変化により略2次曲
    線状に変化する垂直共鳴周波数が頂点となる温度(頂点
    温度)をあらかじめ測定してから、このものの頂点温度
    が-100℃〜 200℃の範囲の所望の値となるように該ガー
    ネット磁性酸化物単結晶の膜厚hと略矩形状もしくは略
    楕円形状の試料の短い方の辺の長さをLで表したとき、
    h/Lの値を 0.001≦h/L≦0.25の範囲とするこを特
    徴とする静磁波素子の製造方法。
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