JP7324725B2 - 積層発泡シート、及びその成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、積層発泡シート、及びその成形体に関する。
従来、熱可塑性樹脂を基材樹脂とした発泡層と、熱可塑性樹脂を基材樹脂とした非発泡層とを備える積層発泡シートが知られている。係る積層発泡シートは、耐熱性、軽量性に優れるため、食品包装用容器、車両のアンダーカバー等の原材料として使用されている。
車両のアンダーカバー等には、小石等が当たったときの音を抑制する性質(静音性)が要求される。
特許文献1は、ポリプロピレン系樹脂の発泡樹脂層(A)と、その両面に設けられた非発泡樹脂層(B)と、少なくとも一方の前記非発泡層(B)上に設けられた非発泡層(C)とを備える樹脂積層発泡板について提案している。特許文献1によれば、加熱により所定の形状に成形しやすい性質(熱成形性)、及び機械的強度に優れる。
特開2019-43049号公報
しかしながら、特許文献1では静音性について検討されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、静音性、熱成形性、及び機械的強度に優れる積層発泡シート、及びその成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、少なくとも2層を有する積層発泡シートを用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は以下の態様を有する。
[1] ポリプロピレン系樹脂を含む発泡層(A)と、前記発泡層の少なくとも一方の面に位置するポリプロピレン系樹脂を含む第一の非発泡層(B)とを有し、
前記発泡層(A)は、独立気泡率が70%以上であり、実質的に無機フィラーを含有せず、密度が50~1000kg/mであり、以下の方法で算出される気泡(I)の割合が40%以上であり、
前記第一の非発泡層(B)は、前記第一の非発泡層(B)の総質量に対し、無機フィラーを5~40質量%含む、積層発泡シート。
<気泡(I)の割合の算出方法>
積層発泡シートを厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、50倍の倍率で切断面の写真撮影を行い、得られた写真において、発泡層と第一の非発泡層(B)との界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して20%となる深さまでの領域における気泡の長径及び短径を測定し、長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(I)とし、気泡(I)の数と、前記領域に含まれる全ての気泡の数とを数え、前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(I)の割合を算出する。
[2] 前記第一の非発泡層(B)を構成する樹脂(b)の230℃、0.23MPaにおけるメルトマスフローレートが、前記発泡層(A)を構成する樹脂(a)の230℃、0.23MPaにおけるメルトマスフローレートよりも大きい、[1]に記載の積層発泡シート。
[3] [1]又は[2]に記載の積層発泡シートを成形してなる成形体。
[4] 車両のアンダーカバーである、[3]に記載の成形体。
[5] [1]又は[2]に記載の積層発泡シートの製造方法であって、
前記発泡層を構成する発泡シートの一方の面に、前記第一の非発泡層(B)を構成する樹脂(b)を200~240℃で押出してから2秒以内に圧着させる第一の積層工程を含む、積層発泡シートの製造方法。
本発明によれば、静音性、熱成形性、及び機械的強度に優れる積層発泡シート、及びその成形体を提供することができる。
本発明の積層発泡シートの一例を示す断面図である。 発泡シートの製造装置の一例を示す模式図である。 本発明の積層発泡シートの一例の断面写真である。 本発明の積層発泡シートの製造装置の一例を示す模式図である。 本発明の車両のアンダーカバーの一例を示す模式図である。 平均気泡径の測定方法を表す模式図である。
≪積層発泡シート≫
本発明の積層発泡シートは、発泡層(A)と、発泡層(A)の一方の面に位置する第一の非発泡層(B)とを有する。本発明の積層発泡シートは、さらに、発泡層(A)の他方の面に位置する第二の非発泡層(C)を有していてもよい。
積層発泡シートの一例について、図1を用いて説明する。
図1の積層発泡シートは1、発泡層(A)10と、発泡層(A)10の一方の面に設けられた第一の非発泡層(B)20と、発泡層10の他方の面に設けられた第二の非発泡層(C)30と、を備える。積層発泡シート1は三層構造である。
なお、図1は、厚さ方向が拡大され、図示されている。
<発泡層(A)>
発泡層(A)は、樹脂組成物が発泡されてなる。樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂と発泡剤とを含有する。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体や、プロピレンと重合可能なビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。これらのポリプロピレン系樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。なかでも、ポリプロピレン単独重合体が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂が共重合体の場合、プロピレン由来の構成単位の含有量は、共重合体100質量%に対し、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、高溶融張力ポリプロピレン(HMS-PP)樹脂が好ましい。高溶融張力ポリプロピレン樹脂とは高分子量成分や分岐構造を有する成分をポリプロピレン樹脂中に混合したり、ポリプロピレンに長鎖分岐成分を共重合させたりすることで溶融状態での張力を高めたポリプロピレン樹脂である。高溶融張力ポリプロピレン樹脂は市販されており、例えば、Borealis社製の「WB130HMS」、「WB135HMS」、「WB140HMS」;Basell社製の「Pro-fax F814」;日本ポリプロ社製の「FB3312」、「FB5100」、「FB7200」、「FB9100」、「MFX8」、「MFX6」等が挙げられる。
前記ポリプロピレン系樹脂が、高溶融張力ポリプロピレン樹脂であるかどうかは、高分子構造上の違いのみならず、通常、その溶融張力(メルトテンション)の大きさによって判断できる。例えば、メルトテンションが5cN以上であれば、高溶融張力ポリプロピレン樹脂であると判断できる。
高溶融張力ポリプロピレン樹脂のメルトテンションは、例えば、10cN以上30cN以下が好ましい。上記下限値以上であると、発泡層(A)の強度をより高めやすい。上記上限値以下であると、熱成形性をより向上しやすい。
樹脂のメルトテンションの測定は、(株)東洋精機製作所製の測定装置「キャピログラフPMD-C」を使用して、以下のようにして測定できる。
まず試料樹脂を、230℃に加熱して溶融させた状態で、上記装置の、ピストン押出式プラストメーターのキャピラリー(口径2.095mm、長さ8mm)から、ピストンの降下速度を10mm/minの一定速度に保ちつつ紐状に押出す。次にこの紐状物を、上記ノズルの下方35cmに位置する張力検出プーリーに通過させた後、巻き取りロールを用いて、初速5m/minよりその巻き取り速度を、約66m/minの加速度でもって増加させながら巻き取って行う。そして紐状物が切れるまで試験を行った際に、張力検出プーリーによって検出された破断直前の極大張力をもって、試料樹脂のメルトテンションとする。
ポリプロピレン系樹脂の含有量は、発泡層(A)を構成する樹脂(a)100質量%に対し、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。
樹脂組成物は、その他の樹脂を含んでいてもよい。その他の樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレンを高圧下において重合させ分子中に長鎖分岐を形成させた低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、エチレンをチーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒を用いて中低圧下において重合させた密度が0.942g/cm以上の高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、前記HDPEの重合プロセスにおいて1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のα-オレフィンを少量添加して分子中に短鎖分岐を形成させた密度が0.942g/cm未満の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)等が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂としては、例えば、スチレン系単量体の単独重合体又は共重合体、スチレン系単量体と他のビニル系単量体との共重合体、又はこれらの混合物等が挙げられる。ポリスチレン系樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体に基づく構成単位が、前記ポリスチレン系樹脂の全構成単位に対して50質量%以上含まれるものが好ましく、70質量%以上含まれるものがより好ましく、80質量%以上含まれるものがさらに好ましい。
また、ポリスチレン系樹脂の質量平均分子量は、20万~40万が好ましく、24万~40万がより好ましい。前記質量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した値を、標準ポリスチレンによる較正曲線に基づき換算した値である。
上記スチレン系単量体の単独重合体又は共重合体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i-プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系単量体の単独重合体又は共重合体が挙げられる。このなかでも、スチレンに基づく構成単位を、全構成単位に対して50質量%以上有するものが好ましく、ポリスチレン(単独重合体)がより好ましい。
また、ポリスチレン系樹脂として、ゴム成分を含むハイインパクトポリスチレンが用いられてもよい。
スチレン系単量体と他のビニル系単量体との共重合体としては、例えば、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-塩化ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体、スチレン-フマル酸エステル共重合体、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、スチレン-アルキレングリコールジメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸エステル-ブタジエン-スチレン共重合体(例えばMBS樹脂)等が挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
スチレン系単量体と他のビニル系単量体との共重合体としては、スチレン系単量体に基づく構成単位を、前記共重合体の全構成単位に対して50質量%以上含むものが好ましく、70質量%以上含むものがより好ましく、80質量%以上含むものがさらに好ましい。
スチレン系単量体と他のビニル系単量体との共重合体としては、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体が好ましい。スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体としては、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂中の(メタ)アクリル酸に基づく構成単位の含有量は、ポリスチレン系樹脂を構成する全構成単位に対して、0.5~6.8質量%が好ましく、1.0~5.0質量%がより好ましく、1.3~3.0質量%がさらに好ましい。上記数値範囲内とすることにより、優れた靭性や耐熱性が発揮されうる。
ポリスチレン系樹脂中の(メタ)アクリル酸に基づく構成単位の含有量は、スチレン-(メタ)アクリル酸の仕込み量から計算により算出できる。
ポリスチレン系樹脂中のブタジエンに基づく構成単位の含有量は、ポリスチレン系樹脂を構成する全構成単位に対して、0.5~6.8質量%が好ましく、1.0~5.0質量%がより好ましく、1.3~3.0質量%がさらに好ましい。上記数値範囲内とすることにより、優れた靭性や耐熱性が発揮されうる。
ポリスチレン系樹脂中のブタジエンに基づく構成単位の含有量は、スチレン-ブタジエンの仕込み量から計算により算出できる。
ポリスチレン系樹脂中、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の含有量は、ポリスチレン系樹脂の総質量に対して10質量%以上が好ましい。スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の含有量が前記下限値以上であると、圧着性を高めやすい。
ポリスチレン系樹脂中のスチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の含有量は、特に限定されず、ポリスチレン系樹脂の総質量に対して100質量%でもよい。
ポリスチレン系樹脂中、スチレン-ブタジエン共重合体の含有量は、ポリスチレン系樹脂の総質量に対して10質量%以上が好ましい。スチレン-ブタジエン共重合体の含有量が前記下限値以上であると、圧着性を高めやすい。
ポリスチレン系樹脂中のスチレン-ブタジエン共重合体の含有量は、特に限定されず、ポリスチレン系樹脂の総質量に対して100質量%でもよい。
ポリスチレン系樹脂としては、市販のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法等により合成されたポリスチレン系樹脂、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系発泡体、ポリスチレン系樹脂発泡成形体(食品包装用トレー等)等を再生処理して得られたリサイクル原料を使用できる。前記リサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系発泡体、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンフラノエート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、テレフタル酸とエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールの共重合体、及びこれらの混合物並びにこれらと他の樹脂との混合物等が挙げられる。また、植物由来のポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンフラノエート樹脂が用いられてもよい。ポリエステル系樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
さらに、(メタ)アクリル系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリフェニレンエーテル系樹脂等が含まれていてもよい。
発泡層(A)を構成する樹脂(a)のメルトマスフローレート(MFR)は、5.0g/10min以下が好ましく、0.1g/10min以上4.0g/10min以下がより好ましく、0.5g/10min以上3.0g/10min以下がさらに好ましい。MFRが上記下限値以上であると、発泡層(A)の独立気泡率を70%以上にしやすい。MFRが上記上限値以下であると、発泡層(A)の強度をより高めやすい。
MFRは、熱可塑性樹脂の溶融時の流動性を表す数値である。MFRは、シリンダ内で溶融した樹脂を、一定の温度と荷重条件のもとで、ピストンによって、シリンダ底部に設置された規定口径のダイから、10分間あたりに押し出される樹脂量で表される。
本明細書において、MFRは、230℃、0.23MPaにおける数値である。
発泡層(A)を構成する樹脂(a)の融点は、150℃以上170℃以下が好ましく、155℃以上165℃以下がより好ましい。樹脂(a)の融点が上記下限値以上であると、発泡層(A)の強度をより高めやすい。樹脂(a)の融点が上記上限値以下であると、熱成形性をより向上しやすい。
樹脂(a)の融点は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載の方法により測定される。
樹脂組成物は、発泡剤を含有する。
発泡剤としては、例えば、重曹-クエン酸系発泡剤、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジド、ホウ水素化ナトリウム等の無機系分解性発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合物;N,N’-ジニトロソペンタンメチレンテトラミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’-オキシビスベンゼスルホニルセミカルバジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート等が挙げられる。気体の発泡剤としては、空気、窒素、炭酸ガス、プロパン、ネオペンタン、メチルエーテル、二塩化フッ化メタン、n-ブタン、イソブタン等が挙げられる。なお、ここで気体とは、常温(15℃~25℃)で気体であることを意味する。一方、揮発性の発泡剤としては、エーテル、石油エーテル、アセトン、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
上記発泡剤のうち、n-ブタン、窒素が特に好ましい。
樹脂組成物中の発泡剤の含有量は、発泡剤の種類や、比重等を勘案して適宜決定され、例えば、樹脂100質量部に対して0.5~20質量部が好ましく、0.8~5.5質量部がより好ましい。
発泡層(A)中の発泡剤の含有量(いわゆる残存ガス量)は、発泡層(A)の総質量に対し、0.3~3.6質量%が好ましく、0.5~3.3質量%がより好ましい。
樹脂組成物は、界面活性剤、気泡調整剤、架橋剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤(炭化水素、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石鹸、シリコーン油、低分子ポリエチレン等のワックス等)、展着剤(流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ポリブテン等)、着色剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が添加されてもよい。
気泡調整剤としては、例えば、多価カルボン酸の酸性塩;多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。なかでも、独立気泡率を維持して、且つ熱成形性を向上しやすい点から、反応混合物が好ましい。
気泡調整剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
気泡調整剤の添加量は、樹脂100質量部に対して0.01~1.0質量部が好ましい。
発泡層(A)は実質的に無機フィラーを含有しない。本明細書において、「実質的に無機フィラーを含有しない」とは、発泡層(A)の総質量に対する無機フィラーの含有量が0.1質量%以下であることを意味する。
無機フィラーとは、充填剤として用いられる無機化合物のことをいい、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、アルミナ、マイカ、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスバルーン、炭素繊維、ガラス繊維、カーボンブラック、金属粉等が挙げられる。
発泡層(A)は、実質的に無機フィラーを含有しないため、軽量であり、熱成形性により優れる。
発泡層(A)の独立気泡率は、70%以上であり、75%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。上限値は特に限定されず、例えば、99%以下が好ましい。発泡層(A)の独立気泡率が上記数値範囲内であると、耐衝撃性に優れ、かつ、熱成形性をより向上しやすい。
発泡層(A)の独立気泡率は、JIS K7138:2006「硬質発泡プラスチック-連続気泡率及び独立気泡率の求め方」に記載の方法により測定される。
発泡層(A)の厚みT1は、0.1~7.0mmが好ましく、0.5~5.5mmがより好ましい。発泡層(A)の厚みが上記下限値以上であると、形状保持性に優れる。発泡層(A)の厚みが上記上限値以下であると、熱成形性をより向上できる。
本明細書において、厚みは、測定対象物の幅方向(TD方向)等間隔の20箇所をマクロゲージによって測定し、その算術平均値により求められた値である。
発泡層(A)の坪量は、250~700g/mが好ましく、400~600g/mがより好ましい。発泡層(A)の坪量が上記数値範囲内であると、取扱い性に優れる。
なお坪量は、以下の方法で測定することができる。
発泡層(A)の幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定する。各切片の質量(g)の平均値を1m当たりの質量に換算した値を、発泡層(A)の坪量(g/m)とする。
発泡層(A)の密度は、50~1000kg/mであり、90~900kg/mが好ましく、100~700kg/mがより好ましく、100~600kg/mがさらに好ましい。発泡層(A)の密度が上記数値範囲内であると、取扱い性に優れる。
<発泡シートの製造方法>
発泡層(A)を形成する発泡シートは、従来公知の製造方法に準拠して製造される。
発泡シートの製造方法としては、樹脂組成物を調製し、樹脂組成物をシート状に押し出し、発泡(一次発泡)する方法が挙げられる(押出発泡法)。
発泡シートの製造方法の一例について、図2を用いて説明する。
図2の発泡シートの製造装置200は、インフレーション成形により発泡シートを得る装置であり、押出機202と、発泡剤供給源208と、サーキュラーダイ210と、マンドレル220と、2つの巻取機240とを備える。
押出機202は、いわゆるタンデム型押出機であり、押出機A202aと押出機B202bとが配管206で接続された構成とされている。第一の押出部202aはホッパー204を備え、押出機A202aには、発泡剤供給源208が接続されている。
押出機B202bには、サーキュラーダイ210が接続され、サーキュラーダイ210の下流には、マンドレル220が設けられている。マンドレル220は、カッター222を備える。
まず、樹脂組成物を構成する原料をホッパー204から押出機A202aに投入する。
ホッパー204から投入される原料は、発泡シートを構成する樹脂、及び必要に応じて配合される添加剤等である。
押出機A202aでは、原料を任意の温度に加熱しながら混合して樹脂溶融物とし、発泡剤供給源208から発泡剤を押出機A202aに供給し、樹脂溶融物に発泡剤を混合して樹脂組成物とする。
加熱温度は、樹脂の種類等を勘案して、樹脂が溶融しかつ添加剤が変性しない範囲で適宜決定される。
樹脂組成物は、押出機A202aから配管206を経て押出機B202bに供給され、さらに混合され、任意の温度に冷却された後、サーキュラーダイ210へ供給される。サーキュラーダイ210から押し出す際の樹脂組成物の温度は140~190℃であり、より好ましくは150~190℃である。
樹脂組成物は、サーキュラーダイ210から押し出され、発泡剤が発泡して円筒状の発泡シート101aとなる。サーキュラーダイ210から押し出された発泡シート101aは、冷却空気211を吹き付けられた後、マンドレル220に供給される。この冷却空気211の温度、量、吹き付け位置との組み合わせにより、発泡シート101aの冷却速度を調節できる。
円筒状の発泡シート101aは、マンドレル220で任意の温度にされ、サイジングされ、カッター222によって2枚に切り裂かれて発泡シート101となる。発泡シート101は、各々ガイドロール242とガイドロール244とに掛け回され、巻取機240に巻き取られて発泡シートロール102となる。
発泡シートの発泡倍数は、例えば、2~20倍とされる。
なお、発泡シートは、インフレーション成形以外の方法により製造されてもよい。
<第一の非発泡層(B)>
第一の非発泡層(B)は、発泡層(A)の一方の面に位置する層である。
なお、本明細書において、「非発泡」とは、原料樹脂を発泡させていない状態を表し、発泡倍数が、1.0倍である場合をいう。
第一の非発泡層(B)に含まれるポリプロピレン系樹脂としては、発泡層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
第一の非発泡層(B)に含まれるポリプロピレン系樹脂は、発泡層(A)を構成するポリプロピレン系樹脂と同じでもよく、異なってもよい。
第一の非発泡層を構成する樹脂(b)のメルトマスフローレート(MFR)は、5.0g/10min以下が好ましく、0.1g/10min以上4.0g/10min以下がより好ましく、0.5g/10min以上3.0g/10min以下がさらに好ましい。MFRが上記下限値以上であると、発泡層(A)と接着しやすい。
第一の非発泡層を構成する樹脂(b)の融点は、150℃以上170℃以下が好ましく、155℃以上165℃以下がより好ましい。樹脂(b)の融点が上記下限値以上であると、発泡層(A)の強度をより高めやすい。樹脂(b)の融点が上記上限値以下であると、熱成形性をより向上しやすい。
ポリプロピレン系樹脂の含有量は、第一の非発泡層(B)を構成する樹脂(b)100質量%に対し、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。
第一の非発泡層(B)は、無機フィラーを含有する。本明細書において無機フィラーとは、充填剤として用いられる無機化合物のことをいい、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、アルミナ、マイカ、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスバルーン、炭素繊維、ガラス繊維、カーボンブラック、金属粉等が挙げられる。第一の非発泡層(B)に用いられる無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルクが好ましい。
第一の非発泡層(B)は、無機フィラーを含有するため、強度により優れる。
第一の非発泡層(B)中の無機フィラーの含有量は、第一の非発泡層(B)の総質量に対し、5~40質量%であり、6~40質量%が好ましく、7~35質量%がより好ましい。第一の非発泡層(B)中の無機フィラーの含有量が上記下限値以上であると、積層発泡シートの強度をより向上しやすい。第一の非発泡層(B)中の無機フィラーの含有量が上記上限値以下であると、外観意匠性及び熱成形性をより向上しやすい。
無機フィラーの平均粒子径は、1~50μmが好ましく、3~30μmがより好ましい。無機フィラーの平均粒子径が上記数値範囲内であると、強度に優れる。
なお、本明細書において平均粒子径は、レーザー回折法で測定できる。
第一の非発泡層(B)の坪量は、20~500g/mが好ましく、30~400g/mがより好ましい。第一の非発泡層(B)の坪量が上記数値範囲内であると、取扱い性に優れる。
なお坪量は、以下の方法で測定することができる。
第一の非発泡層(B)の幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定する。各切片の質量(g)の平均値を1m当たりの質量に換算した値を、第一の非発泡層(B)の坪量(g/m)とする。
第一の非発泡層(B)の厚みT2は、求められる強度等に応じて適宜決定され、例えば、0.01~0.5mmが好ましく、0.02~0.4mmがより好ましく、0.03~0.3mmがさらに好ましい。上記下限値以上であれば、十分な強度を得られやすい。上記上限値以下であれば、成形加工が容易である。
第一の非発泡層(B)には、添加剤が含まれてもよい。前記添加剤としては、難燃剤、難燃助剤、滑剤、展着剤、着色剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、界面活性剤、有機フィラー等が挙げられる。
第一の非発泡層(B)に前記添加剤が含まれる場合、その含有量は樹脂100質量部に対して0質量部超30質量部以下が好ましい。
<第二の非発泡層(C)>
第二の非発泡層(C)は、発泡層の他方の面に位置する層である。
第二の非発泡層(C)としては、前記<第一の非発泡層(B)>と同様のものを使用できる。
<非発泡樹脂層(D)>
第一の非発泡層(B)の上には、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂の非発泡樹脂層(D)を設けない方が好ましい。非発泡樹脂層(D)を設けない方が、積層発泡シートの成形体を車両のアンダーカバーとして用いる場合に軽量化できるため好ましい。
このような非発泡樹脂層(D)を構成するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルムが挙げられる。
非発泡樹脂層(D)を構成するポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンフラノエート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、テレフタル酸とエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールとの共重合体、及びこれらの混合物並びにこれらと他の樹脂との混合物等が挙げられる。また、植物由来のポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンフラノエート樹脂が用いられてもよい。これらのポリエステル系樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。より具体的には、ポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂であってもよい。
ポリエステル系樹脂として他の樹脂を混合している場合、他の樹脂の含有量は、ポリエステル系樹脂の総質量に対して50質量%未満が好ましい。
非発泡樹脂層(D)を構成する樹脂は、熱成形性をより高める観点から、ポリオレフィン系樹脂が挙げられ、耐油性を向上する観点から、ポリプロピレン系樹脂が挙げられ、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムが挙げられる。
非発泡樹脂層(D)を構成する樹脂としては、プロピレンホモポリマー、プロピレン分子鎖中にエチレンあるいは他のコモノマーが1~7質量%程度挿入された共重合体、通常プロピレン単独重合体のマトリックス中に約20%までのエチレン-プロピレンゴム(EPR)を含むインパクト共重合体(ブロック共重合体ともいう)がそれぞれ単独で使用できるほか、これらの混合物も使用できる。またフィルム用樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の樹脂を混合してもよい。当該他の樹脂としては、例えばエチレン、ブテン、α-オレフィン等の単独重合体もしくは共重合体、ポリオレフィン系ワックス、ポリオレフィン系エラストマー等のオレフィン系樹脂の他、石油樹脂、テルペン樹脂等の炭化水素系樹脂などが、1種単独で、または2種以上混合して使用される。
積層発泡シートにおいて、以下の方法で算出される気泡(I)の割合は40%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、60%以上がさらに好ましい。また、前記気泡(I)の割合は、75%以下が好ましく、70%以下がより好ましい。具体的には、前記気泡(I)の割合は、40~75%が好ましく、50~70%がより好ましく、60~70%がさらに好ましい。前記気泡(I)の割合が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
<気泡(I)の割合の算出方法>
積層発泡シートを厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、50倍の倍率で切断面の写真撮影を行い、得られた写真において、発泡層の気泡のうち、第一の非発泡層(B)側に位置する3点以上の気泡を選択し、厚さ方向に対して垂直方向に、選択された前記気泡の第一の非発泡層(B)側に接線を引く。前記接線を発泡層と第一の非発泡層(B)との界面とする。前記界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して20%となる深さまでの領域における気泡の長径及び短径を測定し、長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(I)とする。前記領域に含まれる発泡層の厚みに対して短径が1%以上の空洞を気泡とみなす。全ての気泡の数と気泡(I)の数とを数え、前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(I)の割合を算出する。なお、発泡層の厚さ方向に対して垂直な方向の気泡径の最大値を長径、発泡層の厚さ方向の気泡径の最大値を短径とする。また、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して20%となる深さまでの領域に気泡の少なくとも一部が含まれる気泡を前記領域内の気泡とみなす。
積層発泡シートにおいて、以下の方法で算出される気泡(II)の割合は40%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、60%以上がさらに好ましい。また、前記気泡(II)の割合は、75%以下が好ましく、70%以下がより好ましい。具体的には、前記気泡(II)の割合は、40~75%が好ましく、50~70%がより好ましく、60~70%がさらに好ましい。前記気泡(II)の割合が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
<気泡(II)の割合の算出方法>
積層発泡シートを厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、50倍の倍率で切断面の写真撮影を行い、得られた写真において、発泡層と第二の非発泡層(C)との界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して20%となる深さまでの領域における気泡の長径及び短径を測定し、長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(II)とし、気泡(II)の数と、前記領域に含まれる全ての気泡の数とを数え、前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(II)の割合を算出する。
気泡(I)の割合の算出方法について、図3を用いて説明する。
図3は、3層からなる積層発泡シート11を厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、50倍の倍率で切断面を撮影したものである。図3の積層発泡シート11は、下から、第一の非発泡層(B)、発泡層、及び第二の非発泡層(C)の順に積層されている。得られた積層発泡シート11の写真において、発泡層と第一の非発泡層(B)との界面21の位置を決める。ここで、「界面」は、発泡層の気泡のうち、第一の非発泡層(B)側に位置する3点以上の気泡を選択し、厚さ方向に対して垂直方向に、選択された前記気泡の第一の非発泡層(B)側に接線を引き、前記接線を界面とすることで決定される。次に、界面21と平行な線22であって、界面21から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して20%となる深さになる位置に線22を引く。さらに、界面21から、線22までの領域に含まれる気泡の長径及び短径を測定する。ここで、気泡の長径及び短径は、発泡層の厚さ方向に対して垂直な方向の気泡径の最大値を長径、発泡層の厚さ方向の気泡径の最大値を短径とする。続いて、気泡の長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(I)とする。気泡(I)の数、及び前記領域に含まれる全気泡数を数える。気泡数は、発泡層の厚みに対して短径が1%以上の空洞を気泡とみなし、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して20%となる深さまでの領域に気泡の少なくとも一部が含まれる気泡を前記領域内の気泡とみなして数える。前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(I)の割合を算出する。
気泡(II)の割合も、気泡(I)と同様の方法で算出することができる。
前記領域における気泡(I)の平均気泡径は、300~1500μmが好ましく、500~1000μmがより好ましい。
前記領域における気泡(I)の平均気泡径が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
なお、本明細書において平均気泡径は、以下の方法で測定できる。
<平均気泡径の測定>
押出発泡シート(発泡層10)の幅方向中央部からMD方向(押出方向)に平行し、押出発泡シートの表面に垂直な平面(図6の矢印1)に沿って押出発泡シートを切断した断面(以下、MD断面という)、及び、TD方向(押出発泡シートの表面において押出方向と直交する方向)に平行し、押出発泡シートの表面に垂直な平面(図6の矢印2)に沿って押出発泡シートを切断した断面(以下、TD断面という)を、それぞれ(株)日立ハイテクノロジーズ製「SU1510」走査電子顕微鏡(SEM)を用いて18倍に拡大して撮影する。MD断面、及び、TD断面のそれぞれに対し、2視野ずつ合計4視野の顕微鏡画像を撮影する。MD断面の2つの画像のそれぞれについて、任意に30個の気泡を選び、SEM制御ソフトの測長機能を用いてMD方向に気泡の直径が最も長くなるところを測長する。2つの画像のそれぞれについて測長した気泡の長さを算術平均し、MD方向の平均気泡径DMDとする。TD断面の2つの画のそれぞれについて、任意に30個の気泡を選び、SEM制御ソフトの測長機能を用いてTD方向に気泡の直径が最も長くなるところを測長する。2つの画像のそれぞれについて測長した気泡の長さを算術平均し、TD方向の平均気泡径DTDとする。MD断面の1つの画像とTD断面の1つの画像のそれぞれについて、任意に30個の気泡を選び、SEM制御ソフトの測長機能を用いてMD方向とTD方向の各方向に直交する方向(VD方向)に気泡の直径が最も長くなるところを測長する。2つの画像のそれぞれについて測長した気泡の長さを算術平均し、VD方向の平均気泡径DVDとする。平均気泡径DMD、平均気泡径DTD、平均気泡径DVDを平均して平均気泡径DAVGとする。
AVG:平均気泡径(μm)
MD:MD方向の平均気泡径(μm)
TD:TD方向の平均気泡径(μm)
VD:VD方向の平均気泡径(μm)
前記領域における気泡(I)のMD方向の平均気泡径DMDは、300~1500μmが好ましく、500~1000μmがより好ましい。前記領域における気泡(I)の平均気泡径が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
前記領域における気泡(I)のTD方向の平均気泡径DTDは、300~1500μmが好ましく、500~1000μmがより好ましい。前記領域における気泡(I)の平均気泡径が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
前記領域における気泡(I)のVD方向の平均気泡径DVDは、300~1500μmが好ましく、500~1000μmがより好ましい。前記領域における気泡(I)の平均気泡径が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
前記領域における気泡(I)の長径/短径の比(以下、「気泡(I)のアスペクト比」ともいう)は、4.0以上が好ましく、4.5以上がより好ましい。気泡(I)のアスペクト比が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
積層発泡シートが第二の非発泡層を有する三層構造の場合、上記領域を除いた部分、即ち、発泡層の厚みに対して20~80%の深さの中央領域における平均気泡径は、500~2000μmが好ましく、700~1500μmがより好ましい。前記領域における平均気泡径が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
積層発泡シートが第二の非発泡層を有さない二層構造の場合、上記領域を除いた部分、即ち、発泡層の厚みに対して20~100%の深さの中央領域における平均気泡径は、500~2000μmが好ましく、700~1500μmがより好ましい。前記領域における平均気泡径が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
前記中央領域における気泡の長径/短径の比(以下、「中央領域におけるアスペクト比」ともいう)は、2.0~3.9が好ましく、2.5~3.0がより好ましい。中央領域におけるアスペクト比が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
[前記気泡(I)のアスペクト比]-[中央領域におけるアスペクト比]で表される差は、1~3.5が好ましく、1.5~3がより好ましい。前記差が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
積層発泡シート全体の平均気泡径は、300~2000μmが好ましく、700~1000μmがより好ましい。積層発泡シート全体における平均気泡径が上記範囲内であると、静音性を向上しやすくなる。
第一の非発泡層(B)を構成する樹脂(b)の230℃、0.23MPaにおけるメルトマスフローレートが、発泡層(A)を構成する樹脂(a)の230℃、0.23MPaにおけるメルトマスフローレートよりも大きいことが好ましい。具体的には、[樹脂(b)のMFR]-[樹脂(a)のMFR]で表される差は、0.2~2.0が好ましく、0.5~1.0がより好ましい。MFRの差が上記範囲内であると、発泡層(A)と第一の非発泡層(B)とを圧着しやすい。
積層発泡シート1の厚みTは、用途等を勘案して適宜決定され、例えば、0.5~6.0mmが好ましく、1.0~5.5mmがより好ましい。積層発泡シートの厚みが上記下限値以上であれば、十分な強度を得られやすい。上記上限値以下であれば、成形加工が容易である。
積層発泡シートの坪量は、150~1400g/mが好ましく、400~1350g/mがより好ましく、600~1300g/mがさらに好ましい。積層発泡シートの坪量が上記数値範囲内であると、取扱い性に優れる。
なお坪量は、以下の方法で測定することができる。
積層発泡シートの幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定する。各切片の質量(g)の平均値を1m当たりの質量に換算した値を、積層発泡シートの坪量(g/m)とする。
積層発泡シートの密度は、100~2000kg/mが好ましく、130~1000kg/mがより好ましく、150~900kg/mがさらに好ましい。積層発泡シートの密度が上記数値範囲内であると、取扱い性に優れる。
<積層発泡シートの製造方法>
積層発泡シート1の製造方法の一例について、説明する。
積層発泡シート1の製造方法は、例えば、発泡シートを得る発泡シート形成工程と、発泡シートの一方の面に第一の非発泡層(B)を構成する樹脂を押出ラミネートにより圧着する第一の積層工程と、発泡シートの他方の面に第二の非発泡層を構成する樹脂を押出ラミネートにより圧着する第二の積層工程と、を備えることが好ましい。
なお、本明細書において「圧着」とは、熱処理で樹脂(b)を融解させ、融解させた樹脂(b)を発泡シート上に加圧しながら接合することを意味する。
発泡シート形成工程は、前述の発泡シートの製造方法と同様である。
第一の積層工程は、発泡シートの一方の面に第一の非発泡層(B)を構成する樹脂を押出ラミネートにより圧着する工程である。
以下、第一の積層工程、及び第二の積層工程の一例について、図4を用いて説明する。
発泡シートロール102から発泡シート101を繰り出し、発泡シート101の一方の面に第一押出機111で溶融された樹脂103をダイ110より供給する。その後、一対の冷却ロール112で圧着する。
こうして、発泡層10と、第一の非発泡層(B)20とを備える2層からなる積層発泡シート104となる。積層工程における加熱温度は、各層の材質等に応じて、適宜決定される。
第一の積層工程において、発泡シート101の一方の面に、第一の非発泡層(B)20を構成する樹脂(b)を圧着させる際の温度は、200~240℃が好ましく、210~240℃がより好ましい。圧着させる際の温度が上記範囲内であると、気泡(I)の割合を特定の範囲内にしやすくなり、静音性を向上しやすくなる。
圧着させる際には、第一の非発泡層(B)を構成する樹脂(b)を、上記温度の範囲内で発泡シート101の上に押出してから2秒以内で加圧して圧着させることが好ましい。2秒以内で圧着させることで、気泡(I)の割合を特定の範囲内にしやすくなり、静音性を向上しやすくなる。
第二の積層工程は、発泡シートの他方の面に第二の非発泡層(C)を構成する樹脂を押出ラミネートにより圧着する工程である。
第一の積層工程で得られた2層からなる積層発泡シート104を、ロール113にかけ回し、発泡シートの他方の面に第二押出機115で溶融された樹脂105をダイ114より供給する。その後、一対の冷却ロール116で圧着される。
こうして、発泡層10と、第一の非発泡層(B)20と、第二の非発泡層(C)30とを備える3層からなる積層発泡シート1となる。
第二の積層工程において、発泡シート101の他方の面に、第二の非発泡層30を構成する樹脂を圧着させる際の温度は、200~240℃が好ましく、210~240℃がより好ましい。圧着させる際の温度が上記範囲内であると、気泡(II)の割合を特定の範囲内にしやすくなり、静音性を向上しやすくなる。
圧着させる際には、第二の非発泡層(C)を構成する樹脂を、上記温度の範囲内で発泡シート101の上に押出してから2秒以内で圧着させることが好ましい。2秒以内で圧着させることで、気泡(II)の割合を特定の範囲内にしやすくなり、静音性を向上しやすくなる。
なお、前記2つの積層工程は、第二の積層工程、第一の積層工程の順に行ってもよいまた、本発明の積層発泡シートは上記製造方法(押出ラミネート法)に限定されず、発泡層と非発泡層とを共押出しや熱ラミネート法で積層してもよい。
≪成形体≫
本発明の成形体は、積層発泡シートを成形することにより得られる。
積層発泡シートを成形する方法としては、例えば、積層発泡シートを任意の温度に加熱して二次発泡させ、次いで、積層発泡シートを任意の形状の雄型と雌型とで挟み込んで成形する方法が挙げられる。
第一の非発泡層(B)が鉛直方向下方に向く面になるように成形することが好ましい。
本発明の成形体は、車両のアンダーカバー用として使用できる。
車両のアンダーカバーとは、車体下部を覆い保護するものである。車両のアンダーカバーにおいては、第一の非発泡層(B)が前記アンダーカバー使用時における鉛直方向下方に向く面になるように配置することが好ましい。これにより、車両走行中に地面から車両に跳ね上がる土砂等から車両を保護することができる。
図5は、本発明の車両のアンダーカバーの一例を示す模式図である。図5の車両のアンダーカバーは、凹凸構造を有することで、空気抵抗を小さくして燃費をよくすることができる。凹凸構造はどのような形状でもよく、あってもなくてもよい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ポリプロピレン系樹脂として、Borealis社製の「WB140HMS」(メルトテンション:23cN、メルトフローレート:1.7g/10分)を40質量部、ブロックポリプロピレンとして日本ポリプロ社製の商品名「BC6C」を50質量部、ポリオレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPO)としてサンアロマー社製の商品名「Q-100F」を10質量部の割合で混合してポリマー成分を調製した。前記ポリマー成分100質量部に対する割合が0.2質量部となる重曹-クエン酸系発泡剤(大日精化社製マスターバッチ、商品名「ファインセルマスターPO410K」)を配合して混合物を得た。口径が90mmの第1押し出し機の先端に、口径115mmの第2押し出し機を接続したタンデム押し出し機を準備した。前記混合物を、第1押し出し機を供給し、約200~210℃にて溶融混練した。続いて、第1押し出し機内に発泡剤としてブタン(ノルマルブタン:イソブタン=65:35(質量比))をポリマー成分100質量部に対して1.0質量部となるように圧入してさらに溶融混練した。その後、約175℃まで冷却し、第2押し出し機の先端に接続されている環状の環状ダイに供給して、150kg/時間の押出量で円筒状に押出発泡させた。
得られた円筒状発泡体をその内面にエアーを吹き付けて冷却した。その後、冷却マンドレルプラグ上を沿わせて内面を固化させるとともに、そのプラグ上で外面にもエアーを吹き付けて冷却固化させた。続いて、円筒状発泡体をその押出方向に切断して切り開き、連続シートとしてロール状に巻き取り、厚み2.0mm、密度270kg/mの発泡シートを得た。
ポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、製品名:PL500A)50質量部(MFR=3.0g/10min)に無機フィラー70質量%含有のタルペット70P(日東粉化工業社製)を50質量%配合し、無機フィラーの含有量が35質量%になるように調合した。得られた混合物を第3押し出し機に供給した。第3押し出し機の先端に取り付けたTダイからシートを押出し、押し出した直後の溶融状態のシートを発泡シートの一方の面に押出直後から1.3秒間以内に圧着させた。これにより、発泡層の片面に非発泡層を有する積層発泡シートを得た。Tダイはいずれも、その樹脂流路における幅方向の両端部の温度が245℃となるように、両端部以外の部分の温度が280℃となるように調整した。圧着させる際の溶融状態のシートの温度は220℃であった。
[実施例2]
発泡剤を0.8質量部としたこと、第一の非発泡層(B)の樹脂としてBC6C(ブロックPP、日本ポリプロ社製)を使用したこと、無機フィラーの含有量を30質量%に変更したこと、及び圧着させる際の条件を235℃、1.5秒に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
[実施例3]
発泡剤を2.0質量部としたこと、無機フィラーの含有量を7質量%に変更したこと、及び圧着させる際の溶融状態の条件を240℃、0.5秒に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
[実施例4]
発泡剤を0.4質量部としたこと、無機フィラーの含有量を20質量%に変更したこと、及び圧着させる際の条件を225℃、1.0秒に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
[比較例1]
第一の非発泡層(B)に無機フィラーを加えなかったこと、及び圧着させる際の条件を240℃、1.0秒に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
[比較例2]
押出量を100kg/時間にしたこと、非発泡層(B)に無機フィラーを56質量%となるように加えたこと、及び圧着させる際の条件を245℃、1.2秒に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
[比較例3]
押出量を100kg/時間、発泡剤を0.8質量部にし、冷却温度を約200℃にしたこと、及び圧着させる際の条件を、両端部の温度が230℃、押出直後から0.6秒以内に積層したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
[比較例4]
発泡剤を2.0質量部としたこと、第一の非発泡層(B)の樹脂としてBC6C(ブロックPP、日本ポリプロ社製)を使用したこと、無機フィラーの含有量30質量%に変更したこと、及び圧着させる際の条件を、両端部の温度が240℃、押出直後から2.4秒以内に積層したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
[比較例5]
無機フィラーの含有量を25質量%に変更したこと、圧着させる際の条件を、両端部の温度が195℃、押出直後から1.0秒以内に積層したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
[比較例6]
第一の非発泡層(B)を積層しなかったこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
[比較例7]
押出量を50kg/時間、発泡剤を2.0質量部にしたこと、圧着させる際の条件を、両端部の温度が240℃、押出直後から0.5秒以内に積層したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
[比較例8]
BC6Cを35質量部、無機フィラー70質量%含有のタルペット70P(日東粉化工業社製)を15質量部に変更し調製したこと、圧着させる際の条件を、両端部の温度が240℃、押出直後から0.5秒以内に積層したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
得られた積層発泡シートについて、発泡層の厚み、密度、独立気泡率、発泡層に含まれる樹脂の融点、非発泡層の厚み、坪量、非発泡層に含まれる樹脂の融点、積層発泡シート全体の厚み、坪量、密度、気泡(I)の割合、曲げ強度、静音性を測定した。さらに積層発泡シートの熱成形性について評価した。得られた結果を表1~3に示す。
なお、第一の非発泡層(B)を有しない比較例6の積層発泡シートについては、発泡シートの一方の面を第一の非発泡層(B)の表面とみなし、静音性を測定した。
<坪量>
発泡シート、第一の非発泡層シート、第二の非発泡層シート、又は積層発泡シートの幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定した。各切片の質量(g)の平均値を1m当たりの質量に換算した値を、坪量M(g/m)とした。
<厚み>
発泡シート、第一の非発泡層シート、第二の非発泡層シート、又は積層発泡シートの幅方向の両端20mmを除き、幅方向50mm間隔で21点を測定点とした。この測定点について、ダイヤルシックネスゲージSM-112(テクロック社製)を使用し、厚みを最小単位0.01mmまで測定した。この測定値の平均値を厚みT(mm)とした。
<密度>
厚みT(mm)と坪量M(g/m)とから、下記(2)式により密度ρ(kg/m)を求めた。
ρ=M/T ・・・(2)
<独立気泡率>
JIS K7138:2006「硬質発泡プラスチック‐連続気泡率及び独立気泡率の求め方」に記載の方法により、独立気泡率を測定した。
<融点>
JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載の方法により、融点を測定した。
<気泡(I)の割合>
以下の方法で気泡(I)の割合を算出した。
積層発泡シートを厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、50倍の倍率で切断面の写真撮影を行った。得られた写真において、発泡層と第一の非発泡層(B)との界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して20%となる深さまでの領域における気泡の長径及び短径を測定した。長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(I)とした。気泡(I)の数と、前記領域に含まれる全ての気泡の数とを数え、前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(I)の割合を算出した。
<曲げ強度>
幅50mm×長さ150mm×厚さ(各例の厚さ)の大きさに切り抜いた試験片を用いて、以下の条件にてMD方向及びTD方向の曲げ強度を測定した。
(試験条件)
測定装置:テンシロン万能試験機 RTG-1310(A&G社製)。
n数:3。
試験速度:50mm/分。
支点間距離:100mm。
先端治具:加圧くさび 5R。
支持台:2.5R。
得られた曲げ強度の相加平均した値を各々の方向の曲げ強度(MPa)とし、表3に示す。曲げ強度の値が大きいほど発泡板は剛直であり、強度に優れる。
<静音性>
幅50mm×長さ150mm×厚さ(各例の厚さ)の大きさに切り抜いた試験片の第一の非発泡層(B)側を上にして置き、垂直方向の一定の高さから1000gの重りを試験片の上に落とし、試験片から30cm離れた位置に設置した騒音測定機(ケニス株式会社製、デジタル騒音計 390)を用いて、重りが試験片に衝突したときに発生した音の大きさ(単位:dB)を測定した。
<熱成形性>
熱成形については単発成型機FVS-500型(脇坂エンジニアリング製)を使用して加熱温度295℃、加熱時間22sで口径155φの円筒型の発泡積層熱成形体を得た。このとき、表面が平滑で、容器強度が十分で剥がれ等もなく、熱成形性が良好である発泡積層熱成形体が得られる最大限の深さを求めた。
Figure 0007324725000001
Figure 0007324725000002
Figure 0007324725000003
本発明を適用した実施例1~4は、機械的強度、静音性、及び熱成形性において優れていた。
第一の非発泡層(B)が無機フィラーを含まない比較例1は、強度及び熱成形性に劣っていた。
第一の非発泡層(B)における無機フィラーの含有量が50質量%超である比較例2は、熱成形性に劣っていた。
発泡層の独立気泡率が70%未満であり、且つ気泡(I)の割合が40%未満である比較例3は、静音性及び熱成形性に劣っていた。
気泡(I)の割合が40%未満である比較例4は静音性に劣っていた。
気泡(I)の割合が40%未満である比較例5は静音性及び熱成形性に劣っていた。
非発泡層(B)が無く、且つ気泡(I)の割合が40%未満である比較例6は、強度及び静音性に劣っていた。
発泡層(A)の密度が50kg/m未満である比較例7は熱成形性に劣っていた。
発泡層(A)に無機フィラーを含み、且つ気泡(I)の割合が40%未満である比較例8は静音性及び熱成形性に劣っていた。
1・・・積層発泡シート
10・・・発泡層
11・・・積層発泡シート
20・・・第一の非発泡層(B)
21・・・発泡層と第一の非発泡層(B)との界面
22・・・発泡層と第一の非発泡層(B)との界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して20%となる深さに引いた線
30・・・第二の非発泡層(C)
31・・・発泡層と第二の非発泡層(C)との界面
32・・・発泡層と第二の非発泡層(C)との界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して20%となる深さに引いた線
2・・・車両のアンダーカバー

Claims (5)

  1. 樹脂(a)を含む発泡層(A)と、前記発泡層の少なくとも一方の面に位置し、樹脂(b)を含む第一の非発泡層(B)とを有する積層発泡シートであって、厚みが1.0~6.0mmであり、
    前記発泡層(A)は、JIS K7138:2006「硬質発泡プラスチック-連続気泡率及び独立気泡率の求め方」に記載の方法により測定される独立気泡率が70%以上99%以下であり、実質的に無機フィラーを含有せず、密度が50~1000kg/mであり、以下の方法で算出される気泡(I)の割合が40%以上75%以下であり、厚みが0.5~5.5mmであり、
    前記第一の非発泡層(B)は、前記第一の非発泡層(B)の総質量に対し、無機フィラーを5~40質量%含み、厚みが0.01~0.5mmであり、
    前記樹脂(a)は、前記樹脂(a)100質量%に対し、ポリプロピレン樹脂を80質量%以上100質量%以下で含み、前記樹脂(a)の230℃、0.23MPaにおけるメルトマスフローレート(MFR)は5.0g/10min以下であり、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載の方法により測定される前記樹脂(a)の融点は、150℃以上170℃以下であり、
    前記樹脂(b)はポリプロピレン系樹脂である、積層発泡シート。
    <気泡(I)の割合の算出方法>
    積層発泡シートを厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、50倍の倍率で切断面の写真撮影を行い、得られた写真において、前記発泡層(A)前記第一の非発泡層(B)との界面から、前記発泡層(A)の厚さ方向に、前記発泡層(A)の厚みに対して20%となる深さまでの領域における気泡の長径及び短径を測定し、長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(I)とし、気泡(I)の数と、前記領域に含まれる全ての気泡の数とを数え、前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(I)の割合を算出する。
  2. 前記第一の非発泡層(B)を構成する前記樹脂(b)の230℃、0.23MPaにおけるメルトマスフローレートが、前記発泡層(A)を構成する前記樹脂(a)の230℃、0.23MPaにおけるメルトマスフローレートよりも大きい、請求項1に記載の積層発泡シート。
  3. 請求項1又は2に記載の積層発泡シートを成形してなる成形体。
  4. 車両のアンダーカバーである、請求項3に記載の成形体。
  5. 請求項1又は2に記載の積層発泡シートの製造方法であって、
    前記発泡層(A)を構成する発泡シートの一方の面に、前記第一の非発泡層(B)を構成する前記樹脂(b)を200~240℃で押出してから2秒以内に圧着させる第一の積層工程を含む、積層発泡シートの製造方法。
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