JP7322671B2 - 重合性液晶組成物および液晶重合膜 - Google Patents
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式(1-1)および(1-2)中、R1はそれぞれ独立して、水素またはメチル基であり;
L1は、炭素数1から20のアルキレン基、または式(L1-1)もしくは式(L1-2)で表される二価基であり、このL1において、少なくとも1つの-CH2-は、-O-、-COO-、または-OCO-で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素は、水酸基または炭素数1から5のアルキル基で置き換えられてもよく;
L2は、単結合または炭素数1から20のアルキレン基であり、このL2において、少なくとも1つの-CH2-は-O-、-COO-、または-OCO-で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素は水酸基あるいは炭素数1から5のアルキル基で置き換えられてもてもよく;
式(L1-1)及び(L1-2)中、D1はそれぞれ、単結合、-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-または-SO2-である。
本発明において、「配向ムラ」とは、得られた基板つき液晶重合体をクロスニコル状態の偏光板の間に挟持し、バックライト上で目視観察した時に見えるムラのことである。
本発明において、「単官能化合物」とは、重合性官能基を1つ有する化合物である。
本発明において、「多官能化合物」とは、重合性官能基を複数有する化合物である。
本発明において、「液晶化合物」とは、純物質として液晶相を有する化合物及び純物質として液晶相を有さないが液晶組成物の成分となる化合物の総称である。本発明において、「重合性化合物」とは、重合性官能基を少なくとも1つ有する化合物である。
本発明において、「非液晶性重合性化合物」とは、純物質では液晶相を有さない化合物である重合性化合物である。
本発明において、「重合性液晶組成物溶液」とは、重合性液晶組成物と溶剤とを含む物を意味する。
本発明において、「液晶重合体」(liquid crystal polymer)とは、重合性液晶組成物を重合して得られた部分を意味する。
本発明において、「基板つき液晶重合体」とは、基板上の重合性液晶組成物を重合して得られる、基板を含む物を意味する。
本発明において、「偏光板」とは、特定方向の光の透過率を制御し、直線偏光を作成する素子であって、膜状または板状の物である。
本発明において、「ホメオトロピック配向」とは、プレチルト角が、85度から90度である配向状態を指す。
本発明において、「ツイスト配向」とは、液晶分子の長軸方向の配向方向が基板に対して平行ではあり、かつ、液晶分子が基板から離れるにしたがって、基板表面の垂線を軸として、階段状にねじれている配向状態をいう。
本発明の重合性液晶組成物は、少なくとも一つの重合性液晶化合物および少なくとも一種類のノニオン系帯電防止剤を含有する。
本発明の重合性液晶組成物は、ノニオン系帯電防止剤を含有する。ノニオン系帯電防止剤は、水に溶かしたときに電離してイオン化しない親水基を有する帯電防止剤である。ノニオン系帯電防止剤を含有する重合性液晶からなる液晶重合体をインセル位相差膜として用いる場合、液晶セル中へのイオン成分の溶出が抑制されるため好ましい。
例えば、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル及びエポキシエステルが挙げられる。
式(1-1)および(1-2)中、R1はそれぞれ独立して、水素またはメチル基であり;
L1は、炭素数1から20のアルキレン基、式(L1-1)または式(L1-2)で表される基あり、このL1において、少なくとも1つの-CH2-は-O-、-COO-、または-OCO-で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素は水酸基あるいは炭素数1から5のアルキル基で置き換えられてもよく;
式(L1-1)及び(L1-2)中、D1はそれぞれ、単結合、-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-または-SO2-であり;L2は、単結合または炭素数1から20のアルキレン基であり、このL2において、少なくとも1つの-CH2-は-O-、-COO-、または-OCO-で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素は水酸基あるいは炭素数1から5のアルキル基で置き換えられてもよい。
式(1-1-1)~式(1-1-3)中、M1は、水素、水酸基、少なくとも一つの水素が水酸基あるいは炭素数1から5のアルキル基で置き換えられてもよい、炭素数1から5のアルキル基であり;
R1は、それぞれ独立して水素またはメチル基である。
本発明の重合性液晶組成物は、重合性液晶化合物を1つ以上含有する。重合性液晶化合物としては、液晶相の温度範囲の広さ、および有機溶剤との相溶性、波長分散の制御のし易さの観点から、式(2)で表される化合物が好ましい。
式(2)中、A2は独立して、1,4-フェニレン、1,4-シクロヘキシレン、ナフタレン-2,6-ジイルまたはピペラジン-1,4-ジイルであり、これらにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基、炭素数1~10のアルカノイル基、炭素数1~10のアルカノイルオキシ基、または重合性官能基を有する1価基で置き換えられてもよい。
Z2は独立して、単結合、-CH2CH2-、-COO-、-OCO-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH2CH2O-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-OCOCH2CH2-、-CH2CH2OCO-、または-COOCH2CH2-である。液晶重合膜の高温環境下における位相差機能の悪化の抑制の観点から、少なくとも1つが、-CH2CH2COO-または-OCOCH2CH2-であることが好ましい。
aおよびbは独立して、0から3の整数であり、かつaおよびbの和は、2から6である。
Y2は独立して、単結合、-O-、-COO-、-OCO-、または-OCOO-である。
Q2は独立して、単結合または炭素数1から20のアルキレン基であり、このQ2において、少なくとも1つの-CH2-は-O-、-COO-、または-OCO-で置き換えられてもよい。
PGはアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。
Gは1,4-フェニレン、1,4-シクロヘキシレン、フルオレン―2,-7-ジイルまたは式(G-1)~式(G-4)で表される基である。この1,4-フェニレン、1,4-シクロヘキシレン、およびフルオレン―2,-7-ジイルにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基、炭素数1~10のアルカノイル基、炭素数1~10のアルカノイルオキシ基、または重合性官能基を有する1価基で置き換えられてもよい。
式(G-1)~式(G-4)中、X1は独立して-CH2-、-NH-、-O-、-S-、または-CO-であり、この-CH2-または-NH-において、少なくとも1つの水素は炭素数1~5のアルキル基で置き換えられてもよく、X2は独立して-CH=または-N=であり、Z3は独立して単結合、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-NR6-、-C(CH3)=N-NR6-または-CH=N-N=CH-であり、ここで、R6は独立して水素、炭素数1~10のアルキル基または重合性官能基を有する1価基であり、T1、T4およびT5はそれぞれπ電子の数が6~14である1価基であり、T2、T3およびT6はそれぞれ独立して、水素、トリフルオロメチル基、シアノ基、炭素数1~5のアルキル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルコキシカルボニル基、炭素数1~5のアルカノイル基、炭素数1~5のアルカノイルオキシ基、炭素数1~5のアルキルスルフィド基、または重合性官能基を有する1価基であり、T2とT3は酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含む5~7員環の複素環または環状ケトンを形成してもよい。
重合性液晶組成物への界面活性剤の添加は、濡れ性を向上させ、ハジキを抑制する。
液晶重合体が均一な配向になりやすいため、および、重合性液晶組成物の濡れ性が向上するため、重合性液晶組成物中の界面活性剤は、重合性液晶組成物全量に対して0.001~0.5重量%が好ましく、0.01~0.2重量%がより好ましい。
界面活性剤として、イオン性界面活性剤、並びに、シリコーン系ノニオン性界面活性剤、フッ素系ノニオン性界面活性剤、ビニル系ノニオン性界面活性剤およびそのほかのノニオン界面活性剤がある。
本発明の重合性液晶組成物溶液は、光重合開始剤を1つ以上含有してもよい。
光重合開始剤の添加は、重合性液晶組成物の重合速度を最適化する。硬化プロセスの容易さから、重合開始剤は光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤は光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤および光アニオン重合開始剤に分類される。
重合反応速度を促進するため、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する重合性液晶化合物は、光ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。重合反応速度を促進するため、エポキシ基またはオキセタニル基を有する重合性液晶化合物は、光カチオン重合開始剤または光アニオン重合開始剤を用いることが好ましい。
該連鎖移動剤の量の増加により、重合性液晶化合物の反応率は低下する。該連鎖移動剤の量の増加により、該重合体の鎖の長さは減少する。
トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンなどが、多官能チオール誘導体である。
2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、2,4-ジフェニル-1-ブテンなどが、スチレンダイマー系連鎖移動剤である。
本発明の重合性液晶組成物に1種類以上の添加物をさらに添加してもよい。
トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンなどが、多官能チオール誘導体である。
2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、2,4-ジフェニル-1-ブテンなどが、スチレンダイマー系連鎖移動剤である。
該重合阻害剤として、(1)フェノール系酸化防止剤、(2)イオウ系酸化防止剤、(3)リン酸系酸化防止剤、(4)アミン系酸化防止剤などが挙げられる。重合性液晶組成物との相溶性や液晶重合体の透明性の観点から、フェノール系酸化防止剤が好ましい。相溶性の観点からフェノール系酸化防止剤としては、水酸基のオルト位にt-ブチル基を有する化合物が好ましい。
重合性液晶組成物への光安定剤の添加は、重合性液晶組成物の耐候性を向上させる。
重合性液晶組成物への酸化防止剤の添加は、重合性液晶組成物の耐候性を向上させる。
重合性液晶組成物へのシランカップリング剤の添加は、基板と液晶重合膜との間の密着性を改善する。
塗布を容易にするため、重合性液晶組成物と溶剤とを含む重合性液晶組成物溶液することが好ましい。溶剤の成分として、エステル、アミド系化合物、アルコール、エーテル、グリコールモノアルキルエーテル、芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、ケトン、アセテート系溶剤などが挙げられる。
ガラス、プラスチック、金属などが、基板の材質である。該ガラスや該金属は表面にスリット状の加工を施してもよい。該プラスチックは、延伸処理並びに親水化処理および疎水化処理などの表面処理を施してもよい。
基板上にホモジニアス配向およびチルト配向の液晶重合膜を形成する場合は、重合性液晶組成物を基板に塗布する前に、基板に対し、表面処理を行い、液晶重合膜の配向を誘導する。該表面処理としてはラビング処理や直線偏光紫外線照射などの方法がある。
(1)配向剤の溶液を基板に塗布し、
(2)得られた塗膜を有する基板に対して、熱処理し、
(3)レーヨン、綿、ポリアミドなどの素材からなるラビング布を金属ロールなどに捲き付け、
(4)基板に該ロールを接し、
(5)該ロールを回転させながら基板表面と平行に該ロールを移動させる、または該ロールを固定したまま基板を移動させる。
該配向剤はポリイミド、ポリアミック酸またはポリビニルアルコールを含む溶液が挙げられる。
(1)配向剤の溶液を基板に塗布し、
(2)得られた塗膜を有する基板に対して、熱処理し、
(3)基板上の塗膜に、波長250~400nmの直線偏光を照射し、
(4)必要な場合は、加熱処理を施す。
該配向剤は感光性基を有するポリイミド、ポリアミック酸、シクロオレフィンポリマーまたはポリアクリレートなどを含む溶液が用いられる。該感光性基は、カルコン基、シンナメート基、シンナモイル基、スチルベン基、シクロブタン基、またはアゾベンゼン基などが挙げられる。
本発明の液晶重合膜は、以下の工程などで作製される。
(I)重合性液晶組成物溶液を、基板上に塗布し、
(II)基板上の重合性液晶組成物溶液から、溶媒を除き、基板上に重合性液晶組成物の塗膜を得、
(III)基板上の重合性液晶組成物を配向させた状態で、光、熱、触媒などの手段で重合させて、液晶重合膜を作製する。
(1)基板上に作成された液晶重合膜と、粘接着剤層を有する基板とを、該液晶重合膜と該粘接着剤層とが接するように張り合わせ、
(2)該液晶重合膜と該粘接着剤層とが接するように張り合わせた物を、初期に作成された基板部分と液晶重合膜との間で剥離させ、
(3)粘接着剤層を有する基板上に液晶重合膜を定着させる。
ヨウ素または二色性色素をドープした吸収型の偏光板、ワイヤーグリッド偏光板等の反射型偏光板などが、偏光板である。
得られた配向方向のムラ評価用液晶重合膜つき基板の液晶配向方向が、クロスニコルになる偏光板の偏光方向に対して45°になるように挟み、バックライト上で目視観察し、ムラの発生有無を確認した。完全にムラを確認できれば×、わずかにムラが発生していたら○、完全にムラが無ければ◎とした。次に、シンテック(株)製のOPTIPRO-micro偏光解析装置を用い、配向方向のムラ評価用液晶重合膜つき基板の液晶配向方向に対して45°の角度で基板の対角線上の遅相軸配向角を測定した。基板の面内二箇所(LとR)の配向角のズレが生じた場合、ムラが発生しており、二箇所とも同じ配向角であればムラが発生していない。
得られた液晶重合膜を偏光顕微鏡で暗視野状態にして観察し、光抜け(微細な光の透過)による配向欠陥が全くないのを良、一部に欠陥が見られるのを不良とした。
(1)得られた液晶重合膜に、接触角計PCA-1の液滴法にて、針ゲージ22G(内径0.4mm)を用いて純水を2.0μl滴下し、
(2)1000ms後の接触角をθ/2法を用いて算出した。
(3)算出した接触角が80°未満なら良、80°以上なら不良とした。
接触角が小さいほうが積層の際の濡れ性が良く、好ましい。
実施例において、「Irganox 1076」は、BASFジャパン(株)の酸化防止剤、イルガノックス(商標)1076である。
実施例において、「NCI-930」、(株)ADEKAの光重合開始剤、アデカアークルズ(商標)NCI-930である。
実施例において、「DS-21」は、DIC(株)のフッ素系界面活性剤、メガファック(商標)DS-21である。
実施例において、「F-556」は、DIC(株)のフッ素系界面活性剤、メガファック(商標)F-556である。
実施例において、「TEGOFlow370」は、巴工業(株)のアクリル系界面活性剤、TEGO(商標)Flow370である。
実施例において、「PGL XPW」は、ダイセル・オルネクス(株)製のポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステルのノニオン系帯電防止剤である。分子量は約2,980である。
実施例において、「PGL 20PW」は、ダイセル・オルネクス(株)製のポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステルのノニオン系帯電防止剤である。分子量は約1,500である。
実施例において、「PGL 10PSW」は、ダイセル・オルネクス(株)製のポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステルのノニオン系帯電防止剤である。分子量は約760である。
実施例において、「PGL 03P」は、ダイセル・オルネクス(株)製のポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステルのノニオン系帯電防止剤である。分子量は約240である。
実施例において、「ライトエステルID」は、共栄社化学(株)製で、式(C-1)で示されるイソデシルメタクリレート化合物である。分子量は約230である。
実施例において、「EB3703」はダイセル・オルネクス(株)製で、EBECRYL(商標)3703である。アミン変性ビスフェノールAタイプのエポキシアクリレート化合物である。分子量は約850である。
実施例において、「MT3547」は、東亞合成(株)の非液晶性重合化合物で、アロニックス(商標)MT-3547である。式(C-2)で示される3官能アクリレート化合物である。分子量は約250である。
実施例において、「M402」は東亞合成(株)の非液晶性重合化合物で、アロニックス(商標)M-402である。式(C-3)で示される、多官能アクリレート化合物である。分子量は約580である。
分子量は、(1-1-1-2)は約350、(1-1-2-1)は約350、(1-1-2-1)は約350、(1-1-3-1)は約480、(1-2-1-1)は約210である。
実施例において、超高圧水銀灯は、ウシオ電機社製のマルチライトUSH-250BYである。
本発明の実施例において、紫外線照度計は、ウシオ電機社製のUIT-150-Aである。
本発明の実施例において、365nm付近の波長の照度を計測するための受光器は、ウシオ電機社製のUVD-S365である。
ポリアミック酸溶液PLA-6500を、ガラス基板にスピンコートした。
(1)で作製した光配向剤を、光配向剤がスピンコートされていないガラス面がホットプレートに接するように、60℃のホットプレート上に1分間置き、光配向剤に含まれる溶媒を除去することで、ガラス基板上に塗膜を作製した。
(2)で得られた塗膜に、室温で、塗膜表面に対して90°の方向から、波長365nmの直線偏光を2J/cm2のエネルギーで照射した。
その後、230℃に設定したオーブン中で30分間焼成し、膜厚100nmの光配向処理を施された基板を得た。
ここで、PLA-6500は、JNC(株)製の、光配向処理用桂皮酸エステルポリマーである。当該光配向処理は、ホモジニアス配向モードを誘導するものである。
液晶重合膜を、以下の手順で作製した:
(1)重合性液晶組成物溶液を、配向処理を施された基板上にスピンコートトし、塗膜を作製した。
(2)60℃で3分間、ホットプレートにより加熱し、該塗膜から溶剤を除去した。
(3)続けて、配向処理を施された面上の手順(2)を経た塗膜に対し、90°の方向から、室温で、一定出力の、紫外線を照射し、液晶重合体の層を作製した。ここで、紫外線照射は、365受光器を用いて、配向処理を施された面上の塗膜の表面に対する、直線紫外線の露光量が500mJ/cm2になるように、照射時間を5秒から40秒の間で調整した。
配向方向のムラ評価用液晶重合膜を、以下の手順で作製した:
(1)重合性液晶組成物溶液を、配向処理を施された基板上にスピンコートトし、塗膜を作製した。
(2)60℃で3分間、ホットプレートにより加熱し、該塗膜から溶剤を除去した。
(3)当該ガラス基板の塗膜の裏面の半分を金属の棒で15秒間擦りつけた。
(4)続けて、配向処理を施された面上の手順(2)を経た塗膜に対し、90°の方向から、室温で、一定出力の、紫外線を照射し、液晶重合体の層を作製した。ここで、紫外線照射は、365受光器を用いて、配向処理を施された面上の塗膜の表面に対する、直線紫外線の露光量が500mJ/cm2になるように、照射時間を5秒から40秒の間で調整した。
[実施例1から12]
ノニオン系帯電防止剤を含有する重合性液晶組成物溶液[(E-1)から(E-12)]を以下の手順で作製した。
(1)表1、2に記載の通り、重合性液晶化合物を混合し、混合物を得た。
(2)当該混合物に、表1、2に記載の通りの、界面活性剤、ノニオン系帯電防止剤、8重量部の光重合開始剤NCI-930を加え、さらに、0.1重量部の酸化防止剤Irganox 1076を加えて、重合性液晶組成物を得た。
(3)得られた重合性液晶組成物25重量部に対して、溶剤シクロペンタノン75重量部加えて、重合性液晶組成物溶液を調製し、表1、2に記載の名称を名づけた。
ノニオン系帯電防止剤を含有しない重合性液晶組成物溶液[(F-1)から(F-13)]を以下の手順で調製した。
(1)表3および4に記載の通り、重合性液晶化合物を混合し、混合物を得た。
(2)当該混合物に、表3および4に記載の通りの、界面活性剤、その他添加剤、8重量部の光重合開始剤NCI-930を加え、さらに、0.1重量部の酸化防止剤Irganox 1076を加えて、重合性液晶組成物を得た。
(3)得られた重合性液晶組成物25重量部に対して、溶剤シクロペンタノン75重量部加えて、重合性液晶組成物溶液を調製し、表4および5に記載の名称を名づけた。なお、重合性液晶組成物溶液(F-13)においては、成分が溶剤に均一に溶解しなかった。重合性液晶化合物と加えたノニオン系帯電防止剤の相溶性が悪いためと推察される。
ノニオン系帯電防止剤を含有する重合性液晶組成物溶液を用いて液晶重合膜付き基板を作製し、配向方向のムラ、配向欠陥および純水接触角を評価した。
重合性液晶溶液[(E-1)から(E-12)]を用いて、上記に記載の方法で液晶重合膜付き基板を作成し、表5に記載の名称を名づけた。
液晶重合膜付き基板[(RFE-1)から(RFE-12)]を、偏光解析装置を用いて上記に記載の方法に従って配向方向のムラ評価を行った。表5に結果を記載した。
液晶重合膜液晶重合膜付き基板[(RFE-1)から(RFE-12)]を、偏光顕微鏡で観察し上記の方法に従って配向欠陥を評価した。表5に結果を記載した。
液晶重合膜付き基板[(RFE-1)から(RFE-12)]を、200℃のオーブンで30分間焼成した。焼成後の液晶重合膜付き基板を、上記に記載の純水接触角評価方法に従って接触角を測定した。表5に結果を記載した。
ノニオン系帯電防止剤を含有しない重合性液晶組成物溶液を用いて、実施例13同様に液晶重合膜付き基板を作製し、配向方向のムラ、配向欠陥および純水接触角を評価した。液晶重合膜付き基板の名称と評価結果を表6に記載した。
Claims (9)
- ノニオン系帯電防止剤と界面活性剤と重合性液晶化合物とを含有する重合性液晶組成物であって、
前記ノニオン系帯電防止剤が、下記式(1-1)または(1-2)で表される化合物であり、
式(1-1)および(1-2)中、R1はそれぞれ独立して、水素またはメチル基であり;
L1は、炭素数1から20のアルキレン基、または式(L1-1)もしくは式(L1-2)で表される二価基であり、この炭素数1から20のアルキレン基において、少なくとも1つの-CH2-は-O-、-COO-、または-OCO-で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素は、水酸基または炭素数1から5のアルキル基で置き換えられても良く;
L2は、単結合または炭素数1から20のアルキレン基であり、このL2において、少なくとも1つの-CH2-は-O-、-COO-、または-OCO-で置き換えられてもよく、少なくとも一つの水素は、水酸基または炭素数1から5のアルキル基で置き換えられてもよく;
式(L1-1)および(L1-2)中、D1はそれぞれ、単結合、-CH2-、-C(CH3)2-、-C(CF3)2-または-SO2-であり、
前記重合性液晶化合物が、下記式(2)で表される化合物であり、
式(2)中、A2は独立して、1,4-フェニレン、1,4-シクロヘキシレン、ナフタレン-2,6-ジイルまたはピペラジン-1,4-ジイルであり、これらにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基、炭素数1~10のアルカノイル基、炭素数1~10のアルカノイルオキシ基、またはラジカル重合性官能基を有する1価基で置き換えられてもよく;
Z2は独立して、単結合、-CH2CH2-、-COO-、-OCO-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH2CH2O-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-OCOCH2CH2-、-CH2CH2OCO-、または-COOCH2CH2-であり;
aおよびbは独立して、0から3の整数であり、かつaおよびbの和は、2から6であり;
Y2は独立して、単結合、-O-、-COO-、-OCO-、または-OCOO-であり;
Q2は独立して、単結合または炭素数1から20のアルキレン基であり、このQ2において、少なくとも1つの-CH2-は-O-、-COO-、または-OCO-で置き換えられてもよく;
PGはアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であり;
Gは1,4-フェニレン、1,4-シクロヘキシレン、フルオレン-2,7-ジイルまたは式(G-1)~式(G-4)で表される基であり、この1,4-フェニレン、1,4-シクロヘキシレン、およびフルオレン-2,7-ジイルにおいて、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基、炭素数1~10のアルカノイル基、炭素数1~10のアルカノイルオキシ基、またはラジカル重合性官能基を有する1価基で置き換えられてもよく;
式(G-1)~式(G-4)中、X1は独立して-CH2-、-NH-、-O-、-S-、または-CO-であり、この-CH2-または-NH-において、少なくとも1つの水素は炭素数1~5のアルキルで置き換えられてもよく、X2は独立して-CH=または-N=であり、Z3は独立して単結合、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=N-、-N=CH-、-CH=N-NR6-、-C(CH3)=N-NR6-または-CH=N-N=CH-であり、ここで、R6は独立して水素、炭素数1~10のアルキル基またはラジカル重合性官能基を有する1価基であり、T1、T4およびT5はそれぞれπ電子の数が6~14である1価基であり、T2、T3およびT6はそれぞれ独立して、水素、トリフルオロメチル基、シアノ基、炭素数1~5のアルキル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルコキシカルボニル基、炭素数1~5のアルカノイル基、炭素数1~5のアルカノイルオキシ基、炭素数1~5のアルキルスルフィド基、またはラジカル重合性官能基を有する1価基であり、T2とT3は酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含む5~7員環の複素環または環状ケトンを形成しても良い、
重合性液晶組成物。 - 上記ノニオン系帯電防止剤が、その分子量が2000以下である、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
- 上記ノニオン系帯電防止剤の含有量が、上記重合性液晶化合物の全量に対して、0.01~15重量%である、請求項1または2に記載の重合性液晶組成物。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物を重合して得られる液晶重合体。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物をホモジニアス配向モードで重合して得られる液晶重合体。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物により得られる、位相差膜。
- 請求項6に記載の位相差膜を含んだ、偏光板。
- 請求項6に記載の位相差膜を含んだ、カラーフィルタ。
- 請求項6に記載の位相差膜を含んだ、表示素子。
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