JP7319412B2 - ガラス基板製造装置、およびガラス基板の製造方法 - Google Patents

ガラス基板製造装置、およびガラス基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、周状の壁部を有し、熔融ガラスを処理する管部材を備えるガラス基板製造装置、およびガラス基板の製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイに用いられるガラス基板は、ガラス原料を熔解してつくった熔融ガラスに、移送、清澄、均質化等の処理を行った後、板状に成形する工程を経て製造される。
熔融ガラスを処理するために、管部材が用いられている。管部材は、軸方向に延びる周状の壁部を有しており、壁部の内側に熔融ガラスを流しながら処理する。このような管部材として、例えば、熔融ガラスの清澄を行う清澄管がある。清澄管は、熔融ガラスを高温にして清澄を行うために、白金族金属を含む耐熱性の高い金属材料から構成されている。清澄管の周りには、清澄管の周状の壁部を囲むように、耐火レンガが配置されており、清澄管を支持する。清澄管と耐火レンガとの間の隙間には、操業中の清澄管の変形を抑え、管の壁面からの白金族金属成分の揮発を抑えるために、アルミナセメント等のキャスタブル耐火物により形成された保護層が設けられている(特許文献1)。
特開2014-84253号公報
清澄管をしっかりと支持し、清澄管の変形を抑制する観点からは、清澄管と支持体の間の隙間を小さくし、保護層の厚さを薄くすることが好ましい。しかし、隙間が小さいと、施工時に、清澄管と耐火レンガとの間にキャスタブル耐火物を充填し難く、保護層に気泡等の空隙が残りやすいという問題がある。保護層に含まれる空隙が多いと、操業中に、清澄管の変形や白金族金属成分の揮発を抑制する効果が十分に得られない。また、保護層中の空隙の量は、充填作業の要領や、作業者の技量によってばらつきが生じやすい。清澄管と耐火レンガとの隙間が小さいと、そのようなばらつきは顕著に発生する。このように、清澄管を支持することと、空隙の少ない保護層を形成することの両立は困難であった。
そこで、本発明は、耐火物支持体によって管部材を支持しつつ、管部材と支持体との間に空隙の少ない保護層を形成することが可能なガラス基板製造装置、およびガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ガラス基板製造装置である。
ガラス基板製造装置は、
白金族金属を含む材料からなる管部材であって、周状の壁部を有し、前記壁部の内側において熔融ガラスを処理する管部材と、
前記壁部を囲むよう配置され、前記壁部を支持する耐火物支持体と、
前記壁部と前記耐火物支持体との間の隙間に、前記壁部及び前記耐火物支持体に接するように形成された耐火性保護層と、を備え、
前記壁部は、周上の一部の領域に位置する第1の壁部領域と、前記第1の壁部領域より下方に位置する第2の壁部領域と、を有し、
前記第2の壁部領域と前記支持体との間の第2の隙間S2の大きさは、前記第1の壁部領域と前記支持体との間の第1の隙間S1の大きさの1.1倍以上である、ことを特徴とする。
前記第2の隙間S2の大きさは、前記第1の隙間S1の大きさの10倍以下である、ことが好ましい。
前記壁部の外周面は、前記管部材の軸方向と直交する断面において円形状であり、
前記外周面と対向する前記支持体の内周面のうち、前記壁部領域と対向する前記支持体の内周領域はそれぞれ、前記断面において円弧形状であり、
前記第2の壁部領域と対向する前記支持体の第2の内周領域は、前記断面において、前記第1の壁部領域と対向する前記支持体の第1の内周領域より大きな曲率半径を有している、ことが好ましい。
前記第1の壁部領域及び前記第2の壁部領域は、前記管部材の軸方向と直交する断面において、前記管部材の中心軸を境とした上側及び下側の領域である、ことが好ましい。
本発明の別の一態様は、ガラス基板の製造方法である。
ガラス基板の製造方法は、
白金族金属を含む材料からなり、周状の壁部を有する管部材に熔融ガラスを流しながら処理する処理工程と、
前記処理工程の前に行う準備工程と、を備え、
前記準備工程は、
前記壁部を囲むよう耐火物支持体を配置する配置工程と、前記壁部と前記耐火物支持体との間の隙間に、前記壁部及び前記耐火物支持体に接するように不定形耐火物を充填する充填工程と、を含む施工工程と、
前記施工工程の後、前記管部材を昇温する昇温工程と、を含み、
前記壁部は、周上の一部の領域に位置する第1の壁部領域と、前記第1の壁部領域より下方に位置する第2の壁部領域と、を有し、
前記第2の壁部領域と前記支持体との間の第2の隙間S2の大きさは、前記第1の壁部領域と前記支持体との間の第1の隙間S1の大きさの1.1倍以上である、ことを特徴とする。
上述の態様のガラス基板製造装置及びガラス基板の製造方法によれば、耐火物支持体によって管部材を支持する一方で、管部材と支持体との間に空隙の少ない保護層を形成することが可能である。
ガラス基板製造装置の概略構成を示す図である。 ガラス基板の製造方法の概略構成を示す図である。 清澄管、耐火物保護層、及び耐火物支持体の層構造の一例を示す断面図である。 (a)及び(b)は施工工程を説明する図である。
以下、本実施形態のガラス基板の製造方法およびガラス基板製造装置について説明する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法のうち操業中の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、準備工程、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、成形工程(ST4)、徐冷工程(ST5)、および、切断工程(ST6)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有していてもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
準備工程は、ガラス基板製造装置の運転(操業)前に行う工程である。操業中、熔解工程(ST1)~切断工程(ST6)の一連の工程が行われる。準備工程については後述する。
熔解工程(ST1)では、ガラス原料を加熱することにより熔融ガラスを作る。この熔融ガラスは、通常、CO、SO、O、あるいはNなどを含んだ泡を包含する。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスを昇温することにより、熔融ガラス中に含まれる清澄剤(酸化スズ等)の還元反応により酸素等のガスが生成される。熔融ガラス中の泡は、生成したガスを吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を降温することにより、清澄剤の還元反応により生成した還元物質の酸化反応を促進させる。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガスが熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。
均質化工程(ST3)では、スターラを用いて熔融ガラスを撹拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。均質化工程は、後述する撹拌槽において行われる。均質化された熔融ガラスは成形装置に供給される。
成形工程(ST4)及び徐冷工程(ST5)は、成形装置で行われる。
成形工程(ST4)では、熔融ガラスを所定の厚さの帯状ガラスであるシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、フロート法やフュージョン法(オーバーフローダウンドロー法)等が用いられる。
徐冷工程(ST5)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST6)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。シートガラスを、所定の長さの素板に切断することを採板ともいう。採板により得られたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
(ガラス基板製造装置の全体概要)
図2は、熔解工程(ST1)~切断工程(ST6)を行うガラス基板製造装置の概略図である。ガラス基板製造装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄管102と、撹拌槽103と、移送管104,105と、ガラス供給管106と、を有する。
図2に示す熔解槽101には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽101には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスは、移送管104を介して清澄管102に供給される。
清澄管102では、熔融ガラスMGを流しながら、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程(ST2)が行われる。清澄管102には、熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるよう、熔融ガラスMGが供給される。具体的には、清澄管102内の熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれるCO、SO、O、あるいはNなどを含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じた酸素等のガスを吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して気相空間に放出される。その後、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により生成した還元物質が酸化反応を行う。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガスが熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して撹拌槽103に供給される。
撹拌槽103では、スターラ103aによって熔融ガラスが撹拌されて均質化工程(ST3)が行われる。撹拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置200に供給される。
成形装置200では、例えばオーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスSGが成形され(成形工程ST4)、徐冷される(徐冷工程ST5)。
切断装置300では、シートガラスSGから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST6)。
本実施形態において、ガラス基板製造装置の上記構成要素のうち、清澄管102、移送管104,105、ガラス供給管106は、管部材に相当する。以下の説明では、代表して清澄管102を例に管部材を説明する。
(清澄管、耐火物保護層、及び耐火物支持体)
図3は、清澄管102、耐火物保護層、及び耐火物支持体の層構造を示す、清澄管102の軸方向と直交する方向の断面図である。
ガラス基板製造装置は、清澄管102に加え、耐火物保護層113と、耐火物支持体114とを、を有している。清澄管102、耐火物保護層113、耐火物支持体114は、図3に示すように、順次内周側から外周側に配置された積層構造を有する。
清澄管102は、白金族金属を含む材料で構成された管状の部材である。白金族金属とは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の6元素を指す。白金族金属を含む材料の例として、白金族金属のうちの単一の金属または2種以上の金属の合金からなる材料が挙げられ、例えば、白金または白金合金が用いられる。
清澄管102は、清澄管102の軸方向に延びる周状(筒状)の周状壁部112を有している。熔融ガラスは、周状壁部112の内側において清澄される。図3に示す例の清澄管102は、軸方向と直交する断面(以降、単に断面ともいう)において円形状の外周を有している。清澄管102の外周の断面形状は、円形状に制限されず、楕円形等の扁平な形状等であってもよい。清澄管102の軸方向は、清澄管102の長手方向と一致している。
清澄管102には、周状壁部112から外周側に延びるよう接続された一対のフランジ(不図示)と、通気管(図1参照)とが設けられている。フランジは、図示されない電源装置と接続されており、フランジの間に電圧が印加されることで、フランジの間の周状壁部112の部分に電流を流し、清澄管102を加熱する。この通電加熱により、清澄管102は例えば、1650℃~1700℃程度に加熱され、熔融ガラスMGは、脱泡に適した温度、例えば、1600℃~1700℃程度に加熱される。通気管は、気相空間と清澄管102の外部空間とを連通する管である。通気管は、熔融ガラスMGから気相空間に放出された酸素、CO2、SO2等の気体を外部空間に排出する機能を有している。
耐火物支持体114は、清澄管102の周状壁部112の外周面との間に隙間をあけて、周状壁部112を周りから囲むよう配置され、周状壁部112を支持する構造体である。耐火物支持体114は、周状壁部112を支持するほか、清澄管102を保温し、さらには外部から加わる可能性がある物理的な力から清澄管102を保護する役割を担う。耐火物支持体110は、耐火レンガから構成される。耐火レンガには、例えば、アルミナ、AZS(Alumina-Zirconia-Silica)、又はジルコニアを含む材料からなる電鋳レンガが用いられる。耐火物支持体114は、周状壁部112の外周面と対向する内周面を有している。
周状壁部112の外周面と対向する耐火レンガの表面は、図3に示すように、断面において、清澄管102の円形状と同心円の円弧に沿った円弧形状を有している。円弧形状は、清澄管102の外周をなす円と同心円の円弧を持つ形状であることが好ましい。本明細書では、慣用に従って、耐火レンガにより構成された支持体を「耐火レンガ」と簡略化して記載するが、耐火レンガは、多くの場合、複数の耐火レンガ(耐火物により構成されたレンガ個体)を所定形状に積み重ねて構成され、多くの場合はその間に耐火モルタル等の耐火充填材を塗布し固定された、複数のレンガから構成された支持体である。図3に示す例の耐火レンガでは、積み重ねた複数のレンガのうち、周状壁部112の壁面と対向する部分に位置するレンガが、上記円弧形状を有するように形成されている。
耐火物保護層113は、周状壁部112と耐火物支持体114との間の隙間に、周状壁部112及び耐火物支持体114に接するように形成された層である。耐火物保護層113は、周状壁部112と耐火物支持体114との間において、周状壁部112を確実に支持し、清澄管102の変形を抑制する役割を担う。また、耐火物保護層113は、周状壁部112を構成する白金族金属がPtO等の金属酸化物となって揮発し、周状壁部112が薄肉化することを抑制する役割を担う。
一実施形態によれば、1300~1700℃の温度範囲における耐火物保護層113の熱膨脹係数の平均値は、1300~1700℃の温度範囲における周状壁部112の熱膨脹係数の平均値の好ましくは0.1~10倍の範囲内にあり、より好ましくは0.5~5倍の範囲内にある。耐火物保護層113と周状壁部112の熱膨張係数が上記関係を満たすことにより、清澄管102の昇温に伴う周状壁部112の熱膨張量と耐火物保護層113の収縮量との差に起因して耐火物保護層113に亀裂が発生することを抑え、耐火物保護層113内の空隙を低減する効果が確保される。
耐火物保護層113には、不定形耐火物が用いられる。不定形耐火物の種類は特に制約は設けないが、その使用条件から、最高使用温度1600℃以上、圧縮強度200kgf/cm以上で、緻密で、ガス透過性が小さいものが望ましい。例えば、アルミナセメントを配合したキャスタブル耐火物が適している。
本実施形態では、周状壁部112は、周状壁部112の周上の一部の領域に位置する第1の壁部領域112aと、第1の壁部領域112aより下方に位置する第2の壁部領域112bと、を有している。そして、第2の壁部領域112bと耐火物支持体114との間の第2の隙間S2は、第1の壁部領域112aと耐火物支持体114との間の第1の隙間S1より広い。本発明者の検討によれば、周状壁部に面する領域のうち下方に位置する領域では、上方に位置する領域と比べ、耐火物保護層113内の空隙が多くなりやすいことがわかった。そして、隙間S2を隙間S1より大きくすることにより、上記下方に位置する領域における耐火物保護層113内の空隙を低減できることが確認された。本実施形態では、隙間S1に形成された薄い耐火物保護層113を介して耐火物支持体114により清澄管102を確実に支持できるとともに、隙間S2に形成された厚い、空隙の少ない耐火物保護層113によって、操業中の清澄管102の変形や白金族金属の成分の揮発を抑制する効果が向上している。
なお、操業のために管部材を昇温すると、管部材は熱膨張して外径が大きくなる一方で、耐火物保護層113となる不定形耐火物は収縮して厚みが薄くなる。本明細書において、隙間S1,S2の大きさの関係は、少なくとも、操業のために管部材を昇温する前の時点、例えば管部材が25℃である時点における関係を意味するが、隙間S1,S2の間の上述した大小関係は昇温によって変化しない。
第2の隙間S2の大きさは、第1の隙間S1の大きさの10倍以下であることが好ましい。第2の隙間S2の大きさが第1の隙間S1の大きさの10倍を超えると、第2の隙間S2における耐火物保護層113の厚みが第1の隙間S1における耐火物保護層113の厚みに対して大きすぎ、清澄管102の昇温に伴って収縮したときに両者の間で亀裂が発生し、周状壁部112を保護し、白金族金属の成分の揮発を抑制する効果が損なわれる場合がある。また、昇温に伴う、清澄管102の拡径するような膨張を抑制することができず、清澄管102が変形し、清澄管102の強度が低下する、あるいは清澄管102が破損する場合がある。一方、第2の隙間S2の大きさは、第1の隙間S1の大きさの1.1倍以上であることが好ましい。第2の隙間S2の大きさが第1の隙間S1の大きさの1.1倍未満であると、耐火物保護層113内の空隙を少なくする効果が低減する。好ましくは、第2の隙間S2の大きさは、第1の隙間S1の大きさの1.5~5倍であり、より好ましくは1.8~2.4倍である。
清澄管102の管径(周状壁部112の断面における直径)が、例えば200~400mmである場合、第1の隙間S1は、例えば、3~10mmであり、第2の隙間S2は、例えば、6~20mmである。このような寸法例を満たす場合に、耐火物保護層113内の空隙を低減できる上記効果が大きくなることが確認されている。
第2の壁部領域112bと対向する耐火物支持体114の第2の内周領域114bは、断面において、図3に示す例のように、第1の壁部領域112aと対向する耐火物支持体114の第1の内周領域114aの曲率半径R1より大きな曲率半径R2を有していることが好ましい。曲率半径R1,R2に関して上記関係を満たすことにより、隙間S1,S2の上述した関係を得やすくなる。好ましくは、R2は、R1の101~130%の大きさである。
図3に示す例のように、第1の壁部領域112a及び第2の壁部領域112bは、断面において、清澄管102の中心軸を境とした上側及び下側の領域であることが好ましい。清澄管102の中心軸は、周状壁部112の外周円の中心を通る線である。壁部領域112a,112bをこのように画定することで、耐火物支持体114として、施工が容易な形態のものを採用できる。図3に示す例において、耐火物支持体114は、清澄管102の中心軸を境とした上側に配置される上部支持体114Aと、下側に配置される下部支持体114Bと、を備える。上部支持体114A及び下部支持体114Bはそれぞれ、積み重ねた複数のレンガからなり、周状壁部112と対向する表面が円弧形状となるよう作製されている。
(準備工程)
次に、ガラス基板の製造方法の準備工程を説明する。
準備工程は、施工工程と、昇温工程と、を有する。
図4は、施工工程を説明する図である。図4(a)は、隙間S2への不定形耐火物の充填を説明する図であり、図4(b)は、隙間S1に充填される不定形耐火物を示す図である。
施工工程は、配置工程と、充填工程と、を含む。
配置工程では、周状壁部112を囲むよう耐火物支持体114となる耐火レンガを配置する。
充填工程では、周状壁部112と耐火レンガとの間の隙間に、周状壁部112及び耐火物支持体114に接するように不定形耐火物を充填する。
配置工程と充填工程は、並行して行われる。
配置工程では、具体的に、図4(a)に示すように、下部支持体114Bの内周領域114bに対し隙間S2をあけて周状壁部112が位置するよう清澄管102が配置される。隙間S2は、清澄管102を保持することにより確保することができる。清澄管102の保持は、例えば、周状壁部112の軸方向の複数個所に取り付けた治具を用いて行うことができる。また、このような方法に制限されず、清澄管102の保持には、セメントなど、その他の手段を用いてもよい。
次に、充填工程では、図4(a)に示すように、周状壁部112と内周壁部114bとの間の隙間S2を埋めるように、不定形耐火物113´が充填される。不定形耐火物113´は、例えば、スコップ等を用いて所定量ずつ隙間S2に流し込まれ、流し込まれた不定形耐火物113´内、あるいは、不定形耐火物113´の間に存在する気泡を取り除くために、針金等の部材を用いて隙間S2内で掻き混ぜることが好ましい。不定形耐火物113´には、隙間S2に、空隙の少ない耐火物保護層113を形成しやすくなる点で、25℃における粘度が300dPa・s以下、好ましくは250dPa・s以下、より好ましくは30~250dPa・s、さらに好ましくは50~250dPa・s、さらにより好ましくは50~200dPa・sのものが用いられる。
不定形耐火物113´は、耐火性酸化物の粉末及び水を含む。耐火性酸化物の例として、アルミナセメントが挙げられる。不定形耐火物113´の耐火性酸化物の粉末cと水wの質量比w/c(%)は、好ましくは30%以下、より好ましくは10~30%、さらに好ましくは16~24%、特に好ましくは18~22%である。
次いで、充填工程では、図4(b)に示すように、周状壁部112の第1の壁部領域112aの表面を被覆するように、不定形耐火物113´を塗布し、さらに、配置工程において、上部支持体114Aの内周壁面114aが第1の壁部領域112aから隙間S1をあけて配置されるように、上部支持体114Aを配置する。隙間S1は、例えば、周状壁部112の軸方向の複数個所に取り付けた治具により確保することができる。治具は、不定形耐火物113´の硬化後、昇温工程の前に、清澄管102から取り外される。なお、隙間S1の確保は、治具を用いた上記方法に制限されず、より粘性の高い不定形耐火物を用いて保持するなど、その他の手段を用いて行ってもよい。
昇温工程では、施工工程の後、周状壁部112に電流を流して加熱し、清澄管102を、脱泡のための上記温度範囲まで昇温する。
本実施形態のガラス基板の製造方法によれば、隙間S2は隙間S1より広いため、施工工程において、不定形耐火物113´を隙間S2内に流し込みやすく、その結果、空隙の少ない耐火物保護層3を得やすい。そのため、清澄管102を昇温した後、操業中、上述したように、耐火物支持体114によって清澄管102を確実に支持できる。一方で、清澄管102と耐火物支持体114との間に空隙の少ない耐火物保護層113を形成することができる。
以上、本発明のガラス基板製造装置及びガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄管
102a 壁部
103 撹拌槽
103a スターラ
104、105 移送管
106 ガラス供給管
112 壁部
112a 第1の壁部領域
112b 第2の壁部領域
113 耐火物保護層
113´ 不定形耐火物
114 耐火物支持体
114a 第1の内周壁面
114b 第2の内周壁面
114A 上部支持体
114B 下部支持体
200 成形装置
300 切断装置
MG 熔融ガラス
SG シートガラス

Claims (5)

  1. 白金族金属を含む材料からなる管部材であって、周状の壁部を有し、前記壁部の内側において熔融ガラスを処理する管部材と、
    前記壁部を囲むよう配置され、前記壁部を支持する耐火物支持体と、
    前記壁部と前記耐火物支持体との間の隙間に、前記壁部及び前記耐火物支持体に接するように形成された耐火性保護層と、を備え、
    前記壁部は、周上の一部の領域に位置する第1の壁部領域と、前記第1の壁部領域より下方に位置する第2の壁部領域と、を有し、
    前記第2の壁部領域と前記支持体との間の第2の隙間S2の大きさは、前記第1の壁部領域と前記支持体との間の第1の隙間S1の大きさの1.1倍以上である、ことを特徴とするガラス基板製造装置。
  2. 前記第2の隙間S2の大きさは、前記第1の隙間S1の大きさの10倍以下である、請求項1に記載のガラス基板製造装置。
  3. 前記壁部の外周面は、前記管部材の軸方向と直交する断面において円形状であり、
    前記外周面と対向する前記支持体の内周面のうち、前記壁部領域と対向する前記支持体の内周領域はそれぞれ、前記断面において円弧形状であり、
    前記第2の壁部領域と対向する前記支持体の第2の内周領域は、前記断面において、前記第1の壁部領域と対向する前記支持体の第1の内周領域より大きな曲率半径を有している、請求項1または2に記載のガラス基板製造装置。
  4. 前記第1の壁部領域及び前記第2の壁部領域は、前記管部材の軸方向と直交する断面において、前記管部材の中心軸を境とした上側及び下側の領域である、請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス基板製造装置。
  5. ガラス基板の製造方法であって、
    白金族金属を含む材料からなり、周状の壁部を有する管部材に熔融ガラスを流しながら処理する処理工程と、
    前記処理工程の前に行う準備工程と、を備え、
    前記準備工程は、
    前記壁部を囲むよう耐火物支持体を配置する配置工程と、前記壁部と前記耐火物支持体との間の隙間に、前記壁部及び前記耐火物支持体に接するように不定形耐火物を充填する充填工程と、を含む施工工程と、
    前記施工工程の後、前記管部材を昇温する昇温工程と、を含み、
    前記壁部は、周上の一部の領域に位置する第1の壁部領域と、前記第1の壁部領域より下方に位置する第2の壁部領域と、を有し、
    前記第2の壁部領域と前記支持体との間の第2の隙間S2の大きさは、前記第1の壁部領域と前記支持体との間の第1の隙間S1の大きさの1.1倍以上である、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
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