JP6629920B2 - ガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6629920B2
JP6629920B2 JP2018113584A JP2018113584A JP6629920B2 JP 6629920 B2 JP6629920 B2 JP 6629920B2 JP 2018113584 A JP2018113584 A JP 2018113584A JP 2018113584 A JP2018113584 A JP 2018113584A JP 6629920 B2 JP6629920 B2 JP 6629920B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten glass
fining
glass
tube
distance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018113584A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019011236A (ja
Inventor
鈞奕 張
鈞奕 張
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Avanstrate Inc
Avanstrate Asia Pte Ltd
Avanstrate Taiwan Inc
Original Assignee
Avanstrate Inc
Avanstrate Asia Pte Ltd
Avanstrate Taiwan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Avanstrate Inc, Avanstrate Asia Pte Ltd, Avanstrate Taiwan Inc filed Critical Avanstrate Inc
Priority to TW107122121A priority Critical patent/TWI682910B/zh
Priority to KR1020180074082A priority patent/KR102107301B1/ko
Priority to CN201810687788.6A priority patent/CN109205994B/zh
Publication of JP2019011236A publication Critical patent/JP2019011236A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6629920B2 publication Critical patent/JP6629920B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

本発明は、ガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置に関する。
ガラス基板は、一般的に、ガラス原料から熔融ガラスを生成させた後、熔融ガラスをガラス基板へと成形する工程を経て製造される。上記の工程中には、熔融ガラスが内包する微小な気泡を除去する工程(以下、清澄ともいう)が含まれる。清澄は、清澄管の本体を加熱しながら、この清澄管本体に清澄剤を配合させた熔融ガラスを通過させ、清澄剤の酸化還元反応により熔融ガラス中の泡が取り除かれることで行われる。より具体的には、粗熔解した熔融ガラスの温度をさらに上げて清澄剤を機能させ泡を浮上脱泡させた後、温度を下げることにより、脱泡しきれずに残った比較的小さな泡は熔融ガラスに吸収させるようにしている。すなわち、清澄は、泡を浮上脱泡させる処理(以下、脱泡処理または脱泡工程ともいう)および小泡を熔融ガラスへ吸収させる処理(以下、吸収処理または吸収工程ともいう)を含む。このため、清澄工程では、泡の浮上脱泡を行うための気相空間が清澄管内に形成される。気相空間は、熔融ガラスの液面と、清澄管の内壁との間に形成されるように熔融ガラスを清澄管内に流すことで形成される。
清澄工程では、清澄管内の熔融ガラスの均質性を高めるために、撹拌手段を清澄管内に設け、熔融ガラスを撹拌することを行う場合がある。例えば、撹拌手段として、清澄管内に、熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて設けられた板部材を用いて、熔融ガラスの流れを部分的に妨げることが行われる場合がある(特許文献1)。
特開2017−065973公報
清澄工程においては、清澄管を通過する熔融ガラスの速度は、壁面抵抗があるために、液面付近のほうが清澄管の内壁の近傍よりも速くなる。一方、清澄管内では、シリカ等を多く含む比重の小さい熔融ガラスが液面付近の上層領域を流れ、清澄管の底部付近の下層領域を流れる熔融ガラスより速く流れる傾向がある。上層領域と下層領域とで熔融ガラスの流れる速度が異なると、上記板部材を用いて熔融ガラスを撹拌しても、熔融ガラスが均質に撹拌され難く、清澄が不十分となるおそれがある。清澄が不十分であると、熔融ガラスに気泡が残ってガラス品質が低下するおそれがある。
本発明は、清澄管内を流れる熔融ガラスを均一に撹拌する効果の高いガラス基板の製造方法およびガラス基板製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、下記(1)〜()の形態のガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置を含む。
ガラス基板の製造方法であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
清澄管内で前記熔融ガラスの清澄を行う清澄工程と、を備え、
前記清澄工程では、前記清澄管内に、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスを流しながら清澄を行い、
前記清澄管内に、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置された板部材の対を用いて、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げ、
前記板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
前記対のうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
前記清澄工程では、前記流れ方向に沿って前記熔融ガラスの温度分布が形成されるよう前記熔融ガラスの加熱を行い、
前記熔融ガラスの温度が第1の温度である第1の流れ方向位置では、前記熔融ガラスの温度が、前記第1の温度より低い第2の温度である第2の流れ方向位置と比べ、前記第1の距離及び前記第2の距離が短い、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
ガラス基板の製造方法であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
清澄管内で前記熔融ガラスの清澄を行う清澄工程と、を備え、
前記清澄工程では、前記清澄管内に、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスを流しながら清澄を行い、
前記清澄管内に、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置された板部材の対を用いて、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げ、
前記板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
前記対のうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
前記清澄工程では、前記流れ方向に沿って前記熔融ガラスの温度分布が形成されるよう前記熔融ガラスの加熱を行い、
前記流れ方向に沿って隣り合う前記板部材の間隔は、前記熔融ガラスの温度が第1の温度である第1の流れ方向位置において、前記第1の温度より低い第2の温度である第2の流れ方向位置よりも狭くなっている、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
ガラス基板の製造方法であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
清澄管内で前記熔融ガラスの清澄を行う清澄工程と、を備え、
前記清澄工程では、前記清澄管内に、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスを流しながら清澄を行い、
前記清澄管内に、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置された板部材の対を用いて、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げ、
前記板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
前記対のうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
前記清澄工程では、前記液面の高さを変動させながら前記熔融ガラスを流し、
前記第2の距離は、前記液面の高さが最高位置にあるときの前記第1の距離よりも大きい、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
ガラス基板の製造方法であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
清澄管内で前記熔融ガラスの清澄を行う清澄工程と、を備え、
前記清澄工程では、前記清澄管内に、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスを流しながら清澄を行い、
前記清澄管内に、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置された板部材の対を用いて、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げ、
前記板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
前記対のうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
前記清澄管内に、前記底部と間隔を開けずに配置される板部材は設けられていない、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
)ガラス基板製造装置であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
前記熔融ガラスの清澄が行われる清澄管を有する清澄装置と、を備え、
前記清澄管内では、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスが流れながら清澄が行われ、
前記清澄管は、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置され、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げる板部材の複数の対を有し、
前記対のそれぞれをなす2つの板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
前記対のそれぞれのうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
前記清澄装置は、前記流れ方向に沿って前記熔融ガラスの温度分布が形成されるよう前記熔融ガラスの加熱を行い、
前記熔融ガラスの温度が第1の温度である第1の流れ方向位置では、前記熔融ガラスの温度が、前記第1の温度より低い第2の温度である第2の流れ方向位置と比べ、前記第1の距離及び前記第2の距離が短い、ことを特徴とするガラス基板製造装置。
(6)ガラス基板製造装置であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
前記熔融ガラスの清澄が行われる清澄管を有する清澄装置と、を備え、
前記清澄管内では、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスが流れながら清澄が行われ、
前記清澄管は、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置され、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げる板部材の複数の対を有し、
前記対のそれぞれをなす2つの板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
前記対のそれぞれのうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
前記清澄装置は、前記流れ方向に沿って前記熔融ガラスの温度分布が形成されるよう前記熔融ガラスの加熱を行い、
前記流れ方向に沿って隣り合う前記板部材の間隔は、前記熔融ガラスの温度が第1の温度である第1の流れ方向位置において、前記第1の温度より低い第2の温度である第2の流れ方向位置よりも狭くなっている、ことを特徴とするガラス基板製造装置。
(7)ガラス基板製造装置であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
前記熔融ガラスの清澄が行われる清澄管を有する清澄装置と、を備え、
前記清澄管内では、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスが流れながら清澄が行われ、
前記清澄管は、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置され、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げる板部材の複数の対を有し、
前記対のそれぞれをなす2つの板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
前記対のそれぞれのうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
前記清澄管内では、前記液面の高さが変動しながら前記熔融ガラスが流し、
前記第2の距離は、前記液面の高さが最高位置にあるときの前記第1の距離よりも大きい、ことを特徴とするガラス基板製造装置。
(8)ガラス基板製造装置であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
前記熔融ガラスの清澄が行われる清澄管を有する清澄装置と、を備え、
前記清澄管内では、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスが流れながら清澄が行われ、
前記清澄管は、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置され、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げる板部材の複数の対を有し、
前記対のそれぞれをなす2つの板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
前記対のそれぞれのうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
前記清澄管内に、前記底部と間隔を開けずに配置される板部材は設けられていない、ことを特徴とするガラス基板製造装置。
本発明によれば、清澄管内を流れる熔融ガラスを均一に撹拌する効果が高い。
本実施形態の製造方法のフローを示す図である。 ガラス基板製造装置の概略図である。 図2に示す清澄管の概略図である。 清澄管の長手方向における鉛直断面図である。
以下、本発明のガラス基板の製造方法およびガラス基板製造装置について説明する。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、および、切断工程(ST7)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有してもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)では、ガラス原料を加熱することにより熔融ガラスを作る。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が発生する。この泡が熔融ガラス中に含まれる清澄剤(酸化スズ等)の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスの温度を制御することにより行われる。清澄工程(ST2)は、熔融ガラスを清澄管120内に流しながら行われる。
なお、清澄工程は、熔融ガラスに存在する泡を減圧雰囲気で成長させて脱泡させる減圧脱泡方式を用いることもできる。減圧脱泡方式は、清澄剤を用いない点で有効である。しかし、減圧脱泡方式は装置が複雑化及び大型化する。このため、清澄剤を用い、熔融ガラス温度を上昇させる清澄方法を採用することが好ましい。
また、清澄工程(ST2)では、後述する板部材の対を用いて熔融ガラスの流れを部分的に妨げて、熔融ガラスを撹拌する。清澄管120内を流れる熔融ガラスの滞在時間を長くして、熔融ガラスが脱泡される時間を十分に確保することにより、ガラス品質を高め、歩留まりを上げることができる。また、このような撹拌を行うことによって、熔融ガラスに混入した異質素地の熔融ガラスへの熔解や、熔融ガラス内の組成ムラの均一化が促進される。なお、板部材の対、及び板部材の対を用いた清澄工程(ST2)の詳細について、後で説明する。
均質化工程(ST3)では、スターラを用いて熔融ガラスを撹拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。均質化工程は、後述する撹拌槽において行われる。
供給工程(ST4)では、撹拌された熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)は、成形装置で行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行うガラス基板製造装置の概略図である。ガラス基板製造装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄管120と、撹拌槽103と、移送管104、105と、ガラス供給管106と、を有する。
図2に示す熔解槽101には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスは、高温(例えば1300℃以上)に維持された状態で、移送管104を介して清澄管120に供給される。高温に維持された熔融ガラスを清澄管120に供給することで、熔融ガラスの粘度を低く保ち、清澄管120内を流れる熔融ガラスの流動性を高めることができる。
清澄管120では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程(ST2)が行われる。具体的には、清澄管120内の熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して気相空間に放出される。気相空間は、熔融ガラスの液面と、清澄管の内壁との間に形成されるように熔融ガラスを清澄管内に流すことで形成される。その後、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して撹拌槽103に供給される。
撹拌槽103では、撹拌子103aによって熔融ガラスが撹拌されて均質化工程(ST3)が行われる。撹拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置200に供給される(供給工程ST4)。
成形装置200では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスSGが成形され(成形工程ST5)、徐冷される(徐冷工程ST6)。
切断装置300では、シートガラスSGから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST7)。
(清澄管の構成及び清澄工程)
次に、図3、図4を参照して、清澄管120の構成について説明する。図3は、本実施形態の清澄管120の構成を示す概略斜視図であり、図4は清澄管120の長手方向における鉛直断面図である。
図3、図4に示すように、清澄管120の長さ方向の両端及びその間の位置の外周面には、電極121a、121b、121cが設けられており、清澄管120の気相空間120a(図4参照)と接する壁には、図示されない排気管が設けられている。
清澄管120の本体、電極121a、121b、121cおよび排気管は、白金族金属から構成されている。なお、本明細書において、「白金族金属」は、白金族元素からなる金属を意味し、単一の白金族元素からなる金属のみならず白金族元素の合金を含む用語として使用する。ここで、白金族元素とは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の6元素を指す。白金族金属は高価ではあるが、融点が高く、熔融ガラスに対する耐食性にも優れている。
なお、本実施形態では、清澄管120が白金族金属から構成されている場合を具体例として説明するが、清澄管120の一部が、耐火物や他の金属などから構成されていてもよい。
電極121a、121b、121cは、電源装置122に接続されている。電極121a、121bの間、及び電極121b、121cの間のそれぞれに電圧が印加されることにより、電極121a、121bの間、及び電極121b、121cの間の清澄管120の各部分に電流が流れて、清澄管120が通電加熱される。
電極121a、121bの間では、脱泡処理が促進される温度に加熱される。具体的には、清澄管120の本体の最高温度が例えば、1600℃〜1750℃、より好ましくは1630℃〜1750℃となるように加熱され、移送管104から供給された熔融ガラスの最高温度は、脱泡に適した温度、例えば、1600℃〜1720℃、より好ましくは1620℃〜1720℃に加熱される。
電極121b、121cの間では、吸収処理が促進される温度に加熱される。具体的には、清澄管102の最高温度が例えば、1590℃〜1670℃、より好ましくは1620℃〜1670℃となるよう加熱され、清澄管102内を流れる熔融ガラスの最高温度は、吸収に適した温度1590℃〜1640℃、より好ましくは1610℃〜1640℃に加熱される。
また、通電加熱によって熔融ガラスの温度を制御することで、熔融ガラスの粘度を調節し、これにより清澄管120を通過する熔融ガラスの流速を調節することができる。
また、電極121a、121b、121cには、図示しない温度計測装置(熱電対等)が設けられていてもよい。温度計測装置は電極121a、121b、121cの温度を計測し、計測した結果を、制御装置123に出力する。
制御装置123は電源装置122が清澄管120に通電させる電流量を制御し、これにより清澄管120を通過する熔融ガラスの温度および流速を制御する。制御装置123は、CPU、メモリ等を含むコンピュータである。
排気管は気相空間120aの上部に設けられている。排気管は、気相空間120a(図4参照)と、清澄管120の外部空間とを連通している。排気管は、清澄管120における熔融ガラスの流れ方向の電極121aと電極121bの間、あるいは、電極121bと電極121cの間の位置に設けられていることが好ましい。
清澄管120内には、図4に示すように、第1板部材124及び第2板部材125からなる板部材の対126が熔融ガラスの流れ方向(図4において左方から右方に向かう方向、すなわち、図4に示す清澄管120の長さ方向)に間隔をあけて配置されている。板部材の対126は、液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられている。板部材の対126は、清澄管120内に、少なくとも一対配置されていればよく、図4に示す例では、複数対が配置されており、清澄管120内に配置される板部材のすべてが、板部材の対126で構成されている。図4に示す例では、第1板部材124及び第2板部材125は、熔融ガラスの流れ方向に隣り合うよう、交互に配置されている。板部材の対126は、後述する熔融ガラスを均一に撹拌する効果を清澄管102の長さによらず確保する観点から、清澄管120の長さの10〜40%の長さの区間ごとに1対配置されることが好ましい。また、清澄管120内に配置される板部材の対126の数は、特に制限されないが、例えば4〜10対である。第1板部材124及び第2板部材125は、例えば、白金族金属から構成される。
熔融ガラスの深さ方向に沿った第1板部材124の配置範囲は、深さ方向に沿った第2板部材125の配置範囲は異なっている。具体的に、第1板部材124は、熔融ガラスの液面Sに最も接近して配置される。第2板部材125は、清澄管120の内壁の底部(清澄管120の内壁の最下部)に最も接近して配置される。図4に示す例では、熔融ガラスの深さ方向に沿った第1板部材124の長さは、第2板部材125の長さより短く、例えば、第2板部材の長さの0.5倍〜1倍未満である。
第1板部材124及び第2板部材125は、図4に示す例のように、清澄管120の長さ方向と垂直な方向に延在していることが好ましい。
第1板部材124の上端部と液面Sとの距離L1(第1の距離)は、第2板部材125の下端部と底部との距離L2(第2の距離)よりも短い。清澄管内では、一般に、熔融ガラスの深さ領域のうち液面付近の上層領域では熔融ガラスが速く流れる一方で、清澄管の底部付近の下層領域では、壁面抵抗により熔融ガラスが遅く流れる。このため、上層領域と下層領域とで熔融ガラスの流速に差が生じて、熔融ガラスが均質に撹拌され難く、清澄が不十分となるおそれがある。本実施形態では、距離L1及び距離L2が上記関係を満たすよう、第1板部材124及び第2板部材125が配置されていることで、上層領域と下層領域での熔融ガラスの流速の差を小さくし、熔融ガラスが均質になるよう撹拌することができる。これにより、熔融ガラスの清澄が十分に行われ、ガラス品質の低下が抑制される。
距離L1が、距離L2と等しい、あるいは距離L2より長いと、上層領域を流れる熔融ガラスの流速を低下させ難く、上層領域と下層領域で熔融ガラスの速度差を小さくすることが困難である。また、距離L2が距離L1より短いと、例えば、熔解槽から溶出したジルコニア等を多く含んだ、比重が大きい成分が清澄管120の底部に溜まりやすくなり、これに起因してガラス基板に脈理が生じるおそれがある。
なお、距離L1は0mmより長い。距離L1が0mmであると、すなわち、第1板部材124の上端部が、液面Sと同じ高さ、あるいは液面Sを超えて配置されていると、上端部の白金族金属が酸化されて揮発し、さらに揮発した白金族金属が還元されて析出し、析出物が熔融ガラス内に混入するという問題が生じやすい。このため、熔融ガラスの液面が後述するように変動する場合は、液面が最も低い位置となるときに距離L1が0mmより長くなるよう設定される。
距離L1及び距離L2の比L1/L2は、上層領域と下層領域の熔融ガラスの速度差を小さくする効果を高める観点から、0.2〜0.8であることが好ましい。また、距離L1は、上層領域の熔融ガラスの流速を小さくする観点から、清澄管120内で液相を形成する熔融ガラスの深さ方向の領域のうち最上層20%の領域に相当する長さより短いことが好ましい。距離L2は、下層領域を流れる熔融ガラスの流速を大きくする観点から、熔融ガラスの深さ領域のうち最下層20%の領域に相当する長さより長いことが好ましく、熔融ガラス全体が均一に撹拌されるよう、最下層40%の領域に相当する長さより短いことが好ましい。なお、上層領域とは、液面から、熔融ガラスの深さ方向に、例えば、熔融ガラスの深さの40%の領域を意味する。下層領域とは、清澄管120の底部から、熔融ガラスの深さ方向に、例えば、熔融ガラスの深さの40%の領域を意味する。
清澄工程(ST2)において、清澄管120の本体が、電極121a、121bの間と、電極121b、121cの間とで異なる温度に加熱されると、流れ方向に沿って熔融ガラスの温度分布が形成される。この場合、熔融ガラスの温度が第1の温度である第1の流れ方向位置では、熔融ガラスの温度が、第1の温度より低い第2の温度である第2の流れ方向位置と比べ、距離L1及び距離L2がそれぞれ短いことが好ましい。言い換えると、熔融ガラスの流れ方向に沿った位置において、熔融ガラスの温度が高い位置であるほど、距離L1及び距離L2が短いことが好ましい。例えば、電極121a、121bの間では、電極121b、121cの間と比べ、距離L1及び距離L2がそれぞれ短いことが好ましい。熔融ガラスの温度が高い流れ方向位置では、熔融ガラスの粘度が小さいため、上層領域と下層領域で熔融ガラスの速度差が大きく、熔融ガラスが均一に撹拌され難い。このため、熔融ガラスの温度が高い流れ方向位置では、距離L1が距離L2より短い関係を保ちつつ、距離L1及び距離L2をそれぞれ短くすることで、上層領域と下層領域で熔融ガラスの速度差を小さくでき、熔融ガラスを均一に撹拌することができる。
また、清澄工程(ST2)において、流れ方向に沿って熔融ガラスの温度分布が形成される場合、流れ方向に沿って隣り合う板部材の間隔Dは、熔融ガラスの温度が高い位置(第1の流れ方向位置)において、熔融ガラスの温度が低い位置(第2の流れ方向位置)よりも狭くなっていることが好ましい。熔融ガラスの温度が高い流れ方向位置では、熔融ガラスの粘度が小さく、流速が大きい。このため、隣り合う板部材の間隔Dを狭くし、熔融ガラスが板部材にぶつかる頻度を増やすことで、上層領域と下層領域で熔融ガラスの速度差を小さくする効果が高くなるとともに、清澄管内での熔融ガラスの滞在時間を長くし、熔融ガラスが脱泡される時間を十分に確保することができる。
なお、間隔Dが長すぎると、上層領域と下層領域の速度差を小さくする効果が低くなることから、間隔Dは、例えば、清澄管120の長さの1/3、好ましくは1/5以下の長さに設定される。間隔Dは、例えば、100〜400mmである。
第1板部材124の底部の側の端(下端)の高さ位置は、第2板部材125の液面の側の端(上端)の高さ位置より低いことが好ましい。これにより、第1板部材124と第2板部材125の間の深さ領域(中層領域)を、流れ方向に直線的に通過するような熔融ガラスの流れを阻止し、熔融ガラスが均質に撹拌されないことを回避できる。
清澄工程(ST2)では、液面Sの高さを変動させながら熔融ガラスを流すことを行う場合がある。例えば、操業中に、熔解槽にガラス原料が投入されることで、液面Sの高さは変動する。この場合、距離L2は、液面Sの高さが最高位置にあるときの距離L1よりも大きいことが好ましい。これにより、清澄管120内の熔融ガラスの上層領域と下層領域とで熔融ガラスの速度差を安定して小さく保つことができる。
清澄管120内に、底部と間隔を開けずに配置される板部材は設けられていないことが好ましい。すなわち、清澄管120内に設けられるすべての部材が、底部と間隔を開けて配置されていることが好ましい。底部と間隔を開けずに配置される板部材が清澄管120内に設けられていると、下層領域の熔融ガラスの流れが妨げられ、上層領域との速度差を小さくする効果が損なわれてしまう。
一方で、このような板部材が清澄管120内に設けられていないことによって、下層領域を流れる熔融ガラスの流速が、上層領域を流れる熔融ガラスの流速に対して速くなり過ぎ、上層領域と下層領域の速度差が却って大きくなってしまう場合がある。このため、上記距離L2は、熔融ガラスの深さ領域のうち最下層40%の領域に相当する長さより短いことが好ましい。この場合、上記距離L2は、流れ方向に隣り合う第2板部材125同士の間隔より短いことが好ましく、さらに、上記間隔Dより短いことが好ましい。上記間隔Dに対する上記L2の比(L2/D)は、例えば、0.1〜0.7である。
本実施形態によれば、距離L1及び距離L2が上記関係を満たすよう、第1板部材124及び第2板部材125が配置されていることで、上層領域と下層領域での熔融ガラスの流速の差を小さくし、熔融ガラスが均質になるよう撹拌することができる。これにより、熔融ガラスの清澄が十分に行われ、ガラス品質の低下が抑制される。
(ガラス基板)
本実施形態において製造されるガラス基板の大きさは、特に制限されないが、例えば縦寸法及び横寸法のそれぞれが、500mm〜3500mm、1500mm〜3500mm、1800〜3500mm、2000mm〜3500mmであり、2000mm〜3500mmであることが好ましい。
ガラス基板の厚さは、例えば、0.1〜1.1mmであり、より好ましくは0.75mm以下の極めて薄い矩形形状の板であり、例えば、0.55mm以下、さらには0.45mm以下の厚さがより好ましい。ガラス基板の厚さの下限値は、0.15mmが好ましく、0.25mmがより好ましい。
<ガラス組成>
このようなガラス基板として、以下のガラス組成のガラス基板が例示される。つまり、以下のガラス組成のガラス基板が製造されるように、熔融ガラスの原料が調合される。
SiO2 55〜80モル%、
Al23 8〜20モル%、
23 0〜12モル%、
RO 0〜17モル%(ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)。
SiO2は60〜75モル%、さらには、63〜72モル%であることが、熱収縮率を小さくするという観点から好ましい。
ROのうち、MgOが0〜10モル%、CaOが0〜15モル%、SrOが0〜10%、BaOが0〜10%であることが好ましい。
また、SiO2、Al23、B23、及びROを少なくとも含み、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.5以上であるガラスであってもよい。また、MgO、CaO、SrO、及びBaOの少なくともいずれか含み、モル比(BaO+SrO)/ROは0.1以上であることが好ましい。
また、モル%表示のB23の含有率の2倍とモル%表示のROの含有率の合計は、30モル%以下、好ましくは10〜30モル%であることが好ましい。
また、上記ガラス組成のガラス基板におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、0モル%以上0.4モル%以下であってもよい。
また、ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5モル%含み、As、Sb及びPbOを実質的に含まないということは必須ではなく任意である。
また、本実施形態によって製造されるガラス基板には、無アルカリのボロアルミノシリケートガラスあるいはアルカリ微量含有ガラスが用いられることが好ましい。
本実施形態によって製造されるガラス基板は、例えば以下の組成を含む無アルカリガラスからなることが好ましい。
本実施形態によって製造されるガラス基板のガラス組成として、例えば、次が挙げられる(質量%表示)。
SiO:50〜70%(好ましくは、57〜64%)、Al:5〜25%(好ましくは、12〜18%)、B:0〜15%(好ましくは、6〜13%)を含み、さらに、次に示す組成を任意に含んでもよい。任意で含む成分として、MgO:0〜10%(好ましくは、0.5〜4%)、CaO:0〜20%(好ましくは、3〜7%)、SrO:0〜20%(好ましくは、0.5〜8%、より好ましくは3〜7%)、BaO:0〜10%(好ましくは、0〜3%、より好ましくは0〜1%)、ZrO:0〜10%(好ましくは、0〜4%,より好ましくは0〜1%)が挙げられる。さらに、R’O:0.10%を超え2.0%以下(ただし、R’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種である)を含むことがより好ましい。
或いは、SiO:50〜70%(好ましくは、55〜65%)、B:0〜10%(好ましくは、0〜5%、1.3〜5%)、Al:10〜25%(好ましくは、16〜22%)、MgO:0〜10%(好ましくは、0.5〜4%)、CaO:0〜20%(好ましくは、2〜10%、2〜6%)、SrO:0〜20%(好ましくは、0〜4%、0.4〜3%)、BaO:0〜15%(好ましくは、4〜11%)、RO:5〜20%(好ましくは、8〜20%、14〜19%),を含有することが好ましい(ただし、RはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種である)。さらに、R’Oが0.10%を超え2.0%以下(ただし、R’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種である)を含むことがより好ましい。
<ヤング率>
本実施形態によって製造されるガラス基板のヤング率として、例えば、72GPa以上が好ましく、75GPa以上がより好ましく、77GPa以上がより更に好ましい。
<歪点>
本実施形態によって製造されるガラス基板の歪率として、例えば、650℃以上が好ましく、680℃以上がより好ましく、700℃以上、720℃以上が更により好ましい。
<熱収縮率>
本実施形態によって製造されるガラス基板の熱収縮率は、例えば、50ppm以下であり、好ましくは40ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更により好ましくは20ppm以下である。熱収縮率を低減する前のガラス基板の熱収縮率の範囲としては、10ppm〜40ppmが好ましい。
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、カーブドパネルディスプレイ用ガラス基板を含むディスプレイ用ガラス基板として好適であり、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板あるいは、有機ELディスプレイ用のガラス基板として好適である。さらに、本実施形態で製造されるガラス基板は、高精細ディスプレイに用いられる、IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)等の酸化物半導体を使用した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板、及びLTPS(低温度ポリシリコン)半導体を使用したLTPSディスプレイ用ガラス基板に好適である。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス、太陽電池用ガラス基板などにも適用することが可能である。
以上、本発明のガラス基板製造装置およびガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
板部材の対126は、清澄管120内において、熔融ガラスの流れ方向のすべての領域に配置されていなくてもよく、流れ方向の一部の領域にだけ配置されていてもよい。例えば、電極121a、121bの間にだけ、板部材の対126は配置されていてもよい。
また、第1板部材124及び第2板部材125は、熔融ガラスの流れ方向に交互に配置されていなくてもよい。例えば、清澄管120内に、熔融ガラスの流れ方向に同じ種類の板部材が並んで配置された領域があってもよい。
100 熔解装置
101 熔解槽
102 清澄管
103 撹拌槽
103a 撹拌子
104、105 移送管
106 ガラス供給管
120 清澄管
120a 気相空間
121a、121b、121c 電極
122 電源装置
123 制御装置
124 第1板部材
125 第2板部材
126 板部材の対
200 成形装置
300 切断装置
MG 熔融ガラス
SG シートガラス

Claims (8)

  1. ガラス基板の製造方法であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
    清澄管内で前記熔融ガラスの清澄を行う清澄工程と、を備え、
    前記清澄工程では、前記清澄管内に、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスを流しながら清澄を行い、
    前記清澄管内に、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置された板部材の対を用いて、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げ、
    前記板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
    前記対のうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりもく、
    前記清澄工程では、前記流れ方向に沿って前記熔融ガラスの温度分布が形成されるよう前記熔融ガラスの加熱を行い、
    前記熔融ガラスの温度が第1の温度である第1の流れ方向位置では、前記熔融ガラスの温度が、前記第1の温度より低い第2の温度である第2の流れ方向位置と比べ、前記第1の距離及び前記第2の距離が短い、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. ガラス基板の製造方法であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
    清澄管内で前記熔融ガラスの清澄を行う清澄工程と、を備え、
    前記清澄工程では、前記清澄管内に、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスを流しながら清澄を行い、
    前記清澄管内に、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置された板部材の対を用いて、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げ、
    前記板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
    前記対のうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりもく、
    前記清澄工程では、前記流れ方向に沿って前記熔融ガラスの温度分布が形成されるよう前記熔融ガラスの加熱を行い、
    前記流れ方向に沿って隣り合う前記板部材の間隔は、前記熔融ガラスの温度が第1の温度である第1の流れ方向位置において、前記第1の温度より低い第2の温度である第2の流れ方向位置よりも狭くなっている、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  3. ガラス基板の製造方法であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
    清澄管内で前記熔融ガラスの清澄を行う清澄工程と、を備え、
    前記清澄工程では、前記清澄管内に、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスを流しながら清澄を行い、
    前記清澄管内に、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置された板部材の対を用いて、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げ、
    前記板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
    前記対のうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりもく、
    前記清澄工程では、前記液面の高さを変動させながら前記熔融ガラスを流し、
    前記第2の距離は、前記液面の高さが最高位置にあるときの前記第1の距離よりも大きい、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  4. ガラス基板の製造方法であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、
    清澄管内で前記熔融ガラスの清澄を行う清澄工程と、を備え、
    前記清澄工程では、前記清澄管内に、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスを流しながら清澄を行い、
    前記清澄管内に、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置された板部材の対を用いて、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げ、
    前記板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
    前記対のうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりもく、
    前記清澄管内に、前記底部と間隔を開けずに配置される板部材は設けられていない、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  5. ガラス基板製造装置であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
    前記熔融ガラスの清澄が行われる清澄管を有する清澄装置と、を備え、
    前記清澄管内では、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスが流れながら清澄が行われ、
    前記清澄管は、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置され、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げる板部材の複数の対を有し、
    前記対のそれぞれをなす2つの板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
    前記対のそれぞれのうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
    前記清澄装置は、前記流れ方向に沿って前記熔融ガラスの温度分布が形成されるよう前記熔融ガラスの加熱を行い、
    前記熔融ガラスの温度が第1の温度である第1の流れ方向位置では、前記熔融ガラスの温度が、前記第1の温度より低い第2の温度である第2の流れ方向位置と比べ、前記第1の距離及び前記第2の距離が短い、ことを特徴とするガラス基板製造装置。
  6. ガラス基板製造装置であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
    前記熔融ガラスの清澄が行われる清澄管を有する清澄装置と、を備え、
    前記清澄管内では、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスが流れながら清澄が行われ、
    前記清澄管は、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置され、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げる板部材の複数の対を有し、
    前記対のそれぞれをなす2つの板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
    前記対のそれぞれのうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
    前記清澄装置は、前記流れ方向に沿って前記熔融ガラスの温度分布が形成されるよう前記熔融ガラスの加熱を行い、
    前記流れ方向に沿って隣り合う前記板部材の間隔は、前記熔融ガラスの温度が第1の温度である第1の流れ方向位置において、前記第1の温度より低い第2の温度である第2の流れ方向位置よりも狭くなっている、ことを特徴とするガラス基板製造装置。
  7. ガラス基板製造装置であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
    前記熔融ガラスの清澄が行われる清澄管を有する清澄装置と、を備え、
    前記清澄管内では、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスが流れながら清澄が行われ、
    前記清澄管は、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置され、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げる板部材の複数の対を有し、
    前記対のそれぞれをなす2つの板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
    前記対のそれぞれのうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
    前記清澄管内では、前記液面の高さが変動しながら前記熔融ガラスが流し、
    前記第2の距離は、前記液面の高さが最高位置にあるときの前記第1の距離よりも大きい、ことを特徴とするガラス基板製造装置。
  8. ガラス基板製造装置であって、
    ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
    前記熔融ガラスの清澄が行われる清澄管を有する清澄装置と、を備え、
    前記清澄管内では、前記熔融ガラスの液面の上方に気相空間が形成されるように前記熔融ガラスが流れながら清澄が行われ、
    前記清澄管は、前記熔融ガラスの流れ方向に間隔をあけて配置され、前記熔融ガラスの流れを部分的に妨げる板部材の複数の対を有し、
    前記対のそれぞれをなす2つの板部材は、前記熔融ガラスの前記液面より下方の上下方向の異なる位置に設けられ、
    前記対のそれぞれのうち、前記液面に最も接近して配置された第1の板部材の上端部と前記液面との第1の距離は、前記清澄管の内壁の底部に最も接近して配置された第2の板部材の下端部と前記底部との第2の距離よりも短く、
    前記清澄管内に、前記底部と間隔を開けずに配置される板部材は設けられていない、ことを特徴とするガラス基板製造装置。
JP2018113584A 2017-06-30 2018-06-14 ガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置 Active JP6629920B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW107122121A TWI682910B (zh) 2017-06-30 2018-06-27 玻璃基板之製造方法及玻璃基板製造裝置
KR1020180074082A KR102107301B1 (ko) 2017-06-30 2018-06-27 유리 기판의 제조 방법 및 유리 기판 제조 장치
CN201810687788.6A CN109205994B (zh) 2017-06-30 2018-06-28 玻璃衬底的制造方法、及玻璃衬底制造装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017129644 2017-06-30
JP2017129644 2017-06-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019011236A JP2019011236A (ja) 2019-01-24
JP6629920B2 true JP6629920B2 (ja) 2020-01-15

Family

ID=65226383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018113584A Active JP6629920B2 (ja) 2017-06-30 2018-06-14 ガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6629920B2 (ja)
TW (1) TWI682910B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109896725A (zh) * 2019-04-23 2019-06-18 蚌埠中光电科技有限公司 一种玻璃液澄清装置
CN111747634B (zh) * 2020-06-08 2022-03-15 中建材蚌埠玻璃工业设计研究院有限公司 一种高世代tft-lcd玻璃基板生产线

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201714840A (zh) * 2015-09-30 2017-05-01 安瀚視特控股股份有限公司 玻璃基板之製造方法及玻璃基板之製造裝置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019011236A (ja) 2019-01-24
TW201904888A (zh) 2019-02-01
TWI682910B (zh) 2020-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5616450B2 (ja) ガラス板の製造方法
CN107445450B (zh) 玻璃基板的制造方法及玻璃基板制造装置
WO2016143665A1 (ja) ガラス基板
JP5769574B2 (ja) ガラス板の製造方法
JP5921730B2 (ja) ガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置
WO2012132474A1 (ja) ガラス基板の製造方法
TW201323357A (zh) 玻璃板之製造方法
TW201714840A (zh) 玻璃基板之製造方法及玻璃基板之製造裝置
JP2017178714A (ja) ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置
JP6499250B2 (ja) ガラス基板の製造方法、およびガラス基板製造装置
JP6847620B2 (ja) ガラス基板の製造方法、およびガラス基板製造装置
CN107879598B (zh) 玻璃基板的制造方法、及玻璃基板制造装置
JP6629920B2 (ja) ガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置
JP2013230963A (ja) ガラス板及びガラス板の製造方法
JP6585983B2 (ja) ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置
JP2017186227A (ja) ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置
KR102107301B1 (ko) 유리 기판의 제조 방법 및 유리 기판 제조 장치
JP6675849B2 (ja) ガラス板の製造方法およびガラス板の製造装置
JP6616183B2 (ja) ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置
JP2015105204A (ja) ガラス基板の製造方法、及び熔融ガラス処理装置
JP6630215B2 (ja) ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置
JP2017178727A (ja) ガラス基板の製造方法、および攪拌槽
JP6630217B2 (ja) ガラス板の製造方法
KR101743375B1 (ko) 유리 기판의 제조 방법 및 유리 기판 제조 장치
JP7142506B2 (ja) ガラス基板の製造方法、及びガラス基板製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6629920

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250