JP7319217B2 - プロテクタ及びワイヤハーネス配索構造 - Google Patents
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Description
図1において、ワイヤハーネス配索構造21は、例えば自動車の座席(シート)に配索されるワイヤハーネス22の配索に係る構造として採用される。尚、上記座席は一例であるものとし、固定構造物23と、この固定構造物23に対し所定方向(矢印P方向)に往復移動可能な移動構造物24との関係性があれば特に限定されないものとする。本実施例において、上記固定構造物23は自動車の床や、この床に固定される座席用のベース部が該当し、上記移動構造物24は座席(シート)が該当するものとする。移動構造物24を示す二点鎖線は、「座る部分」をイメージしたもので、この「座る部分」が矢印P方向にスライド移動することにより、運転者や搭乗者は足元のスペースを最適に確保することができる。図1(a)は「座る部分」を前に出した(自動車進行方向に出した)、第一の位置の状態を示すものとし、図1(b)は「座る部分」を後に引いた、第二の位置の状態を示すものとする。この他、図1の矢印Pに直交する矢印Qは上下方向を示すものとする。矢印Qにおいては、固定構造物23が移動構造物24よりも図の下側の配置になるものとする。
図4及び図5において、幹線25は、数多くの電線を束ねて形成される太物の電線束と、この電線束を収容する太物のコルゲートチューブとを備えて構成される(一例であるものとする)。幹線25は、クリップ27を複数箇所設けて所定の経路を保持した状態で配索される。分岐線26は、一端が幹線25から分岐されるハーネス本体29と、この他端(端末)に設けられるコネクタ32とを備えて構成される。ハーネス本体29は、言い換えれば分岐線本体であり、本実施例においては、特許請求の範囲に記載された「ハーネス本体」に相当するものとする。分岐線26の本体であるハーネス本体29は、複数本の電線33と、この電線33を収容する細物のコルゲートチューブ34とを備えて構成される。尚、上記電線33は低電圧用のものであり、導体と絶縁体とを備えて構成される。図示の電線33は、ハーネス本体29の端末側において、例えば二本をテープ巻きしたような状態に形成される。ハーネス本体29は、上記から分かるように、固定構造物23及び移動構造物24(図1参照)に跨って配索される屈曲可能なものが採用される。ハーネス本体29における引用符号30は、上記の通りハーネス中間部を示す。また、引用符号31は屈曲部分を示す。コルゲートチューブ34は、幹線25の分岐部分からプロテクタ28にかけて設けられる。
図6及び図7において、プロテクタ28は、ワイヤハーネス配索構造21における特徴的な部材であって、移動構造物24(図1参照)に固定される。プロテクタ28は、樹脂成形品であり、ハーネス本体29の一部を図示のように収容・保護することができるように形成される。プロテクタ28は、細長い箱形状のプロテクタ本体35と、このプロテクタ本体35に連続するハーネスガイド部36とを有して図示形状に形成される。プロテクタ28の特徴的な機能としては、固定構造物23(図1参照)に対する移動構造物24の位置に応じてハーネスガイド部36でのハーネス本体29の配置が図6ないし図9に示すように変わることである。また、特徴的な機能としては、ハーネスガイド部36でのハーネス本体29の配置が変わっても、ハーネス中間部30の屈曲部分31の曲率がほぼ変わらない状態でハーネス本体29が移動することである。
図6、図7、及び図10において、プロテクタ本体35は、細長い箱形状に形成される。プロテクタ本体35は、収容部37と、カバー38とを有する。収容部27とカバー38は、ヒンジ39を介して連続するように形成される。収容部27とカバー38は、ロック部40により係止される。プロテクタ本体35は、この長手方向の一端及び他端に一端側の導出部41、他端側の導出部42が形成される。一端側の導出部41には、ハーネスガイド部36が連成される。また、他端側の導出部42には、テープ巻き部43が連成される。テープ巻き部43は、電線固定部分として形成される。尚、テープ巻き部43の形状を示すために、図4ないし図7では電線33の図示が一部省略されるものとする。本実施例のプロテクタ本体35は、一端側の向きが中間及び他端側に対し若干傾くような形状に形成される。そのため一端側の導出部41は、傾いた状態に配置される。一端側の導出部41の端部には、ハーネス引き出し口44が円形に形成される。ハーネス本体29は、ハーネス引き出し口44の中心を通る軸(一端側の導出部41の軸)に沿ってプロテクタ本体35から引き出されるようになる。尚、ハーネス引き出し口44には、特に符号を付さないが、コルゲートチューブ34の端部に係合する部分(図11及び図12参照)が形成される。プロテクタ本体35における引用符号45は、移動構造物24(図1参照)に対する固定部を示す。
図10ないし図13において(必要に応じて図6ないし図9も参照する)、ハーネスガイド部36は、プロテクタ本体35の一端側の導出部41に連続するように形成される。また、ハーネスガイド部36は、一端側の導出部41の軸方向に延在するように形成される。さらに、ハーネスガイド部36は、延在方向端部46となる位置の幅が一端側の導出部41の幅よりも広い、末広がりの形状に形成される。このようなハーネスガイド部36には、配置変化部47が形成される。また、ハーネスガイド部36には、固定脚部48と壁状部49とが形成される。
図10ないし図14において(必要に応じて図6ないし図9も参照する)、配置変化部47は、固定構造物23に対する移動構造物24(図1参照)の位置に応じてハーネス本体29の配置が変わるような部分に形成される。配置変化部47には、ハーネスガイド部36の延在方向端部46の位置において、端部中間50よりもこの両側の一側端部51・他側端部52が下がるような、且つ、移動構造物24の往復移動の途中でハーネス本体29が端部中間50を乗り越えるような、凹凸の端部形状53(図13参照)が形成される。また、配置変化部47には、プロテクタ本体35の一端側の導出部41からのびる、第一配置部54と、第二配置部55と、第三配置部56とが形成される。第二配置部55の両側には、二つの傾斜部57、58が形成される。第一配置部54は、凹凸の端部形状53における一側端部51に向けて長くのびる凹状部分に形成される。また、第二配置部55は、端部中間50に向けて真っ直ぐな平面59でのびる部分に形成される。また、第三配置部56は、凹凸の端部形状53における他側端部52に向けて短くのびる部分に形成される。傾斜部57は、第一配置部54から第二配置部55にかけての斜面部分に形成される。また、傾斜部58は、第三配置部56から第二配置部55にかけての斜面部分に形成される。
図10ないし図13において、固定脚部48は、移動構造物24(図1参照)に対する固定部分として形成される。壁状部49は、固定脚部48から一端側の導出部41にかけて形成されるガイド側部63に配置される。壁状部49は、ハーネス本体29の配置規制と、配置変化部47の補強とを兼ねた部分に形成される。壁状部49は、本実施例において、断面コ字状(断面略π字状)に形成される。
以上、図1ないし図14を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態であるプロテクタ28及びワイヤハーネス配索構造21によれば、ハーネスガイド部36に配置変化部47が形成されることから、固定構造物23に対する移動構造物24の位置に応じてハーネスガイド部36でのハーネス本体29の配置を変えていくことができる。従って、固定構造物23及び移動構造物24に跨って配索されるハーネス本体29の円滑な移動を、ハーネスガイド部36の配置変化部47にて実現することができる。
Claims (8)
- 固定構造物に対し所定方向に往復移動可能な移動構造物に固定され、且つ、前記固定構造物及び前記移動構造物に跨って配索される屈曲可能なハーネス本体の一部を収容する樹脂製のプロテクタ本体と、
該プロテクタ本体における前記ハーネス本体の導出部に連続し、且つ、該導出部の軸方向に延在して前記ハーネス本体をガイド可能なハーネスガイド部とを有し、
該ハーネスガイド部には、前記固定構造物に対する前記移動構造物の位置に応じて前記ハーネスガイド部での前記ハーネス本体の配置が変わる配置変化部が形成され、
該配置変化部には、前記ハーネスガイド部の延在方向端部位置において、前記プロテクタ本体に設けられた前記移動構造物に対する固定部と前記ハーネスガイド部に設けられた前記移動構造物に対する固定脚部とで前記プロテクタ本体を前記移動構造物の水平面上に固定した際に前記プロテクタ本体が前記移動構造物の上側に位置するとした場合に、端部中間よりもこの両側の一側端部及び他側端部が垂直方向である上下方向に対して下向きに下がるような、且つ、前記往復移動の途中で前記ハーネス本体が前記端部中間を乗り越えるような、凹凸の端部形状が形成される
ことを特徴とするプロテクタ。 - 請求項1に記載のプロテクタにおいて、
前記延在方向端部位置の少なくとも前記端部中間には、前記ハーネス本体が摺接するハーネス摺接部が形成され、該ハーネス摺接部は、面取り形状又は曲面形状に形成される
ことを特徴とするプロテクタ。 - 請求項1又は2に記載のプロテクタにおいて、
前記ハーネスガイド部は、前記延在方向端部位置の幅が前記導出部の幅よりも広い、末広がりの形状に形成される
ことを特徴とするプロテクタ。 - 請求項1、2又は3に記載のプロテクタにおいて、
前記配置変化部は、この表面が鏡面となる状態に形成される
ことを特徴とするプロテクタ。 - 請求項1、2、3又は4に記載のプロテクタにおいて、
前記延在方向端部位置の前記一側端部には、前記移動構造物に対する固定部分としての固定脚部が連続して形成され、該固定脚部から前記導出部にかけてのガイド側部には、前記ハーネスガイド部での前記ハーネス本体の配置規制と、前記配置変化部の補強とを兼ねた壁状部が形成される
ことを特徴とするプロテクタ。 - 固定構造物に対し所定方向に往復移動可能な移動構造物に固定される請求項1、2、3、4又は5に記載のプロテクタと、
一端が前記固定構造物側にのび、且つ、他端が前記移動構造物側の電気的接続部に接続され、且つ、前記他端側の一部が前記プロテクタのプロテクタ本体に収容され、且つ、全体が前記固定構造物及び前記移動構造物に跨って配索される屈曲可能なハーネス本体とを備え、
該ハーネス本体は、前記固定構造物に対する前記移動構造物の位置に応じて前記プロテクタのハーネスガイド部に形成された配置変化部により、該配置変化部での配置を変えながら、且つ、ハーネス中間部に屈曲部分を生じさせながら配索される
ことを特徴とするワイヤハーネス配索構造。 - 請求項6に記載のワイヤハーネス配索構造において、
前記ハーネス中間部は、前記配置変化部により前記往復移動の途中での前記屈曲部分の曲率が変わらないように配索される
ことを特徴とするワイヤハーネス配索構造。 - 請求項6又は7に記載のワイヤハーネス配索構造において、
前記ハーネス本体は、幹線から分岐された分岐線の本体が該当するものとして形成される
ことを特徴とするワイヤハーネス配索構造。
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