JP7318848B1 - 凝固位置計測装置、凝固位置計測方法、金属材料の品質管理方法、鋳造設備、金属材料の製造設備及び金属材料の製造方法 - Google Patents

凝固位置計測装置、凝固位置計測方法、金属材料の品質管理方法、鋳造設備、金属材料の製造設備及び金属材料の製造方法 Download PDF

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鋳片厚の変動によってリフトオフが小さくなることによる電磁超音波センサの破損及び焼損を防止するとともに、リフトオフが大きくなることによる電磁超音波センサの感度低下を防止することによって、鋳片の凝固位置計測を連続かつ自動で行うことができることを目的とする。鋳片1の外側に設置された電磁超音波センサ7,8と、鋳片1と電磁超音波センサ7との間隔を調節するセンサ昇降手段と、鋳片1と電磁超音波センサ7との間隔を測定する間隔測定手段と、電磁超音波センサ7の出力から鋳片1中の凝固位置を推定する計測手段と、センサ昇降手段と間隔測定手段とを駆動制御する駆動制御手段とを備え、駆動制御手段は、間隔測定手段が測定する間隔をもとにセンサ昇降手段により電磁超音波センサ7の位置を制御する。

Description

本発明は、凝固位置計測装置、凝固位置計測方法、金属材料の品質管理方法、鋳造設備、金属材料の製造設備及び金属材料の製造方法に関するものである。
鋳片、特に鋼の鋳片の凝固位置、特にクレーターエンドとも呼ばれる最終凝固位置は、品質および生産性の上で重要な指標である。例えば、生産性を上げるために鋳造速度を上昇させると、最終凝固位置は鋳造方向下流側に移動する。最終凝固位置が鋳片支持ロールの範囲を超えてしまうと、鋳片が静鉄圧の作用により膨らみ、内質の悪化や巨大バルジングによる鋳造停止といった問題が生じる。また、鋳片の中心偏析低減のための軽圧下操業においては、最終凝固位置を軽圧下帯内に位置させるよう、鋳造速度や二次冷却水量を制御し、適切に圧下する必要がある。なお、鋳片における最終凝固位置は幅方向に均一ではなく、かつ時間変動することが知られている。この最終凝固位置の幅方向での差および形状も、鋳片の品質上重要な因子であることが知られている。
これらの要求に応えるため、鋳片の凝固状態を把握し、最終凝固位置を把握するため、様々な方法が提案されている。例えば、鋳片に金属製の鋲を打ち、中央部に溶融層、流動層があるかを確認する方法がある。また、凝固過程における伝熱計算を行い、最終凝固位置を推定する方法がある。また、表面温度を連続的に計測し、伝熱計算を補正し、高精度化する方法がある。さらに、オンラインで凝固位置を直接計測する方法としては、電磁超音波センサを用いて直接計測する方法がある。たとえば、特許文献1では、横波超音波により最終凝固位置を検知し、伝熱計算を補正し、縦波超音波の伝搬時間から凝固完了位置を求める方法が開示されている。
特開2010-5700号公報 特開平10-122844号公報
このように、凝固位置や形状の把握は強いニーズがあり、電磁超音波を用いた計測が行われていたものの、自動で計測を行うところまでは実施できていなかった。自動計測の障害となっていた課題はいくつかあるが、スラブ厚変動等に起因するリフトオフ変動と、感度の低下・変動に起因する自動判定が困難である点が挙げられる。
具体的に、電磁超音波センサを用いた凝固位置計測方法では、横波超音波及び縦波超音波を利用して、凝固及び未凝固の検知・校正、及び、縦波伝搬時間から凝固位置形状を算出できる。この電磁超音波センサは非接触で超音波を送受信できる方法であるが、測定対象と電磁超音波センサとの間隔は5mm程度とする必要があり、実際の操業においては、この間隔(リフトオフ)が変動する。例えば、鋳片厚変動やバルジングによる局所的・周期的な厚み変動などにより、リフトオフが変動する。
例えば、急減速や鋳造停止などにより連続鋳造設備の上方で凝固してしまった場合、厚みの厚い鋳片が流れてくることがある。この場合、電磁超音波センサが鋳片に接触し、破損、焼損する可能性がある。また、この接触により電磁超音波センサが破損・脱落すると、電磁超音波センサがロールに巻き込まれて鋳片に傷が生じたり、鋳造ロールを破損させたり、さらにはロールキズにより鋳片に対して連続的に傷を生じさせるなど、重大なトラブルに至る可能性がある。
一方、鋳造の終盤に静鉄圧がなくなった状況などにおいては、鋳片の厚みが薄くなり、リフトオフが大きくなり、電磁超音波センサの感度を確保できなくなる。
すなわち、鋳片厚が厚くなってリフトオフが小さくなると、電磁超音波センサと鋳片との接触などが生じ、電磁超音波センサが破損することがあり、逆に、鋳片厚が薄くなってリフトオフが大きくなりすぎると、電磁超音波センサの感度を確保することができず、自動的かつ連続的な凝固位置計測を行うことができなかった。
また、電磁超音波の感度、波形歪みにかかる問題も、自動化を妨げる大きな要因であった。電磁超音波の送受信感度が低いため、送受信した超音波のS/Nが確保できず、手動解析を余儀なくされたり、表面温度などの影響で送受信波形が歪み、自動計測が困難になるという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、鋳片厚の変動によってリフトオフが小さくなることによる電磁超音波センサの破損及び焼損を防止するとともに、リフトオフが大きくなることによる電磁超音波センサの感度低下を防止し、さらには、送受信波形のS/Nを大幅に向上させることにより、受信信号の自動計測を行うことにより、鋳片の凝固位置計測を連続かつ自動で行うことができる凝固位置計測装置、凝固位置計測方法、金属材料の品質管理方法、鋳造設備、金属材料の製造設備及び金属材料の製造方法を提供することを目的とする。
(1)上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る凝固位置計測装置は、鋳片の凝固位置を計測する凝固位置計測装置であって、前記鋳片の外側に設置された電磁超音波センサと、前記鋳片と前記電磁超音波センサとの間隔を調節するセンサ昇降手段と、前記鋳片と前記電磁超音波センサとの間隔を測定する間隔測定手段と、前記電磁超音波センサの出力から前記鋳片中の凝固位置を推定する演算手段と、前記センサ昇降手段と前記間隔測定手段とを駆動制御する駆動制御手段とを備え、前記駆動制御手段は、前記間隔測定手段が測定する前記間隔をもとに前記センサ昇降手段により前記電磁超音波センサの位置を制御する。
(2)また、本発明に係る上記(1)に記載の凝固位置計測装置は、前記鋳片の外側で、前記電磁超音波センサを前記鋳片水平面に平行な面内を移動させるセンサ走行手段を備える。
(3)また、本発明に係る上記(1)又は(2)に記載の凝固位置計測装置であって、前記間隔測定手段は、測定対象に対し水を噴射し、その噴射した水中に超音波を往復させ、その反射信号の伝搬時間をもとに超音波発生手段から測定対象までの距離を測定する。
(4)また、本発明に係る上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の凝固位置計測装置であって、前記電磁超音波センサの送受信信号は、周波数が時間的に変化するチャープ信号であり、前記演算手段は、前記チャープ信号に対し相間演算を含む演算処理を行う。
(5)また、本発明に係る上記(4)に記載の凝固位置計測装置であって、前記演算手段は、前記演算処理の後、透過波及び/又は反射波を、前記透過波及び/又は前記反射波を含む時間ゲートで波形検出を行い、波形検出した前記透過波及び/又は前記反射波の時間差を用いて伝搬時間を演算する。
(6)また、本発明に係る上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の凝固位置計測装置であって、前記電磁超音波センサは、ハルバッハ配列の磁石を用いる。
(7)上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る凝固位置計測方法は、鋳片の凝固位置を計測する凝固位置計測方法であって、前記鋳片と電磁超音波センサとの間隔を測定する間隔測定ステップと、測定した前記間隔が規定範囲内か否かを判定する間隔判定ステップと、前記間隔が規定範囲内でない場合、測定した前記間隔をもとに前記間隔を調整する間隔調整ステップと、前記間隔が規定範囲内である場合、前記電磁超音波センサを用いて前記鋳片中の凝固位置を推定する演算ステップとを含む。
(8)また、本発明に係る上記(7)に記載の凝固位置計測方法は、前記電磁超音波センサを、前記鋳片水平面に平行な面内を移動させる移動ステップを含む。
(9)また、本発明に係る上記(7)又は(8)に記載の凝固位置計測方法は、前記電磁超音波センサは、ハルバッハ配列の磁石を用い、前記電磁超音波センサの送受信信号は、周波数が時間的に変化するチャープ信号であり、前記演算ステップは、前記チャープ信号の相間演算を含む演算処理を行う。
(10)上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る金属材料の品質管理方法は、上記(7)~(9)のいずれか1つに記載の凝固位置計測方法を用いて測定した鋳片の凝固位置から、次工程の製造条件を制御する。
(11)上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る金属材料の製造設備は、上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の凝固位置計測装置を備え、前記凝固位置計測装置により前記鋳片の凝固位置を計測しながら金属材料を製造する。
(12)上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋳造設備は、上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の凝固位置計測装置を備え、前記凝固位置計測装置により前記鋳片の凝固位置を計測しつつ、鋳片を製造する。
(13)上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る金属材料の製造設備は、上記(12)に記載の鋳造設備を備え、前記鋳造設備で製造した鋳片から金属材料を製造する。
(14)上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る金属材料の製造方法は、上記(7)~(9)のいずれか1つに記載の凝固位置計測方法を用いて鋳片の凝固位置を測定しながら金属材料を製造する。
本発明に係る凝固位置計測装置、凝固位置計測方法、金属材料の品質管理方法、鋳造設備、金属材料の製造設備及び金属材料の製造方法によれば、鋳片厚の変動によってリフトオフが小さくなることによる電磁超音波センサの破損及び焼損を防止するとともに、リフトオフが大きくなることによる電磁超音波センサの感度低下を防止し、さらには、送受信波形のS/Nを大幅に向上させることにより、受信信号の自動計測を行うことによって、鋳片の凝固位置計測を連続かつ自動で行うことができる。
図1は、本発明の実施形態である凝固位置計測装置を備えた連続鋳造設備の概要構成を示す図である。 図2は、本実施形態である凝固位置計測装置の構成を示す模式図である。 図3は、凝固位置計測装置による凝固位置の計測制御処理手順を示すフローチャートである。 図4は、凝固位置計測装置による定位置測定モードにおける凝固位置の計測制御処理手順を示すフローチャートである。 図5は、ブーム、電磁超音波センサ、水柱距離計の配置変形例の一例を示す図である。 図6は、ブーム、電磁超音波センサ、水柱距離計の配置変形例の一例を示す図である。 図7は、水柱距離計の構成を示す断面図である。 図8は、電磁超音波センサによる縦波の発生を説明する説明図である。 図9は、電磁超音波センサによる横波の発生を説明する説明図である。 図10は、電磁超音波センサにおける磁石と縦波コイルと横波コイルとの配列の一例を示す図である。 図11は、図10に示した電磁超音波センサの磁石に補助磁石を加えた変形例を示す図である。 図12は、電磁超音波センサの磁石をハルバッハ配列とし、演算処理(チャープパルス圧縮処理)の有無による受信信号波形を示す図である。 図13は、図11に示したハルバッハ配列の磁石を用い、チャープパルス圧縮を実行した受信波形と、チャープパルス圧縮信号及び図10に示した通常磁石を用いた場合の受信波形とを示す図である。 図14は、横波測定を説明する説明図である。 図15は、縦波測定を説明する説明図である。 図16は、鋳片に対する全幅の自動測定の一例を示す図である。 図17は、鋳片に対する合否判定の一例を示す図である。
本発明の実施形態に係る凝固位置計測装置、凝固位置計測方法、金属材料の品質管理方法、鋳造設備、金属材料の製造設備及び金属材料の製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、以下の実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものも含まれる。また、鋳片とは、金属材料が鋳造された後に得られる材を示す。
<連続鋳造設備の概要>
図1は、本発明の実施形態である凝固位置計測装置を備えた連続鋳造設備の概要構成を示す図である。また説明を容易にするために、一例として「金属材料」は「鋼材」として、「鋳造設備」は「連続鋳造設備」として、「鋳片」とは、連続鋳造設備により鋳造された鋼の鋳片とする。図1に示すように、連続鋳造設備では、鋳型101に注入された溶鋼は、鋳型101によって冷却され、鋳型101と接触する部位に凝固部2を形成し、周囲を凝固部2とし、内部を未凝固の液相部3とする鋳片1を生成する。なお、方向を図1中に定義する。X方向:鋳片幅方向、Y方向;鋳片引き抜き方向、Z方向:鋳片厚み方向およびリフトオフ方向。以下同じ。
鋳片1は、鋳型101の下方に対向して配置された複数対の鋳片支持ロール102に支持されつつ鋳型101の下方に引き抜かれる。鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロール102の間隙には、鋳片1の表面に向けて冷却水を吹き付けるエアーミストスプレーノズルや水スプレーノズル(図示せず)などからなる二次冷却帯が設置されており、鋳片1は鋳造方向下流側に引き抜かれながら二次冷却帯で冷却され、中心部まで完全に凝固する。この中心部まで完全に凝固した位置がクレーターエンドと呼ばれる最終凝固位置である。以下、最終凝固位置をクレーターエンド位置4あるいは単に凝固位置4と呼ぶ場合がある。凝固が完了した鋳片1は、鋳片支持ロール102の下流側に設置された鋳片切断機104で所定の長さに切断され、鋳片1Aとして搬送用ロール103によって搬出される。
ここで、連続鋳造設備には、凝固位置計測装置が配置される。凝固位置計測装置は、鋳片1をはさんで対向配置された電磁超音波センサ7,8、及び、鋳片と電磁超音波センサ7との間隔(リフトオフ)を測定する間隔測定出段としての水柱距離計6を備える。電磁超音波センサ8は電磁超音波を送信するセンサであり、電磁超音波センサ7は、電磁超音波を受信するセンサである。電磁超音波センサ7,8は、横波電磁超音波及び縦波電磁超音波を鋳片1に対して送信し、鋳片1を介して受信する。横波電磁超音波は、液相部3を通過しないので、鋳片1が凝固しているか未凝固であるかを計測できる。すなわち、計測位置が凝固位置4の上流側であるか下流側であるかを判定することができる。また、縦波電磁超音波は、鋳片1を伝搬する伝搬時間をもとに凝固位置4を演算して推定するのに用いられる。電磁超音波センサ7及び水柱距離計6は、鋳片1の+Z方向側に配置されたブーム11の下方(-Z方向)に取り付けられ、電磁超音波センサ8は、鋳片1の-Z方向側に配置されたブーム12の上方(+Z方向)に取り付けられ、それぞれブーム11,12とともに移動可能である。各ブーム11,12は、±Z方向の昇降及び±X方向の移動が可能である。電磁超音波センサ7と鋳片1との間隔であるリフトオフ値は、水柱距離計6が計測した水柱距離計6と鋳片1とのリフトオフ値をもとに調整される。なお、ここでの連続鋳造設備は、基本的に下側を基準面とし、上側のロールの位置を制御することにより鋳造厚を制御する機構となっており、下側の電磁超音波センサ8のリフトオフ値は固定とし、上側の電磁超音波センサ7のリフトオフ値が調整制御されるようにしている。
<凝固位置計測装置の構成>
図2は、本実施形態である凝固位置計測装置10の構成を示す模式図である。図2に示すように、凝固位置計測装置10は、間隔測定手段である水柱距離計6及び電磁超音波センサ7が取り付けられたブーム11と、電磁超音波センサ8が取り付けられたブーム12とが鋳片1をZ方向(高さ方向)で挟むように配置される。ブーム11は、センサ昇降手段であるモータ23により高さ方向に昇降され、センサ走行手段であるモータ21によりX方向(幅方向)に走行(横行走行)される。また、ブーム12は、センサ走行手段であるモータ22により横行走行される。なお、センサ走行手段は、電磁超音波センサ7,8を定められた測定位置まで鋳片水平面に平行な面内を移動させる。
駆動制御部13は、水柱距離計6が測定したリフトオフ値を取得し、このリフトオフ値、及び、上位装置110から送られる鋳片厚や鋳片幅などの操業情報をもとにモータ21~23を駆動制御し、ブーム11,12を介した電磁超音波センサ7,8の走行制御及び昇降制御を行う。
演算手段である計測演算部14は、送信部15を介して電磁超音波センサ8に送信信号を加えて電磁超音波を鋳片1に向けて送信させ、鋳片1に超音波を誘起させ、電磁超音波センサ7が受信した超音波受信信号をもとに適切な信号処理を加え、凝固位置4及び凝固形状などを推定演算し、演算結果を上位装置110に送信する。
すなわち、凝固位置計測装置10は、水柱距離計6が鋳片1に対するリフトオフ値を常時測定し、この測定結果をもとに電磁超音波センサ7,8の昇降制御や横行走行制御を自動的に行って、凝固位置計測の自動化を行うようにしている。なお、横行走行は、モータ21,22による自動走行を可能とし、任意の、あるいはあらかじめ指定した位置で停止し、測定を行えるようにする。モータ制御は、一般的なパルスモータ又はサーボモータなどを用いればよく、その位置精度は1mm程度以下を持つことが好ましい。
電磁超音波センサ7の高さ調整(リフトオフ調整)は、電磁超音波センサ7のみを昇降制御して高さを調整する構成も考えられるが、高さ調整の駆動部が連続鋳造設備内に入ってしまうため、寸法の制約(通常ロール間隔は30~70mm程度)や、蒸気や熱などの悪環境下であることから、駆動部は連続鋳造設備の外に設置し、ブーム全体の昇降を可能とすることが好ましい。高さ方向の昇降精度は0.1mm程度の精度を持つことが好ましい。制御には、一般的なパルスモータ又はサーボモータなどを用いればよい。昇降および位置決めの速度は、0.1mm/s~1mm/s程度を例示できる。前述のように鋳片厚の変化などにより高さ調整を行う場合、横行によるブーム11,12の垂れ(ブーム自重による弾性変形により先端が下がる)の調整、その他要因による高さ調整に必要な速度により設計すればよい。速度が遅すぎると昇降が間に合わず接触する可能性がある一方、必要以上に高速な場合、位置制御性能が劣化したり、モータ部分が大きくなりすぎコスト高になる。鋳造における変化は通常数分の遅れ、時間スケールで進行することが多い。したがって、横行による高さ・鋳片厚の変化等も含め、10秒~1分以内に位置調整が完了する程度で制御することが好ましい。また、昇降可能範囲は、鋳造する公称鋳片厚をカバーし、かつその厚み-20mm~+50mm程度で制御できることが好ましい。
ブーム11,12は、横行にあたって、十分な直進性と剛性を保つ必要がある。具体的には、鋳片1は通常1m~2.5m程度の幅を持つため、この測定対象の全幅にわたって走行測定が可能である必要がある。全幅測定の場合は、鋳片1の最奥まで走行可能である必要がある。なお、左右対称の仮定のもとに、半幅測定とし中央まで走行可能であることする設計も考えられ、要求精度や偏析の度合い、あるいは客先要望等によって設計することが可能である。
鋳造セグメントの間隔は通常30mm~50mm程度であり、その隙間に挿入する必要がある。したがって、ブーム11,12の鋳造方向における厚みは非常に薄いものとなる。一方で、2mの鋳片に対応するためには、退避分を含めると、X方向に3m~4m程度のストロークを確保する必要がある場合があり、自重およびヘッドの重量、あるいは鋳造セグメントとの干渉、擦れによる変形等を防ぐため十分な剛性を有する必要がある、そのため、高さ方向で剛性を確保する必要がある。
ブーム11,12は、鋳片1からの輻射熱を受ける。この時、鋳片1に対する面と、その反対側で熱の入り方が異なる。鋳片1に対する面(ブーム11ではブーム下面)と、反対側で温度差が生じ、ブームの反りが発生する。これは、電磁超音波センサが測定対象から離れる側になるため、鋳片1の厚み変動とは別に、リフトオフが大きくなる方向に働く。リフトオフが大きくなると、電磁超音波センサのリフトオフ特性に従い、感度が低下する。
また、非測定時の熱影響やメンテナンス性を考えると、鋳片1から十分離れた位置まで退避できることが望ましく、より具体的には鋳造セグメント外または鋳造チャンバー外が好ましい。鋳造チャンバー外まで退避できると、熱影響、蒸気などの影響を受けることなく待機することも可能となり、任意のタイミングでメンテナンスも可能となる。
また、前述のようにロール間隔は30mm~70mm程度であるので、センサ、ブーム、間隔測定手段は、この隙間に挿入可能な寸法を持つ必要がある。さらにメンテナンスなどを考えると、連続鋳造設備の外まで引き出し可能であることが望ましい。また、片持ちの場合、挿入したとき先端が重量により下がってしまうと、上側の電磁超音波センサは鋳片1に接触するため、あるいは下側の電磁超音波センサではリフトオフが大きくなりすぎ感度が維持できないため、ブーム11,12は十分な剛性を有することが好ましい。一方、両持ちの場合は、これらの問題に対し有利となる。その反面、連続鋳造設備のレイアウトに余裕がないと実現が難しくなる。いずれにせよ、設備の状況とブームが持てる剛性とを考慮して、適宜決定すればよい。
<計測制御処理>
図3は、凝固位置計測装置10による凝固位置の計測制御処理手順を示すフローチャートである。図3に示すように、まず、鋳造が開始されると、上位装置110から鋳造開始が駆動制御部13及び計測演算部14に伝達される。鋳造開始を検知すると、測定準備を行う(ステップS11)。この測定準備にあたっては、鋳片厚、鋳造幅、鋼種等をもとに、(幅方向の測定ピッチなど)測定条件を定める。また、この時に、各種冷却水の流量チェック、機器の健全性チェックを行ってもよい。そして、鋳片厚に基づき、挿入時のブーム高さを決定し、調整する。設定鋳造厚または鋳造セグメント開度などを基準としてもよい。具体的には、鋳片厚+7mm等を例示することができ、ここでは、最初の挿入時に鋳片1に接触しない程度の高さを粗調整する。なお、設定した高さに調整を行おうとして調整ができない場合、昇降異常として異常発報、測定中止とするような制御シーケンスを設定することが望ましい。
その後、ブーム11,12を測定位置まで横行走行する(ステップS12)。ステップS11による最初の高さ調整ステップの完了とともに、対象鋳片が指定位置まで到達したことを引き抜き長等の操業実績指標に基づき判断し、横行走行して移動する。連続鋳造の初期においては、ダミーバーの走行や、初期の鋳片厚のばらつきなどにより、センサを破損する可能性がある。したがって、ダミーバーの通過が完了したこと、または鋳片の先頭が通過したことを横行開始のトリガーとしてもよい。最初の測定待機位置は、ブーム先端の間隔測定手段のみが鋳片の端にかかる位置である。鋳造幅はあらかじめ操業実績情報として伝達されており、間隔測定手段の位置は既知であるから、移動先の位置は自動的に算出することができる。
その後、ブーム11,12が測定待機位置までの移動が完了したか否かを判定する(ステップS13)。移動が完了していない場合(ステップS13:No)には、ステップS12に移行し、移動が完了した場合(ステップS13:Yes)には、水柱距離計6の指示値(検出値)を取得する(ステップS14)。そして、水柱距離計6によって測定されたリフトオフ値L2をもとに、鋳片1と電磁超音波センサ7とのリフトオフ値L1が規定範囲内であるか否かを判定する(ステップS15)。リフトオフ値L1が規定範囲内でない場合(ステップS15:No)には、このリフトオフ値を調整し(ステップS16)、ステップS14に移行する。このリフトオフ値L1の調整は、ブーム11の昇降制御によって行われる。
リフトオフ値は、公称値/設定値による鋳造厚に対して、温度や鋳造速度等の影響、あるいは鋳造セグメントの変位やブームの熱膨張などにより誤差を生じていることがあるため、実測した間隔により、電磁超音波センサの高さを調整する。鋳片と電磁超音波センサとの間隔は、例えば5mm±0.5mm等を例示することができる。間隔が大きいと、感度が低下し測定が不可能になる一方、間隔が小さすぎると鋳片厚変動等により接触・焼損・破損の危険性が上昇する。
リフトオフ値が規定範囲内である場合(ステップS15:Yes)には、電磁超音波センサ7,8による縦波測定及び横波測定を行う(ステップS17)。すなわち、電磁超音波センサ8にパルス電流を印可し、鋳片表面に超音波を誘起する。そして、電磁超音波センサ7により超音波を受信し、適切な信号処理を行い、凝固状態および/または凝固位置を算出する凝固位置推定演算を行う(ステップS18)。演算結果は、上位装置110に送られる。なお、操業条件などによっては、縦波測定のみ、あるいは横波測定のみを行う場合がある。
その後、移動指示があるか否かを判定し(ステップS19)、移動指示があった場合(ステップS19:Yes)には、ステップS12に移行し、次の測定点に移動する。一方、移動指示がない場合(ステップS19:No)には、本処理を終了し、電磁超音波センサ7,8などを連続鋳造設備外に移動させる。
移動指示は、例えば、幅方向に100mmピッチで測定するというように、予め設定しておく。この電磁超音波センサ7,8の移動により、鋳片1に対して幅方向に離散的にジグザクの測定点となり、全幅測定することにより1つの凝固位置の形状が幅方向の分布として得られる。走行の順番も、鋳片の端から順に測定するか、中央部分から測定するかなどは、適宜定めてよい。
なお、移動指示があるかないかによる計測処理終了判断は、鋳造の終了であってもよい。鋳造終了の情報や鋳片トップ(上端・尾端)が指定位置を過ぎたことを測定終了のトリガーとしてもよい。特に鋳片トップは未凝固溶鋼が露出している場合や、静鉄圧がなくなったこと、あるいは凝固収縮により鋳片厚が変動することがあるので、退避することが望ましい。ブームを退避させるとき、その時の高さのまま退避させてもよいが、例えば2mm~3mm程度上昇(鋳片からの距離が遠くなる方向)させて退避させることで、鋳片幅方向偏差やブーム傾きといったリスクを排除して退避させることができる。連続鋳造設備の外まで退避完了し、測定を終了する。
なお、特定の位置で連続的に計測する場合(定位置測定)も考えられる。この場合には、測定点の移動のための移動指示はなく、図4のフローチャートに示した手順により測定が行われる。定位置測定においては、鋳片の中央位置、あるいは経験的/過去実績から鋳片品質に特に影響する位置を重点的に測定するなどの運用も考えられ、対象鋳片の性質や要求によって適宜定める。
図4に示すように、定位置測定では、ステップS11~S18の処理と同じ処理を行う(ステップS21~S28)。ステップS28において、凝固位置推定演算を行った後、次の測定指示があるか否かを判定する(ステップS29)。定位置測定では、ブームを走行させる必要がないため、次の測定指示がある場合(ステップS29:Yes)、ステップS22に移行せず、ステップS24に移行して水柱距離計の値を取得して同じ位置での測定を行う。一方、鋳造の終了などにより、次の測定指示がない場合(ステップS29:No)には、本処理をする。
<ブーム、電磁超音波センサ、水柱距離計の配置変形例>
図5及び図6は、ブーム、電磁超音波センサ、水柱距離計の配置変形例の一例を示す図である。図2では、電磁超音波センサ7,8が測定対象の鋳片1を挟み込むように配置した透過測定系であったが、図5に示すように、1つの電磁超音波センサ7aによる反射測定系としてもよい。反射測定系の場合、ブーム12及びモータ22は設けられない。なお、電磁超音波センサ7aは鋳片1の下側に設けてもよい。
また、図6に示すように、ブーム11,12の双方に水柱距離計6a,6bを設けるとともに、ブーム12にセンサ昇降手段としてのモータ24をさらに設けるようにしてもよい。反射測定系より透過測定系の方が、超音波が伝搬する距離が短いので、信号強度を取りやすいというメリットもある。なお、図2に示したように、連続鋳造設備は基本的に下側を基準面とし、上側のロールの位置を制御することにより鋳造厚を制御する機構となっている場合が多く、その場合、下側のセンサ高さを固定とし、上側の高さを制御する構造とするのがよい。
<水柱距離計>
間隔測定手段としてのレーザー距離計などの光学式の場合、測定対象が赤熱している鋳片に対しては市販品で一般的な赤色レーザー光源を使用することとなる。しかし、赤色レーザー光源は適切に使用できないことが多い。また、鋳片冷却に伴う水滴、ミスト、オイルミストなどにより測定のためのレーザー光が邪魔されたり、光学窓が汚れるなどが原因で、鋳片近傍での使用は困難であることも多い。
また、渦流式距離計は、高精度で比較的コンパクトという特徴がある。一方で、測定対象までの距離が数ミリ以下に限定されるため、熱影響による損耗や故障のリスクが上がりやすい。そして、導体までの距離を計測するという原理から、センサの外装はプラスチックやセラミックスが多い。ここで、プラスチックは耐熱性の点で、セラミックスは熱負荷などによる機械的強度の点で問題となる可能性がある。
これに対し、水柱距離計は、本発明にかかる凝固位置計測装置の間隔測定手段としては、最も適している。いくつか理由をあげると、先ず、水柱により超音波を伝搬させる構造上、水蒸気やミストなどの影響を受けづらい。そして、鋳片表面と水の音響インピーダンスの差により反射が生じるため、鋳片表面温度によらず測定が可能である。鋳片表面に接した水が沸騰により気泡を生じても、水柱の水圧により直ちに流され、鋳片表面からの反射となる。また、超音波探触子が常に水冷されている構造となるため、熱影響による損耗や故障が生じにくい。水柱の長さは、後述するように50mm程度の距離を取ることができ、ノズル等への熱影響も小さい。また水柱距離計自体は小型であり、セグメントロールの隙間のような狭い場所でも使用することができる。水柱距離計は、全体の厚みが20mm~30mm程度であり、ロールの隙間に十分格納することができる。
図7は、水柱距離計6の構成を示す断面図である。水柱距離計6は、典型的には図7のような構造を取るが、これに限定されるものではない。水柱距離計6は、超音波プローブ61、給水口62、整流用の水タンク63、ノズル64、段差65を有する。
超音波プローブ61は、局部水浸型プローブが好ましい。水柱用の水の中に取り付けるため、水没使用可能なプローブを選択するとよい。この水柱用の水は、探触子の冷却水を兼ねる。周波数や探触子寸法は適宜設計すればよいが、中心周波数5MHzのプローブを例示することができる。探触子の直径は8mm~12mm程度を例示することができる。
給水口62に適量の水を供給し、ノズル64を経由して、対象との間に水柱を形成する。給水する水量は、ノズル径、水距離、特にノズル64先端から鋳片1までの距離に依存するので、適宜設計すればよいが、一例として、8mmのノズル、ノズル先端と鋳片1との距離が50mmにおいて、5~15リットル/分程度が好適である。
供給する水の質については、気泡やゴミなどが含まれないことが望ましい。水柱中の気泡などは超音波の反射源となり、S/N比(Signal to Noise Ratio)を低下させたり、まったく反射信号が取れないといった原因となる。ただし、多少の気泡であれば、同期加算や平均化などの処理で除去できる場合もある。
また、水柱ノズルの中に整流・滞留機構をつけ、気泡対策を行うこともできる。気泡がセンサ面付近に滞留しないように設計することで、多少含まれる可能性のある気泡の影響を低減することができる。
ノズル径は6mm~15mm程度が好ましく、8~10mmがより好ましい。流量は、5~15リットル/分程度が好適であり、層流となるように流量とノズル距離とを設計する。ノズル距離(水柱距離)は、ノズル径、水柱流量から適宜設計すればよいが、5mm~100mmの範囲を例示できる。典型的には、30mm~70mm程度が好適である。5mm程度以下では、鋳片1への接触という課題や、超音波プローブ61への熱影響が生じる。水柱の距離が大きくなると、安定した水柱を維持するために流量を増やす必要があるが、流量が増えると乱流となり反射信号のS/N比が低下する。また、流量を増やしたり、水圧を上げる必要があり、いずれも乱流の原因となる。
また、ノズル径は、探触子径と同程度を選定すればよい。径が小さいと、伝搬できる超音波の強度が小さくなり、感度・安定性が低下する。ノズル径をプローブ径と同程度とすることで、若干広がって伝搬する超音波信号の一部が段差65で反射され、基準エコーとすることができる。ノズル径が大きくなりすぎると、段差エコーが小さくなりすぎたり、流量を増やす必要があるため鋳片1に不要な冷却を与えてしまうことがあり、望ましくない。
さらに、水タンク63で整流、流速調整および気泡の脱気を行うことで、超音波プローブ61の前面などに気泡が滞留しなくなり、超音波の散乱を防ぎ、S/N比を向上させ、測定を安定化することができる。図7に示すように、超音波プローブ61の両側においてもよいし、片側としてもよい。設置可能な寸法などから適宜設計すればよい。
段差65は、段差65により超音波を一部反射させ、その反射信号により音速の温度依存性を補正するために設けている。超音波プローブ61を格納する空間とノズル64との境界を段差65としてもよく、ノズル64により径が縮小することをもって段差としてもよい。また、一部反射するように、突起や棒状のものを有してもよい。
この段差65で反射した超音波が超音波プローブ61に戻るとエコー(段差エコー)が生じる。この段差エコーを利用して、水温補正を行う。超音波音速は水温によって変化するため、鋳片1からのエコーのみで距離Ldを算出することはできない。これに対し、段差エコーを用いることで、高精度に求めることができる。
ここで、鋳片1までの距離をLdとする。計測された伝搬時間をTd、音速をV(C)とし、水温をCとすると、求めたい距離Ldは、Ld=Td/V(C)と表せる。音速は水温に対する依存性を持つため、V(C)(温度依存性)に起因する誤差が生じる。この誤差を防ぐためには、あらかじめ音速テーブルを保持するとともに、水温を測定してテーブル参照し、温度に応じた音速により水距離を計算する必要があり、システム・計算として複雑になる。
これに対し、本実施形態の段差65を用いた距離計測では、超音波プローブ61から段差65までの距離をL、超音波プローブ61から鋳片1までの距離をLdとする。また、段差65からのエコーの伝搬時間をT、鋳片1からのエコーの伝搬時間をTdとする。超音波プローブ61から段差65までの距離は機械加工精度で決まる既知の値、実質的には定数である。距離Ldは、段差エコーの伝搬時間Tと段差65までの距離Lを用いて、次式によって求めることができる。
Ld=L/T×Td
この式から明らかなように、距離Ldは、温度影響項が含まれない形で表現することができ、水温に依存することなく距離測定が可能となる。段差エコーの伝搬時間と鋳片1からの伝搬時間は同程度の精度で求められ、音速の温度依存性の影響が解消される。
段差エコーと、鋳片1からのエコーとの二つにそれぞれ超音波の検出ゲートを設定し、同時に取得することで、リアルタイムの水温補正が可能となる。そのため、パソコン等を利用して取り込んだ波形を処理し、距離測定を行うことが好ましい。
なお、特許文献2に記載された音波計測装置及びその温度補正方法では、温度補正のためにあらかじめ段差からのエコー伝搬時間を求めておき、ついで測定対象からのエコー伝搬時間を測定することにより、温度補正を行う。これに対し、本実施形態においては、段差からの一部反射が常時生じることを用いて、段差エコーと鋳片1からのエコーとを同時に取得することで温度補正を行う点が異なる。同時に取得することにより、水温が変化する場合などに高精度かつ常時温度補正を適用した測定が可能となる。伝搬時間と段差エコーの時間を同時に測定するため、結果として事前測定式より高精度になる。
また、本実施形態の水柱距離計6を用いた距離測定方法により、ノズル64から鋳片1の距離20mm~50mmの範囲にわたって、絶対値誤差0.1mm以内であることも確認している。
<水柱距離計と電磁超音波センサとの位置関係>
電磁超音波センサ7の先に水柱距離計6を設置し、鋳片1と電磁超音波センサとの距離を常時測定するが、図7に示すようにそれぞれを配置することができる。
図7に示すように、電磁超音波センサ7と水柱距離計6とは機械的に結合されているため、あらかじめ相対位置を把握しておけばよい。典型的には、電磁超音波センサ7の先端面とノズル64の先端位置との差で30mm~50mm程度の差となる。水柱66の安定性や設置構造の制約によって適宜設定すればよい。
<電磁超音波センサ>
電磁超音波は、コイルを通電した大電流のパルス信号により導電体内に誘起される渦電流と、静磁場の相互作用によるローレンツ力により、導電体内に誘起される超音波振動である。電磁誘導による渦電流は導体表面に沿うように流れる。ローレンツ力はフレミング左手の法則に従い発生するので、図8に示すように、導体表面に平行な磁場を印加すると縦波が発生し、図9に示すように、導体表面に垂直な磁場を印可すると横波を発生させることができる。
図10に示すように、電磁超音波センサは、3個の磁石30と縦波コイル41と横波コイル42を配列することにより、縦波、横波をそれぞれ発生させることができる。図10に示した電磁超音波センサの磁石30では、一組の磁石30が鋳片1に対して横波用の磁場と縦波用の磁場を発生させることができる。
鋳片1に対して、水平成分が支配的な範囲に縦波コイル41を、垂直成分が支配的な範囲に横波コイル42を配置する。磁極の間に磁力線の模式図を合わせて示すが、鋳片1表面に水平成分の磁束により縦波超音波を、垂直成分の磁束により、横波を発生させる。より具体的には、フレミング左手の法則により、ローレンツ力は、縦波では水平磁場と、表面(紙面垂直方向)に誘起される渦電流の相互作用により、図中上下の向きに発生する。超音波の伝搬方向に対して疎密波となるので、縦波が生じる。横波においては、紙面垂直方向の渦電流と、鋼材垂直方向の同様にローレンツ力による振動が、図中水平方向に発生し、伝搬方向に対する剪断波(横波)となる。
それぞれの磁石の幅は、20mm(鋳造幅方向)×30mm(鋳造引き抜き方向)×40mm(高さ)程度とすることで、縦波横波両方を発生させることが可能な、鋳造幅方向100mm、引き抜き方向30mm程度の小型なセンサとして構成することができる。さらに冷却用の水路およびそれを保持するための水冷ジャケットを含めて、鋳造セグメント(典型的には200mmφのロール、ロール間隔50mm)の中に入る小型の電磁超音波センサとすることができる。
また、磁極幅はコイルの巻き数や線幅にも影響する。磁極幅を狭くすると、送信側ではコイルを細くする必要があり、コイルのインピーダンス(特に直流抵抗分)が上る、印加電流に耐えられない、最適な巻き数を取れないなどの弊害が生じる。受信側においても、検出のための巻き数を減らす必要があり、感度が低下する。
さらに、図11に示すように、磁極間に磁極方向を直交させた補助磁石31を加えたハルバッハ配列の磁石としてもよい。磁極間隔を等しくして補助磁石31を加えることで、磁石寸法を変えることなく、磁場を強化し、感度を向上させることも可能となる。具体的には、図10に示した磁石30の配列におけるスペーサー(非磁性・非導電性)の代わりに、同寸法の補助磁石31を加えたものである。これにより、磁場強度が25%程度向上し、感度向上を得ることも可能である。測定感度の向上は自動計測を行う上で効果的である。波形が不鮮明(S/Nが低い)と自動判定を行うことができず、結局手動解析や欠測による判定保留がなされる。
次に、磁極間隔に合わせたパンケーキ型またはレーストラック型コイルを磁石前面に配置する。コイル材質は適宜設計すればよいが、エナメル線を平巻きする、または、フレキシブルプリント基板によりパターンをなすようにするとよい。フレキシブルプリント基板を用いると、手作業でのコイル製作がなくなり、特性ばらつきが低減する、全厚を薄くして実質リフトオフを低減することができる、などのメリットがある。コイルの線径、空間は適宜定めるが、送信側は大電流を印可できるよう、銅箔の厚みをできるだけ厚く、線径を太くすることが望ましい。巻き数を上げることで周回数が増えることにより誘起される渦電流は大きくなるが、コイルのインピーダンス上昇により印加可能な電流が小さくなってしまうというトレードオフがある。その両者がバランスするところを実験的または計算により定めればよい。受信側については、可能な限り巻き数を増やすことが望ましい。
コイルおよび磁石は、水冷ジャケットに格納する。水冷ジャケット本体は、SUS製が望ましい。非磁性材を用いることで、磁場分布に影響を与えることなく、機械的強度と、水冷効率の両立を得られる。鋳片1に対面する側を前面パネルと称するが、磁石による静磁場と、コイルに印加した電流パルスによる電磁場を通すように設計する必要がある。そのため、前面パネルは厚み0.2mm程度の非磁性のSUS板またはセラミクスなどが考えられる。特に薄いSUS板は、耐熱性と靭性、耐摩耗性を兼ね備え、また非磁性であるため電磁場が比較的通りやすく、感度影響も小さい。セラミックスは非磁性非導電性であるが、加工性に劣り、また靭性の観点で強度が劣る。実用的な強度を得るためには1mm~2mmの厚みを確保する必要があり、結果としてリフトオフが大きくなってしまう。そのため、薄い非磁性のSUS板を用いることが好ましい。
このようにして構成された電磁超音波センサを測定対象に対して所定位置まで接近させ、送信コイルに電流パルスを印可し、電磁超音波を発生させる。発生した超音波は、測定対象である鋳片1内を伝搬し、鋳片1表面(受信面)を振動させる。受信面では、伝搬してきた振動と受信側の電磁石による静磁場によって、表面に電流が誘起され、この表面電流の変化を受信コイルによって電気信号として検出する。受信した電気信号は、適当な帯域とゲインを持つプリアンプによって増幅され、PC等に取り込まれる。
<チャープパルス圧縮および信号処理>
電磁超音波の送受信の処理において、いわゆるチャープパルス圧縮技術を用いるとよい。チャープパルス圧縮とは、送信に周波数が時間変化する波形を持つ信号(一般的に、チャープ信号とも線形周波数変調信号とも呼ばれる。本明細書ではチャープ信号と呼ぶ。)を用いるとともに、受信信号の波形に対して上記送信信号の波形についての相関演算を含む演算処理を行うことである。電磁超音波の送受信の処理としてこのチャープパルス圧縮処理を用いることにより、ノイズを低減し、時間分解能を向上させることが可能となる。
図12は、電磁超音波センサの磁石をハルバッハ配列とし、チャープパルス圧縮の有無による受信信号波形を示す図である。波形L1は、チャープパルス圧縮を行わない場合の波形であり、波形L2は、チャープパルス圧縮を行った場合の波形である。
本実施の形態では、チャープパルス圧縮(すなわち上記演算処理)を適用した後の波形に、さらに、第1のゲート(透過波受信の時間T1を含む前後の時間幅)、第2のゲート(1.5往復波受信の時間T2を含む前後の時間幅)での波形検出と、その時間差による伝搬時間計測の処理を行う。
従来の超音波送受信方法では、チャープパルス圧縮を用いても、透過信号を検出することがせいぜいの感度であった。そのため、従来の凝固位置の計測では、超音波伝搬時間は、電磁超音波計測を行ったのち、手動でノイズを除去したり、適切な波形を抽出して判定するなどが必要だったため、自動計測は困難であった。
超音波の伝搬時間は、物理的には、超音波を送信してから受信するまでの時間で定義される。ところが、電磁超音波送信には、大電流の高周波パルスを利用するため、送信の瞬間に大きな電磁波ノイズが生じ、受信信号に漏れこむ。このため、送信原点を決定することが困難であり、受信波形のみから伝搬時間を算出することは困難である。
実際に利用するためには、送信時間の基準(送信原点:T0)を決定する必要があるが、例えば以下のような方法で送信原点の決定が行われた。
1)オフラインの模擬サンプルによる決定
板厚および音速既知のサンプルを用いて、超音波送受信する。そして、受信波形の位置から、送信原点を算出することができる。ただし、音速の誤差などがあると、すべてがずれてしまう。
2)薄物スラブを用いたオンライン測定
薄物スラブでの計測によって送信原点を校正できる場合がある。スラブが薄いと、減衰量が小さくなるため、多重反射波形を検知しやすくなる。1回透過波形をT1波、スラブの面でそれぞれ反射した1.5往復の透過波形をT2波とすると、例えばT1波のピークの時間T1とT2波のピークの時間T2とを用いて、送信原点T0は、T0=T1-(T2-T1)÷2で算出することができる。以下、波形のピーク位置を用いて時間を算出する場合で説明するが、ゼロクロスやエンベロープ処理などを行う場合でも、ほぼ同じ考え方で算出可能である。
また、接触リスクを織り込み、短時間接近させて測定することにより、感度を向上させて、T2波が出る条件として、同様に送信原点を校正することができる。通常1mm程度接近させると、感度は6dB程度向上することが知られている。ただし、接触による破損、熱負荷上昇によるセンサの破損・焼損リスクがあり、常時運用は当然困難である。
こうして送信原点T0を定めると、通常の測定において伝搬時間Δt=T1-T0として算出することができる。ところが、それでもなお、固定の送信原点による伝搬時間算出方法には課題があった。
まず、パルサーの個体差や周波数特性、コイルの周波数特性のばらつきなどにより、送信原点は変化することがある。経時変化によっても変化するので、定期的に送信原点を確認、再校正する必要がある。送信原点が変化した場合、伝搬時間にオフセットが生じるため、凝固位置の計測に誤判定が生じる。
また、スラブの表面温度が変化したとき、特に過冷却によりキュリー点を下回るような条件においては、送受信する電磁超音波波形が歪むことがあった。この時、位相が変化してしまい、見かけの伝搬時間が変化する。当然、ピーク検出を行う場合、位相が変化すると伝搬時間は変化してしまい、測定に誤差が生じる。
通常、凝固位置の計測に電磁超音波を利用する場合、数十kHz~数100kHz(500kHzより低いことを想定)の低周波の超音波を利用する。この時の位相変化によるピーク位置変化は、主周波数の1/2波程度の変化になるため、100kHzの場合、数μsの変化となる。これは通常測定する伝搬時間変化に対して数倍大きいため、異常値となる。
なお、超音波探傷においては、信号検知としてゼロクロスを用いることできる。但し、伝搬時間の精度が重要な電磁超音波を用いた凝固位置の計測においては、先に説明したピーク検出を用いた方が、より好ましい。
そこで、本実施の形態では、ハルバッハ配列を採用することで送受信の感度を大幅に向上させることにより、1回反射(透過測定において1.5往復の波形)を利用して、送信原点の変化にあっても、波形・位相変化の状況にあっても、ばらつきのない伝搬時間計測を可能とする。
直接透過波の時間をT1、上下面で1回ずつ反射した波形の時間をT2とし、伝搬時間Δtは、Δt=(T2-T1)÷2として算出する。この処理によれば、送信原点が変動しても、1回透過波の時間T1と1.5回往復波の時間T2との時間差として伝搬時間Δtを算出することができる。また、波形歪が生じても、検出される波形は相似形となる。その理由は、伝搬の減衰によりT2の方が小さくなるためである。これらの結果、それぞれのピークを検出し、伝搬時間Δtを算出すればよい。
ここで、従来の電磁超音波発生に用いた磁石は、単純に磁石を配列したものであり、感度が低かったため、T2波形を常時観測することはできなかった。図13は、ハルバッハ配列磁石によるセンサヘッドとチャープパルス圧縮処理とを組み合わせて用いた場合の受信波形(波形L2)、及び、図10に示した通常磁石によるセンサヘッドとチャープパルス圧縮処理とを組み合わせて用いた場合の受信波形(波形L3)、を示す図である。
図13において、時間T1の位置は、波形L2,L3ともに確認できる。しかし、時間T2の位置は、ハルバッハ配列の磁石を用いた波形L2では確認できるものの、波形L3では確認できない。このため、ハルバッハ配列を用いない場合、あらかじめ送信原点を定義する必要があるが、前述のように送信原点は変化することがあり、従来法では高精度に伝搬時間を求めることができない。
これに対し、チャープパルス圧縮処理及びハルバッハ配列の磁石を用いる場合、時間T1,T2を判別でき、伝搬時間Δtは、Δt=(T2―T1)÷2で求めることができる。なお、位相変化に対しては、エンベロープ処理を行うことも考えられるが、エンベロープ処理は低周波化に相当するため、時間分解能が悪化する。
また、連続鋳造のスラブにおいて、表面の過冷却が生じることがある。この過冷却は、ノズル詰まりや冷却スプレーの不具合、先端チップの脱落により局所的に流量が偏ることなどにより生じる。また冷却水が連続鋳造の引き抜きロールの分割部(分割ロールのチョック部)を流れることなどによって発生する場合もある。
なお、局所的な過冷却が存在する状況で測定した場合、過冷却がない部分では、単峰性のピークが確認でき、あらかじめ送信原点を定めていれば、送信原点と時間T1のピーク位置とで求めることができる。これに対し、過冷却部では、波形が異なり、具体的には、単峰ピークではなくなり、プラス側とマイナス側に同程度の振幅を有する波形になることがある。ピーク位置で取得した場合、波形の後ろ側のピークを検出することになるため、伝搬時間は長く計算されてしまう。
これに対し、本実施の形態では、T1波とT2波のピークをそれぞれ抽出し、時間差を求める。多重反射の波形は、相似形となるため、それぞれの波形出現位置にゲートをかけ、最大値抽出などを行えばよい。これにより、過冷却部など、位相が変化している領域においても、自動的に伝搬時間を算出することができる。
このように、ハルバッハ配列を利用して送受信感度を向上させることで、実際の鋳造スラブのような温度ムラおよび表面の磁気特性にばらつきがある測定対象であっても、自動的に伝搬時間の算出を行うことができる。
なお、単一の超音波センサを用いて超音波信号を送受信する場合には、1回反射波受信の時間をT1とし、2回反射波受信の時間をT2とすればよい。
前述の横行機構、昇降制御機構と併せ、ハルバッハ配列の採用および当該信号処理による伝搬時間算出手順を併用することで、電磁超音波計測の自動化、連続鋳造機内での凝固計測の自動化がなされる。
<横波測定>
図14は、横波測定を説明する説明図である。横波測定の場合、横波は、未凝固の液相部を通過しないため、凝固位置4が到達していない場合、受信側において横波を受信することができる。凝固位置4が到達している場合、受信側において横波を受信することができない。したがって、横波を受信した場合、鋳片1は完全凝固しており、横波を受信していない場合、鋳片1は未凝固であると判定できる。
<縦波測定>
図15は、縦波測定を説明する説明図である。縦波の場合、液相部の有無にかかわらず超音波は伝搬する。この縦波の伝搬時間Δtと、鋳片1の厚さD、縦波音速C(T)、表面温度Tsなどの値と超音波透過モデルをもとに軸心温度Tcを求める。そして、予め求められた鋳片の特性ごとの伝熱計算テーブルをもとに、凝固からの経過時間tyを求め、鋳片1の鋳造速度Vcを用いて凝固位置4を次式により推定する。
凝固位置=電磁超音波センサの位置-Vc×ty
なお、伝熱計算テーブルには、軸心温度Tcに関する情報と凝固からの経過時間tyの関係が求められている。上記伝熱計算テーブルは、例えば、計測対象となる鋼種や冷却条件などの操業条件による伝熱計算結果をデータベース化したものである。グラフにした場合は、図15中の例のように、横軸が「固相線温度と軸心温度Tcとの差(単位は℃)」、縦軸が「凝固からの経過時間ty(単位は分)」に対し、上記操業条件の差を反映した複数本のプロットとなる。凝固位置を計測する際には、操業条件ごとに適切なプロット(関係式の形式でも可能)を選択する。また、鋳込み速度や冷却水量などの操業条件を変化させ、その条件下での縦波伝搬時間と、伝熱計算等により計算した凝固位置を直接対比させ、実験式として係数を校正してもよい。測定した縦波伝搬時間を実験式に代入すると、凝固位置を算出することができる。
<幅方向の自動測定>
1つのリフトオフ調整及び電磁超音波測定が完了したら、次の測定位置への移動指示を行うことにより、鋳片1の全幅の自動測定が可能となる。電磁超音波センサを幅方向に横行しながら測定を行うため、図16に示すように、あらかじめ定めた幅方向測定ピッチに従って横行し、その位置で測定を行う。鋳片1は鋳造方向に移動するため、電磁超音波センサが鋳片1の幅方向に移動すると、測定点はジグザグとなる。一方向の全幅測定が完了したら、そのデータを1セットとして、各セットの凝固位置形状を算出することができる(図16(b)参照)。
<幅方向の自動測定>
測定した凝固位置及び凝固位置形状を、半製品である鋳片(スラブ)に対応させ、スラブの合否判定を行う。前述のように、幅方向に測定しており、凝固位置が幅方向で分布として計算されている。この凝固位置・凝固位置形状をスラブ単位で紐づける。そして、一つのスラブに対して1セットの幅方向の凝固位置・凝固形状のデータを紐づけ、合否判定を行う。一つのスラブと1セットとは一致していないのが通常であり、1つのスラブに対する1以上のセットの合否判定結果をもとに、1つのスラブに対する合否判定を行う。
図17(a)では、1つのスラブに紐づけられた2つのセットのそれぞれが合格(OK)であるため、1つのスラブは合格(OK)であると判定する。一方、図17(b)では、1つのスラブに紐づけられた2つのセットのうち、1つは合格(OK)であるが、もう1つは不合格(NG)であるため、1つのスラブは不合格(NG)として判定される。
なお、各セットの合否判定は、具体的には、凝固位置があらかじめ設定した範囲から逸脱していないか、また凝固位置形状が指定した範囲に含まれるかなどを基準に合否判定を行う。
凝固位置の判定においては、例えば軽圧下帯を外れて凝固してしまうと、軽圧下が適切に行われていないことになるため不適切である、また幅方向で一部のみ凝固が遅れた状態となると、凝固が遅れた領域において、溶鋼に含まれる合金成分が偏析し、中心偏析が悪化するなどの不都合が生じるため、幅方向での凝固位置の差は重要な品質指標になる。したがって、一部の凝固が遅れることを示唆する凝固位置形状となった場合、品質不適合として不合格とする。
なお、連続測定の結果として、操業プロセスにフィードバックし、二次冷却パターンの変更など冷却条件の変更や鋳造速度や鋳造セグメント開度パターン・軽圧下条件を調整するなどのリアルタイムでのフィードバックも可能となる。いわゆる鋳造のダイナミック制御として、凝固位置を操業条件にフィードバック制御することで、高品質な鋳造が可能となる。測定した凝固位置形状が規定範囲を超えるなどして、品質上問題がある場合、直ちに適正な鋳造・操業条件に制御することができ、品質の向上、歩留まり向上の期待がある。
また、品質上問題があるスラブに対しては、従来は向け先変更や屑化していた。しかしこれらの対処は、歩留まりを下げ、コスト上大きな影響を与える。そして、従来の測定、スラブ品質保証では、手動測定あるいはスポット測定であったため、スラブ単位での保証は困難であり、チャージごと、連連鋳ごとにすべて不適合といった、大量不適合が発生していた。これに対し、スラブ単位での判定を行うことで、直ちに鋳造条件を変更・修正することができる。
さらに、品質に問題があるスラブに対しても、後工程の処理を変更することで、影響を最小化することができる。一例として、凝固位置が不適当な場合、中心偏析やポロシティが疑われる。凝固位置が規定より外れたスラブが生じた場合、熱処理プロセスや鍛造プロセスを追加することで、品質改善を図ることができる可能性がある。特に鍛造プロセスは、強く圧下することにより、中央部の空隙(ポロシティ)を無害化するなどの効果のあるプロセスであるが、追加プロセスとなるためコストがかかる。これに対し、凝固位置の測定の結果を用いて、問題があるスラブに対してのみ適用することで、コストと歩留まりを両立することができる。また、スラブの超音波探傷を行い、より精密に品質評価・判定を行うなどの対処が取れる。
従来、スラブの厚み変動などの要因のため凝固位置を自動的に計測することはできず、また手動走行測定によるため測定頻度が低く、全スラブに対して形状を紐づけすることはできず、鋳造の定常状態での計測例を以て当該鋳造の代表とするなどの制約があった。そのため、予期しない加減速や操業条件の変化などに対しては対応できなかった。結果として、品質不適合なスラブを次工程に送ったり、安全のために必要以上に除外(格落ち)するなどが生じていた。
これに対し、本実施形態により測定を自動化することで、スラブ全数に対して確実に凝固位置・凝固位置形状を把握し、合否判定を行うことができるようになる。結果として、スラブ内質の改善、歩留まりの向上と不適合抑止が可能となる。
なお、本実施形態で求めた凝固位置形状は、多少の凹凸はあるものの、管理範囲内に凝固位置が存在することが確認された。実際のスラブマクロ等のその他品質指標とも一致する結果が得られ、品質上問題ないことが確認された。なお、測定の所要時間は、1セットおよそ4分半の測定であった。(17点測定1測定6秒=102秒、移動10秒×16走行=160秒、合計262秒(4分22秒)、鋳造速度を1.1m/分とすると測定1セットは4.8mとなり、スラブの長さの範囲内となり、スラブ1本に対応付けることができる。手動式の従来の凝固位置計測計では、幅方向測定に20分程度の時間を要しており、スラブ毎の判定は不可能であった。
<凝固位置計測装置の概念>
次に、凝固位置計測装置の概念について説明する。従来、凝固位置や鋳片の凝固状態を連続的かつ自動的に計測することが困難であった理由は、鋳片の厚み変動等により、電磁超音波センサと鋳片とが接触し、焼損・破損、あるいは電磁超音波センサが破断しロールに巻き込まれるといった重大なトラブルになる可能性が高かったためである。鋳片と電磁超音波センサとの距離であるリフトオフは、通常4mm~6mm程度であり、鋳片厚やロール開度の変化により容易に接触が発生する。逆に、鋳片厚が薄くなったときや、電磁超音波センサを支持するブームの熱変形等により、リフトオフ値が大きくなってしまい、測定が不可能になるということもある。
そして、鋳片の厚みは操業ごとに異なる。一般的には、220mmや250mm、300mmといった公称鋳片厚により鋳造・操業が行われるが、鋼種や製造条件ごとに鋳造セグメントの開度パターンや軽圧下条件、冷却条件、鋳造速度が異なり、鋼種ごとに凝固収縮の度合いも変わる。結果として、同じ公称鋳片厚であっても鋳片厚に数ミリ程度の厚みの差が生じる。
また、一般に最終スラブ厚に対して鋳造の中盤で数ミリ広げ、その後軽圧下や凝固収縮を考慮したセグメント開度制御などにより徐々に開度を絞り、最終スラブ厚に制御する操業が行われる。ところが、連続鋳造の操業中には、鍋替え、異鋼種を続けて鋳造する異鋼種連連鋳のために仕切り金具を入れるための減速、ブレイクアウトの兆候による減速など、様々な要因や操業トラブルによる急減速や鋳造の一時停止が発生することがある。このような急減速、あるいは鋳造が停止した時、連続鋳造設備の上流側で凝固してしまうことがある。結果として、想定より鋳片厚が数ミリ厚くなることがある。これは、すでに内部まで凝固が完了しているため、鋳造セグメントによる絞りでは規定の厚さまで絞ることができず、鋳造再開あるいは通常の鋳造速度に戻った時、この厚くなった部分がそのまま引き抜かれるためである。そして、センサ位置に到達し、鋳片に接触する可能性が生じる。
このように、電磁超音波センサのリフトオフは通常4~6mmであるが。この鋳片厚変動などにより、鋳片との接触、及び、センサ破損や巻き込まれのリスクが生じる。
このため、鋳片厚変動に対しては、鋳造セグメントのロール開度や設定鋳片厚、あるいは目視により常時監視をして測定を行っていた。手動操作を含む計測のため、連続的に測定することはできず、全操業・全スラブに対して測定することは現実的ではなかった。
鋳片と電磁超音波センサとの距離を測定する間隔測定手段を備えることも考えられるが、鋳造ロールの間に設置可能で、熱に強く、蒸気やオイルミスト、グリス、スケール、粉塵などの悪環境下で長期間使用可能かつ適切な測定レンジと精度を有する距離センサは存在しなかった。
また、連続鋳造は連続的に鋳型に溶鋼を注入し、引き抜くことで鋳片を生産する設備であるが、連続鋳造の最終段階では溶鋼の注入が停止し引き抜かれる。この時静鉄圧がなくなるため鋳片が薄くなる。鋳片が薄くなると、リフトオフが大きくなり、送受信の効率が低下し電磁超音波の送受信の感度が低下する。
さらに、鋳片表面は1000℃前後と非常に高温であり、ブームは強い輻射熱を受ける。また、鋳造セグメントの隙間といった狭い幅で走行する必要があるため薄く作る必要があるとともに、剛性を確保するために高さ方向に十分な寸法を確保する必要がある。このため、ブームの上下で温度差が生じ,熱膨張に差が生じる。一般に鋳片側が高温になるため、鋳片側が伸び、電磁超音波センサのリフトオフが大きくなる方向に熱膨張が生じる。鋳片厚等を基準に高さ設定をしていては、このブーム反りを反映することができず、基準・想定よりリフトオフが増大し、測定感度が低下し、SNの悪化による精度低下、あるいは全く測定できないといったことが生じる。
本実施の形態では、鋳片に対して、センサ昇降手段及びセンサ走行手段により昇降及び横行などの走行が可能なブームに電磁超音波センサを設けるとともに、鋳片と電磁超音波センサとの間隔を測定する間隔測定手段を設け、間隔測定手段によって、鋳片と電磁超音波センサとの間隔を常時計測し、電磁超音波センサの位置を制御し、電磁超音波センサと鋳片との接触や・破損や、リフトオフ変動による感度低下による測定不可状態を防ぎ、鋳片の凝固位置の連続測定及び連続評価を行うことができるようにしている。
<金属材料の品質管理方法>
上記の実施形態に係る凝固位置計測方法は、例えば金属材料の品質管理方法に適用することも可能である。そして、金属材料の品質管理方法では、凝固位置計測方法を用いて測定した鋳片の凝固位置から、次工程の製造条件を制御するなど、凝固位置計測結果に基づいて、金属材料の品質を管理する。
<鋳造設備、金属材料の製造設備>
上記の実施形態に係る凝固位置計測装置は、例えば連続鋳造設備などの鋳造設備に適用することも可能である。そして、上記鋳造設備を備えた金属材料の製造設備では、上記鋳造設備により製造した鋳片から金属材料を製造することができる。ここで鋳造設備とは、金属材料を鋳造するための装置が、1台だけの場合または複数台の装置が組み合わさった場合の両方を示す。
また、上記の実施形態に係る凝固位置計測装置は、金属材料の製造設備に適用することも可能である。そして、金属材料の製造設備では、凝固位置計測装置により鋳片の凝固位置を計測しながら金属材料を製造することができる。
<金属材料の製造方法>
上記の実施形態に係る凝固位置計測方法は、例えば金属材料の製造方法に適用することも可能である。そして、金属材料の製造方法では、凝固位置計測方法を用いて鋳片の凝固位置を測定しながら金属材料を製造する。その結果、予め設定された品質の金属材料を製造することができる。
以上説明した実施形態に係る凝固位置計測装置、凝固位置計測方法、金属材料の品質管理方法、鋳造設備、金属材料の製造設備及び金属材料の製造方法によれば、鋳片厚変動によってリフトオフが小さくなることによる電磁超音波センサの破損及び焼損を防止するとともに、リフトオフが大きくなることによる電磁超音波センサの感度低下を防止することによって、鋳片の凝固位置計測を連続かつ自動で行うことができる。
なお、本発明においては、「金属材料」として「鋼材」である場合において上記効果を確実に得ることができ、最も好ましい。また、「鋳造設備」として「連続鋳造設備」とした場合が、上記効果を最大限に得ることができ、最も好ましい。
以上、本発明に係る凝固位置計測装置、凝固位置計測方法、金属材料の品質管理方法、金属材料の製造設備及び金属材料の製造方法について、発明を実施するための形態および実施例により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
1,1A 鋳片
2 凝固部
3 液相部
4 凝固位置(クレーターエンド位置)
6,6a,6b 水柱距離計
7,7a,8 電磁超音波センサ
10 凝固位置計測装置
11,12 ブーム
13 駆動制御部
14 計測演算部
15 送信部
21~24 モータ
30 磁石
31 補助磁石
41 縦波コイル
42 横波コイル
61 超音波プローブ
62 給水口
63 水タンク
64 ノズル
65 段差
66 水柱
101 鋳型
102 鋳片支持ロール
103 搬送用ロール
104 鋳片切断機
110 上位装置
L1~L3 波形
T1,T2 時間
Δt 伝搬時間

Claims (14)

  1. 鋳片の凝固位置を計測する凝固位置計測装置であって、
    前記鋳片の外側に設置された電磁超音波センサと、
    前記鋳片と前記電磁超音波センサとの間隔を調節するセンサ昇降手段と、
    前記鋳片と前記電磁超音波センサとの間隔を測定する間隔測定手段と、
    前記電磁超音波センサの出力から前記鋳片中の凝固位置を推定する演算手段と、
    前記センサ昇降手段と前記間隔測定手段とを駆動制御する駆動制御手段と
    を備え、
    前記駆動制御手段は、前記間隔測定手段が測定する前記間隔をもとに前記センサ昇降手段により前記電磁超音波センサの位置を制御する、
    凝固位置計測装置。
  2. 前記鋳片の外側で、前記電磁超音波センサを前記鋳片水平面に平行な面内を移動させるセンサ走行手段を備える、
    請求項1に記載の凝固位置計測装置。
  3. 前記間隔測定手段は、測定対象に対し水を噴射し、その噴射した水中に超音波を往復させ、その反射信号の伝搬時間をもとに超音波発生手段から測定対象までの距離を測定する、
    請求項に記載の凝固位置計測装置。
  4. 前記電磁超音波センサの送受信信号は、周波数が時間的に変化するチャープ信号であり、
    前記演算手段は、前記チャープ信号に対し相間演算を含む演算処理を行う、
    請求項に記載の凝固位置計測装置。
  5. 前記演算手段は、前記演算処理の後、透過波及び/又は反射波を、前記透過波及び/又は前記反射波を含む時間ゲートで波形検出を行い、波形検出した前記透過波及び/又は前記反射波の時間差を用いて伝搬時間を演算する、
    請求項4に記載の凝固位置計測装置。
  6. 前記電磁超音波センサは、ハルバッハ配列の磁石を用いる、
    請求項に記載の凝固位置計測装置。
  7. 鋳片の凝固位置を計測する凝固位置計測方法であって、
    前記鋳片と電磁超音波センサとの間隔を測定する間隔測定ステップと、
    測定した前記間隔が規定範囲内か否かを判定する間隔判定ステップと、
    前記間隔が規定範囲内でない場合、測定した前記間隔をもとに前記間隔を調整する間隔調整ステップと、
    前記間隔が規定範囲内である場合、前記電磁超音波センサを用いて前記鋳片中の凝固位置を推定する演算ステップと
    を含む凝固位置計測方法。
  8. 前記電磁超音波センサを、前記鋳片水平面に平行な面内を移動させる移動ステップを含む、
    請求項7に記載の凝固位置計測方法。
  9. 前記電磁超音波センサは、ハルバッハ配列の磁石を用い、
    前記電磁超音波センサの送受信信号は、周波数が時間的に変化するチャープ信号であり、
    前記演算ステップは、前記チャープ信号に対し相間演算を含む演算処理を行う、
    請求項に記載の凝固位置計測方法。
  10. 請求項7~9のいずれか1項に記載の凝固位置計測方法を用いて測定した鋳片の凝固位置から、次工程の製造条件を制御する、金属材料の品質管理方法。
  11. 請求項1~6のいずれか1項に記載の凝固位置計測装置を備え、
    前記凝固位置計測装置により前記鋳片の凝固位置を計測しながら金属材料を製造する金属材料の製造設備。
  12. 請求項1~6のいずれか1項に記載の凝固位置計測装置を備え、
    前記凝固位置計測装置により前記鋳片の凝固位置を計測しつつ、鋳片を製造する鋳造設備。
  13. 請求項12に記載の鋳造設備を備え、
    前記鋳造設備で製造した鋳片から金属材料を製造する金属材料の製造設備。
  14. 請求項7~9のいずれか1項に記載の凝固位置計測方法を用いて鋳片の凝固位置を測定しながら金属材料を製造する金属材料の製造方法。
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