JP7318440B2 - ウォームホイール及びその製造方法、ウォーム減速機 - Google Patents

ウォームホイール及びその製造方法、ウォーム減速機 Download PDF

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Description

本発明は、ウォーム減速機と、ウォーム減速機を構成するウォームホイール及びその製造方法とに関する。
自動車に組み込まれる電動パワーステアリング装置では、補助動力源である電動モータのトルクを増大するために、ウォーム減速機が広く用いられている。ウォーム減速機は、軸方向中間部外周面にウォーム歯部を有するウォームと、外周面に、ウォーム歯部と噛合するウォームホイール歯部を有するウォームホイールとを備える。ウォームは、電動モータにより回転駆動される駆動ギヤとして機能し、ウォームホイールは、ウォームの回転に伴って回転する従動ギヤとして機能する。ウォームホイールの回転トルクは、ステアリングシャフトの前端部にトーションバーを介して接続された出力軸や、ステアリングギヤユニットを構成するピニオン軸又はラック軸などの操舵部材に対し、補助動力として付与される。
このようなウォーム減速機では、ステアリングホイールの操作時や悪路走行時にウォーム歯部とウォームホイール歯部との噛合部で発生する歯打ち音の抑制、軽量化、低コスト化などを目的として、ウォームホイールのうち、回転軸に外嵌固定される部分を金属製とし、ウォームと噛合する部分を合成樹脂製とする場合がある。
図16は、そのような構成を有するウォームホイールの1例として、国際公開第2017/135140号(特許文献1)に記載されたものを示している。なお、以下の説明中、ウォームホイール100に関して、軸方向一方側は、図16及び図17の左側であり、軸方向他方側は、図16及び図17の右側である。
ウォームホイール100は、金属製で環状の内側ホイール素子101と、内側ホイール素子101の径方向外側部を全周にわたり包埋した状態で、該内側ホイール素子101に結合された、合成樹脂製で環状の外側ホイール素子102とを備える。外側ホイール素子102は、外周面にウォームホイール歯部103を軸方向全幅にわたって有する。ウォームホイール歯部103の軸方向両側の側面を含む、外側ホイール素子102の軸方向両側の側面104は、ウォームホイール100の中心軸X100に直交する平面により構成されている。
ウォームホイール100を製造する際には、外側ホイール素子102を射出成形により造るのと同時に、外側ホイール素子102を内側ホイール素子101に対して結合する。
外側ホイール素子102を射出成形により造る際には、図17に示すように、内側ホイール素子101を、複数の金型を組み合わせてなる金型装置105の内側にセットした状態で、内側ホイール素子101と金型装置105との間に画成される環状のキャビティ106内に、金型装置105の軸方向他方側に設けられた、ランナー107及びディスクゲート108から、溶融樹脂を送り込む。ディスクゲート108の下流側端部は、キャビティ106のうち、内側ホイール素子101の径方向中間部の軸方向他方側に隣接する部分(外側ホイール素子102の軸方向他方側部の内周面が形成される部分)に開口している。ランナー107は、ディスクゲート108の中心部から軸方向他方側に伸長している。図17中の矢印は、ランナー107、ディスクゲート108、及びキャビティ106内での溶融樹脂の流れ方向を示している。
キャビティ106内で冷却及び固化された合成樹脂は、金型装置105を開いて、複数の金型同士を分離してから、ランナー107及びディスクゲート108内で冷却及び固化された合成樹脂と切り離す。そして、必要に応じて、外側ホイール素子102の表面や角部に仕上げ加工を施すことにより、ウォームホイール100を完成させる。
国際公開第2017/135140号
上述した従来のウォームホイール100は、生産性及び品質を向上させる面から、改良の余地がある。この点について、以下に説明する。
外側ホイール素子102を射出成形により造る際に、ランナー107及びディスクゲート108からキャビティ106内に送り込まれた溶融樹脂は、図17中に矢印で示すように、内側ホイール素子101の径方向外側部の軸方向他方側に隣接する部分から、内側ホイール素子101の径方向外側に隣接する部分を経由し、内側ホイール素子101の径方向外側部の軸方向一方側に隣接する部分に向けて流れる。この際の溶融樹脂の流れの向きは、金型に沿って変わっていく。
一方、外側ホイール素子102の軸方向両側の側面104のそれぞれは、ウォームホイール100の中心軸X100(図16参照)に対して直交する平面により構成されている。すなわち、ウォームホイール歯部103の軸方向側面と、ウォームホイール歯部103の径方向外端面(歯先面)とが、直角に配置されている。このため、ウォームホイール歯部103の軸方向端部(図17中のP部)において、溶融樹脂の流れの向きは、急激に変わることになる。このため、射出速度を大きくすると、ウォームホイール歯部103の軸方向端部(図17中のP部)において、溶融樹脂が空気を巻き込んで巣(空孔)が形成される可能性がある。したがって、このような巣が形成されないようにするために、射出速度を小さくする必要がある。
しかしながら、射出速度を小さくすると、その分、成形時間が長くなり、ウォームホイール100の生産性が低くなる(1個当たりの生産コストが高くなる)。このため、ウォームホイール100の生産性を向上させる観点から、巣の形成を防止しつつ、射出速度を大きくできるようにすることが望まれる。
また、一般に、射出成形においては、射出速度を大きくするほど、金型への転写性が良くなり、ウォームホイール歯部103の寸法精度及び歯面の表面粗さを良好に確保できる。特に、合成樹脂に強化繊維が含まれている場合には、強化繊維が表面に露出する量を抑えられ、歯面の表面粗さが小さくなりやすい。そして、このようにウォームホイール歯部103の寸法精度及び歯面の表面粗さを良好にできれば、その分、ウォームホイール歯部103とウォーム歯部との噛み合いの際に、振動、変動、音などが生じにくくすることができる。この結果、運転者によるステアリングホイールの操作感、電動パワーステアリング装置の制御性、静粛性などを向上させることができる。したがって、このような観点からも、射出速度を大きくできるようにすることが望まれる。
なお、射出速度を小さくする場合でも、射出成形後、追加の歯切り加工を行うことによって、ウォームホイール歯部103の歯車精度を向上させたり、歯面の粗さを小さくしたりすることができる。しかしながら、追加の歯切り加工を行うと、生産性がより低くなるといった問題がある。
本発明は、上述のような事情に鑑み、生産性及び品質を向上させることができるウォームホイールの構造を実現することを目的としている。
本発明のウォームホイールは、環状の内側ホイール素子と、外周面にウォームホイール歯部を有し、かつ、前記内側ホイール素子の径方向外側部を全周にわたり包埋した状態で該内側ホイール素子に結合された、合成樹脂製で環状の外側ホイール素子とを備える。
前記内側ホイール素子は、軸方向一方側の側面に、軸方向に凹んだ環状凹部を全周にわたり有する。
前記外側ホイール素子は、軸方向両側の側面のうちの少なくともいずれか一方の側面の径方向外側部に、径方向外側に向かうほど軸方向中央側に向かう方向に傾斜した第1傾斜面部を有し、かつ、前記環状凹部の内側に入り込んで、前記環状凹部の内面を構成する外径側周面と係合する抑え部を有する。
前記抑え部の内周面を含む、前記外側ホイール素子の軸方向一方側部の内周面は、少なくとも軸方向一方側部に、軸方向他方側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した第2傾斜面部を有し、かつ、該第2傾斜面部の軸方向他方側の端部が、前記環状凹部の内側に配置されている。
本発明のウォームホイールの一態様では、前記外側ホイール素子の軸方向他方側部の内周面に、ゲートの切り離し部が存在する。
本発明のウォームホイールの一態様では、前記第1傾斜面部の内径が、前記ウォームホイール歯部の歯底径以下である。
本発明のウォームホイールの一態様では、前記第1傾斜面部の内径が、前記ウォームホイール歯部の歯底径よりも大きい。
本発明のウォームホイールの一態様では、前記第1傾斜面部の内径が、前記内側ホイール素子の外径よりも大きい。
本発明のウォームホイールの一態様では、前記ウォームホイールのうち、軸方向に関して前記第1傾斜面部が存在する側において、前記外側ホイール素子の側面のうち前記第1傾斜面部の径方向内側に隣接する部分と前記内側ホイール素子の径方向外端部の側面との間の軸方向幅(例えば、図7及び図8におけるWa)が、前記第1傾斜面部の軸方向幅(例えば、図7及び図8におけるWb)よりも大きい。
本発明のウォームホイールの一態様では、前記合成樹脂に強化繊維が混入している。
本発明のウォームホイールの一態様では、前記ウォームホイール歯部の歯面が射出成形面である。
本発明のウォームホイールの一態様では、前記ウォームホイール歯部の歯すじが、前記ウォームホイールの中心軸に対して平行である。
本発明のウォームホイールの一態様では、前記内側ホイール素子は、前記環状凹部の内面を構成する外径側周面に、円周方向に関する凹凸部を有しており、前記抑え部は、前記凹凸部を構成する凹部の内側に入り込んで該凹部と係合する回転方向保持部を有する。
本発明のウォームホイールの一態様では、前記内側ホイール素子は、前記環状凹部の内面を構成する外径側周面に、径方向外方に凹んだ係合溝を全周にわたり有しており、前記抑え部は、前記係合溝の内側に入り込んで該係合溝と係合するモーメント方向保持部を有する。
本発明のウォームホイールの一態様では、前記係合溝は、前記凹凸部の軸方向他方側に隣接して配置されている。
本発明のウォームホイールの製造方法は、本発明のウォームホイールを対象とする製造方法である。
このような本発明のウォームホイールの製造方法は、前記内側ホイール素子の径方向外側部の周囲に金型を配置し、前記内側ホイール素子と前記金型との間に画成される、前記外側ホイール素子の成形空間であるキャビティ内に合成樹脂を送り込む射出成形により、前記外側ホイール素子を形成する。
本発明のウォームホイールの製造方法の一態様では、前記射出成形を行う際に、前記キャビティのうち、前記外側ホイール素子の軸方向他方側部の内周面が形成される部分に、ディスクゲート、リングゲートなどのゲートの下流側端部を開口させる。
本発明のウォーム減速機は、外周面にウォームホイール歯部を有するウォームホイールと、軸方向中間部外周面に、前記ウォームホイール歯部と噛合するウォーム歯部を有するウォームとを備える。
特に、本発明のウォーム減速機では、前記ウォームホイールが、本発明のウォームホイールである。
本発明によれば、ウォームホイールの生産性及び品質を向上させることができる。
図1は、実施の形態の第1例の電動パワーステアリング装置を示す部分切断側面図である。 図2は、図1のA-A断面図である。 図3は、図2のB-B断面図である。 図4は、ウォーム及びウォームホイールを、ウォーム側から見た図である。 図5は、実施の形態の第1例のウォームホイールの斜視図である。 図6は、実施の形態の第1例のウォームホイールを軸方向から見た図である。 図7は、図6のC-C断面図である。 図8は、図7の上部の拡大図である。 図9は、外側ホイール素子を射出成形する工程を示す断面図である。 図10は、実施の形態の第2例のウォームホイールの斜視図である。 図11は、実施の形態の第2例のウォームホイールを軸方向から見た図である。 図12は、図11のD-D断面図である。 図13は、本発明を適用可能な電動パワーステアリング装置の別例(第1例)を示す部分切断側面図である。 図14は、本発明を適用可能な電動パワーステアリング装置の別例(第2例)を示す部分切断側面図である。 図15は、本発明を適用可能なステアバイワイヤ方式のステアリング装置を示す斜視図である。 図16は、従来のウォームホイールの断面図である。 図17は、従来のウォームホイールを構成する外側ホイール素子を射出成形する工程を示す断面図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1~図9により説明する。
図1~図3は、本例のウォーム減速機16を組み込んだコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置1を示している。本例の電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール2と、ステアリングシャフト3と、ステアリングコラム4と、電動アシスト装置5と、1対の自在継手6a、6bと、中間シャフト7と、ステアリングギヤユニット8と、1対のタイロッド9とを備える。
ステアリングシャフト3は、車体に支持されたステアリングコラム4の内側に、回転自在に支持されている。ステアリングシャフト3の後端部には、ステアリングホイール2が支持固定されており、ステアリングシャフト3の前端部は、電動アシスト装置5と、後側の自在継手6aと、中間シャフト7と、前側の自在継手6bとを介して、ステアリングギヤユニット8のピニオン軸10に接続されている。このため、運転者がステアリングホイール2を回転させると、ステアリングホイール2の回転が、ピニオン軸10に伝達される。ピニオン軸10の回転は、ピニオン軸10と噛合した、ステアリングギヤユニット8の図示しないラック軸の直線運動に変換され、1対のタイロッド9を押し引きする。この結果、1対の操舵輪にステアリングホイール2の回転操作量に応じた舵角が付与される。
電動アシスト装置5は、ハウジング11と、電動モータ12と、トーションバー13と、出力軸14と、1対の玉軸受15a、15bと、ウォーム減速機16と、トルクセンサ17とを備える。
ハウジング11は、ステアリングコラム4の前端部に結合固定されている。電動モータ12は、ハウジング11に支持固定されている。ステアリングシャフト3の前端部は、ハウジング11の内側に挿入されている。ステアリングシャフト3の前端部には、トーションバー13を介して、出力軸14が連結されている。出力軸14の前端部は、ハウジング11の前端面から前方に突出しており、該先端部に、後側の自在継手6aが結合されている。出力軸14は、軸方向中間部をハウジング11に対し、1対の玉軸受15a、15bにより回転のみを可能に支持されている。
ウォーム減速機16は、ウォームホイール18と、ウォーム19とを備える。ウォームホイール18は、出力軸14のうち、軸方向に関して1対の玉軸受15a、15b同士の間に位置する部分に外嵌固定されている。一方、ウォーム19は、電動モータ12の出力軸に、トルク伝達可能に連結されている。そして、ウォーム19の軸方向中間部外周面に備えられたウォーム歯部20と、ウォームホイール18の外周面に備えられたウォームホイール歯部21とを噛合させている。これにより、電動モータ12からウォーム19を介してウォームホイール18に補助トルク(補助動力)を付与可能としている。
本例では、ウォームホイール歯部21は、図4に示すように、直歯平歯車の歯部の如き形状を有する。すなわち、ウォームホイール歯部21は、その歯すじが、ウォームホイール18の中心軸X18に対して平行である。これに伴い、本例では、ウォームホイール18の中心軸X18とウォーム19の中心軸X19との交角をαとし、ウォーム歯部20の進み角をβとした場合に、α=90°-βとしている(図1~図3では、図示の便宜上、交角αが90°であるように描かれているが、本例の場合、実際には、交角αは、90°-βである)。ただし、本発明を実施する場合には、ウォームホイール歯部を、はす歯歯車の歯部の如き形状を有するものとすることもできる。すなわち、ウォームホイールの軸方向に対するウォームホイール歯部の歯すじの傾斜角度をウォーム歯部20の進み角βと等しくして、交角αを90°とする構成を採用することもできる。
トルクセンサ17は、出力軸14の後端部の周囲に配置されている。トルクセンサ17は、ステアリングホイール2からステアリングシャフト3に加えられたトルクの方向及び大きさを検出する。電動モータ12は、トルクセンサ17の検出信号や、トランスミッションに組み込んだ車速センサから出力される車速信号などに基づいて、ウォーム19を回転駆動することにより、ウォームホイール18を介して出力軸14に補助トルクを付与する。この結果、運転者がステアリングホイール2を回転操作するのに要する力が軽減される。
本例では、ウォームホイール18は、内側ホイール素子22と、外側ホイール素子23とにより構成される。なお、以下の説明中、ウォームホイール18に関して、軸方向一方側は、図3~図5、図7~図9の左側であり、軸方向他方側は、図3~図5、図7~図9の右側である。
内側ホイール素子22は、金属製の環状部材であり、全体を円輪状に構成されている。内側ホイール素子22は、径方向中央部に、出力軸14の軸方向中間部と嵌合する嵌合孔51を有する。
内側ホイール素子22は、軸方向他方側の側面の径方向外側部に、軸方向に凹んだ環状凹部52を全周にわたり有する。環状凹部52の内面を構成する外径側周面53と内径側周面54と底面55とのうち、外径側周面53は、内側ホイール素子22の中心軸(=ウォームホイール18の中心軸X18(図7参照))を中心とする円筒面により構成されている。内径側周面54は、軸方向他方側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した、凹円弧状の断面形状を有する曲面(略円すい面)により構成されている。底面55は、内側ホイール素子22の中心軸に対して直交する平面により構成されている。
内側ホイール素子22は、軸方向一方側の側面の径方向中間部に、軸方向に凹んだ環状凹部56を全周にわたり有する。環状凹部56の内面を構成する外径側周面57と内径側周面58と底面59とのうち、外径側周面57は、係合溝27と凹凸部28とを有する。係合溝27は、外径側周面57の軸方向他方側の端部に、全周にわたり径方向外方に凹むように形成されている。係合溝27は、内径側の開口部から外径側の底部に向かうに従って軸方向に関する幅寸法が小さくなるV字形の断面形状を有する。凹凸部28は、外径側周面57のうち、係合溝27から軸方向一方側に外れた残りの部分に全周にわたり形成されている。換言すれば、係合溝27は、凹凸部28の軸方向他方側に隣接して配置されている。凹凸部28は、円周方向に関して凹部と凸部とを交互に配置してなる、円周方向に関する(内歯歯車状の)凹凸部である。係合溝27の径方向深さは、凹凸部28を構成する複数の凹部の径方向深さよりも深い。換言すれば、係合溝27の底部は、凹凸部28を構成する複数の凹部の底部よりも径方向外側に位置している。内径側周面58は、内側ホイール素子22の中心軸を中心とする円筒面により構成されている。底面59は、内側ホイール素子22の中心軸に対して直交する平面により構成されている。
内側ホイール素子22の外周面60は、内側ホイール素子22の中心軸を中心とする円筒面により構成されている。内側ホイール素子22の径方向外端部の軸方向両側の側面50、すなわち、内側ホイール素子22の軸方向他方側の側面のうち環状凹部52の径方向外側に隣接する部分である側面50、及び、内側ホイール素子22の軸方向一方側の側面のうち環状凹部56の径方向外側に隣接する部分である側面50のそれぞれは、内側ホイール素子22の中心軸に対して直交する平面により構成されている。図示の例では、外周面60の軸方向両側の端部と、側面50のそれぞれの径方向外側の端部とは、円弧形の断面形状を有する面取り部により接続されている。
本例では、別な言い方をすれば、内側ホイール素子22は、円筒状の内径側環状部24と、内径側環状部24の周囲に、内径側環状部24と同軸に配置された、円筒状の外径側環状部25と、内径側環状部24の外周面に径方向内端部を結合され、かつ、外径側環状部25の内周面に径方向外端部を結合された、円輪状の連結部26とを備える。嵌合孔51は、内径側環状部24の中心孔に相当する。環状凹部52の内面を構成する外径側周面53は、外径側環状部25の軸方向他方側部の内周面に相当する。環状凹部52の内面を構成する内径側周面54及び底面55は、連結部26の軸方向他方側の側面の径方向外側部に相当する。環状凹部56の内面を構成する外径側周面57は、外径側環状部25の軸方向一方側部の内周面に相当する。環状凹部56の内面を構成する内径側周面58は、内径側環状部24の軸方向一方側部の外周面に相当する。環状凹部56の内面を構成する底面59は、連結部26の軸方向一方側の側面に相当する。外周面60は、外径側環状部25の外周面に相当する。1対の側面50は、外径側環状部25の軸方向両側の側面に相当する。
なお、図示の例では、連結部26の径方向内端部は、内径側環状部24の外周面の軸方向他方側の端部に結合されており、連結部26の径方向外端部は、外径側環状部25の内周面の軸方向中間部(具体的には、軸方向中間部のうち、軸方向他方側に寄った部分)に結合されている。ただし、本発明を実施する場合、内径側環状部の外周面に対する連結部の径方向内端部の結合位置、及び、外径側環状部の内周面に対する連結部の径方向外端部の結合位置は、本例と異なる軸方向位置とすることもできる。
内側ホイール素子22を構成する金属としては、鉄鋼などの鉄合金の他、銅合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金などの各種の金属を採用することができる。内側ホイール素子22を成形するための加工としては、各種の切削加工や塑性加工を採用することができる。ただし、歩留まり良く低コストに成形するには、塑性加工(鍛造、プレス、フローフォーミングなど)を採用するのが好ましい。なお、係合溝27は、凹凸部28を塑性加工により形成する場合に使用する、金型(ダイス)の逃げとして機能させることができる。
外側ホイール素子23は、合成樹脂製で環状に構成されており、内側ホイール素子22の径方向外側部である、外径側環状部25と連結部26の径方向外側部とを全周にわたり包埋した状態で、内側ホイール素子22に結合されている。
外側ホイール素子23は、外周面に、ウォームホイール歯部21を軸方向全幅にわたって有する。ウォームホイール歯部21は、直歯平歯車の歯部の如き形状を有しており、その歯すじが、ウォームホイール18の中心軸X18に対して平行である(図4参照)。
外側ホイール素子23の軸方向両側の側面29のそれぞれは、径方向内側部を構成する平面部30と、径方向外側部を構成する第1傾斜面部31とからなる。すなわち、平面部30の径方向外側の端部は、第1傾斜面部31の径方向内側の端部に接続されている。平面部30は、ウォームホイール18の中心軸X18に直交する平面により構成されている。第1傾斜面部31は、径方向外側に向かうほど、ウォームホイール18の軸方向中央側に向かう方向に傾斜した円すい面により構成されている。
本例では、第1傾斜面部31の内径(=平面部30の外径)D31は、ウォームホイール歯部21の歯底径D21以下に規制されており(D31≦D21)、図示の例では、ウォームホイール歯部21の歯底径d21よりも小さくなっている(D31<D21)。すなわち、ウォームホイール歯部21の軸方向両側の側面のそれぞれは、全体が第1傾斜面部31により構成されている。
本例では、ウォームホイール18の軸方向一方側と軸方向他方側とのそれぞれの側において、外側ホイール素子23の平面部30と内側ホイール素子22の側面50との間の軸方向幅Waを、外側ホイール素子23の第1傾斜面部31の軸方向幅Wbよりも大きくしている(Wa>Wb)。また、第1傾斜面部31の内径D31を、内側ホイール素子22の外径D22よりも大きくしている(D31>D22)。ただし、本発明を実施する場合には、Wa≦Wbとする構成や、D31≦D22とする構成を採用することもできる。
外側ホイール素子23を構成する合成樹脂は、環状凹部52の内側の径方向外側部に入り込んだ部分が抑え部32を構成しており、環状凹部56の内側の径方向外側部に入り込んだ部分が抑え部33を構成している。そして、環状凹部52の外径側周面53と抑え部32との係合、及び、環状凹部56の外径側周面57と抑え部33との係合に基づいて、すなわち、抑え部32、33により外径側環状部25を抱え込むように保持することで、内側ホイール素子22に対する外側ホイール素子23のモーメント方向の保持力が高められている。さらに本例では、抑え部33を構成する合成樹脂の一部は、外径側周面57の係合溝27の内側に入り込んで、係合溝27と係合するモーメント方向保持部61を構成している。そして、係合溝27とモーメント方向保持部61との係合により、内側ホイール素子22に対する外側ホイール素子23のモーメント方向の保持力を、さらに高めている。
また、本例では、抑え部33を構成する合成樹脂の一部は、外径側周面57の凹凸部28を構成する複数の凹部の内側に入り込んで、該凹部と係合する回転方向保持部62を構成している。そして、該凹部と回転方向保持部62との係合により、内側ホイール素子22に対する外側ホイール素子23の回転方向の保持力を高めている。なお、このような回転方向の保持力を高めるための凹凸部は、外側ホイール素子に包埋される内側ホイール素子の表面のうち、本例と異なる箇所に形成することもできる。
外側ホイール素子23の軸方向他方側部の内周面63は、軸方向一方側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した円すい面(傾斜面部)により構成されている。内周面63の軸方向他方側の端部は、外側ホイール素子23の軸方向他方側の側面29(平面部30)の径方向内側の端部に接続されている。内周面63の軸方向一方側の端部は、環状凹部52の底面55の径方向中間部に接続されている。内周面63の軸方向一方側部は、抑え部32の内周面に相当し、環状凹部52の内側に入り込んでいる。
外側ホイール素子23の軸方向一方側部の内周面64は、軸方向他方側部を構成する円筒面部65と、軸方向一方側部を構成する第2傾斜面部66とからなる。円筒面部65は、ウォームホイール18の中心軸X18を中心とする円筒面により構成されている。第2傾斜面部66は、軸方向他方側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した円すい面により構成されている。円筒面部65の軸方向他方側の端部は、環状凹部56を構成する底面59の径方向外側部に接続されている。円筒面部65の軸方向一方側の端部は、第2傾斜面部66の軸方向他方側の端部に接続されている。第2傾斜面部66の軸方向一方側の端部は、外側ホイール素子23の軸方向一方側の側面29(平面部30)の径方向内側の端部に接続されている。円筒面部65と第2傾斜面部66の軸方向他方側の端部とは、抑え部33の内周面に相当し、環状凹部56の内側に配置されている。すなわち、本例では、第2傾斜面部66の軸方向幅W66が、ウォームホイール18の軸方向一方側における平面部30と側面50との間の軸方向幅Waよりも大きくなっている(W66>Wa)。なお、本発明を実施する場合、外側ホイール素子23の軸方向一方側部の内周面は、その全体を、軸方向他方側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した第2傾斜面部とすることもできる。
なお、外側ホイール素子23を構成する合成樹脂としては、ポリアミド66(PA66)の他、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセタール(POM)、フェノール樹脂(PF)などの各種の合成樹脂を採用することができる。これらの合成樹脂には、必要に応じて、ガラス繊維、ポリエチレン繊維、カーボン繊維、アラミド繊維などの各種の強化繊維を混入することができる。
ウォームホイール18を製造する際には、外側ホイール素子23を射出成形により造るのと同時に、外側ホイール素子23を内側ホイール素子22に対して結合する。
外側ホイール素子23を射出成形により造る際には、図9に示すように、内側ホイール素子22を複数の金型を組み合わせてなる金型装置34にセットした状態、すなわち、内側ホイール素子22の径方向外側部の周囲に複数の金型を配置した状態で、内側ホイール素子22と金型装置34との間に画成される、外側ホイール素子23の成形空間である環状のキャビティ35内に、金型装置34の軸方向他方側に設けられた、ランナー36及びディスクゲート37から、溶融樹脂を送り込む。
ここで、キャビティ35を構成する金型装置34の内面40は、外側ホイール素子23の外面に合致する形状を有している。特に、本例では、内面40のうち、第1傾斜面部31に合致する形状を有する部分である、第1傾斜面形成部41と、内面40のうち、ウォームホイール歯部21の径方向外端面(歯先面)に合致する形状を有する部分である、歯先面形成部42とが、鈍角をなすように配置されている。ディスクゲート37の下流側端部Eは、キャビティ35のうち、内側ホイール素子22の径方向中間部の軸方向他方側に隣接する部分(外側ホイール素子23の軸方向他方側部の内周面63が形成される部分)に開口している。ランナー36は、ディスクゲート37の中心部から軸方向他方側に伸長している。
図9中の矢印は、ランナー36、ディスクゲート37、及びキャビティ35内での溶融樹脂の流れ方向を示している。すなわち、ランナー36及びディスクゲート37からキャビティ35内に送り込まれた溶融樹脂は、図9中に矢印で示すように、内側ホイール素子22の径方向外側部の軸方向他方側に隣接する部分から、内側ホイール素子22の径方向外側に隣接する部分を経由し、内側ホイール素子22の径方向外側部の軸方向一方側に隣接する部分に向けて流れる。この際の溶融樹脂の流れの向きは、金型装置34の内面40に沿って変わっていく。特に、本例では、金型装置34の内面40のうち、第1傾斜面形成部41と歯先面形成部42とが鈍角をなすように配置されている。このため、キャビティ35のうち、ウォームホイール歯部21を形成すべき箇所の軸方向端部(図9中のQ部)において、溶融樹脂の流れの向きは、緩やかに変化する。
また、本例では、ウォームホイール歯部21は、直歯平歯車の歯部の如き形状を有しており、その歯すじが、ウォームホイール18の中心軸X18に対して平行である。このため、溶融樹脂は、キャビティ35のうち、ウォームホイール歯部21を形成すべき箇所を、軸方向に真っ直ぐに(円滑に)通過する。
また、本例では、ウォームホイール18の軸方向一方側と軸方向他方側とのそれぞれの側において、外側ホイール素子23の平面部30と内側ホイール素子22の側面50との間の軸方向幅Waを、外側ホイール素子23の第1傾斜面部31の軸方向幅Wbよりも大きくする構成(Wa>Wb)と、第1傾斜面部31の内径D31を、内側ホイール素子22の外径D22よりも大きくする構成(D31>D22)とのうちの、少なくとも一方の構成(本例では、両方の構成)を採用している。このため、キャビティ35のうち、内側ホイール素子22の径方向外側部の軸方向他方側に隣接する部分と、内側ホイール素子22の径方向外側部の軸方向一方側に隣接する部分との、それぞれの部分において、溶融樹脂の流路が急激に狭くなることを防止できる。このため、溶融樹脂は、これらの部分を容易に通過することができる。
さらに、本例では、外側ホイール素子23の軸方向一方側部の内周面64は、軸方向一方側部に、軸方向他方側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した第2傾斜面部66を有し、かつ、第2傾斜面部66の軸方向他方側の端部は、環状凹部56の内側に配置されている。このため、キャビティ35の内面40のうち、第2傾斜面部66に合致する形状を有する部分である第2傾斜面形成部67の軸方向他方側の端部も、環状凹部56の内側に配置されている。したがって、キャビティ35のうち、内側ホイール素子22の径方向外側部の軸方向一方側に隣接する部分を径方向外側から径方向内側に向けて通過した溶融樹脂を、第2傾斜面形成部67に沿って、環状凹部56の内側に滑らかに案内することができる。
キャビティ35内で冷却及び固化された合成樹脂は、金型装置34を開いて、複数の金型同士を分離してから、ランナー36及びディスクゲート37内で冷却及び固化された合成樹脂と切り離す。そして、必要に応じて、外側ホイール素子23の表面や角部に仕上げ加工を施すことにより、ウォームホイール18を完成させる。ただし、本例では、この仕上げ加工の際に、ウォームホイール歯部21を構成する複数の歯38の周方向側面である歯面39に、追加の歯切り加工は行わない。つまり、本例では、ウォームホイール歯部21の歯面39は、射出成形により成形された面である、射出成形面のままとしている。また、本例では、完成後のウォームホイール18には、外側ホイール素子23の軸方向他方側部の内周面63に、ゲートの切り離し部(ディスクゲート37内で冷却及び固化された合成樹脂を切り離した部分であり、例えば、切断部や破断部など)が存在する。
以上のような本例の構造によれば、ウォームホイール18の生産性及び品質を向上させることができる。この点について、以下に説明する。
本例では、ウォームホイール18を構成する外側ホイール素子23を射出成形により造る際に、キャビティ35のうち、ウォームホイール歯部21を形成すべき箇所の軸方向端部(図9中のQ部)において、溶融樹脂の流れの向きを緩やかに変化させることができる。このため、外側ホイール素子23を射出成形により造る際に、射出速度を大きくしても、キャビティ35のうち、ウォームホイール歯部21を形成すべき箇所において、溶融樹脂による空気の巻き込みが起こりにくく、該巻き込みに起因する巣が形成されにくい。したがって、本例では、このような巣の形成を防止しつつ、射出速度を大きくできるため、その分、外側ホイール素子23の成形時間を短くすることができ、ウォームホイール18の生産性を向上させる(1個当たりの生産コストを抑える)ことができる。
また、本例では、溶融樹脂は、キャビティ35のうち、ウォームホイール歯部21を形成すべき箇所を、軸方向に真っ直ぐに(円滑に)通過することができる。したがって、この面からも、巣の形成を防止しつつ、射出速度を大きくできる。
また、本例では、溶融樹脂は、キャビティ35のうち、内側ホイール素子22の径方向外側部の軸方向他方側に隣接する部分と、内側ホイール素子22の径方向外側部の軸方向一方側に隣接する部分とを、容易に通過することができる。したがって、外側ホイール素子23の成形性を良くすることができる。
さらに、本例では、溶融樹脂を、キャビティ35の内面40のうち第2傾斜面形成部67に沿って、環状凹部56の内側に滑らかに案内することができる。このため、環状凹部56の内側に溶融樹脂が行き渡りやすくなる。したがって、この点でも、外側ホイール素子23の成形性を良くすることができる。すなわち、本例では、射出成形時に、ディスクゲート37から最も遠い、係合溝27や凹凸部28の付近において、溶融樹脂の温度が下がり、溶融樹脂の射出速度が落ちる傾向となる。このため、係合溝27や凹凸部28に向けた斜面である第2傾斜面形成部67を設けることにより、係合溝27及び凹凸部28と第2傾斜面形成部67との間隔を狭くすることで、ベルヌーイの定理により、射出速度が下がるのを抑制している。これにより、射出速度のムラによるウェルドの生成を防止し、係合溝27とモーメント方向保持部61との係合強度や、凹凸部28と回転方向保持部62との結合強度が落ちないようにしている。
また、本例では、射出速度を大きくできるため、金型への転写性を良くして、ウォームホイール歯部21の寸法精度、及び、歯面39の表面粗さを、良好に確保することができる。特に、合成樹脂に強化繊維が含まれている場合には、強化繊維が表面に露出する量を抑えられ、歯面39の表面粗さを小さくすることができる。これにより、ウォームホイール歯部21とウォーム歯部20との噛み合いの際に、振動、変動、音などを生じにくくすることができる。この結果、運転者によるステアリングホイールの操作感、電動アシスト装置5の制御性、静粛性などを向上させることができる。また、ウォームホイール歯部21の歯面39に露出した強化繊維による、ウォーム歯部20の摩耗量を抑えられる。さらに、射出成形だけで歯面39の表面粗さを小さくすることができるため、追加の歯切り加工が不要になる。したがって、この点でも、ウォームホイール18の生産性を向上させることができる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図10~図12により説明する。
本例では、ウォームホイール18aを構成する外側ホイール素子23aは、軸方向両側の側面29aを構成する平面部30a及び第1傾斜面部31aのうち、第1傾斜面部31aの内径D31が、ウォームホイール歯部21aの歯底径D21よりも大きくなっている(D31>D21)。すなわち、本例では、ウォームホイール歯部21aの軸方向両側の側面のそれぞれは、径方向外側部が第1傾斜面部31aにより構成されており、径方向内側部が平面部30aにより構成されている。したがって、本例では、実施の形態の第1例の場合に比べて、ウォームホイール歯部21aの歯元の軸方向幅寸法を大きくすることができ、該歯元の強度を向上させることができる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
なお、本発明のウォーム減速機は、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置に限らず、各種構造の電動パワーステアリング装置に組み込むことができる。
例えば、図13に示すようなピニオンアシスト型の電動パワーステアリング装置1aでは、ステアリングギヤユニット8aのピニオン軸10aに、電動アシスト装置5aを構成するウォーム減速機16aのウォームホイールを支持固定する。
図14に示すようなラックアシスト型の電動パワーステアリング装置1bでは、ステアリングギヤユニット8bのピニオン軸10から車両の幅方向に外れた部分に、電動アシスト装置5bを構成するウォーム減速機16bのウォームホイールを外嵌固定したピニオン軸43を配置し、該ピニオン軸43を、ステアリングギヤユニット8bのラック軸44に噛合させる。
本発明のウォーム減速機は、例えば、図15に示すようなステアバイワイヤ方式のステアリング装置45に組み込むこともできる。ステアバイワイヤ方式のステアリング装置45は、ステアリングホイール2を有する操舵装置46と、操舵装置46に電気的に接続された、1対の操舵輪に舵角を付与するための転舵装置47とを備える。自動車の運転時には、ステアリングホイール2の回転操作量が、操舵装置46のセンサにより検出され、該センサの出力信号に基づいて、転舵装置47の電動アクチュエータ48が駆動されることにより、1対の操舵輪に舵角が付与される。電動アクチュエータ48は、駆動源となる電動モータ49の出力トルクを増大するためのウォーム減速機16cを備えており、このウォーム減速機16cとして、本発明のウォーム減速機を用いることができる。
本発明のウォーム減速機は、ステアリング装置に限らず、各種機械装置に組み込むことができる。
なお、本発明を実施する場合には、ウォームホイールを構成する外側ホイール素子の軸方向両側面のうちのいずれか一方の側面にのみ、第1傾斜面部を設けることもできる。第1傾斜面部は、外側ホイール素子の軸方向側面の径方向全幅にわたり設けることもできる。
1、1a、1b 電動パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
3 ステアリングシャフト
4 ステアリングコラム
5、5a、5b 電動アシスト装置
6a、6b 自在継手
7 中間シャフト
8、8a、8b ステアリングギヤユニット
9 タイロッド
10、10a ピニオン軸
11 ハウジング
12 電動モータ
13 トーションバー
14 出力軸
15a、15b 玉軸受
16、16a、16b、16c ウォーム減速機
17 トルクセンサ
18、18a ウォームホイール
19 ウォーム
20 ウォーム歯部
21、21a ウォームホイール歯部
22 内側ホイール素子
23、23a 外側ホイール素子
24 内径側環状部
25 外径側環状部
26 連結部
27 係合溝
28 凹凸部
29、29a 側面
30、30a 平面部
31、31a 第1傾斜面部
32 抑え部
33 抑え部
34 金型装置
35 キャビティ
36 ランナー
37 ディスクゲート
38 歯
39 歯面
40 内面
41 第1傾斜面形成部
42 歯先面形成部
43 ピニオン軸
44 ラック軸
45 ステアバイワイヤ方式のステアリング装置
46 操舵装置
47 転舵装置
48 電動アクチュエータ
49 電動モータ
50 側面
51 嵌合孔
52 環状凹部
53 外径側周面
54 内径側周面
55 底面
56 環状凹部
57 外径側周面
58 内径側周面
59 底面
60 外周面
61 モーメント方向保持部
62 回転方向保持部
63 内周面
64 内周面
65 円筒面部
66 第2傾斜面部
67 第2傾斜面形成部
100 ウォームホイール
101 内側ホイール素子
102 外側ホイール素子
103 ウォームホイール歯部
104 側面
105 金型装置
106 キャビティ
107 ランナー
108 ディスクゲート

Claims (12)

  1. 環状の内側ホイール素子と、
    外周面にウォームホイール歯部を有し、かつ、前記内側ホイール素子の径方向外側部を全周にわたり包埋した状態で該内側ホイール素子に結合された、合成樹脂製で環状の外側ホイール素子と、
    を備え、
    前記内側ホイール素子は、軸方向一方側の側面に、軸方向に凹んだ環状凹部を全周にわたり有しており、
    前記外側ホイール素子は、軸方向両側の側面のうちの少なくともいずれか一方の側面の径方向外側部に、径方向外側に向かうほど軸方向中央側に向かう方向に傾斜した第1傾斜面部を有し、かつ、前記環状凹部の内側に入り込んで、前記環状凹部の内面を構成する外径側周面と係合する抑え部を有しており、
    前記抑え部の内周面を含む、前記外側ホイール素子の軸方向一方側部の内周面は、少なくとも軸方向一方側部に、軸方向他方側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した第2傾斜面部を有し、かつ、該第2傾斜面部の軸方向他方側の端部が、前記環状凹部の内側に配置されており、
    前記第1傾斜面部の内径が、前記ウォームホイール歯部の歯底径以下である、
    ウォームホイール。
  2. 環状の内側ホイール素子と、
    外周面にウォームホイール歯部を有し、かつ、前記内側ホイール素子の径方向外側部を全周にわたり包埋した状態で該内側ホイール素子に結合された、合成樹脂製で環状の外側ホイール素子と、
    を備え、
    前記内側ホイール素子は、軸方向一方側の側面に、軸方向に凹んだ環状凹部を全周にわたり有しており、
    前記外側ホイール素子は、軸方向両側の側面のうちの少なくともいずれか一方の側面の径方向外側部に、径方向外側に向かうほど軸方向中央側に向かう方向に傾斜した第1傾斜面部を有し、かつ、前記環状凹部の内側に入り込んで、前記環状凹部の内面を構成する外径側周面と係合する抑え部を有しており、
    前記抑え部の内周面を含む、前記外側ホイール素子の軸方向一方側部の内周面は、少なくとも軸方向一方側部に、軸方向他方側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した第2傾斜面部を有し、かつ、該第2傾斜面部の軸方向他方側の端部が、前記環状凹部の内側に配置されており、
    前記ウォームホイール歯部の歯すじが、前記外側ホイール素子の中心軸に対して平行である、
    ウォームホイール。
  3. 環状の内側ホイール素子と、
    外周面にウォームホイール歯部を有し、かつ、前記内側ホイール素子の径方向外側部を全周にわたり包埋した状態で該内側ホイール素子に結合された、合成樹脂製で環状の外側ホイール素子と、
    を備え、
    前記内側ホイール素子は、軸方向一方側の側面に、軸方向に凹んだ環状凹部を全周にわたり有しており、
    前記外側ホイール素子は、軸方向両側の側面のうちの少なくともいずれか一方の側面の径方向外側部に、径方向外側に向かうほど軸方向中央側に向かう方向に傾斜した第1傾斜面部を有し、かつ、前記環状凹部の内側に入り込んで、前記環状凹部の内面を構成する外径側周面と係合する抑え部を有しており、
    前記抑え部の内周面を含む、前記外側ホイール素子の軸方向一方側部の内周面は、少なくとも軸方向一方側部に、軸方向他方側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した第2傾斜面部を有し、かつ、該第2傾斜面部の軸方向他方側の端部が、前記環状凹部の内側に配置されており、
    前記内側ホイール素子は、前記環状凹部の内面を構成する外径側周面に、円周方向に関する凹凸部を有しており、
    前記抑え部は、前記凹凸部を構成する凹部の内側に入り込んで該凹部と係合する回転方向保持部を有しており、
    前記内側ホイール素子は、前記環状凹部の内面を構成する外径側周面に、径方向外方に凹んだ係合溝を全周にわたり有しており、
    前記抑え部は、前記係合溝の内側に入り込んで該係合溝と係合するモーメント方向保持部を有しており、
    前記係合溝は、前記凹凸部の軸方向他方側に隣接して配置されている、
    ウォームホイール。
  4. 前記第1傾斜面部の内径が、前記ウォームホイール歯部の歯底径よりも大きい、
    請求項2または3に記載のウォームホイール。
  5. 前記外側ホイール素子の軸方向他方側部の内周面に、ゲートの切り離し部が存在する、
    請求項1~4のいずれかに記載のウォームホイール。
  6. 前記第1傾斜面部の内径が、前記内側ホイール素子の外径よりも大きい、
    請求項1~のうちのいずれかに記載のウォームホイール。
  7. 前記ウォームホイールのうち、軸方向に関して前記第1傾斜面部が存在する側において、前記外側ホイール素子の側面のうち前記第1傾斜面部の径方向内側に隣接する部分と前記内側ホイール素子の径方向外端部の側面との間の軸方向幅が、前記第1傾斜面部の軸方向幅よりも大きい、
    請求項1~のうちのいずれかに記載のウォームホイール。
  8. 前記合成樹脂に強化繊維が混入している、
    請求項1~のうちのいずれかに記載のウォームホイール。
  9. 前記ウォームホイール歯部の歯面が射出成形面である、
    請求項1~のうちのいずれかに記載のウォームホイール。
  10. 請求項1~のうちのいずれかに記載のウォームホイールの製造方法であって、
    前記内側ホイール素子の径方向外側部の周囲に金型を配置し、前記内側ホイール素子と前記金型との間に画成される、前記外側ホイール素子の成形空間であるキャビティ内に合成樹脂を送り込む射出成形により、前記外側ホイール素子を形成する、
    ウォームホイールの製造方法。
  11. 前記射出成形を行う際に、前記キャビティのうち、前記外側ホイール素子の軸方向他方側部の内周面が形成される部分に、ゲートの下流側端部を開口させる、
    請求項10に記載のウォームホイールの製造方法。
  12. 外周面にウォームホイール歯部を有するウォームホイールと、
    軸方向中間部外周面に、前記ウォームホイール歯部と噛合するウォーム歯部を有するウォームと、を備え、
    前記ウォームホイールが、請求項1~のうちのいずれかに記載のウォームホイールである、
    ウォーム減速機。
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