JP7317102B2 - 導電性転写材料及び導電パターンの製造方法 - Google Patents

導電性転写材料及び導電パターンの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、導電性転写材料、導電パターンの製造方法、積層体、タッチパネル、及び液晶表示装置に関する。
指、タッチペン等で触れることにより、指示画像に対応する情報の入力が行える入力装置(以下、「タッチパネル」ともいう。)が広く利用されている。タッチパネルにおいては、通常、ITO(Indium Tin Oxide)からなる導電膜が用いられている。また、近年では、導電膜を形成する技術において転写材料が利用されている。
例えば、特開2005-321716号公報には、帯電防止性または導電性を有する感光性樹脂層(1)と絶縁性を有する感光性樹脂層(2)を積層してなるドライフィルムが開示されている。
国際公開第2013/151052号には、支持フィルムと、導電性繊維を含有する導電層と、感光性樹脂を含有する感光性樹脂層と、をこの順に備える感光性導電フィルムを用意し、基材上に上記導電層が密着するように上記導電層及び上記感光性樹脂層をラミネートするラミネート工程と、上記基材上の上記感光性樹脂層を露光及び現像することにより導電パターンを形成するパターニング工程と、を備える、導電パターンの形成方法が開示されている。
しかしながら、例えば特開2005-321716号公報に記載されたドライフィルムにおいては、単一の層、すなわち、感光性樹脂層(1)が感光性材料及び導電性材料を含有するため、解像性に優れ、かつ、電気抵抗が小さい導電パターンを形成することは困難であると考えられる。
また、転写材料を用いる導電パターンの形成過程においては、導電パターン上に感光層が残存する場合がある。導電パターンと他の電気導電体とを導通させる場合においては、導電性を向上させるために、通常、導電パターン上の感光層を除去する必要がある。一方、製造工程の簡素化の観点から、導電パターン上の感光層を除去することなく、上記感光層を介して、導電パターンと他の電気伝導体とを導通させることが求められている。しかしながら、例えば国際公開第2013/151052号に記載された感光性導電フィルムを用いて導電パターンを形成する方法では、基材上に導電層及び感光性樹脂層がこの順で積層されるものの、導電層の接触抵抗が大きいため、感光性樹脂層を介した導電パターンと他の電気伝導体との導電性は低いと考えられる。そして、国際公開第2013/151052号に記載された感光性導電フィルムを用いて形成される導電パターンの電気抵抗についても改善の余地がある。
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものである。
本開示の一態様は、表面抵抗及び接触抵抗が小さく、かつ、優れた解像性を有する導電パターンを形成できる導電性転写材料を提供することを目的とする。
本開示の他の一態様は、表面抵抗及び接触抵抗が小さく、かつ、優れた解像性を有する導電パターンの製造方法を提供することを目的とする。
本開示の他の一態様は、表面抵抗及び接触抵抗が小さい導電層を有する積層体を提供することを目的とする。
本開示の他の一態様は、表面抵抗及び接触抵抗が小さい導電層を有する積層体を有するタッチパネルを提供することを目的とする。
本開示の他の一態様は、表面抵抗及び接触抵抗が小さい導電層を有する積層体を有する液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 仮支持体と、平均厚さが500nm未満である感光層と、銀粒子、及びバインダーを含有する導電層と、をこの順で有する導電性転写材料。
<2> 上記バインダーが、水溶性バインダーである<1>に記載の導電性転写材料。
<3> 上記水溶性バインダーが、セルロースである<2>に記載の導電性転写材料。
<4> 上記水溶性バインダーが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種のセルロースである<2>に記載の導電性転写材料。
<5> 上記導電層の上記感光層とは反対側に、接着層を有する<1>~<4>のいずれか1つに記載の導電性転写材料。
<6> 上記接着層の平均厚さが、500nm未満である<5>に記載の導電性転写材料。
<7> 上記接着層が、アルカリ可溶性バインダーを含有する<5>又は<6>に記載の導電性転写材料。
<8> 上記感光層の平均厚さが、10nm以上である<1>~<7>のいずれか1つに記載の導電性転写材料。
<9> 上記感光層の平均厚さが、200nm以下である<1>~<8>のいずれか1つに記載の導電性転写材料。
<10> 上記感光層の平均厚さが、150nm以下である<1>~<9>のいずれか1つに記載の導電性転写材料。
<11> 上記銀粒子の平均粒子径が、5nm~100nmであり、上記銀粒子の含有量が、上記導電層の全質量に対して、60質量%~99質量%である<1>~<10>のいずれか1つに記載の導電性転写材料。
<12> 上記導電層が、五員環構造又は六員環構造を有する、セルロース以外の糖類を含有する<1>~<11>のいずれか1つに記載の導電性転写材料。
<13> 上記感光層が、アルカリ可溶性バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含有する<1>~<12>のいずれか1つに記載の導電性転写材料。
<14> 上記仮支持体と上記感光層との間に、平均厚さが1μm~20μmであるクッション層を有する<1>~<13>のいずれか1つに記載の導電性転写材料。
<15> 基材上に、<1>~<14>のいずれか1つに記載の導電性転写材料を貼り合わせる工程と、上記導電性転写材料における上記感光層をパターン露光する工程と、上記感光層を現像する工程と、をこの順で含む導電パターンの製造方法。
<16> 基材と、銀粒子、及びバインダーを含有する導電層と、平均厚さが500nm未満である、感光性組成物の硬化物層と、をこの順で有する積層体。
<17> 上記バインダーが、水溶性バインダーである<16>の積層体。
<18> 上記水溶性バインダーが、セルロースである<17>に記載の積層体。
<19> 上記水溶性バインダーが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種のセルロースである<17>に記載の積層体。
<20> 上記基材と上記導電層との間に、平均厚さが500nm未満である接着層を有する<16>~<19>のいずれか1つに記載の積層体。
<21> 上記銀粒子の平均粒子径が、5nm~100nmであり、上記銀粒子の含有量が、上記導電層の全質量に対して、60質量%~99質量%である<16>~<20>のいずれか1つに記載の積層体。
<22> 上記導電層が、五員環構造又は六員環構造を有する、セルロース以外の糖類を含有する<16>~<21>のいずれか1つに記載の積層体。
<23> <16>~<22>のいずれか1つに記載の積層体を有するタッチパネル。
<24> <16>~<22>のいずれか1つに記載の積層体を有する液晶表示装置。
本開示の一態様によれば、表面抵抗及び接触抵抗が小さく、かつ、優れた解像性を有する導電パターンを形成できる導電性転写材料が提供される。
本開示の他の一態様によれば、表面抵抗及び接触抵抗が小さく、かつ、優れた解像性を有する導電パターンの製造方法が提供される。
本開示の他の一態様によれば、表面抵抗及び接触抵抗が小さい導電層を有する積層体が提供される。
本開示の他の一態様によれば、表面抵抗及び接触抵抗が小さい導電層を有する積層体を有するタッチパネルが提供される。
本開示の他の一態様によれば、表面抵抗及び接触抵抗が小さい導電層を有する積層体を有する液晶表示装置が提供される。
図1は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。 図2は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。 図3は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。 図4は、本開示に係る積層体の層構成の一例を示す概略図である。 図5は、本開示に係る積層体の層構成の一例を示す概略図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本開示は、以下の実施形態に何ら制限されず、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれか一方を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれか一方を意味し、「(メタ)アクリロキシ」とは、アクリロキシ及びメタクリロキシの双方、又は、いずれか一方を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」との用語には、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有しないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
本開示において、「主鎖」とは樹脂を構成する高分子化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖を意味する。
本開示において、「側鎖」とは主鎖から枝分かれしている原子団を意味する。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本開示において、樹脂中の構成単位の割合は、特に断りが無い限り、モル割合を表す。
本開示において、分子量分布がある場合の分子量は、特に断りが無い限り、重量平均分子量(Mw)を表す。
<導電性転写材料>
本開示に係る導電性転写材料は、仮支持体と、平均厚さが500nm未満である感光層と、銀粒子、及びバインダーを含有する導電層と、をこの順で有する。
本開示に係る導電性転写材料によれば、表面抵抗(シート抵抗ともいう。以下同じ。)及び接触抵抗が小さく、かつ、優れた解像性を有する導電パターンが形成される。本開示に係る導電性転写材料が、上記効果を奏する理由は明らかではないが、以下のように推察される。
本開示に係る導電性転写材料は、平均厚さが500nm未満である感光層と、銀粒子、及びバインダーを含有する導電層と、を有することで、1つの層が感光層及び導電層を兼ねる場合に比べて、感光層には感光性材料をより多く含有でき、導電層には導電性材料をより多く含有できるため、パターン形成における解像性を向上しつつ、導電パターンの電気抵抗が大きくなることを抑制できる。さらに、感光層の平均厚さが500nm未満であることで、感光層又はその硬化物を介して導電パターン及び他の電気伝導体を積層させた場合に、導電パターンと他の電気伝導体との間隔を小さくできる。よって、本開示に係る導電性転写材料によれば、表面抵抗及び接触抵抗が小さく、かつ、優れた解像性を有する導電パターンが形成される。
本開示に係る導電性転写材料の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。図1に示される導電性転写材料100は、仮支持体10と、感光層20と、導電層30と、をこの順で有する。なお、本開示の図面において示される各要素の縮尺は、必ずしも正確ではない。
[仮支持体]
本開示に係る導電性転写材料は、仮支持体を有する。
仮支持体は、少なくとも、感光層、及び導電層を支持し、被着体(例えば、感光層)から剥離可能な支持体である。
仮支持体は、仮支持体を介してパターン露光できるという観点から、光透過性を有することが好ましい。本開示において、「光透過性を有する」とは、パターン露光に使用する光の主波長の透過率が50%以上であることを意味する。パターン露光に使用する光の主波長の透過率は、露光感度向上の観点から、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。透過率の測定方法としては、分光光度計(例えば、大塚電子株式会社製MCPD-6800)を用いて測定する方法が挙げられる。
露光感度向上の観点から、仮支持体のヘイズは、小さい方が好ましい。具体的に、仮支持体のヘイズは、2%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
露光感度向上及び解像度向上の観点から、仮支持体に含まれる微粒子、異物、及び欠陥(例えば、ピンホール)の数は少ない方が好ましい。仮支持体に含まれる直径1μm以上の、微粒子、異物、及び欠陥の数は、50個/10mm以下であることが好ましく、10個/10mm以下であることがより好ましい。
仮支持体としては、例えば、ガラス基材、樹脂フィルム、及び紙が挙げられる。仮支持体は、強度及び可撓性の観点から、樹脂フィルムであることが好ましい。樹脂フィルムとしては、例えば、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、及びポリカーボネートフィルムが挙げられる。上記の中でも、仮支持体は、光学特性の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
仮支持体の平均厚さは、制限されず、材料に応じて適宜設定することができる。仮支持体の平均厚さは、取扱い易さ、及び汎用性の観点から、5μm~200μmであることが好ましく、10μm~150μmであることがより好ましく、10μm~50μmであることが更に好ましい。
仮支持体の平均厚さは以下の方法によって測定する。
仮支持体の厚み方向の断面観察像において、無作為に選択した10箇所で測定される仮支持体の厚さの算術平均値を求め、得られる値を仮支持体の平均厚さとする。仮支持体の厚み方向の断面観察像は、走査型電子顕微鏡(SEM)、又は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて得ることができる。
また、仮支持体の好ましい態様については、例えば、特開2014-85643号公報の段落0017~段落0018に記載がある。これらの記載は参照により本明細書に組み込まれる。
[感光層]
本開示に係る導電性転写材料は、平均厚さが500nm未満である感光層を有する。本開示に係る導電性転写材料が、平均厚さが500nm未満である感光層を有することで、接触抵抗が小さく、かつ、優れた解像性を有する導電パターンが形成される。
感光層の平均厚さは、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましく、150nm以下であることが特に好ましく、60nm以下であることが最も好ましい。感光層の平均厚さが上記範囲内であることで、接触抵抗をさらに小さくできる。
感光層の平均厚さは、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることが特に好ましい。感光層の平均厚さが上記範囲内であることで、感光層の現像性を向上できる。
感光層の平均厚さは、上記仮支持体の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定する。
波長400nm~700nmにおける感光層の最低透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率は、上記仮支持体の透過率の測定方法に準ずる方法により測定する。
感光層としては、平均厚さが500nm未満であれば制限されず、公知の感光層を適用できる。感光層としては、例えば、ポジ型の感光層、及びネガ型の感光層が挙げられる。上記の中でも、感光層は、耐薬品性、及び耐久性の観点から、ネガ型の感光層であることが好ましい。
(ポジ型の感光層)
ポジ型の感光層としては、制限されず、公知のポジ型の感光層を適用できる。ポジ型の感光層は、感度、解像度、及び除去性の観点から、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を有する重合体と、光酸発生剤と、を含有することが好ましい。
ポジ型の感光層については、国際公開第2018/179640号の段落0033~段落0130に記載がある。これらの記載は参照により本明細書に取り込まれる。
-酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を有する重合体-
ポジ型の感光層は、酸分解性で保護された酸基を有する構成単位(以下、「構成単位A」ともいう。)を含む重合体(以下、「重合体A」ともいう。)を含有することが好ましい。重合体A中の酸分解性基で保護された酸基は、露光により生じる触媒量の酸の作用(すなわち、脱保護反応)により、酸基となる。脱保護反応によって生じた酸基により、現像液へのポジ型の感光層の溶解性が向上する。
重合体Aは、付加重合型の重合体であることが好ましく、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する構成単位を有する重合体であることがより好ましい。なお、重合体Aは、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位(例えば、スチレン化合物に由来する構成単位、及びビニル化合物に由来する構成単位)を有していてもよい。
構成単位Aにおける酸基は、制限されず、公知の酸基を適用できる。酸基は、カルボキシ基、又はフェノール性水酸基(「フェノール性ヒドロキシ基」ともいう。)であることが好ましい。
構成単位Aにおける酸分解性基は、制限されず、公知の酸分解性基を適用できる。酸分解性基としては、例えば、酸により比較的分解し易い基(例えば、1-アルコキシアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等のアセタール型官能基)、及び酸により比較的分解し難い基(例えば、tert-ブチル基等の第三級アルキル基)が挙げられる。上記の中でも、酸分解性基は、アセタールの形で酸基を保護する構造を有する基であることが好ましい。また、酸分解性基は、導電パターンの形成に適用した場合における導電配線の線幅のバラツキが抑制される観点から、分子量が300以下の酸分解性基であることが好ましい。
酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位は、パターン形状の変形抑制、現像液への溶解性、及び転写性の観点から、下記式A1により表される構成単位、下記式A2により表される構成単位、及び下記式A3により表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位であることが好ましく、下記式A3により表される構成単位であることがより好ましく、後述する式A3-3により表される構成単位であることが特に好ましい。下記式A1で表される構成単位及び下記式A2で表される構成単位は、酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基を有する構成単位である。下記式A3で表される構成単位は、酸分解性基で保護されたカルボキシ基を有する構成単位である。
式A1中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R11及びR12の少なくとも一方が、アルキル基、又はアリール基であり、R13は、アルキル基、又はアリール基を表し、R11又はR12と、R13とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R14は、水素原子、又はメチル基を表し、Xは、単結合、又は二価の連結基を表し、R15は、置換基を表し、nは、0~4の整数を表す。
式A2中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R21及びR22の少なくとも一方が、アルキル基又はアリール基であり、R23はアルキル基又はアリール基を表し、R21又はR22と、R23とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R24は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又はシクロアルキル基を表し、mは、0~3の整数を表す。
式A3中、R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R31及びR32の少なくとも一方が、アルキル基又はアリール基であり、R33は、アルキル基、又はアリール基を表し、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R34は、水素原子、又はメチル基を表し、Xは、単結合、又は連結基を表し、Yは、硫黄原子、又は酸素原子を表す。
式A3中、R31又はR32がアルキル基の場合、アルキル基は、炭素数1~10のアルキル基であることが好ましい。R31又はR32がアリール基の場合、アリール基は、フェニル基であることが好ましい。R31及びR32は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基であり、R31及びR32の少なくとも一方が炭素数1~4のアルキル基であることが好ましい。
式A3中、R33は、炭素数1~10のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~6のアルキル基であることがより好ましい。
式A3中、R31~R33におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
式A3中、R31又はR32と、R33とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は、制限されないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
式A3中、Xは、単結合、又はアリーレン基であることが好ましく、単結合であることが好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。
式A3中、Yは、露光感度の観点から、酸素原子であることが好ましい。
式A3中、R34は水素原子又はメチル基を表し、重合体Aのガラス転移温度(Tg)をより低くし得るという観点から、水素原子であることが好ましい。より具体的には、式A3におけるR34が水素原子である構成単位の含有比率は、重合体Aに含まれる式A3で表される全構成単位に対して、20モル%以上であることが好ましい。なお、式A3で表される構成単位中の、式A3におけるR34が水素原子である構成単位の含有比率(モル%)は、13C-核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認する。
式A3で表される構成単位の中でも、下記式A3-3で表される構成単位が、パターン形成時の感度を更に高める観点からより好ましい。
式A3-3中、R34は、水素原子、又はメチル基を表し、R35~R41は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基を表す。式A3-3中、R34は、水素原子であることが好ましい。式A3-3中、R35~R41は、水素原子であることが好ましい。
式A3で表される構成単位の好ましい具体例を以下に示す。なお、下記の構成単位におけるR34は、水素原子、又はメチル基を表す。
重合体Aは、1種の構成単位Aを有していてもよく、又は2種以上の構成単位Aを有していてもよい。
重合体Aにおける構成単位Aの含有比率は、重合体Aの全構成単位に対して、10モル%以上であることが好ましく、10モル%~90モル%であることがより好ましく、20モル%~70モル%であることが特に好ましい。重合体Aにおける構成単位Aの含有比率は、13C-NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認する。
重合体Aは、酸基を有する構成単位(以下、「構成単位B」ともいう。)を含むことが好ましい。重合体Aが構成単位Bを含むことで、パターン形成時の感度が良好となり、また、パターン露光後の現像工程においてアルカリ性の現像液に溶けやすくなるため現像時間の短縮化を図ることができる。
構成単位Bにおける酸基とは、pKaが12以下のプロトン解離性基を意味する。感度向上の観点から、酸基のpKaは、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。また、酸基のpKaは、-5以上であることが好ましい。
構成単位Bにおける酸基としては、例えば、カルボキシ基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、及びスルホニルイミド基が挙げられる。上記の中でも、酸基は、カルボキシ基、又はフェノール性水酸基であることが好ましい。
重合体Aへの構成単位Bの導入は、酸基を有するモノマーを共重合させることで行うことができる。
構成単位Bは、スチレン化合物に由来する構成単位若しくはビニル化合物に由来する構成単位に対して酸基が置換した構成単位、又は(メタ)アクリル酸に由来する構成単位であることがより好ましい。
構成単位Bは、パターン形成時の感度がより良好となるという観点から、カルボキシ基を有する構成単位及びフェノール性水酸基を有する構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位であることが好ましい。
重合体Aは、1種の構成単位Bを有していてもよく、又は2種以上の構成単位Bを有していてもよい。
重合体Aにおける構成単位Bの含有比率は、パターン形成性の観点から、重合体Aの全構成単位に対して、0.1モル%~20モル%であることが好ましく、0.5モル%~15モル%であることがより好ましく、1モル%~10モル%であることが特に好ましい。重合体Aにおける構成単位Bの含有比率は、13C-NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認する。
重合体Aは、本開示に係る導電性転写材料の効果を損なわない範囲で、既述の構成単位A及び構成単位B以外の構成単位(以下、「構成単位C」ともいう。)を有していてもよい。
構成単位Cを形成するモノマーとしては、例えば、スチレン化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、脂肪族環式骨格を有する不飽和化合物、及びその他の不飽和化合物が挙げられる。
構成単位Cとしては、具体的には、スチレン、tert-ブトキシスチレン、メチルスチレン、α-メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、又はエチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートを重合して形成される構成単位が挙げられる。上記以外の構成単位Cとしては、特開2004-264623号公報の段落0021~段落0024に記載の化合物が挙げられる。
構成単位Cとしては、得られる導電性転写材料の電気特性を向上させる観点から、芳香環を有する構成単位及び脂肪族環式骨格を有する構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位であることが好ましい。上記構成単位を形成するモノマーとして、例えば、スチレン、tert-ブトキシスチレン、メチルスチレン、α-メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。上記の中でも、構成単位Cは、シクロヘキシル(メタ)アクリレート由来の構成単位であることが好ましい。
また、構成単位Cを形成するモノマーとしては、密着性の観点から、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、炭素数4~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、及び(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルが挙げられる。
重合体Aは、1種の構成単位Cを有していてもよく、又は2種以上の構成単位Cを有していてもよい。
重合体Aにおける構成単位Cの含有比率は、重合体Aの全構成単位に対して、70モル%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。重合体Aにおける構成単位Cの含有比率の下限値は、0モル%でもよい。重合体Aにおける構成単位Cの含有比率は、重合体Aの全構成単位に対して、1モル%以上であることが好ましく、5モル%以上であることがより好ましい。上記範囲であると、解像度及び密着性がより向上する。
重合体Aの重量平均分子量は、60,000以下であることが好ましい。重合体Aの重量平均分子量が60,000以下であることで、感光層の溶融粘度を低く抑え、基板と貼り合わせる際において低温(例えば130℃以下)での貼り合わせを実現することができる。また、重合体Aの重量平均分子量は、2,000~60,000であることが好ましく、3,000~50,000であることがより好ましい。重合体Aの重量平均分子量は、以下の方法によって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定する。測定装置としては、市販の装置を用いることができる。装置の内容、及び測定技術は公知である。以下、具体的な測定方法を説明する。
GPCによる重量平均分子量の測定においては、測定装置として、HLC(登録商標)-8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super HZM-M(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社製)、Super HZ4000(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社製)、Super HZ3000(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社製)、及びSuper HZ2000(4.6mmID×15cm、東ソー株式会社製)をそれぞれ1本ずつ直列に連結したものを用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、測定条件としては、試料濃度を0.2質量%、流速を0.35mL/分、サンプル注入量を10μL、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行う。検量線は、東ソー株式会社製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F-40」、「F-20」、「F-4」、「F-1」、「A-5000」、「A-2500」、及び「A-1000」の7サンプルのいずれかを用いて作製する。
ポジ型の感光層は、1種の重合体Aを含有していてもよく、又は2種以上の重合体Aを含有していてもよい。
ポジ型の感光層における重合体Aの含有量は、基材に対して良好な密着性を発現させる観点から、ポジ型の感光層の全質量に対して、50質量%~99.9質量%であることが好ましく、70質量%~98質量%であることがより好ましい。
重合体Aの製造方法(合成法)は、制限されず、公知の方法を適用できる。重合体Aの製造方法としては、例えば、構成単位Aを形成するための重合性モノマー、さらに必要に応じて、酸基を有する構成単位Bを形成するための重合性モノマー、及び構成単位Cを形成するための重合性モノマーを、有機溶剤中、重合開始剤を用いて重合する方法が挙げられる。
-光酸発生剤-
ポジ型の感光層は、光酸発生剤を含有することが好ましい。ポジ型の感光層が光酸発生剤を含有することで、感度を向上できる。
光酸発生剤は、活性光線(例えば、紫外線、遠紫外線、X線、及び荷電粒子線)を照射されることにより酸を発生することができる化合物である。光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300nm~450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましい。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤が特に好ましい。pKaの下限値は、制限されない。pKaは、例えば、-10以上であることが好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、イオン性光酸発生剤、及び非イオン性光酸発生剤が挙げられる。
イオン性光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物(例えば、ジアリールヨードニウム塩化合物、及びトリアリールスルホニウム塩化合物)、及び第四級アンモニウム塩化合物が挙げられる。上記の中でも、イオン性光酸発生剤は、オニウム塩化合物であることが好ましく、トリアリールスルホニウム塩化合物、及びジアリールヨードニウム塩化合物の少なくとも一方であることがより好ましい。
イオン性光酸発生剤としては、特開2014-85643号公報の段落0114~0133に記載のイオン性光酸発生剤も好ましく用いることができる。
非イオン性光酸発生剤としては、例えば、トリクロロメチル-s-トリアジン化合物、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及びオキシムスルホネート化合物が挙げられる。上記の中でも、非イオン性光酸発生剤は、感度、解像度、及び密着性の観点から、オキシムスルホネート化合物であることが好ましい。トリクロロメチル-s-トリアジン化合物、及びジアゾメタン化合物の具体例としては、特開2011-221494号公報の段落0083~段落0088に記載の化合物が挙げられる。
上記の中でも、光酸発生剤は、感度及び解像度の観点から、オニウム塩化合物、及びオキシムスルホネート化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、オキシムスルホネート化合物を含むことがより好ましい。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を有する化合物が好ましい。
式(B1)中、R21は、アルキル基、又はアリール基を表し、*は、他の原子、又は他の基との結合部位を表す。
式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を有する化合物は、いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐構造を有していても、環構造を有していてもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21で表されるアルキル基としては、炭素数1~10の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R21で表されるアルキル基は、炭素数6~11のアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、シクロアルキル基、又はハロゲン原子で置換されてもよい。
21で表されるアリール基としては、炭素数6~18のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21で表されるアリール基は、炭素数1~4のアルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換されてもよい。
ポジ型の感光層は、1種の光酸発生剤を含有していてもよく、又は2種以上の光酸発生剤を含有していてもよい。
ポジ型の感光層における光酸発生剤の含有量は、感度、及び解像度の観点から、ポジ型の感光層の全質量に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、0.5質量%~5質量%であることがより好ましい。
-他の成分A-
ポジ型の感光層は、上記成分以外の成分(以下、「他の成分A」ともいう。)を含有していてもよい。他の成分Aは、制限されず、目的等に応じて適宜選択できる。他の成分としては、例えば、界面活性剤、後述する腐食防止剤、及び後述する光安定化剤が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系(非イオン系)界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられる。ポジ型の感光層が界面活性剤を含有することで、膜厚の均一性を高めることができる。上記の中でも、界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤であることが好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル系界面活性剤、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤の具体例としては、KP(信越化学工業株式会社製)、ポリフロー(共栄社化学株式会社製)、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(登録商標、例えばメガファックF551A、DIC株式会社製)、フロラード(住友スリーエム株式会社製)、アサヒガード(登録商標、AGC株式会社製)、サーフロン(登録商標、AGCセイケミカル株式会社製)、PolyFox(OMNOVA社製)、サーフィノール(日信化学工業株式会社製)、及びSH-8400(東レ・ダウコーニング株式会社製)が挙げられる。
ポジ型の感光層は、1種の界面活性剤を含有していてもよく、又は2種以上の界面活性剤を含有していてもよい。
ポジ型の感光層における界面活性剤の含有量は、膜厚の均一性の観点から、ポジ型の感光層の全質量に対して、0.05質量%~10質量%であることが好ましく、0.05質量%~5質量%であることがより好ましい。
(ネガ型の感光層)
ネガ型の感光層としては、制限されず、公知のネガ型の感光層を適用できる。ネガ型の感光層は、現像性の観点から、アルカリ可溶性バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含有することが好ましい。
本開示において、「アルカリ可溶性」とは、25℃の1mol/L水酸化ナトリウム溶液に可溶であることをいう。また、「可溶である」とは、100mLの溶媒に0.1g以上溶解することをいう。
-アルカリ可溶性バインダー-
ネガ型の感光層は、アルカリ可溶性バインダーを含有することが好ましい。
アルカリ可溶性バインダーとしては、制限されず、公知のアルカリ可溶性バインダーを適用できる。アルカリ可溶性バインダーは、現像性の観点から、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、酸価60mgKOH/g以上の樹脂であることがより好ましく、酸価60mgKOH/g以上の、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂(以下、「重合体B」ともいう。)であることが特に好ましい。
本開示において、「酸価」とは、JIS K0070:1992に記載の方法にしたがって測定された値を意味する。
本開示において、「(メタ)アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の少なくとも一方を含む樹脂を意味する。
重合体Bにおける(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の合計割合は、重合体Bの全構成単位に対して、30モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましい。
重合体Bは、カルボキシ基を有する構成単位を有する。上記(メタ)アクリル樹脂に含まれるカルボキシ基を有する構成単位は、1種であってもよく、又は2種以上であってもよい。
重合体Bにおけるカルボキシ基を有する構成単位の含有比率は、現像性の観点から、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂の全構成単位に対して、5モル%~50モル%であることが好ましく、5モル%~40モル%であることがより好ましく、10モル%~40モル%であることがさらに好ましく、10モル%~30モル%であることが特に好ましい。
アルカリ可溶性バインダーは、硬化後の透湿度及び強度の観点から、芳香環を有する構成単位を有することが好ましい。芳香環を有する構成単位を形成するモノマーとしては、スチレン、tert-ブトキシスチレン、メチルスチレン、α-メチルスチレン等のスチレン化合物、及びベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。芳香環を有する構成単位としては、スチレン化合物由来の構成単位であることが好ましい。
アルカリ可溶性バインダーは、硬化後の強度の観点から、エチレン性不飽和基を有する構成単位を有することが好ましい。アルカリ可溶性バインダーは、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位を有することが好ましい。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリル基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
アルカリ可溶性バインダーの酸価は、60mgKOH/g以上であることが好ましく、60mgKOH/g~200mgKOH/gであることがより好ましく、60mgKOH/g~150mgKOH/gであることがさらに好ましく、60mgKOH/g~130mgKOH/gであることが特に好ましい。
アルカリ可溶性バインダーの重量平均分子量(Mw)は、3,000を超えることが好ましく、3,000を超え60,000以下であることがより好ましく、5,000~50,000であることが特に好ましい。アルカリ可溶性バインダーの重量平均分子量は、上記重合体Aの重量平均分子量の測定方法に準ずる方法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
ネガ型の感光層は、1種のアルカリ可溶性バインダーを含有していてもよく、又は2種以上のアルカリ可溶性バインダーを含有していてもよい。
ネガ型の感光層におけるアルカリ可溶性バインダーの含有量は、ネガ型の感光層の全質量に対して、10質量%~90質量%であることが好ましく、20質量%~80質量%であることがより好ましく、30質量%~70質量%であることが特に好ましい。
-重合性化合物-
ネガ型の感光層は、重合性化合物を含有することが好ましい。
重合性化合物としては、重合可能な化合物であれば制限されず、例えば、ラジカル重合性化合物、及びカチオン重合性化合物が挙げられる。上記の中でも、重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和化合物であることがより好ましい。エチレン性不飽和化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリル基がより好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。ここで、2官能以上のエチレン性不飽和化合物とは、一分子中にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、及び1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
具体的な2官能のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A-DCP、新中村化学工業株式会社製)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(DCP、新中村化学工業株式会社製)、1,9-ノナンジオールジアクリレート(A-NOD-N、新中村化学工業株式会社製)、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(A-HD-N、新中村化学工業株式会社製)、及びポリテトラメチレングリコール#650ジアクリレート(A-PTMG-65、新中村化学工業株式会社製)が挙げられる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、及びグリセリントリ(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで、「(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート」との用語は、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、及びヘキサ(メタ)アクリレートを包含する概念である。また、「(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート」との用語は、トリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートを包含する概念である。
エチレン性不飽和化合物は、現像性向上の観点から、酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。酸基としては、例えば、リン酸基、スルホン酸基、及びカルボキシ基が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、酸基を有する3~4官能のエチレン性不飽和化合物、及び酸基を有する5~6官能のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、アロニックス(登録商標)TO-2349(東亞合成株式会社製)、アロニックスM-520(東亞合成株式会社製)、又はアロニックスM-510(東亞合成株式会社製)が好ましい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物は、特開2004-239942号公報の段落0025~0030に記載の酸基を有する重合性化合物であることも好ましい。これらの記載は参照により本明細書に組み込まれる。
ネガ型の感光層は、1種の重合性化合物を含有していてもよく、又は2種以上の重合性化合物を含有していてもよい。
ネガ型の感光層における重合性化合物の含有量は、感光性の観点から、ネガ型の感光層の全質量に対して、1質量%~70質量%であることが好ましく、5質量%~70質量%であることがより好ましく、5質量%~60質量%であることがさらに好ましく、8質量%~50質量%であることが特に好ましい。
-重合開始剤-
ネガ型の感光層は、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、光重合開始剤、及び熱重合開始剤の少なくとも一方が好ましく、光重合開始剤がより好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤(以下、「オキシム系光重合開始剤」ともいう。)、α-アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤」ともいう。)、α-ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤」ともいう。)、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤(以下、「アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤」ともいう。)、及びN-フェニルグリシン構造を有する光重合開始剤(以下、「N-フェニルグリシン系光重合開始剤」ともいう。)が挙げられる。
光重合開始剤は、オキシム系光重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、α-ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤、及びN-フェニルグリシン系光重合開始剤からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、オキシム系光重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤及びN-フェニルグリシン系光重合開始剤からなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
また、光重合開始剤としては、例えば、特開2011-95716号公報の段落0031~0042、特開2015-014783号公報の段落0064~0081に記載された光重合開始剤を用いてもよい。
光重合開始剤の市販品としては、例えば、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-01、BASF社製)、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-1-(O-アセチルオキシム)(商品名:IRGACURE OXE-02、BASF社製)、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン(商品名:IRGACURE 379EG、BASF社製)、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(商品名:IRGACURE 907、BASF社製)、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン(商品名:IRGACURE 127、BASF社製)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン(商品名:IRGACURE 369、BASF社製)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(商品名:IRGACURE 1173、BASF社製)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:IRGACURE 184、BASF社製)、及び2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名:IRGACURE 651、BASF社製)等が挙げられる。
ネガ型の感光層は、1種の重合開始剤を含有していてもよく、又は2種以上の重合開始剤を含有していてもよい。
ネガ型の感光層における重合開始剤の含有量は、ネガ型の感光層の全質量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が特に好ましい。また、ネガ型の感光層における重合開始剤の含有量は、ネガ型の感光層の全質量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
-他の成分B-
ネガ型の感光層は、上記成分以外の成分(以下、「他の成分B」ともいう。)を含有していてもよい。他の成分Bは、制限されず、目的等に応じて適宜選択できる。他の成分Bとしては、例えば、熱架橋性化合物、増感剤、界面活性剤、後述する腐食防止剤、及び後述する光安定化剤が挙げられる。
熱架橋性化合物としては、例えば、ブロックイソシアネート化合物、ビスフェノールA型のエポキシ化合物、クレゾールノボラック型のエポキシ化合物、ビフェニル型のエポキシ化合物、脂環式のエポキシ化合物、及びメラミン化合物が挙げられる。ここで、「熱架橋性化合物」とは、熱により架橋反応を起こし得る官能基(すなわち、熱架橋性基)を1分子中に1つ以上有する化合物を意味する。
上記の中でも、熱架橋性化合物としては、ブロックイソシアネート化合物が好ましい。ここで、「ブロックイソシアネート化合物」とは、イソシアネートのイソシアネート基をブロック剤で保護(マスク)した構造を有する化合物を意味する。
ブロックイソシアネート化合物の解離温度は、100℃~160℃であることが好ましく、130℃~150℃であることがより好ましい。ここで、「ブロックイソシアネート化合物の解離温度」とは、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)を用いて、DSC(Differential scanning calorimetry)分析にてブロックイソシアネート化合物の熱特性を測定した場合に観察される、ブロックイソシアネート化合物の脱保護反応に伴う吸熱ピークの温度を意味する。
解離温度が100℃~160℃であるブロック剤としては、例えば、ピラゾール化合物(例えば、3,5-ジメチルピラゾール、3-メチルピラゾール、4-ブロモ-3,5-ジメチルピラゾール、及び4-ニトロ-3,5-ジメチルピラゾール)、活性メチレン化合物(例えば、マロン酸ジエステル(例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn-ブチル、及びマロン酸ジ2-エチルヘキシル))、トリアゾール化合物(例えば、1,2,4-トリアゾール)、及びオキシム化合物(例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等の分子内に-C(=N-OH)-で表される構造を有する化合物)が挙げられる。上記の中でも、保存安定性の観点から、オキシム化合物、又はピラゾール化合物が好ましく、オキシム化合物がより好ましい。
ブロックイソシアネート化合物は、市販品であってもよい。市販品として、例えば、カレンズAOI-BM、カレンズMOI-BM、カレンズMOI-BP(いずれも昭和電工株式会社製)、及びブロック型のデュラネートシリーズ(旭化成株式会社製)が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物の分子量は、200~3,000であることが好ましく、250~2,600であることがより好ましく、280~2,200であることが特に好ましい。
ネガ型の感光層は、1種の熱架橋性化合物を含有していてもよく、又は2種以上の熱架橋性化合物を含有していてもよい。
ネガ型の感光層における熱架橋性化合物の含有量は、得られる硬化膜(すなわち、ネガ型の感光層の硬化物)の強度の観点から、ネガ型の感光層の全質量に対して、1質量%~50質量%であることが好ましく、5質量%~30質量%であることがより好ましい。
増感剤としては、例えば、N-フェニルグリシンが挙げられる。
ネガ型の感光層は、1種の増感剤を含有していてもよく、又は2種以上の増感剤を含有していてもよい。
ネガ型の感光層における増感剤の含有量は、ネガ型の感光層の全質量に対して、0.01質量%~5質量%であることが好ましい。
界面活性剤としては、上記「ポジ型の感光層」の項において説明した界面活性剤を適用でき、好ましい種類も同様である。
ネガ型の感光層は、1種の界面活性剤を含有していてもよく、又は2種以上の界面活性剤を含有していてもよい。
ネガ型の感光層における界面活性剤の含有量は、膜厚の均一性の観点から、ネガ型の感光層の全質量に対して、0.01質量%~15質量%であることが好ましく、0.05質量%~15質量%であることがより好ましい。
(感光層の形成方法)
感光層の形成方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。感光層の形成方法としては、例えば、上記各成分を含む感光層用組成物を、被塗布物上に塗布し、次いで乾燥させる方法が挙げられる。
感光層用組成物は、上記各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。
溶剤は、制限されず、公知の溶剤を適用できる。溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤、エチレングリコールジアルキルエーテル系溶剤、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤、プロピレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤、プロピレングリコールジアルキルエーテル系溶剤、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤、ジエチレングリコールジアルキルエーテル系溶剤、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル系溶剤、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、及びラクトン系溶剤が挙げられる。
また、溶剤の好ましい例としては、以下に記載のエステル系溶剤、エーテル系溶剤、及びケトン系溶剤が挙げられる。
エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸t-ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、及び1-メトキシ-2-プロピルアセテートが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、ジイソプロピルエーテル、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、1,3-ジオキソラン、プロピレングリコールジメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
ケトン系溶剤としては、メチルn-ブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルn-プロピルケトン、及びメチルイソプロピルケトンが挙げられる。
感光層用組成物中の固形分濃度は、制限されず、例えば、0.5質量%~40質量%の範囲で適宜設定できる。
塗布方法としては、例えば、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、及びインクジェット塗布が挙げられる。
乾燥温度は、溶剤等の揮発性成分の種類に応じて適宜設定することができる。乾燥温度は、例えば、60℃~120℃の範囲で適宜設定することができる。
[導電層]
本開示に係る導電性転写材料は、銀粒子、及びバインダーを含有する導電層を有する。本開示に係る導電性転写材が上記導電層を有することで、表面抵抗が小さい導電パターンが形成される。
(銀粒子)
導電層は、銀粒子を含有する。導電層が銀粒子を含有することで、表面抵抗が小さい導電パターンが形成される。銀粒子としては、制限されず、公知の銀粒子を適用できる。
銀粒子の平均粒子径は、5nm~100nmであることが好ましく、5nm~50nmであることがより好ましく、5nm~30nmであることが特に好ましい。銀粒子の平均粒子径が上記範囲内であることで、銀粒子同士が融着しやすくなるため、導電パターンの導電性を向上できる。
銀粒子の平均粒子径は、以下の方法により測定する。
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、300個の銀粒子を観察し、次いで、上記各銀粒子の直径を求める。ここで、銀粒子の直径とは、銀粒子の長軸長さを指す。次に、測定値を算術平均することで、銀粒子の平均粒子径を求める。
銀粒子の含有量は、上記導電層の全質量に対して、60質量%~99質量%であることが好ましく、70質量%~99質量%であることがより好ましく、80質量%~99質量%であることがさらに好ましく、85質量%~99質量%であることが特に好ましい。銀粒子の含有量が上記範囲内であることで、導電層中の銀粒子の密度を向上できるため、導電パターンの導電性を向上できる。銀粒子の含有量の上限は、上記導電層の全質量に対して、95質量%であってもよい。
(バインダー)
導電層は、バインダーを含有する。バインダーとしては、制限されず、公知のバインダーを適用できる。バインダーとしては、水溶性バインダーが好ましい。導電層が水溶性バインダーを含有することで、現像液への導電層の溶解性を向上できる。また、導電層が水溶性バインダーを含有することで、感光層及び導電層を塗布液により形成する場合において、先に形成した層の溶剤による再溶解を抑制できる。具体的に、後述する導電層用組成物に含まれる水の含有比率を大きくし、感光層用組成物に含まれる有機溶剤の含有比率を大きくすることで、先に形成した層が溶剤により再溶解されることを抑制できる。
本開示において、「水溶性」とは、25℃の水100gに対して1g以上溶解する性質を意味する。
水溶性バインダーとしては、制限されず、公知の水溶性バインダーを適用できる。水溶性バインダーとしては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン-ビニルカプロラクタム-ジメチルアミノエチルアクリレート共重合体、ビニルピロリドン-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩共重合体、ビニルピロリドン-ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ビニルピロリドン-ジメチルアミノエチルアクリレート共重合体、及びビニルピロリドン-ビニルアルコールコポリマーが挙げられる。上記の中でも、水溶性バインダーは、銀粒子の融着を促進する観点から、セルロースであることが好ましい。
セルロースとしては、制限されず、公知のセルロースを適用できる。セルロースとしては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。
上記の中でも、セルロースは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種のセルロースであることが好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであることがより好ましい。
導電層は、1種のバインダーを含有していてもよく、又は2種以上のバインダーを含有していてもよい。
バインダーの含有量は、上記導電層の全質量に対して、1質量%~40質量%であることが好ましく、5質量%~30質量%であることがより好ましく、5質量%~20質量%であることが特に好ましい。バインダーの含有量の上限は、上記導電層の全質量に対して、15質量%であってもよい。
(糖類)
導電層は、五員環構造又は六員環構造を有する、セルロース以外の糖類(以下、単に「糖類」ともいう。)を含有することが好ましい。導電層が上記糖類を含有することで、導電層の解像性を向上できる。
糖類としては、単糖であってもよく、又は複数の単糖がグリコシド結合により結合した糖類(例えば、二糖、三糖、オリゴ糖、及び多糖)であってもよい。糖類としては、例えば、フルクトース、D-リボース、デオキシリボース、イヌリン、ヒアルロン酸、及びプルランが挙げられる。
上記の中でも、糖類は、解像性の観点から、単糖であることが好ましい。具体的に、糖類は、五員環構造又は六員環構造を有する、セルロース以外の単糖であることが好ましく、フルクトース、D-リボース、及びデオキシリボースからなる群より選択される少なくとも1種の糖であることがより好ましく、フルクトースであることが特に好ましい。
糖類の分子量は、5,000以下であることが好ましく、1,000以下であることがより好ましく、500以下であることがさらに好ましく、200以下であることが特に好ましい。糖類の分子量が上記範囲内であることで、導電層の解像性を向上できる。糖類の分子量の下限は、制限されない。糖類の分子量は、50以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましい。
導電層は、1種の糖類を含有していてもよく、又は2種以上の糖類を含有していてもよい。
糖類の含有量は、解像性の観点から、導電層の全質量に対して、0.01質量%~10質量%であることが好ましく、1質量%~5質量%であることがより好ましい。
(感光性材料)
導電層は、必要に応じて、感光性材料を含有していてもよい。感光性材料としては、活性光線の照射により化学変化を起こし得る材料であれば制限されず、例えば、上記「感光層」の項において説明した光酸発生剤、増感剤、及び光重合開始剤が挙げられる。
導電層は、1種の感光性材料を含有していてもよく、又は2種以上の感光性材料を含有していてもよい。
導電層中の感光性材料の含有量は、導電性の観点から、少ないことが好ましい。すなわち、導電層は、非感光性の導電層であることが好ましい。具体的に、導電層中の感光性材料の含有量は、導電層の全質量に対して、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%であることが特に好ましい。
(導電層の平均厚さ)
導電層の平均厚さは、導電性の観点から、0.05μm~100μmであることが好ましく、0.05μm~50μmであることがより好ましく、0.1μm~10μmであることがさらに好ましく、0.1μm~5μmであることが特に好ましい。導電層の平均厚さは、上記仮支持体の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定する。
(導電層の形成方法)
導電層の形成方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。導電層の形成方法としては、例えば、上記各成分を含む導電層用組成物を、被塗布物上に塗布し、次いで乾燥させる方法が挙げられる。
導電層用組成物は、例えば、上記各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。また、導電層用組成物は、銀粒子の供給源として銀粒子分散液を用いて調製してもよい。銀粒子分散液は、少なくとも、銀粒子、及び分散剤を含む組成物である。分散剤としては、後述する分散剤を適用できる。例えば、銀粒子分散液、及びバインダーを混合することによって導電層用組成物を調製することができる。
銀粒子分散液としては、例えば、特開2001-325831号公報に記載された金属コロイド液、特開2001-167647号公報に記載された銀コロイド水溶液、及び国際公開第2013/061527号に記載された接合用組成物が挙げられる。
銀粒子分散液の製造方法としては、例えば、化学還元法が挙げられる。化学還元法においては、例えば、銀化合物を溶剤中で還元する方法が挙げられる。銀化合物としては、例えば、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、酸化銀、酢酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀、及び硫化銀が挙げられる。また、銀粒子分散液の調製方法は、例えば、特開2001-325831号公報、特開2001-167647号公報、及び国際公開第2013/061527号に記載されており、これらの記載は参照により本明細書に組み込まれる。また、銀粒子分散液の市販品は、例えば、バンドー化学株式会社製のFlowMetal(登録商標)SW-1020として入手可能である。
溶剤としては、例えば、水、及び有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、2-プロピルアルコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1-エトキシ-2-プロパノール、2-ブトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、グリセリン、アセトン、及び乳酸エチルが挙げられる。
導電層用組成物は、1種の溶剤を含有していてもよく、又は2種以上の溶剤を含有していてもよい。
導電層用組成物中の固形分濃度は、制限されず、例えば、0.5質量%~40質量%の範囲で適宜設定できる。
導電層用組成物は、分散剤を含有していてもよい。分散剤としては、例えば、アミン、カルボン酸、及びイオン性化合物が挙げられる。
アミンとしては、例えば、オレイルアミン、ヘキシルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、トリプロピルアミン、ジメチルプロパンジアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、及びキノリンが挙げられる。
カルボン酸としては、例えば、ギ酸、シュウ酸、酢酸、ヘキサン酸、アクリル酸、オクチル酸、及びオレイン酸が挙げられる。
イオン性化合物としては、例えば、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三リチウム、りんご酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、及びグリコール酸ナトリウムが挙げられる。
特に好ましい分散剤としては、グリセリンエステル類、又は多価アルコール化合物が挙げられる。
導電層用組成物は、1種の分散剤を含有していてもよく、又は2種以上の分散剤を含有していてもよい。
分散剤の含有量は、導電層用組成物の全質量に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましい。
導電層用組成物は、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、例えば、上記「感光層」の項において説明した界面活性剤を適用できる。
導電層用組成物は、1種の界面活性剤を含有していてもよく、又は2種以上の界面活性剤を含有していてもよい。
界面活性剤の含有量は、導電層用組成物の全質量に対して、0.0001質量%~1.0質量%であることが好ましい。
塗布方法としては、例えば、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、及びインクジェット塗布が挙げられる。
乾燥温度は、溶剤等の揮発性成分の種類に応じて適宜設定することができる。乾燥温度は、例えば、60℃~120℃の範囲で適宜設定することができる。
乾燥時間は、制限されず、乾燥温度に応じて適宜設定すればよい。
[接着層]
本開示に係る導電性転写材料は、上記導電層の上記感光層とは反対側に、接着層を有することが好ましい。本開示に係る導電性転写材料が接着層を有することで、被転写体(例えば、基板)との密着性を向上できる。
接着層を有する導電性転写材料の一実施形態について図面を参照して説明する。図2は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。図2に示す導電性転写材料110は、仮支持体10と、感光層20と、導電層30と、接着層40と、をこの順で有する。
接着層は、密着性の観点から、有機材料(例えば、有機樹脂)を含有する接着層であることが好ましい。接着層は、パターン形成における残渣除去の観点から、アルカリ可溶性バインダーを含有することが好ましい。
アルカリ可溶性バインダーとしては、パターン形成における残渣除去の観点から、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、酸価20mgKOH/g以上の樹脂であることがより好ましく、酸価20mgKOH/g以上の、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル樹脂中における(メタ)アクリル酸に由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の合計割合は、(メタ)アクリル樹脂の全構成単位に対して、30モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましい。
カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂は、カルボキシ基を有する構成単位を有する。上記(メタ)アクリル樹脂に含まれるカルボキシ基を有する構成単位は、1種であってもよく、又は2種以上であってもよい。
カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂におけるカルボキシ基を有する構成単位の含有比率は、現像性の観点から、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂の全構成単位に対して、3モル%~50モル%であることが好ましく、3モル%~40モル%であることがより好ましく、3モル%~35モル%であることが特に好ましい。
アルカリ可溶性バインダーは、芳香環を有する構成単位を含んでいてもよい。芳香環を有する構成単位を形成するモノマーとしては、例えば、スチレン化合物、及びベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。スチレン化合物としては、例えば、スチレン、tert-ブトキシスチレン、メチルスチレン、及びα-メチルスチレンが挙げられる。芳香環を有する構成単位は、スチレン化合物由来の構成単位であることが好ましい。
アルカリ可溶性バインダーは、エチレン性不飽和基を有する構成単位を含んでいてもよい。アルカリ可溶性バインダーは、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位を有することが好ましい。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリル基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
アルカリ可溶性バインダーの酸価は、パターン形成における残渣除去の観点から、20mgKOH/g以上であることが好ましく、45mgKOH/g~200mgKOH/gであることがより好ましく、50mgKOH/g以上~150mgKOH/gであることが特に好ましい。同様の理由により、アルカリ可溶性バインダーの酸価は、60mgKOH/g以上であってもよく、又は80mgKOH/g以上であってもよい。
アルカリ可溶性バインダーの重量平均分子量は、3,000を超えることが好ましく、3,000を超え60,000以下であることがより好ましく、5,000~50,000であることが特に好ましい。アルカリ可溶性バインダーの重量平均分子量は、上記重合体Aの重量平均分子量の測定方法に準ずる方法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
アルカリ可溶性バインダーとしては、上記「ネガ型の感光層」の項において説明したアルカリ可溶性バインダーを適用することもできる。
接着層は、上記成分に加えて、上記「感光層」の項において説明した他の成分(すなわち、他の成分A、及び他の成分B)を含有していてもよい。
接着層は、1種のアルカリ可溶性バインダーを含有していてもよく、又は2種以上のアルカリ可溶性バインダーを含有していてもよい。
接着層におけるアルカリ可溶性バインダーの含有量は、密着性及び現像性の観点から、接着層の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。接着層におけるアルカリ可溶性バインダーの含有量の上限は、制限されない。接着層におけるアルカリ可溶性バインダーの含有量は、接着層の全質量に対して、例えば、100質量%以下の範囲で適宜設定することができる。
また、接着層におけるアルカリ可溶性バインダーは、熱硬化性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂は、制限されず、公知の熱硬化性樹脂を適用できる。
接着層は、アルカリ可溶性の接着層であってもよく、熱硬化性の接着層であってもよく、又は感光性の接着層であってもよい。アルカリ可溶性の接着層は、接着層の成分として、少なくともアルカリ可溶性バインダーによって構成される。熱硬化性の接着層は、接着層の成分として、少なくとも熱硬化性樹脂によって構成される。感光性の接着層としては、例えば、ネガ型感光性の接着層、及びポジ型感光性の接着層が挙げられる。熱硬化性の接着層、又は感光性の接着層は、アルカリ可溶性をさらに有していてもよい。
接着層と感光層との組み合わせとしては、下記(a)~(f)にそれぞれ記載された組み合わせが好ましく、下記(a)~(e)にそれぞれ記載された組み合わせがより好ましい。
(a)接着層がアルカリ可溶性の接着層であり、感光層がポジ型の感光層である。
(b)接着層がアルカリ可溶性の接着層であり、感光層がネガ型の感光層である。
(c)接着層が熱硬化性の接着層であり、感光層がポジ型の感光層である。
(d)接着層が熱硬化性の接着層であり、感光層がネガ型の感光層である。
(e)接着層がネガ型感光性の接着層であり、感光層がネガ型の感光層である。
(f)接着層がポジ型感光性の接着層であり、感光層がポジ型の感光層である。
波長400nm~700nmにおける接着層の最低透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率は、上記仮支持体の透過率の測定方法に準ずる方法により測定する。
接着層の平均厚さは、500nm未満であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましく、80nm以下であることが特に好ましい。接着層の平均厚さが上記範囲内であることで、本開示に係る導電性転写材料を基板に転写した場合に、接着層を介して導電層と基板とを導通できる。
接着層の平均厚さは、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることが特に好ましい。接着層の平均厚さが上記範囲内であることで、被転写体との密着性を向上できる。
接着層の平均厚さは、上記仮支持体の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定する。
(接着層の形成方法)
接着層の形成方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。接着層の形成方法としては、例えば、上記各成分を含む接着層用組成物を、被塗布物上に塗布し、次いで乾燥させる方法が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、及びインクジェット塗布が挙げられる。
乾燥温度は、溶剤等の揮発性成分の種類に応じて適宜設定することができる。乾燥温度は、例えば、60℃~120℃の範囲で設定することができる。
乾燥時間は、制限されず、乾燥温度に応じて適宜設定すればよい。
接着層用組成物は、上記各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。
溶剤としては、制限されず、例えば、上記「感光層」の項において説明した溶剤が挙げられる。
接着層用組成物中の固形分濃度は、制限されず、例えば、0.5質量%~10質量%の範囲で適宜設定できる。
[腐食防止剤]
本開示に係る導電性転写材料において、上記感光層、及び上記導電層の少なくとも一方は、腐食防止剤を含有することが好ましい。また、上記接着層は、腐食防止剤を含有することが好ましい。上記各層が、腐食防止剤を含むことで、銀粒子等の腐食を抑制できるため、耐久性を向上できる。
腐食防止剤は、制限されず、公知の腐食防止剤を適用できる。腐食防止剤としては、例えば、窒素原子及び硫黄原子の少なくとも1つを含有する化合物が挙げられる。腐食防止剤は、耐久性の観点から、窒素原子及び硫黄原子の少なくとも1つを含有する複素環式化合物であることが好ましく、1つ以上の窒素原子を含有する5員環構造を含む化合物であることがより好ましく、トリアゾール構造を含む化合物、ベンゾイミダゾール構造を含む化合物、及びチアジアゾール構造を含む化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが特に好ましい。1つ以上の窒素原子を含有する5員環構造は、単環の構造であってもよく、又は縮合環を構成する部分構造であってもよい。
腐食防止剤の具体例としては、ベンゾイミダゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ブチルベンジルトリアゾール、アルキルジチオチアジアゾール、アルキルチオール、2-アミノピリミジン、5,6-ジメチルベンゾイミダゾール、2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2-メルカプトピリミジン、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、及び2-メルカプトベンゾイミダゾールが挙げられる。上記の中でも、腐食防止剤は、ベンゾイミダゾール、1,2,4-トリアゾール、及び2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾールからなる群より選択される少なくとも1種の腐食防止剤であることが好ましい。
感光層、導電層、及び接着層は、それぞれ、1種の腐食防止剤を含有していてもよく、又は2種以上の腐食防止剤を含有していてもよい。
腐食防止剤の含有量は、腐食防止剤を含有する層の全質量に対して、0.01質量%~8質量%であることが好ましい。
[光安定化剤]
本開示に係る導電性転写材料において、上記感光層、及び上記導電層の少なくとも一方は、光安定化剤を含有することが好ましい。また、上記接着層は、光安定化剤を含有することが好ましい。上記各層が、光安定化剤を含有することで、耐光性を向上できる。
光安定化剤は、制限されず、公知の光安定化剤を適用できる。光安定化剤としては、例えば、米国特許出願公開第2015/0270024号明細書の段落0032~段落0043に記載の化合物を使用できる。
光安定化剤の具体例としては、遷移金属化合物が挙げられる。遷移金属化合物に含まれる遷移金属としては、例えば、Fe、Co、Mn、及びVが挙げられる。遷移金属化合物に含まれる配位子としては、例えば、アセチルアセトナト(以下、「acac」ともいう。)、シクロペンタジエニル、ビピリジン、フェナントロリン、SO 2-、及びNO が挙げられる。遷移金属化合物の具体例としては、フェロセン、Fe(acac)、Co(acac)、Mn(acac)、VO(acac)、アスコルビン酸鉄、硫酸鉄、及びトリス(2,2’-ビピリジン)硫酸鉄が挙げられる。
感光層、導電層、及び接着層は、それぞれ、1種の光安定化剤を含有していてもよく、又は2種以上の光安定化剤を含有していてもよい。
光安定化剤の含有量は、光安定化剤を含有する層の全質量に対して、0.01質量%~10質量%であることが好ましい。
[不純物]
本開示に係る導電性転写材料において、上記感光層、及び上記導電層における不純物の含有量は少ないことが好ましい。また、本開示に係る導電性転写材料が上記接着層を有する場合、上記接着層における不純物の含有量も少ないことが好ましい。
不純物の具体例としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、銅、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、及びこれらのイオン、並びに、遊離ハロゲン、及びハロゲン化物イオン(例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、及びヨウ化物イオン)が挙げられる。
各層における不純物の含有量は、質量基準で、1000ppm以下であることが好ましく、200ppm以下であることがより好ましく、40ppm以下であることがさらに好ましい。下限は特に定めるものではないが、現実的に減らせる限界及び測定限界の観点から、各層における不純物の含有量は、質量基準で、10ppb以上とすることができ、又は100ppb以上とすることができる。
不純物を上記範囲に減らす方法としては、各層の原料に不純物を含まないものを選択すること、層の形成時に不純物の混入を防ぐこと、及び洗浄すること等が挙げられる。このような方法により、不純物量を上記範囲内とすることができる。
不純物は、例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法、原子吸光分光法等の公知の方法で定量することができる。
また、各層における、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン、1,3-ブタジエン、四塩化炭素、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサン等の化合物の含有量が少ないことが好ましい。これら化合物の各層中における含有量としては、質量基準で、1000ppm以下が好ましく、200ppm以下がより好ましく、40ppm以下がさらに好ましい。下限は特に定めるものではないが、現実的に減らせる限界及び測定限界の観点から、上記した化合物の各層中における含有量は、質量基準で、10ppb以上とすることができ、又は100ppb以上とすることができる。
化合物の不純物は、上記の金属の不純物と同様の方法で含有量を抑制することができる。また、公知の測定法により定量することができる。
[クッション層]
本開示に係る導電性転写材料は、上記仮支持体と上記感光層の間に、クッション層を有することが好ましい。本開示に係る導電性転写材料がクッション層を有することで、導電性転写材料の転写性を向上できる。
クッション層は、現像処理によって除去され得るものであってもよく、又は仮支持体の剥離とともに感光層から剥離され得るものであってもよい。
クッション層を有する導電性転写材料の一実施形態について図面を参照して説明する。図3は、本開示に係る導電性転写材料の層構成の一例を概略的に示している。図3に示す導電性転写材料120は、仮支持体10と、クッション層50と、感光層20と、導電層30と、接着層40と、をこの順で有する。
クッション層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。バインダーポリマーとしては、制限されず、転写性を考慮して公知のバインダーポリマーから適宜選択できる。バインダーポリマーとしては、例えば、熱可塑性樹脂、及びアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、制限されず、公知の熱可塑性樹脂を適用できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリプロピレン等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、制限されず、公知の熱可塑性樹脂を適用できる。アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、上記「感光層」及び「接着層」の項において説明したアルカリ可溶性バインダーが挙げられる。
上記の中でも、バインダーポリマーは、現像性の観点から、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、酸価60mgKOH/g以上の樹脂であることがより好ましく、酸価60mgKOH/g以上の、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂であることが特に好ましい。クッション層におけるアルカリ可溶性樹脂の好ましい実施形態は、上記「感光層」において説明したアルカリ可溶性バインダーと同様である。
クッション層は、他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、可塑剤、及び界面活性剤が挙げられる。
可塑剤は、制限されず、公知の可塑剤を適用できる。クッション層が可塑剤を含有することによって、本開示に係る導電性転写材料の転写性が向上する。可塑剤としては、市販品であってもよく、例えば、BPE-500(新中村化学工業株式会社製)、及びUC-3510(東亞合成株式会社製)が挙げられる。
クッション層は、1種の可塑剤を含有していてもよく、又は2種以上の可塑剤を含有していてもよい。
可塑剤の含有量は、クッション層の全質量に対して、10質量%~30質量%であることが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、上記「感光層」の項において説明した界面活性剤を適用できる。
クッション層は、1種の界面活性剤を含有していてもよく、又は2種以上の界面活性剤を含有していてもよい。
界面活性剤の含有量は、クッション層の全質量に対して、0.1質量%~5質量%であることが好ましい。
クッション層の平均厚さは、転写性の観点から、1μm~20μmであることが好ましく、1μm~10μmであることが好ましく、3μm~10μmであることがより好ましい。クッション層の平均厚さは、上記仮支持体の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定する。
(クッション層の形成方法)
クッション層の形成方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。クッション層の形成方法としては、例えば、上記各成分を含むクッション層用組成物を、被塗布物上に塗布し、次いで乾燥させる方法が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、及びインクジェット塗布が挙げられる。
乾燥温度は、溶剤等の揮発性成分の種類に応じて適宜設定することができる。乾燥温度は、例えば、60℃~120℃の範囲で設定することができる。
乾燥時間は、制限されず、乾燥温度に応じて適宜設定すればよい。
クッション層用組成物は、上記各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。
溶剤としては、制限されず、例えば、上記「感光層」の項において説明した溶剤が挙げられる。
クッション層用組成物中の固形分濃度は、制限されず、例えば、1質量%~40質量%の範囲で適宜設定できる。
[中間層]
本開示に係る導電性転写材料は、上記仮支持体と上記感光層との間に、上記クッション層以外の中間層を有していてもよい。本開示に係る転写フィルムがクッション層を有する場合、中間層は、感光層とクッション層との間に配置されることが好ましい。
中間層としては、特開2005-259138号公報の段落0084~0087に記載の中間層を用いることができる。中間層としては、水又はアルカリ水溶液に、分散又は溶解するものが好ましい。
中間層に用いられる材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、ポリビニルエーテル、ポリアミド、及びこれらの共重合体が挙げられる。上記の中でも、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドンが好ましい。
中間層の平均厚さは、0.5μm~10μmであることが好ましく、0.5μm~4μmであることがより好ましい。中間層の平均厚さは、上記仮支持体の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定する。
(中間層の形成方法)
中間層の形成方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。中間層の形成方法としては、例えば、上記各成分を含む中間層用組成物を、被塗布物上に塗布し、次いで乾燥させる方法が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、及びインクジェット塗布が挙げられる。
乾燥温度は、溶剤等の揮発性成分の種類に応じて適宜設定することができる。乾燥温度は、例えば、60℃~120℃の範囲で設定することができる。
乾燥時間は、制限されず、乾燥温度に応じて適宜設定すればよい。
中間層用組成物は、上記各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。
溶剤としては、制限されず、例えば、上記「感光層」の項において説明した溶剤が挙げられる。
中間層用組成物中の固形分濃度は、制限されず、例えば、0.5質量%~30質量%の範囲で適宜設定できる。
[保護フィルム]
本開示に係る導電性転写材料は、感光層を基準にして仮支持体が配置された側とは反対側の最外層の位置に、保護フィルムを有していてもよい。保護フィルムとしては、制限されず、公知の保護フィルムを適用できる。保護フィルムとしては、例えば、上記「仮支持体」の項において記載した樹脂フィルムを適用することができ、好ましい厚さ、及び物性も同様である。
<導電パターンの製造方法>
本開示に係る導電パターンの製造方法としては、本開示に係る導電性転写材料を使用する方法であれば制限されない。本開示に係る導電パターンの製造方法は、基材上に、上記導電性転写材料を貼り合わせる工程(以下、「貼り合わせ工程」ともいう。)と、上記導電性転写材料における上記感光層をパターン露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)と、上記感光層を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう。)と、をこの順で含むことが好ましい。本開示に係る導電パターンの製造方法によれば、上記工程を含むことで、表面抵抗及び接触抵抗が小さく、かつ、解像性に優れる導電パターンが形成される。
[貼り合わせ工程]
貼り合わせ工程においては、基材上に、上記導電性転写材料を貼り合わせる(以下、「ラミネート」ともいう。)。
基材としては、例えば、ガラス、シリコン、及びフィルムが挙げられる。基材は、ガラス、又はフィルムであることが好ましい。
ガラスとしては、例えば、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスが挙げられる。
フィルムとしては、光学的に歪みが小さいフィルム、又は透明度が高いフィルムが好ましく、樹脂フィルムがより好ましい。
樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、及びシクロオレフィンポリマーが挙げられる。
基材は、透明であることが好ましい。透明の基材としては、特開2010-86684号公報、特開2010-152809号公報、及び特開2010-257492号公報に用いられている材料を好ましく用いることができる。また、基材の屈折率は、1.50~1.52であることが好ましい。
基材上には、必要に応じて、導電性材料を含む層等の任意の層が配置されていてもよい。
導電性材料を含む層としては、例えば、金属層、及び導電性金属酸化物層が挙げられる。ここで、導電性金属酸化物層に関して使用される用語「導電性」とは、体積抵抗率が1×10Ωcm未満であることを意味する。体積抵抗率は、1×10Ωcm未満であることが好ましい。
金属層を構成する金属としては、例えば、Al(アルミニウム)、Zn(亜鉛)、Cu(銅)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、及びMo(モリブデン)が挙げられる。金属層を構成する金属は、1種の金属元素からなる単体の金属であってもよく、2種以上の金属元素を含む金属であってもよく、又は少なくとも1種の金属元素を含む合金であってもよい。
導電性金属酸化物層を構成する導電性金属酸化物としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、及びSiOが挙げられる。
導電性材料を含む層は、導電性、及び細線形成性の観点から、金属層及び導電性金属酸化物層からなる群より選択される少なくとも1種の層であることが好ましく、金属層であることがより好ましく、銅層であることが特に好ましい。
導電性材料を含む層としては、静電容量型タッチパネルに用いられる視認部のセンサーに相当する電極パターン又は周辺取り出し部の配線であることが好ましい。
貼り合わせ工程において、導電性転写材料と基材とを貼り合わせる際、導電性転写材料において仮支持体とは反対側(すなわち、仮支持体から離間する方向)に配置された最外層と基材とを接触させることが好ましい。例えば、導電性転写材料と基材とを貼り合わせる際、導電性転写材料における導電層又は接着層と基材とを接触させることが好ましい。また、導電性転写材料が保護フィルムを有する場合には、保護フィルムを除去した後、基材上に導電性転写材料を貼り合わせることが好ましい。
導電性転写材料と基材とを貼り合わせる方法においては、公知のラミネーターを使用できる。ラミネーターとしては、例えば、真空ラミネーター、及びオートカットラミネーターが挙げられる。
ラミネート温度は、80℃~150℃であることが好ましく、90℃~150℃であることがより好ましく、100℃~150℃であることが特に好ましい。ゴムローラーを備えたラミネーターを用いる場合、ラミネート温度とは、ゴムローラー温度を指す。
ラミネート時の基材温度としては、例えば、10℃~150℃が挙げられ、20℃~150℃が好ましく、30℃~150℃がより好ましい。基材として樹脂フィルムを用いる場合には、ラミネート時の基材温度は、10℃~80℃であることが好ましく、20℃~60℃であることがより好ましく、30℃~50℃であることが特に好ましい。
ラミネート時の線圧は、0.5N/cm~20N/cmであることが好ましく、1N/cm~10N/cmであることがより好ましく、1N/cm~5N/cmであることが特に好ましい。
ラミネート時の搬送速度は、0.5m/分~5m/分であることが好ましく、1.5m/分~3m/分であることがより好ましい。
[露光工程]
露光工程においては、上記導電性転写材料における上記感光層をパターン露光する。感光層をパターン露光することで、感光層に露光部及び非露光部を形成できる。
露光工程においては、導電性転写材料における感光層がポジ型である場合、露光された感光層(すなわち、露光部)は、極性変化によって現像液への溶解性が増大する。一方、導電性転写材料における感光層がネガ型である場合、露光された感光層(すなわち、露光部)は、硬化する。
パターン露光の方法は、マスク(「フォトマスク」ともいう。)を介した露光であってもよく、又はレーザー等を用いたデジタル露光であってもよい。
露光の光源は、制限されず、感光層の成分に応じて適宜選択できる。例えば、感光層がポジ型である場合、光源としては、露光部が現像液に溶解し得る波長域の光(例えば、365nm、又は405nm)を照射できる光源が挙げられる。また、例えば、感光層がネガ型である場合、光源としては、露光部が硬化し得る波長域の光(例えば、365nm、又は405nm)を照射できる光源が挙げられる。光源の具体例としては、各種レーザー、発光ダイオード(LED)、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、及びメタルハライドランプが挙げられる。
露光量は、5mJ/cm~200mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm~200mJ/cmであることがより好ましい。
露光工程においては、基材上に転写された導電性転写材料から仮支持体を剥離した後に感光層をパターン露光してもよく、又は仮支持体を残したまま、感光層をパターン露光してもよい。
[現像工程]
現像工程においては、上記感光層を現像する。
現像工程においては、感光層がポジ型である場合、導電性転写材料の露光部を現像液によって除去することで、パターンを形成できる。また、感光層がネガ型である場合、導電性転写材料の非露光部を現像液によって除去することで、パターンを形成できる。
現像液は、制限されず、公知の現像液を適用できる。現像液としては、例えば、特開平5-72724号公報に記載された現像液が挙げられる。
現像液は、アルカリ性水溶液であることが好ましい。アルカリ性水溶液に含有され得るアルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、及びコリン(2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)が挙げられる。
アルカリ性水溶液の25℃におけるpHは、8~13であることが好ましく、9~12であることがより好ましく、10~12であることが特に好ましい。
アルカリ性水溶液中におけるアルカリ性化合物の含有量は、アルカリ性水溶液の全質量に対して、0.1質量%~5質量%であることが好ましく、0.1質量%~3質量%であることがより好ましい。
現像液の液温度は、20℃~40℃であることが好ましい。
現像の方式としては、例えば、パドル現像、シャワー現像、シャワー及びスピン現像、並びにディップ現像が挙げられる。
<積層体>
本開示に係る積層体は、基材と、銀粒子、及びバインダーを含有する導電層と、平均厚さが500nm未満である、非硬化性であるポジ型感光性組成物に由来する樹脂層、又は感光性組成物の硬化物層と、をこの順で有する。本開示に係る積層体は、上記構成を有することで、導電層の表面抵抗及び接触抵抗を小さくする。以下、非硬化性であるポジ型感光性組成物に由来する樹脂層を単に「樹脂層」、感光性組成物の硬化物層を単に「硬化物層」ということがある。
本開示に係る積層体は、耐薬品性、及び耐久性の観点から、樹脂層及び硬化物層のうち、硬化物層を有することが好ましい。すなわち、本開示に係る積層体は、基材と、銀粒子、及びバインダーを含有する導電層と、平均厚さが500nm未満である、感光性組成物の硬化物層と、をこの順で有することが好ましい。
本開示に係る積層体の一実施形態について図面を参照して説明する。図4は、本開示に係る積層体の層構成の一例を示す概略図である。図4に示される積層体200は、基材60と、導電層30と、硬化物層21と、をこの順で有する。
本開示に係る積層体において、少なくとも、導電層と、樹脂層又は硬化物層とは、パターン状の形状を有することが好ましい。本開示に係る積層体が後述する接着層を有する場合、接着層もパターン状の形状を有することが好ましい。
[基材]
本開示に係る積層体は、基材を有する。基材は、上記「導電パターンの製造方法」の項において説明した基材と同義であり、好ましい実施形態も同様である。
[導電層]
本開示に係る積層体は、銀粒子、及びバインダーを含有する導電層を有する。導電層は、上記「導電性転写材料」の項において説明した導電層と同義であり、好ましい実施形態も同様である。以下、本開示に係る積層体における導電層の好ましい実施形態について、具体的に説明する。なお、本開示に係る積層体における導電層の好ましい実施形態は、下記の事項に制限されるものではなく、上記「導電性転写材料」の項において説明した導電層の好ましい実施形態を適宜適用できる。
銀粒子の平均粒子径は、5nm~100nmであることが好ましく、5nm~50nmであることがより好ましく、5nm~30nmであることが特に好ましい。銀粒子の平均粒子径は、既述の方法により測定する。
銀粒子の含有量は、上記導電層の全質量に対して、60質量%~99質量%であることが好ましく、70質量%~99質量%であることがより好ましく、80質量%~99質量%であることがさらに好ましく、85質量%~99質量%であることが特に好ましい。
バインダーは、水溶性バインダーであることが好ましく、セルロースであることがより好ましく、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種のセルロースであることがさらに好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであることが特に好ましい。
導電層は、五員環構造又は六員環構造を有する、セルロース以外の糖類を含有することが好ましく、五員環構造又は六員環構造を有する、セルロース以外の単糖であることがより好ましく、フルクトース、D-リボース、及びデオキシリボースからなる群より選択される少なくとも1種の糖であることがさらに好ましく、フルクトースであることが特に好ましい。
[樹脂層]
本開示に係る積層体における樹脂層は、非硬化性であるポジ型感光性組成物によって形成される層である。つまり、本開示に係る積層体の製造に用いられる感光性組成物が、ポジ型であり、かつ、硬化性の成分を含有しない場合、得られる積層体は樹脂層を有する。例えば、後述するように本開示に係る導電性転写材料を用いて積層体を製造する場合、樹脂層は、ポジ型の感光層の貼り合わせ、及び熱処理等を経て形成される。樹脂層は、上記「ポジ型の感光層」の項において説明した成分を含有していてもよい。非硬化性であるポジ型感光性組成物が光酸発生剤を含有する場合、樹脂層における光酸発生剤は、失活していてもよく、又は失活していなくてもよい。
[硬化物層]
本開示に係る積層体における硬化物層は、感光性組成物が硬化してなる層である。具体的に、感光性組成物がネガ型である場合、又は感光性組成物がポジ型であり、かつ、硬化性の成分を含有する場合、得られる積層体は硬化物層を有する。
硬化物層を形成可能な感光性組成物としては、硬化性の成分を含有する組成物であれば制限されない。感光性組成物は、重合性化合物、及び光重合開始剤を含有することが好ましい。重合性化合物としては、上記「ネガ型の感光層」の項において説明した重合性化合物を適用でき、好ましい実施形態も同様である。光重合開始剤としては、上記「ネガ型の感光層」の項において説明した光重合開始剤を適用でき、好ましい実施形態も同様である。上記感光性組成物は、ネガ型であってもよく、又はポジ型であってもよい。ポジ型の感光性組成物は、熱硬化性の成分を含有することにより硬化物を形成できる。
硬化物層は、アルカリ可溶性バインダーを含有していてもよい。アルカリ可溶性バインダーとしては、上記「ネガ型の感光層」の項において説明したアルカリ可溶性バインダーを適用でき、好ましい実施形態も同様である。
また、硬化物層は、上記「ネガ型の感光層」の項において説明した他の成分B又は他の成分Bの硬化物を含有していてもよい。
樹脂層又は硬化物層の平均厚さは、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましく、150nm以下であることが特に好ましく、60nm以下であることが最も好ましい。硬化物層の平均厚さが上記範囲内であることで、接触抵抗をさらに小さくできる。
樹脂層又は硬化物層の平均厚さの下限は、制限されない。樹脂層又は硬化物層の平均厚さは、例えば、1nm以上、好ましくは10nm以上の範囲で適宜設定すればよい。
樹脂層又は硬化物層の平均厚さは、上記仮支持体の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定する。
[接着層]
本開示に係る積層体は、上記基材と上記導電層との間に、平均厚さが500nm未満である接着層を有することが好ましい。本開示に係る積層体が、平均厚さが500nm未満である接着層を有することで、基材と導電層との密着性を向上でき、また、接着層を介して導電層と基板とを導通することもできる。
接着層を有する積層体の一実施形態について図面を参照して説明する。図5は、本開示に係る積層体の層構成の一例を概略的に示している。図5に示す積層体210は、基材60と、接着層40と、導電層30と、硬化物層21と、をこの順で有する。
接着層は、上記「導電性転写材料」の項において説明した接着層であってもよく、又は上記接着層が硬化してなる層であってもよい。接着層の好ましい実施形態は、上記「導電性転写材料」の項において説明した接着層の好ましい実施形態と同様である。接着層が硬化してなる層は、例えば、層中の硬化性(例えば、光硬化性、及び熱硬化性)の成分が露光又は加熱によって硬化されることによって形成される。
接着層の平均厚さは、250nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、80nm以下であることが特に好ましい。接着層の平均厚さが上記範囲内であることで、接着層を介して導電層と基材とを導通できる。
接着層の平均厚さは、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることが特に好ましい。接着層の平均厚さが上記範囲内であることで、基材との密着性を向上できる。
接着層の平均厚さは、上記仮支持体の平均厚さの測定方法に準ずる方法により測定する。
[腐食防止剤]
本開示に係る積層体において、上記導電層、及び上記樹脂層又は上記硬化物層の少なくとも1つは、腐食防止剤を含有することが好ましい。本開示に係る積層体が上記接着層を有する場合、上記導電層、上記樹脂層又は上記硬化物層、及び上記接着層の少なくとも1つは、腐食防止剤を含有することが好ましい。上記各層が、腐食防止剤を含むことで、銀粒子等の腐食を抑制できるため、耐久性を向上できる。腐食防止剤は、上記「導電性転写材料」の項において説明した腐食防止剤と同義であり、好ましい実施形態も同様である。
[光安定化剤]
本開示に係る積層体において、上記導電層、及び上記樹脂層又は上記硬化物層の少なくとも1つは、光安定化剤を含有することが好ましい。本開示に係る積層体が上記接着層を有する場合、上記導電層、上記樹脂層又は上記硬化物層、及び上記接着層の少なくとも1つは、光安定化剤を含有することが好ましい。上記各層が、光安定化剤を含有することで、耐光性を向上できる。光安定化剤は、上記「導電性転写材料」の項において説明した光安定化剤と同義であり、好ましい実施形態も同様である。
[不純物]
本開示に係る積層体において、上記導電層、及び上記樹脂層又は上記硬化物層における不純物の含有量は少ないことが好ましい。また、本開示に係る積層体が上記接着層を有する場合、上記接着層における不純物の含有量も少ないことが好ましい。不純物は、上記「導電性転写材料」の項において説明した不純物と同義であり、上記各層における不純物の含有量の好ましい範囲も同様である。
[積層体の製造方法]
本開示に係る積層体の製造方法としては、本開示に係る導電性転写材料を用いる方法が好ましい。本開示に係る導電性転写材料を用いる方法としては、例えば、上記「導電パターンの製造方法」の項において説明した方法が挙げられる。例えば、本開示に係る導電性転写材料を用いて、上記「導電パターンの製造方法」の項において説明した、貼り合わせ工程、及び露光工程を少なくとも行うことによって、本開示に係る積層体を製造できる。
また、上記「導電性転写材料」の項において説明した各層の形成方法によって、基材上に導電層と、感光性組成物を含有する層と、を形成した後、感光性組成物を含有する層を硬化することにより硬化物層を形成してもよい。
<タッチパネル>
本開示に係るタッチパネルは、本開示に係る積層体を有する。本開示に係るタッチパネルは、上記積層体を有することで、導電層の表面抵抗及び接触抵抗を小さくする。
本開示に係るタッチパネルにおける積層体は、上記「積層体」の項において説明した積層体と同義であり、好ましい実施形態も同様である。
本開示に係るタッチパネルにおける検出方法としては、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式、及び光学方式が挙げられる。上記の中でも、検出方法としては、静電容量方式が好ましい。
タッチパネル型としては、例えば、いわゆるインセル型(例えば、特表2012-517051号公報の図5、図6、図7、図8に記載のもの)、いわゆるオンセル型(例えば、特開2013-168125号公報の図19に記載のもの、特開2012-89102号公報の図1及び図5に記載のもの)、OGS(One Glass Solution)型、TOL(Touch-on-Lens)型(例えば、特開2013-54727号公報の図2に記載のもの)、その他の構成(例えば、特開2013-164871号公報の図6に記載のもの)、及び各種アウトセル型(いわゆる、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1、G1Fなど)が挙げられる。
本開示に係るタッチパネルとしては、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日、株式会社テクノタイムズ社発行)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T-11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
タッチパネルの製造方法は、制限されず、公知の方法を適用できる。タッチパネルの製造方法においては、例えば、上記積層体の製造方法を適用できる。
<液晶表示装置>
本開示に係る液晶表示装置は、本開示に係る積層体を有する。本開示に係る液晶表示装置は、上記積層体を有することで、導電層の表面抵抗及び接触抵抗を小さくできる。
本開示に係る液晶表示装置における積層体は、上記「積層体」の項において説明した積層体と同義であり、好ましい実施形態も同様である。積層体は、液晶表示装置の視認部に配置されていてもよく、又は視認部以外の領域に配置されていてもよい。
本開示に係る液晶表示装置の構造は、上記積層体を有していれば制限されない。液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、株式会社工業調査会、1994年発行)」に記載されている。
以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらに制限されるものではない。すなわち、以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。
以下の実施例において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算で求めた重量平均分子量である。また、酸価は、JIS K0070:1992に記載の方法にしたがって測定した。
<銀粒子の平均粒子径>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM-2000FX)を用い、300個の銀粒子を観察して、各銀粒子の直径を求めた。測定値を算術平均することで、銀粒子の平均粒子径を求めた。
<実施例1>
(導電性転写材料の作製)
スリット状ノズルを用いて、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フィルム、ルミラー16KS40(東レ株式会社製))の上に、以下の接着層、導電層、及び感光層をこの順に設置した。
-接着層の形成-
アクリル酸/アクリル酸-メタクリル酸グリシジル付加体/アクリル酸2-エチルヘキシル(モル比:22/38/40、質量比:9.3/47.6/43.1、重量平均分子量:9,700、Mw/Mn:1.92、Tg(ガラス転移温度):-31℃、I/O:0.8、酸価:84.8mgKOH/g)の1-メトキシ-2-プロパノール溶液(固形分1.5質量%)を、スリット状ノズルを用いて上記ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した。次いで、80℃で2分間乾燥した。接着層の平均厚さは0.06μmであった。上記「I/O」は、有機概念図に基づく無機性値Iを有機性値Oで除した値を指す。
-導電層用組成物Ag-1の調製-
以下の各成分を混合することによって導電層用組成物Ag-1を調製した。
・Agインク(銀粒子分散液、バンドー化学株式会社製、商品名SW-1020):3.0質量部
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース(バインダー、信越化学工業株式会社製、商品名METOLOSE(登録商標)65SH-5の5質量%水溶液):2.0質量部
・フルクトース(糖類、富士フイルム和光純薬株式会社製、5質量%の水溶液):1.0質量部
・メガファックF444(界面活性剤、DIC株式会社製):0.001質量部
-導電層の形成-
得られた導電層用組成物Ag-1を、上記接着層上に塗布し、80℃3分乾燥させて、平均厚さ0.8μmの導電層を形成した。
-感光層の形成-
以下の各成分を混合することによって感光層用組成物を調製した。
・下記構造のポリマー(重量平均分子量38、000):5.0質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製):5.0質量部
・IRGACURE OXE02(BASFジャパン株式会社):0.5質量部
・メガファックF-551A(DIC株式会社製):0.01質量部
・メチルエチルケトン:60質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:30質量部
上記導電性層の上に、上記感光層用組成物を塗布し、次いで80℃で2分間乾燥させることによって、平均厚さ0.06μmの感光層を形成した。
次に、上記感光層の上に厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(仮支持体、ルミラー16KS40(東レ株式会社製))を圧着することにより、実施例1の導電性転写材料を作製した。
<実施例2~5及び13~19>
導電層用組成物Ag-1の組成を表1の記載に従って変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、導電層用組成物Ag-2~Ag-12をそれぞれ調製した。導電層用組成物Ag-1に代えて、表2の記載に従って選択した導電層用組成物Ag-2~Ag-12を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により導電性転写材料を作製した。
<実施例6~10、及び比較例1>
感光層の平均厚さを表2の記載に従って変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により導電性転写材料を作製した。
<実施例11>
接着層の平均厚さを表2の記載に従って変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により導電性転写材料を作製した。
<実施例12>
接着層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により導電性転写材料を作製した。
<比較例2>
導電層用組成物Ag-1に代えて、以下の方法により調製した導電層用組成物Ag-13を使用したこと、及び接着層と感光層とを形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により導電性転写材料を作製した。
-導電層用組成物Ag-13の調製-
実施例1において使用した導電層用組成物Ag-1に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製):5.0質量部、及びIRGACURE OXE02(BASFジャパン株式会社):0.5質量部をノルマルプロパノールに溶解した溶液を添加することにより、銀濃度が67質量%である組成物Ag-13を調製した。
<ラミネート性>
保護フィルムを剥離した上記各導電性転写材料を、シクロオレフィンポリマーフィルム(厚さ38μm、屈折率1.53)上に貼り合わせること(以下、本段落において「ラミネート加工」という。)によって、パターン形成用積層体をそれぞれ得た。ラミネート加工は、MCK社製真空ラミネーターを用いて、シクロオレフィンポリマーフィルム温度40℃、ゴムローラー温度100℃、線圧3N/cm、搬送速度2m/分の条件で行った。また、ラミネート加工においては、導電性転写材料から保護フィルムを剥離することによって露出する面を、シクロオレフィンポリマーフィルム表面に接触させた。
次に、各パターン形成用積層体を用いて、JIS K 5400を参考に100マスのクロスカット試験を実施した。仮支持体を剥離したパターン形成用積層体の試験面である感光層(ただし、比較例2の導電性転写材料を用いて作製したパターン形成用積層体においては導電層を試験面とした。以下、本段落において同じ。)に、カッターナイフを用いて1mm四方の格子状の切り傷を入れた後、透明粘着テープ#600(スリーエムジャパン株式会社製)を強く圧着させた。透明粘着テープを180度方向に剥離した後、感光層の状態を顕微鏡で観察し、剥離前の感光層の面積に対する、剥離後に残存する感光層の面積の割合([剥離後に残存する感光層の面積]/[剥離前の感光層の面積])を算出し、以下の基準にしたがってラミネート性を評価した。A、B又はCであることが実用上許容されるレベルであり、A又はBであることが好ましく、Aであることがより好ましい。評価結果を表2に示す。
(基準)
A:95%以上100%以下
B:65%以上95%未満
C:35%以上65%未満
D:35%未満
<解像度>
以下の方法によって作製した、ラインアンドスペースの比(パターン幅/パターンの間隔)が1/3である各電極パターン積層体において、残渣、及びパターンの欠けがないパターンの最小線幅を解像度とした。測定結果を表2に示す。
(電極パターン積層体の作製)
保護フィルムを剥離した上記各導電性転写材料を用いて、上記ラミネート性の評価に記載した方法と同様の方法によりパターン形成用積層体をそれぞれ作製した。上記各パターン形成用積層体を以下の方法によりパターニング処理することにより、パターン化された導電層を有する電極パターン積層体をそれぞれ作製した。
超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)を用いて、露光マスク(透明電極形成用パターンを有する石英露光マスク)面と仮支持体とを密着させ、仮支持体を介して露光量1000mJ/cm(i線)でパターン露光した。仮支持体を剥離後、炭酸ソーダ1質量%水溶液を用いて、23℃で30秒間現像処理を実施した。現像処理後、電極パターンに超純水を噴射することで残渣を除去した。以上の手順により、接着層、導電層、及び感光層をパターニングした。その後、エアを吹きかけて水分を除去した。次いで、145℃、30分間の加熱処理を行うことで、電極パターン積層体を作製した。
なお、上記各電極パターン積層体における硬化物層(感光層の硬化物)の平均厚さは、露光前の感光層の平均厚さと同じである。
<シート低抗(表面抵抗)>
上記電極パターン積層体の作製において、マスクを介さずに全面露光したこと以外は、上記電極パターン積層体の作製方法と同様の方法により、抵抗測定用積層体を作製した。非接触式の渦電流方式の抵抗測定器EC-80P(ナプソン株式会社製)を用いて、抵抗測定用積層体のシート抵抗を測定した。測定結果を表2に示す。
<接触低抗>
TLM(Transmission Line Model)法によって感光層の接触抵抗を測定した。具体的な測定方法は、以下のとおりである。
保護フィルムを剥離した上記各導電性転写材料を、シクロオレフィンポリマーフィルム(厚さ38μm、屈折率1.53)上に貼り合わせ、仮支持体を剥離することで、「シクロオレフィンポリマーフィルム/接着層/導電層/感光層」の構造を有する積層体を得た。ただし、実施例12においては「シクロオレフィンポリマーフィルム/導電層/感光層」の構造を有する積層体を、比較例2においては「シクロオレフィンポリマーフィルム/導電層」の構造を有する積層体を、それぞれ得た。
別途、シクロオレフィンポリマーフィルム(厚さ38μm、屈折率1.53)上に、2mm、4mm、6mm、8mm、12mm、及び20mmの間隔で、互いに平行かつ独立に配置された7つの銅電極(厚さ300nm、幅500μm)を形成した。
銅電極を形成したシクロオレフィンポリマーフィルムの銅電極を形成した側に、「シクロオレフィンポリマーフィルム/接着層/導電層/感光層」の構造を有する積層体の仮支持体を剥離して露出した面を貼り合わせた。これにより、「シクロオレフィンポリマーフィルム/銅電極/感光層/導電層/接着層/シクロオレフィンポリマーフィルム」の構造を有する試験体を得た。ただし、実施例12においては接触層が無い構造(シクロオレフィンポリマーフィルム/銅電極/感光層/導電層/シクロオレフィンポリマーフィルム)を有する試験体を、比較例2においては銅電極上に導電層が積層された構造(シクロオレフィンポリマーフィルム/銅電極/導電層/シクロオレフィンポリマーフィルム)を有する試験体を、それぞれ作製した。
上記各試験体の平面視において、導電層は、7つの銅電極を横断するように配置されており、各銅電極と導電層とのなす角は90°であった。隣り合う銅電極間の抵抗を測定し、そして、銅電極間の抵抗(縦軸)及び距離(横軸)の関係をプロットすることによって、銅電極と感光層(比較例2においては導電層)との接触抵抗を求めた。銅電極間の抵抗の測定には、抵抗率計(ロレスタ-GP、株式会社三菱ケミカルアナリテック製)を用いた。得られた接触抵抗を、以下の基準に従って評価した。評価結果を表2に示す。
(基準)
A:接触抵抗が10Ω未満である。
B:接触抵抗が10Ω以上20Ω未満である。
C:接触抵抗が20Ω以上50Ω未満である。
D:接触抵抗が50Ω以上である。
表2において、次の略号は、それぞれ、以下の意味を有する。
・「HPMC」:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
・「PVP」:ポリビニルピロリドン
・「MC」:メチルセルロース
・「HPC」:ヒドロキシプロピルセルロース
・「PVA」:ポリビニルアルコール
表2により、実施例1~19は、比較例1~2に比べて、接触抵抗が小さいことがわかった。また、実施例1~19は、感光性を有する導電層のみを有する導電性転写材料を用いた比較例2に比べて、シート抵抗が小さく、そして、解像度が優れることがわかった。さらに、実施例1~11及び13~19は、比較例2に比べて、ラミネート性に優れることがわかった。
2019年3月28日に出願された日本国特許出願2019-064594号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (17)

  1. 仮支持体と、
    平均厚さが500nm未満である感光層と、
    銀粒子、及びバインダーを含有する導電層と、
    をこの順で有し、
    前記感光層及び前記導電層が転写層である、導電性転写材料。
  2. 前記仮支持体が、前記感光層から剥離可能な支持体である、請求項1に記載の導電性転写材料。
  3. 前記バインダーが、水溶性バインダーである請求項1又は請求項2に記載の導電性転写材料。
  4. 前記水溶性バインダーが、セルロースである請求項3に記載の導電性転写材料。
  5. 前記水溶性バインダーが、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種のセルロースである請求項3に記載の導電性転写材料。
  6. 前記導電層の前記感光層とは反対側に、接着層を有する請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の導電性転写材料。
  7. 前記接着層の平均厚さが、500nm未満である請求項6に記載の導電性転写材料。
  8. 前記接着層が、アルカリ可溶性バインダーを含有する請求項6又は請求項7に記載の導電性転写材料。
  9. 前記感光層の平均厚さが、10nm以上である請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の導電性転写材料。
  10. 前記感光層の平均厚さが、200nm以下である請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の導電性転写材料。
  11. 前記感光層の平均厚さが、150nm以下である請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の導電性転写材料。
  12. 前記銀粒子の平均粒子径が、5nm~100nmであり、前記銀粒子の含有量が、前記導電層の全質量に対して、60質量%~99質量%である請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の導電性転写材料。
  13. 前記導電層が、五員環構造又は六員環構造を有する、セルロース以外の糖類を含有する請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の導電性転写材料。
  14. 前記導電層が、セルロース、及び五員環構造又は六員環構造を有する、セルロース以外の糖類を含有する請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の導電性転写材料。
  15. 前記感光層が、アルカリ可溶性バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含有する請求項1~請求項14のいずれか1項に記載の導電性転写材料。
  16. 前記仮支持体と前記感光層との間に、平均厚さが1μm~20μmであるクッション層を有する請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の導電性転写材料。
  17. 基材上に、請求項1~請求項16のいずれか1項に記載の導電性転写材料を貼り合わせる工程と、
    前記導電性転写材料における前記感光層をパターン露光する工程と、
    前記感光層を現像する工程と、
    をこの順で含む導電パターンの製造方法。

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