JP7315885B1 - 粉体塗料、塗膜および物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】60℃耐摩耗性、水蒸気低透過性、薬液低透過性、230℃耐引張クリープ特性、180℃で加わる引張力に対する耐久性に優れる塗膜を得ることができる粉体塗料を提供すること。【解決手段】テトラフルオロエチレン単位およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位を含有する共重合体を含有する粉体塗料であって、前記共重合体のパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位の含有量が、全単量体単位に対して、5.0~6.2質量%であり、前記共重合体の372℃におけるメルトフローレートが、20.0~35.0g/10分であり、前記共重合体の官能基数が、主鎖炭素数106個あたり、100個以下である粉体塗料を提供する。【選択図】 なし

Description

本開示は、粉体塗料、塗膜および物品に関する。
特許文献1には、テトラフルオロエチレン系共重合体を含有する粉体塗料であって、前記テトラフルオロエチレン系共重合体が、ヘキサフルオロプロピレン5~25質量%及びパーフルオロ(ビニールエーテル)0.01~5質量%とテトラフルオロエチレンとの共重合体であり、メルトフローレートが1~30g/10分であることを特徴とする粉体塗料が記載されている。
国際公開第2003/006566号
本開示では、60℃耐摩耗性、水蒸気低透過性、薬液低透過性、230℃耐引張クリープ特性、180℃で加わる引張力に対する耐久性に優れる塗膜を得ることができる粉体塗料を提供することを目的とする。
本開示によれば、テトラフルオロエチレン単位およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位を含有する共重合体を含有する粉体塗料であって、前記共重合体のパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位の含有量が、全単量体単位に対して、5.0~6.2質量%であり、前記共重合体の372℃におけるメルトフローレートが、20.0~35.0g/10分であり、前記共重合体の官能基数が、主鎖炭素数10個あたり、100個以下である粉体塗料が提供される。
本開示によれば、60℃耐摩耗性、水蒸気低透過性、薬液低透過性、230℃耐引張クリープ特性、180℃で加わる引張力に対する耐久性に優れる塗膜を得ることができる粉体塗料を提供することができる。
以下、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本開示の粉体塗料は、テトラフルオロエチレン(TFE)単位およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)単位を含有する共重合体を含有する。
従来、TFE単位およびPPVE単位を含有する共重合体(PFA)は、粉体塗料の成分として利用されている。特許文献1では、表面平滑性に優れ、化学薬品類等に対する耐久性に優れた塗膜を得ることができる粉体塗料として、ヘキサフルオロプロピレン5~25質量%及びパーフルオロ(ビニールエーテル)0.01~5質量%とテトラフルオロエチレンとの共重合体であり、メルトフローレートが1~30g/10分であるテトラフルオロエチレン系共重合体を含有する粉体塗料が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載されるような従来の粉体塗料では、得られる塗膜の耐摩耗性、引張力に対する耐久性および薬液低透過性が十分ではない問題がある。このような問題を解決するための手段を鋭意検討したところ、得られる塗膜の耐摩耗性および引張力に対する耐久性と、得られる塗膜の水蒸気低透過性、薬液低透過性および230℃耐引張クリープ特性とを同時に向上させることが容易でないことが明らかになった。
共重合体のTFE単位およびPPVE単位を含有する共重合体のPPVE単位の含有量、メルトフローレート(MFR)および官能基数を適切に調整した上で、このような共重合体を粉体塗料として用いることによって、60℃耐摩耗性、水蒸気低透過性、薬液低透過性、230℃耐引張クリープ特性、180℃で加わる引張力に対する耐久性に優れる塗膜を得ることができることが見出された。したがって、たとえば、本開示の粉体塗料を被塗装物上に適用することにより塗膜を形成した場合、被塗装物上に美麗な塗膜を容易に形成させることができる。さらには、水蒸気または薬液が塗膜を透過して被塗装物に到達することを抑制できるだけでなく、塗膜が耐摩耗性および形状安定性にも優れることから、このような低透過性が長期間維持されるので、被塗装物を長期間保護することができる。
本開示の粉体塗料に含まれる共重合体は溶融加工性のフッ素樹脂である。溶融加工性とは、押出機および射出成形機などの従来の加工機器を用いて、ポリマーを溶融して加工することが可能であることを意味する。
共重合体のPPVE単位の含有量は、全単量体単位に対して、5.0~6.2質量%である。共重合体のPPVE単位の含有量は、好ましくは5.1質量%以上であり、好ましくは6.1質量%以下であり、より好ましくは6.0質量%以下であり、さらに好ましくは5.8質量%以下であり、特に好ましくは5.7質量%以下である。共重合体のPPVE単位の含有量が多すぎると、水蒸気低透過性、薬液低透過性、230℃耐引張クリープ特性に劣る。共重合体のPPVE単位の含有量が少なすぎると、60℃耐摩耗性、180℃で加わる引張力に対する耐久性に劣る。
共重合体のTFE単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは93.8質量%以上であり、より好ましくは93.9質量%以上であり、さらに好ましくは94.0質量%以上であり、尚さらに好ましくは94.2質量%以上であり、特に好ましくは94.3質量%以上であり、好ましくは95.0質量%以下であり、より好ましくは94.9質量%以下である。共重合体のTFE単位の含有量が少なすぎると、水蒸気低透過性、薬液低透過性、230℃耐引張クリープ特性に劣るおそれがある。共重合体のTFE単位の含有量が多すぎると、60℃耐摩耗性、180℃で加わる引張力に対する耐久性に劣るおそれがある。
本開示において、共重合体中の各単量体単位の含有量は、19F-NMR法により測定する。
共重合体は、TFEおよびPPVEと共重合可能な単量体に由来する単量体単位を含有することもできる。この場合、TFEおよびPPVEと共重合可能な単量体単位の含有量は、共重合体の全単量体単位に対して、好ましくは0~1.2質量%であり、より好ましくは0.05~0.5質量%であり、さらに好ましくは0.1~0.3質量%である。TFEおよびPPVEと共重合可能な単量体単位の含有量は、共重合体の全単量体単位に対して、0.1質量%以下であってよい。
TFEおよびPPVEと共重合可能な単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、CZ=CZ(CF(式中、Z、ZおよびZは、同一または異なって、HまたはFを表し、Zは、H、FまたはClを表し、nは2~10の整数を表す。)で表されるビニル単量体、CF=CF-ORf(式中、Rfは炭素数1~8のパーフルオロアルキル基)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕(ただし、PPVEを除く)、および、CF=CF-OCH-Rf(式中、Rfは炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられる。なかでも、HFPが好ましい。
共重合体としては、TFE単位およびPPVE単位のみからなる共重合体、および、TFE/HFP/PPVE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、TFE単位およびPPVE単位のみからなる共重合体がより好ましい。
共重合体のメルトフローレート(MFR)は、20.0~35.0g/10分である。共重合体のMFRは、好ましくは、21.0g/10分以上であり、より好ましくは22.0g/10分以上であり、さらに好ましくは23.0g/10分以上であり、好ましくは34.0g/10分以下であり、より好ましくは33.0g/10分以下であり、さらに好ましくは32.0g/10分以下である。共重合体のMFRが高すぎると、60℃耐摩耗性、180℃で加わる引張力に対する耐久性に劣る。共重合体のMFRが低すぎると、水蒸気低透過性、薬液低透過性に劣る。
本開示において、MFRは、ASTM D1238に従って、メルトインデクサーを用いて、372℃、5kg荷重下で内径2.1mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)として得られる値である。
MFRは、単量体を重合する際に用いる重合開始剤の種類および量、連鎖移動剤の種類および量などを調整することによって、調整することができる。
共重合体の主鎖炭素数10個当たりの官能基数は、100個以下である。共重合体の主鎖炭素数10個当たりの官能基数は、好ましくは80個以下であり、より好ましくは70個以下であり、さらに好ましくは60個以下であり、尚さらに好ましくは50個以下であり、殊さらに好ましくは40個以下であり、特に好ましくは30個以下であり、最も好ましくは20個未満である。官能基数が多すぎると、薬液低透過性、230℃耐引張クリープ特性に優れる成形体を得ることができない。
上記官能基の種類の同定および官能基数の測定には、赤外分光分析法を用いることができる。
官能基数については、具体的には、以下の方法で測定する。まず、上記共重合体をコールドプレスにより成形して、厚さ0.25~0.30mmのフィルムを作製する。このフィルムをフーリエ変換赤外分光分析により分析して、上記共重合体の赤外吸収スペクトルを得、完全にフッ素化されて官能基が存在しないベーススペクトルとの差スペクトルを得る。この差スペクトルに現れる特定の官能基の吸収ピークから、下記式(A)に従って、上記共重合体における炭素原子1×10個あたりの官能基数Nを算出する。
N=I×K/t (A)
I:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚さ(mm)
参考までに、いくつかの官能基について、吸収周波数、モル吸光係数および補正係数を表1に示す。また、モル吸光係数は低分子モデル化合物のFT-IR測定データから決定したものである。
Figure 0007315885000001
-CHCFH、-CHCOF、-CHCOOH、-CHCOOCH、-CHCONHの吸収周波数は、それぞれ表中に示す、-CFH、-COF、-COOH freeと-COOH bonded、-COOCH、-CONHの吸収周波数から数十カイザー(cm-1)低くなる。
たとえば、-COFの官能基数とは、-CFCOFに起因する吸収周波数1883cm-1の吸収ピークから求めた官能基数と、-CHCOFに起因する吸収周波数1840cm-1の吸収ピークから求めた官能基数との合計である。
官能基は、共重合体の主鎖末端または側鎖末端に存在する官能基、および、主鎖中または側鎖中に存在する官能基である。官能基数は、-CF=CF、-CFH、-COF、-COOH、-COOCH、-CONHおよび-CHOHの合計数であってよい。
上記官能基は、たとえば、共重合体を製造する際に用いた連鎖移動剤や重合開始剤によって、共重合体に導入される。たとえば、連鎖移動剤としてアルコールを使用する、あるいは重合開始剤として-CHOHの構造を有する過酸化物を使用した場合、共重合体の主鎖末端に-CHOHが導入される。また、官能基を有する単量体を重合することによって、上記官能基が共重合体の側鎖末端に導入される。
このような官能基を有する共重合体を、フッ素化処理することによって、上記範囲内の官能基数を有する共重合体を得ることができる。すなわち、共重合体は、フッ素化処理されたものであることが好ましい。共重合体は、-CF末端基を有することも好ましい。
共重合体の融点は、好ましくは295~315℃であり、より好ましくは298℃以上であり、さらに好ましくは300℃以上であり、特に好ましくは301℃以上であり、最も好ましくは302℃以上であり、より好ましくは308℃以下である。融点が上記範囲内にあることにより、特に60℃耐摩耗性、水蒸気低透過性、薬液低透過性、230℃耐引張クリープ特性、180℃で加わる引張力に対する耐久性に一層優れる塗膜を与える共重合体を得ることができる。
本開示において、融点は、示差走査熱量計〔DSC〕を用いて測定できる。
本開示の粉体塗料(共重合体粒子)の平均粒子径は、好ましくは10~1000μmである。平均粒子径が上記範囲内にあることにより、粉体塗料の塗装が容易となり、平滑な塗膜を得ることができる。平均粒子径は、メディアン径であり、レーザー回析式粒度分布測定機を用いて測定することができる。
本開示の粉体塗料の見掛密度は、好ましくは0.5~1.2g/mlである。上記見掛密度は、JIS K 6891にしたがって測定することができる。
本開示の粉体塗料は、上記の共重合体以外のその他の樹脂を含有するものであってもよい。その他の樹脂としては、通常、粉体塗料に用い得る樹脂であれば特に限定されず、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の何れであってもよい。上記その他の樹脂は、耐熱性樹脂であることが好ましい。上記耐熱性樹脂としては、たとえば、上記した共重合体以外のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等が挙げられる。上記その他の樹脂は、1種又は2種以上を用いるものであってよい。
本開示の粉体塗料は、添加剤を含有するものであってよい。添加剤としては、一般的な粉体塗料に添加されるものであれば特に限定されず、たとえば、着色を目的として、酸化チタン、酸化コバルト等の着色顔料;防錆等を目的として、防錆顔料、焼成顔料等のその他の顔料;塗膜の収縮率の低減を目的とし、また、塗膜の硬度を高めて傷付き易さを改良するために、カーボン繊維、ガラス繊維、ガラスフレーク、マイカ等のフィラー;導電性付与を目的として、導電性カーボン等の導電性付与材等が挙げられる。上記添加剤は、また、レベリング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル補足剤等であってもよい。
本開示の粉体塗料は、たとえば、共重合体を製造した後、共重合体を処理することにより所望の形状を有する粉体を得る製造方法により、製造することができる。
共重合体は、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合などの重合方法により、製造することができる。重合方法としては、乳化重合または懸濁重合が好ましい。これらの重合において、温度、圧力などの各条件、重合開始剤やその他の添加剤は、共重合体の組成や量に応じて適宜設定することができる。
重合開始剤としては、油溶性ラジカル重合開始剤、または水溶性ラジカル重合開始剤を使用できる。
油溶性ラジカル重合開始剤は公知の油溶性の過酸化物であってよく、たとえば、
ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジsec-ブチルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エトキシエチルパーオキシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシカーボネート類;
t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル類;
ジt-ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類;
ジ[フルオロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類;
などが代表的なものとしてあげられる。
ジ[フルオロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類としては、[(RfCOO)-](Rfは、パーフルオロアルキル基、ω-ハイドロパーフルオロアルキル基またはフルオロクロロアルキル基)で表されるジアシルパーオキサイドが挙げられる。
ジ[フルオロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類としては、たとえば、ジ(ω-ハイドロ-ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω-ハイドロ-テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ω-ハイドロ-ヘキサデカフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロプロピオニル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロパレリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-ヘキサフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-デカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ω-ハイドロ-ドデカフルオロヘプタノイル-ω-ハイドロヘキサデカフルオロノナノイル-パーオキサイド、ω-クロロ-ヘキサフルオロブチリル-ω-クロロ-デカフルオロヘキサノイル-パーオキサイド、ω-ハイドロドデカフルオロヘプタノイル-パーフルオロブチリル-パーオキサイド、ジ(ジクロロペンタフルオロブタノイル)パーオキサイド、ジ(トリクロロオクタフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(テトラクロロウンデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ペンタクロロテトラデカフルオロデカノイル)パーオキサイド、ジ(ウンデカクロロトリアコンタフルオロドコサノイル)パーオキサイドなどが挙げられる。
水溶性ラジカル重合開始剤は公知の水溶性過酸化物であってよく、たとえば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸などのアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、ジコハク酸パーオキサイド、ジグルタル酸パーオキサイドなどの有機過酸化物、t-ブチルパーマレート、t-ブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。亜硫酸塩類のような還元剤を過酸化物に組み合わせて使用してもよく、その使用量は過酸化物に対して0.1~20倍であってよい。
重合においては、界面活性剤、連鎖移動剤、および、溶媒を使用することができ、それぞれ従来公知のものを使用することができる。
界面活性剤としては、公知の界面活性剤が使用でき、たとえば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが使用できる。なかでも、含フッ素アニオン性界面活性剤が好ましく、エーテル結合性酸素を含んでもよい(すなわち、炭素原子間に酸素原子が挿入されていてもよい)、炭素数4~20の直鎖または分岐した含フッ素アニオン性界面活性剤がより好ましい。界面活性剤の添加量(対重合水)は、好ましくは50~5000ppmである。
連鎖移動剤としては、たとえば、エタン、イソペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;メチルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。連鎖移動剤の添加量は、用いる化合物の連鎖移動定数の大きさにより変わりうるが、通常重合溶媒に対して0.01~20質量%の範囲で使用される。
溶媒としては、水や、水とアルコールとの混合溶媒等が挙げられる。
懸濁重合では、水に加えて、フッ素系溶媒を使用してもよい。フッ素系溶媒としては、CHCClF、CHCClF、CFCFCClH、CFClCFCFHCl等のハイドロクロロフルオロアルカン類;CFClCFClCFCF、CFCFClCFClCF等のクロロフルオロアルカン類;CFCFHCFHCFCFCF、CFHCFCFCFCFH、CFCFCFCFCFCFCFH等のハイドロフルオロアルカン類;CHOC、CHOCCFCFCHOCHF、CFCHFCFOCH、CHFCFOCHF、(CFCHCFOCH、CFCFCHOCHCHF、CFCHFCFOCHCF等のハイドロフルオロエーテル類;パーフルオロシクロブタン、CFCFCFCF、CFCFCFCFCF、CFCFCFCFCFCF等のパーフルオロアルカン類等が挙げられ、なかでも、パーフルオロアルカン類が好ましい。フッ素系溶媒の使用量は、懸濁性および経済性の面から、水性媒体に対して10~100質量%が好ましい。
重合温度としては特に限定されず、0~100℃であってよい。重合圧力は、用いる溶媒の種類、量および蒸気圧、重合温度等の他の重合条件に応じて適宜定められるが、通常、0~9.8MPaGであってよい。
重合反応により共重合体を含む水性分散液が得られる場合は、水性分散液中に含まれる共重合体を凝析させ、洗浄し、乾燥することにより、共重合体を回収できる。また、重合反応により共重合体がスラリーとして得られる場合は、反応容器からスラリーを取り出し、洗浄し、乾燥することにより、共重合体を回収できる。乾燥することによりパウダーの形状で共重合体を回収できる。
重合により得られた共重合体を、フッ素化処理してもよい。フッ素化処理は、フッ素化処理されていない共重合体とフッ素含有化合物とを接触させることにより行うことができる。フッ素化処理により、共重合体の-COOH、-COOCH、-CHOH、-COF、-CF=CF、-CONHなどの熱的に不安定な官能基、および、熱的に比較的安定な-CFHなどの官能基を、熱的に極めて安定な-CFに変換することができる。結果として、共重合体の-COOH、-COOCH、-CHOH、-COF、-CF=CF、-CONH、および、-CFHの合計数(官能基数)を容易に上述した範囲に調整できる。
フッ素含有化合物としては特に限定されないが、フッ素化処理条件下にてフッ素ラジカルを発生するフッ素ラジカル源が挙げられる。上記フッ素ラジカル源としては、Fガス、CoF、AgF、UF、OF、N、CFOF、フッ化ハロゲン(たとえばIF、ClF)などが挙げられる。
ガスなどのフッ素ラジカル源は、100%濃度のものであってもよいが、安全性の面から不活性ガスと混合し、5~50質量%に希釈して使用することが好ましく、15~30質量%に希釈して使用することがより好ましい。上記不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどが挙げられるが、経済的な面より窒素ガスが好ましい。
フッ素化処理の条件は、特に限定されず、溶融させた状態の共重合体とフッ素含有化合物とを接触させてもよいが、通常、共重合体の融点以下、好ましくは20~240℃、より好ましくは100~220℃の温度下で行うことができる。上記フッ素化処理は、一般に1~30時間、好ましくは5~25時間行う。フッ素化処理は、フッ素化処理されていない共重合体をフッ素ガス(Fガス)と接触させるものが好ましい。
粉体塗料は、たとえば、上記のようにして共重合体を製造した後、得られた共重合体をロールでシート状に圧縮し、粉砕機により粉砕し、分級することにより製造することができる。
粉体塗料は、通常、被塗装物に塗布した後、加熱焼成して造膜させることにより施工される。このように施工して得られる塗膜は、耐食ライニング等として、様々な用途に用いることができる。
粉体塗料の塗布の方法としては特に限定されず、たとえば、吹付、静電吹付、静電スプレー塗装、流動浸漬塗装、静電流動浸漬塗装、ロトライニング等が挙げられる。
粉体塗料から形成される塗膜は、通常、粉体塗料を被塗装物に塗布した後、加熱焼成して造膜することにより形成される。被塗装物に塗布された粉体塗料を加熱焼成する温度としては、たとえば、295~400℃である。加熱焼成の時間としては、たとえば、20~180分である。加熱焼成の時間は、複数回の粉体塗料の塗布および焼成を行う場合には、1回の焼成時間を示す。
粉体塗料から形成される塗膜の膜厚は用途に応じて適宜決定されればよく、たとえば、20~10000μmであってよい。膜厚は、加熱焼成した後の膜厚であり、1回の塗布により得られる塗膜の膜厚であってもよいし、2回以上の塗布により得られる膜厚であってもよい。
粉体塗料から形成される塗膜の水蒸気透過度は、好ましくは18.0g・cm/m以下である。粉体塗料は、TFE単位およびPPVE単位を含有する共重合体のPPVE単位の含有量、メルトフローレート(MFR)および官能基数が適切に調整された共重合体を含有することから、優れた水蒸気低透過性を有する塗膜が得られる。
本開示において、水蒸気透過度は、温度95℃、45日間の条件で、測定できる。水蒸気透過度の具体的な測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
粉体塗料から形成される塗膜のメチルエチルケトン(MEK)透過度は、好ましくは65.0mg・cm/m・day以下である。粉体塗料は、TFE単位およびPPVE単位を含有する共重合体のPPVE単位の含有量、メルトフローレート(MFR)および官能基数が適切に調整された共重合体を含有することから、MEKなどの薬液に対して優れた低透過性を示す塗膜が得られる。
本開示において、MEK透過度は、温度60℃、45日間の条件で、測定できる。MEK透過度の具体的な測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
本開示の物品は、粉体塗料から形成される塗膜を備える。本開示の物品は、通常、塗膜と被塗装物とを備えており、被塗装物の表面に塗膜を有する。
被塗装物としては特に限定されず、耐食性を付与されることが望まれるものが挙げられる。このような被塗装物としては、例えば、タンク、ベッセル、塔、バルブ、ポンプ、継手、その他の配管材料等の耐食ライニングが施されるもの;化学・医療用器具、ウエハーバスケット、コイルボビンタワーパッキン、薬品用バルブ、ポンプインペラー等のその他の耐食加工を施されるもの等が挙げられる。
被塗装物は、必要に応じ、洗浄、サンドブラスト等の表面処理やプライマー塗装を行ったものであってよい。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
<1> 本開示の第1の観点によれば、
テトラフルオロエチレン単位およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位を含有する共重合体を含有する粉体塗料であって、
前記共重合体のパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位の含有量が、全単量体単位に対して、5.0~6.2質量%であり、
前記共重合体の372℃におけるメルトフローレートが、20.0~35.0g/10分であり、
前記共重合体の官能基数が、主鎖炭素数10個あたり、100個以下である
粉体塗料が提供される。
<2> 本開示の第2の観点によれば、
前記共重合体のパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位の含有量が、全単量体単位に対して、5.1~6.0質量%である第1の観点による粉体塗料が提供される。
<3> 本開示の第3の観点によれば、
前記共重合体の372℃におけるメルトフローレートが、23.0~32.0g/10分である第1または第2の観点による粉体塗料が提供される。
<4> 本開示の第4の観点によれば、
第1~第3のいずれかの観点による粉体塗料から形成される塗膜が提供される。
<5> 本開示の第5の観点によれば、
第1~第3のいずれかの観点による粉体塗料から形成される塗膜を備える物品が提供される。
つぎに本開示の実施形態について実施例をあげて説明するが、本開示はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
(単量体単位の含有量)
各単量体単位の含有量は、NMR分析装置(たとえば、ブルカーバイオスピン社製、AVANCE300 高温プローブ)により測定した。
(メルトフローレート(MFR))
ASTM D1238に従って、メルトインデクサーG-01(東洋精機製作所社製)を用いて、372℃、5kg荷重下で内径2.1mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)を求めた。
(官能基数)
フッ素化された共重合体粉末を、コールドプレスにより成形して、厚さ0.25~0.30mmのフィルムを作製した。このフィルムをフーリエ変換赤外分光分析装置〔FT-IR(Spectrum One、パーキンエルマー社製)〕により40回スキャンし、分析して赤外吸収スペクトルを得、完全にフッ素化されて官能基が存在しないベーススペクトルとの差スペクトルを得た。この差スペクトルに現れる特定の官能基の吸収ピークから、下記式(A)に従って試料における炭素原子1×10個あたりの官能基数Nを算出した。
N=I×K/t (A)
I:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚さ(mm)
参考までに、本開示における官能基について、吸収周波数、モル吸光係数および補正係数を表2に示す。モル吸光係数は低分子モデル化合物のFT-IR測定データから決定したものである。
Figure 0007315885000002
(融点)
示差走査熱量計(商品名:X-DSC7000、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、昇温速度10℃/分で200℃から350℃までの1度目の昇温を行い、続けて、冷却速度10℃/分で350℃から200℃まで冷却し、再度、昇温速度10℃/分で200℃から350℃までの2度目の昇温を行い、2度目の昇温過程で生ずる溶融曲線ピークから融点を求めた。
比較例1
174L容積の撹拌機付きオートクレーブに純水51.8Lを投入し、充分に窒素置換を行った後、パーフルオロシクロブタン40.9kgとパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)1.17kg、メタノール4.19kgとを仕込み、系内の温度を35℃に保った。次いで、テトラフルオロエチレン(TFE)を0.64MPaまで圧入した後、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液0.103kgを投入して重合を開始した。重合の進行とともに系内圧力が低下するので、TFEを連続供給して圧力を一定にし、PPVEをTFEの供給1kg毎に0.031kg追加投入した。TFEの追加投入量が40.9kgに達したところで重合を終了させた。未反応のTFEを放出して、オートクレーブ内を大気圧に戻した後、得られた反応生成物を水洗、乾燥して42.2kgの粉末を得た。
得られた共重合体粉末を、ローラーコンパクターでシート状に圧縮し、それを数mm程度の大きさに粉砕したフレーク状の共重合体粉末を得た。
得られたフレーク状の共重合体粉末を、真空振動式反応装置 VVD-30(大川原製作所社製)に入れ、210℃に昇温した。真空引き後、Nガスで20体積%に希釈したFガスを大気圧まで導入した。Fガス導入時から0.5時間後、いったん真空引きし、再度Fガスを導入した。さらにその0.5時間後、再度真空引きし、再度Fガスを導入した。以降、上記Fガス導入及び真空引きの操作を1時間に1回行い続け、210℃の温度下で10時間反応を行った。反応終了後、反応器内をNガスに十分に置換して、フッ素化反応を終了した。
フッ素化されたフレーク状の共重合体粉末をハンマーミルにて粉砕して、平均粒子径20~40μm、見掛密度0.60~0.70g/mlの共重合体粉末を得た。
比較例2
PPVEを4.00kg、メタノールを1.92kg、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液を0.051kg、PPVEをTFEの供給1kg毎に0.080kg追加投入に変更し、乾燥粉末44.2kgを得た以外は、比較例1と同様にして、フッ素化された共重合体粉末を得た。
比較例3
PPVEを2.75kg、メタノールを3.02kg、PPVEをTFEの供給1kg毎に0.058kg追加投入に変更し、乾燥粉末43.3kgを得た以外は、比較例1と同様にして、フッ素化された共重合体粉末を得た。
比較例4
PPVEを2.75kg、メタノールを2.44kg、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液を0.051kg、PPVEをTFEの供給1kg毎に0.058kg追加投入に変更し、乾燥粉末43.3kgを得た以外は、比較例1と同様にして、フッ素化された共重合体粉末を得た。
比較例5
PPVEを3.01kg、メタノールを4.62kg、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液を0.051kg、PPVEをTFEの供給1kg毎に0.063kg追加投入に変更し、乾燥粉末43.5kgを得た以外は、比較例1と同様にして、フッ素化していない共重合体粉末を得た。
実施例1
PPVEを2.49kg、メタノールを4.53kg、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液を0.051kg、PPVEをTFEの供給1kg毎に0.054kg追加投入、真空振動式反応装置の昇温温度を160℃、反応を160℃の温度下で5時間に変更し、乾燥粉末43.1kgを得た以外は、比較例1と同様にして、フッ素化された共重合体粉末を得た。
実施例2
PPVEを2.69kg、メタノールを0.22kg、PPVEをTFEの供給1kg毎に0.057kg追加投入に変更し、乾燥粉末43.2kgを得た以外は、比較例1と同様にして、フッ素化された共重合体粉末を得た。
実施例3
PPVEを2.88kg、メタノールを4.50kg、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液を0.051kg、PPVEをTFEの供給1kg毎に0.060kg追加投入に変更し、乾燥粉末43.4kgを得た以外は、比較例1と同様にして、フッ素化された共重合体粉末を得た。
実施例4
PPVEを3.07kg、メタノールを4.38kg、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液を0.051kg、PPVEをTFEの供給1kg毎に0.064kg追加投入に変更し、乾燥粉末43.5kgを得た以外は、比較例1と同様にして、フッ素化された共重合体粉末を得た。
実施例および比較例で得られた共重合体粉末を用いて、上記した方法により、各種物性を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0007315885000003
表3中の「<6」との記載は、官能基数が6個未満であることを意味する。
(評価用塗膜の作成方法)
脱脂され、表面が平滑なSUS316基材(200mm×200mm×5mm)に共重合体粉末を静電塗装法にて塗布した後に、乾燥炉中で垂直に吊り下げて380℃で30分間焼成し、膜厚約100μmの塗膜を得た。この塗膜がついたSUS316基材を、塗膜ごと、水につけ、95℃で20時間加熱して、SUS316基材からはがれた塗膜を回収し、評価用塗膜(厚さ約0.1mm)とした。
(摩耗試験)
評価用塗膜から10cm×10cmの試験片を切り出した。テーバー摩耗試験機(No.101 特型テーバー式アブレーションテスター、安田精機製作所社製)の試験台に作製した試験片を固定し、試験片表面温度60℃、荷重500g、摩耗輪CS-10(研磨紙#240で20回転研磨したもの)、回転速度60rpmの条件で、テーバー摩耗試験機を用いて摩耗試験を行った。1000回転後の試験片重量を計量し、同じ試験片でさらに8000回転試験後に試験片重量を計量した。次式により、摩耗量を求めた。
摩耗量(mg)=M1-M2
M1:1000回転後の試験片重量(mg)
M2:8000回転後の試験片重量(mg)
(水蒸気透過度)
評価用塗膜からシート状試験片を作製した。試験カップ(透過面積12.56cm)内に水を18g入れ、シート状試験片で覆い、PTFEガスケットを挟んで締め付け、密閉した。シート状試験片と水が接するようにして、温度95℃で45日間保持した後取出し、室温で2時間放置後に質量減少量を測定した。次式により、水蒸気透過度(g・cm/m)を測定した。
水蒸気透過度(g・cm/m)=質量減少量(g)×シート状試験片の厚さ(cm)/透過面積(m
(メチルエチルケトン(MEK)透過度)
評価用塗膜からシート状試験片を作製した。試験カップ(透過面積12.56cm)内にMEKを10g入れ、シート状試験片で覆い、PTFEガスケットを挟んで締め付け、密閉した。シート状試験片とMEKが接するようにして、温度60℃で45日間保持した後取出し、室温で1時間放置後に質量減少量を測定した。次式により、MEK透過度(mg・cm/m・day)を求めた。
MEK透過度(mg・cm/m・day)=[質量減少量(mg)×シート状試験片の厚さ(cm)]/[透過面積(m)・日数(day)]
(引張クリープ試験)
日立ハイテクサイエンス社製TMA-7100を用いて引張クリープ歪を測定した。評価用塗膜から幅2mm、長さ22mmのサンプルを作製した。サンプルを治具間距離10mmで測定治具に装着した。サンプルに対して、断面荷重が2.63N/mmになるように荷重を負荷し、230℃に放置し、試験開始後70分の時点から試験開始後555分の時点までのサンプルの長さの変位(mm)を測定し、初期のサンプル長(10mm)に対する長さの変位(mm)の割合(引張クリープ歪(%))を算出した。230℃、555分間の条件で測定する引張クリープ歪(%)が小さいシートは、非常に高温の環境中で引張荷重が負荷されても伸びにくく、高温耐引張クリープ特性に優れている。
(180℃引張強度)
評価用塗膜から、ASTM D1708準拠のV型ダンベルを用いてダンベル状試験片を切り抜き、得られたダンベル状試験片を用いて、オートグラフ(島津製作所社製 AG―X 500N)を使用して、50mm/分の条件下で、180℃で引張強度を測定した。
180℃引張強度が高い塗膜は、高温で引張力が加わった場合でも破損しにくい。
Figure 0007315885000004

Claims (5)

  1. テトラフルオロエチレン単位およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位を含有する共重合体を含有する粉体塗料であって、
    前記共重合体のパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位の含有量が、全単量体単位に対して、5.0~6.2質量%であり、
    前記共重合体の372℃におけるメルトフローレートが、20.0~35.0g/10分であり、
    前記共重合体の官能基数が、主鎖炭素数10個あたり、100個以下である
    粉体塗料。
  2. 前記共重合体のパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位の含有量が、全単量体単位に対して、5.1~6.0質量%である請求項1に記載の粉体塗料。
  3. 前記共重合体の372℃におけるメルトフローレートが、23.0~32.0g/10分である請求項1または2に記載の粉体塗料。
  4. 請求項1または2に記載の粉体塗料から形成される塗膜。
  5. 請求項1または2に記載の粉体塗料から形成される塗膜を備える物品。
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