JP7315818B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来、乾燥路面における操縦安定性を向上しながら、タイヤ重量および転がり抵抗を低く維持する空気入りタイヤが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2018-008620号公報
ところで、空気入りタイヤにおいて、インナーライナーの厚さによっては、内腔の空気がインナーライナーを透過することがある。インナーライナーを透過した空気がベルト層に達すると、空気中の水分によってベルト層の金属部分に錆びが生じる可能性がある。ベルト層の金属部分に錆びが生じるとベルト層を構成する部材同士の間でセパレーションが発生し易くなり、耐久性能が悪化する。このようなセパレーションが発生する前にトレッド部の摩耗が大きくなり、タイヤの交換時期が訪れる場合が多い。
しかしながら、気温が比較的高い高温地域においては、気温が比較的低い地域よりもトレッド部の摩耗が少ないため、タイヤを交換の交換時期が訪れる前に、上記のようなセパレーションが発生する可能性がある。インナーライナーの厚さを大きくすれば、内腔の空気がインナーライナーを透過する可能性が少なくなる。しかしながら、インナーライナーの厚さが大きいと、空気入りタイヤの重量が大きくなるという問題が生じる。また、操縦安定性能を低下させることは好ましくない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、高温地域での耐久性能を向上させつつ、軽量化および操縦安定性能向上を実現できる空気入りタイヤを提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のある態様による空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、前記一対のサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部と、前記一対のビード部間に装架されたカーカス層と、前記一対のビード部の各ビードコアの位置で前記カーカス層がタイヤ幅方向外側に折り返されることにより形成された空間において、前記各ビードコアのタイヤ径方向外側に配置されたビードフィラーと、前記トレッド部における該カーカス層の外周側に配置されたベルト層と、前記カーカス層に沿ってタイヤ内面に配置されたインナーライナー層と、前記カーカス層と前記インナーライナー層との間であって、前記ビード部のタイヤの径方向内側の位置である先端を除く領域に配置されたタイゴム層と、を有する空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層のタイヤ幅方向最外側端部から前記インナーライナー層に向けて引いた垂線Pに対する前記タイゴム層の前記ビード部に向かう側への突出量L1の、前記垂線Pとタイヤ内表面との交点Aからビードトウの先端点Bまでのタイヤ内面に沿ったペリフェリ長さL2に対する比L1/L2が0.25以上0.90以下であり、タイヤ断面高さSHに対する、タイヤのリムへの着座位置から前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側までの高さFhの比Fh/SHが0.20以上0.45以下であり、前記ビードフィラーのタイヤ径方向の最も内側位置のタイヤ幅方向の幅Fbwに対する、前記ビードフィラーのタイヤ径方向の高さFhの中間の高さの位置の前記ビードフィラーのタイヤ幅方向の幅Fmwの比Fmw/Fbwが0.4以上0.8以下であり、前記インナーライナー層の厚さと前記タイゴム層の厚さとの和であるトータルゲージTGaは、0.6mm以上1.0mm以下である
前記タイゴム層のタイヤ径方向の最も内側の端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向の最も外側の端との距離Dの、前記タイヤ断面高さSHに対する比D/SHが-0.2以上0.2以下であることが好ましい。
前記タイゴム層のタイヤ径方向の最も内側の端からタイヤ径方向に沿ってタイヤ径方向内側に5mmの位置において、タイヤ最大幅位置の前記サイドウォール部の総厚さK1に対する、前記インナーライナー層を構成するブチルゴムの厚さK2の比K2/K1は、0.05以上0.30以下であることが好ましい。
前記トレッド部に使用されるキャップゴムの硬度は、60以上75以下であるであることが好ましい。
前記ベルト層は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、前記補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が24度以上32度以下であることが好ましい。
前記トレッド部に使用されるゴムコンパウンドは、老化防止剤を1重量部以上含むことが好ましい。
本発明にかかる空気入りタイヤは、高温地域での耐久性を向上させつつ、軽量化および操縦安定性能向上を実現できる。
図1は、本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1の一部分の拡大図である。 図3は、図1の一部分の拡大図である。 図4は、本発明の変形例にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の各実施形態の説明において、他の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。各実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の省略、置換又は変更を行うことができる。
[空気入りタイヤ]
図1は、本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。図1は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、図1は、空気入りタイヤの一例として、乗用車用ラジアルタイヤを示している。
タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ100の回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、上記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、上記回転軸と平行な方向をいう。タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ100の回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ100のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ100のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ100は、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2、2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3、3とを備えている。
一対のビード部3、3間にはカーカス層4が装架されている。カーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含む。カーカス層4は、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ幅方向内側から外側へ折り返されている。つまり、カーカス層4の端部は、トレッド部1からサイドウォール部2を介してビード部3に至り、ビード部3にてタイヤ幅方向外側に折り返されている。
ビード部3のビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置されている。ビードフィラー6は、各ビードコア5のタイヤ径方向外側に配置される。ビードフィラー6は、断面が略三角形状のゴム組成物からなる。ビードフィラー6は、カーカス層4がビードコア5の位置でタイヤ幅方向外側に折り返されることにより形成された空間に配置されている。ビードフィラー6のタイヤ幅方向外側には、リムクッションゴム(図示せず)が配置されている。リムクッションゴムは、リムフランジ(図示せず)に対するビード部3の接触面を構成する。
トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1の例では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含む。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。
ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5度以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
タイヤ内面には、カーカス層4に沿ってインナーライナー層9が設けられている。インナーライナー層9は、空気透過防止性能を有するブチルゴムを主体とするゴム組成物で構成され、タイヤ内に充填された空気がタイヤ外に透過することを防いでいる。なお、インナーライナー層9の厚さとタイゴム層10の厚さとの和であるトータルゲージTGaは、0.6mm以上1.3mm以下であることが好ましい。トータルゲージTGaが0.6mm未満であると、空気がタイヤ外に透過することを防ぐ効果が低下するため、好ましくない。トータルゲージTGaが1.3mmを超えると、タイヤの軽量化の妨げとなるため、好ましくない。トータルゲージTGaは、0.6mm以上1.0mm以下であることがより好ましい。
[タイゴム層]
インナーライナー層9とカーカス層4との間にはタイゴム層10が配置されている。タイゴム層10は、タイヤ製造時に未加硫の空気入りタイヤをインフレートする際にカーカス層4のコードがインナーライナー層9に喰い込むことを防止するための層である。タイゴム層10は、製造後のタイヤにおいては空気透過防止性や乾燥路面における操縦安定性に寄与する。本例の空気入りタイヤ100において、タイゴム層10は、カーカス層4とインナーライナー層9との間の全域ではなく、ビード部3の先端側を除く領域に選択的に設けられる。すなわち、図1に示すように、タイゴム層10は、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向両側において、トレッド部1のセンター領域からショルダー領域を経て、サイドウォール部2の領域まで設けられている。本例の空気入りタイヤ100は、ビード部3の先端側にはタイゴム層10が設けられていないので、カーカス層4とインナーライナー層9との間の全域にタイゴム層10が設けられている場合に比べて、軽量化を実現できる。
高温地域での耐久性を向上させるには、インナーライナー層9のブチルゴムを比較的厚くすればよい。その場合でもビード部3の先端側を除く領域に選択的にタイゴム層10を設けることにより、カーカス層4とインナーライナー層9との間の全域にタイゴム層10が設けられている場合に比べて、軽量化を実現できる。仮に、インナーライナー層9のブチルゴムを薄くすれば軽量化を実現できる。しかしながら、ブチルゴムを薄くすることは、空気透過防止性能の低下を招き、特に高温地域でのタイヤの耐久性が低下するため、好ましくない。
[タイゴム層の配置領域]
図1において、ベルト層7のタイヤ幅方向最外側端部からインナーライナー層9に向けて引いた垂線Pに対するタイゴム層10のビード部3側への突出量をL1とする。また、垂線Pとタイヤ内表面との交点Aからビードトウの先端点Bまでのタイヤ内面に沿ったペリフェリ長さをL2とする。このとき、長さL2に対する突出量L1の比L1/L2が0.25以上0.90以下であることが好ましい。比L1/L2が0.25未満であると、空気透過性の維持が難しくなるため、好ましくない。比L1/L2が0.90を超えると、タイヤの軽量化の効果が少なくなるため、好ましくない。比L1/L2は、0.30以上0.70以下であることがより好ましい。
[ベルト層]
各ベルト層7は、層間で補強コード同士が互いに交差するように配置されている。ベルト層7の補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は、24度以上32度以下であることが好ましい。補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が24度以上32度以下であれば、操縦安定性能が向上する。さらに、ベルト層7の補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は、26度以上28度以下の範囲であることがより好ましく、27度であることが最も好ましい。
[ビード部]
図2は、図1の空気入りタイヤのビード部3の付近を拡大して示す図である。図2において、タイヤのリムへの着座位置からビードフィラー6のタイヤ径方向外側の位置までの高さをFhとする。このとき、タイヤ断面高さSHに対する高さFhの比Fh/SHが0.20以上0.45以下であることが好ましい。比Fh/SHが0.20未満である場合はサイドウォール部2の剛性が十分ではなく、比Fh/SHが0.45を超える場合はサイドウォール部2の剛性が大きくなりすぎ、いずれの場合も操縦安定性能の向上の観点から好ましくない。なお、高さFhは、例えば25mm以上50mm以下であることが好ましい。
ここで、タイヤ断面高さSHは、タイヤ外径とリム径との差の1/2の距離であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
図2において、ビードフィラー6のタイヤ径方向の最も内側位置のタイヤ幅方向の幅をFbwとする。また、タイヤのリムへの着座位置からビードフィラー6のタイヤ径方向外側の位置までの高さFhの中間の高さの位置のビードフィラー6のタイヤ幅方向の幅をFmwとする。このとき、幅Fbwに対する幅Fmwの比Fmw/Fbwは、0.4以上0.8以下であることが好ましい。比Fmw/Fbwが0.4以上0.8以下であることは、ビードフィラー6が、タイヤ径方向外側に細長く延在する断面形状を有することを意味する。ビードフィラー6がこのような断面形状を有することにより、サイドウォール部2の剛性を確保でき、操縦安定性能が向上する。なお、比Fmw/Fbwは、0.55以上0.78以下であることがより好ましい。比Fmw/Fbwは、0.65以上0.75以下であることがさらに好ましい。
タイゴム層10のタイヤ径方向の最も内側の端を10T1とする。また、ビードフィラー6のタイヤ径方向の最も外側の端を6Tとする。端10T1と端6Tとのタイヤ径方向に沿った距離をDとする。タイヤ断面高さSHに対する、距離Dの比D/SHは、-0.2以上0.2以下であることが好ましい。比D/SHが負の値であることは、タイヤ幅方向から見た場合に、タイゴム層10の一部とビードフィラー6の一部とがオーバラップしていることを意味する。比D/SHが正の値であることは、タイヤ幅方向から見た場合に、端10T1の位置と端6Tの位置とが離れていることを意味する。比D/SHが零であることは、タイヤ幅方向から見た場合に、端10T1の位置と端6Tの位置とが一致していることを意味する。
比D/SHが-0.2未満であると、タイゴム層10の重量が大きく、軽量化を実現する観点から好ましくない。比D/SHが0.2を超えるとサイドウォール部2の剛性が低下するため、好ましくない。比D/SHが-0.2以上0.2以下であることは、端10T1の位置と端6Tの位置とが非常に近く、ほぼ同じ位置であることを意味する。端10T1の位置と端6Tの位置とが非常に近いことにより、軽量化を実現しつつサイドウォール部2の剛性を確保でき、操縦安定性能を向上させることができる。
なお、距離Dは、例えば-20mm以上20mm以下であることが好ましい。距離Dが負の値であることは、タイヤ幅方向から見た場合に、タイゴム層10の一部とビードフィラー6の一部とがオーバラップしていることを意味する。距離Dが正の値であることは、タイヤ幅方向から見た場合に、端10T1の位置と端6Tの位置とが離れていることを意味する。距離Dが-20mm未満であると、タイゴム層10の重量が大きく、軽量化を実現する観点から好ましくない。距離Dが20mmを超えるとサイドウォール部2の剛性が低下するため、好ましくない。
[サイドウォール部]
図3は、図1の空気入りタイヤのサイドウォール部2の付近を拡大して示す図である。図3において、タイヤ最大幅位置Cのサイドウォール部2の総厚さをK1とする。タイゴム層10のタイヤ径方向の最も内側の端10T1からタイヤ径方向に沿ってタイヤ径方向内側に5mmの位置のインナーライナー層9を構成するブチルゴムの厚さをK2とする。このとき、総厚さK1に対する、ブチルゴムの厚さK2の比K2/K1は、0.05以上0.30以下であることが好ましい。
[トレッド部のゴム]
トレッド部1に使用されるゴムコンパウンドは、老化防止剤を1重量部以上含むことが好ましい。本例の空気入りタイヤは、老化防止剤を1重量部以上含むことにより、高温地域での耐久性能を維持することができる。
トレッド部1に使用されるキャップゴムの硬度は、60以上75以下であることが好ましい。キャップゴムの硬度がこの範囲であれば、操縦安定性能が向上する。また、トレッド部1に使用されるタイヤキャップゴムの硬度は、67以上72以下であることがより好ましく、68以上70以下であることがさらに好ましい。なお、上記における硬度はJIS-A硬さであり、JIS K-6253に準拠して、Aタイプのデュロメータを用いて温度20℃の条件にて測定されるデュロメータ硬さである。
[変形例]
上述したタイヤ内部構造は空気入りタイヤにおける代表的な例を示すものであるが、これに限定されるものではない。図4は、本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの変形例を示すタイヤ子午線方向の断面図である。図4において、本例の空気入りタイヤは、ショルダー部の近辺にブチルゴムが配置されている。本例の空気入りタイヤは、トレッド部1の赤道面CL付近を含むセンター領域にブチルゴムが配置されていない。本例の空気入りタイヤのその他の部分は、図1から図3を参照して説明した空気入りタイヤと同じである。本例の空気入りタイヤは、センター領域にブチルゴムが配置されていないため、より軽量化を実現することができる。
また、空気入りタイヤ100は、車両に対する装着方向を示す装着方向表示部(図示省略)を有していてもよい。装着方向表示部は、例えば、タイヤのサイドウォール部に付されたマークや凹凸によって構成される。例えば、ECER30(欧州経済委員会規則第30条)が、車両に装着した際に車幅方向外側となるサイドウォール部に装着方向表示部を設けることを義務付けている。
車両に装着した際に車両に対して内側となる側と外側となる側とで、上記の比L1/L2の値が異なっていてもよい。同様に、車両に装着した際に車両に対して内側となる側と外側となる側とで、上記の比Fh/SHの値が異なっていてもよい。同様に、車両に装着した際に車両に対して内側となる側と外側となる側とで、上記の比Fmw/Fbwの値が異なっていてもよい。同様に、車両に装着した際に車両に対して内側となる側と外側となる側とで、上記の比D/SHの値が異なっていてもよい。同様に、車両に装着した際に車両に対して内側となる側と外側となる側とで、上記の比K2/K1の値が異なっていてもよい。
[実施例]
表1から表5は、本発明にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す表である。この性能試験では、相互に異なる空気入りタイヤについて、本実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、耐久性能、軽量化および操縦安定性能(ドライ操縦安定性能)に関する評価が行われた。これらの性能試験では、タイヤサイズ185/60R15 84H(タイヤ断面高さSH=111mm)の空気入りタイヤ(試験タイヤ)を、15×6.0Jの正規リムに組み付け、正規内圧(240kPa)を充填した。
耐久性能の評価は、恒温槽および室内でのドラム走行試験によって行った。評価タイヤを80℃の恒温槽に1ケ月間放置した後、荷重を2名乗車相当とし、速度を50km/hの条件でタイヤが破壊するまでの走行時間を測定し、従来例1の空気入りタイヤを基準(100)とした指数で表した。この指数が高いほど耐久性能に優れていることを示す。
軽量化の評価は、正規リムに組み付けた試験タイヤの重量を計測し、後述する従来例1の空気入りタイヤの重量を基準(100)とした指数で表した。この指数が高いほど軽量化を実現できていることを示す。
操縦安定性能の評価は、試験タイヤを、排気量1500ccでFF(Front Engine Front Drive)の小型自動車(試験車両)に装着し、試験車両にて乾燥路面のテストコースを走行し、直進性およびハンドリングについて、熟練のテストドライバー1名による官能評価によって行った。この官能評価は、従来例1の空気入りタイヤを基準(100)とした指数で表した。この指数が高いほど操縦安定性能が優れていることを示す。
実施例1から実施例38の空気入りタイヤは、タイゴム層がカーカス層とインナーライナー層との間であって、ビード部の先端を除く領域に配置され、比L1/L2が0.25以上0.90以下、比Fh/SHが0.20以上0.45以下、比Fmw/Fbwが0.4以上0.8以下である空気入りタイヤである。
従来例1の空気入りタイヤは、タイゴム層がカーカス層とインナーライナー層との間の全域に設けられており、老化防止剤を含まない。また、従来例2の空気入りタイヤは、タイゴム層がカーカス層とインナーライナー層との間のセンター部およびビード部に設けられず、ショルダー部のみに設けられており、老化防止剤を含まない。
これらの空気入りタイヤについて、上記の評価方法により、耐久性能、軽量化および操縦安定性能を評価し、その結果を表1から表5に併せて示した。
表1から表5に示すように、インナーライナー層の厚さと前記タイゴム層の厚さとの和であるトータルゲージTGaが0.6mm以上1.3mm以下である場合、比D/SHが-0.2以上0.2以下である場合、タイゴム層のタイヤ径方向の最も内側の端からタイヤ径方向に沿ってタイヤ径方向内側に5mmの位置において、比K2/K1が0.05以上0.30以下である場合、トレッド部に使用されるキャップゴムの硬度が60以上75以下である場合、ベルト層の補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が24度以上32度以下である場合、トレッド部に使用されるゴムコンパウンドが老化防止剤を1重量部以上含む場合に、耐久性能、軽量化および操縦安定性能について良好な結果が得られた。
Figure 0007315818000001
Figure 0007315818000002
Figure 0007315818000003
Figure 0007315818000004
Figure 0007315818000005
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
6T 端
7 ベルト層
8 ベルトカバー層
9 インナーライナー層
10 タイゴム層
10T1 端
CL タイヤ赤道面

Claims (6)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、前記一対のサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部と、前記一対のビード部間に装架されたカーカス層と、前記一対のビード部の各ビードコアの位置で前記カーカス層がタイヤ幅方向外側に折り返されることにより形成された空間において、前記各ビードコアのタイヤ径方向外側に配置されたビードフィラーと、前記トレッド部における該カーカス層の外周側に配置されたベルト層と、前記カーカス層に沿ってタイヤ内面に配置されたインナーライナー層と、前記カーカス層と前記インナーライナー層との間であって、前記ビード部のタイヤの径方向内側の位置である先端を除く領域に配置されたタイゴム層と、を有する空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルト層のタイヤ幅方向最外側端部から前記インナーライナー層に向けて引いた垂線Pに対する前記タイゴム層の前記ビード部に向かう側への突出量L1の、前記垂線Pとタイヤ内表面との交点Aからビードトウの先端点Bまでのタイヤ内面に沿ったペリフェリ長さL2に対する比L1/L2が0.25以上0.90以下であり、
    タイヤ断面高さSHに対する、タイヤのリムへの着座位置から前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側までの高さFhの比Fh/SHが0.20以上0.45以下であり、
    前記ビードフィラーのタイヤ径方向の最も内側位置のタイヤ幅方向の幅Fbwに対する、前記ビードフィラーのタイヤ径方向の高さFhの中間の高さの位置の前記ビードフィラーのタイヤ幅方向の幅Fmwの比Fmw/Fbwが0.4以上0.8以下であり、
    前記インナーライナー層の厚さと前記タイゴム層の厚さとの和であるトータルゲージTGaは、0.6mm以上1.0mm以下である空気入りタイヤ。
  2. 前記タイゴム層のタイヤ径方向の最も内側の端と前記ビードフィラーのタイヤ径方向の最も外側の端との距離Dの、前記タイヤ断面高さSHに対する比D/SHが-0.2以上0.2以下である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記タイゴム層のタイヤ径方向の最も内側の端からタイヤ径方向に沿ってタイヤ径方向内側に5mmの位置において、タイヤ最大幅位置の前記サイドウォール部の総厚さK1に対する、前記インナーライナー層を構成するブチルゴムの厚さK2の比K2/K1は、0.05以上0.30以下である請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド部に使用されるキャップゴムの硬度は、60以上75以下である請求項1から請求項のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ベルト層は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、前記補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が24度以上32度以下である請求項1から請求項のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記トレッド部に使用されるゴムコンパウンドは、老化防止剤を1重量部以上含む請求項1から請求項のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
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