JP7313860B2 - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ジェランガム、電解質、油剤を含有する水中油型化粧料が、安定性に優れ、肌なじみや滑らかな伸びの使用感にも優れることが記載されている。また、特許文献2には、寒天、アクリル酸アミド系水溶性増粘剤、油剤を含有する水中油型乳化固形化粧料が、みずみずしく清涼感のある使用性で、肌への密着性が高く滑らかな使用感であることが記載されている。
(A)トリメチルシロキシケイ酸 0.05~20質量%、
(B)ポリアクリルアミド化合物 0.1~5質量%、
(C)疎水化処理された着色顔料 0.05~30質量%、
(D)体積平均粒子径1~30μmの球状粉体 0.05~30質量%
を含有する水中油型乳化化粧料に関する。
また、トリメチルシロキシケイ酸は、色ムラに対するカバー力を向上させる観点から、重量平均分子量が1000~10000のものが好ましく、2000~9000のものがより好ましく、3000~6000のものがさらに好ましい。
また、成分(A)としては、固体の状態でも、溶剤に溶解した状態でも使用することができる。溶剤に溶解した状態で使用する場合、溶剤としては、シリコーン油、炭化水素油が挙げられ、色ムラに対するカバー力を向上させる観点から、メチルトリメチコン、ジメチルポリシロキサン(2cs)、ジメチルポリシロキサン(6cs)、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、イソドデカンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、メチルトリメチコン、ジメチルポリシロキサン(2cs)、デカメチルシクロペンタシロキサンから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ジメチルポリシロキサン(2cs)、デカメチルシクロペンタシロキサンから選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンがよりさらに好ましい。
成分(B)のポリアクリルアミド化合物としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、
ポリアクリルアミド、
アクリルアミドとアクリル酸(塩)との共重合体、
アクリル酸(塩)とアクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体、
アクリル酸ヒドロキシアルキルとアクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体、
アクリル酸(塩)と、アクリル酸アミドと、アクリル酸(塩)と、アクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体、
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(塩)と、N,N-ジメチルアクリルアミドと、ラウリルメタクリレートと、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(4EO)との共重合体等が挙げられる。
アクリルアミドとアクリル酸(塩)との共重合体としては、アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマーが挙げられ、具体的には、SEPIPLUS 265(SEPPIC社製)等が挙げられる。
アクリル酸ヒドロキシアルキルとアクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体としては、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーが挙げられ、具体的には、SIMULGEL FL、SIMULGEL NS、SEPIPLUS S、SEPINOV EMT 10(以上、SEPPIC社製)等が挙げられ;
アクリル酸(塩)と、アクリル酸アミドと、アクリル酸(塩)と、アクリロイルジメチルタウリン(塩)との共重合体としては、ポリアクリレート-13が挙げられ、具体的には、SEPIPLUS 400(SEPPIC社製)等が挙げられ;
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(塩)と、N,N-ジメチルアクリルアミドと、ラウリルメタクリレートと、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(4EO)の共重合体としては、ポリアクリレートクロスポリマー6が挙げられ、具体的には、SEPIMAX ZEN(SEPPIC社製)が挙げられる。
着色顔料としては、通常の化粧料に用いられるもので、例えば、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物、マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体、更にカーボンブラック等の無機顔料;タール系色素、レーキ顔料等の有機顔料、カルミン等の天然色素などが挙げられる。
着色顔料としては、肌をきれいなメイクアップ効果で仕上げる観点から、酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのが好ましく、酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラから選ばれる少なくとも1種又は2種以上を含むのがさらに好ましい。
疎水化処理としては、色ムラに対するカバー力を向上させる観点から、シリコーン処理、N-アシルアミノ酸処理が好ましく、シリコーン処理がより好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理がさらに好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、アルキルアルコキシシラン処理がよりさらに好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理が一層好ましい。なお、疎水化処理された着色顔料を用いる場合、成分(C)の含有量は、疎水化処理した剤を含めての質量を意味する。
成分(D)の球状粉体は、体積平均粒子径1~30μmのものであり、なめらかな仕上がりを向上させる観点から、体積平均粒子径1.5~20μmが好ましく、2~10μmがより好ましい。その形状は、真球、略球状、回転楕円体を含み、表面に凹凸がある球状粉体等であっても良い。
本発明において、体積平均粒子径は、レーザー回折散乱粒度分布測定器(セイシン企業社製、LMS-350)により測定される。また、本発明において、体積平均粒子径とは、体積基準の平均粒子径であり、50%メジアン径とする。
かかる球状粉体としては、例えば、球状シリカ、球状アルミナ、球状チタニア等の無機球状粉体;ポリメチルシルセスキオキサン等の球状シリコーン樹脂、球状ポリアミド樹脂、球状ポリメタクリル酸メチル樹脂、球状ポリウレタン樹脂、球状ポリエチレン樹脂、球状ポリスチレン樹脂、球状セルロース樹脂、球状ポリ乳酸樹脂等の有機球状粉体;更に、体質顔料や着色顔料等を通常の方法により球状に造粒したものなどが挙げられる。
これらの球状粉体のうち、粉っぽさを低減し、なめらかな仕上がり、色ムラに対するカバー力を向上させる観点から、球状シリカ、球状シリコーン樹脂、球状ポリアミド樹脂、球状ポリメタクリル酸メチル樹脂、球状セルロース樹脂、球状ポリ乳酸樹脂が好ましく、球状シリカ、球状シリコーン樹脂、球状セルロース樹脂、球状ポリ乳酸樹脂がより好ましく、球状シリコーン樹脂がさらに好ましく、ポリメチルシルセスキオキサンがよりさらに好ましい。
ここで、板状とは、形状が狭義の板状の他、薄片状、鱗状等の形状の粉体も含まれる。
成分(E)の板状粉体は、なめらかな仕上がり、色ムラに対するカバー力を向上させる観点から、体積平均粒子径8~60μmであるのが好ましく、10~30μmがより好ましく、アスペクト比10~80が好ましく、15~70がより好ましい。
体積平均粒子径は、成分(D)と同様の方法で測定される。
また、アスペクト比は、体積平均粒子径と粒子の平均厚さとの比により計算されるものであり、アスペクト比=(体積平均粒子径/平均厚さ)で定義される。
なお、粒子の平均厚さは、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡により観察して測定した10~50個の母粒子の厚さを数平均して求められる。
成分(E)として、タルクとしては、例えば、タルク JA-46R(体積平均粒子9μm、アスペクト比50)(浅田製粉社製)等の市販品を用いることができ、合成金雲母としては、例えば、PDM-1000(体積平均粒子径12μm、アスペクト比20)、PDM-40L(体積平均粒子径40μm、アスペクト比80)、PDM-10L(体積平均粒子径12μm、アスペクト比60)(以上、トピー工業社製)等の市販品を用いることができ、板状ガラス末としては、シルキーフレークFTD010FY-F01(体積平均粒子径10μm、アスペクト比25)、シルキーフレークFTD025FY-F02(体積平均粒子径25μm、アスペクト比62.5)(以上、日本板硝子社製)等の市販品を用いることができる。
なお、成分(E)を疎水化処理した場合、成分(E)の含有量、体積平均粒子径、粒子の厚さは、疎水化処理した剤を含めての含有量、体積平均粒子径、粒子の厚さを意味する。
非イオン性界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロースエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルサッカライド、α-モノアルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。
これらのうち、安定な水中油型乳化化粧料を得る観点から、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
ここで、HLB(親水性-親油性のバランス〈Hydrophilic-Lipophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、非イオン界面活性剤については、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
2種以上の非イオン界面活性剤から構成される混合界面活性剤のHLBは、各非イオン界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。したがって、個々の非イオン性界面活性剤のHLB値が6未満であっても、混合HLBが前記範囲内であれば、本発明における、HLBが6以上20以下の非イオン性界面活性剤である。
HLBxは、非イオン界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン界面活性剤Xの重量(g)を示す。
25℃で液状とは、25℃で流動性を有することをいう。また、揮発性とは、35~100℃の引火点を有するものである。
揮発性油としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、シリコーン油、炭化水素油、エーテル油等が挙げられる。
炭化水素油としては、イソドデカン、イソトリデカン、イソヘキサデカン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン等が挙げられ、エーテル油としては、エチルパーフルオロブチルエーテル等が挙げられる。
また、本発明の水中油型乳化化粧料は、化粧下地、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、コンシーラー、ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料;日やけ止め乳液、日焼け止めクリーム等の紫外線防御化粧料;スキンケア乳液、スキンケアクリーム、BBクリーム、美容液等のスキンケア化粧料などとして適用することができる。
なかでも、メイクアップ化粧料が好ましく、化粧下地、リキッドファンデーション、クリームファンデーションがより好ましい。
本発明により得られる水中油型乳化化粧料は、単品のみの使用においても、リキッドファンデーションやパウダーファンデーション・白粉等の粉体化粧料の重ね付けにおいても使用することができる。
表1に示す組成の水中油型乳化化粧料(リッキッドファンデーション)を製造し、鱗屑のある肌において、粉っぽくない仕上がり、色ムラに対するカバー力及びなめらかな仕上がりを評価した。結果を表1に併せて示す。
粉体相成分を混合粉砕し、別途60℃で混合した油相成分に添加してディスパーで分散し、25℃まで冷却した。その後、水相成分をホモミキサーで攪拌し、別途調製した粉体相含有の油相成分を添加し、ホモミキサーで撹拌することにより、水中油型乳化化粧料を得た。
(1)粉っぽくない仕上がり:
肌に鱗屑があり、肌が荒れている女性パネラー1名が、スポンジを用いて各水中油型乳化化粧料を肌に0.01g/30cm2 塗布した。女性パネラーの塗布後の肌の粉っぽくない仕上がりについて、専門評価者5名が、下記の5段階で目視評価し、結果を5名の合計点で示した。
5;粉っぽさが全くない。
4;粉っぽさがほとんどない。
3;粉っぽさがあまりない。
2;粉っぽさがある。
1;粉っぽさがかなりある。
肌に鱗屑があり、肌が荒れている女性パネラー1名が、スポンジを用いて各水中油型乳化化粧料を肌に0.01g/30cm2 塗布した。女性パネラーの塗布後の肌の色ムラに対するカバー力について、専門評価者5名が、下記の5段階で目視評価し、結果を5名の合計点で示した。
5;色ムラが全く目立たない。
4;色ムラがほとんど目立たない。
3;色ムラがあまり目立たない。
2;色ムラがやや目立つ。
1;色ムラが非常に目立つ。
肌に鱗屑があり、肌が荒れている女性パネラー1名が、スポンジを用いて各水中油型乳化化粧料を肌に0.01g/30cm2 塗布した。女性パネラーの塗布後の肌のなめらかな仕上がり(ファンデーションの塗布状態)について、専門評価者5名が、下記の5段階で目視評価し、結果を5名の合計点で示した。なお、なめらかな仕上がりとは、水中油型乳化化粧料を塗布しても、鱗屑部分が目立たずに、肌がなめらかに見えることを示す。
5;塗布後の肌が非常になめらかである。
4;塗布後の肌がなめらかである。
3;塗布後の肌がややなめらかである。
2;塗布後の肌があまりなめらかでない。
1;塗布後の肌が明らかになめらかでない。
表2に示す組成の水中油型乳化化粧料(リッキッドファンデーション)を、実施例と同様にして製造した。得られた水中油型乳化化粧料は、鱗屑のある肌においても、粉っぽくならず、なめらかな仕上がりで、色ムラに対するカバー力に優れたものである。
Claims (5)
- 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(F):
(A)トリメチルシロキシケイ酸 0.05~20質量%、
(B)ポリアクリルアミド化合物 0.1~5質量%、
(C)疎水化処理された着色顔料 0.05~30質量%、
(D)球状シリカ、球状シリコーン樹脂、球状セルロース樹脂、球状ポリ乳酸樹脂から選ばれる、体積平均粒子径1~30μmの球状粉体 0.05~30質量%、
(F)非イオン性界面活性剤 0.01~10質量%
を含有し、
成分(C)の着色顔料が、酸化チタン、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラから選ばれる少なくとも1種又は2種以上であり、
成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)が、0.1~40である
水中油型乳化化粧料。 - 成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)が、0.01~10である請求項1記載の水中油型乳化化粧料。
- 成分(C)の疎水化処理が、シリコーン処理である請求項1又は2記載の水中油型乳化化粧料。
- 成分(B)が、アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩との共重合体を含む請求項1~3のいずれか1項記載の水中油型乳化化粧料。
- メイクアップ化粧料である請求項1~4のいずれか1項記載の水中油型乳化化粧料。
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