JP7311899B2 - 質問応答システム、質問受付回答システム、第1次回答システム、及びそれらを用いた質問応答方法 - Google Patents
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Description
また、エンドユーザが質問のために用いる端末装置を「質問端末」と称し、質問端末から質問応答システムにアクセスする際に経由する質問受付ページのプラットフォームとなるシステム利用者のシステムを「利用者システム」と称する。さらに、システム利用者として自社で利用している質問応答システムのログ情報の取得分析、メンテナンス等を行うシステム管理者を「利用者のシステム管理者」と称し、システム提供者としてシステム全体の運用、メンテナンス、システムの改善等の管理全般を行う者を、単に「システム管理者」と称する。
また、特許文献2には、ユーザからの要求を自然言語で記述した入力文を解析し、入力要求内容が事前に定義されている要求内容に該当するかどうかを判別する要求内容識別システムが開示されている。
そのため、質問応答システムの導入にあたっては、膨大な知識データの収集及び運用開始前の機械学習に、多くの時間と手間と膨大なコストが必要であった。さらに、システムの運用開始後においても人工知能の知識更新のための機械学習やシステムのメンテナンスに多くの時間とコストが必要であり、人工知能等を利用する質問応答システムの運用管理には、人工知能に関する専門知識有する人材の確保が必要であった。
また、従来の人工知能を使った質問応答システムでは、システムを実際に運用しながら質問に対する具体的な回答内容を適宜柔軟に変更する簡単な仕組みがないために、質問応答システムを各システム利用者の要望に合わせて柔軟に進化させていくことが困難だった。
また本発明の他の目的は、簡単な構成で多種類の言語による質問を受け付け、質問の言語に応じて所定の回答言語により質問端末に対して最終回答を提供することができる簡単な構成の質問応答システム、同質問応答システムを構成する質問受付回答システム、第1次回答システム、及びそれらを用いた質問応答方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明の他の目的は、複数の利用者で共有でき、導入コストを下げることができる人工知能を利用した質問応答システム、同質問応答システムを構成する質問受付回答システム、第1次回答システム、並びにそれらを用いた質問応答方法を提供することを目的とする。
前記第1次回答システムは、
前記質問受付回答システムからの前記質問に対する前記第1次回答の返信要求を受け付けて、前記人工知能に前記質問受付回答システムから受信した前記質問を入力し、前記人工知能からの前記質問に対する第1次回答を前記質問受付回答システムに対して送信するインターフェース手段と、
複数の想定質問と、該想定質問に対応する第1次回答として所定の識別子とを機械学習することにより、前記質問受付回答システムからの要求に応じて、該質問受付回答システムからの質問に対する第1次回答を前記識別子として出力する人工知能とを、備え、
前記質問受付回答システムは、
前記質問端末からの質問を受け付ける受付手段と、
前記質問受付手段により受け付けた前記質問を前記第1次回答システムに送信して前記第1次回答を要求し、前記第1次回答システムからの前記第1次回答を受け取る第1次回答問合手段と、
前記人工知能により機械学習した前記識別子と1:1に紐付して、該識別子に対応する最終回答候補を記憶している最終回答記憶部と、
前記第1次回答システムから受信した前記第1次回答に基づいて、前記最終回答記憶部から前記第1次回答の前記識別子に対応する前記最終回答候補を読み出して、読み出した該最終回答候補に基づいて前記質問端末に対して最終回答を返信する最終回答手段と
を備えることを特徴とする。
前記質問端末からの質問を受け付ける質問受付手段と、
前記質問受付手段により受け付けた前記質問を前記第1次回答システムに送信して前記第1次回答を要求し、前記第1次回答システムからの前記第1次回答を受け取る第1次回答問合手段と、
前記第1次回答システムにおいて機械学習した前記識別子と1:1に紐付けして、該識別子に対応する最終回答候補を記憶している最終回答記憶部と、
前記第1次回答システムから受信した前記第1次回答に基づいて、前記最終回答記憶部から前記第1次回答の前記識別子と対応する前記最終回答候補を読み出して、読み出した該最終回答候補に基づいて前記質問端末に対して最終回答を返信する最終回答手段と、
を備えることを特徴とする。
この態様に係る発明は、上述した、質問受付回答システムと第1次回答システムを組み合わせた質問受付回答システムを構成するサブコンビネーション発明である。
固有属性情報としては、利用者システムの識別情報、質問の言語の種類を示す言語情報などが含まれる。利用者システムの識別情報は、質問を受け付ける際に通信経路情報や、通信経路において利用者システムから付加される情報に基づいて取得可能である。質問の言語情報は、質問入力の際に指定するように構成しても、質問端末のOSや質問応答のためのアプリケーション等の言語指定情報から入手する等、周知技術により取得することができる。
前記最終回答記憶部は前記各最終回答候補として、前記各識別子に紐付して記憶される最終回答のベースとなる基本回答、又は、必要に応じて前記各識別子及び前記利用者システムの識別情報に紐付して記憶され前記各基本回答と内容の異なる固有回答とを記憶しており、
前記最終回答手段は前記第1次回答の前記識別子及び前記質問に対応する前記利用者システムの識別情報に基づいて、前記最終回答記憶部から、前記基本回答又は前記固有回答を読み出して、読み出した前記基本回答または前記固有回答を最終回答として前記質問端末に送信することを特徴とする。
利用者システムの識別情報は、上述した通り、質問が質問受付回答システムに届くまでに経由した通信経路情報又は通信過程で付与される情報から前記利用者システムの識別情報を固有属性情報として取得することが可能である。
第1次回答システムの人工知能に、共通属性を有する言語の異なる複数の想定質問の回答を、同じ一つの第1次回答を出力するように機械学習させることにより、共通属性を有する言語の異なる質問に対して、同じ第1次回答が出力される。最終回答候補は、第1次回答に紐付して記憶されているので、第1次回答が同じであれば、質問の言語が異っても、同じ最終回答が質問端末に送信されることになる。最終回答の回答言語は、質問の言語に無関係に同じすべて同じ言語の最終回答を返信するようにしても、質問言語が外国語のときには、英語の最終回答を返信するようにしても、さらに、質問言語と同じ回答言語の最終回答を返信するように構成しても良い。
ここで、「異なる言語からなる共通属性を有する複数の想定質問」には、言語が異なる実質的に同じ意味の想定質問を含んでいる。
前記最終回答手段は、取得した前記質問言語情報に基づいて前記質問に対応する前記回答言語の情報を取得して、取得した前記第1次回答の識別子と、前記回答言語の情報に基づいて、前記質問に対応する前記回答言語からなる前記最終回答候補を読み出して、前記質問に対応する最終回答として、前記質問言語に対応する前記回答言語の最終回答を返信することを特徴とする。
この構成により、質問の言語が外国語の場合には、回答言語を英語その他の言語にすることや、質問言語と同じ回答言語で最終回答を返信することが可能となる。
この構成により、第1次回答システム及び質問応答システムを容易にメンテナンスすることが可能となる。特に質問応答システムのメンテナンスについては、人工知能の知識は不要であり、最終回答候補である基本回答や、固有回答を変更することにより、簡単にシステムの改善を行うことが可能となる。
また、前記メンテナンス手段により、前記最終回答記憶部に記憶する前記最終回答候補、前記基本回答、又は前記固有回答の内容を、権限に応じて、前記第1次回答システムの前記想定質問に制限されることなく、追加、修正、変更、削除などの更新ができるように構成することもできる。
前記質問受付回答システムからの質問及び前記第1次回答の要求を受け付けて、前記人工知能に前記質問を入力し、前記人工知能からの前記質問に対する第1次回答を前記質問受付回答システムに対して送信するインターフェース手段と、
異なる言語による多数の想定質問と、該多数の想定質問を、言語に関係なく共通属性を有する複数の前記想定質問を一つのグループとする複数の質問グループとして、該各質問グループのそれぞれと1:1に対応する各識別子を、前記個々の質問グループに属する前記複数の想定質問に共通の第1次回答として機械学習しており、前記質問受付回答システムから質問を受けたときに、該質問に対する前記第1次回答を前記識別子として前記インターフェース手段に出力する人工知能と、を備えることを特徴とする。
この構成によると、第1次回答システムに対して、質問言語が異なっていても共通属性を有する想定質問については、共通の一つの第1次回答(識別子)を出力するように機械学習させることにより、質問の言語が異なっても共通属性を有する質問に対しては同じ識別番号が第1次回答として出力される。したがって、質問言語が異なっても、同じ最終回答を質問端末に返信することができる。母国語以外の言語で正確な質問文書を作成することは比較的難易度が高いので、質問だけでも母国語で質問できると正確な質問が可能となり、正確な回答を得ることが可能となる。一方、一般的に、文書読解能力は文書作成能力に比べて高いので、回答言語は母国語でなくても理解できる可能性が高い。
また、最終回答する際の回答言語を質問の言語に応じて予め決めておき、回答言語ごとの最終回答候補を記憶しておくことにより、質問の言語情報に応じて、所定の回答言語で最終回答を返信するように構成することも可能である。
(a) 前記質問受付回答システムにおいて、質問端末からの質問を受け付けて、該質問を第1次回答システムに送信するステップと、
(b) 前記第1次回答システムにおいて、前記質問受付回答システムからの前記質問を受け付けて、該質問を、前記人工知能に入力して該入力した質問に対する前記第1次回答を前記識別子として出力し、前記人工知能から出力された前記第1次回答の識別子を前記質問受付回答システムに送信するステップと、
(c)前記質問受付回答システムにおいて、 前記第1次回答システムから前記第1次回答として前記識別子を受信したときに、前記人工知能が機械学習している前記識別子に紐付けして最終回答候補を記憶している最終回答記憶部から、受信した前記識別子に対応する前記最終回答候補を読み出して、該読み出した最終回答候補を最終回答として前記質問端末に対して返信するステップと、
を備えることを特徴とする。
(a1) 前記質問受付回答システムにおいて、質問端末からの質問を受け付けて、該質問を前記第1次回答システムに送信するステップと、
(b1) 前記第1次回答システムから前記第1次回答として前記識別子を受信したときに、前記人工知能が機械学習している前記識別子に紐付けして最終回答候補を記憶している最終回答記憶部から、受信した前記識別子に対応する前記最終回答候補を読み出して、該読み出した最終回答候補を最終回答として前記質問端末に対して返信するステップと、
を備えことを特徴とする。
(a-1) 質問端末から質問を受け付けるステップと、
(a-2) 前記質問に付随する該質問の固有属性情報を取得して記憶するステップと、
(a-3) 前記質問を前記第1次回答システムに送信するステップと、
を備え、
前記ステップ(c)または(b1)は、
(c-1) 前記第1次回答システムから前記第1次回答として前記識別子を受信するステップと、
(c-2) 前記ステップ(a-1)で記憶した固有属性情報から、利用者システムの識別情報を取得するステップと、
(c-3) 前記識別子に対応する最終回答候補を基本回答と利用者特有の固有回答とに分けて記憶している回答記憶部から、前記第1次回答の識別子と前記利用者システムの識別情報に基づいて、対応する前記基本回答または前記固有回答を読み出すステップと、
(c-4) 前記読み出した前記基本回答または前記固有回答を前記質問端末に返信するステップと、
を備えることを特徴とする。
(a) 前記質問受付回答システムにおいて、 質問端末からの質問を受け付けて、前記質問に付随する該質問の固有属性情報から前記質問の言語情報を取得して記憶し、前記質問および前記第1次回答システムが前記質問の言語情報を必要とする場合には、前記質問の言語情報を合わせて前記質問を前記第1次回答システムに送信するステップと、
(b) 前記第1次回答システムにおいて、前記質問受付回答システムからの前記質問を受け付けて、該質問を、前記人工知能に入力して該入力した質問に対する前記第1次回答を前記識別子として出力し、前記人工知能から出力された前記第1次回答の識別子を前記質問受付回答システムに送信するステップと、
(c)前記質問受付回答システムにおいて、 前記第1次回答システムから前記第1次回答として前記識別子を受信したときに、前記人工知能が機械学習している前記識別子に紐付けして最終回答候補を記憶している回答記憶部から、受信した前記識別子に対応する前記最終回答候補を読み出して、該読み出した最終回答候補を最終回答として前記質問端末に対して返信するステップと、
を備えることを特徴とする。
ここで、「異なる言語からなる共通属性を有する複数の想定質問」には、言語が異なる実質的に同じ意味の想定質問を含んでいる。
(a1) 前記質問受付回答システムにおいて、 前記質問端末からの質問を受け付けて、 前記質問に付随する該質問の固有属性情報から前記質問の言語情報を取得して記憶し、前記質問および前記第1次回答システムが前記質問の言語情報を必要とする場合には、前記質問の言語情報を合わせて前記第1次回答システムに送信するステップと、
(b1) 前記第1次回答システムから前記第1次回答として前記識別子を受信したときに、前記人工知能が機械学習している前記識別子に紐付けして最終回答候補を記憶している最終回答記憶部から、受信した前記識別子に対応する前記最終回答候補を読み出して、該読み出した最終回答候補を最終回答として前記質問端末に対して返信するステップと、
を備えることを特徴とする。
本発明は、請求項16に係る発明のサブコンビネーション発明である。ここで、「異なる言語からなる共通属性を有する複数の想定質問」には、言語が異なる実質的に同じ意味の想定質問を含んでいる。
(c-1) 前記第1次回答システムから前記第1次回答として前記識別子を受信するステップと、
(c-2) 前記ステップ(a)又は(a1)で記憶した前記言語情報などを基にした回答言語の確定ルールに従って決定された回答言語情報を取得するステップと、
(c-3) 機械学習した前記識別子と前記回答言語情報とに紐付されて、前記回答言語情報で指定された回答言語より最終回答記憶部に記憶している最終回答候補を、前記第1次回答として受信した前記識別子と取得した前記回答言語情報に対応する前記最終回答候補を読み出すステップと、
(c-4) 前記読み出した前記回答言語による最終回答候補を、最終回答として前記質問端末に返信するステップと、
を備えることを特徴とする。
(a) 一つの質問グループ中に言語に関係なく共通属性を有する複数の想定質問を含む複数の前記質問グループを構成する多数の想定質問と、前記複数の各質問グループと1:1で対応する識別子を前記各想定質問の第1次回答として前記人工知能に機械学習させるステップと、
(b) 前記質問受付回答システムから受け取った質問を前記人工知能に入力して、該人工知能から第1次回答として前記識別子を出力するステップと、
(c) 前記第1次回答として出力された前記識別子を、前記質問に対する第1次回答として前記質問受付回答システムに送信するステップと、
を備えることを特徴とする
前記ステップ(a)において、前記各質問グループに含まれる共通属性を備える前記複数の想定質問は、実質的に同じ意味であって言語が異なる想定質問を含むように構成することが好ましい。
本発明は、請求項16に係る発明のサブコンビネーション発明である。
第1次回答システム30は、質問を受け付け人工知能からの回答を返信するインターフェース手段と、想定質問と回答とを機械学習することにより、第1次回答を識別子として出力する人工知能とを備えているコンピュータシステムである。
これに対して、本発明の質問応答システム25では、質問受付回答システム10と、人工知能を備える第1次回答システム30を明確に分離した構成として、第1次回答システム30による第1次回答と、実際に返信する最終回答とを切り離している。これにより、人工知能を備える第1次回答システム30と、最終回答を返信する質問受付回答システム10を切り離して別々に改善し進化させることができる。すなわち本発明に係る質問応答システム25は、人工知能を機械学習させることによりシステムを改善進化させることができるのに加えて、質問応答ログ等の解析に基づいて、質問応答システム25の最終回答候補の内容を適宜、追加し変更することにより、質問に対してより適切な回答ができるように質問応答システム25を進化改善させていくことが可能となる。
従来の人工知能に対しては、複数の想定質問と想定質問に対する回答とを機械学習(教師有り学習)させる。市役所における質問応答システムの例を用いて説明すると、一般的には、例えば、「税金を納めるには、どこへいったら良いでしょうか」または「税金の支払はどの窓口でしょうか」というような質問に対しては、「2階の3番窓口が税金関係の窓口です」というような回答を出力するように機械学習させる。しかし、本発明の第1次回答システム30では、想定質問の具体的な回答ではなく特定の識別子を第1次回答として出力するように機械学習する。ここで識別子の形態は、第1次回答を特定できる固有の識別子であればどのようなものでも良いが、個々の第1次回答を特定できる範囲で、短く簡単な構成が望ましい。本明細書では「100」のような単純な3桁の数字の識別子を出力するものとして説明する。
質問受付回答システム10から質問を受けとると、第1次回答システム30は、人工知能による質問に対する第1次回答として、回答確信度とともに所定の識別子を質問受付回答システムに返信する。
例えば、質問端末90から送信される質問の固有属性情報に基づいて、システム利用者を特定する情報(識別番号等)を取得し、最終回答記憶部18から、第1次回答システム30から受信した第1次回答(識別子)とシステム利用者の識別番号に紐付されている「基本回答又は固有回答」を読み出す。これにより、第1次回答が同じ識別子であっても、システム利用者の識別番号に対応する固有回答を読み出して、システム利用者毎に異なる最終回答を返信することができる。
例えば、専門分野や特定業種の特定分野に絞り込むことにより、質問の予測や求められる回答が比較的明確となるので、想定質問の数を少なくして第1次回答システム30に機械学習させ、質問受付回答システムの最終回答候補には人工知能に機械学習させていない質問に対応する回答内容を含ませることが可能となる。これにより、機械学習想定質問の数及び第1次回答の数を抑制しつつ、最終回答の質を向上させることが可能となる。すなわち、導入時の負荷を大幅に軽減できるので、導入コスト及び運用開始までの時間を短縮することが可能となる。
また、対象となる質問の範囲を、専門分野、特定業種と特定分野の質問に絞り込むことにより、想定質問の数を絞り込むことができる。専門分野や特定業種の特定分野に絞り込むことにより、質問の予測が比較的容易となるので、共通属性の種類の数を少なくすることができる。
一つ質問応答システム25の同業者による共同利用に関しては、前述したように、最終回答記憶部18に固有回答を記憶させ、質問の固有属性情報に基づいて利用業者毎に異なる最終回答を返信ができる構成とすることにより、利用者ごとの個性に応じた個別の最終回答が可能となるので、さらに好ましい共同利用形態を実現することが可能となる。
以上説明した「共通属性」、「想定質問」、「第1次回答」、「基本回答」、「固有回答」については、後ほど具体例を用いて、より詳しく説明する。
しかし、図2に一例として示すように、本発明に係る他の実施形態に係る質問応答システム25‘は、質問受付回答システム26と第1次回答システム27とを外部の通信ネットワークを介さずに、内部回線又は専用通信回線を介して接続しても良い。図2の構成では、質問受付回答システム26と第1次回答システム27が内部回線(専用回線等)により接続されている点が異なるのみで、質問受付回答システム26及び第1次回答システム27の基本的構成及び機能は、それぞれ図1の質問受付回答システム10及び第1次回答システム30と同じである。
質問受付回答システム10(26)は、基本構成として、送受信機能を有する通信インターフェース11と、外部からの質問を受け付ける受付手段12、質問端末90及び質問に関する情報を記億している稼働履歴記憶部13、第1次回答問合手段14、最終回答手段15とを備えている。また、メンテナンス手段16も備えることが望ましい。
第1次回答システム30(27)から第1次回答を受信すると、第1次回答問合手段14から最終回答手段15に第1次回答が送信される。最終回答手段15の最終回答制御部35は第1次回答を受信すると、固有属性情報取得部36を介して稼働履歴記憶部13に記憶している当該質問の固有属性情報を取得して、最終回答制御部35に送信する。最終回答制御部35は、第1次回答の識別子及び固有属性情報(システム利用者の情報等)に基づいて、最終回答取得部37に対して最終回答記憶部18(28)から第1次回答に対応する基本回答もしくは固有回答を取得するよう指令をする。最終回答取得部37により取得した基本回答、又は固有回答は最終回答送信部38に送られて、最終回答制御部35の制御の下、最終回答として通信インターフェース11を介して質問端末90に送信される。
分析手段22は、稼働履歴記憶部13に記憶されている質問、第1次回答、最終回答、回答確信度等の統計情報、例えばシステム利用者毎の質問と回答数、回答グループごとの質問と回答数、平均回答確信度、回答確信度が基準値以下の件数と比率など、各種統計データを作成する。これらの統計データは所定の権限を有する者のみがモニタリングすることができる。
システム管理端末50からは、第1次回答システム30(27)の知識データを機械学習させることにより更新することや、最終回答記憶部18(28)の最終回答候補の内容の更新をすることができる。例えば、質問に対する第1次回答の回答確信度が低いときには、新たな想定質問や第1次回答(識別子)を追加して第1次回答システム30(27)の人工知能機に機械学習をさせることができる。また、質問受付回答システムの最終回答記憶部に新たな識別子に対応する最終回答候補を作成することや、既に存在する基本回答や固有回答の追加・修正・変更等を行うことができる。初期設定手段21は、データ更新手段23にその機能を統合することも可能である。
これにより、人工知能に関する専門知識の有無にかかわらず、システム利用者(業者)が自ら最終回答記憶部18(28)の最終回答の内容の変更又は修正・追加等が可能となる。すなわち、システム利用者(業者等)は、システム提供者に依頼しなくとも、所定の許された範囲内で、通信ネットワークを介して接続されている利用者システム40の管理端末を用いて最終回答記憶部18に記憶されている最終回答(基本回答及び固有回答)を修正し、更新することができる。
質問端末90から質問q1を受信すると(ステップS1)、受付手段12は質問の固有属性情報及び質問内容等を稼働履歴記憶部13(他の記憶部であっても良い)に記憶するとともに(ステップS2)、第1次回答問合手段14から、質問q1の第1次回答を第1次回答システム30(27)に対して問い合わせる(ステップS3)。
その後、取得した最終回答候補が最終回答手段15から、質問のあった質問端末90に送信される(ステップS9)。
ところで、質問者は、自分がアクセスしたシステム利用者(業者A~Nのいずれか)に質問したと思っている。したがって、質問の内容によっては、質問端末90の質問を中継した業者A~Nの利用者システム40に応じて異なる回答を返す必要が生じる。例えば、営業時間の問い合わせに関する質問の場合には、質問を経由した業者毎に正しい営業時間を回答する必要がある。このような場合には、システム利用者の固有回答候補を用意しておき、稼働履歴記憶部13等に記憶している質問の固有属性情報に基づいてシステム利用者の識別番号を取得して、質問を経由したシステム利用者(業者A~N)に応じた固有回答を取得することにより、システム利用者ごとの営業時間を知らせる最終回答を返信する。
図6~図11の例において、業者とは本質問応答システムの利用を希望するシステム利用者のことであり、不動産取引に関する業務を行う業者である。図6~図11の例では、複数の業者(業者A~N)が質問応答システム25(25‘)の利用契約をしており、各業者A~Nの利用者システム40のそれぞれの質問ページを介して、質問応答システム25(25‘)にアクセスできるものとする。また、図6~9は、質問グループの具体例を示しており、図10及び図11では、最終回答記憶部18(28)に記憶される基本回答候補と固有回答候補の例を示している。
図6は、質問グループQ1~QNにおける各質問グループの共通属性の内容、及び各質問グループQ1~QNに1:1で対応する第1次回答の関係を例示する図である。以下の図においては、質問グループのことを適宜「質問群」として表示している。図6では、第1次回答は識別子101~NNNとしている。この識別子は第1次回答を特定できれば良く、表現形式は自由である。各質問グループQ1~QNは、グループ毎にそれぞれ共通属性という概念でまとめられた複数の想定質問を有しており、図7~図9に各質問グループQ1~QNのそれぞれに含まれる複数の想定質問の一部を具体例として示している。
この識別子は、後述する質問受付回答システム10又は26において最終回答を作成する際に使用される識別子と同じであり、後ほど図10及び図11を参照して説明する最終回答候補と紐付される識別子である。
図10,図11の利用者(業者)識別子の欄においては、システム利用者の識別子として「業者A」、「業者B」などと表示しているが、システム利用者(業者)を特定できる識別子であれば数字、文字、記号等自由に使用できる。なお、図10、図11では利用者を特定する情報を、システム利用者の識別子としているが、これは各利用者を特定する識別子であれば良く、「利用者システムの識別情報」であっても良い。
システム利用者(業者)の識別子は、質問毎に質問の固有属性から各質問におけるシステム利用者(業者)の識別子が割り出されて、各質問に対応する基本回答候補又は、対応する固有回答候補が最終回答記憶部18(28)から読みだされる。
このように複数の想定質問に幅広い質問の意味を持たせることにより、学習データの作成や人工知能の機械学習時間を1/10、1/100以下にすることが可能となり、人工知能を利用した質問応答サービスを非常に安いコストで効率よく提供することが可能となる。
このように、最終回答記憶部18(28)に記憶されている最終回答候補(基本回答候補及び固有回答候補)は、人工知能とは分離された記憶データであるため、人工知能に対する機械学習とは無関係にその内容を適宜変更し、又は追加することが可能である。したがって、最終回答記憶部18(28)に記憶している最終回答候補の変更又は追加等のメンテナンス作業には、人工知能に関する高度の専門知識は不要となる。但し、基本回答候補については、第1次回答システムの第1次回答と対応しており、最終回答のベースとなり各システム利用者に共通の回答内容であるので、システム利用者が変更できないように制限するのが好ましい。
また、同じデータやシステムを共有する業者が後から導入する場合においては、すでにデータおよびシステム環境の構築が完了している状態にあるので、極めて短期間で優れた質問応答システムを安心して導入できるという効果を有している。又、多くの利用者で質問応答システムを共同利用するため、短期間に1社では得られない多種多様な多くの質問を受けることができる。そのため、短い期間でより良いシステムに成長させていくことが可能となる。
そのために、システム利用者(業種)の業務を分析して複数の想定質問を作成し、全ての想定質問に対する回答を作成する。想定質問は、共通属性を有する複数の想定質問を一つの質問グループにまとめ、第1次回答は質問グループと1:1に対応する識別子とする。最終回答候補のうち、基本回答候補は一つの質問グループ内の複数の想定質問に関連する回答をすべて網羅する内容とする。また、固有属性情報を決めて、固有属性情報と紐付けする固有回答候補の範囲及び内容を決める。その際に、固有属性情報に言語情報を含めることもできる。その場合には、各種言語による想定質問と必要に応じて異なる最終回答候補を用意する。このような最終回答候補を、質問グループ毎に全ての質問グループについて作成する。
また、本質問応答システムは、複数のシステム利用者で共同利用が可能であるため、1社で利用するよりもはるかに多くの多種多様な質問を受けることができる。そのため、システム提供者による質問応答システム25(25‘)全体のメンテナンスの際に、多種多様な課題に対応すべくに想定質問及び基本回答候補が修正改善されて、質問応答システムの成長速度が速くなることが期待される。この質問応答システムの成長については、すべての共同利用者がこの恩恵を受けることができる。
システム利用者(業者)は、いずれかの通信ネットワークを介して質問応答システム25(25‘)に接続されているシステム利用者の管理端末を用いて、質問応答システム25(25’)のメンテナンス手段16(図3、図4参照)にアクセスして、当該システム利用者に対して質問のあったアクセスログ等の記録から、質問及び第1次回答の回答確信度の分布、平均回答確信度等その他の最終回答の状況を確認し、最終回答候補(基本回答及び固有回答)の内容の修正・変更・追加等を検討することができる。質問端末からの質問に対して適切な最終回答ができなかったケースや、最終回答をしているが第1次回答の回答確信度が低かったケースがある場合には、システム利用者(業者)自らが自己に与えられた権限の範囲内で、又はシステム管理者に依頼して、最終回答記憶部に記憶している最終回答候補を修正又は追加することができる。
メンテナンスを開始する場合(ステップS41)、まず、この稼働履歴へのアクセス権限があるかどうかが確認され(ステップS42)、アクセス権限がなければ本処理フローは終了する(ステップS42;No)。アクセス権限を有する場合には(ステップS42;Yes)、稼働履歴記憶部13に記憶されているシステム全体のアクセス状況、質問及び回答のログデータや、統計データなどの分析データを確認し、解析する(ステップS43)。
この図は、システム管理者に最終回答候補と機械学習の権限を分離して持たせている例であり、両方の権限を一つの権限でまかなっても良い。
(1)質問の内容がまったくの未知のもので、最終回答に該当するものがなかった場合には、第1次回答システム30(27)に質問と回答の識別子のペアを追加するとともに、最終回答記憶部18(28)に最終回答も追加する。このメンテナンスは、システム管理者が実施する。
(2)質問の内容が未知であったが、既存の最終回答に適切なものが存在している場合には、第1次回答システム30(27)に質問と既存の最終回答の識別子のペアを追加する。この場合もシステム管理者が実施する。
(1)質問の内容は既知であるが、最終回答の内容が妥当でない場合は、最終回答記憶部18(28)の最終回答のデータのみをシステム管理者が修正する。
(2) 共通の回答である基本回答を、関連する業者全部に共通して修正する必要がある場合には、最終回答記憶部18(28)の基本回答をシステム管理者が修正することができる。
(3)共通の回答である基本回答が、一部のシステム利用者(業者)の内容にそぐわない場合には、システム利用者(業者)のシステム管理者が自社の業者識別番号に対応する最終回答領域に基本回答をコピーして、基本回答の内容を修正することができる。この際、共通の回答には影響しない自社のみの最終回答を修正する場合には、業者の識別子ごとに追加・修正可能である。
(1)質問・回答回数の多い回答識別子が存在し、回答の範囲を狭めて質問グループと最終回答を分割した方が、より利用者の満足度が向上することが想定される場合には、現在一つに登録されている質問グループと最終回答を分割する。このメンテナンス処理は、システム管理者が実施する。
(2)質問に対する回答の長さが長くなり過ぎた場合も、質問回数が多い場合と同様に質問グループと最終回答を分割することが望ましい。このメンテナンス処理は、システム管理者が実施する。
上述した実施形態及び具体例においては、質問言語及び回答言語として日本語を用いた想定質問及び最終回答を例示して、本発明の質問応答システムを説明した。
本発明にかかる質問応答システム25(25‘)では、想定質問のグループ化と質問の固有属性情報を利用することにより、多種類の言語による質問に対応することが可能である。以下に、本発明に係る質問応答システム25(25‘)において、複数種類の言語による質問及び回答に対応する構成の一例を、想定質問及び最終回答候補の具体例を示して説明する。
特に、初めての相談や相談の初期段階では、質問の多くが形式的な又は単純で基本的な質問事項であることが多いので、他言語による質問を受け付ける質問応答システムは、外国人の質問者及び利用機関の双方にとって、極めて有用なシステムとなる。
また、このような質問応答システムに、質問者が遠隔地から自身のスマートフォンなどを利用して事前に質問出来ることは、これまで現地で質問する必要がある場合に比べ、質問者及び利用機関の双方にとって、極めて有用なシステムとなる。
本発明に係る質問応答システム25(25‘)では、共通属性が同じ想定質問であれば質問の言語が異なっても同じ質問グループに属するものとして構成した上で、質問言語の種類の違いを、質問の固有属性の一部として認識することにより、多種類の言語の質問と回答に対応する。
そのために、言語の種類は異なるが同じ意味内容を有する複数の想定質問については、共通属性が同一の質問グループに属するものとして、第1次回答システム30(27)に機械学習させる。同時に最終回答記憶部18(28)に、回答言語の種類ごとの最終回答候補(基本回答候補または固有回答候補)を記憶させる。当該質問応答システム25(25‘)に設定されたデフォルトとなる言語の回答を基本回答候補とし、それ以外の言語の回答を固有回答候補として登録する。
また、質問言語の種類を、質問受付回答システム10(26)又は第1次回答システム30(27)が質問文の形態(文字コードのビット構成等)から推論する機能を有している場合には、質問受付回答システム10(26)又は第1次回答システム30(27)により質問文から言語の種類を判断することも可能である。さらに、質問言語の種類については、質問端末と質問応答システム間の通信に必要な共通情報から取得することも可能である。したがって、質問者の入力がなくとも、質問言語を想定することは可能である。回答言語については、質問言語に応じて所定のルールで確定するよう初期設定しておけば対応可能である。
例えば、共通属性を有する日本語の質問、英語の質問、中国語の質問等の複数の言語による想定質問を、それぞれ同じ質問グループに属する想定質問とした各質問グループQ1~QNを作成する。ここで同じ共通属性を有する各種言語ごとの想定質問は、一つの言語で作成した想定質問を他の言語で直訳又は意訳した同一の意味内容の想定質問としても良いが、同一でなくとも、各種言語文化を考慮したほぼ同等の意味を有する想定質問としても良い。次に、各種言語による想定質問を含む質問グループQ1~QNを、各質問グループQ1~QNと1:1で対応する第1次回答が得られるように、機械学習させる。これにより、第1次回答システム30(27)からは、質問言語の種類の違いに関わらず、同じ質問グループに属する想定質問に対しては同じ一つの第1次回答(識別子)が得られる。
図15~図19は、質問グループQ1~QNと、各質問グループにおける日本語と英語と中国語による想定質問Q1(1)~QN(8)と、日本語と英語と中国語による最終回答候補(基本回答候補と固有回答候補)の具体例を単純化して示している。
なお、図19においては、説明をシンプルにするため、言語ごとの最終回答のみを示しているが、言語以外の固有回答についても言語の種類ごとに設けることが可能である。
図からわかるように、例えば質問グループQ1内の質問に対する第1次回答は、図16に示すように、どの種類の言語による質問であっても、いずれも識別子「101」の一つだけである。すなわち、質問文は日本語、英語、中国語による想定質問があるが、いずれの言語の想定質問であっても、質問グループQ1に対する第1次回答は、識別子「101」だけである。これは、図17、図18に示すように質問グループQ2及びQNおいても同じであり、想定質問の言語の如何にかかわらず、質問グループQ2の第1次回答は「102」であり、質問グループQNの回答は「NNN」である。
第1次回答システムにおいては、これらの各質問グループに属するすべての想定質問と第1次回答とが機械学習され、第1次回答システムからの第1次回答は、言語の如何にかかわらず、すべて同じ回答「101」~「NNN」となるように構成されている。
図19に示す例ではシステム利用者(業者)ごとの固有回答候補がないので、英語の最終回答候補がそのまま最終回答として返信するが、さらにシステム利用者(業者)の固有回答候補を各言語に対応させて設けることにより、英語の固有回答候補を最終回答として返信することも可能である。
ステップS1~S4及びS9~S10は、質問の固有属性情報で取り扱う情報が若干異なるものの、図5に示す工程(ステップ)と同じであるので、図20においても図5と同じ番号を付して説明を簡略化する。図5でも説明したように、質問端末90から質問q1を受け取ると(ステップS1)、質問の固有属性情報を取得して(質問の言語情報及びシステム利用者の情報等)を、例えば稼働履歴記憶部13に記憶するし(ステップS2)。このステップS2において、固有属性情報として質問の言語情報等を取得し記憶するのが、図5のステップS2と異なる点である。その後、質問端末90から受信した質問を第1次回答システム30(27)に送信して第1次回答を要求する(ステップS3)。第1次回答システム30(27)は、質問q1を受信すると質問に対応する第1次回答を1個以上抽出して出力し、質問受付回答システム10(26)が第1次回答システム30(27)からの第1次回答を受信する(ステップS4)。ここまでの処理工程は、ステップS2において、質問の固有属性情報として質問の言語情報を取得して記憶することを除き、図5の説明と同じである。
以下の説明においては、質問の言語は中国語であり、質問者は回答言語としては何も指定しておらず、質問言語が中国語の場合には、最終回答も質問と同一言語である中国語で回答するものとして説明する。
なお、多種類の言語による質問に対する回答言語の数を少なくするため、又は中国語での回答準備が間に合わず最終回答記憶部に中国語による最終回答が用意されていない場合には、英語で回答するように構成することも可能である。この場合の構成としては、最終回答記憶部18(28)に、中国語の識別情報に紐付して英語による最終回答候補を記憶させておく構成と、回答言語が中国語の場合には最終回答記憶部18(28)の英語の最終回答候補を読み出すように初期設定しておく構成等、種々の対応が可能である。
例えば、図15~図19の例を参照して説明すると、中国語により「住民票を取りに来ました」との質問があった場合には、図17に例示する想定質問Q2(7)に相当するので、質問受付回答システム10(26)は、第1次回答システム30から第1次回答識別子「102」(ステップS4)を受け取る。また、今、回答言語情報は質問時には指定されていないので、ステップS55において、回答言語として中国語の言語識別子を取得する。その後、図19に示すように、第1次回答識別子「102」及び中国語の言語識別子に基づいて、最終回答記憶部18(28)から、第1次回答識別子の「102」の中国語の最終回答候補が読み出される(ステップS57)。図19では中国語の最終回答候補の具体的な文書は示していないが、実際には、中国語の最終回答を記憶している。
ここで、対応する中国の言語以外の固有回答候補はないが、対応する所定の言語(例えば日本語)による固有回答候補がある場合には、その言語(日本語)による固有回答候補を最終回答として返信するように構成しても良い。最後に、質問者に返信した最終回答その他の情報が稼働履歴記憶部13に記憶される(ステップS10)。
ここで、回答言語ごとに個別の最終回答候補を用意するのではなく、例えばすべての回答言語で「もう少し具体的に質問して下さい」と記載した複数の文書を一つの最終回答候補として用意しておき、第1次回答が所定の条件を満足しない場合には、すべての質問に対してその最終回答候補を読み出して返信するように構成することもできる。
その後、その質問に関する質問から最終回答までの各種情報を稼働履歴記憶部に記憶する(ステップS10)。
さらに、本発明の他の実施形態について説明する。
人工知能を備える第1次回答システム30(27)が、質問中に含まれる対象物(エンティティ)を知らせる機能を有している場合には、第1次回答システムに所定のエンティティを予め登録しておくことにより、機械学習させる想定質問の数を大幅に少なくすることが可能となる。
第1次回答システム30(27)が質問に含まれるエンティティを出力する機能を有する場合には、事前にエンティティを登録しておくことにより、第1次回答システムから第1次回答(識別子)とともに、質問に含まれているエンティティを受け取ることができる。
このエンティティの出力機能を活用するため、想定質問において「質問の意図」を共通属性とした質問グループと、その質問の意図に含まれる対象(エンティティ)を変数とする複数の想定質問を作成し、第1次回答システム30(27)に必要なエンティティを合わせて登録する。このように、各質問グループに対応する複数のエンティティを登録し、エンティティを変数とした複数の想定質問を用意することにより、登録したエンティティの数と作成した想定質問の数とを掛け合わせた数だけの想定質問が準備されたことになり、実際に機械学習する想定質問の数を大幅に少なくすることが可能となる。ここで、エンティティの登録は、質問グループ毎にエンティティを登録するのではなく、システム共通のエンティティとして登録することもできる。
一方、質問者からの質問が行先又は書類の取得を求めるものである場合には、その質問には必ず具体的な対象物が含まれているはずである。したがって、第1次回答システムから、第1次回答として「NNN-1」又は「NNN」を出力する場合には、同時に質問中に含まれているエンティティも出力されているはずである。
そのために、質問受付回答システムは、図28に例示すように、登録したエンティティに対応して最終回答を選択するための最終回答識別子を示す対応表を有しており、質問中に含まれるエンティを参照して、エンティティに対応する最終回答候補を記憶している最終回答候補の識別子を取得する。この最終回答候補の識別子は、対応する最終回答候補が通常の質問グループQ1~QN-2に対応する識別子「101」~「NNN-2」に存在する場合には、これらの識別子を指定する。もし、識別子「101」~「NNN-2」に適切な最終回答が無い場合には、別途最終回答識別子と最終回答候補を設ける構成としても良い。
例えば、質問端末からの質問が「転入手続きにきたのですが」という質問だったとする。この質問に対するそのまま該当する想定質問は質問グループQN-1及びQNにはないので、インテント(意図)質問グループQN-1(1)が第1次回答「NNN-1」となると仮定する。その場合には、回答確信度の一番高い第1次回答の識別子が「NNN-1」と、エンティティ「転入手続き」が提供される。質問受付回答システムは、第1次回答識別子「NNN-1」とエンティティ識別子「転入手続き」を受信すると、図28に例示する対応表から、最終回答候補の識別子「101」を取得し、図27に示す第1次回答の識別子「101」に対応する最終回答候補を読み出して、最終候補として質問端末に送信する。
具体的には、リフォーム会社が扱う、キッチンなどの設備機器の外観写真を質問として受け付けると、この設備機器に関する情報を第1次回答として提供するような構成とすることもできる。質問応答システム25(25‘)は、当設備機器に関する情報を、自社向けの固有回答として登録することにより、業者ごとの適切な回答を質問者に返すことが可能となる。
具体的な応用例としては、例えば観光ガイドに利用することができる。この場合、質問端末から目的地の画像を受け付け、画像認識技術と交通手段等の検索により目的地への行き方(電車乗り継ぎ方法等)を案内することなどができる。写真や通信情報から言語情報を取得することにより、乗継方法の説明を適切な言語で返信するように構成することもできる。
同様に、美術館等における作品の説明等についても、各種言語による案内が可能となる。
11 通信インターフェース
12 質問受付手段
13 稼働履歴記憶部
14 第1次回答問合せ手段
15 最終回答手段
16 メンテナンス手段
18、28 最終回答記憶部(最終回答データベース)
25 25' 質問応答システム
27、30 第1次回答システム
35 最終回答制御部
36 固有属性情報取得部
37 最終回答取得部
38 最終回答送信部
40 利用者システム
90 質問端末
91 通信ネットワーク(LANを含む複合ネットワーク:有線無縁を問わない)
Claims (13)
- 質問端末から送付された画像データを画像データによる質問として受け付けて該画像データによる質問に対する最終回答を前記質問端末に返信するコンピュータを用いた質問受付回答システムと、人工知能を備えており要求に応じて前記画像データによる質問に対する第1次回答を返信する第1次回答システムとを分離して備える質問応答システムであって、
前記第1次回答システムは、
前記質問受付回答システムからの前記画像データによる質問に対する前記第1次回答の返信要求を受け付けて、前記人工知能に前記質問受付回答システムから受信した前記画像データによる質問を入力し、前記人工知能からの前記画像データによる質問に対する第1次回答を前記質問受付回答システムに対して送信するインターフェース手段と、
複数の想定質問と、該想定質問に対応する第1次回答として所定の識別子とを機械学習することにより、前記質問受付回答システムからの要求に応じて、該質問受付回答システムからの前記画像データによる質問に対する第1次回答を前記識別子として出力する人工知能とを、備え、
前記質問受付回答システムは、
前記質問端末からの前記画像データによる質問を受け付ける質問受付手段と、
前記質問受付手段により受け付けた前記画像データによる質問を前記第1次回答システムに送信して前記第1次回答を要求し、前記第1次回答システムからの前記第1次回答を受け取る第1次回答問合手段と、
前記人工知能により機械学習した前記識別子と1:1に紐付して、該識別子に対応する最終回答候補を記憶している最終回答記憶部と、
前記第1次回答システムから受信した前記第1次回答に基づいて、前記最終回答記憶部から前記第1次回答の前記識別子に対応する前記最終回答候補を読み出して、読み出した該最終回答候補に基づいて前記質問端末に対して最終回答を返信する最終回答手段と
を、備えることを特徴とする質問応答システム。 - 質問端末からの画像データによる質問を受け付けるコンピュータを用いた質問受付回答システムと、人工知能を備え、複数の想定質問と、該想定質問に対応する第1次回答として所定の識別子とを機械学習しており、前記質問受付回答システムからの前記画像データによる質問に対する第1次回答を前記識別子として出力する第1次回答システムとを分離して備える質問応答システムにおける前記質問受付回答システムであって、
前記質問端末からの前記画像データによる質問を受け付ける質問受付手段と、
前記質問受付手段により受け付けた前記画像データによる質問を前記第1次回答システムに送信して前記第1次回答を要求し、前記第1次回答システムからの前記第1次回答を受け取る第1次回答問合手段と、
前記第1次回答システムにおいて機械学習した前記識別子と1:1に紐付けして、該識別子に対応する最終回答候補を記憶している最終回答記憶部と、
前記第1次回答システムから受信した前記第1次回答に基づいて、前記最終回答記憶部から前記第1次回答の前記識別子と対応する前記最終回答候補を読み出して、読み出した該最終回答候補に基づいて前記質問端末に対して最終回答を返信する最終回答手段と、
を備える質問受付回答システム。 - 前記第1次回答システムの前記人工知能は、共通属性を備える1又は複数の前記想定質問を一つのグループとした複数の質問グループを構成する多数の前記想定質問と、前記質問グループと1:1で対応する一つの識別子を前記各質問グループに含まれる前記想定質問の第1次回答とするよう機械学習していることを特徴とする請求項1に記載の質問応答システム又は請求項2に記載の質問受付回答システム。
- 前記質問受付手段は、さらに前記質問端末からの前記画像データによる質問に付随する該画像データによる質問の固有属性情報を取得し、
前記最終回答記憶部は、必要に応じて、前記固有属性情報に対応する最終回答候補を記憶していることを特徴とする請求項1若しくは3に記載の質問応答システム、又は請求項2若しくは3に記載の質問受付回答システム。 - 前記質問受付手段は、取得した前記固有属性情報に基づいて、前記画像データによる質問が経由した利用者システムの識別情報を取得し、
前記最終回答記憶部は前記各最終回答候補として、前記各識別子に紐付して記憶される最終回答のベースとなる基本回答、又は、必要に応じて前記各識別子及び前記利用者システムの識別情報に紐付して記憶され前記各基本回答と内容の異なる固有回答とを記憶しており、
前記最終回答手段は前記第1次回答の前記識別子及び前記画像データによる質問に対応する前記利用者システムの識別情報に基づいて、前記最終回答記憶部から、前記基本回答又は前記固有回答を読み出して、読み出した前記基本回答又は前記固有回答を最終回答として前記質問端末に送信することを特徴とする請求項4に記載の質問応答システム又は請求項4に記載の質問受付回答システム。 - 前記質問受付手段は、前記質問受付回答システムに届くまでに経由した通信経路情報又は通信過程で付与される情報から前記利用者システムの識別情報を前記固有属性情報として取得することを特徴とする請求項5に記載の質問応答システム又は請求項5に記載の質問受付回答システム。
- 前記第1次回答システムは、前記画像データによる質問に対する第1次回答を抽出するとともにその回答確信度を出力し、
前記質問受付回答システムは、前記第1次回答システムから受信した回答確信度に応じて第1次回答に紐付けして記憶されている前記各識別子に紐付して記憶される最終回答のベースとなる基本回答、又は必要に応じて前記各識別子及び前記画像データによる質問が経由した利用者システムの識別情報に紐付して記憶され前記各基本回答と内容の異なる固有回答を前記最終回答記憶部から読み出して、前記画像データによる質問に対する最終回答を前記質問端末に送信することを特徴とする請求項1若しくは3から6のいずれか1項に記載の質問応答システム、又は請求項2から6のいずれか1項に記載の質問受付回答システム。 - さらに、
前記質問端末との交信記録、前記第1次回答システムとの交信記録、前記画像データによる質問の固有属性情報を含む前記画像データによる質問の受付から最終回答までの各種情報を記憶する稼働履歴記憶部と、
権限に応じて、利用者システムから、前記稼働履歴記憶部に記憶している前記各種情報の閲覧、並びに前記最終回答記憶部に記憶している前記最終回答候補の修正、追加、変更を含むメンテナンスが可能なメンテナンス手段と、
を備えることを特徴とする請求項1、3若しくは4のいずれか1項に記載の質問応答システム、又は請求項2から4のいずれか1項に記載の質問受付回答システム。 - さらに、
前記質問端末との交信記録、前記第1次回答システムとの交信記録、前記画像データによる質問の固有属性情報を含む前記画像データによる質問の受付から最終回答までの各種情報を記憶する稼働履歴記憶部と、
権限に応じて、利用者システムから、前記稼働履歴記憶部に記憶している前記各種情報の閲覧、並びに前記最終回答記憶部に記憶している前記最終回答候補又は前記固有回答の修正、追加、変更を含むメンテナンスが可能なメンテナンス手段と、
を備えることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の質問応答システム、又は請求項5から7のいずれか1項に記載の質問受付回答システム。 - 前記メンテナンス手段により、前記最終回答記憶部に記憶する前記最終回答候補、前記基本回答、又は前記固有回答の内容を、権限に応じて、前記第1次回答システムの前記想定質問に制限されることなく、追加、修正、変更、削除の更新ができることを特徴とする請求項9に記載の質問応答システム、又は請求項9に記載の質問受付回答システム。
- 質問端末からの画像データによる質問をコンピュータにより受け付けて該画像データによる質問に対する回答を前記質問端末に返信する質問受付回答システムと、人工知能を備えており、複数の想定質問と該複数の想定質問の回答となる所定の識別子を第1次回答として機械学習して、入力された画像データによる質問に応じて第1次回答として識別子を返信する第1次回答システムとを備える質問応答システムにおける質問応答方法であって、
(a) 前記質問受付回答システムにおいて、質問端末からの画像データによる質問を受け付けて、該画像データによる質問を第1次回答システムに送信するステップと、
(b) 前記第1次回答システムにおいて、前記質問受付回答システムからの前記画像データによる質問を受け付けて、該画像データによる質問を、前記人工知能に入力して該入力した画像データによる質問に対する前記第1次回答を前記識別子として出力し、前記人工知能から出力された前記第1次回答の識別子を前記質問受付回答システムに送信するステップと、
(c)前記質問受付回答システムにおいて、 前記第1次回答システムから前記第1次回答として前記識別子を受信したときに、前記人工知能が機械学習している前記識別子に紐付けして最終回答候補を記憶している最終回答記憶部から、受信した前記識別子に対応する前記最終回答候補を読み出して、該読み出した最終回答候補を最終回答として前記質問端末に対して返信するステップと、
を備える質問応答システムの質問応答方法。 - 質問端末からの画像データによる質問をコンピュータにより受け付けて該画像データによる質問に対する回答を前記質問端末に返信する質問受付回答システムと、人工知能を備えており、複数の想定質問と該複数の想定質問の回答となる所定の識別子を第1次回答として機械学習して、入力された画像データによる質問に応じて第1次回答として識別子を返信する第1次回答システムとを備える質問応答システムにおける前記質問受付回答システムの質問応答方法であって、
(a1) 前記質問受付回答システムにおいて、質問端末からの前記画像データによる質問を受け付けて、該画像データによる質問を前記第1次回答システムに送信するステップと、
(b1) 前記第1次回答システムから前記第1次回答として前記識別子を受信したときに、前記人工知能が機械学習している前記識別子に紐付けして最終回答候補を記憶している最終回答記憶部から、受信した前記識別子に対応する前記最終回答候補を読み出して、該読み出した最終回答候補を最終回答として前記質問端末に対して返信するステップと、
を備える質問受付回答システムの質問応答方法。 - 前記ステップ(a)又は(a1)は、
(a-1) 前記質問端末から前記画像データによる質問を受け付けるステップと、
(a-2) 前記画像データによる質問に付随する該質問の固有属性情報を取得して記憶するステップと、
(a-3) 前記画像データによる質問を前記第1次回答システムに送信するステップと、
を備え、
前記ステップ(c)又は(b1)は、
(c-1) 前記第1次回答システムから前記第1次回答として前記識別子を受信するステップと、
(c-2) 前記ステップ(a-1)で記憶した固有属性情報から、利用者システムの識別情報を取得するステップと、
(c-3) 前記識別子に対応する最終回答候補を基本回答と利用者特有の固有回答とに分けて記憶している回答記憶部から、前記第1次回答の識別子と前記利用者システムの識別情報に基づいて、対応する前記基本回答又は前記固有回答を読み出すステップと、
(c-4) 前記読み出した前記基本回答又は前記固有回答を前記質問端末に返信するステップと、
を備えることを特徴とする請求項10に記載の質問応答システムの質問応答方法又は請求項12に記載の質問受付回答システムの質問応答方法。
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