JP7311312B2 - ダイシングシート用基材フィルム - Google Patents
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Description
本発明におけるA層は、十点平均粗さRzが1.5~15.0μmである。半導体ウェハのダイシング後のエキスパンド工程においてダイシングされたチップをピックアップするためにダイシングステージ上で半導体チップがダイシングフィルムごとエキスパンドされる。その際にA層の十点平均粗さRzが1.5μm未満であるとダイシングステージとダイシングフィルムの滑りが悪く上手くエキスパンドできない。加えてA層の十点平均粗さRzが1.5μm未満であるとロール状で保管、運送の際にダイシングシート用基材フィルムのA層とC層間で固着(ブロッキング)し、後の粘着加工工程においてロールを繰り出す際に不具合が生じる。また十点平均粗さRzが15.0μmを超える場合、ダイシングステージとの滑り性やブロッキング性は改善されるものの、ダイシングシート用基材フィルムの平面性が低下する問題が生じやすくなる。
本発明ではB層の材質についてはダイシングシート用基材フィルムとしての性能を満たすために、低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。低密度ポリエチレンは高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に大別されるが、破断強度に優れる直鎖状低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。さらに、前記直鎖状低密度ポリエチレンの中でもメタロセン触媒で重合された直鎖状低密度ポリエチレンが、より破断強度に優れるためより好ましい。
本発明におけるC層は、オレフィン系熱可塑性エラストマーが用いられる。オレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることにより、ダイシング時の切削屑が抑制されるとともに十分なエキスパンド性が得られる。
十点平均粗さRzは、(株)小坂研究所製の高精度微細形状測定器(SURFCORDER ET4000A)を用い、JIS B0601-2013に準拠し、フィルム横方向に2mm、フィルム縦方向に0.2mmの範囲について、走査方向を横方向とし、縦方向10μm間隔で11回の測定を実施し3次元解析を行い、評価した。なお、触針先端半径2.0μmのダイヤモンド針を使用、測定力100μN、カットオフ0.8mmで測定した。
ASTM D2240に準拠する形でC層に使用される原料の硬度を測定した。
A.ダイシング
株式会社DISCO製セミオートマチックダイシングソー(DAD-3350)を用いた。
ブレード:ZH05-SD4000-N1-70 ED
ブレード回転数:25000rpm
カット速度:50mm/sec
カット深さ:30μm
切削水量:1.25リットル/min
切削水温度:23℃
上記条件を設定し、A4サイズのフィルムをダイシングソーにセットしてMD方向(Machine Direction:樹脂の流れ方向)に長さ100mm、5mm間隔で3本、90°反転し同じくTD方向(Transverse Direction:樹脂の幅方向)に長さ100mm、5mm間隔で3本表層をカットした。
キーエンス製光学顕微鏡VHX-5000を用い、MD、TD交差した十字の9個所を観測した。
倍率:×1000
判定基準
〇:バリ(ヒゲ)0個
△:バリ(ヒゲ)1~4個
×:バリ(ヒゲ)5個以上。
幅30mmで長さ100mmのフィルムサンプルを準備し、A層(表面)とC層(裏面)を30mm×40mmの範囲を重ね合わせて、4.9N(0.5kgf)/12cm2の荷重をかけ、23℃×24時間エージングした後、エー・アンド・ディ社製テンシロンを使用して300mm/分の引張速度で剪断剥離力を測定した。
判定基準
〇:0.5N/12cm2未満
×:0.5N/12cm2以上。
直径6インチの塩化ビニル樹脂管にダイシングシート用基材フィルムを固定し、上から直径5mmのニードルで14.7N(1.5kgf)の荷重で突き刺した際の、ダイシングシート用基材フィルムの引き裂きを、以下の基準で評価した。
○:引き裂かれない
△:一部に破れが生じる
×:引き裂かれる。
(A1):平均粒子径が10μmの三井化学社製の高分子量ポリエチレン微粒子「ミペロン」PM200とメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製「エボリュー」SP1540、MFR 3.8g/min(190℃、21.17Nで測定))の、重量比10:90からなるポリエチレン微粒子マスターバッチ(A1)を作製した。
(A2):平均粒子径が15μmの綜研化学社製の架橋アクリル単分散粒子MX-1500Hとメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製「エボリュー」SP1540、MFR 3.8g/min(190℃、21.17Nで測定))の、重量比10:90からなるアクリル微粒子マスターバッチ(A2)を作製した。
(PE1)商品名「エボリュー」SP1540、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、プライムポリマー社製、密度0.913g/cm3、MFR3.8g/min(190℃、21.17Nで測定)
(PE2)商品名「ハーモレックス」NH745N、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、日本ポリエチレン社製、密度0.913g/cm3、MFR8.0g/min(190℃、21.17Nで測定)
(PE3)商品名「ノバテック」HF562、高密度ポリエチレン、日本ポリエチレン社製、密度0.963g/cm3、MFR7.5g/min(190℃、21.17Nで測定)
(PE4)商品名「サンテック」L6810、低密度ポリエチレン、旭化成社製、密度0.918g/cm3、MFR10.5g/min(190℃、21.17Nで測定)
(PP1)商品名「ビスタマックス」3980FL、プロピレン系エラストマー、エクソンモービル社製、密度0.879g/cm3、MFR8.0g/min(230℃、21.17Nで測定)
(PP2)商品名「タフマー」XM7070、プロピレン系エラストマー、三井化学社製、密度0.870g/cm3、MFR7.0g/min(230℃、21.17Nで測定)。
各層の構成樹脂を次のように準備した。
A層:(PE1)を90重量%と、(A1)を10重量%とを用いた。
B層:(PE1)を100重量%用いた。
C層:(PP1)を100重量%用いた。
A層:(PE1)を80重量%、(A1)を20重量%の比率に変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
A層:(PE1)を70重量%、(A1)を30重量%の比率に変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
実施例1のA層およびB層を、(PE1)から(PE2)に変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
実施例2のA層およびB層のポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン)を、(PE1)から(PE2)に変更した以外は実施例2と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
実施例3のA層およびB層のポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン)を、(PE1)から(PE2)に変更した以外は実施例3と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
実施例1のC層を、(PP1)から(PP2)に変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
実施例1のB層を、(PE1)100重量%から、(PE1)が50重量%、(PP1)が50重量%に変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
実施例1のA層を、(A1)から(A2)に変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
実施例1のA層を、(PE1)が90重量%、(A1)が10重量%から、(PE1)100重量%に変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
実施例1のB層を、(PE1)から、(PE3)に変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
実施例1のA層の(PP1)を、(PE1)に変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
実施例1のC層の(PP1)を、(PE4)に変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
実施例1のC層の(PP1)を、(PE3)に変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを成形、評価を実施した。
Claims (7)
- 少なくともA層、B層、C層を有する積層フィルムであって、A層は十点平均粗さRzが1.5~15.0μmであり、B層は低密度ポリエチレンを含み、該低密度ポリエチレンの含有量が50重量%~100重量%であり、C層はオレフィン系熱可塑性エラストマーを有し、A層、B層、C層がこの順に積層されていることを特徴とするダイシングシート用基材フィルム。
- 前記オレフィン系熱可塑性エラストマーが、α-オレフィン系熱可塑性エラストマーである請求項1に記載のダイシングシート用基材フィルム。
- 前記α-オレフィン系熱可塑性エラストマーが、プロピレン系エラストマーである請求項2に記載のダイシングシート用基材フィルム。
- C層樹脂硬度がショアD硬度で20~60である請求項1~3のいずれかに記載のダイシングシート用基材フィルム。
- 前記A層が平均粒子径30μm以下の有機微粒子を含む請求項1~4のいずれかに記載のダイシングシート用基材フィルム。
- 前記有機微粒子がポリエチレン微粒子である請求項5に記載のダイシングシート用基材フィルム。
- 前記C層が、フレーム処理、プラズマ処理、もしくはコロナ処理のいずれかが施された請求項1~6のいずれかに記載のダイシングシート用基材フィルム。
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