[0031] ここで、例示的な実施形態を詳細に参照する。これらの実施形態の例が、添付の図面に示されている。以下の説明は添付の図面を参照し、異なる図面中の同じ番号は、特に断りの無い限り、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明文中に記載される実装は、全ての実装を表すものではない。その代わり、それらは、添付の特許請求の範囲に列挙されるような開示された実施形態に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例にすぎない。例えば、実施形態によっては、電子ビームを利用する文脈で説明されているが、本開示は、そのように限定されるものではない。他の種類の荷電粒子ビームが同様に適用されることがある。更に、光学結像、光検出、x線検出などの、光学結像システムが使用されることがある。
[0032] 電子デバイスは、基板と呼ばれるシリコン片上に形成された回路から構成される。多数の回路が、同じシリコン片上に一緒に形成されることがあり、集積回路又はICと呼ばれる。多数のより多くの回路を基板上に収めることができるように、これらの回路の寸法は劇的に減少された。例えば、スマートフォン内のICチップは、親指の爪程小さいことがありながら、20億個を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタの寸法は、人間の髪の毛の寸法の1/1000よりも小さい。
[0033] これらの極端に小さなICを製造することは、複雑で時間がかかり高価なプロセスであり、しばしば数百にのぼる個別ステップを含む。たった1つのステップでのエラーが、完成したICにおける欠陥をもたらし、それによってそのICを使い物にならなくする可能性がある。従って、製造プロセスの1つのゴールは、そのような欠陥を回避して、プロセスにおいて作製される機能的ICの数を最大化すること、即ち、プロセスの全体的歩留まりを向上させることである。
[0034] 歩留まりを向上させる1つの構成要素は、チップ作製プロセスを監視して、十分な数の機能的集積回路が製造されていることを確認することである。プロセスを監視する1つの方法は、チップ回路構造を形成する様々な段階において、チップ回路構造を検査することである。検査は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して実行することができる。SEMを使用すると、これらの非常に小さな構造を撮像する、要するに、これらの構造の「写真」を撮ることができる。この画像を使用して、構造が適切に形成されたかどうか、及び構造が適切な位置に形成されたかどうかを判断することができる。構造に欠陥がある場合、欠陥が再び発生する可能性が低くなるようにプロセスを調節することができる。
[0035] マルチビームSEMなどの、マルチ荷電ビーム粒子結像システムは、ウェーハ検査スループットを向上させるのに役立つことがあるが、マルチビームSEMの結像分解能が、クーロン相互作用効果によって悪影響を受けることがある。高いスループットを達成するために、ビームができるだけ多くの電子を含むことが望ましい。しかしながら、電子間の反発性のクーロン相互作用に起因して、非常に小さな容積内に多数の電子を閉じ込めることは困難である。その上、これらの相互作用によって、ビームの幅が広がり、電子の飛行方向が変更されることがある。結果として、プローブスポットが大きくなり、これにより、SEMの全体的な分解能に悪影響が及ぼされる。それゆえ、マルチビームSEMの高い分解能を維持するためにクーロン相互作用効果を緩和することが望ましい。
[0036] 現在存在するマルチビームSEMにおいて、直面し得るいくつかの問題の1つは、ビームレットの最終的なプローブ電流を決定するために電子が集束されてフィルタリングされる前に、電子が、顕微鏡コラムに沿って多くのコンポーネントを通ってより長い距離を進行するため、クーロン相互作用効果が増加することである。加えて、電子源により近い電気光学機構を使用して電子ビームレットが集束されたとしても、電子ビームレットの最終的なプローブ電流は、電子ビームがコンポーネントを通って進行するまで決定されないことがあり、それにより、クーロン相互作用効果の可能性が高まり、分解能及び検査スループットに悪影響が及ぼされる。それゆえ、クーロン相互作用効果を最小限に抑えるために電子源のできるだけ近くでビームレットを集束させてビームレットの最終的なプローブ電流を決定することを可能にする機構によって電子ビームレットを集束させてフィルタリングすることが望ましいことがある。
[0037] 本開示の実施形態によっては、マルチビーム装置は、一次光軸に沿って電子を放出して一次電子ビームを形成するように構成された電子源を含むことがある。装置はまた、第1の電圧にあるように構成されたアパーチャレンズ形成用電極プレートと、第1の電圧と異なる第2の電圧にあるように構成された複数のアパーチャを含むアパーチャレンズプレートと、を含む放射源変換ユニットを含むことがある。第1の電圧と第2の電圧との差によって、アパーチャレンズ形成用電極プレート及びアパーチャレンズプレートのアパーチャが複数のアパーチャレンズを形成できるようにする電場が生成されることがある。複数のアパーチャレンズの各々は、一次電子ビームの複数のビームレットを集束させるように構成されることがある。放射源変換ユニットは、複数のビームレットを中間像面上に集束させるように構成された結像レンズを更に含むことがある。装置は、複数のビームレットをサンプルの表面上に集束させて表面上に複数のプローブスポットを形成するように構成された対物レンズを更に含むことがある。
[0038] 図面における構成要素の相対的な寸法は、理解しやすいように誇張されていることがある。以下の図面の説明では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様の構成要素又はエンティティを指しており、個々の実施形態に関して異なる点のみが説明されている。本明細書で使用する場合、特段の断りが無い限り、「又は」という用語は、実行不可能である場合を除いて、全ての可能な組み合わせを包含する。例えば、構成要素がA又はBを含むことがあると記載されている場合、特段の断りが無い限り又は実行不可能で無い限り、構成要素はA、又はB、又はA及びBを含むことがある。第2の例として、構成要素がA、B、又はCを含むことがあると記載されている場合、特段の断りが無い限り又は実行不可能で無い限り、構成要素はA、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことがある。
[0039] ここで図1を参照すると、図1は本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示す。図1に示すように、荷電粒子ビーム検査システム100は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20、電子ビームツール40、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)30を含む。電子ビームツール40は、メインチャンバ10内部に配置されている。説明及び図面は電子ビームに関係しているが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に制限するために使用されるのではないことが、理解されよう。
[0040] EFEM30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM30は、追加の装填ポートを含むことがある。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、検査されるべきウェーハ(例えば、半導体ウェーハ、又は他の材料で作られたウェーハ)又はサンプル(ウェーハ及びサンプルは、以降ではまとめて「ウェーハ」と呼ばれる)を収容するウェーハFOUP(front opening unified pod)を受け取る。EFEM30内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が、ウェーハを装填ロックチャンバ20に運ぶ。
[0041] 装填ロックチャンバ20は、装填ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、大気圧よりも低い第1の圧力に達するように、装填ロックチャンバ20内のガス分子を除去する。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)がウェーハを装填ロックチャンバ20からメインチャンバ10に運ぶ。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、第1の圧力よりも低い第2の圧力に達するように、メインチャンバ10内のガス分子を除去する。第2の圧力に達した後、ウェーハは電子ビームツール40による検査にかけられる。実施形態によっては、電子ビームツール40は、シングルビーム検査ツールを含むことがある。他の実施形態では、電子ビームツール40は、マルチビーム検査ツールを含むことがある。
[0042] コントローラ50は、電子ビームツール40に電子的に接続されることがあり、他のコンポーネントにも電子的に接続されることがある。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査システム100の様々な制御を行うように構成されたコンピュータであり得る。コントローラ50は、様々な信号及び画像の処理機能を実行するように構成された処理回路も含むことがある。図1では、コントローラ50は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20、及びEFEM30を含む構造の外部にあるものとして示されているが、コントローラ50はこの構造の一部とすることもできることが理解されよう。
[0043] 本開示は、電子ビーム検査システムを収容するメインチャンバ10の例を提供しているが、最も広い意味での本開示の態様は、電子ビーム検査システムを収容するチャンバに限定されないことに、留意されたい。むしろ、前述の原理は、他のチャンバにも適用され得ることが理解されよう。
[0044] ここで図2を参照すると、図2は、本開示の実施形態と一致した、図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システム100の一部とすることができる例示的な電子ビームツール40を示す概略図を示す。電子ビームツール40(本明細書では装置40とも呼ばれる)は、電子源201と、放射源変換ユニット220と、一次投影光学システム230と、二次結像システム250と、電子検出デバイス240と、を含むことがある。装置40の他の周知のコンポーネントは、必要に応じて追加/省略され得ることが理解されることがある。
[0045] 図2には示されていないが、実施形態によっては、電子ビームツール40は、銃アパーチャプレートと、プレビームレット形成機構と、集光レンズと、電動サンプルステージと、サンプル(例えば、ウェーハ又はフォトマスク)を保持するためのサンプルホルダーと、を含むことがある。
[0046] 電子源201、放射源変換ユニット220、偏向走査ユニット232、ビームセパレータ233、及び一次投影光学システム230は、装置40の一次光軸204と位置合わせされることがある。二次結像システム250及び電子検出デバイス140は、装置40の二次光軸251と位置合わせされることがある。
[0047] 電子源201は、カソードと、抽出器又はアノードと、を含むことがあり、一次電子はカソードから放出され、抽出されるか又は加速されて一次電子ビーム202を形成することができ、一次電子ビーム202は、(仮想の又は現実の)一次ビームクロスオーバー203を形成する。一次電子ビーム202は、一次ビームクロスオーバー203から放射されるものとして視覚化することができる。
[0048] 放射源変換ユニット220は、アパーチャレンズアレイと、ビーム制限アパーチャアレイと、結像レンズと、を含むことがある。アパーチャレンズアレイは、アパーチャレンズ形成用電極プレートと、アパーチャレンズ形成用電極プレートの下方に位置決めされたアパーチャレンズプレートとを含むことがある。この文脈において、「下方」とは、電子源201から下流に進行する一次電子ビーム202がアパーチャレンズプレートよりも先にアパーチャレンズ形成用電極プレートを照射するような構造的配置を指す。アパーチャレンズ形成用電極プレートは、一次電子ビーム202の少なくとも一部が通過することを可能にするように構成されたアパーチャを有するプレートによって実装されることがある。アパーチャレンズプレートは、一次電子ビーム202が通り抜ける複数のアパーチャを有するプレート又は複数のアパーチャを有する複数のプレートによって実装されることがある。アパーチャレンズ形成用電極プレート及びアパーチャレンズプレートは、励起されてアパーチャレンズプレートの上方及び下方に電場を生成することがある。アパーチャレンズプレートの上方の電場は、レンズ場がアパーチャレンズプレートの各アパーチャ内に形成され、これにより、アパーチャレンズアレイが形成され得るように、アパーチャレンズプレートの下方の電場と異なることがある。
[0049] 実施形態によっては、ビーム制限アパーチャアレイは、ビーム制限アパーチャを含むことがある。任意の数のアパーチャが、必要に応じて、使用され得ることが理解されよう。ビーム制限開口部アレイは、個々の一次ビームレット211、212、及び213の直径を制限するように構成されることがある。図2は、例として3つの一次ビームレット211、212、及び213を示しているが、放射源変換ユニット220は、任意の数の一次ビームレットを形成するように構成されてもよいことが理解されよう。
[0050] 実施形態によっては、結像レンズは、一次ビームレット211、212、及び213を像面上に集束させるように構成された集光結像レンズを含むことがある。結像レンズは、一次光軸204に直交する主平面を有することがある。結像レンズは、ビーム制限アパーチャアレイの下方に位置決めされることがあり、ビームレットが一次電子ビーム202の複数の集束された像を中間像面上に形成するように一次ビームレット211、212、及び213を集束させるように構成されることがある。
[0051] 一次投影光学システム230は、対物レンズ231と、偏向走査ユニット232と、ビームセパレータ233と、を含むことがある。ビームセパレータ233及び偏向走査ユニット232は、一次投影光学システム230の内部に位置決めされることがある。対物レンズ231は、検査のためにビームレット211、212、及び213をサンプル208上に集束させるように構成されることがあり、サンプル208の表面上に3つのプローブスポット211S、212S、及び213Sをそれぞれ形成することができる。実施形態によっては、ビームレット211、212、及び213は、対物レンズ231に垂直に又は実質的に垂直に入射することがある。実施形態によっては、対物レンズによって集束させることは、プローブスポット211S、212S、及び213Sの収差を低減することを含むことがある。
[0052] サンプル208のプローブスポット211S、212S、及び213Sへの一次ビームレット211、212、及び213の入射に応答して、サンプル208から電子が出現し、3つの二次電子ビーム261、262、及び263が生成され得る。二次電子ビーム261、262、及び263の各々は、通常、二次電子(50eV以下の電子エネルギーを有する)及び後方散乱電子(50eVと一次ビームレット211、212、及び213のランディングエネルギーとの間の電子エネルギーを有する)を含む。
[0053] 電子ビームツール40は、ビームセパレータ233を含むことがある。ビームセパレータ233は、静電双極子場E1及び磁気双極子場B1(両方とも図2には図示せず)を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタ型であることがある。これらが適用される場合、静電双極子場E1によってビームレット211、212、及び213の電子に加わる力は、磁気双極子場B1によって電子に加わる力と大きさが等しく且つ向きが逆である。それゆえ、ビームレット211、212、及び213は、ゼロの偏向角でビームセパレータ233を真っ直ぐに通過することができる。
[0054] 偏向走査ユニット232は、ビームレット211、212、213を偏向させて、サンプル208の表面のセクション内の3つの小さな走査エリアにわたってプローブスポット211S、212S、及び213Sを走査するように構成されることがある。ビームセパレータ233は、二次電子ビーム261、262、及び263を二次結像システム250に向けて誘導することがある。二次結像システム250は、二次電子ビーム261、262、及び263を電子検出デバイス240の検出素子241、242、及び243上に集束させることができる。検出素子241、242、及び243は、対応する二次電子ビーム261、262、及び263を検出し、サンプル208の対応する走査エリアの像を構築するために使用される対応する信号を生成するように構成されることがある。
[0055] 図2では、3つのプローブスポット211S、212S、及び213Sによってそれぞれ生成された3つの二次電子ビーム261、262、及び263は、一次光軸204に沿って電子源201に向かって上方に進行し、対物レンズ231及び偏向走査ユニット232を連続して通過する。3つの二次電子ビーム261、262、及び263は、二次結像システム250の二次光軸251に沿って二次結像システム250に入るようにビームセパレータ233(ウィーンフィルタなど)によって方向変換される。二次結像システム250は、3つの二次電子ビーム261、262、及び263を、3つの検出素子241、242、及び243を含む電子検出デバイス140上に集束させることがある。それゆえ、電子検出デバイス240は、3つのプローブスポット211S、212S、及び213Sによってそれぞれ走査された3つの走査領域の像を同時に生成することができる。実施形態によっては、電子検出デバイス240及び二次結像システム250は、1つの検出ユニット(図示せず)を形成する。実施形態によっては、限定されるものではないが、対物レンズ231、偏向走査ユニット232、ビームセパレータ233、二次結像システム250及び電子検出デバイス240などの、二次電子ビームの経路上の電子光学素子は、1つの検出システムを形成することがある。
[0056] 実施形態によっては、コントローラ50は、画像取得器(図示せず)及びストレージ(図示せず)を含む画像処理システムを含むことがある。画像取得器は、1つ又は複数のプロセッサを含むことがある。例えば、画像取得器は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、個人用コンピュータ、任意の種類の携帯コンピュータ装置など、又はそれらの組み合わせを含むことがある。画像取得器は、媒体、中でもとりわけ導電体、光ファイバーケーブル、携帯型記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、無線ネットワーク、無線通信、又はそれらの組み合わせなどを介して、装置40の電子検出デバイス240に通信可能に結合されることがある。実施形態によっては、画像取得器は、電子検出デバイス240から信号を受け取ることがあり、画像を構築することがある。画像取得器は、このようにサンプル208の画像を取得することができる。画像取得器は、輪郭線を生成すること、インジケータを取得画像に重ね合わせることなど、様々な後処理機能も実施することがある。画像取得器は、取得画像の輝度及びコントラスト等の調節を実施するように構成されることがある。実施形態によっては、ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の種類のコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体であり得る。ストレージは、画像取得器に結合されることがあり、スキャンされた生の画像データを元画像として保存し、且つ処理後の画像を保存するために使用されることがある。
[0057] 実施形態によっては、画像取得器は、電子検出デバイス240から受け取った撮像信号に基づいて、サンプルの1つ又は複数の画像を取得することがある。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するためのスキャン動作に対応していることがある。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であり得る。この単一の画像は、ストレージ内に記憶されることがある。この単一の画像は、複数の領域に分割することができる元画像であり得る。これらの領域の各々は、サンプル208のフィーチャを包含する1つの撮像エリアを含むことがある。取得画像は、時系列に複数回サンプリングされた、サンプル208の単一の撮像エリアの複数の画像を含むことがある。この複数の画像は、ストレージ内に記憶されることがある。実施形態によっては、コントローラ50は、サンプル208の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを実行するように構成されることがある。
[0058] 実施形態によっては、コントローラ50は、測定回路(例えば、アナログ/デジタル変換器)を含んで、検出された二次電子の分布を取得することがある。検出時間ウィンドウ中に収集された電子の分布データを、ウェーハ表面に入射する一次ビームレット211、212、213のそれぞれの対応するスキャンパスデータと組み合わせて使用して、検査中のウェーハ構造の画像を再構成することができる。再構成された画像を使用して、サンプル208の内部構造又は外部構造の様々な特徴を明らかにすることができ、それによって、再構成された画像を使用して、ウェーハ内に存在する可能性がある欠陥を明らかにすることができる。
[0059] 実施形態によっては、コントローラ50は、検査中にサンプル208を移動させるように、電動ステージ(図示せず)を制御することがある。実施形態によっては、コントローラ50は、電動ステージがある方向に連続的に一定の速度でサンプル208を移動できるようにすることがある。他の実施形態では、コントローラ50は、電動ステージが、スキャンプロセスのステップに応じて、経時的にサンプル208の移動速度を変えられるようにすることがある。実施形態によっては、コントローラ50は、二次電子ビーム261、262、及び263の像に基づいて、一次投影光学システム230又は二次結像システム250の構成を調節することがある。
[0060] 実施形態によっては、電子ビームツール40は、放射源変換ユニット220から一次ビームレット211、212、及び213を受け取ってサンプル208に向けて誘導するように構成されたビームレット制御ユニット225を含むことがある。ビームレット制御ユニット225は、一次ビームレット211、212、及び213が、サンプル208の表面に垂直又は実質的に垂直に入射するか、又は収差の小さな複数のプローブスポット221、222、及び223を形成するように、一次ビームレット211、212、及び213を像面から対物レンズへ誘導するように構成された転写レンズを含むことがある。転写レンズは、固定又は可動レンズであることがある。可動レンズでは、レンズの集束力は、レンズの電気励起を調節することによって変更されることがある。
[0061] 実施形態によっては、ビームレット制御ユニット225は、サンプル208の表面法線に対して同じ又は実質的に同じランディング角(θ)でサンプル208の表面に斜めに入射するように一次ビームレット211、212、及び213を傾斜させるように構成されたビームレット傾斜偏向器を含むことがある。ビームレットを傾斜させることは、一次ビームレット211、212、及び213のクロスオーバーを一次光軸204の僅かに外にシフトさせることを含むことがある。これは、ウェル、又はトレンチ、又はメサ構造の側壁などの三次元フィーチャ又は構造を含むサンプル又はサンプルの領域を検査する際に役立つことがある。
[0062] 実施形態によっては、ビームレット制御ユニット225は、上述したレンズの1つ又は全てによって引き起こされる非点収差及び像面湾曲収差などの収差を補償するように構成されたビームレット調節ユニットを含むことがある。ビームレット調節ユニットは、非点収差補償器アレイと、像面湾曲補償器アレイと、偏向器アレイと、を含むことがある。像面湾曲補償器アレイは、一次ビームレット211、212、及び213の像面湾曲収差を補償するための複数のマイクロレンズを含むことがあり、非点収差補償器アレイは、一次ビームレット211、212、及び213の非点収差を補償するための複数のマイクロ非点収差補正器を含むことがある。
[0063] 実施形態によっては、偏向器アレイの偏向器は、一次光軸204に向けて角度を変化させることによってビームレット211、212、及び213を偏向させるように構成されることがある。実施形態によっては、一次光軸204から遠くに離れた偏向器は、ビームレットをより大きく偏向させるように構成されることがある。更に、偏向器アレイは、複数の層(図示せず)を含むことがあり、偏向器は、別個の層として提供されることがある。偏向器は、互いに独立して個別に制御されるように構成されることがある。実施形態によっては、偏向器は、サンプル208の表面上に形成されたプローブスポット(例えば、221、222、及び223)のピッチを調節するように制御されることがある。本明細書で言及されるように、プローブスポットのピッチは、サンプル208の表面上の2つの直接隣り合うプローブスポット間の距離として定義されることがある。実施形態によっては、偏向器は、中間像面上に配置されることがある。
[0064] 実施形態によっては、コントローラ50は、図2に示すように、放射源変換ユニット220、ビームレット制御ユニット225、及び一次投影光学システム230を制御するように構成されることがある。示されていないが、コントローラ50は、限定されるものではないが、電子源201、放射源変換ユニット220、一次投影光学システム230、電子検出デバイス240、及び二次結像システム250のコンポーネントを含む、電子ビームツール40の1つ又は複数のコンポーネントを制御するように構成されることがある。図2は、電子ビームツール40が3つの一次電子ビームレット211、212、及び213を使用することを示しているが、電子ビームツール40は、2つ以上の一次電子ビームレットを使用し得ることが理解されよう。本開示は、装置40で使用される一次電子ビームレットの数を制限するものではない。
[0065] ここで図3A~図3Eを参照すると、図3A~図3Eは、本開示の実施形態と一致した、マルチビーム装置内の電子光学システム300A~300Eの例示的な構成のそれぞれの概略図である。電子光学システム300A~300Eは、電子源301と、放射源変換ユニット320と、対物レンズ331と、を含むことがある。実施形態によっては、ビームセパレータ334は、図3D及び図3Eに示すように含まれることがある。電子源301、一次電子ビーム302、放射源変換ユニット320、対物レンズ331、及びビームセパレータ334は、図2で説明した対応する素子と同様又は実質的に同様であり得、同様の機能を果たし得ることが理解されよう。
[0066] 電子源301は、カソードから一次電子を放出するように構成されることがあり、この一次電子は抽出されるか又は加速されて一次電子ビーム302を形成し、一次電子ビーム302は、(仮想の又は現実の)一次ビームクロスオーバー303を形成する。実施形態によっては、一次電子ビーム302は、一次光軸304に沿った一次ビームクロスオーバー303から放射されるものとして視覚化することができる。実施形態によっては、電子光学システム300A及び300Bの1つ又は複数の素子は、一次光軸304と位置合わせされることがある。放射源変換ユニット320は、ビーム制限アパーチャアレイ321と、アパーチャレンズアレイ322と、結像レンズ324と、を含むことがある。放射源変換ユニット320は、図2に関して説明したように、1つ又は複数の他の光学素子又は電気光学素子を含み得ることが理解されよう。
[0067] 図3Aを参照すると、放射源変換ユニット320は、電子源301の直下流に位置決めされることがある。本開示の文脈で使用される場合、「下流」とは、電子源301から始まる一次電子ビーム302の経路に沿った素子の位置を指し、「直下流」とは、第1の素子と第2の素子との間に他の素子が存在しないような、一次電子ビーム302の経路に沿った第2の素子の位置を指す。例えば、図3Aに示すように、放射源変換ユニット320は、電子源301と放射源変換ユニット320との間に他の光学素子又は電気光学素子が配置されないように、電子源301の直下流に位置決めされることがある。そのような構成は、中でもとりわけ、電子光学システム300Aの電気光学コラムの高さを低減し、その構造の複雑さを軽減するのに役立つことがある。実施形態によっては、アパーチャプレート(例えば、銃アパーチャプレート)(図示せず)は、放射源変換ユニット320に入射する前に一次電子ビーム302の周辺電子を遮断して、クーロン相互作用効果を低減するために、電子源301と放射源変換ユニット320との間に配置されることがある。
[0068] 放射源変換ユニット320は、図3A及び図3Bに示すように、アパーチャレンズアレイ322を含むことがある。実施形態によっては、アパーチャレンズアレイ322は、複数のアパーチャを含むプレートによって実装されることがある。実施形態によっては、アパーチャレンズアレイ322は、複数のアパーチャを含む複数の部分プレートによって実装されることがある。アパーチャレンズアレイ322は、電子源301を出る一次電子ビームに対応する、一次ビームレット311、312、及び313をそれぞれ集束させるように構成されたアパーチャレンズ322_1、322_2、及び322_3を含むことがある。実施形態によっては、アパーチャレンズ322_1、322_2、及び322_3は、静電レンズを含むことがある。図3Aは3つのアパーチャレンズを示しているが、アパーチャレンズアレイ322が任意の数のアパーチャレンズを含み得ることが理解されよう。アパーチャレンズアレイ322は、電子源301の直下流に位置決めされることがある。
[0069] 実施形態によっては、アパーチャレンズアレイ322は、図3Bに示すように、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elと、アパーチャレンズプレート322-ALPと、を含むことがある。アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elとアパーチャレンズプレート322-ALPの両方の構成は、アパーチャレンズアレイ322のアパーチャレンズ322_1、322_2、及び322_3を提供することがある。実施形態によっては、322_1などのアパーチャレンズは、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elとアパーチャレンズプレート322-ALPとの間に電場が生成される結果として形成されることがある。実施形態によっては、アパーチャレンズ322_1、322_2、及び322_3を形成することは、アパーチャレンズプレート322-ALPの上方及び下方に電場を生成することを含むことがある。アパーチャレンズプレート322-ALPの上方の電場は、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elとアパーチャレンズプレート322-ALPとの間に生成されることがあり、アパーチャレンズプレート322-ALPの下方の電場は、アパーチャレンズプレート322-ALPとビーム制限アパーチャアレイ321との間に生成されることがある。アパーチャレンズプレート322-ALPの上方及び下方の電場は、アパーチャレンズプレート322-ALPの各アパーチャ内にレンズ場が形成されるように、大きさが異なることがあり、それにより、アパーチャレンズアレイ322のアパーチャレンズ322_1、322_2、及び322_3を形成する。
[0070] 実施形態によっては、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elは、一次電子ビーム302の電子の通過を可能にするように構成された開口又はアパーチャを含む導電性構造として構成されることがある。例として、導電性構造は、電子が通過することを可能にするように構成されたアパーチャを形成するように配置されたプレート又は複数のプレートを含むことがある。アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elは、電子源301の直下流に且つ一次電子ビーム302が伝搬する一次光軸304に直交して位置決めされることがある。アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elのアパーチャの幾何学的中心は、一次光軸304と位置合わせされることがある。
[0071] 実施形態によっては、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elのアパーチャは、例えば、一次電子ビーム302の断面直径よりも小さなアパーチャサイズを採用することによって又はアパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elと電子源301との間の距離を増加させることによって、一次電子ビーム302の電子の一部が通過することを可能にするように構成されることがある。実施形態によっては、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elのアパーチャは、電子をフィルタリング又は遮断せずに一次電子ビーム302が通過することを可能にするように構成されることがある。
[0072] 実施形態によっては、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elは、コネクタ(図示せず)を介してコントローラ(例えば、図2のコントローラ50)と接続されることがある。コントローラは、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elに電圧V1を供給するように構成されることがある。コントローラ50はまた、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elへの供給電圧V1を維持又は調節するように構成されることがある。
[0073] 実施形態によっては、アパーチャレンズプレート322-ALPは、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elの下流又は直下流に位置決めされることがあり、一次光軸304に直交していることがある。換言すれば、この構成では、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elは、電子源301とアパーチャレンズプレート322-ALPとの間に位置決めされることがある。実施形態によっては、アパーチャレンズプレート322-ALPは、一次電子ビーム302が通り抜ける複数のアパーチャを備えた導電性構造として構成されることがある。導電性構造は、複数のアパーチャを備えた単一のプレート又は複数のアパーチャを形成するように配置された複数のプレートによって実装されることがある。
[0074] 実施形態によっては、アパーチャレンズプレート322-ALPは、コネクタ(図示せず)を介して、アパーチャレンズプレート322-ALPに電圧V2を供給するように構成され得るコントローラ50と接続されることがある。コントローラ50はまた、アパーチャレンズプレート322-ALPへの供給電圧V2を維持又は調節するように構成されることがある。アパーチャレンズプレート322-ALPが複数のプレートを含む構成では、複数のプレートの各々は、同じ電圧V2に維持されることがある。この例では好ましくないが、用途に基づいて、複数のプレートに異なる電圧が供給され得ることが理解されよう。
[0075] 実施形態によっては、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elに印加される電圧V1は、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-el及びアパーチャレンズプレート322-ALPがアパーチャレンズアレイ322の複数のアパーチャレンズを形成できるようにし得る、電場E1を生成するためにアパーチャレンズプレート322-ALPに印加される電圧V2と異なることがある。そのような構成では、電圧V2に維持されるアパーチャレンズプレート322-ALPの複数のアパーチャの各々は、一次ビームレット311、312、及び313を集束させるように構成された静電レンズとして機能する。換言すれば、アパーチャレンズアレイ322は、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elとアパーチャレンズプレート322-ALPとの間に非ゼロの電場E1が存在する場合に、集束レンズ又は集束レンズのアレイとして機能することがある。
[0076] 電圧V1及びV2の相対値は、一次電子ビーム302の電子がアパーチャレンズアレイ322を通り抜ける間に加速又は減速されるかどうかを決定することがある。電圧V1及びV2の例示的な値は、0~20KVの範囲であることがある。しかしながら、電圧V1及びV2の値は、限定されるものではないが、引出電圧、一次ビームレット311、312、及び313の所望のランディングエネルギー、プローブスポットのサイズ、検査される材料などを含む、に基づいて変化し得ることが理解されよう。
[0077] 実施形態によっては、アパーチャレンズプレート322-ALPにおいてアパーチャレンズアレイ322内の対応するアパーチャレンズを出る各ビームレットは、図3Bに示すように、平行ビームになるようにコリメートされることがある。実施形態によっては、アパーチャレンズアレイ322内の対応するアパーチャレンズを出る各ビームレットは、図3Cに示すように、平行ビームでないことがある。仮想放射源303から中間像面PIまでの、図3Cのシステム300Cの結像倍率は、図3Bのシステム300Bの結像倍率よりも低いことがある。実施形態によっては、この倍率は、仮想放射源303のサイズと、サンプル308上の所要のスポットサイズと、仮想放射源303からサンプル308までのシステム全長の制限と、に基づいて最適化することができる。実施形態によっては、一次ビームレット311、312、及び313は、一次ビームレットの経路に影響を及ぼす電場の大きさに基づいて収束又は発散することがある。例えば、E1>E2の場合、ビームレットは、収束するか又は平行であることがあり、E1<E2の場合、ビームレットは発散することがある。
[0078] 実施形態によっては、ビーム制限アパーチャアレイ321は、一次ビームレット311、312、及び313の電流を制限するように構成されることがある。実施形態によっては、ビーム制限アパーチャアレイ321は、アパーチャレンズアレイ322の下流に又はアパーチャレンズプレート322-ALPの直下流に且つ一次光軸304に直交して配置されることがある。実施形態によっては、ビーム制限アパーチャアレイ321は、複数のビーム制限アパーチャを含む導電性構造として構成されることがある。ビーム制限アパーチャアレイ321は、コネクタ(図示せず)を介して、ビーム制限アパーチャアレイ321に電圧V3を供給するように構成され得るコントローラ50と接続されることがある。コントローラ50はまた、ビーム制限アパーチャアレイ321への供給電圧V3を維持又は調節するように構成されることがある。
[0079] 実施形態によっては、ビーム制限アパーチャアレイ321に印加される電圧V3は、アパーチャレンズプレート322-ALPとビーム制限アパーチャアレイ321との間に電場が存在しないか又は無視できる程度の電場E2が存在するようにアパーチャレンズプレート322-ALPに印加される電圧V2と同様又は実質的に同様であることがある。本開示の文脈において、無視できる程度の電場は、以下では、アパーチャレンズプレート322-ALPとビーム制限アパーチャアレイ321との間にレンズ効果が存在しない電場の最大値と呼ばれることがある。無視できる程度の電場E2の例示的な値は、0.01~0.05KV/mの範囲で変化することがある。無視できる程度の電場E2値は、限定されるものではないが、ツール状態、較正、複雑さを含む他の要因に基づいて異なり得ることが理解されよう。ゼロ又は無視できる程度の電場E2を維持する数多くの利点の1つは、ビーム制限アパーチャアレイが収差を生じさせない可能性があるため、向上した結像分解能であることがある。
[0080] 実施形態によっては、ビーム制限アパーチャアレイ321に印加される電圧V3は、非ゼロの電場E2が存在するようにアパーチャレンズプレート322-ALPに印加される電圧V2と異なることがある。実施形態によっては、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elに印加される電圧V1は、アパーチャレンズプレート322-ALPに印加される電圧V2及びビーム制限アパーチャアレイ321に印加される電圧V3と異なることがある。
[0081] 実施形態によっては、アパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-elとアパーチャレンズプレート322-ALPとの間の電場E1は、アパーチャレンズプレート322-ALPとビーム制限アパーチャアレイ321との間の電場E2と大きさが異なることがある(E1≠E2)。そのような構成では、アパーチャレンズプレート322-ALPの複数のアパーチャの各々が一次ビームレット311、312、及び313を集束させるための静電レンズとして機能するように、アパーチャレンズアレイ322にレンズ効果が存在する。電場E2の大きさは、アパーチャレンズプレート322-ALPとビーム制限アパーチャアレイ321との間にレンズ効果が存在せず、結果的に、収差が低減された状態で一次ビームレット311、312、及び313がビーム制限アパーチャを通過することを可能にするように、ゼロ又は非有意値であることがある。
[0082] プローブスポット311S、312S、及び313Sをそれぞれ生成する一次ビームレット311、312、及び313のビームレット電流又はプローブ電流は、一次ビームレット311、312、及び313が通り抜けるビーム制限アパーチャアレイ321のアパーチャのサイズに基づいて決定されることがある。実施形態によっては、ビーム制限アパーチャアレイ321は、均一なサイズ、形状、断面、又はピッチを有する複数のビーム制限アパーチャを含むことがある。実施形態によっては、サイズ、形状、断面、ピッチなども不均一であることがある。ビーム制限アパーチャは、例えば、アパーチャのサイズ又は形状に基づいてビームレットのサイズ又はアパーチャを通過する電子の数を制限することによって、ビームレットの電流を制限するように構成されることがある。
[0083] 実施形態によっては、ビーム制限アパーチャアレイ321は、一次ビームレット311、312、及び313が所望の形状及びサイズのアパーチャに入射し得るように、一次光軸304に直交する平面内のx軸及びy軸に沿って移動可能であることがある。例えば、ビーム制限アパーチャアレイ321は、形状及びサイズを有するアパーチャの複数の列を含むことがあり、各列内のアパーチャは同様のサイズ及び形状を有する。ビーム制限アパーチャアレイ321の位置は、所望のサイズ及び形状を有する一列のアパーチャが一次ビームレット311、312、及び313にさらされ得るように調節されることがある。
[0084] 放射源変換ユニット320は、図3Bに示すように、一次ビームレット311、312、及び313を像面PI上に集束させるように構成された結像レンズ324を含むことがある。結像レンズ324は、一次光軸304に直交する主平面324_2を有することがある。実施形態によっては、結像レンズ324は、ビーム制限アパーチャアレイ321の下流に又はビーム制限アパーチャアレイ321の直下流に位置決めされることがある。結像レンズ324は、一次ビームレット311、312、及び313を集束させて中間像面PI上に一次電子ビーム302の集束された複数の像を形成するように構成されることがある。
[0085] 実施形態によっては、結像レンズ324は、図3Bに示すように、一次光軸304に沿った位置範囲内で移動可能であることがある。像面PIの位置は、例えば、結像レンズ324の集光力を変更することによって調節されることがある。結像レンズ324の集光力は、電気励起を変化させることによって、例えば、結像レンズ324に印加される電圧又は電流を変化させることによって調節されることがある。実施形態によっては、結像レンズ324は、静電レンズ又は磁気レンズであることがある。結像レンズ324はまた電磁レンズ又は複合レンズであり得ることが理解されよう。
[0086] 実施形態によっては、結像レンズ324の主平面324_2又は結像レンズ324の位置は、サンプル308の表面上のプローブスポット311S、312S、及び313Sのピッチを変更するように調節されることがある。実施形態によっては、一次光軸304に沿ったサンプル308の位置は、プローブスポット311S、312S、及び313Sのピッチを変更するために変更されることがある。実施形態によっては、一次光軸304に沿った結像レンズ324の主平面324_2の位置及びサンプル308の位置は、プローブスポット311S、312S、及び313Sのピッチを変更するために変更されることがある。
[0087] 電子光学システム300Bの対物レンズ331は、検査のためにビームレット311、312、及び313をサンプル308の表面上に集束させるように構成されることがあり、サンプル308の表面上にプローブスポット311S、312S、及び313Sをそれぞれ形成することができる。図3Bに示すように、対物レンズ331は、主平面331_2上に位置決めされることがあり、位置範囲内で調節可能であるように構成されることがある。実施形態によっては、対物レンズ331は、サンプル308に入射するビームレットの最終的なサイズを決定して、サンプル308上に形成されたプローブスポットの収差を低減するように構成されることがある。実施形態によっては、結像レンズ324の主平面324_2の位置、又は対物レンズ331の主平面331_2の位置、又はサンプル308の位置は、プローブスポット311S、312S、及び313Sのピッチを調節するために、一次光軸304に沿って調節されことがある。
[0088] 図3D及び図3Eに示すように、サンプル308への一次ビームレット311、312、及び313のプローブスポット311S、312S、及び313Sの入射に応答して、サンプル308から電子が出現し、プローブスポット311S、312S、及び313Sにそれぞれ対応する3つの二次電子ビーム311se、312se、及び313seが形成されることがある。実施形態によっては、電子システム300D及び300Eは、二次電子ビーム311se、312se、及び313seを一次ビームレット311、312、及び313から分離して二次電子ビームを二次結像システム(図2の二次結像システム250)に向けて誘導するためのビームセパレータ334を含むことがある。
[0089] 図2に関して上記で説明したように、ビームセパレータ334は、静電双極子場及び磁気双極子場を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタ型であることがある。実施形態によっては、静電双極子場によって一次ビームレット311、312、及び313の電子に加わる静電力は、磁気双極子場によって電子に加わる磁力と大きさが等しく且つ向きが逆である。よって、サンプル308に向かって進行する、一次ビームレット311、312、及び313は、ゼロの偏向角でビームセパレータ334を真っ直ぐに通過することができる。対照的に、サンプル308から出射されてサンプル308から離れるように進行する、二次電子ビーム311se、312se、及び313seは、一次ビームレット311、312、及び313から離れるように二次結像システムに向けて偏向されることがある。
[0090] 1つの電子に加わる磁力は、電子の速度に依存する。一次電子ビーム302の電子は、エネルギー又は速度が異なることがあるので、ビームレット311、312、及び313の各々の電子に加わる磁力は同じでないことがある。よって、各ビームレットのいくつかの電子は、異なる非ゼロの偏向角を有することがある。それゆえ、ビームセパレータ334は、ビームレット311、312及び313の分散を生じさせる。ビームレット311、312及び313の集束面(例えば、放射源303の像面)において分散が起こらない場合、その影響によってサンプル308上のプローブスポット311S、312S及び313Sが拡大される。それゆえ、実施形態によっては、ビームセパレータ334は、像面PI上に位置決めされることがある。結果として、ビームセパレータ334によって生じた分散によって引き起こされるプローブスポット311S、312S、及び313Sのサイズの増加は、実質的に低減されるか又は更には完全に排除されることがある。
[0091] 図3Dに示すように、ビームセパレータ334は、一次ビームレット311、312、及び313の各々が平行ビームである電子光学システム(図3Bのシステム300Bなど)に含まれることがある。図3Eに示すように、ビームセパレータ334は、一次ビームレット311、312、及び313の各々が平行ビームではない電子光学システム(図3Cのシステム300Cなど)に含まれることがある。
[0092] ここで図4A~図4Dを参照すると、図4A~図4Dは、本開示の実施形態と一致した、電子光学システム400A~400Dの例示的な構成をそれぞれ示す。図3A~図3Cのそれぞれの電子光学システム300A~300Cの素子に加えて、電子光学システム400A~400Dは、転写レンズ433を含む。電子源401、アパーチャレンズアレイ422とビーム制限アパーチャアレイ421と結像レンズ424とを含む放射源変換ユニット420、及び対物レンズ431は、電子光学システム300A~300Cの対応する素子と同様又は実質的に同様であることがあり、同様の機能を果たすことがある。
[0093] 実施形態によっては、一次ビームレット411、412、及び413がサンプル408に垂直に入射するように一次ビームレット411、412、及び413を集束させて対物レンズ431の前側焦点面上にクロスオーバーを形成することが望ましいことがある。一次ビームレット411、412、及び413を集束させて対物レンズ431の前側焦点面上にクロスオーバーを形成することは、例えば、電気励起を調節することで結像レンズ424の集光力を調節することによって達成されることがある。
[0094] 実施形態によっては、転写レンズ433は、図4Aに示すように、電子光学システム400A内の対物レンズ431の前側焦点面上にクロスオーバーを形成するように一次ビームレット411、412、及び413を誘導するために使用されることがある。よって、一次ビームレット411、412、及び413は、サンプル408に垂直又は実質的に垂直に入射することができ、収差の小さな複数のプローブスポット411S、412S、及び413Sが形成されることがある。
[0095] 実施形態によっては、転写レンズ433は、固定レンズ又は可動レンズ(主平面が光軸404に沿って移動可能である)であることがある。転写レンズ433は、例えば、静電、磁気、又は電磁複合レンズであることがある。例えば、レンズの集束力を変更するために、レンズの電気励起を調節することで、レンズによって生成される磁場又は静電場を変化させることがある。転写レンズ433は、結像レンズ424の下流に又は結像レンズ424の直下流に配置されることがある。転写レンズ433は、像面(PI)と一致する一次光軸404に直交する主平面433_2を有することがある。実施形態によっては、アパーチャレンズアレイ422及び結像レンズ424は、一次ビームレット411、412、及び413を集束させて像面(PI)上に電子源401の複数の実像を形成するように構成されることがある。この例では、像面(PI)は、転写レンズ433の主平面433_2と一致することがある。本開示の文脈において、「一致する」は、平面上又は平面の近くを含むことがある。本明細書で使用される場合、「近接する」とは、像面(PI)と転写レンズ433の主平面433_2との物理的近接性を指すことがある。例えば、像面(PI)は、転写レンズ433が一次ビームレット411、412、及び413を集束させずに、単に一次ビームレット411、412、及び413を光軸404に向けて曲げ得るように、主平面433_2の近接距離範囲内に形成されることがある。
[0096] 実施形態によっては、プローブスポット411S、412S、及び413Sのピッチは、一次光軸404に沿った像面(PI)の位置及び転写レンズ433の主平面433_2の位置に基づいて決定されることがある。プローブスポット411S、412S、及び413Sのピッチは、像面(PI)及び主平面433_2が結像レンズ424から離れるにつれて増加することがある。例えば、プローブスポットのピッチは、像面(PI)及び主平面433_2が一次光軸404に沿って結像レンズ424のより近くに位置決めされたときよりも一次光軸404に沿って結像レンズ424から遠くに離れて位置決めされたときに、より大きくなる。これらの2つの平面の位置は、主平面433_2の上側位置及び下側位置(PU及びPDとしてそれぞれ示す)として示す、図4Aの433_3によって表す、位置範囲内で一次光軸404に沿って調節可能であることがある。換言すれば、PUは、対物レンズ431よりも結像レンズ424に近い位置範囲内の主平面433_2の位置を示し、PDは、結像レンズ424よりも対物レンズ431に近い位置範囲内の主平面433_2の位置を示す。
[0097] 図4Aは、転写レンズ433の主平面433_2がPUのより近くに又は結像レンズ424のより近くに位置決めされ、それにより、プローブスポット411S、412S、及び413Sの小さなピッチが得られる、電子光学システム400Aを示す。そのような構成では、結像レンズ424の電気励起は、像面(PI)が転写レンズ433の主平面433_2と一致するか又は主平面433_2に近接するように調節されることがある。
[0098] 図4Bは、適度なピッチのプローブスポット411S、412S、及び413Sを有する電子光学システム400Bを示す。そのような構成では、一次ビームレット411、412、及び413は、結像レンズ424を出た後に一次光軸404に平行又は実質的に平行であることがある。
[0099] 図4Cは、転写レンズ433の主平面433_2が結像レンズ424よりも対物レンズ431の近くに位置決めされ、それにより、プローブスポット411S、412S、及び413Sのより大きなピッチが得られる、電子光学システム400Cを示す。この例では、結像レンズ424は、一次ビームレット411、412、及び413が、主平面433_2と一致するか又は主平面433_2に近接する像面(PI)上に集束されるように、一次ビームレット412及び413を弱く集束させるように更に構成されることがある。図4Cに示すように、像面(PI)及び主平面433_2は一致し、転写レンズ433の可動範囲433_3のPDに近接する。
[00100] 図4A、図4B、及び図4Cに示すように、実施形態によっては、アパーチャレンズプレート422-ALPにおいてアパーチャレンズアレイ422内の対応するアパーチャレンズを出る各ビームレットは、図3Bの電子光学システム300Bと同様に、平行ビームになるようにコリメートされることがある。実施形態によっては、図4Dに示すように、アパーチャレンズアレイ422内の対応するアパーチャレンズを出る各ビームレットは、図3Cのシステム300Cと同様に、平行ビームでないことがある(例えば、発散又は収束していることがある)。
[00101] ここで図5A及び図5Bを参照すると、図5A及び図5Bは、本開示の実施形態と一致した、マルチビーム装置内の電子光学システム500A及び500Bの例示的な構成を示す。図3Bの300Bなどの電子光学システムの素子に加えて、電子光学システム500Aは、ビームレット傾斜偏向器534を含む。電子源501、アパーチャレンズアレイ522とビーム制限アパーチャアレイ521と結像レンズ524とを含む放射源変換ユニット520、及び対物レンズ531は、図3Bの電子光学システム300Bの対応する素子と同様又は実質的に同様であることがあり、同様の機能を果たすことがある。
[00102] 集積回路(IC)デバイスは、多くの場合、薄膜デポジション、エッチングの技術、又は微小電気機械システムの他の周知の製造技術を使用して、シリコンウェーハなどの基板上にパターニングされた三次元構造の複数の層を含む。ウェーハのインラインプロセス検査中に、例えば、ビア、トレンチ、又はメサ構造の側壁に欠陥がないか検査することが望ましいことがある。電子光学システム300B、及び400A~400Dなどの、実施形態によっては、プローブビームレットのランディング角(サンプル表面の法線に対して形成された角度)はゼロ又はほぼゼロであり、例えば、トレンチ又はメサの側壁を検査する役割を果たすのに適していないことがある。
[00103] この問題に対処するために、電子光学システム500Aは、図5Aに示すように、ビームレット傾斜偏向器534を含むことがある。ビームレット傾斜偏向器534は、静電偏向器又は磁気偏向器又は電磁偏向器を含むことがあり、ビーム傾斜偏向器534の偏向面が、結像レンズ524によって形成された像面(PI)と一致し得るように配置されることがある。実施形態によっては、ビームレット傾斜偏向器534は、サンプル508の表面法線に対して同じ又は実質的に同じランディング角(θ)でサンプル508の表面に斜めに入射するように一次ビームレット511、512、及び513を傾斜させるように構成されることがある。ビームレット傾斜偏向器534は、放射源変換ユニット520と対物レンズ531との間に配置されることがある。
[00104] 実施形態によっては、ビームレット傾斜偏向器534への通電が行われている場合、ビームレット傾斜偏向器534は、同じ又は実質的に同じランディング角でサンプル508の表面に入射するように一次ビームレット511、512、及び513を一緒に偏向させることがある。ビームレットを傾斜させることは、図5Aに示すように、一次ビームレット511、512、及び513のクロスオーバーを一次光軸504の僅かに外に且つ対物レンズ531の前側焦点面に又はその近傍にシフトさせることを含むことがある。ビームレット傾斜偏向器534への通電が停止されている場合、一次電子ビームレット511、512、及び513は、サンプル508に垂直又は実質的に垂直に入射することがある。一次ビームレット511、512、及び513の傾斜角又はランディング角は、ビームレット傾斜偏向器534の電気励起に基づいて調節されることがある。
[00105] 図5Bに示すように、実施形態によっては、ビームレット傾斜偏向器534はまた、二次電子ビーム511se、512se、及び513seを一次ビームレット511、512、及び513から分離するビームセパレータ(図3D及び図3Eのビームセパレータ334など)として機能することもある。実施形態によっては、ビームレット傾斜偏向器534(ビームセパレータとしても機能する)は、像面PI上に位置決めされることがある。ビームレット傾斜偏向器534によって生じた分散によって引き起こされるプローブスポット511S、512S、及び513Sのサイズの増加は、ビームレット傾斜偏向器534を像面PI上に位置決めすることによって実質的に低減されるか又は更には完全に排除されることがある。
[00106] ここで図6A~図6Cを参照すると、図6A~図6Cは、本開示の実施形態と一致した、電子光学システム600A~600Cの例示的な構成をそれぞれ示す。図5Aの電子光学システム500Aの素子に加えて、電子光学システム600A~600Cは、転写レンズ633を含むことがある。電子源601、アパーチャレンズアレイ622とビーム制限アパーチャアレイ621と結像レンズ624とを含む放射源変換ユニット620、対物レンズ631、及びビームレット傾斜偏向器634は、電子光学システム500Aの対応する素子と同様又は実質的に同様であり得、同様の機能を果たし得ることに留意されたい。転写レンズ633は、電子光学システム400A~400Cの転写レンズ433と同様又は実質的に同様であることがあり、同様の機能を果たすことがある。
[00107] 図6Aは、図4A~図4C及び図5Aに関してそれぞれ説明したように、マルチビーム検査装置内の転写レンズ及びビームレット傾斜偏向器を使用する利点を組み合わせ得る、電子光学システム600Aを示す。実施形態によっては、ビームレット傾斜偏向器634は放射源変換ユニット620のより近くに配置され得るが、ビームレット傾斜偏向器634は、好ましくは、偏向面が転写レンズ633の主平面633_2と一致するように位置決めされることがある。実施形態によっては、図6Aに示すように、ビームレット傾斜偏向器634の偏向面及び主平面633_2は、像面(PI)と一致することがあり、一次光軸604に沿った転写レンズ633の位置範囲633_3内に位置することがある。
[00108] 図6Aでは、アパーチャレンズアレイ622及び結像レンズ624は、一次ビームレット611、612、及び613を集束させて、転写レンズ633の主平面633_2と一致する、中間像面(PI)上に電子源601の複数の実像を形成する。実施形態によっては、像面(PI)は、転写レンズ633の主平面633_2に近接することがある。ビームレット傾斜偏向器634はまた、像面(PI)上に又は像面(PI)に近接して配置されることがある。この構成では、傾斜角は、ビームレット傾斜偏向器634の電気励起を調節することによって変更されることがあり、その一方で、プローブスポット611S、612S、及び613Sのピッチは、主平面633_2及び像面(PI)の位置を一次光軸604に沿って一緒に調節することによって変更されることがある。
[00109] 実施形態(図6B及び図6Cに示す実施形態など)によっては、転写レンズ633は、複数の電極633A、633B、633C、及び633Dを含むことがある。図6B及び図6Cには4つの電極のみが示されているが、転写レンズ633が、必要に応じて、任意の数の電極を含み得ることが理解されよう。実施形態によっては、電極633A、633B、633C、及び633Dは、一次光軸604と一致する、転写レンズ633の光軸(図示せず)に沿って位置決めされることがある。電極633A、633B、633C、及び633Dは、多極構造によって実装されることがある。図6Bでは、転写レンズ633は、2つの外側電極633A及び633Dと、2つの内側電極633B及び633Cとを含む。電極は、均一な距離又は不均一な距離だけ互いに隔てられることがある。電極間の距離は、転写レンズ633内又は2つ以上の電極間の電場を決定するのに役立つことがある。
[00110] 実施形態によっては、転写レンズ633は、コネクタを介してコントローラ(例えば、コントローラ50)と接続されることがある。コントローラ50は、電極633A、633B、633C、及び633Dに電圧を印加して、要件に基づいて印加電圧を維持又は調節するように構成されることがある。転写レンズ633内に電場を生成するために、残りの電極に電圧VT2が印加される一方で、1つ又は複数の電極(例えば、電極633A、633B、633C、及び633D)に電圧VT1が印加されることがある。電場は、主平面633_2が像面(PI)と一致するか又は像面(PI)の近くにあるように結像レンズ624によって形成された像面(PI)の近くで生成されることがある。
[00111] 電子光学システム600B内の転写レンズ633の電極633A、633B、633C、及び633Dの例示的な構成が、図6Bに示されている。図6Aの電子光学システム600Aと同様に、電子光学システム600Bは、転写レンズ633とビームレット傾斜偏向器634(図示せず)とを含む。例として、図6Bでは、像面(PI)は、適度なピッチを有するプローブスポット611S、612S、及び613Sを生成するために配置され、一次ビームレット411、412、及び413は、結像レンズ624を出た後に一次光軸404に平行又は実質的に平行であることがある。プローブスポットのピッチは、例えば、像面(PI)の位置を変更するために結像レンズ624の電気励起を調節することによって調節されることがある。像面(PI)の位置が結像レンズ624よりも対物レンズ631に近いときには、プローブスポットのピッチが、(図4Cの電子光学システム400C内に示すように)より大きくなることがある。
[00112] 図6Bに示すように、電圧VT1は、内側電極633Cに印加されることがあり、その一方で、電圧VT2は、内側電極633B並びに外側電極633A及び633Dに印加されることがある。VT1及びVT2は、互いに異なることがある。実施形態によっては、VT1及びVT2は両方とも、非ゼロの電圧であることがある。この例では、電場は、主平面633_2が像面(PI)と一致するか又は像面(PI)に近接するように転写レンズ633内に生成される。
[00113] 図6Cは、600Bの実施形態と比較してピッチの小さなプローブスポット611S、612S、及び613Sを生成するために像面(PI)の位置が対物レンズ631よりも結像レンズ624に近い、電子光学システム600Cを示す。このシナリオでは、電極633Aと633Bとの間に電圧差が存在することがあり、その一方で、電極633C及び633Dは、電極633Bと同じ電圧に保持されることがある。この構成は、転写レンズ633の主平面633_2が像面(PI)と一致するか又は像面(PI)に近接するように、電極633Aと633Bとの間に電場を作り出すことがある。実施形態によっては、転写レンズ633は、一次ビームレット611、612、及び613を対物レンズ631の前側焦点面へ誘導するように構成されることがあり、ビームレット傾斜偏向器は必要でないことがある。図6Cに示すように、ビームレット傾斜偏向器634がない場合には、一次ビームレット611、612、及び613は、ゼロの傾斜角又はランディング角でサンプル608の表面に垂直又は実質的に垂直に入射することがある。
[00114] ここで図7A及び図7Bを参照すると、図7A及び図7Bは、本開示の実施形態と一致した、マルチビーム検査装置内の電子光学システム700A及び700Bの例示的な構成を示す。図3B及び図3Cの電子光学システム300B及び300Cの素子に加えて、電子光学システム700A及び700Bは、ビームレット調節ユニット735を含むことがある。電子源701、アパーチャレンズアレイ722とビーム制限アパーチャアレイ721と結像レンズ724とを含む放射源変換ユニット720、及び対物レンズ731は、電子光学システム300B及び300Cの対応する素子と同様又は実質的に同様であることがあり、同様の機能を果たすことがある。
[00115] 図7Aに示すように、実施形態によっては、アパーチャレンズプレート722-ALPにおいてアパーチャレンズアレイ722内の対応するアパーチャレンズを出る各ビームレットは、図3Bの電子光学システム300Bと同様に、平行ビームになるようにコリメートされることがある。実施形態によっては、図7Bに示すように、アパーチャレンズアレイ722内の対応するアパーチャレンズを出る各ビームレットは、図3Cのシステム300Cと同様に、平行ビームでないことがある(例えば、発散又は収束していることがある)。各ビームレットは、結像レンズ724を出た後に一次光軸704に平行又は実質的に平行であることがある。仮想放射源703から中間像面PIまでの結像倍率は、図7Aにおける結像倍率よりも高いことがある。この倍率は、仮想放射源703のサイズと、サンプル708上の所要のスポットサイズと、仮想放射源703からサンプル708までのシステム全長の制限とに基づいて最適化することができる。
[00116] 電子光学システム700A及び700Bは、ビームレット調節ユニット735を含むことがある。実施形態によっては、ビームレット調節ユニット735は、偏向器アレイ735_1と、像面湾曲補償器アレイ735_2と、非点収差補償器アレイ735_3とを含むことがある。像面湾曲補償器アレイ735_3は、一次ビームレット211、212、及び213の像面湾曲収差を補償するための複数のマイクロレンズを含むことがある。非点収差補償器アレイ735_2は、一次ビームレット211、212、及び213の非点収差を補償するための複数のマイクロ非点収差補正器を含むことがある。
[00117] 実施形態によっては、一次ビームレット711、712、及び713は、像面湾曲収差及び非点収差を補償して、プローブスポット711S、712S、及び713Sでのビームレットの集束を改善するために、放射源変換ユニット720からビームレット調節ユニット735へ誘導されることがある。
[00118] 実施形態によっては、ビームレット調節ユニット735は、放射源変換ユニット720と対物レンズ731との間に配置されることがある。ビームレット調節ユニット735の1つの構成では、図7A及び図7Bに示すように、非点収差補償器アレイ735_3は、放射源変換ユニット720の直下流に配置されることがあり、像面湾曲補償器アレイ735_2は、非点収差補償器アレイ735_3の直下流に配置されることがあり、偏向器アレイ735_1は、像面湾曲補償器アレイ735_2の直下流に配置されることがある。ビームレット調節ユニット735内の非点収差補償器アレイ735_3、像面湾曲補償器アレイ735_2、及び偏向器アレイ735_1の他の配置も採用され得ることが理解されよう。
[00119] 実施形態によっては、偏向器アレイ735_1は、偏向器アレイ735_1の偏向面が、放射源変換ユニット720の結像レンズ724によって形成された像面(PI)(図示せず)と一致し得るか又は像面(PI)に近接するように位置決めされることがある。偏向器アレイ735_1は、ビームレットを光軸704に向けて偏向させることができるように構成された複数のマイクロ偏向器を含むことがある。例えば、マイクロ偏向器は、一次ビームレット711、712、及び713が対物レンズ731の前側焦点面にクロスオーバーを形成し得るように、ビームレットの偏向角を個別に調節することがある。実施形態によっては、一次ビームレットは、サンプル708に垂直又は実質的に垂直に入射するか又は収差の小さな複数のプローブスポット711S、712S、及び713Sを形成できるようにされることがある。実施形態によっては、プローブスポット711S、712S、及び713Sのピッチは、例えば、一次光軸704に沿った結像レンズ724の主平面の位置、又は対物レンズ731の主平面の位置、又はサンプル708の位置に基づいて決定されることがある。像面(PI)の位置は、結像レンズ724の電気励起に基づいて調節されることがある。
[00120] 偏向されたビームレットの偏向角は、1つ又は複数の基準に基づいて設定されることがある。実施形態によっては、偏向器は、オフアクシスのビームレットを径方向外方に又は一次光軸704から離れるように(図示せず)偏向させることがある。実施形態によっては、偏向器は、オフアクシスのビームレットを径方向内方に又は一次光軸704に向けて偏向させるように構成されることがある。ビームレットの偏向角は、ビームレット711、712、及び713がサンプル708に垂直に入射するように設定されることがある。対物レンズ731などの、レンズに起因する像のオフアクシス収差は、レンズを通過するビームレットの経路を調節することによって低減されることがある。それゆえ、オフアクシスのビームレット712及び713の偏向角は、プローブスポット712S及び713Sが小さな収差を有するように設定されることがある。ビームレットは、ビームレット711、712、及び713をサンプル708に垂直に入射させるように偏向されることがある。実施形態によっては、偏向器は、プローブスポット711S、712S、及び713Sの収差が小さくなるように設定されることがある。実施形態によっては、偏向器は、ビームレット711、712、及び713をサンプル708に実質的に垂直に入射させ、その一方で、プローブスポット711S、712S、及び713Sが小さな収差を有するように設定されることがある。実施形態によっては、偏向器アレイ735_1は、一次ビームレット711、712、及び713がサンプル708の表面法線に対して傾斜角でサンプル708の表面に入射し得るように、一次光軸704から外れた位置において対物レンズ731の前側焦点面を通過するように一次ビームレット711、712、及び713を偏向させるように構成されることがある。実施形態によっては、検査要件に基づいて一次ビームレット711、712、及び713の傾斜角を個別に変化させることがある。例えば、一次ビームレット711、712、及び713の傾斜角は、同様であるか、実質的に同様であるか、又は異なることがある。
[00121] 実施形態によっては、像面湾曲補償器アレイ735_2は、プローブスポット711S、712S、及び713Sの像面湾曲を補償するように構成された複数のマイクロレンズを含むことがある。実施形態によっては、像面湾曲補償器アレイ735_2は、複数のマイクロレンズの複数の層を含むことがある。像面湾曲補償器アレイ735_2は、ビームレット調節ユニット735の非点収差補償器アレイ735_3と偏向器アレイ735_1との間に位置決めされることがある。多層アレイの例は、米国特許出願第62/567,134号で更に説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[00122] 実施形態によっては、非点収差補償器アレイ735_3は、複数のプローブスポット711S、712S、及び713Sの非点収差を補償するように構成された複数のマイクロ非点収差補正器を含むことがある。各マイクロ非点収差補正器は、対応する一次ビームレットの非点収差を補償するために四極子場を生成するように構成されることがある。実施形態によっては、非点収差補償器アレイ735_3は、複数のマイクロ非点収差補正器の複数の層を含むことがある。
[00123] 実施形態によっては、図7A又は図7Bには示されていないが、電子光学システム700A及び700Bは、転写レンズ(例えば、図6Aの転写レンズ633)又はビームレット傾斜偏向器(例えば、図6Aのビームレット傾斜偏向器634)を含むことがある。ビームレット傾斜偏向器は、ビームレット傾斜偏向器の偏向面が偏向器アレイ735_1の偏向面と一致するか又は偏向面に近接するように配置されることがある。ビームレット傾斜偏向器は、一次ビームレット711、712、及び713のクロスオーバーが一次光軸704の僅かに外に形成され且つ一次ビームレット711、712、及び713がサンプル708の表面法線に対して傾斜角でサンプル708の表面に入射するように一次ビームレット711、712、及び713を偏向させるように構成されることがある。実施形態によっては、転写レンズは、転写レンズの主平面が偏向器アレイ735_1の偏向面及び像面(PI)と一致するように配置されることがある。実施形態によっては、転写レンズは、転写レンズの主平面の集束力又は位置を調節することによってプローブスポット711S、712S、及び713Sのピッチを変更できるように、偏向器アレイ735_1の下方に配置されることがある。
[00124] ここで図8を参照すると、図8は、本開示の実施形態と一致した、電子光学システム内の複数のビームを使用してサンプルを検査する例示的な方法800を表すフロー図を示す。方法800は、例えば、図1に示すように、EBIシステム100のコントローラ50によって実行されることがある。コントローラ50は、方法800の1つ又は複数のブロックを実行するようにプログラムされることがある。例えば、コントローラ50は、アパーチャレンズ形成用電極プレートに第1の電圧を印加して、他の機能を果たすことがある。
[00125] ステップ810では、荷電粒子源(例えば、図3Bの電子源301)は、荷電粒子ビーム(例えば、図3Bの一次電子ビーム302)を生成するように作動されることがある。電子源は、コントローラ(例えば、図1のコントローラ50)によって作動されることがある。例えば、電子源は、一次電子を放出して一次光軸(例えば、図3Bの一次光軸304)に沿った電子ビームを形成するように制御されることがある。電子源は、例えば、コントローラのプロセッサが制御回路を通して電子源に電力を供給するための、ソフトウェア、アプリケーション、又は1組の命令を使用することによって、遠隔で作動されることがある。
[00126] ステップ820では、複数の一次電子ビームレット(例えば、図3Aの一次ビームレット311、312、及び313)は、アパーチャレンズアレイ(例えば、図3Aのアパーチャレンズアレイ322)の複数のアパーチャレンズ(例えば、図3Aのアパーチャレンズ322_1、322_2、及び322_3)によって集束されることがある。アパーチャレンズは、アパーチャレンズ形成用電極プレート(例えば、図3Bのアパーチャレンズ形成用電極プレート322-E-el)とアパーチャレンズプレート(例えば、図3Bのアパーチャレンズプレート322-ALP)との間に電場E1を作り出すことによって形成されることがある。
[00127] 実施形態によっては、アパーチャレンズ形成用電極プレートは、一次電子ビームの通過を可能にするように構成された開口又はアパーチャを有する導電性構造を含むことがある。例として、導電性構造は、電子が通過することを可能にするように構成されたアパーチャを形成するように配置されたプレート又は複数のプレートを含むことがある。実施形態によっては、アパーチャレンズ形成用電極プレートは、電子源の直下流に且つ一次電子ビームが伝搬する一次光軸に直交して位置決めされることがある。
[00128] 実施形態によっては、アパーチャレンズプレートは、一次電子ビームが通り抜ける複数のアパーチャを備えた導電性構造を含むことがある。導電性構造は、複数のアパーチャを備えた単一のプレート又は複数のアパーチャを形成するように配置された複数のプレートによって実装されることがある。アパーチャレンズプレートは、アパーチャレンズ形成用電極プレートの直下流に且つ一次光軸に直交して位置決めされることがある。
[00129] 実施形態によっては、アパーチャレンズ形成用電極プレート及びアパーチャプレートは、電圧V1及びV2をそれぞれ供給するためにコントローラと接続されることがある。コントローラはまた、供給電圧を維持又は調節するように構成されることがある。コントローラは、電場E1を生成するためにアパーチャレンズ形成用電極プレートとアパーチャレンズプレートとの間に、例えば、異なる電圧V1及びV2を印加することによって、電位差を維持することがある。電場E1の存在下で、アパーチャレンズプレートのアパーチャの各々は、静電レンズとして機能することがあり、それにより、アパーチャレンズアレイを形成する。アパーチャレンズアレイのアパーチャレンズは、アパーチャレンズプレートを通り抜けるビームレットを集束させるように構成されることがある。
[00130] ステップ830では、アパーチャレンズプレートを出る一次電子ビームレットの電流は、電流制限アパーチャアレイ(例えば、図3Bのビーム制限アパーチャアレイ321)を通過することによって調節されることがある。ビーム制限アパーチャアレイは、アパーチャレンズプレートの直下流に且つ一次光軸に直交して位置決めされることがある。実施形態によっては、ビーム制限アパーチャアレイは、複数のビーム制限アパーチャを含む導電性構造によって実装されることがある。
[00131] 実施形態によっては、ビーム制限アパーチャアレイは、ビーム制限アパーチャアレイとアパーチャレンズプレートとの間に無視できる程度の電場E2が存在するように、V2と同じ又は実質的に同じ電圧V3を供給するためにコントローラと接続されることがある。無視できる程度の、好ましくはゼロの電場E2を維持することによって、一次電子ビームレットが、レンズ効果を受けずにビーム制限アパーチャアレイを通過できるようになることがある。ビーム制限アパーチャアレイとアパーチャレンズプレートとの間にゼロの又はゼロに近い電場E2を維持する利点の1つは、収差が低減され、それにより、結像分解能が高まることであり得る。
[00132] ビーム制限アパーチャアレイは、均一又は不均一なサイズ、断面、形状、及びピッチのアパーチャを含むことがある。ビーム制限アパーチャアレイは、ビーム制限アパーチャアレイを通り抜ける一次電子ビームレットが所望のサイズ及び形状のアパーチャを通過し得るように、一次光軸に垂直な平面に沿って移動可能であることがある。一次電子ビームレットのサイズによって、電子の数が決定され、それにより、ビームレットの電流が決定されることがある。
[00133] ステップ840では、ビーム制限アパーチャアレイを出る一次電子ビームレットは、結像レンズ(例えば、図3Bの結像レンズ324)を使用して中間像面(例えば、図3Bの像面PI)上に集束されることがある。実施形態によっては、結像レンズは、ビーム制限アパーチャアレイの直下流に位置決めされ、一次電子ビームレットを中間像面PI上に集束させるように構成されることがある。
[00134] 実施形態によっては、一次光軸に沿った像面PIの位置は、結像レンズの集光力を変更することによって調節されることがある。結像レンズの集光力は、結像レンズに電圧又は電流を供給することによって電気励起を調節することによって変更されることがある。結像レンズは、複数のプローブスポット(例えば、図3Bのプローブスポット311S、312S、及び313S)の所望のピッチに基づいて所望の電気励起を印加して一次光軸に沿った像面PIの位置を変更するために、コントローラと接続されることがある。一次電子ビームレットは、対物レンズの前側焦点面を通過するように結像レンズによって誘導されることがある。
[00135] 電子光学システム400A~400Cの例示的な構成を示す実施形態などの、実施形態によっては、転写レンズ(例えば、図4Aの転写レンズ433)は、結像レンズと対物レンズとの間に配置されることがある。転写レンズは、一次電子ビームレットが対物レンズの前側焦点面を通過するように誘導するように構成されることがある。実施形態によっては、転写レンズは、固定レンズ又は可動レンズであることがある。転写レンズは、例えば、静電、磁気、又は電磁複合レンズであることがある。例えば、レンズの集束力を変更するか又はレンズの主平面の位置を変更するためにレンズの電気励起を調節することによって、レンズによって生成される磁場又は静電場を変化させることがある。転写レンズは、電気励起を調節するためにコントローラと接続されることがある。
[00136] 実施形態によっては、転写レンズは、転写レンズの主平面(例えば、図4Aの主平面433_2)が像面PIと一致するか又は像面PIに近接するように位置決めされることがある。主平面の位置は、転写レンズの電気励起に基づいて一次光軸に沿った位置範囲内で移動可能であることがある。プローブスポットのピッチを変化させるために転写レンズの主平面の位置を像面PIと一致するように調節することが望ましいことがある。
[00137] プローブスポットのピッチは、結像レンズからの主平面の距離の増加に伴って増加することがある。例えば、プローブスポットのピッチは、主平面が一次光軸に沿って結像レンズのより近くに位置決めされたときよりも主平面が一次光軸に沿って結像レンズから遠くに離れて位置決めされたときに、より大きくなる。
[00138] 500Aの実施形態などの、実施形態によっては、ビームレット傾斜偏向器(例えば、図5Aのビームレット傾斜偏向器534)は、サンプルの表面法線に対して同じ又は実質的に同じランディング角(θ)でサンプルの表面に斜めに入射するように一次電子ビームレットを傾斜させるために、結像レンズと対物レンズとの間に配置されることがある。これは、ウェーハ検査中に、メサ構造、又はビア、又はトレンチの側壁を検査するのに役立つことがある。
[00139] ビームレット傾斜偏向器は、ビーム傾斜偏向器の偏向面が像面PIと一致し得るか又は像面PIに近接し得るように位置決めされることがある。実施形態によっては、ビームレット傾斜偏向器への通電が行われている場合、ビームレット傾斜偏向器は、同じ又は実質的に同じランディング角でサンプルの表面に入射するように一次電子ビームレットを一緒に偏向させることがある。ビームレットを傾斜させることは、図5Aに示すように、ビームレットのクロスオーバーを一次光軸の僅かに外に且つ対物レンズの前側焦点面の近傍にシフトさせることを含むことがある。ビームレット傾斜偏向器への通電が停止されている場合、一次電子ビームレットは、サンプルに垂直又は実質的に垂直に入射することがある。一次電子ビームレットの傾斜角又はランディング角は、コントローラと接続され得るビームレット傾斜偏向器の電気励起に基づいて調節されることがある。コントローラは、ビームレット傾斜偏向器によって傾斜角を調節することが望ましい電気励起を供給するように構成されることがある。
[00140] 600A~600Cの実施形態などの、実施形態によっては、電子光学システムは、転写レンズとビームレット傾斜偏向器とを含むことがある。そのようなシステムでは、プローブスポットのピッチは、ビームレット傾斜偏向器を使用して一次電子ビームレットを傾斜させながら、結像レンズの主平面、又は転写レンズの主平面、又は対物レンズの主平面、又はサンプルの位置に基づいて調節されることがある。
[00141] 700A及び700Bの実施形態などの、実施形態によっては、電子光学システムは、像面湾曲、非点収差を補償してプローブスポットの収差を低減するためのビームレット調節ユニット(例えば、図7A及び図7Bのビームレット調節ユニット735)を含むことがある。例えば、ビームレット調節ユニットは、非点収差補償器アレイ(例えば、図7A及び図7Bの非点収差補償器アレイ735_3)と、像面湾曲補償器アレイ(例えば、図7A及び図7Bの像面湾曲補償器アレイ735_2)と、偏向器アレイ(例えば、図7A及び図7Bの偏向器アレイ735_1)とを含むことがある。一次電子ビームレットは、放射源変換ユニット(例えば、図7A及び図7Bの放射源変換ユニット720)から、収差を低減し且つ非点収差及び像面湾曲を補償してプローブスポットの焦点を改善するために一次電子ビームレットを偏向させるビームレット調節ユニットへ誘導されることがある。
[00142] 実施形態によっては、ビームレット調節ユニットは、放射源変換ユニットと対物レンズとの間に配置されることがある。ビームレット調節ユニットの1つの構成では、非点収差補償器アレイは、放射源変換ユニットの直下流に配置されることがあり、像面湾曲補償器アレイは、非点収差補償器アレイの直下流に配置されることがあり、偏向器アレイは、像面湾曲補償器アレイの直下流に配置されることがある。ビームレット調節ユニットの素子の他の配置も可能であり得ることが理解されよう。
[00143] 実施形態によっては、偏向器アレイは、偏向器アレイの偏向面が、結像レンズによって形成された像面PIと一致し得るか又は像面PIに近接し得るように位置決めされることがある。偏向器アレイは、ビームレットを対物レンズに向けて偏向させることができるように構成された複数のマイクロ偏向器を含むことがある。例えば、マイクロ偏向器は、一次電子ビームレットが垂直に又は傾斜角でサンプルに入射するか又はサンプル上に小さな収差を有するように一次電子ビームレットの偏向角を個別に調節することがある。実施形態によっては、像面湾曲補償器アレイは、プローブスポットの像面湾曲を補償するように構成された複数のマイクロレンズを含むことがある。実施形態によっては、非点収差補償器アレイは、複数のプローブスポットの非点収差を補償するように構成された複数のマイクロ非点収差補正器を含むことがある。実施形態によっては、非点収差補償器アレイは、複数のマイクロ非点収差補正器の複数の層を含むことがある。実施形態によっては、像面湾曲補償器アレイは、複数のマイクロレンズの複数の層を含むことがある。実施形態によっては、偏向器アレイは、複数のマイクロ偏向器の複数の層を含むことがある。マイクロ偏向器は異なる極数を有することがあり、それらの例が米国特許出願第62/787,157号で更に説明されており、この特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[00144] ステップ850では、一次電子ビームレットは、プローブスポットを生成するために対物レンズによってサンプル(例えば、図3Aのサンプル308)の表面上に集束され投影されることがある。対物レンズは、一次電子ビームレットを集束させて一次電子ビームレットの収差を低減することによってプローブスポットの最終的なスポットサイズを決定するように構成されることがある。対物レンズは、プローブスポットのピッチを決定するために一次光軸に沿って移動可能であることがある。実施形態によっては、一次電子ビームレットの各々は、サンプル上にプローブスポットを形成することがある。一次電子ビームレットは、サンプル表面に垂直に入射することがある。サンプルに入射するビームレットの一次電子は、二次電子を生成することがある。二次電子検出器又は後散乱電子検出器を使用して二次電子が検出されることがあり、これにより、プローブされるサンプルに関する情報を明らかにする。
[00145] 実施形態については、以下の条項を使用して更に説明することができる。
1.サンプルを検査するための荷電粒子ビーム装置であって、
荷電粒子ビームを一次光軸に沿って放射するように構成された荷電粒子源と、
放射源変換ユニットであって、
第1の電圧にあるように構成されたアパーチャレンズ形成用電極プレートと、
第1の電場を生成するために上記第1の電圧と異なる第2の電圧にあるように構成されたアパーチャレンズプレートであって、上記荷電粒子ビームの複数のビームレットをそれぞれ集束させるために上記アパーチャレンズ形成用電極プレート及び上記アパーチャレンズプレートがアパーチャレンズアレイの複数のアパーチャレンズを形成できるようにする、アパーチャレンズプレートと、
上記複数のビームレットを像面上に集束させるように構成された結像レンズと、
を含む、放射源変換ユニットと、
上記複数のビームレットを上記サンプルの表面上に集束させて上記表面上に複数のプローブスポットを形成するように構成された対物レンズと、
を含む、荷電粒子ビーム装置。
2.上記結像レンズは、上記一次光軸に垂直な主平面を有する、条項1に記載の荷電粒子ビーム装置。
3.上記結像レンズの上記主平面は、上記一次光軸に沿って移動可能である、条項1及び2の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
4.上記対物レンズは、上記一次光軸に垂直な主平面を有する、条項1~3の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
5.上記対物レンズの上記主平面は、上記一次光軸に沿って移動可能である、条項1~4の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
6.上記サンプルは、上記一次光軸に沿って移動可能である、条項1~5の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
7.上記複数のプローブスポットのピッチは、上記結像レンズの上記主平面、上記対物レンズの上記主平面、又は上記サンプルのうちの少なくとも1つを移動させることによって変更することができる、条項4~6の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
8.上記放射源変換ユニットは、上記複数のビームレットの電流を制限するように構成されたビーム制限アパーチャアレイを更に含む、条項1~7の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
9.上記ビーム制限アパーチャアレイは、上記一次光軸に垂直な平面内に配置され、上記平面内で移動可能である、条項8に記載の荷電粒子ビーム装置。
10.上記ビーム制限アパーチャアレイは、複数のビーム制限アパーチャを含み、上記複数のビーム制限アパーチャのうちの少なくとも2つのビーム制限アパーチャは、サイズが異なる、条項8及び9の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
11.上記ビーム制限アパーチャアレイは、上記アパーチャレンズプレートと上記ビーム制限アパーチャアレイとの間に第2の電場を生成するために第3の電圧にあるように構成される、条項8~10の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
12.上記アパーチャレンズ形成用電極プレートは、上記荷電粒子ビーム源と上記アパーチャレンズプレートとの間に位置決めされる、条項1~11の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
13.上記アパーチャレンズ形成用電極プレートは、上記荷電粒子ビームの一部の通過を可能にするように構成された開口を含む、条項1~12の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
14.上記第1の電場は、上記アパーチャレンズ形成用電極プレートと上記アパーチャレンズプレートとの間で均一である、条項1~13の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
15.上記アパーチャレンズプレートは、上記アパーチャレンズ形成用電極プレートの下流に位置決めされる、条項1~14の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
16.上記アパーチャレンズプレートは、複数のアパーチャレンズを形成するように構成された上記複数のアパーチャを含む、条項1~15の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
17.上記複数のアパーチャレンズの各々は、静電レンズを含む、条項16に記載の荷電粒子ビーム装置。
18.上記第1の電場の大きさは上記第2の電場の大きさと異なり、それにより、上記アパーチャレンズアレイの上記複数のアパーチャレンズの各アパーチャレンズに対応するレンズ場を形成する、条項11~17の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
19.上記第3の電圧は、上記第2の電場がゼロになるように上記第2の電圧と同様である、条項11~18の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
20.上記第1の電圧と上記第2の電圧と上記第3の電圧は異なる、条項11~18の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
21.上記複数のアパーチャレンズの各々は、上記対応するビームレットを平行ビームになるようにコリメートするように構成される、条項11~20の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
22.上記複数のアパーチャレンズの各々は、上記第1の電圧、上記第2の電圧、及び上記第3の電圧のうちの少なくとも1つを調節することによって構成される、条項21に記載の荷電粒子ビーム装置。
23.複数の二次ビームを二次結像システムに向けて偏向させるためのビームセパレータを更に含み、上記複数の二次ビームは、上記荷電粒子ビームの上記複数のビームレットの入射に起因して上記サンプルから出射される、条項1~22の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
24.上記ビームセパレータは、上記ビームセパレータの偏向面が上記像面と一致するように位置決めされる、条項23に記載の荷電粒子ビーム装置。
25.上記一次光軸に垂直な主平面を有する転写レンズを更に含む、条項1~24の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
26.上記転写レンズは、上記結像レンズの下流に配置される、条項25に記載の荷電粒子ビーム装置。
27.上記転写レンズの上記主平面は、上記一次光軸に沿った位置範囲内で移動可能である、条項25及び26の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
28.上記転写レンズは、上記転写レンズの上記主平面の位置が上記像面と一致するように、上記結像レンズから距離をおいて位置決めされる、条項25~27の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
29.上記転写レンズは、上記複数のビームレットが上記サンプルに垂直に入射するように上記複数のビームレットを上記像面から上記対物レンズへ誘導するように構成される、条項25~28の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
30.上記転写レンズは、上記複数のビームレットが収差の小さな上記複数のプローブスポットを形成するように上記複数のビームレットを上記対物レンズへ誘導するように構成される、条項25~29の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
31.上記複数のプローブスポットのピッチは、上記転写レンズの上記主平面の上記位置を移動させることによって変更することができる、条項28~30の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
32.上記装置は、上記結像レンズと上記転写レンズの上記主平面との間の上記距離が増加するにつれて上記複数のプローブスポットの上記ピッチが増加するように構成される、条項31に記載の荷電粒子ビーム装置。
33.上記結像レンズの下流に位置決めされたビームレット傾斜偏向器を更に含む、条項1~32の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
34.上記ビームレット傾斜偏向器は、上記ビームレット傾斜偏向器の偏向面が上記像面と一致するように位置決めされる、条項33に記載の荷電粒子ビーム装置。
35.上記ビームレット傾斜偏向器は、上記結像レンズと上記転写レンズとの間に位置決めされる、条項33及び34の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
36.上記転写レンズの上記主平面は、上記一次光軸に沿った上記位置範囲内で移動可能である、条項33~35の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
37.上記ビームレット傾斜偏向器の上記偏向面は、上記転写レンズの上記主平面と一致する、条項34~36の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
38.上記ビームレット傾斜偏向器の上記偏向面及び上記転写レンズの上記主平面は、上記像面と一致する、条項34~37の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
39.上記ビームレット傾斜偏向器は、上記サンプルの表面法線に対して傾斜角で上記サンプルに入射するように上記複数のビームレットを偏向させるように構成される、条項33~38の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
40.上記ビームレット傾斜偏向器は、静電偏向器又は磁気偏向器を含む、条項33~39の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
41.上記複数のビームレットの上記傾斜角は、上記ビームレット傾斜偏向器の電気励起に基づいて調節される、条項39及び40の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
42.上記ビームレット傾斜偏向器は、上記複数の二次ビームを上記二次結像システムに向けて偏向させることができるようにされる、条項33~41の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
43.上記転写レンズは、上記転写レンズの光軸に沿って配置され且つ上記転写レンズ内に第3の電場を生成することができるように構成された複数の電極を含む、条項25~42の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
44.上記複数の電極は、外側電極及び内側電極を含む、条項43に記載の荷電粒子ビーム装置。
45.上記転写レンズの上記光軸は、上記一次光軸と一致する、条項43及び44の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
46.上記第3の電場は、上記転写レンズの上記主平面を上記像面と一致させる、条項43~45の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
47.上記結像レンズの下流に位置決めされたビームレット調節ユニットを更に含む、条項1~24の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
48.上記ビームレット調節ユニットは、上記複数のビームレットの少なくともいくつかを偏向させて上記複数のビームレットが上記対物レンズに垂直に入射することができるように構成された偏向器アレイを含む、条項47に記載の荷電粒子ビーム装置。
49.上記ビームレット調節ユニットは、上記複数のプローブスポットの像面湾曲収差を補償するように構成された像面湾曲補償器アレイを含む、条項47及び48の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
50.上記ビームレット調節ユニットは、上記複数のプローブスポットの非点収差を補償するように構成された非点収差補償器アレイを含む、条項47~49の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
51.上記偏向器アレイは、上記非点収差補償器アレイ及び上記像面湾曲補償器アレイの下流に位置決めされる、条項50に記載の荷電粒子ビーム装置。
52.上記ビームレット調節ユニットは、上記複数のビームレットが収差の小さな上記複数のプローブスポットを生成することができるように構成される、条項47~51の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
53.上記アパーチャレンズアレイは、複数の第1のアパーチャを備えたプレートによって実装される、条項1~52の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
54.上記アパーチャレンズアレイは、複数の第2のアパーチャを含む複数のプレートによって実装される、条項1~53の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
55.上記アパーチャレンズアレイと上記荷電粒子ビーム源との間に配置され且つ上記荷電粒子ビームの周辺荷電粒子を遮断するように構成された銃アパーチャプレートを更に含む、条項1~54の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
56.荷電粒子ビーム装置を使用してサンプルを検査する方法であって、
荷電粒子ビームを生成するように荷電粒子源を作動させることと、
アパーチャレンズアレイの複数のアパーチャレンズであって、アパーチャレンズ形成用電極プレートとアパーチャレンズプレートとの間に第1の電場を生成することによって形成された上記複数のアパーチャレンズを使用して、上記荷電粒子ビームの複数のビームレットを集束させることであって、上記第1の電場を生成することは、
上記アパーチャレンズ形成用電極プレートに第1の電圧を印加することと、
上記アパーチャレンズプレートに上記第1の電圧と異なる第2の電圧を印加することと、を含むことと、
結像レンズを使用して、上記複数のビームレットを像面上に集束させることと、
対物レンズを使用して、上記複数のビームレットを上記サンプルの表面上に集束させて上記表面上に複数のプローブスポットを形成することと、
を含む、方法。
57.ビーム制限アパーチャアレイを使用して、上記サンプルの上記表面に入射する上記複数のビームレットの電流を調節することを更に含む、条項56に記載の方法。
58.上記ビーム制限アパーチャアレイに第3の電圧を印加して上記アパーチャレンズプレートと上記ビーム制限アパーチャアレイとの間に第2の電場を生成することを更に含む、条項57に記載の方法。
59.上記第2の電場の大きさは、上記第1の電場の大きさと異なる、条項58に記載の方法。
60.上記複数のプローブスポットのピッチは、一次光軸に沿った上記結像レンズ、上記対物レンズ又は上記サンプルのうちの少なくとも1つの位置に基づいて調節されることがある、条項56~59の何れか一項に記載の方法。
61.上記複数のアパーチャレンズの各々が上記対応するビームレットを平行ビームになるようにコリメートできるようにすることを更に含む、条項56~60の何れか一項に記載の方法。
62.複数のアパーチャレンズの各々を有効にすることは、上記第1の電圧、上記第2の電圧、及び上記第3の電圧のうちの少なくとも1つを調節することを含む、条項61に記載の方法。
63.ビームセパレータを使用して、複数の二次ビームを二次結像システムに向けて偏向させることを更に含み、上記複数の二次ビームは、上記荷電粒子ビームの上記複数のビームレットの入射に起因して上記サンプルから出射される、条項56~62の何れか一項に記載の方法。
64.上記ビームセパレータは、上記ビームセパレータの偏向面が上記像面と一致するように位置決めされる、条項63に記載の方法。
65.転写レンズを使用して、上記複数のビームレットが上記サンプルに垂直に入射するように上記複数のビームレットを上記対物レンズへ誘導することを更に含む、条項56~64の何れか一項に記載の方法。
66.上記転写レンズを使用して上記複数のビームレットを上記対物レンズへ誘導することによって、収差の小さな上記複数のプローブスポットが生成される、条項65に記載の方法。
67.上記転写レンズは、上記転写レンズの主平面の位置が上記像面と一致するように、上記結像レンズから距離をおいて位置決めされる、条項65及び66の何れか一項に記載の方法。
68.上記一次光軸に沿った上記結像レンズに対する上記転写レンズの上記主平面の上記位置を変更することによって上記複数のプローブスポットのピッチを調節することを更に含む、条項67に記載の方法。
69.上記転写レンズの上記主平面の上記位置を上記像面と一致するように調節するために上記転写レンズ内に第3の電場を生成することを更に含む、条項67~68の何れか一項に記載の方法。
70.ビームレット傾斜偏向器を使用して、上記サンプルの表面法線に対して傾斜角で上記サンプルに入射するように上記複数のビームレットを偏向させることを更に含む、条項56~65の何れか一項に記載の方法。
71.上記複数のビームレットの上記傾斜角は、上記ビームレット傾斜偏向器の電気励起に基づいて調節される、条項70に記載の方法。
72.上記ビーム傾斜偏向器は、上記ビームレット傾斜偏向器の偏向面が上記像面と一致するように位置決めされる、条項70及び71の何れか一項に記載の方法。
73.上記ビームレット傾斜偏向器が上記複数の二次ビームを上記二次結像システムに向けて偏向させることができるようにすることを更に含む、条項70~72の何れか一項に記載の方法。
74.上記偏向器アレイを使用して、上記複数のビームレットの少なくともいくつかを偏向させて上記複数のビームレットが上記対物レンズに垂直又は実質的に垂直に入射できるようにすることを更に含む、条項56~65の何れか一項に記載の方法。
75.上記偏向器アレイを使用して、上記複数のビームレットの少なくともいくつかを偏向させて上記複数のビームレットが収差の小さな上記複数のプローブスポットを生成できるようにすることを更に含む、条項74に記載の方法。
76.像面湾曲補償器アレイを使用して、上記複数のプローブスポットの像面湾曲収差を補償することを更に含む、条項56~64及び75の何れか一項に記載の方法。
77.非点収差補償器アレイを使用して、上記複数のプローブスポットの非点収差を補償することを更に含む、条項56~64及び74~76の何れか一項に記載の方法。
78.銃アパーチャプレートを使用して、上記荷電粒子ビームの周辺荷電粒子が上記アパーチャレンズ形成用電極プレートに入射するのを阻止することを更に含む、条項56~77の何れか一項に記載の方法。
79.サンプルを検査する方法を荷電粒子ビーム装置に実施させるように、上記荷電粒子ビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能である1組の命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、上記方法は、
荷電粒子ビームを生成するように荷電粒子源を作動させることと、
上記荷電粒子ビームの複数のビームレットをそれぞれ集束させるためにアパーチャレンズアレイの複数のアパーチャレンズを形成することであって、上記複数のビームレットは、上記サンプルの表面上に投影される複数の像を形成して複数のプローブスポットを生成するために、結像レンズを使用して、結像面上に集束されることと、
を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
80.アパーチャレンズアレイの上記複数のアパーチャレンズを形成することは、
アパーチャレンズ形成用電極プレートに第1の電圧を印加することと、
上記アパーチャレンズ形成用電極プレートとアパーチャレンズプレートとの間に第1の電場が生成されるように、上記アパーチャレンズプレートに上記第1の電圧と異なる第2の電圧を印加することと、
を含む、条項79に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
81.荷電粒子ビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能である上記1組の命令は、上記ビーム制限アパーチャアレイに第3の電圧を印加して上記アパーチャレンズプレートと上記ビーム制限アパーチャアレイとの間に第2の電場を生成することを上記荷電粒子ビーム装置に更に実施させる、条項80に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
82.荷電粒子ビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能である上記1組の命令は、上記荷電粒子ビームの複数のビームレットの電流を制限するように構成された上記ビーム制限アパーチャアレイを位置決めすることを上記荷電粒子ビーム装置に更に実施させる、条項81に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
83.荷電粒子ビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能である上記1組の命令は、一次光軸に沿って上記結像レンズを位置決めして上記像面上に上記複数の像を形成することを上記荷電粒子ビーム装置に更に実施させる、条項78~82の何れか一項に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
84.サンプルを検査するための荷電粒子ビーム装置であって、
荷電粒子ビームを一次光軸に沿って放射するように構成された荷電粒子源と、
上記荷電粒子ビームの複数のビームレットを集束させるように構成されたアパーチャレンズアレイと、上記複数のビームレットを像面上に集束させるように構成された結像レンズと、
を含む放射源変換ユニットと、
上記複数のビームレットを上記サンプルの表面上に集束させて上記表面上に複数のプローブスポットを形成するように構成された対物レンズと、
を含む、荷電粒子ビーム装置。
85.上記放射源変換ユニットは、上記複数のビームレットの電流を制限するように構成されたビーム制限アパーチャアレイを更に含む、条項84に記載の荷電粒子ビーム装置。
86.上記アパーチャレンズアレイは、アパーチャレンズ形成用電極プレートと、アパーチャレンズプレートとを含む、条項84及び85の何れか一項に記載の荷電粒子ビーム装置。
87.上記アパーチャレンズ形成用電極プレートは、第1の電圧にあるように構成され、上記アパーチャレンズプレートは、上記アパーチャ形成用レンズ電極プレートと上記アパーチャレンズプレートとの間に第1の電場を生成するために第1の電圧と異なる第2の電圧にあるように構成され、且つ
上記第1の電場は、上記アパーチャレンズ形成用電極プレート及び上記アパーチャレンズプレートが、複数のアパーチャレンズを含むアパーチャレンズアレイを形成できるようにする、
条項86に記載の荷電粒子ビーム装置。
[00146] コントローラ(例えば、図1のコントローラ50)のプロセッサが像検査、像取得、荷電粒子源を作動させること、アパーチャレンズ形成用電極プレートに電圧を印加すること、アパーチャレンズプレートに電圧を印加すること、転写レンズの電極に電圧を印加すること、ビームレット偏向、ビームレット傾斜、結像レンズの電気励起を調節すること、サンプルステージを移動させてサンプルの位置を調節することなどを実行するための命令を記憶する、非一時的なコンピュータ可読媒体が提供されることがある。非一時的な媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又は他の任意の磁気データ記録媒体、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、他の任意の光学データ記録媒体、穴のパターンを有する任意の物理的媒体、RAM(Random Access Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、及びEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、FLASH-EPROM若しくは他の任意のフラッシュメモリ、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び前述のもののネットワーク化されたもの、が挙げられる。
[00147] 本開示の実施形態は、上記で説明し、添付の図面に図示した通りの構成に限定されるものではなく、また、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を加えることができることを、理解されたい。本開示は、様々な実施形態に関連して説明されてきたが、本明細書に開示する本発明の仕様及び実施を考慮すると、本発明の他の実施形態が、当業者には明らかになるであろう。本明細書及び例は単なる例示としてみなされることが意図されており、本発明の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
[00148] 上記の説明は、例示することを意図しており、限定するものではない。従って、以下に記載する特許請求の範囲から逸脱することなく、前述のように、修正を加えることができることが、当業者には明らかであろう。