JP7307755B2 - 制御システム、移動体、サーバ、制御方法、及びプログラム - Google Patents

Description

本発明は、制御システム、移動体、サーバ、制御方法、及びプログラムに関する。

特許文献１には、車両用のＥＣＵとして、アプリプログラムを書換え可能なＥＣＵが開示されている。
［先行技術文献］
［特許文献］
［特許文献１］ 特開２０２０－２７６６６号公報

第１の態様において、制御システムが提供される。制御システムは、移動体を制御する移動体制御部を備える。制御システムは、移動体制御部の更新プログラムのサーバからの受信を制御し、更新プログラムによる移動体制御部の更新を制御する更新制御部を備える。制御システムは、更新プログラム毎にサーバから受信する通信方式を示す受信情報を取得する取得部を備える。制御システムは、受信情報に基づいて、サーバから更新プログラムを受信する制御を行う通信制御部を備える。取得部は、第１更新プログラムと、第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を取得する。通信制御部は、取得部が取得した変更に関する情報に基づいて第１更新プログラムを受信する制御を行う。

第１更新プログラムに対する受信情報は、第１更新プログラムを受信する通信方式として移動体通信以外の通信方式を示し、変更に関する情報は、第１更新プログラムを受信する通信方式として移動体通信を許容することを示す情報であってよい。変更に関する情報を取得した場合、通信制御部は、第１更新プログラムを移動体通信で受信する制御を行ってよい。

第２更新プログラムに対する受信情報は、移動体通信で受信することを許容するデータ量の上限値を示す情報を含んでよい。取得部が変更に関する情報を取得した場合、通信制御部は、第２更新プログラムのデータ量が上限値を超える場合には、第１更新プログラムを移動体通信で受信する制御を行い、第２更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行ってよい。

第２更新プログラムに対する受信情報は、第２更新プログラムの重要度を示す情報をさらに含んでよい。取得部が変更に関する情報を取得した場合、通信制御部は、第２更新プログラムの重要度が予め定められた基準値以上であり、かつ、第２更新プログラムのデータ量が上限値を超える場合に、第１更新プログラムを移動体通信で受信する制御を行い、第２更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行ってよい。

第２更新プログラムに対する受信情報は、第２更新プログラムの重要度を示す情報と、移動体通信で受信することを許容するデータ量の上限値を示す情報とを含んでよい。取得部が変更に関する情報を取得した場合、通信制御部は、第２更新プログラムの重要度が予め定められた基準値未満であり、かつ、第１更新プログラムの合計のデータ量が上限値を超える場合には、第１更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行ってよい。

第１更新プログラムに関する受信情報は、第１更新プログラムのそれぞれの重要度を示す情報を含んでよい。取得部が変更に関する情報を取得した場合、通信制御部は、第２更新プログラムの重要度が予め定められた基準値未満であり、第１更新プログラムの中に重要度が予め定められた基準値以上の更新プログラムが存在せず、かつ、第１更新プログラムの合計のデータ量が上限値を超える場合には、第１更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行ってよい。

制御システムは、第１更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御が行われる場合、無線ＬАＮ通信により第１更新プログラムを受信するようユーザへ通知させる通知制御部を備えてよい。

第２の態様において、移動体が提供される。移動体は、上記の制御システムを備える。

移動体は車両であってよい。

第３の態様において、サーバが提供される。サーバは、移動体が備える移動体制御部の更新プログラムを移動体に送信する制御を行う更新プログラム送信制御部を備える。サーバは、更新プログラム毎に移動体が受信する通信方式を示す受信情報を移動体に送信する制御を行う受信情報送信制御部を備える。サーバは、移動体が第１更新プログラムと、第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を移動体に送信する制御を行う変更情報送信制御部を備える。

第４の態様において、制御方法が提供される。制御方法は、移動体を制御する移動体制御部の更新プログラムのサーバからの受信を制御する段階を備える。制御方法は、更新プログラム毎にサーバから受信する通信方式を示す受信情報を取得する段階を備える。制御方法は、受信情報に基づいて、サーバから更新プログラムを受信する制御を行う段階を備える。制御方法は、更新プログラムによる移動体制御部の更新を制御する段階を備える。制御方法は、第１更新プログラムと、第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を取得する段階を備える。制御方法は、取得する段階で取得した変更に関する情報に基づいて第１更新プログラムを受信する制御を行う段階を備える。

第５の態様において、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、移動体を制御する移動体制御部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、移動体制御部の更新プログラムのサーバからの受信を制御し、更新プログラムによる移動体制御部の更新を制御する更新制御部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、更新プログラム毎にサーバから受信する通信方式を示す受信情報を取得する取得部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、受信情報に基づいて、サーバから更新プログラムを受信する制御を行う通信制御部として機能させる。第１更新プログラムと、第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、プログラムにより、取得部は、第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を取得し、プログラムにより、通信制御部は、取得部が取得した変更に関する情報に基づいて第１更新プログラムを受信する制御を行う。

第６の態様において、制御方法が提供される。制御方法は、移動体が備える移動体制御部の更新プログラムを移動体に送信する制御を行う段階を備える。制御方法は、更新プログラム毎に移動体が受信する通信方式を示す受信情報を移動体に送信する制御を行う段階を備える。制御方法は、移動体が第１更新プログラムと、第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を移動体に送信する制御を行う段階を備える。

第７の態様において、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、移動体が備える移動体制御部の更新プログラムを移動体に送信する制御を行う更新プログラム送信制御部として機能させる。更新プログラム毎に移動体が受信する通信方式を示す受信情報を移動体に送信する制御を行う受信情報送信制御部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、移動体が第１更新プログラムと、第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を移動体に送信する制御を行う変更情報送信制御部として機能させる。

なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。

一実施形態に係る更新システム１０を模式的に示す。 サーバ７０が備えるシステム構成を模式的に示す。 制御システム２００が備えるシステム構成を模式的に示す。 サーバ７０が車両２０に送信する受信情報のデータ構造をテーブル形式で示す。 プログラム更新処理に関する実行シーケンスを示す。 サーバ７０が車両２０に送信される更新プログラムを管理するための管理情報のデータ構造をテーブル形式で示す。 サーバ７０が車両２０における更新プログラムの送信状態を管理するための完了情報のデータ構造をテーブル形式で示す。 サーバ７０が車両２０用の新たな更新プログラムに関する受信情報のデータ構造を示す。 通信方式変更情報の送信に関する実行シーケンスを示す。 通信方式変更情報の一例をテーブル形式で示す。 サーバ７０において実行される通信方式の変更に関する処理の実行手順の一例を示すフローチャートである。 コンピュータ２０００の例を示す。

以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。

図１は、一実施形態に係る更新システム１０を模式的に示す。更新システム１０は、車両２０と、サーバ７０とを備える。車両２０は、制御システム２００を備える。制御システム２００は、車両２０の制御と、通信ネットワーク９０を通じたサーバ７０との間の通信とを担う。通信ネットワーク９０は、インターネット等のＩＰネットワーク、Ｐ２Ｐネットワーク、ＶＰＮを含む専用回線、仮想ネットワーク、移動体通信網等を含む。

車両２０において、制御システム２００は、車両２０の制御を行う複数のＥＣＵ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｕｎｉｔ）を備える。制御システム２００は、制御システム２００が備えるＥＣＵの更新プログラムを外部から取得する。例えば、制御システム２００は、通信ネットワーク９０を通じて、サーバ７０から送信される更新プログラムを無線通信により受信する。制御システム２００は、更新プログラムによって制御システム２００が備えるＥＣＵをリプログラミングする。リプログラミングは、制御システム２００が備えるＥＣＵの機能のアップグレード等を目的として行われる。このように、制御システム２００は、ＯＴＡ（Ｏｖｅｒ Ｔｈｅ Ａｉｒ）によりＥＣＵをリプログラミングすることによってＥＣＵを更新する。本実施形態において、更新プログラムによってＥＣＵ等の機器を更新することを「プログラム更新」と呼ぶ。

制御システム２００は、移動体通信及び無線ＬＡＮ通信によって更新プログラムをサーバ７０から受信することが可能である。サーバ７０は、更新プログラム毎に、更新プログラムを受信する通信方式を指定する受信情報を車両２０に送信する。例えば、受信情報は「指定なし」と「ＷＬＡＮ」との一方を含む。「指定なし」は、更新プログラムを受信する通信方式として無線ＬＡＮ及び移動体通信の両方の通信方式が許容されることを示す。「ＷＬＡＮ」は、更新プログラムを受信する通信方式として無線ＬＡＮ通信のみが許容され、移動体通信が禁止されることを示す。

制御システム２００は、自宅の無線ルータや公衆無線ＬＡＮアクセスポイント等の無線アクセスポイントに接続できる状況にある場合に、無線ＬＡＮ通信で更新プログラムを受信することができる。そのため、「ＷＬＡＮ」が指定された更新プログラムがある場合、制御システム２００は、無線アクセスポイントと接続できる状況になるまで、更新プログラムを受信することができない。そのため、「ＷＬＡＮ」が指定された更新プログラムによるプログラム更新が滞ってしまう場合がある。これにより、例えば「ＷＬＡＮ指定」が指定された更新プログラムによるプログラム更新を行った後に適用されるべき重要な更新プログラムを提供する必要が生じた場合、重要な更新プログラムが長期に適用されない状態が続いてしまう場合がある。

そこで、サーバ７０は、例えば重要な更新プログラムを制御システム２００に提供する必要が生じた場合、既に送信済みの受信情報で指定した更新プログラムを受信する通信方式を変更することを示す変更情報を制御システム２００に送信する。制御システム２００は、変更情報を受信すると、「ＷＬＡＮ」が指定された更新プログラムを移動体通信で受信する。これにより、更新プログラムの適用を促進することが可能になる。

図２は、サーバ７０が備えるシステム構成を模式的に示す。サーバ７０は、処理部３００と、記憶部３８０と、通信部３９０とを備える。処理部３００は、更新プログラム送信制御部３１０と、受信情報送信制御部３２０と、変更情報送信制御部３３０とを備える。

処理部３００は、例えば、プロセッサを含む演算処理装置により実現される。記憶部３８０は、不揮発性の記憶媒体を備えて実現される。処理部３００は、記憶部３８０に格納された情報を用いて処理を行う。通信部３９０は、制御システム２００との間の通信を担う。

更新プログラム送信制御部３１０は、車両２０が備えるＥＣＵの更新プログラムを車両２０に送信する制御を行う。更新プログラムは、記憶部３８０に記憶される。更新プログラム送信制御部３１０は、通信部３９０を制御することにより、記憶部３８０に記憶されている更新プログラムを車両２０へと送信させる。

受信情報送信制御部３２０は、更新プログラム毎に車両２０が受信する通信方式を示す受信情報を車両２０に送信する制御を行う。受信情報は、更新プログラムに対応づけて記憶部３８０に記憶される。受信情報送信制御部３２０は、更新プログラムが車両２０へ送信される前に、更新プログラムに対応づけられた受信情報を車両２０に送信する制御を行う。受信情報送信制御部３２０は、通信部３９０を制御することにより、受信情報を車両２０へ送信させる。

変更情報送信制御部３３０は、車両２０が第１更新プログラムと、第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を車両２０に送信する制御を行う。変更に関する情報は、例えば、通信方式を変更する旨の通信方式変更情報である。通信方式変更情報は、サーバ７０の管理者によって指定されてよい。変更情報送信制御部３３０は、通信部３９０を制御することにより、通信方式変更情報を車両２０へと送信させる。

図３は、制御システム２００が備えるシステム構成を模式的に示す。制御システム２００は、ＴＣＵ２０１と、ＥＣＵ２０２と、ＥＣＵ２０４と、ＥＣＵ２０５と、ＥＣＵ２０６と、ＭＩＤ２９８と、ＩＶＩ２９９とを備える。図２において、ＦＩ２９４、先進安全システム２９５、及びバッテリ２９６は、車両２０における被制御機器の一例である。

ＥＣＵ２０２は、ＴＣＵ２０１、ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６と車内通信回線２８０を通じて接続される。ＥＣＵ２０２は、ＴＣＵ２０１、ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５、ＥＣＵ２０６、ＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９と車内通信回線２８０を通じて相互に通信する。ＥＣＵ２０２は、ＴＣＵ２０１、ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５、ＥＣＵ２０６、ＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９を統括制御する。車内通信回線２８０は、例えばＣＡＮ（Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｒ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）やイーサ・ネットワーク等を含んで構成されてよい。

ＴＣＵ２０１は、テレマティクス制御ユニット（Ｔｅｌｅｍａｔｉｃｓ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｕｎｉｔ）である。ＴＣＵ２０１は、主として移動体通信を担う。ＴＣＵ２０１は、ＥＣＵ２０２の制御に基づいて、サーバ７０との間でデータの送受信を行う。ＴＣＵ２０１は、ＥＣＵ２０２の制御に基づいて、サーバ７０から送信された更新プログラムを移動体通信によって受信する。ＴＣＵ２０１は、無線通信部として機能し得る。

ＭＩＤ２９８は、マルチインフォメーションディスプレイである。ＩＶＩ２９９は、例えば車内インフォテインメント情報機器（ＩＶＩ）である。ＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９は表示制御部として機能し得る。ＩＶＩ２９９は、無線ＬＡＮ通信機能を備える。ＩＶＩ２９９は、ＥＣＵ２０２の制御に基づいて、サーバ７０から送信された更新プログラムを無線ＬАＮ通信によって受信する。

ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６は、それぞれ車両２０を制御する車両制御部としてのＥＣＵである。ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６は、「移動体制御部」の一例である。ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６は、車両２０が備える各種の機器を制御する。例えば、ＥＣＵ２０４は、燃料噴射装置であるＦＩ２９４等を制御する。ＥＣＵ２０５は、先進安全システム２９５等を制御する。先進安全システム２９５は、例えば、車両２０が備える走行用モータに供給される電力を蓄積するバッテリである。ＥＣＵ２０６は、バッテリ２９６等を制御する。バッテリ２９６は、例えば車両用の１２Ｖ電源として機能する。バッテリ２９６は例えば鉛蓄電池等である。

本実施形態では、制御システム２００がＴＣＵ２０１、ＥＣＵ２０２、ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５、ＥＣＵ２０６、ＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９を備えるシステム構成を例示するが、制御システム２００のシステム構成は本実施形態の例に限られない。また、本実施形態では、例示として、プログラム更新の対象となり得る移動体制御部がＥＣＵ２０４及びＥＣＵ２０５であり、ＥＣＵ２０２がプログラム更新を制御する更新制御部として機能するものとして説明する。なお、プログラム更新の対象となり得る移動体制御部はこれらのＥＣＵに限られない。プログラム更新の対象となり得る移動体制御部は、ＴＣＵ２０１、ＥＣＵ２０２、ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５、ＥＣＵ２０６、ＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９のいずれであってよい。

ＥＣＵ２０２は、更新制御部２２０と、通知制御部２３０と、取得部２４０と、通信制御部２７０とを備える。

更新制御部２２０は、ＥＣＵの更新プログラムのサーバからの受信を制御し、前記更新プログラムによる前記ＥＣＵの更新を制御する。取得部２４０は、更新プログラム毎に前記サーバから受信する通信方式を示す受信情報を取得する。通信制御部２７０は、受信情報に基づいて、前記サーバから前記更新プログラムを受信する制御を行う。

取得部２４０は、第１更新プログラムと、第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を取得する。例えば、取得部２４０は、サーバ７０から送信された通信方式変更情報を取得する。通信制御部２７０は、取得部２４０が取得した変更に関する情報に基づいて第１更新プログラムを受信する制御を行う。

第１更新プログラムに対する受信情報が第１更新プログラムを受信する通信方式として移動体通信以外の通信方式を示す場合に、変更に関する情報は、第１更新プログラムを受信する通信方式として移動体通信を許容することを示す情報であってよい。変更に関する情報を取得した場合、通信制御部２７０は、第１更新プログラムを移動体通信で受信する制御を行う。

第２更新プログラムに対する受信情報は、移動体通信で受信することを許容するデータ量の上限値を示す情報を含んでよい。取得部２４０が変更に関する情報を取得した場合、通信制御部２７０は、第２更新プログラムのデータ量が上限値を超える場合には、第１更新プログラムを移動体通信で受信する制御を行い、第２更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行ってよい。

第２更新プログラムに対する受信情報は、第２更新プログラムの重要度を示す情報をさらに含んでよい。取得部２４０が変更に関する情報を取得した場合、通信制御部２７０は、第２更新プログラムの重要度が予め定められた基準値以上であり、かつ、第２更新プログラムのデータ量が上限値を超える場合に、第１更新プログラムを移動体通信で受信する制御を行い、第２更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行ってよい。

第２更新プログラムに対する受信情報は、第２更新プログラムの重要度を示す情報と、移動体通信で受信することを許容するデータ量の上限値を示す情報とを含んでよい。取得部２４０が変更に関する情報を取得した場合、通信制御部２７０は、第２更新プログラムの重要度が予め定められた基準値未満であり、かつ、第１更新プログラムの合計のデータ量が上限値を超える場合には、第１更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行ってよい。

第１更新プログラムに関する受信情報は、第１更新プログラムのそれぞれの重要度を示す情報を含んでよい。取得部２４０が変更に関する情報を取得した場合、通信制御部２７０は、第２更新プログラムの重要度が予め定められた基準値未満であり、第１更新プログラムの中に重要度が予め定められた基準値以上の更新プログラムが存在せず、かつ、第１更新プログラムの合計のデータ量が上限値を超える場合には、第１更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行ってよい。

通知制御部２３０は、第１更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御が行われる場合、無線ＬАＮ通信により第１更新プログラムを受信するようユーザへ通知させる。ユーザは、例えば車両２０の搭乗者である。例えば、通知制御部２３０は、ユーザへの通知をＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９に実行させてよい。

ここで、プログラム更新について説明する。プログラム更新の対象となる機器がＥＣＵであり、ＥＣＵのファームウェア格納用のメモリがシングルバンクメモリ（いわゆる１面ＲＯＭ）である場合のプログラム更新処理を説明する。この場合、ＥＣＵのファームウェア格納用のプログラム記憶領域は１つであるため、ＥＣＵがプログラム記憶領域内に格納されたプログラムに従って動作している場合には、更新プログラムをプログラム記憶領域に書き込むことができない。ＥＣＵのプログラム更新を行う場合、更新制御部２２０は、ＥＣＵに更新プログラムを転送してＥＣＵの予め定められたデータ記憶領域に更新プログラムを格納させた後、ＥＣＵにプログラム更新を指示する。ＥＣＵは、プログラム更新が指示されると、プログラム更新を行う制御コードを実行して、データ記憶領域に転送された更新プログラムをプログラム記憶領域に書き込み、更新プログラムをアクティベートする。更新プログラムのアクティベートは、例えばＥＣＵの起動時に更新プログラムをロードして更新プログラムに基づく制御を開始するように、ＥＣＵの起動パラメータを設定する処理を含む。

次に、ＥＣＵの内部メモリがダブルバンクメモリ（いわゆる２面ＲＯＭ）である場合のプログラム更新処理を説明する。この場合、ＥＣＵはファームウェア格納用のプログラム記憶領域を２つ有しているため、第１のプログラム記憶領域に格納されたプログラムに従ってＥＣＵが動作している場合に、第２のプログラム記憶領域に更新プログラムを書き込むことができる。つまり、いわゆる裏面書き込みによって、裏面となる第２のプログラム記憶領域に更新プログラムを書き込むことができる。したがって、例えば車両２０の走行中であっても、第２のプログラム記憶領域に更新プログラムを書き込むことができる。そのため、更新制御部２２０は、更新プログラムをＥＣＵに転送すると、更新プログラムを第２のプログラム記憶領域に書き込むようＥＣＵに指示する。ＥＣＵの第２のプログラム記憶領域への更新プログラムの書き込みが完了すると、ＥＣＵのプログラム更新が可能な状態となる。更新制御部２２０がＥＣＵのプログラム更新を行う場合、更新制御部２２０は、第２のプログラム記憶領域に書き込まれた更新プログラムをアクティベートするようＥＣＵに指示する。更新プログラムのアクティベートは、例えばＥＣＵの起動時に、第２のプログラム記憶領域に格納された更新プログラムをロードして更新プログラムに基づく制御を開始するように、ＥＣＵの起動パラメータを設定する処理を含む。例えば、更新プログラムのアクティベートは、第２のプログラム記憶領域をプログラムの読み出し領域として有効化するとともに、第１のプログラム記憶領域をプログラムの読み出し領域として無効化する処理を含む。このように、「プログラム更新」は、更新プログラムをＥＣＵのプログラム記憶領域に書き込むことを指示することを含む概念である。また、「プログラム更新」は、プログラム記憶領域に書き込まれた更新プログラムをアクティベートすることを指示することを含む概念である。

シングルバンクメモリのＥＣＵのプログラム更新においては、更新プログラムをプログラム記憶領域に書き込んでいる期間と、更新プログラムのアクティベートを行っている期間に、ＥＣＵが車両を制御できない可能性が生じる。一方、ダブルバンクメモリのＥＣＵのプログラム更新においては、更新プログラムを裏面のプログラム記憶領域に書き込んでいる期間は、ＥＣＵが車両の制御を行うことができる。

図４は、サーバ７０が車両２０に送信する受信情報のデータ構造をテーブル形式で示す。サーバ７０は、車両２０用の更新プログラムが存在する場合、更新プログラムの存在を車両２０に通知するために変更情報を車両２０に送信する。サーバ７０は、更新プログラムを車両２０に送信する前に、変更情報を車両２０に送信する。

受信情報は、「ＰＩＤ」、「重要度」、「通信方式」、「上限値」及び「サイズ」を含む。「ＰＩＤ」は、更新プログラムの識別情報である。「重要度」は更新プログラムの重要度を示す情報である。重要度は、０から２の数値で表されるものとする。重要度０は重要度が最も低いことを示し、重要度２は重要度が最も高いことを示す。

「通信方式」は、更新プログラムを受信する通信方式を示す情報である。「上限値」は、移動体通信によって更新プログラムを受信することができるデータ量の上限値を示す。上限値を用いた処理については、図１１等に関連して説明する。「サイズ」は更新プログラムのプログラムサイズである。「サイズ」は、更新プログラムのデータ量を示す情報であってよい。

図５は、プログラム更新処理に関する実行シーケンスを示す。Ｓ４１０において、サーバ７０は、車両２０の制御システム２００のＥＣＵに適用されるべき更新プログラムが存在する場合、更新プログラムに関連づけられた受信情報を制御システム２００に送信する。取得部２４０は、サーバ７０から送信された受信情報を取得する。

ここで、取得部２４０は、図４に示す受信情報を受信したものとする。また、図４の「Ｐ１」はＥＣＵ２０５の更新プログラムを示す識別情報であり、「Ｐ２」はＥＣＵ２０４の更新プを示す識別情報であるとする。

Ｓ４２０において、更新制御部２２０は、ＴＣＵ２０１を通じて、「Ｐ１」及び「Ｐ２」の更新プログラムの送信を要求する更新プログラム送信要求をサーバ７０に送信する。Ｓ４３０において、更新制御部２２０は、ＴＣＵ２０１を通じて、「Ｐ１」及び「Ｐ２」の更新プログラムを受信する。「Ｐ１」及び「Ｐ２」の更新プログラムの受信が完了すると、Ｓ４３５にいて、更新制御部２２０は、ＴＣＵ２０１を通じて、「Ｐ１」及び「Ｐ２」の更新プログラムの受信が完了したことを示す受信完了通知をサーバ７０に送信する。

Ｓ４４０において、更新制御部２２０は、ＥＣＵ２０５用の更新プログラムをＥＣＵ２０５に転送して、裏面のプログラム記憶領域に書き込むよう指示する。裏面のプログラム記憶領域への更新プログラムの書き込みが完了すると、ＥＣＵ２０５の更新プログラムのアクティベートが可能な状態になる。

Ｓ４５０においてＩＧスイッチがオフされると、Ｓ４６０において、更新制御部２２０は、ＥＣＵ２０４に更新プログラムを転送して、ＥＣＵ２０４のプログラム記憶領域に書き込むよう指示する。プログラム記憶領域への更新プログラムの書き込みが完了すると、ＥＣＵ２０４の更新プログラムのアクティベートが可能な状態になる。

Ｓ４７０において、更新制御部２２０は、ＥＣＵ２０４及びＥＣＵ２０５に対して、それぞれの更新プログラムのアクティベートを指示する。ＥＣＵ２０４及びＥＣＵ２０５において更新プログラムのアクティベートが完了すると、Ｓ４８０において、更新制御部２２０は、ＴＣＵ２０１又はＩＶＩ２９９を通じて、「Ｐ１」及び「Ｐ２」の更新プログラムによるプログラム更新が完了したことを示す更新完了通知をサーバ７０に送信する。Ｓ４９０において、更新制御部２２０は、車両２０の電源状態をオフにする。

図６は、サーバ７０が車両２０に送信される更新プログラムを管理するための管理情報のデータ構造をテーブル形式で示す。管理情報は記憶部３８０に記憶される。

管理情報は、車両２０に送信された受信情報のリストである。管理情報において受信情報の並び順は、プログラム更新が行われるべき順番を示す。例えば、図６に示す管理情報は、「Ｐ１」で識別される更新プログラムによるプログラム更新を最初に行い、「Ｐ４」で識別される更新プログラムによるプログラム更新を最後に行うことを表す。サーバ７０は、車両毎に管理情報を記憶部３８０に記憶する。

図７は、サーバ７０が車両２０における更新プログラムの送信状態を管理するための完了情報のデータ構造をテーブル形式で示す。完了情報は記憶部３８０に記憶される。

完了情報は、「車両ＩＤ」と「ＰＩＤ」とを含む。「車両ＩＤ」は車両を識別する情報である。「ＰＩＤ」は、車両において受信が完了した更新プログラムのうち、最後に適用されるべき更新プログラムの識別情報である。

例えば、図７の完了情報によれば、車両ＩＤ「Ｖ１」で識別される車両は「Ｐ２」の更新プログラムの受信が完了していることを示す。車両ＩＤ「Ｖ２」で識別される車両は「Ｐ４」の更新プログラムの受信が完了していることを示す。図６に示す管理情報を参照して、車両ＩＤ「Ｖ１」で識別される車両においては、「Ｐ３」及び「Ｐ４」の更新プログラムの受信が未完了であることになる。また、車両ＩＤ「Ｖ２」で識別される車両においては、受信が未完了の更新プログラムは存在しないことになる。

図８は、サーバ７０が車両２０用の新たな更新プログラムに関する受信情報のデータ構造を示す。図８に示されるように、新たな更新プログラムは、重要度「１」の更新プログラムであるものとする。サーバ７０において、変更情報送信制御部３３０は、記憶部３８０に記憶されている完了情報を参照して、通信方式変更情報を送信するか否かを判断する。

例えば、車両ＩＤ「Ｖ１」で識別される車両においては、「Ｐ３」及び「Ｐ４」の更新プログラムの受信が未完了の状態にある。また、「Ｐ３」の更新プログラムには、無線ＬＡＮで受信すること（「ＷＬＡＮ」）が指定されている。そのため、「Ｖ１」で識別される車両は、無線ＬＡＮ通信が可能な場所でしか「Ｐ３」の更新プログラムを受信しないので、「Ｐ３」及び「Ｐ４」の更新プログラムによるプログラム更新が遅れる可能性がある。これにより、「Ｐ５」の更新プログラムによるプログラム更新がさらに遅れてしまう可能性がある。そのため、「Ｖ１」で識別される車両に「Ｐ５」の新たな更新プログラムの受信情報を送信する必要がある場合、変更情報送信制御部３３０は「Ｖ１」で識別される車両に通信方式変更情報を送信する。一方、車両ＩＤ「Ｖ２」で識別される車両においては受信が未完了の更新プログラムは存在しないので、変更情報送信制御部３３０は「Ｖ２」で識別される車両には通信方式変更情報を送信しない。変更情報送信制御部３３０は、車両において未受信の更新プログラムのサイズの合計値が予め定められた値を超える場合に、更新プログラムの通信方式の変更が必要であると判断してよい。

図９は、通信方式変更情報の送信に関する実行シーケンスを示す。車両２０用の新たな更新プログラムが存在する場合、Ｓ９００において、サーバ７０の変更情報送信制御部３３０は、車両２０において更新プログラムの通信方式の変更が必要であるかを判断する。

具体的には、変更情報送信制御部３３０は、図８に関連して説明したように、車両２０が未受信の更新プログラムの中に通信方式として「ＷＬＡＮ」が設定された更新プログラムがある場合に、更新プログラムの通信方式の変更が必要であると判断する。変更情報送信制御部３３０は、更新プログラムの通信方式の変更が必要であると判断した場合に、Ｓ９１０において、通信部３９０を通じて通信方式変更情報を車両２０へ送信させる。通信方式変更情報については図１０に関連して説明する。Ｓ９２０において、制御システム２００において取得部２４０がサーバ７０から送信された通信方式変更情報を取得すると、更新プログラムの受信情報を更新する。

図１０は、通信方式変更情報の一例をテーブル形式で示す。通信方式変更情報は、車両２０が未受信の更新プログラムに関する受信情報のリストである。通信方式変更情報において、「Ｐ３」「Ｐ４」は車両２０が未受信の更新プログラムの識別情報であり、「Ｐ５」は新たな更新プログラムの識別情報である。図６に示すように、過去に送信した「Ｐ３」の更新プログラムの受信情報では、通信方式として「ＷＬＡＮ」が指定されていた。これに対し、新たに車両２０に送信する通信方式変更情報においては、「Ｐ３」の更新プログラムを受信する通信方式を「指定なし」に変更されている。車両２０においては、通信制御部２７０は、通信方式変更情報で指定された通信方式に従って、ＴＣＵ２０１を通じて「Ｐ３」の更新プログラムをサーバ７０から受信することが可能になる。

図１１は、サーバ７０において実行される通信方式の変更に関する処理の実行手順の一例を示すフローチャートである。図１１のフローチャートの処理は、新たに更新プログラムを送信する場合に更新プログラムの通信方式の変更が必要であると判断したときに実行される。図１１のフローチャートの処理は、通信方式変更情報に含まれる各更新プログラムを受信する通信方式を設定するための処理である。

Ｓ１１０２において、新たな更新プログラム（「更新プログラムＡ」と呼ぶ）の重要度が１以上であるか否かを判断する。更新プログラムＡの重要度が１以上である場合、Ｓ１１３０において、更新プログラムＡに対して移動体通信で受信することを許容するデータ量の上限値（単に「上限値」と呼ぶ）が設定されているか否かを判断する。更新プログラムＡに対して上限値が設定されている場合、Ｓ１１３２において、更新プログラムＡのサイズが上限値を超えるか否かを判断する。更新プログラムＡのサイズが上限値を超える場合、更新プログラムＡ以外の通信方式に「指定なし」を設定し、更新プログラムＡの通信方式に「ＷＬＡＮ」を設定する。これにより、更新プログラムＡより前の更新プログラムを車両２０が早期に受信することが可能になる。

Ｓ１１３２において更新プログラムＡに対して上限値が設定されていないと判断した場合、Ｓ１１１２において、全ての更新プログラムの通信方式に「指定なし」を設定する。また、Ｓ１１３０において更新プログラムＡに対して上限値が設定されていると判断した場合も、Ｓ１１１２に移行する。これにより、重要な更新プログラムを車両２０が早期に受信することが可能になる。

Ｓ１１０２において、更新プログラムＡの重要度が０である場合、Ｓ１１０４において、更新プログラムＡに対して上限値が設定されているか否かを判断する。更新プログラムＡに対して上限値が設定されている場合、Ｓ１１０６において、未受信の更新プログラムの中に重要度１以上の更新プログラムが存在するか否かを判断する。未受信の更新プログラムの中に重要度１以上の更新プログラムが存在する場合、Ｓ１１０８において、最新の重要度１以上の更新プログラム（「更新プログラムＢ」と呼ぶ）移行に適用されるべき更新プログラムの合計サイズが上限値を超えるか否かを判断する。更新プログラムＢ以降に適用されるべき更新プログラムの合計サイズが上限値を超える場合、Ｓ１１１０において、更新プログラムＢまでの更新プログラムの通信方式に「指定なし」を設定し、更新プログラムＢより後の更新プログラムの通信方式に「ＷＬＡ」を設定する。Ｓ１１０８において、更新プログラムＢ以降に適用されるべき更新プログラムの合計サイズが上限値を超えないと判断した場合、Ｓ１１１２に移行する。これにより、少なくとも更新プログラムＢまでの更新プログラムを車両２０が早期に受信することが可能になる。

Ｓ１１０６において未受信の更新プログラムの中に重要度１以上の更新プログラムが存在しないと判断した場合、Ｓ１１２０において、全ての更新プログラムの合計サイズが上限値を超えるか否かを判断する。全ての更新プログラムの合計サイズが上限値を超える場合、Ｓ１１２２において、全ての更新プログラムの通信方式として「ＷＬＡＮ」を設定する。これにより、重要度が低い更新プログラムを上限値を超えて移動体通信で受信することを抑制することができる。全ての更新プログラムの合計サイズが上限値を超えない場合、Ｓ１１２４において、全ての更新プログラムの通信方式として「指定なし」を設定する。これにより、上限値の範囲内で早期に更新プログラムを受信することが可能になるので、後に重要な更新プログラムが送信される場合に、重要な更新プログラムを速やかに受信できる可能性が高まる。また、Ｓ１１０４において更新プログラムＡの上限値が設定されていないと判断した場合も、Ｓ１１２４に移行する。これにより、未受信の更新プログラムを車両２０が早期に受信することが可能になる。

以上に説明したように、本実施形態に係る更新システム１０によれば、サーバ７０は、車両２０において未受信の更新プログラムを受信する通信方式を変更することを車両２０に指示することができる。車両２０は、通信方式の変更が指定されると、通信方式として「ＷＬＡＮ」が指定された更新プログラムを移動体通信で受信する。これにより、車両２０は更新プログラムを速やかに適用できるようになる。

なお、図１０及び図１１に関連して、サーバ７０が通信方式変更情報を車両２０に送信する形態を説明したが、通信方式変更情報を車両２０に送信する形態に代えて、サーバ７０が通信方式を変更する旨の情報と最新の更新プログラムの受信情報とを車両２０に送信する形態を採用してよい。この形態においては、車両２０の通信制御部２７０は図１１のフローチャートに従って更新プログラムの通信方式を設定してよい。

車両２０は、輸送機器の一例としての車両である。車両は、内燃機関を備える自動車、電気自動車、燃料電池自動車（ＦＣＶ）等の自動車であってよい。自動車は、バス、トラック、二輪自動車等を含む。車両は、鞍乗型車両等であってよく、バイクであってよい。輸送機器としては、車両の他に、無人航空機を含む航空機、船舶等の機器を含む。輸送機器は、人又は物品を輸送する任意の機器であってよい。輸送機器は移動体の一例である。移動体は、輸送機器に限らず、移動可能な任意の機器であってよい。

図１２は、本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ２０００の例を示す。コンピュータ２０００にインストールされたプログラムは、コンピュータ２０００を、実施形態に係る制御システム等のシステム又はシステムの各部、もしくはサーバ等の装置又は当該装置の各部として機能させる、当該システム又はシステムの各部もしくは当該装置又は当該装置の各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び／又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ２０００に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、ＣＰＵ２０１２によって実行されてよい。

本実施形態によるコンピュータ２０００は、ＣＰＵ２０１２、及びＲＡＭ２０１４を含み、それらはホストコントローラ２０１０によって相互に接続されている。コンピュータ２０００はまた、ＲＯＭ２０２６、フラッシュメモリ２０２４、通信インタフェース２０２２、及び入力／出力チップ２０４０を含む。ＲＯＭ２０２６、フラッシュメモリ２０２４、通信インタフェース２０２２、及び入力／出力チップ２０４０は、入力／出力コントローラ２０２０を介してホストコントローラ２０１０に接続されている。

ＣＰＵ２０１２は、ＲＯＭ２０２６及びＲＡＭ２０１４内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。

通信インタフェース２０２２は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ２０２４は、コンピュータ２０００内のＣＰＵ２０１２によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ＲＯＭ２０２６は、アクティブ化時にコンピュータ２０００によって実行されるブートプログラム等、及び／又はコンピュータ２０００のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力／出力チップ２０４０はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力／出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、ＵＳＢポート、ＨＤＭＩ（登録商標）ポート等の入力／出力ポートを介して、入力／出力コントローラ２０２０に接続してよい。

プログラムは、ＣＤ－ＲＯＭ、ＤＶＤ－ＲＯＭ、又はメモリカードのようなコンピュータ可読記憶媒体又はネットワークを介して提供される。ＲＡＭ２０１４、ＲＯＭ２０２６、又はフラッシュメモリ２０２４は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ２０２４、ＲＡＭ２０１４、又はＲＯＭ２０２６にインストールされ、ＣＰＵ２０１２によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ２０００に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ２０００の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。

例えば、コンピュータ２０００及び外部デバイス間で通信が実行される場合、ＣＰＵ２０１２は、ＲＡＭ２０１４にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース２０２２に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース２０２２は、ＣＰＵ２０１２の制御下、ＲＡＭ２０１４及びフラッシュメモリ２０２４のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。

また、ＣＰＵ２０１２は、フラッシュメモリ２０２４等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がＲＡＭ２０１４に読み取られるようにし、ＲＡＭ２０１４上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。ＣＰＵ２０１２は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。

様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。ＣＰＵ２０１２は、ＲＡＭ２０１４から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索／置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をＲＡＭ２０１４にライトバックする。また、ＣＰＵ２０１２は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第２の属性の属性値に関連付けられた第１の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、ＣＰＵ２０１２は、第１の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第２の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第１の属性に関連付けられた第２の属性の属性値を取得してよい。

上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ２０００上又はコンピュータ２０００近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はＲＡＭのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能である。コンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ２０００に提供してよい。

コンピュータ２０００にインストールされ、コンピュータ２０００を制御システム２００として機能させるプログラムは、ＣＰＵ２０１２等に働きかけて、コンピュータ２０００を、制御システム２００の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ２０００に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である制御システム２００の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ２０００の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御システム２００が構築される。

コンピュータ２０００にインストールされ、コンピュータ２０００をサーバ７０として機能させるプログラムは、ＣＰＵ２０１２等に働きかけて、コンピュータ２０００を、サーバ７０の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ２０００に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段であるサーバ７０の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ２０００の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有のサーバ７０が構築される。

様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、（１）オペレーションが実行されるプロセスの段階又は（２）オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び／又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び／又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路（ＩＣ）及び／又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理ＡＮＤ、論理ＯＲ、論理ＸＯＲ、論理ＮＡＮＤ、論理ＮＯＲ、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ（ＦＰＧＡ）、プログラマブルロジックアレイ（ＰＬＡ）等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。

コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー（登録商標）ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、リードオンリメモリ（ＲＯＭ）、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ（ＥＰＲＯＭ又はフラッシュメモリ）、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ（ＥＥＰＲＯＭ）、静的ランダムアクセスメモリ（ＳＲＡＭ）、コンパクトディスクリードオンリメモリ（ＣＤ－ＲＯＭ）、デジタル多用途ディスク（ＤＶＤ）、ブルーレイ（ＲＴＭ）ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。

コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ（ＩＳＡ）命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はＳｍａｌｌｔａｌｋ（登録商標）、ＪＡＶＡ（登録商標）、Ｃ＋＋等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「Ｃ」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、１又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。

コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク（ＷＡＮ）を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。

以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。

１０ 更新システム
２０ 車両
７０ サーバ
９０ 通信ネットワーク
２００ 制御システム
２０１ ＴＣＵ
２０２ ＥＣＵ
２０４ ＥＣＵ
２０５ ＥＣＵ
２０６ ＥＣＵ
２２０ 更新制御部
２３０ 通知制御部
２４０ 取得部
２７０ 通信制御部
２８０ 車内通信回線
２９４ ＦＩ
２９５ 先進安全システム
２９６ バッテリ
２９８ ＭＩＤ
２９９ ＩＶＩ
３００ 処理部
３１０ 更新プログラム送信制御部
３２０ 受信情報送信制御部
３３０ 変更情報送信制御部
３８０ 記憶部
３９０ 通信部
２０００ コンピュータ
２０１０ ホストコントローラ
２０１２ ＣＰＵ
２０１４ ＲＡＭ
２０２０ 入力／出力コントローラ
２０２２ 通信インタフェース
２０２４ フラッシュメモリ
２０２６ ＲＯＭ
２０４０ 入力／出力チップ

Claims (14)

1. 移動体を制御する移動体制御部と、
   前記移動体制御部の更新プログラムのサーバからの受信を制御し、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新を制御する更新制御部と、
   前記更新プログラム毎に前記サーバから受信する通信方式を示す受信情報を取得する取得部と、
   前記受信情報に基づいて、前記サーバから前記更新プログラムを受信する制御を行う通信制御部と
   を備え、
   前記取得部は、第１更新プログラムと、前記第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、前記第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を取得し、
   前記通信制御部は、前記取得部が取得した前記変更に関する情報に基づいて前記第１更新プログラムを受信する制御を行う
   制御システム。
2. 前記第１更新プログラムに対する前記受信情報は、前記第１更新プログラムを受信する通信方式として移動体通信以外の通信方式を示し、
   前記変更に関する情報は、前記第１更新プログラムを受信する通信方式として移動体通信を許容することを示す情報であり、
   前記変更に関する情報を取得した場合、前記通信制御部は、前記第１更新プログラムを移動体通信で受信する制御を行う
   請求項１に記載の制御システム。
3. 前記第２更新プログラムに対する前記受信情報は、移動体通信で受信することを許容するデータ量の上限値を示す情報を含み、
   前記取得部が前記変更に関する情報を取得した場合、前記通信制御部は、前記第２更新プログラムのデータ量が前記上限値を超える場合には、前記第１更新プログラムを移動体通信で受信する制御を行い、前記第２更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行う
   請求項２に記載の制御システム。
4. 前記第２更新プログラムに対する前記受信情報は、前記第２更新プログラムの重要度を示す情報をさらに含み、
   前記取得部が前記変更に関する情報を取得した場合、前記通信制御部は、前記第２更新プログラムの重要度が予め定められた基準値以上であり、かつ、前記第２更新プログラムのデータ量が前記上限値を超える場合に、前記第１更新プログラムを移動体通信で受信する制御を行い、前記第２更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行う
   請求項３に記載の制御システム。
5. 前記第２更新プログラムに対する前記受信情報は、前記第２更新プログラムの重要度を示す情報と、移動体通信で受信することを許容するデータ量の上限値を示す情報とを含み、
   前記取得部が前記変更に関する情報を取得した場合、前記通信制御部は、前記第２更新プログラムの重要度が予め定められた基準値未満であり、かつ、前記第１更新プログラムの合計のデータ量が前記上限値を超える場合には、前記第１更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行う
   請求項２から４のいずれか一項に記載の制御システム。
6. 前記第１更新プログラムに関する前記受信情報は、前記第１更新プログラムのそれぞれの重要度を示す情報を含み、
   前記取得部が前記変更に関する情報を取得した場合、前記通信制御部は、前記第２更新プログラムの重要度が予め定められた基準値未満であり、前記第１更新プログラムの中に重要度が予め定められた基準値以上の更新プログラムが存在せず、かつ、前記第１更新プログラムの合計のデータ量が前記上限値を超える場合には、前記第１更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御を行う
   請求項５に記載の制御システム。
7. 前記第１更新プログラムを移動体通信以外の通信方式で受信する制御が行われる場合、無線ＬАＮ通信により前記第１更新プログラムを受信するようユーザへ通知させる通知制御部
   をさらに備える請求項６に記載の制御システム。
8. 請求項１から７のいずれか一項に記載の制御システム
   を備える移動体。
9. 前記移動体は車両である
   請求項８に記載の移動体。
10. 移動体が備える移動体制御部の更新プログラムを前記移動体に送信する制御を行う更新プログラム送信制御部と、
    前記更新プログラム毎に前記移動体が受信する通信方式を示す受信情報を前記移動体に送信する制御を行う受信情報送信制御部と、
    前記移動体が第１更新プログラムと、前記第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、前記第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を前記移動体に送信する制御を行う変更情報送信制御部と
    を備えるサーバ。
11. 制御システムが備える更新制御部が、移動体を制御する移動体制御部の更新プログラムのサーバからの受信を制御する段階と、
    前記制御システムが備える取得部が、前記更新プログラム毎に前記サーバから受信する通信方式を示す受信情報を取得する段階と、
    前記制御システムが備える通信制御部が、前記受信情報に基づいて、前記サーバから前記更新プログラムを受信する制御を行う段階と、
    前記更新制御部が、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新を制御する段階と、
    前記取得部が、第１更新プログラムと、前記第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、前記第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を取得する段階と、
    前記取得する段階で取得した前記変更に関する情報に基づいて、前記通信制御部が前記第１更新プログラムを受信する制御を行う段階と
    を備える制御方法。
12. プログラムであって、コンピュータを、
    移動体を制御する移動体制御部、
    前記移動体制御部の更新プログラムのサーバからの受信を制御し、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新を制御する更新制御部、
    前記更新プログラム毎に前記サーバから受信する通信方式を示す受信情報を取得する取得部、及び
    前記受信情報に基づいて、前記サーバから前記更新プログラムを受信する制御を行う通信制御部
    として機能させ、
    第１更新プログラムと、前記第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、前記プログラムにより、前記取得部は、前記第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を取得し、
    前記プログラムにより、前記通信制御部は、前記取得部が取得した前記変更に関する情報に基づいて前記第１更新プログラムを受信する制御を行う
    プログラム。
13. サーバが備える更新プログラム送信制御部が、移動体が備える移動体制御部の更新プログラムを前記移動体に送信する制御を行う段階と、
    前記サーバが備える受信情報送信制御部が、前記更新プログラム毎に前記移動体が受信する通信方式を示す受信情報を前記移動体に送信する制御を行う段階と、
    前記移動体が第１更新プログラムと、前記第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、前記サーバが備える変更情報送信制御部が前記第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を前記移動体に送信する制御を行う段階と
    を備える制御方法。
14. プログラムであって、コンピュータを、
    移動体が備える移動体制御部の更新プログラムを前記移動体に送信する制御を行う更新プログラム送信制御部、
    前記更新プログラム毎に前記移動体が受信する通信方式を示す受信情報を前記移動体に送信する制御を行う受信情報送信制御部、及び
    前記移動体が第１更新プログラムと、前記第１更新プログラムによる更新を実行した後に受信する第２更新プログラムと、の両方を受信していない場合に、前記第１更新プログラムの受信情報の変更に関する情報を前記移動体に送信する制御を行う変更情報送信制御部
    として機能させるためのプログラム。

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