以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、共通する説明を簡略化または省略する。なお、本開示で角度に言及した場合において、和が360°となる優角と劣角とがあるときには原則として劣角の角度を指すものとし、和が180°となる鋭角と鈍角とがある場合には原則として鋭角の角度を指すものとする。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による照明装置1Aの斜視図である。図2は、実施の形態1による照明装置1Aの下面図である。図3は、実施の形態1による照明装置1Aの断面図である。これらの図に示す照明装置1Aは、板状のベース2と、基板3と、基板3に配置された複数の発光素子4と、配光制御レンズ5と、放熱フィン6と、透光カバー7とを備えている。なお、図3と、後述する図5及び図6では、ベース2、基板3、発光素子4、及び配光制御レンズ5以外の構成要素の図示を省略している。
図1に示すように、ベース2は、平板状の形状を有している。本実施の形態では、ベース2の中心を通りベース2の平面に垂直な直線を「灯軸AX」と称する。また、灯軸AXに平行な方向を「灯軸方向」と称する。灯軸AXは、照明装置1Aの中心軸に相当している。図2は、灯軸AXに平行な方向から見た図に相当している。図3は、灯軸AXを含む平面で切断した図に相当している。
本実施の形態の照明装置1Aは、例えば天井に設置され、下へ向けて光を照射することで、照明装置1Aよりも下の空間を照らす用途に適している。特に、本実施の形態の照明装置1Aは、工場、倉庫、体育館、競技施設などの高い天井に設置される高天井照明としての用途に適している。本明細書では、説明の便宜上、灯軸AXが鉛直線に平行となるように照明装置1Aが設置されている場合の姿勢を基準として上下の方向を特定する。ただし、照明装置1Aが使用されるときの姿勢は、灯軸AXが鉛直線に対して非平行となる姿勢でもよいことは言うまでもない。
図2及び図3に示すように、平板状の形状を有する基板3は、ベース2の下面側に重ねて配置されている。発光素子4は、基板3の下面に配置されている。本実施の形態では、複数の発光素子4が1個の基板3の同一平面上に実装されている。基板3には、複数の発光素子4に給電するための導電パターンが形成されていてもよい。本実施の形態において、それぞれの発光素子4の光軸は、灯軸AXに平行である。
基板3の上面は、ベース2の下面に対して熱伝導可能となるように接している。発光素子4で発生した熱は、基板3からベース2へ熱伝導する。基板3の上面が、ベース2の下面に対して、直接接していてもよいし、熱伝導性材料を介して接触してもよい。本明細書において、熱伝導性材料は、例えば、熱伝導性グリス、熱伝導性シート、熱伝導性接着剤、熱伝導性両面粘着テープのいずれかでもよい。
発光素子4は、発光ダイオード(LED)を利用したものでもよい。例えば、発光素子4は、表面実装型LEDパッケージ、砲弾型LEDパッケージ、配光レンズ付きLEDパッケージ、チップ・スケール・パッケージのLED、チップ・オン・ボード(COB)タイプのLEDパッケージのうちのいずれかでもよい。また、発光素子4は、LEDを利用したものに限らず、例えば、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子または半導体レーザなどを利用したものでもよい。照明装置1Aが備える複数の発光素子4は、互いに同じ、形状、大きさ、及び配光分布を有している。
配光制御レンズ5は、照明装置1Aが備える複数の発光素子4のうちの一部の発光素子4に対して設けられている。配光制御レンズ5は、発光素子4とは別体の部品である。配光制御レンズ5は、その中心軸が発光素子4の光軸と同軸になるように配置されている。配光制御レンズ5は、図示しない固定部材を用いて、ベース2または基板3に対して固定されている。図2に示すように、本実施の形態における配光制御レンズ5は、その中心軸の方向から見たときに円形の外形を有している。
図3に示すように、配光制御レンズ5は、入射面5a及び出射面5bを有している。配光制御レンズ5が設けられた発光素子4から発せられた光は、入射面5aから配光制御レンズ5の内部に入射し、出射面5bから出射する。配光制御レンズ5は、発光素子4から発せられた光の配光角を縮小させる。すなわち、出射面5bから出射する光の配光角は、発光素子4から入射面5aに入射する光の配光角よりも小さくなる。配光角は、例えば1/2ビーム角の値によって表すことができる。1/2ビーム角は、最大光度の光線の方向に対して1/2の光度になる二つの光線の間の角度である。
入射面5aは、配光制御レンズ5に形成された凹部の内面に相当している。発光素子4の一部は、当該凹部の内部に位置している。出射面5bは、発光素子4の光軸に対して垂直な平面に沿う形状になっている。配光制御レンズ5の形状は、図示の例に限定されるものではなく、発光素子4から発せられた光の配光角を縮小させる形状であればいかなる形状でもよい。配光制御レンズ5を形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂などの透明な樹脂材料、あるいはガラス材料が挙げられる。
図1に示すように、放熱フィン6は、ベース2の上面側に配置されている。基板3及び発光素子4からベース2へ伝導した熱は、ベース2から放熱フィン6へさらに伝導する。ベース2及び放熱フィン6は、ヒートシンクに相当する。ベース2及び放熱フィン6の表面から周囲の空気へ熱が散逸することにより、発光素子4が冷却される。放熱フィン6は、ベース2の上面から上に向かって突出している。図示の例では、放熱フィン6は、板状の形状を有しており、ベース2の上面に対して垂直となる姿勢で配置されている。放熱フィン6によって放熱面積を大きくすることで、発光素子4で発生した熱を効率良く散逸させることができる。
ベース2及び放熱フィン6のそれぞれは、例えば、金属材料あるいは熱伝導性樹脂材料のような、高い熱伝導率を有する材料で作られていることが好ましい。熱伝導性樹脂材料は、熱伝導性フィラーが樹脂材料に練り込まれたものでもよい。ベース2及び放熱フィン6は、別々の部品として作られたものでもよいし、例えばアルミダイキャストなどによりベース2及び放熱フィン6を一体的に形成してもよい。
本実施の形態では、複数の板状の放熱フィン6が、灯軸AXを中心とした放射状に配置されている。このような例に限らず、複数の板状の放熱フィン6が互いに平行に配置されてもよいし、ピン形の形状を有するピンフィンを放熱フィン6として用いてもよい。
本実施の形態において、ベース2の外縁は、灯軸方向から見たときに、正方形に沿う形状を有する。このような例に限らず、灯軸方向から見たときのベース2の外縁の形状は、円形でもよいし、楕円形でもよいし、三角形、五角形、六角形、八角形のような多角形でもよい。
図3に示すように、透光カバー7は、複数の発光素子4を覆っている。本実施の形態では、基板3の全体を一つの透光カバー7が覆っている。発光素子4から発せられた光は、透光カバー7を透過して、外部空間へ照射される。透光カバー7は、基板3の外縁よりも外周側の位置において、例えばネジにより、ベース2に対して固定されている。本実施の形態における基板3、発光素子4、及び配光制御レンズ5は、ベース2及び透光カバー7により囲まれる内部空間に位置する。本実施の形態における透光カバー7は、基板3と向かい合うように位置する平板状の部分を有している。なお、図2と、後述する図7及び図8では、透光カバー7を透視して基板3、発光素子4、及び配光制御レンズ5を表している。
本実施の形態であれば、透光カバー7を備えたことで、基板3、発光素子4、及び配光制御レンズ5を、埃などの汚れ、あるいは虫その他の小動物などから確実に保護することができる。透光カバー7は、光を正透過させる、透明材料で作られていてもよい。または、透光カバー7は、光を拡散透過させるものでもよい。透光カバー7は、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂などの樹脂材料、またはガラス材料で作られていてもよい。ベース2及び透光カバー7により囲まれる内部空間を防水するために、部材同士の接合部に、防水性を有するシール材または接着剤が設けられてもよい。
図1に示すように、本実施の形態における照明装置1Aは、天板8と、複数の支柱9と、電源装置10と、ベース2の縁部に取り付けられた一対のフレーム11とを備える。天板8は、放熱フィン6よりも上の位置において、ベース2と平行に配置されている。支柱9は、ベース2に固定された下端と、天板8に固定された上端とを有している。天板8は、支柱9により、ベース2に対して支持されている。本実施の形態であれば、天板8を設けたことで、ベース2の上面及び放熱フィン6の表面に、埃あるいは油分のような汚れが堆積することを確実に抑制できる。その結果、ベース2の上面及び放熱フィン6の表面からの熱の散逸が上記汚れによって妨げられることを確実に抑制できる。
天板8の上に電源装置10が設置されている。電源装置10は、発光素子4を点灯させる直流電力を生成する点灯回路を備える。電源装置10の点灯回路は、例えば商用電源から供給される交流電力から直流電力を生成する電源回路を含む。電源装置10は、照明装置1Aが備えるすべての発光素子4を同時に点灯させることが可能である。
照明装置1Aは、電源装置10を備えないものでもよい。すなわち、照明装置1Aは、照明装置1Aの外部に配置された電源から直流電力の供給を受けることによって発光素子4を点灯させるものでもよい。また、照明装置1Aは、放熱フィン6へ送風するファン(図示省略)を備えていてもよい。
一対のフレーム11は、ベース2を間に挟むように配置されている。ベース2に対してフレーム11を固定する方法は、例えば、凹凸の嵌合による構造、溶接、ろう接、接着などいかなる方法でもよい。フレーム11は、ベース2の縁部から上方へ突出している。フレーム11の上端部に天板8が固定されていてもよい。
本実施の形態における照明装置1Aは、アーム12を備える。アーム12は、フレーム11に連結されている。アーム12は、フレーム11を介してベース2を支持する。アーム12は、細長い板状の基部12aと、基部12aの両端から突出する一対の支持部12bとを有する。例えば建物の天井面または梁のような取付面に対して基部12aをボルトなどにより固定することで、照明装置1Aを取付面に対して固定することができる。図示の例では、ボルトを挿通するための孔が基部12aに形成されている。
アーム12は、金属板を曲げ加工することにより作られていてもよい。一対の支持部12bは、基部12aの長手方向に対して垂直な方向に突出する。支持部12bの先端部分は、2本のボルト13,14により、フレーム11に対して固定されている。各支持部12bの先端部分には、ボルト13を中心とする円弧状に湾曲した長孔12cが形成されている。ボルト14は、長孔12cに挿通されている。
図示の例では、アーム12の基部12aの面が灯軸方向に対して垂直になっている。すなわち、基部12aの面は、基板3及びベース2に対して平行になっている。天井面または梁のような取付面が水平である場合には、図示の状態で基部12aを取付面に対して固定することにより、基板3及びベース2が水平になるように照明装置1Aを設置できる。
ボルト13,14を緩めると、アーム12が、フレーム11に対して、ボルト13を中心として所定角度範囲で回転可能になる。アーム12を回転させた後にボルト13,14を再び締め付けると、アーム12の基部12aの面が基板3及びベース2に対して傾斜した状態にすることができる。天井面または梁のような取付面が水平面に対して傾斜している場合には、そのような状態で基部12aを取付面に対して固定することにより、基板3及びベース2が水平になるように照明装置1Aを設置できる。
図2に示すように、灯軸方向から見たときに、照明装置1Aが備える複数の発光素子4のうちで最外周に位置する発光素子4を以下「最外周発光素子4a」と呼ぶ場合がある。複数の最外周発光素子4aの各々に対して配光制御レンズ5が設けられている。
最外周発光素子4aよりも内側の領域に位置する発光素子4のうちの少なくとも一部の発光素子4に対しては、配光制御レンズ5が設けられていない。以下の説明では、配光制御レンズ5が設けられていない発光素子4を「無レンズ発光素子4b」と呼ぶ場合がある。
本実施の形態では、照明装置1Aが備える複数の発光素子4は、灯軸方向から見たときに多重の周を形成するように並んでいる。図示の例では、それぞれの周において、円形を描くように複数の発光素子4が環状に並んでいる。この例に替えて、それぞれの周において、例えば、多角形あるいは楕円形を描くように複数の発光素子4が環状に並んでいてもよい。
図示の例では、複数の発光素子4により8重の周が形成されており、最外周発光素子4aは、内側から数えて8番目の周を形成している。以下の説明では、内側から数えてN番目の周を単に「N番目の周」と称する。本実施の形態では、最外周発光素子4aよりも内側の領域に位置するすべての発光素子4が無レンズ発光素子4bである。すなわち、最内周である1番目の周から7番目の周までの各周を形成する発光素子4のすべては、配光制御レンズ5が設けられていない無レンズ発光素子4bに相当している。1番目から7番目の周においては、外側の周になるほど、発光素子4の数が多くなる。
最外周発光素子4aの配列ピッチPaは、隣り合う最外周発光素子4aの中心間距離に相当する。本実施の形態では、配列ピッチPaは、周方向に隣り合う二つの最外周発光素子4aの中心間距離を指すものとする。8番目の周では、複数の最外周発光素子4aが配列ピッチPaの間隔で並んでいる。
無レンズ発光素子4bの配列ピッチPbは、隣り合う無レンズ発光素子4bの中心間距離に相当する。本実施の形態では、配列ピッチPbは、周方向に隣り合う二つの無レンズ発光素子4bの中心間距離を指すものとする。本実施の形態では、1番目から7番目までの各周において、複数の無レンズ発光素子4bが配列ピッチPbの間隔で並んでいる。
図4は、実施の形態1の照明装置1Aにおける配光分布図である。図4では、以下のように表されている。横軸は、灯軸AXまたは発光素子4の光軸と、光線との間の角度を示す。縦軸は、当該光線の光度を示す。実線の「目標配光」は、照明装置1A全体としての目標の配光分布を示す。二点鎖線の「無レンズ」は、配光制御レンズ5がない場合の発光素子4の配光分布、すなわち無レンズ発光素子4bから照射される光の配光分布を示す。破線の「有レンズ」は、配光制御レンズ5から出射する光の配光分布、すなわち最外周発光素子4aから配光制御レンズ5を通って照射される光の配光分布を示す。
前述したように、配光制御レンズ5は、発光素子4から発せられた光の配光角を縮小させる。したがって、配光制御レンズ5から出射する光の配光角は、配光制御レンズ5がない場合の発光素子4の配光角、すなわち無レンズ発光素子4bの配光角よりも小さい。
照明装置1Aの点灯時に照射される光は、配光制御レンズ5から出射する光と、無レンズ発光素子4bから照射される光とで構成される。このため、照明装置1Aの配光角は、配光制御レンズ5から出射する光の配光角よりも大きく、且つ、無レンズ発光素子4bの配光角よりも小さい値になる。本実施の形態であれば、一部の発光素子4に対して配光制御レンズ5を設けることで、照明装置1Aの配光角を制御することが可能となる。配光制御レンズ5から出射する光の配光角が、照明装置1Aの目標配光角よりも小さい値になるように配光制御レンズ5を設計することで、照明装置1Aの目標配光角を達成することができる。
また、発光素子4の総数のうちで配光制御レンズ5が設けられた発光素子4の割合が高いほど照明装置1Aの配光角が小さくなり、当該割合が低いほど照明装置1Aの配光角が大きくなる。このため、当該割合を変えることで、照明装置1Aの配光角を狭くしたり広くしたりすることが可能となる。
一例として、無レンズ発光素子4bの配光角が130°、最外周発光素子4aから配光制御レンズ5を通って照射される光の配光角が60°である場合、照明装置1Aの配光角が80°となる。
配光制御レンズ5が設けられた発光素子4からの光取り出し効率は、無レンズ発光素子4bからの光取り出し効率よりも低くなる。これは、配光制御レンズ5と空気との界面での光の反射、及び、配光制御レンズ5の内部を透過するときの光の減衰があるためである。本実施の形態であれば、一部の発光素子4に対してのみ配光制御レンズ5を設けることで照明装置1Aの配光角を制御できるので、すべての発光素子4に対して配光制御レンズ5を設ける構成に比べて、光取り出し効率が向上する。
図3に示すように、配光制御レンズ5の直径Dは、発光素子4の直径よりも大きい。最外周発光素子4aの配列ピッチPaを配光制御レンズ5の直径Dよりも小さくすることはできない。最外周発光素子4aの配列ピッチPaを配光制御レンズ5の直径Dよりも小さくすると、隣り合う配光制御レンズ5同士の位置が干渉するからである。これに対し、無レンズ発光素子4bの配列ピッチPbは、配光制御レンズ5の直径Dよりも小さくすることが可能である。
図2に示すように、無レンズ発光素子4bの配列ピッチPbは、最外周発光素子4aの配列ピッチPaよりも小さい。このため、面積当たりの無レンズ発光素子4bの配置個数を多くすることができる。その結果、照明装置1Aのサイズを小型化することができ、ひいては照明装置1Aの軽量化が図れる。特に、本実施の形態では、無レンズ発光素子4bの配列ピッチPbは、配光制御レンズ5の直径Dよりも小さい。これにより、面積当たりの無レンズ発光素子4bの配置個数をさらに多くすることが可能となる。
照明装置1Aの目標配光角を達成するためには、発光素子4の総数のうちで配光制御レンズ5が設けられた発光素子4の割合を所定の割合にする必要がある。そのためには、必要な数の配光制御レンズ5を配置することが求められる。この点に関し、本実施の形態であれば、複数の最外周発光素子4aの各々に対して配光制御レンズ5が設けられていることで、以下の効果が得られる。最外周は、その内側の周よりも周の長さが長いので、一つの周に配置可能な配光制御レンズ5の数が最も多い。このため、必要な数の配光制御レンズ5のうちの多数または全部を最外周に配置できる。その結果、他の周に配置する必要のある配光制御レンズ5の数が少数またはゼロになる。それゆえ、配光制御レンズ5を設ける周の数が少なくて済むので、照明装置1Aを小型化及び軽量化する上で、より有利になる。また、配光制御レンズ5を例えばネジ止めなどを用いて固定する場合に、最外周よりも外側には発光素子4が存在しないので、発光素子4が当該固定の障害になりにくく、当該固定を容易に行うことができる。
高天井照明は、高い天井に設置されるため、安全面の問題から軽量化が求められる。また、設置作業時には、作業者の目線よりも高い位置に取付けることがあるため、作業性の問題から、小型化である方が取り付け位置も見やすく作業がしやすい。さらに、小型であると製品を梱包した状態も小型になるため、輸送費が安くなる上、製品の材料費も安くなる。本実施の形態の照明装置1Aによれば、これらの観点において優れた高天井照明を提供することが可能となる。
本実施の形態では、最外周だけに配光制御レンズ5が設けられており、最外周よりも内側の領域に位置する1番目から7番目までの周には配光制御レンズ5が設けられていない。このため、最外周よりも内側の領域における面積当たりの発光素子4の配置個数を多くする上でより有利になるので、照明装置1Aの小型化及び軽量化にさらに有利になる。
図3中の周間ピッチPcは、無レンズ発光素子4bにより形成された1番目から7番目までの周における周と周との間隔に相当する。本実施の形態において、この周間ピッチPcは、配光制御レンズ5の直径Dよりも小さい。これにより、面積当たりの無レンズ発光素子4bの配置個数を多くする上でより有利になるので、照明装置1Aの小型化及び軽量化にさらに有利になる。
図3中の周間ピッチPdは、無レンズ発光素子4bにより形成された7番目の周と、配光制御レンズ5が設けられた8番目の周との間隔に相当する。この周間ピッチPdは、上述した周間ピッチPcよりも大きい。図示の例では、周間ピッチPdは、配光制御レンズ5の直径Dよりも大きい。図示の例に代えて、周間ピッチPdが配光制御レンズ5の直径Dよりも小さくなるようにしてもよい。
本実施の形態では、無レンズ発光素子4bにより形成された1番目から7番目までのすべての周において、その配列ピッチPbは、最外周発光素子4aの配列ピッチPaよりも小さい。このような例に替えて、一部の無レンズ発光素子4bが、最外周発光素子4aの配列ピッチPa以上の配列ピッチで並んでいてもよい。
本実施の形態では、最外周に設けられた複数の配光制御レンズ5が互いにつながって、一つの環状の部品を形成している。これにより、複数の配光制御レンズ5を容易に固定することができる。このような例に替えて、個々の配光制御レンズ5が別々の部品となっていてもよい。
実施の形態2.
次に、図5を参照して、実施の形態2について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、共通する説明を簡略化または省略する。図5は、実施の形態2による照明装置1Bを灯軸AXを含む平面で切断した断面図である。
図5中のθは、最外周発光素子4aに隣り合う無レンズ発光素子4bの1/2ビーム角を示している。本実施の形態において、最外周発光素子4aに対して設けられた配光制御レンズ5は、当該最外周発光素子4aに隣り合う無レンズ発光素子4bの1/2ビーム角θの範囲と重ならないように配置されている。これにより、当該無レンズ発光素子4bからの光取り出し効率の低下を確実に抑制することができる。また、当該無レンズ発光素子4bから照射される光が配光制御レンズ5に当たって反射することを確実に抑制できるので、当該無レンズ発光素子4bから照射される光の配光が変化することを極力避けることができる。
実施の形態3.
次に、図6を参照して、実施の形態3について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、共通する説明を簡略化または省略する。図6は、実施の形態3による照明装置1Cを灯軸AXを含む平面で切断した断面図である。
図6に示すように、本実施の形態の照明装置1Cでは、配光制御レンズ5が透光カバー7と一体に形成されている。配光制御レンズ5は、透光カバー7の内壁面から突出している。配光制御レンズ5の出射面5bは、透光カバー7の外壁面と滑らかにつながっている。本実施の形態であれば、配光制御レンズ5に専用の固定構造を設ける必要がなくなり、組み立て性が向上する。また、配光制御レンズ5から出射した光が透光カバー7の内壁面で反射することがなくなるので、光取り出し効率が向上する。
実施の形態4.
次に、図7を参照して、実施の形態4について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、共通する説明を簡略化または省略する。図7は、実施の形態4による照明装置1Dの下面図である。
図7に示すように、本実施の形態の照明装置1Dでは、複数の発光素子4により6重の周が形成されている。最外周発光素子4aは、6番目の周を形成している。6番目の周の各々の最外周発光素子4aに対して、配光制御レンズ5が設けられている。さらに、本実施の形態では、3番目の周及び4番目の周の各々の発光素子4に対して、配光制御レンズ5が設けられている。
最外周発光素子4aよりも内側の領域に位置する発光素子4は、5重の周を形成するように並んでいる。以下の説明では、最外周よりも内側の5重の周のうち、無レンズ発光素子4bが並んだ周を「無レンズ周」と称し、配光制御レンズ5が設けられた発光素子4が並んだ周を「有レンズ周」と称する。本実施の形態では、最内周すなわち1番目の周と、2番目の周と、5番目の周とが無レンズ周に相当し、3番目の周及び4番目の周が有レンズ周に相当する。
本実施の形態であれば、最外周よりも内側の発光素子4の一部にも配光制御レンズ5を設けたことで、発光素子4の総数のうちで配光制御レンズ5が設けられた発光素子4の割合を実施の形態1よりも高くすることができる。それゆえ、実施の形態1よりも狭角の配光角を有する照明装置1Dを達成することが可能となる。
無レンズ周の発光素子4の配列ピッチPeは、有レンズ周の発光素子4の配列ピッチPfよりも小さい。それゆえ、無レンズ周においては、面積当たりの発光素子4の配置個数を多くする上でより有利になるので、照明装置1Dの小型化及び軽量化にさらに有利になる。なお、有レンズ周の発光素子4の配列ピッチPfは、最外周発光素子4aの配列ピッチPaに等しい値でもよい。
本実施の形態では、最内周が無レンズ周である。すなわち、有レンズ周は、最内周以外の周に存在する。これにより、以下の効果が得られる。最内周は、周の長さが最も短いので、一つの周に配置可能な配光制御レンズ5の数が最も少ない。このため、有レンズ周を同数だけ設けるとした場合には、最内周を有レンズ周にするよりも、最内周以外の周を有レンズ周にした方が、配光制御レンズ5の数を多くすることができる。本実施の形態であれば、配光制御レンズ5の数を多くする上でより有利になるので、狭角の配光角を有する照明装置1Dを達成する上でより有利になる。
実施の形態5.
次に、図8を参照して、実施の形態5について説明するが、前述した実施の形態4との相違点を中心に説明し、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付して、共通する説明を簡略化または省略する。図8は、実施の形態5による照明装置1Eの下面図である。
図8に示すように、本実施の形態の照明装置1Eでは、複数の発光素子4により7重の周が形成されている。最外周発光素子4aは、7番目の周を形成している。7番目の周の各々の最外周発光素子4aに対して、配光制御レンズ5が設けられている。さらに、本実施の形態では、1番目の周及び2番目の周の各々の発光素子4に対して、配光制御レンズ5が設けられている。本実施の形態では、1番目の周及び2番目の周が有レンズ周に相当し、3番目の周から6番目の周までが無レンズ周に相当する。
本実施の形態であれば、最外周よりも内側の発光素子4の一部にも配光制御レンズ5を設けたことで、発光素子4の総数のうちで配光制御レンズ5が設けられた発光素子4の割合を実施の形態1よりも高くすることができる。それゆえ、実施の形態1よりも狭角の配光角を有する照明装置1Eを達成することが可能となる。
本実施の形態では、最内周が有レンズ周である。これにより、以下の効果が得られる。一般に、基板3の中心に近いほど、発光素子4の熱が散逸しにくいので、発光素子4の温度が上昇しやすい傾向がある。本実施の形態であれば、最内周を有レンズ周にすることで、最内周における発光素子4の配列ピッチが大きくなり、最内周の発光素子4の数が少なくなる。それゆえ、基板3の中心に最も近い最内周の発光素子4の温度上昇を確実に抑制できる。その結果、最内周の発光素子4の高効率化が図れるとともに、ヒートシンクを小型化することも可能となる。
なお、上述した複数の実施の形態のうち、組み合わせることが可能な二つ以上を組み合わせて実施してもよい。