JP7305339B2 - 回転鋸 - Google Patents

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Description

本発明は、材料(被削材)の切断及び切削等を行うために使用される回転鋸(鋸刃)に関する。
特に金属からなる被削材の切断及び切削等に好適な従来の回転鋸の一つ(以下、「従来鋸」と称呼する。)は、円板状の台金と超硬合金からなる2種類のチップ(切削刃)とを有する。即ち、従来鋸のチップは、上面と左側面との交差部分が面取りされた右刃と、上面と右側面との交差部分が面取りされた左刃と、からなる。右刃及び左刃は、台金の外周部に一定間隔(ピッチ)毎に形成された複数の刃台に交互に固定されている(例えば、特許文献1を参照。)。このように、右刃及び左刃が交互に配置された刃は、以下、「交互刃」と称呼される。
特開昭57-201121号公報(第1図(B’))
このような回転鋸が、特に電動工具に装着されて使用される場合、電力消費量を少なくしたり、作業者の切断・切削作業にかかる負担を軽減したりするために、切断・切削抵抗を低減させることが望ましい。切断・切削抵抗を低減させる施策の一つとして、チップの刃厚を小さくすること(薄刃化)が考えられる。しかし、従来鋸を薄刃化する場合、チップの刃厚のみならず、刃台を含む台金も刃厚に応じて薄くする必要があるため、回転鋸全体の剛性が低下してしまう。
回転鋸全体の剛性が低下すると、切削時に回転鋸が変形して、刃厚方向(台金の厚さ方向)におけるチップの位置の変位量が大きくなる。特に、交互刃の場合、上記変位量はより大きくなる。よって、回転鋸の直進性が良好でなく、被削材が切削される幅が刃厚方向において大きくなるので、結果的に電力消費量の低減及び/又は作業者の切断・切削作業にかかる負担の低減に繋がらない虞がある。
本発明は上記課題に対処するために為されたものである。即ち、本発明の目的の一つは、切断・切削抵抗を低減することが可能な回転鋸を提供することにある。
本発明の回転鋸(以下、「本発明鋸」とも称呼する。)(10、10A、10B)は、外周部に複数の刃台(22)が形成された円板状の台金(20)と、前記複数の刃台にそれぞれ固定された複数のチップ(30)と、を備える。
前記複数のチップは、第1チップ(30a)、第2チップ(30b)及び第3チップ(30c)を含む。
前記第1チップは、すくい面視にて当該第1チップの左右の中心(C1)に位置する第1平坦面(37a)及び前記第1平坦面の左右(43a、44a)にそれぞれ連続するように形成された左右対称の斜面(38a、39a)を有する。即ち、第1チップは所謂「山刃」に属する。
前記第2チップは、すくい面視にて当該第2チップの左右の中心(C2)から一方側にずれた第2平坦面(37b)、前記第2平坦面の一方側(43b)に連続するように形成された第1斜面(38b)及び前記第2平坦面の他方側(44b)に連続するように形成された第2斜面(39b)を有する。即ち、第2チップは、所謂「左右の面取りがなされた右刃」及び「左右の面取りがなされた左刃」の何れかに属する。
前記第3チップは、すくい面視にて当該第3チップの左右の中心(C3)から他方側にずれた第3平坦面(37c)、前記第3平坦面の他方側(43c)に連続するように形成された第3斜面(38c)及び前記第3平坦面の一方側(44c)に連続するように形成された第4斜面(39c)を有する。即ち、第3チップは、第2チップが「左右の面取りがなされた右刃」である場合には「左右の面取りがなされた左刃」に属し、第2チップが「左右の面取りがなされた左刃」である場合には「左右の面取りがなされた右刃」に属する。
更に、前記複数のチップは、前記回転鋸が被削材(W)を切削するために回転させられた場合、前記第1チップ、前記第2チップ、前記第3チップの順に繰り返し前記被削材と当接するように前記複数の刃台に配置されている。即ち、第1チップが被削材を切削し、次に第2チップが被削材を切削し、次に第3チップが被削材を切削し、その後、再び、第1チップが被削材を切削する。本回転鋸においては、この切削順序が繰り返される。
このように、本発明鋸は、「山刃、右刃及び左刃」を一組としたチップ群を備える。山刃は切削時における直進安定性が右刃及び左刃に比べて優れる。そのため、本発明鋸は、右刃及び左刃のみを一組としたチップ群を備える従来鋸に比較して、直進安定性に優れる。更に、山刃は、切削方向における被削材の中央部を切削するので、右刃及び左刃による切削量を低減することができる。よって、本発明鋸は切断・切削抵抗が小さい。
加えて、例えば、右刃及び左刃がいずれも上面の両側が面取りされたチップであって且つ上面に平坦面を備えない場合には、それらのチップの先端が先鋭になる。この場合、万一、それらのチップの先端が被削材に対して切削方向と異なる方向に当接した場合、チップの先鋭な先端が被削材に対して切削方向と異なる方向に突き刺さるから、それらのチップが被削材を削るにつれてそれらのチップの切削方向が本来の切削方向から大きく乖離する虞がある。その結果、刃厚方向におけるチップの位置の変位量が大きくなる虞がある。
これに対し、本発明鋸においては、山刃となる第1チップのみならず、右刃及び左刃(又は、左刃及び右刃)となる第2チップ及び第3チップが、いずれも上面の両側が面取りされた刃であって且つ平坦面(第2平坦面、第3平坦面)を有している。従って、万一、それらのチップが被削材に対して切削方向と異なる方向に当接した場合であっても、平坦面によってその方向のズレを低減することができる。よって、平坦面が形成されておらず先端が先鋭なチップが採用されている鋸と比較して、本発明鋸は直進安定性に優れる。
更に、各チップが「平坦面を備えていない先端が先鋭なチップ」であると、切削時に発生する熱がチップの先端に集中してチップの先端の温度が過度に高くなる。これに対し、本発明鋸の各チップは平坦面を備えているから、切削時に発生する熱がチップの先端に集中することがない。そのため、本発明鋸は、各チップの耐摩耗性にも優れた回転鋸となっている。なお、本発明鋸は、後述する所謂「不等ピッチ」の鋸であってもよく、「等ピッチ」の鋸であってもよい。
更に、前記第2平坦面は、前記第2チップの左右の中心(C2)を跨がないように形成され、且つ、前記第3平坦面は、前記第3チップの左右の中心(C3)を跨がないように形成されることが好ましい。
ところで、薄刃化によって回転鋸全体の剛性が低下すると、回転鋸が共振により大きく振動し、それによって、切削時に回転鋸が変形して刃厚方向(台金の厚さ方向)におけるチップの位置の変位量が大きくなる。よって、被削材が切削される幅が刃厚方向において大きくなるので、結果的に電力消費量の低減及び/又は作業者の切断・切削作業にかかる負担の軽減に繋がらない虞がある。
そこで、本発明鋸の一態様において、前記複数の刃台は、前記第1チップと当該第1チップに隣接する前記第2チップとの間の前記台金の周方向における距離である第1ピッチ(L1)が、前記第2チップと当該第2チップに隣接する前記第3チップとの間の前記台金の周方向における距離である第2ピッチ(L2)よりも長く、且つ、前記第3チップと当該第3チップに隣接する前記第1チップとの間の前記台金の周方向における距離である第3ピッチ(L3)が前記第2ピッチ(L2)と等しくなるように、前記台金に形成されている。
即ち、上記態様においては、第2ピッチと第3ピッチとは互いに等しいが、第1ピッチは第2ピッチ及び第3ピッチのそれぞれよりも長い。換言すると、この態様の回転鋸は不等ピッチの回転鋸である。よって、この態様の回転鋸は等ピッチの回転鋸に比較して、切断・切削時に共振が発生し難くなるから、チップが刃厚方向において大きく変位し難いので、薄刃化した上で切断・切削抵抗を低減することができる。
更に、第1ピッチは第2ピッチ及び第3ピッチのそれぞれよりも長いから、第1ピッチを有する刃台に取り付けられたチップの切削時間は相対的に長くなる。従って、第1ピッチを有する刃台に「すくい面視における形状が左右非対称であるが故に切削方向が刃厚方向に変位し易い第2チップ又は第3チップ」が固定されていると、切削中にチップが刃厚方向において大きく変位する虞がある。そこで、上記態様の回転鋸においては、第1ピッチを有する刃台には第2チップ又は第3チップよりも直進安定性が優れる「すくい面視における形状が左右対称の第1チップ」が固定されている。よって、上記態様の回転鋸は、共振による振動を回避し、且つ、直進安定性を確保できるので、それぞれのチップの刃厚方向への変位量を小さくすることができる。その結果、切断・切削抵抗を効果的に低減できる。
更に、本発明鋸において、前記第1斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角(θ6)が、前記第2斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角(θ7)よりも大きく、前記第3斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角(θ8)が、前記第4斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角(θ9)よりも大きく、前記第1斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角(θ6)と、前記第3斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角(θ8)と、が互いに等しく、且つ、前記第2斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角(θ7)と、前記第4斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角(θ9)と、が互いに等しくなるように形成されることが好ましい。
本発明鋸の一態様において、前記第2チップは、前記回転鋸の回転中心(A1)から前記第1斜面(38b)と当該第1斜面が連続する側面(41b)との前記すくい面(31b)における交点(45b)までの距離と、前記回転中心から前記第2斜面(39b)と当該第2斜面が連続する側面(42b)との前記すくい面における交点(46b)までの距離と、が互いに等しく、前記第3チップは、前記回転中心から前記第3斜面(38c)と当該第3斜面が連続する側面(42c)との前記すくい面(31c)における交点(45c)までの距離と、前記回転中心から前記第4斜面(39c)と当該第4斜面が連続する側面(41c)との前記すくい面における交点(46c)までの距離と、が互いに等しい(実質的に等しい場合を含む。)。
この態様によれば、第2チップ及び第3チップのそれぞれの左側面及び右側面が被削材に略同時に当接し始めるので、それらのチップに加わる左右方向の力が均等化される。従って、第2チップ及び第3チップが被削材を切削している場合における回転鋸の直進安定性を向上することができる。
本発明鋸の一態様において、前記第1チップに形成されている斜面の前記第1平坦面に対する傾斜角(θ1、θ2)が、前記第1斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角(θ6)、前記第2斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角(θ7)、前記第3斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角(θ8)、及び、前記第4斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角(θ9)、の何れよりも大きい。
一般的に、面取りの角度(斜面の平坦面に対する傾斜角)が大きいチップほど回転鋸の直進性が低下する傾向がある。一方、この傾斜角が大きいほど、チップが被削材に対して鋭く突き刺さるので、チップの切削開始直後における切削抵抗は低減すると考えられる。そこで、上記態様においては、直進安定性に優れる左右対称の山刃である第1チップの斜面の傾斜角が、第2チップ及び第3チップの斜面の傾斜角よりも大きくなっている。よって、直進安定性に優れる第1チップは鋭く被削材を切削し始めることができ、第2チップ及び第3チップは直進安定性を確保しながら被削材を切削することができる。この結果、上記態様は、回転鋸全体の切断・切削抵抗をより小さくすることができる。
この場合、前記第1平坦面のすくい面視における幅(T3)が、前記第2平坦面のすくい面視における幅(T5)よりも大きく、且つ、前記第2平坦面のすくい面視における幅(T5)と前記第3平坦面のすくい面視における幅(T7)とが互いに等しいことが望ましい。
これによれば、第1チップの斜面の傾斜角は比較的大きいが、第1平坦面の刃厚方向の幅(長さ)が長いので、第1チップは欠け難いチップとなる。一方、第2チップ及び第3チップのそれぞれの斜面の傾斜角は比較的小さいから、それぞれは欠け難いチップである。よって、第2平坦面及び第3平坦面のそれぞれの刃厚方向の幅(長さ)を比較的短くすることができる。これにより、第2チップ及び第3チップは被削材に対して食い込み易くなるから、それらのチップの切断・切削抵抗を低減することができる。
本発明鋸の一態様において、前記回転鋸の回転中心から前記第1平坦面上の前記回転鋸の径方向における最外周側の位置までの距離、前記回転中心から前記第2平坦面上の前記回転鋸の径方向における最外周側の位置までの距離、及び、前記回転中心から前記第3平坦面上の前記回転鋸の径方向における最外周側の位置までの距離、が互いに等しい。
この態様によれば、第1チップ乃至第3チップの先端(平坦面)の所謂「高さ」が互いに等しいから、特定のチップが早期に摩耗する可能性を低下させることができる。よって、回転鋸の寿命を長くすることができる。
本発明鋸の一態様において、前記複数のチップは、サーメット材料から構成されたサーメットチップである。
この態様によれば、被削材が例えば金属からなる材料であっても、被削材がチップに溶着し難くなり、その結果、切断・切削抵抗を低減することができるとともに、耐摩耗性に優れた回転鋸を提供することができる。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。更に、本明細書において開示された各種寸法及び角度を示す数値は、あくまで例示であり、本発明の回転鋸がこれらの数値により限定されることはない。
図1は、本発明の第1実施形態に係る回転鋸の側面図である。 図2は、図1に示した回転鋸の部分拡大側面図である。 図3は図1に示した第1チップを示した図であり、(A)は第1チップの正面図(すくい面視の図)、(B)は第1チップの側面図、(C)は第1チップの上面図である。 図4は、図1に示した第2チップを示した図であり、(A)は第2チップの正面図(すくい面視の図)、(B)は第2チップの側面図、(C)は第2チップの上面図である。 図5は、図1に示した第3チップを示した図であり、(A)は第3チップの正面図(すくい面視の図)、(B)は第3チップの側面図、(C)は第3チップの上面図である。 図6は、図1に示した第1チップ、第2チップ及び第3チップの正面図を重ねた図であり、(A)はチップの全体図、(B)はチップ先端の部分拡大図である。 図7は、図1に示した回転鋸が被削材を切断する際の当該被削材の形状を示した図である。 図8は、図1に示した回転鋸が被削材を切削しているときの様子を回転面と垂直な方向からみた図である。 図9は、従来の回転鋸を示した図である。 図10は、本発明の第2実施形態に係る回転鋸の側面図である。 図11は、図10に示した回転鋸の部分拡大図である。 図12は、従来の回転鋸の一つを示した図であり、(A)は当該回転鋸の部分拡大側面図であり、(B)は当該回転鋸のチップの正面図である。 図13は、本発明の第3実施形態に係る回転鋸の側面図である。 図14は、回転鋸を径方向外側から見たときの各チップの配列を示した図であり、(A)は図1に示した回転鋸に対応する図であり、(B)は変形例の回転鋸に対応する図である。
<第1実施形態>
図1に示したように、本発明の第1実施形態に係る回転鋸(以下、「第1回転鋸」と称呼される場合がある。)10は、図示しない電動工具及び切断機等の回転支軸に組み付けられる。回転鋸10は、図1において、時計周り(右回り)に回転することにより、被削材(例えば、金属からなる被削材)を切断及び/又は切削するようになっている。
本明細書において、回転鋸10が被削材を切断及び/又は切削する際に回転させられる方向は「順回転方向」と称呼される。順回転方向と反対の回転方向は「逆回転方向」と称呼される。順回転方向側は「前側」と称呼され、逆回転方向側は「後側」と称呼される。更に、回転鋸10の外周側は「外側」又は「上側」と称呼され、回転鋸10の内周側は「内側」又は「下側」と称呼される。回転鋸10の回転中心A1の方向は「左右方向、幅方向又は刃厚方向」と称呼される。図1の紙面表側は左側と称呼され、紙面裏側は右側と称呼される。
回転鋸10は、円板形状の台金20と、台金20に固定される複数のチップ30(30a、30b、30c)と、を備える。
台金20は、台金基部21と、台金基部21の外周部に台金基部21と一体的に形成された複数の刃台22と、を含む。台金20は、例えば、SK85、SKS5、SAE1074及びDIN75Cr1等の炭素鋼又は合金工具鋼からなる鋼板である。
台金基部21の回転中心部には、電動工具用及び切断機等の回転軸に回転鋸10を組み付け固定するための軸孔24が形成されている。軸孔24は円形であり、回転鋸の回転中心(回転軸)A1と同軸である。
図2に示したように、複数の刃台22のそれぞれにはチップ固定部23が形成されている。複数のチップ30のそれぞれは、チップ固定部23のそれぞれに「ろう付け固定」されている。
「一点鎖線Lr1、Lr2、Lr3及びLr4」のそれぞれは、回転鋸10の基準面を表している。基準面は、回転中心A1と、チップ30の前側面の最も外周側の点(例えば、図1に示した一点鎖線Lr1に対する点P1を参照。)と、を含む面である。回転鋸10の径方向は基準面内にある。回転鋸10の半径(回転中心A1から点P1までの長さ)は、例えば、62.5mm乃至177.5mmの範囲内であり、本例では75mmである。
図1に示したように、複数のチップ30は、複数の第1チップ30a、複数の第2チップ30b、及び、複数の第3チップ30cを含んでいる。
チップ30は、本例において、所謂「サーメットチップ」である。サーメットチップは、チタン及びタンタル等を主成分とするチップであり、主に、炭化チタン(TiC)、炭窒化チタン(TiCN)等のチタン化合物をニッケル(Ni)やコバルト(Co)を用いて結合させることによって形成されている。但し、チップ30はサーメットチップ以外(例えば、超硬合金)であってもよい。
回転鋸10が被削材を切削するために順回転方向に回転させられた場合、複数のチップ30は、第1チップ30a、第2チップ30b、第3チップ30cの順に繰り返し被削材と当接するように複数の刃台22に配置される。即ち、回転鋸10は、第1チップ30aの次に第2チップ30bが被削材と当接し、第2チップ30bの次に第3チップ30cが被削材と当接し、第3チップ30cの次に第1チップ30aが被削材と当接するステップを繰り返しながら、被削材を切断及び/又は切削して行く。
複数の刃台22は、第1の刃台22a、第2の刃台22b及び第3の刃台22cをそれぞれ複数含んでいる。第1チップ30aは第1の刃台22aに固定されている。第2チップ30bは第2の刃台22bに固定されている。第3チップ30cは第3の刃台22cに固定されている。
歯室25が互いに隣接する一対の刃台22の間に形成されている。複数の歯室25の形状は、互いに等しい形状(略U字状)である。本例において、回転鋸10の歯数は33である。つまり、回転鋸10は、第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30cを一組のチップ(チップ群)と定義すると、11組のチップ群を備えている。
図2に示したように、第1チップ30aの基準面Lr1は、回転中心A1及び第1チップ30aのすくい面(前面)31aの最も外周側に位置する端部32a(図1の点P1に相当)を通る。以下、各チップのすくい面の最も外周側に位置する端部は「外周端部」とも称呼される。第2チップ30bの基準面Lr2は、回転中心A1及び第2チップ30bの外周端部32b(図1の点P2に相当)を通る。第3チップ30cの基準面Lr3は、回転中心A1及び第3チップ30cの外周端部32c(図1の点P3に相当)を通る。第3チップ30cに隣接する第1チップ30aの基準面Lr4は、回転中心A1及び当該第1チップ30aの外周端部32a(図1の点P4に相当)を通る。
第1チップ30aの外周端部32aと当該第1チップ30aに隣接する第2チップ30bの外周端部32bとの間の台金20の周方向の距離L1は「第1ピッチL1」と称呼される。即ち、第1ピッチL1は、第1チップ30aと当該第1チップ30aに隣接する第2チップ30bとの間の台金20の周方向における距離である。
第2チップ30bの外周端部32bと当該第2チップ30bに隣接する第3チップ30cの外周端部32cとの間の台金20の周方向の距離L2は「第2ピッチL2」と称呼される。即ち、第2ピッチL2は、第2チップ30bと当該第2チップ30bに隣接する第3チップ30cとの間の台金20の周方向における距離である。
第3チップ30cの外周端部32cと当該第3チップ30cに隣接する第1チップ30aの外周端部32aとの間の台金20の周方向の距離L3は「第3ピッチL3」と称呼される。即ち、第3ピッチL3は、第3チップ30cと当該第3チップ30cに隣接する第1チップ30aとの間の台金20の周方向における距離である。
図1に示したように、第1ピッチL1に対応する中心角φ1は、基準面Lr1と当該基準面Lr1に隣接する基準面Lr2とのなす角であり、「第1ピッチ角φ1」と称呼される。第2ピッチL2に対応する中心角φ2は、基準面Lr2と当該基準面Lr2に隣接する基準面Lr3とのなす角であり、「第2ピッチ角φ2」と称呼される。第3ピッチL3に対応する中心角φ3は、基準面Lr3と当該基準面Lr3に隣接する基準面Lr4とのなす角であり、「第3ピッチ角φ3」と称呼される。
第2ピッチ角φ2と第3ピッチ角φ3とは互いに等しい。第1ピッチ角φ1は、第2ピッチ角φ2及び第3ピッチ角φ3のそれぞれよりも大きい。言い換えると、第2ピッチL2と第3ピッチL3とは互いに等しいが、第1ピッチL1は第2ピッチL2及び第3ピッチL3のそれぞれよりも長い(L1>L2=L3)。即ち、回転鋸10は、所謂「不等ピッチ」を有する回転鋸である。以下、第1ピッチL1は「長ピッチ」と称呼される場合があり、第2ピッチL2及び第3ピッチL3のそれぞれは「短ピッチ」と称呼される場合がある。
本例において、第1ピッチ角φ1は11.73°、第2ピッチ角φ2は10.5°、第3ピッチ角φ3は10.5°である。第2ピッチ角φ2及び第3ピッチ角φ3のそれぞれに対する第1ピッチ角φ1の比は、1.12(=11.73/10.5)である。即ち、第1ピッチ角φ1は、第2ピッチ角φ2及び第3ピッチ角φ3のそれぞれよりも12%大きい。
図2に示したように、複数の刃台22(第1の刃台22a、第2の刃台22b及び第3の刃台22c)のそれぞれは、歯下部26、歯背部27、刃台外周端部28及び後端部29を備える。
歯下部26は、歯室25の後部(即ち、刃台22の前端部)を形成する部分である。歯下部26は、側面視において、歯底25aの後側の位置から後側に直線状に伸びている。歯背部27は、歯下部26の後側端部から外側に向けて立設した壁面を形成している。歯下部26の上面と歯背部27の前面とによりチップ固定部23が形成される。従って、チップ固定部23は、側面視において略L形状となっている。このチップ固定部23の前面に各チップ30の背面が固定され、チップ固定部23の上面に各チップ30の底面が固定される。
刃台外周端部28は、側面視において、歯背部27の外側端部から内側後方に傾斜しながら延び、その後、曲線を描きながら外側後方に向かい、その後、後端に向かって直線状に延び、その後、内側に向かってL字状に屈曲して後端部29に連接している。
後端部29は、側面視において、刃台外周端部28の後方端部から内側に向かって伸び、その後、略U字形状を描き、次の歯下部26の前方端部に連接している。後端部29の略U字形状となっている部分の最も内側部分が歯底25aである。
上述したように、刃台外周端部28は、曲線を描きながら外側後方に向かい、その後、後端に向かって直線状に延び、その後、内側に向かってL字状に屈曲している。従って、刃台22の後部は外側に突出している。この外側に突出した部分は以下、「制限刃LS」と称呼される。
制限刃LSの径方向の高さH0は、第1チップ30aの外周端部32aの径方向の高さH1、第2チップ30bの外周端部32bの径方向の高さH2及び第3チップ30cの外周端部32cの径方向の高さH3のそれぞれよりも低い。制限刃LSは、回転鋸10の直進性を高める。なお、上記高さH0、H1、H2及びH3は、回転中心A1を中心として外周が歯底25aを通る円の外周O1を基準とする径方向の長さである。
第1チップ30aの高さH1、第2チップ30bの高さH2及び第3チップ30cの高さH3は互いに等しい。つまり、回転中心A1(回転中心)から第1チップ30aの外周端部32aまでの距離、回転中心A1から第2チップ30bの外周端部32bまでの距離、及び、回転中心A1から第3チップ30cの外周端部32cまでの距離、は互いに等しい。
再び図1を参照すると、台金基部21の径方向中央部分には、スリット51a、51b及び51cが形成されている。スリット51a、51b及び51cには、樹脂が充填されている。スリット51a、51b及び51cは、回転鋸10に発生した振動を減衰させたり、切削時の静音性を高めたりする効果を奏する。
台金20の外側領域に位置し「中心軸A1を中心とするリング状の領域52」の表面にはガラスビーズによるショットブラスト加工が施されている。領域52の内径は、台金20の半径の略2/3である。ショットブラスト加工により、領域52の表面粗さが低減されるとともに、微細なバリが除去されている。即ち、刃台22を含む領域52の表面は領域52以外の部分に比較してより平滑化されている。
次に、第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30cの形状(それぞれのチップの研磨後の形状)について詳細に説明する。
第1チップ30aは、図3に示したように、略直方体形状であり、すくい面(正面)31a、逃げ面36a、左側面41a及び右側面42aを有している。
すくい面31aは、上すくい面33a、中すくい面34a及び下すくい面35aを含んでいる。上すくい面33a、中すくい面34a及び下すくい面35aは、すくい面31aの外周端部32aから径方向内側に向かって順に位置している。
逃げ面36aは、平坦面(以下、「第1平坦面」と称呼される。)37a、左斜面38a及び右斜面39aを含んでいる。左斜面38aは、第1平坦面37aの左端部43aに連続するように形成された面である。即ち、左斜面38aは、上面(即ち、第1平坦面37aと同一の仮想平面)と左側面41aとの交差部分である左交差部が面取りされることにより形成された面である。左斜面38aの第1平坦面37aに対する傾斜角θ1は30°である。右斜面39aは、第1平坦面37aの右端部44aに連続するように形成された面である。即ち、右斜面39aは、上面(即ち、平坦面37aと同一の仮想平面)と右側面42aとの交差部分である右交差部が面取りされることにより形成された面である。右斜面39aの第1平坦面37aに対する傾斜角θ2は傾斜角θ1と同じであり、30°である。
第1平坦面37aは、すくい面視において、第1チップ30aの幅方向における中心線C1と直交している。更に、第1平坦面37aは、すくい面視において、第1チップ30aの幅方向において中心線C1により二等分されている。つまり、第1平坦面37aは、その左右の中心位置が第1チップ30aの左右の中心(中心線C1)と一致している。言い換えると、第1平坦面37aは、すくい面視にて第1チップ30aの左右の中心(中心線C1)に位置している。このように、第1チップ30aは、すくい面視における左右両側が左右対称に面取りされた「山刃」である。従って、左斜面38aと左斜面38aが連続する左側面41aとのすくい面31aにおける交点45aの高さ(回転鋸10の径方向における回転中心A1と交点45aとの距離)と、右斜面39aと右斜面39aが連続する右側面42aとのすくい面31aにおける交点46aの高さ(回転鋸10の径方向における回転中心A1と交点46aとの距離)は等しい。
左側面41aのあさり角θ3は0.5°である。同様に、右側面42aの図示しないあさり角も0.5°である。従って、第1チップ30aは、すくい面視の形状が左右対称である。
台金20の厚さT1は0.95mmである。第1チップの厚さ(刃厚)T2は、1.10mmである。平坦面37aの幅方向の長さT3は0.25mmである。
図3の(B)に示したように、上すくい面33aは、基準面Lr1と一致している。つまり、すくい面31aのすくい角は0°である。中すくい面34aは、上すくい面33aに連続する凹面と、この凹面に連続する平面と、を含む。この凹面は、基準面Lr1よりも後方(切削方向と反対方向)に位置し、所定の曲率を有する曲面である。凹面に連続する平面は、基準面Lr1よりも前方(切削方向)に位置する。下すくい面35aは中すくい面34aに連続する平面である。下すくい面35aは、基準面Lr1よりも前方に突出していて、基準面Lr1と略平行である。
基準面Lr1と直交する線D1と平坦面37aとのなす角である先端逃げ角θ4は、12°である。
図3の(C)に示したように、平坦面37aと左斜面38aとの境界、及び、平坦面37aと右斜面39aとの境界は、それぞれ、上面視において回転鋸10の順回転方向と平行である。即ち、それらの境界のそれぞれは、基準面Lr1と直交する面内に位置する。上面視において回転鋸10の順回転方向と平行な方向と左側面41aとのなす角である左側面逃げ角θ5は1°である。同様に、上面視において回転鋸10の順回転方向と平行な方向と右側面42aとのなす角である図示しない右側面逃げ角も1°である。
第2チップ30bは、図4に示したように、略直方体形状であり、すくい面(正面)31b、逃げ面36b、左側面41b及び右側面42bを有している。
すくい面31bは、上すくい面33b、中すくい面34b及び下すくい面35bを含んでいる。上すくい面33b、中すくい面34b及び下すくい面35bは、すくい面31bの外周端部32bから径方向内側に向かって順に位置している。
逃げ面36bは、平坦面(以下、「第2平坦面」と称呼される。)37b、左斜面38b及び右斜面39bを含んでいる。左斜面38bは、第2平坦面37bの左端部43bに連続するように形成された面である。即ち、左斜面38bは、上面(即ち、第2平坦面37bと同一の仮想平面)と左側面41bとの交差部分である左交差部が面取りされることにより形成された面である。左斜面38bの第2平坦面37bに対する傾斜角θ6は20°である。左斜面38bは、便宜上、第1斜面38bとも称呼される。右斜面39bは、第2平坦面37bの右端部44bに連続するように形成された面である。即ち、右斜面39bは、上面(即ち、第2平坦面37bと同一の仮想平面)と右側面42bとの交差部分である右交差部が面取りされることにより形成された面である。右斜面39bの第2平坦面37bに対する傾斜角θ7は、傾斜角θ6よりも小さく、10°である。右斜面39bは、便宜上、第2斜面39bとも称呼される。
第2平坦面37bは、すくい面視において、第2チップ30bの幅方向における中心線C2と直交している。更に、すくい面視において、第2平坦面37bの左右の中心位置は、第2チップ30bの幅方向において左右の中心(中心線C2)よりも左側に位置している。言い換えると、第2平坦面37bは、第2チップ30bの左右の中心(中心線C2)から左側にずれている。更に、第2平坦面37bの右端部44bは、中心線C2よりも左側に位置している。即ち、第2平坦面37bは、中心線C2を跨がない。
上述したように、傾斜角θ7は傾斜角θ6よりも小さいので、右斜面39bは左斜面38bに比較して緩斜面となっている。このため、第2チップ30bは、便宜上、「左刃」と称呼され、更に「右面取り刃」又は「左右の面取りがなされた左刃」と称呼される場合がある。第2チップ30bにおいて、第1斜面38bと第1斜面38bが連続する左側面41bとのすくい面31bにおける交点45bの高さ(回転鋸10の径方向における回転中心A1と交点45bとの距離)と、第2斜面39bと第2斜面39bが連続する右側面42bとのすくい面31bにおける交点46bの高さ(回転鋸10の径方向における回転中心A1と交点46bとの距離)は実質的に等しい。なお、交点45bの高さと交点46の高さとが互いに等しくなる(一致する)ように、傾斜角θ6及び傾斜角θ7が決められても良い(但し、θ6>θ7)。
なお、第2チップ30bの左右のあさり角は、第1チップ30aと同様に0.5°である。第2チップの厚さ(刃厚)T4は、第1チップの厚さT2と等しく、1.10mmである。平坦面37bの幅方向の長さT5は、平坦面37aの幅方向の長さT3よりも小さく、0.15mmである。
図4の(B)に示したように、すくい面31bの形状は、第1チップ30aのすくい面31aの形状と同様であるので、説明を省略する。基準面Lr2と直交する線D2と平坦面37bとのなす角である先端逃げ角θ4は、第1チップ30aの先端逃げ角θ4と同じである(即ち、12°である。)。
図4の(C)に示したように、平坦面37bと左斜面38bとの境界、及び、平坦面37bと右斜面39bとの境界は、それぞれ、上面視において回転鋸10の順回転方向と平行である。即ち、それらの境界のそれぞれは、基準面Lr2と直交する面内に位置する。左側面41bの左側面逃げ角θ5及び右側面42bの右側面逃げ角は、第1チップ30aの左側面逃げ角θ5及び右側面逃げ角と同じである(即ち、1°である。)。
第3チップ30cは、図5に示したように、略直方体形状である。図5の(C)に示したように、第3チップ30cと第2チップ30bとは、すくい面視の形状が左右対称である。より具体的に述べると、第3チップ30cは、すくい面(正面)31c、逃げ面36c、左側面41c及び右側面42cを有している。
すくい面31cは、上すくい面33c、中すくい面34c及び下すくい面35cを含んでいる。上すくい面33c、中すくい面34c及び下すくい面35cは、すくい面31cの外周端部32cから径方向内側に向かって順に位置している。
逃げ面36cは、平坦面(以下、「第3平坦面」と称呼される。)37c、右斜面38c及び左斜面39cを含んでいる。右斜面38cは、第3平坦面37cの右端部43cに連続するように形成された面である。即ち、右斜面38cは、上面(即ち、第3平坦面37cと同一の仮想平面)と右側面42cとの交差部分である右交差部が面取りされることにより形成された面である。右斜面38cの第3平坦面37cに対する傾斜角θ8は、傾斜角θ6と等しく、20°である。右斜面38cは、便宜上、第3斜面38cとも称呼される。左斜面39cは、第3平坦面37cの左端部44cに連続するように形成された面である。即ち、左斜面39cは、上面(即ち、第3平坦面37cと同一の仮想平面)と左側面41cとの交差部分である左交差部が面取りされることにより形成された面である。左斜面39cの第3平坦面37cに対する傾斜角θ9は、傾斜角θ8よりも小さく、10°である。左斜面39cは、便宜上、第4斜面39cとも称呼される。
第3平坦面37cは、すくい面視において、第3チップ30cの幅方向における中心線C3と直交している。更に、すくい面視において、第3平坦面37cの左右の中心位置は、第3チップ30cの幅方向において左右の中心(中心線C3)よりも右側に位置している。言い換えると、第3平坦面37cは、第3チップ30cの左右の中心(中心線C3)から右側にずれている。更に、第3平坦面37cの左端部44cは、中心線C3よりも右側に位置している。即ち、第3平坦面37cは、中心線C3を跨がない。
上述したように、傾斜角θ9は傾斜角θ8よりも小さいので、左斜面39cは右斜面38cに比較して緩斜面となっている。このため、第3チップ30cは、便宜上、「右刃」と称呼され、更に「左面取り刃」又は「左右の面取りがなされた右刃」と称呼される場合がある。第3チップ30cにおいて、第3斜面38cと第3斜面38cが連続する右側面42cとのすくい面31cにおける交点45cの高さ(回転鋸10の径方向における回転中心A1と交点45cとの距離)と、第4斜面39cと第4斜面39cが連続する左側面41cとのすくい面31cにおける交点46cの高さ(回転鋸10の径方向における回転中心A1と交点46cとの距離)は実質的に等しい。なお、交点45cの高さと交点46cの高さとが互いに等しくなる(一致する)ように、傾斜角θ8及び傾斜角θ9が決められても良い(但し、θ9>θ8)。
なお、第3チップ30cの左右のあさり角は、第1チップ30aと同様に0.5°である。第3チップの厚さ(刃厚)T6は、第1チップの厚さT2と等しく、1.10mmである。平坦面37cの幅方向の長さT7は、平坦面37bの幅方向の長さT5と等しく、0.15mmである。
図5の(B)に示したように、すくい面31cの形状は、第1チップ30aのすくい面31aの形状と同様であるので、説明を省略する。基準面Lr3と直交する線D3と平坦面37cとのなす角である先端逃げ角θ4は、第1チップ30aの先端逃げ角θ4と同じである(即ち、12°である。)。
図5の(C)に示したように、平坦面37cと右斜面38cとの境界、及び、平坦面37cと左斜面39cとの境界は、それぞれ、上面視において回転鋸10の順回転方向と平行である。即ち、それらの境界のそれぞれは、基準面Lr3と直交する面内に位置する。左側面41cの左側面逃げ角θ5及び右側面42cの右側面逃げ角は、第1チップ30aの左側面逃げ角θ5及び右側面逃げ角と同じである(即ち、1°である。)。
以上をまとめると、第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30cとの間には少なくとも以下に述べる関係が成立している。
(1)刃厚は互いに等しい(T2=T4=T6)。
(2)平坦面の幅(刃厚)方向長さ:T3>T5=T7
(3)斜面の角度:θ7=θ9<θ6=θ8<θ1=θ2
(4)側面のあさり角(θ3)は互いに等しい(0.5°)。
(5)先端逃げ角θ4は互いに等しい(12°)。
(6)側面逃げ角(θ5)は互いに等しい(1°)。
(7)平坦面の高さは互いに等しい(即ち、H1=H2=H3)。即ち、回転中心A1から、各平坦面の回転鋸の径方向における最外周側の位置までの距離は、互いに等しい。
次に、このように構成された回転鋸10の作用について説明する。図6の(A)及び(B)は、すくい面視において第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30cを、第1チップ30a、第2チップ30b、第3チップ30cの順に重ねて見た図である。図6の(A)及び(B)において、第2チップ30bの第1チップ30aに隠れて見えない部分は破線にて示され、第3チップ30cの第1チップ30a及び第2チップ30bに隠れて見えない部分は一点鎖線にて示されている。
図6の(B)から理解されるように、第1チップ30aの第1平坦面37aの前端(外周端部32aに相当)、第2チップ30bの第2平坦面37bの前端(外周端部32bに相当)及び第3チップ30cの第3平坦面37cの前端(外周端部32cに相当)の高さは等しい。一方、外周端部32a、外周端部32b及び外周端部32cは、すくい面視において互いに重なり合っていない(即ち、刃厚方向である左右方向において互いに位置が異なる)。従って、回転鋸10が被削材を切削するとき、第1チップ30aは、外周端部32aが当接する刃厚方向(左右方向)中央部分を切削し、第2チップ30bは、外周端部32bが当接する左側部分を主として切削し、第3チップ30cは、外周端部32cが当接する右側部分を主として切削する。その結果、回転鋸10に切削された被削材の切り屑は、刃厚方向(左右方向)に細かく分割される。つまり、各チップが1回の切削当たりに被削材を切削する量は、従来鋸に比較して少ない。従って、回転鋸10は、切断・切削抵抗を低減することができる。
ところで、仮に、それぞれのチップが、左右の面取りがなされていて且つ逃げ面に平坦面を備えないチップである場合、それらのチップの先端は先鋭になる。この場合、回転鋸の振動によりそれらのチップの先端が被削材に対して切削方向(台金20の進行方向)と異なる方向に当接すると、チップの先鋭な先端が被削材に対して切削方向と異なる方向に突き刺さるから、それらのチップが被削材を削るにつれてそれらのチップの切削方向が本来の切削方向から大きく乖離する虞がある。その結果、刃厚方向におけるチップの位置の変位量が大きくなる虞がある。これに対し、回転鋸10は、第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30cがそれぞれ、両側が面取りされ且つ第1平坦面37a、第2平坦面37b及び第3平坦面37cを有する逃げ面を備えている。
従って、仮に、第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30cのそれぞれが被削材に対して切削方向と異なる方向に当接した場合であっても、第1平坦面37a、第2平坦面37b及び第3平坦面37cによって、その方向のズレを低減する(修正する)ことができる。よって、回転鋸10は、「逃げ面に平坦面が形成されていないチップ(先端が先鋭なチップ)が採用されている鋸」と比較して直進安定性に優れる。
前述したように、第2チップ30bにおける交点45b及び交点46bの高さは互いに略等しく、第3チップ30cにおける交点45c及び交点46cの高さは互いに略等しい。よって、切削時において各チップのそれぞれの左側面及び右側面が被削材に略同時に当接し始めるので、それらのチップに加わる左右方向の力が均等化される。従って、第2チップ30b及び第3チップ30cが被削材を切削している場合における回転鋸10の直進安定性を向上することができる。
更に、第1平坦面37aの幅T3は、第2平坦面37bの幅T5よりも大きく、且つ、第2平坦面37bの幅T5と第3平坦面37cの幅T7とは互いに等しい。第1チップ30aは、両斜面38a及び39aの傾斜角θ1、θ2が比較的大きいが、第1平坦面37aの幅T3が比較的長い。よって、第1チップ30aは欠け難いチップとなる。一方、第2チップ30b及び第3チップ30cのそれぞれの斜面(第1斜面38b、第2斜面39b、第3斜面38c及び第4斜面39c)の傾斜角は比較的小さいので、第2チップ30b及び第3チップ30cは欠け難いチップである。よって、第2平坦面37b及び第3平坦面37cのそれぞれの幅T5及びT7を比較的短くすることができる。これにより、第2チップ30b及び第3チップ30cは被削材に対して食い込み易くなるので、第2チップ30b及び第3チップ30cの切断・切削抵抗を低減することができる。
加えて、第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30cの先端(各平坦面の回転鋸10の径方向における最外周側の位置)の高さが互いに等しいから、特定のチップが早期に摩耗する可能性を低下させることができる。よって、回転鋸10の製品寿命を長くすることができる。
次に、第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30cが被削材をそれぞれ切削する切り屑量についてより詳細に検討する。一般的な「等ピッチ」の回転鋸の「一歯当たり送り量Fz」は、以下の(1)式にて計算される。

Fz=(F・1000)/(N・Z) (mm/歯) …(1)

(1)式において、Fは送り速度(m/min)、Nは回転鋸10の回転数(min-1)、Zは歯数である。
回転鋸10の歯数Zは33である。但し、前述したように、回転鋸10は「不等ピッチ」の回転鋸である。回転鋸10を「長ピッチである第1ピッチL1」のみを有する等ピッチの回転鋸と見做したとき、その歯数Z1は30.7(=360/φ1)に相当する。回転鋸10を「短ピッチである第2ピッチL2(又は第3ピッチL3)」のみを有する等ピッチの回転鋸と見做したとき、その歯数Z2は34.3(=360/φ2)に相当する。よって、上記(1)式から明らかなように、長ピッチに対応する1歯当たり送り量(以下、「第1送り量」と称呼する。)Fz1は、短ピッチに対応する1歯当たり送り量(以下、「第2送り量」と称呼する。)Fz2よりも大きい。更に、それらの比率(Fz1/Fz2)は、短ピッチに対する長ピッチの比率(L1/L2=L1/L3:約12%)に等しい。なお、以下において、「短ピッチである第3ピッチL3」に対応する1歯当たり送り量を、「第3送り量Fz3」と称呼する。第3送り量Fz3は第2送り量Fz2と等しい。
ここで、回転鋸10が被削材を切削する場合のそれぞれのチップ30が被削材を削り取る部分(削片)について、上述の「第1送り量Fz1、第2送り量Fz2及び第3送り量Fz3」を考慮して検討する。図7は、回転鋸10が紙面上方に被削材に対して一定の速度にて送られながら被削材を切削している場合の被削材をその裏面から見た図(通常、「Fz図」と称呼される。)である。図7において、回転鋸10の送り方向は紙面の下から上方向である。
第1チップ(山刃)30aが被削材に当接した時点から当該第1チップ30aに隣接する第2チップ(左刃)30bが被削材に当接する時点までの間に、当該第1チップ30aが被削材を削り取る部分は領域S1に相当する部分である。領域S1の上端の平坦部分U1は、第1チップ30aの平坦面37aの前端が削り取る部分である。
第2チップ(左刃)30bが被削材に当接した時点から当該第2チップ30bに隣接する第3チップ(右刃)30cが被削材に当接する時点までの間に、当該第2チップ30bが被削材を削り取る部分は領域S2に相当する部分である。領域S2の上端の平坦部分U2は、第2チップ30bの平坦面37bの前端が削り取る部分である。
次に、第3チップ(右刃)30cが被削材に当接した時点から当該第3チップ30cに隣接する第1チップ(山刃)30aが被削材に当接する時点までの間に、当該第3チップ30cが被削材を削り取る部分は領域S3に相当する部分である。領域S3の上端の平坦部分U3は、第3チップ30cの平坦面37cの前端が削り取る部分である。つまり、領域S1乃至領域S3は、今まで被削材を切削していたチップの次のチップが被削材に当接した時点において今まで被削材を切削していたチップによる切り屑の断面を表している。
このとき、領域S1の平坦部分U1と領域S2の平坦部分U2との間の距離は、第2送り量Fz2に比例した距離k・Fz2である。領域S2の平坦部分U2と領域S3の平坦部分U3との間の距離は、第3送り量Fz3に比例した距離k・Fz3である。領域S3の平坦部分U3と領域S1の平坦部分U1との間の距離は、第1送り量Fz1に比例した距離k・Fz1である。前述したように、第1送り量Fz1は、第2送り量Fz2及び第3送り量Fz3のそれぞれより大きく、第2送り量Fz2及び第3送り量Fz3は互いに等しい。従って、距離k・Fz1は、距離k・Fz2及び距離k・Fz3より長く、且つ距離k・Fz2及び距離k・Fz3は互いに等しい。このことは、送り量が大きいチップ(第1チップ30a)は、当該チップが被削材に当接してから次のチップ(第2チップ30b)が被削材に当接するまでの時間が長く、それだけ、当該チップが被削材を削る時間が長い(即ち、削る量が多い)ことを意味している。
このように、第1チップ30aは、回転鋸10の送り方向と直交する方向(以下、「切削幅方向」と称呼する。)の中央部(中心線CLの近傍)に位置する被削材の領域S1を切削する。第2チップ30bは、切削幅方向の左部分に位置する被削材の領域S2を切削する。第3チップ30cは、切削幅方向の右部分に位置する被削材の領域S3を切削する。領域S1、領域S2及び領域S3は何れも切削幅(刃厚)の全体に亘っていない。
従って、切削中に発生する切り屑(切削片)の切削幅方向の長さ(幅)は、何れも刃厚未満となる。従って、各チップが切削幅と等しい長さの切り屑を発生させる場合に比べて、切削抵抗が低減する。更に、各切削片の切削幅方向の長さ(幅)が刃厚未満となるから、切削片が歯室25から容易に排出されるから、切削抵抗が低減するとともに、被削材が切削片によって傷付き難くなる。
更に、前述したように、回転鋸10は、第2ピッチL2と第3ピッチL3とは互いに等しいが、第1ピッチL1は第2ピッチL2及び第3ピッチL3のそれぞれよりも長い、不等ピッチの回転鋸である。そのため、回転鋸10は、等ピッチの回転鋸に比較して、切断・切削時に共振が発生し難くなる。よって、切削中における回転鋸10のチップ30のそれぞれが刃厚方向において大きく変化し難い。
更に、第2チップ30b及び第3チップ30cは何れもすくい面視における形状が左右非対称であるのに対し、第1チップ30aはすくい面視における形状が左右対称である。第1チップ30aは、第2チップ30b及び第3チップ30cよりも直進安定性に優れている。そこで、回転鋸10においては、直進安定性に優れる第1チップ30aが「長ピッチ」の第1の刃台22aに固定され、第2チップ30b及び第3チップ30cが「短ピッチ」の第2の刃台22b及び第3の刃台22cにそれぞれ固定されている。従って、「長ピッチ」の第1の刃台22aに第2チップ30b及び第3チップ30cの何れかが固定された鋸に比べ、回転鋸10は直進安定性に優れている。よって、切削中における回転鋸10のチップ30のそれぞれが刃厚方向において大きく変化し難い。以上から、回転鋸10は切削抵抗を低減させることができる。
なお、第1送り量Fz1が第2送り量Fz2(又は第3送り量Fz3)に対して過大であると、第1チップ30aによって切削しなければならない部分が過大になるから、第1チップ30aにかかる負荷が増大する。その場合、第1チップ30aの摩耗が早期に進行する虞がある。そのため、第1ピッチL1は第2ピッチL2(又は、第3ピッチL3)よりも20%以下の範囲内の所定の率だけ長くされることが好ましい。更に、第1ピッチL1は、第2ピッチよりも10%以上の範囲内の所定の率だけ長くされることがより好ましい。つまり、第1ピッチL1と第2ピッチL2(又は、第3ピッチL3)との間には、以下の関係が成立することが望ましい。

1.1×L2≦L1≦1.2×L2 …(2)
(L2=L3)
更に、回転鋸10によれば、切り屑がカール状に形成されるから被削材から切り屑が引き剥がされ易く、且つ、被削材から分離された切り屑が歯室25内に留まり難い。よって、切削抵抗をより効果的に低減することができる。以下、この点について説明を加える。
前述したように、各チップのすくい面(31a、31b、31c)は、上すくい面、凹面である中すくい面、及び、下すくい面を備えているから、切削時に発生する切り屑がカール状に形成される。
例えば、図8に示したように、第3チップ30cが被削材Wに当接して被削材Wを削り始めると、被削材本体W0から分離し始めた部分W1は、被削材本体W0から完全に分離することなく、中すくい面34cに沿って進む。これは、中すくい面34cが凹面となっていることにより、被削材本体W0から分離し始めた部分W1が急激に折り曲げられないからであると推察される。他のチップもこの点に関し同様に作用する。従って、回転鋸10は、被削材本体W0を滑らかに切削することができる。
例えば、図8に示した例では、第3チップ30cよりも先行している第2チップ30bによって「被削材本体W0からカール状に分離した部分W1」は、被削材本体W0から完全に分離させられて切り屑W2となる。このとき、中すくい面34の下部及び下すくい面35bは基準面Lr2よりも前方に突出しているから、切り屑W2は、前方外側に向かって押し出され易くなる。よって、切り屑W2は歯室25内に留まり難くなり、歯室25から容易に排出される。他のチップもこの点に関し同様に作用する。これによっても、切削抵抗が低減される。以上から、回転鋸10は、切削抵抗をより効果的に低減することができる。
更に、領域52に対して施されたガラスビーズによるショットブラスト加工により、当該ショットブラスト加工前と比較して、領域52の表面粗さが約25%低下し、被削材との間に発生する摩擦力が約45%低下することが確認された。加えて、切り屑が加工面に溶着し難くなることも確認された。以上のことから、ガラスビーズによるショットブラスト加工により、回転鋸10が摺動し易くなり、更に、切断・切削抵抗を更に低減することができた。
加えて、チップ30はサーメットチップであるから、耐熱性及び耐摩耗性が高い。更に、サーメットチップは耐腐食性に優れ鉄との親和性が低い。そのため、被削材が金属材料である場合、被削材のチップ30への溶着が発生し難い。その結果、「被削材のチップ30への溶着による切断・切削抵抗の増大」が回避される。
切削時に発生する切り屑の量について、回転鋸10を用いた場合と図9に示した従来の回転鋸90を用いた場合とで比較した。比較に用いた従来の回転鋸90は、以下の構成を有する。
・台金91及び刃台92の厚さT8は1.2mmである。
・刃厚T9が1.5mmの左面取り刃93a及び刃厚T9が1.5mmの右面取り刃93bが、台金91の周方向に交互に繰り返し配置されている。
・左面取り刃93a及び右面取り刃93bの逃げ面のすくい面視における平坦部分の長さT10は1.0mmである。
・面取り角度は20°である。
・歯数は32であり、等ピッチの回転鋸である。
・直径150mmの電動工具用回転鋸である。
比較に用いた被削材は、直径34mm、厚さ3.2mmの炭素鋼鋼管である。この炭素鋼鋼管を10回切断したときに発生する切り屑の重量(以下、「切り屑量」と称呼する。)をそれぞれ計測した。切り屑量が少ないほど、より効率良く(少ないエネルギーで)被削材を切断できることを意味し、切削抵抗が低減していることを意味する。これは、例えば、回転鋸が充電池式の電動工具に用いられる場合、充電池の1回の充電につき、より多くの被削材を切断することができることを意味する。更に、これは、電動工具を用いる作業者の切断・切削作業にかかる負担を低減することができることを意味する。
実験の結果、従来の回転鋸90による切り屑量は35.9gであった。これに対し、回転鋸10による切り屑量は21.8gであった。このように、回転鋸10の切り屑量は従来の回転鋸90の切り屑量の61%であった。ところで、従来の回転鋸90の刃厚(1.5mm)に対する回転鋸10の刃厚(1.1mm)の割合は73%である。従って、上記の結果は、刃厚を薄くした以上の効果が得られている。
更に言えば、従来の回転鋸90の台金の厚さは1.2mmであるのに対し、回転鋸10の台金20の厚さは0.95mmであるので、従来の回転鋸90の方が高い剛性を有しているはずである。にもかかわらず、上記結果は、回転鋸10の振動により発生するチップの刃厚方向の変位量が従来の回転鋸90のチップの刃厚方向の変位量より小さくなっていることを示唆している。従って、回転鋸10の「不等ピッチ(長ピッチの山刃、短ピッチの交互刃)」という構成により、振動が効果的に低減されており、その結果、切断・切削抵抗が低減されていると言える。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る回転鋸(以下、「第2回転鋸」と称呼される場合がある。)10Aについて説明する。回転鋸10Aは、第1回転鋸10と歯数が等しいが、各チップが台金の周方向において等間隔に配置された「等ピッチ」の回転鋸である点において第1回転鋸10と相違している。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
図10に示したように、第2回転鋸10Aは、刃台22Aを含む台金20Aと、刃台22Aに固定される複数のチップ30Aと、により構成されている。複数のチップ30Aは、第1回転鋸10の複数のチップ30と同様に、第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30cをそれぞれ複数含んでいる。第2回転鋸10Aが被削材を切削するために順回転方向に回転させられた場合、複数のチップ30は、第1チップ30a、第2チップ30b、第3チップ30cの順に繰り返し被削材と当接するように複数の刃台22Aに配置される。
図11に示したように、第1チップ30aと当該第1チップ30aに隣接する第2チップ30bとの間の台金20Aの周方向における距離L4は「第4ピッチL4」と称呼される。第2チップ30bと当該第2チップ30bに隣接する第3チップ30cとの間の台金20Aの周方向における距離L5は「第5ピッチL5」と称呼される。第3チップ30cと当該第3チップ30cに隣接する第1チップ30aとの間の台金20Aの周方向における距離L6は「第6ピッチL6」と称呼される。
再び、図10を参照すると、第4ピッチL4に対応する中心角φ4は、基準面Lr1と当該基準面Lr1に隣接する基準面Lr2とのなす角であり、「第4ピッチ角φ4」と称呼される。第5ピッチL5に対応する中心角φ5は、基準面Lr2と当該基準面Lr2に隣接する基準面Lr3とのなす角であり、「第5ピッチ角φ5」と称呼される。第6ピッチL6に対応する中心角φ6は、基準面Lr3と当該基準面Lr3に隣接する基準面Lr4とのなす角であり、「第6ピッチ角φ6」と称呼される。
第4ピッチ角φ4、第5ピッチ角φ5及び第6ピッチ角φ6は互いに等しい。言い換えると、第4ピッチL4、第5ピッチL5及び第6ピッチL6は互いに等しい(L4=L5=L6)。即ち、回転鋸10は、所謂「等ピッチ」を有する回転鋸である。本例において、第ピッチ角φ、第ピッチ角φ及び第ピッチ角φは、10.9°である。台金20Aの厚さは、台金20と同様に0.95mmである。
第2回転鋸10Aにおいて、台金20Aの台金基部21Aの回転中心部には、軸孔24Aが形成されている。回転軸(回転中心)A2から各チップの外周端部(例えば、第1チップ30aの外周端部32a)までの長さは、75mmである。
従来の等ピッチの回転鋸の例として、実用新案登録第2540470号公報(以下、「特許文献2」と称呼する。)には、被削材に当接する順において1個の山刃チップ81と2個の平刃チップ82a、82bの3個組のチップセットが台金85の周方向に複数セット配列されるとともに、上記複数のチップセットの間に一組の交互刃83a、83bが配置される回転鋸が開示されている(図12(A)及び(B)を参照。)。この従来の回転鋸は、更に上記平刃チップ82a、82b及び交互刃83a、83bの刃高が山刃チップよりも低くされるとともに、交互刃の先端傾き角が互いに逆勾配に形成されている。なお、図12(B)には、すくい面視において5個のチップが重なるように図示されている。平刃チップ82bは平刃チップ82aの背後に重なっている。
このように形成された従来の回転鋸の平刃チップ及び交互刃は、すくい面視において直角部分又は鋭角部分を含んでいる。これに対し、第1回転鋸10と同様、第2回転鋸10Aの第2チップ30b及び第3チップ30cは、すくい面視において、逃げ面を形成する3つの面、左側面及び右側面の間にできる4つの「角」がすべて鈍角である。従って、第1回転鋸10と同様、第回転鋸10のチップの先端は従来の回転鋸のチップに比較して欠け難い。
更に、従来の回転鋸においては、山刃チップのみ刃高が高い。つまり、山刃チップが平刃チップ及び交互刃よりも外側に突出している。これに対し、第1回転鋸10と同様、第2回転鋸10Aにおいて、第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30cの高さがすべて等しいので、特定のチップの摩耗が早期に進行しない。従って、製品寿命をより長くすることができる。
加えて、特許文献2の図4に開示された交互刃には、チップ先端に平坦面が形成されていない。これに対し、第1回転鋸10と同様、第2回転鋸10Aの第2チップ30bには平坦面37bが形成され、第3チップには平坦面37cが形成されている。これにより、直進安定性を向上させることができ、且つ、チップ先端に熱が集中することを防止できるのでチップの耐摩耗性を向上させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る回転鋸(以下、「第3回転鋸」と称呼される場合がある。)10Bについて説明する。第3回転鋸10Bは、第1回転鋸10と同様の不等ピッチの回転鋸であるが、歯数が48である点において第1回転鋸10と相違している。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
図13に示したように、第3回転鋸10Bは、刃台22Bを含む台金20Bと、刃台22Bに固定される複数のチップ30Bと、により構成されている。複数のチップ30Bは、第1回転鋸10の複数のチップ30と同様に、第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30c(一組のチップ群)をそれぞれ複数含んでいる。第3回転鋸10Bは、歯数が48であるから、16組のチップ群を備えている。
第1チップ30aと当該第1チップ30aに隣接する第2チップ30bとの間の台金20Bの周方向における距離L7は「第7ピッチL7」と称呼される。第2チップ30bと当該第2チップ30bに隣接する第3チップ30cとの間の台金20Bの周方向における距離L8は「第8ピッチL8」と称呼される。第3チップ30cと当該第3チップ30cに隣接する第1チップ30aとの間の台金20Bの周方向における距離L9は「第9ピッチL9」と称呼される。第7ピッチL7は第8ピッチL8及び第9ピッチL9よりも長い。第8ピッチL8と第9ピッチL9とは互いに等しい。
第7ピッチL7に対応する中心角φ7は、基準面Lr1と当該基準面Lr1に隣接する基準面Lr2とのなす角であり、「第7ピッチ角φ7」と称呼される。第8ピッチL8に対応する中心角φ8は、基準面Lr2と当該基準面Lr2に隣接する基準面Lr3とのなす角であり、「第8ピッチ角φ8」と称呼される。第9ピッチL9に対応する中心角φ9は、基準面Lr3と当該基準面Lr3に隣接する基準面Lr4とのなす角であり、「第9ピッチ角φ9」と称呼される。
第7ピッチ角φ7は8°、第8ピッチ角φ8は7.25°、第9ピッチ角φ9は7.25°である。従って、長ピッチの短ピッチに対する割合は、1.10(=φ7/φ8)である。つまり、第7ピッチL7は、第8ピッチL8よりも10%長い。台金20Bの台金基部21Bの回転中心部には、軸孔24Bが形成されている。回転軸(回転中心)A3から各チップの外周端部(例えば、第1チップ30aの外周端部32a)までの長さは、75mmである。
前述した切り屑量の測定を第3回転鋸10Bに対しても行った。その結果、第3回転鋸10Bの切り屑量は、22.7gであった。従って、第3回転鋸10Bの切り屑量は、第1回転鋸10の切り屑量(21.8g)よりも多いが、従来の回転鋸90の切り屑量(35.9g)よりも少なく、従来の回転鋸90の切り屑量の63%であった。この結果から、第3回転鋸10Bにおいても、第1回転鋸10と同様に、刃厚を薄くした以上の効果が得られていることが理解される。
以上、説明したように、本発明の各実施形態に係る回転鋸は、刃厚さを小さくした場合であっても直進安定性に優れるので、切断・切削抵抗を効果的に低減することができる。本発明は上記の各実施形態に限定されることはなく、以下に述べるように、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
上記の各実施形態において、第2平坦面37bは中心線C2を跨がないように形成され、第3平坦面37cは中心線C3を跨がないように形成されていたが、第2チップ30bのすくい面視における形状及び第3チップ30cのすくい面視における形状は、上記形状に特に限定されない。即ち、第2チップ30bにおいて、第2平坦面37bは中心線C2よりも左側にずれていれば、中心線C2を跨いでいてもよいし、第3チップ30cにおいて、第3平坦面37cは中心線C3よりも右側にずれていれば、中心線C3を跨いでいてもよい。
上記の各実施形態において、第2チップ30bはすくい面視にて第2平坦面37bがチップの左方側に位置し、第1斜面38bの傾斜角θ6が第2斜面39bの傾斜角θ7よりも大きい、所謂左刃に相当していた。第3チップ30cはすくい面視にて第3平坦面37cがチップの右方側に位置し、第3斜面38cの傾斜角θ8が第4斜面39cの傾斜角θ9よりも大きい、所謂右刃に相当していた。従って、回転鋸10において複数のチップは、図14(A)に示したように、紙面右から左に向かって、第1チップ30a、第2チップ30b、第3チップ30cの順に配置されていた。
しかし、第2チップが所謂右刃に相当し、第3チップが所謂左刃に相当するように構成されてもよい。つまり、例えば、第2チップ30bが、すくい面視にて左右対称の形状である第3チップ30cと置き換わり、且つ、第3チップ30cが第2チップ30bと置き換わるように配置されてもよい。つまり、図14の(A)及び(B)に示したように、回転鋸の順回転方向において、第2チップ30bと第3チップ30cとが入れ替わるように配置されてもよい。
上記の各実施形態において、複数のチップ30はサーメットチップでできていたが、複数のチップは超硬合金でできていてもよい。前述したように、サーメットチップは耐摩耗性及び被削材との低親和性という点において超硬合金よりも優れているが、「不等ピッチ」且つ「山刃、交互面取り刃の組合せ」の構成によって生じる本発明の効果については、サーメット材料と超硬合金のどちらの材料が用いられても特に変わりはない。更に、それぞれの刃台のピッチは、被削材、チップ及び台金の材質等に応じて、自由に変更されてもよい。
10…回転鋸、20…台金、22…刃台、30…複数のチップ、30a…第1チップ、30b…第2チップ、30c…第3チップ、31a、31b、31c…すくい面、32a、32b、32c…外周端部、36a、36b、36c…逃げ面、37a…第1平坦面、37b…第2平坦面、37c…第3平坦面、38a…斜面、38b…第1斜面、38c…第3斜面、39a…斜面、39b…第2斜面、39c…第4斜面、41a、41b、41c…左側面、42a、42b、42c…右側面、43a、43b、43c、44a、44b、44c…平坦面の端部、45a、45b、45c、46a、46b、46c…交点、A1…回転軸(回転中心)、C1、C2、C3…幅方向中心線、L1…第1ピッチ、L2…第2ピッチ、L3…第3ピッチ、T3…第1平坦面の幅、T5…第2平坦面の幅、T7…第3平坦面の幅、θ1、θ2…第1平坦面に対する傾斜角、θ6、θ7…第2平坦面に対する傾斜角、θ8、θ9…第3平坦面に対する傾斜角。

Claims (6)

  1. 外周部に複数の刃台が形成された円板状の台金と、
    前記複数の刃台にそれぞれ固定された複数のチップと、
    を備えた回転鋸において、
    前記複数のチップが、第1チップ、第2チップ及び第3チップを含み、
    前記第1チップは、
    すくい面視にて当該第1チップの左右の中心に位置する第1平坦面及び前記第1平坦面の左右にそれぞれ連続するように形成された左右対称の斜面を有し、
    前記第2チップは、
    すくい面視にて当該第2チップの左右の中心から一方側にずれた第2平坦面、前記第2平坦面の一方側に連続するように形成された第1斜面及び前記第2平坦面の他方側に連続するように形成された第2斜面を有し、
    前記第3チップは、
    すくい面視にて当該第3チップの左右の中心から他方側にずれた第3平坦面、前記第3平坦面の他方側に連続するように形成された第3斜面及び前記第3平坦面の一方側に連続するように形成された第4斜面を有し、
    前記複数のチップが、
    前記回転鋸が被削材を切削するために回転させられた場合、前記第1チップ、前記第2チップ、前記第3チップの順に繰り返し前記被削材と当接するように前記複数の刃台に配置されており、
    すくい面視にて、前記第2平坦面が前記第2チップの左右の中心を跨がず、且つ、前記第2平坦面の外周端部と前記第1平坦面の外周端部とが互いに重なり合わないよう、前記第2平坦面の右端部は、前記第2チップの左右の中心よりも左側に位置し、
    すくい面視にて、前記第3平坦面が前記第3チップの左右の中心を跨がず、且つ、前記第3平坦面の外周端部と前記第1平坦面の外周端部とが互いに重なり合わないよう、前記第3平坦面の左端部は、前記第3チップの左右の中心よりも右側に位置し、
    前記第2チップは、
    前記回転鋸の回転中心から、前記第1斜面と当該第1斜面が連続する側面との前記すくい面における交点までの距離と、
    前記回転中心から前記第2斜面と当該第2斜面が連続する側面との前記すくい面における交点までの距離と、
    が互いに等しく、
    前記第3チップは、
    前記回転中心から前記第3斜面と当該第3斜面が連続する側面との前記すくい面における交点までの距離と、
    前記回転中心から前記第4斜面と当該第4斜面が連続する側面との前記すくい面における交点までの距離と、
    が互いに等しく、
    前記回転鋸の回転中心から前記第1平坦面上の前記回転鋸の径方向における最外周側の位置までの距離、
    前記回転中心から前記第2平坦面上の前記回転鋸の径方向における最外周側の位置までの距離、及び、
    前記回転中心から前記第3平坦面上の前記回転鋸の径方向における最外周側の位置までの距離、
    が互いに等しい、
    回転鋸。
  2. 請求項1に記載の回転鋸において、
    前記複数の刃台は、
    前記第1チップと当該第1チップに隣接する前記第2チップとの間の前記台金の周方向における距離である第1ピッチが、前記第2チップと当該第2チップに隣接する前記第3チップとの間の前記台金の周方向における距離である第2ピッチよりも長く、且つ、
    前記第3チップと当該第3チップに隣接する前記第1チップとの間の前記台金の周方向における距離である第3ピッチが前記第2ピッチと等しくなるように、
    前記台金に形成されている、
    回転鋸。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の回転鋸において、
    前記第1斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角は、前記第2斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角よりも大きく、
    前記第3斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角は、前記第4斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角よりも大きく、
    前記第1斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角と、前記第3斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角と、は互いに等しく、且つ、
    前記第2斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角と、前記第4斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角と、は互いに等しい、
    回転鋸。
  4. 請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の回転鋸において、
    前記第1チップに形成されている斜面の前記第1平坦面に対する傾斜角が、
    前記第1斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角、
    前記第2斜面の前記第2平坦面に対する傾斜角、
    前記第3斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角、及び、
    前記第4斜面の前記第3平坦面に対する傾斜角、
    の何れよりも大きい、
    回転鋸。
  5. 請求項に記載の回転鋸において、
    前記第1平坦面のすくい面視における幅が、前記第2平坦面のすくい面視における幅よりも大きく、且つ、
    前記第2平坦面のすくい面視における幅と前記第3平坦面のすくい面視における幅とが互いに等しい、
    回転鋸。
  6. 請求項1乃至請求項の何れか一項に記載の回転鋸において、
    前記複数のチップがサーメット材料から構成されたサーメットチップである、
    回転鋸。
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