JP7300236B1 - 面状ヒータ - Google Patents

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Abstract

面状ヒータ(10)は、断熱基材(1)と、前記断熱基材に設けられた金属コート基材(3)と、前記断熱基材よりも前記金属コート基材側に設けられたコード状発熱体(5)と、前記コード状発熱体と隣り合って設けられた黒色熱融着層(4)とを備える。

Description

本発明は、面状ヒータに関する。
一般に、各種の基材にコード状発熱体が固定された面状ヒータが知られている。このような面状ヒータは、例えば、自動車のシートヒータにも用いられている。このような面状ヒータの一つの形態は、コード状発熱体が不織布又はウレタンフォーム等の断熱基材に蛇行して配置されて当該基材に縫い付けられた構造を有する。また、面状ヒータの別の形態は、表面に熱融着層が設けられたコード状発熱体が表面に熱融着層が設けられた基材に蛇行して配置されて当該基材に熱圧着によって融着固定された構造を有する。このような面状ヒータの一例が、例えば、日本国特開2014-127230号公報に開示されている。これら面状ヒータがシートヒータとして用いられるとき、面状ヒータは、例えば断熱性の座席クッションと表皮カバーとの間に配置される。このような面状ヒータは、その用途に応じて、屈曲耐久性、即暖性、均一加熱性、省エネルギー性、接触体感性など、各種の性能が求められている。
本発明は、優れた面状ヒータを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、面状ヒータは、断熱基材と、前記断熱基材に設けられた金属コート基材と、前記断熱基材よりも前記金属コート基材側に設けられたコード状発熱体と、前記コード状発熱体と隣り合って設けられた黒色熱融着層とを備える。
本発明によれば、優れた面状ヒータを提供できる。
図1Aは、第1の実施形態に係る縫合型の面状ヒータの構成例の概略を示す模式的な平面図である。 図1Bは、図1Aに示すIB-IB線に沿った縫合型の面状ヒータの断面の概略を模式的に示す図である。 図1Cは、一実施形態に係るコード状発熱体の一例の構造を模式的に示す図であり、絶縁被覆層の一部を除去し、撚り素線の一部をほどいた状態を示す図である。 図1Dは、一実施形態に係る撚り素線の一例の断面を示す模式図である。 図2Aは、第2の実施形態に係る接着型の面状ヒータの構成例の概略を示す模式的な平面図である。 図2Bは、図2Aに示すIIB-IIB線に沿った接着型の面状ヒータの断面の概略を模式的に示す図である。 図3Aは、第3の実施形態に係る被覆型の面状ヒータの構成例の概略を示す模式的な平面図である。 図3Bは、図3Aに示すIIIB-IIIB線に沿った被覆型の面状ヒータの断面の概略を模式的に示す図である。
実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、例えばシートヒータとして用いられ得る面状ヒータに関する。本実施形態の面状ヒータは、長年シートヒータとして信頼性と経済性とを獲得しているコード状発熱体を用いつつ、各種面状発熱体の利点を備える。本実施形態の面状ヒータは、省エネルギー特性に優れる。
[縫合型面状ヒータ]
[構造の概要]
第1の実施形態は、縫合型の面状ヒータに関する。図1Aは、本実施形態に係る面状ヒータ10の構成例の概略を示す模式的な平面図である。図1Bは、図1Aに示すIB-IB線に沿った面状ヒータ10の断面の概略を示す模式的な断面図である。
面状ヒータ10は、ヒータ線保持用基材11の上にコード状発熱体5が固定された構造を有する。ヒータ線保持用基材11は、断熱基材1と接着剤層2とアルミニウムコート基材3と黒色熱融着層4とが順に積層された構造を有する。ヒータ線保持用基材11は、断熱基材1とアルミニウムコート基材3とが接着剤で一体化され、その後、アルミニウムコート基材3の表面に黒色熱融着層4が配置され、ホットプレス等によりアルミニウムコート基材3の表面に黒色熱融着層4が熱融着されて形成される。あるいは、断熱基材1と接着剤とアルミニウムコート基材3と黒色熱融着層4とが一度に配置されて熱融着されてもよい。いずれの場合もアルミニウムコート基材3は、断熱基材1に設けられている。黒色熱融着層4は、カーボンを含む黒色の熱融着層である。
ヒータ線保持用基材11の黒色熱融着層4の上には、コード状発熱体5が固定されている。コード状発熱体5は、上糸6aと下糸6bとを用いた縫合によりヒータ線保持用基材11に固定されている。例えば、ヒータ線保持用基材11の黒色熱融着層4の表面にコード状発熱体5が自動ミシンのパターン・プログラムに従い敷線されるとともに、例えば上糸6aと下糸6bとにより千鳥縫いされて、コード状発熱体5がヒータ線保持用基材11に縫い付けられて固定される。このように、黒色熱融着層4は、コード状発熱体5と隣り合って設けられている。縫製の速度や縫い幅、糸の張力等を適度に調整することによって、コード状発熱体5を固定する強さと緩みを調整できる。面状ヒータ10がシートヒータとして用いられるとき、ユーザが着座することによる下方への変形ストレスは、コード状発熱体5の滑りによるずれで緩和され得る。このような構造により高い耐久性が得られる。
[各部の詳細]
面状ヒータ10の各部の詳細について説明する。
〈断熱基材と接着剤〉
断熱基材1の材料としては、例えば、ウレタンフォーム、不織布、フェルト等、さまざまな材料が用いられ得る。断熱基材1とアルミニウムコート基材3との接着について、平面度が高い方が接着後の皺の発生が抑制されるので、断熱基材1の材料として、各材料とも表面の平滑性を重視した選択が好ましい。
断熱基材1とアルミニウムコート基材3とを接着する接着剤には、耐熱性や難燃性が求められる。また、面状ヒータ10がシートヒータとして用いられる場合、接着剤は、軟質の接着剤が好ましい。硬化後に固くなる接着剤が用いられる場合、着座時にゴワゴワとしてユーザが不快さを感じやすい。
〈アルミニウムコート基材〉
アルミニウムコート基材3は、柔軟で丈夫な生地にアルミニウム薄膜が付与されたものである。生地としては、織布、不織布、高分子フィルム等が用いられ得る。アルミニウム薄膜の付与は、例えば、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ溶射等による。真空蒸着によれば、アルミニウムは原子レベルで堆積するので、形成されるアルミニウム薄膜は、緻密となり、熱伝導の点から好ましい。スパッタリングやプラズマ溶射は積層速度が速いので、形成されるアルミニウム薄膜は、微細ではあるが粒状の堆積となる。熱伝導の点では真空蒸着が好ましい。
アルミニウム薄膜の厚さは、5μm~50μm、好ましくは10μm~15μmである。5μm以下では、熱伝導性が低下する。50μm以上では、アルミニウム薄膜が剥がれ易くなり、また時間当たりの生産量が比較的低下して、コストが高くなる。
アルミニウムの真空蒸着の場合、生地としては、平面性の優れた織布が好ましい。織布の材質としては、植物性繊維と石油化学系繊維とを比較した場合、植物性繊維が好ましい。特に、汎用安価な木綿の織布が好ましい。綿布の中でも、平織りで、ワイシャツのようにしなやかで光沢感のある生地が、薄いアルミニウム蒸着膜を得るのに好ましい。石油化学系繊維では、紡糸の際に強い延伸力がかかるので、ヒータ動作時の加熱により長手方向に収縮し、生地の変形が起こりやすい。
アルミニウムコートされた綿布は、例えば、アイロン台の即熱・均熱カバーとして、市販されている。このようなアルミニウムコートされた綿布は、高温での収縮は見られず、熱伝導性にも優れている。
アルミニウムの真空蒸着を行う場合、生地が一般の不織布であると、蒸発源から影の部分が多くなり、均一な蒸着膜の形成が困難である。しかし、近年不織布マスクの普及に伴い、費用は割高にはなるが、特別な工程を加えて不織布の表面を平滑にする技術が発達している。このような表面を平滑にした不織布に対しては、十分に均一なアルミ蒸着が可能である。表面を平滑にした不織布も生地として好ましい。不織布は、石油化学系繊維であるが、短繊維であること、及び短繊維の配置がランダムであることから、各短繊維の収縮の全体への影響は小さく、生地の変形は起こり難い。
また、上述のとおり、断熱基材1は不織布であってもよい。したがって、一般的な厚手で安価な不織布の断熱基材1と、コストは高いが平滑な表面を有する不織布生地にアルミ蒸着したアルミニウムコート基材3とが接着されてもよい。また、厚手で平滑な表面を有する不織布が安価に供給されるのであれば、厚手で平滑な表面を有する不織布にアルミニウムの真空蒸着を行って得られたものが、断熱基材1と接着剤層2とアルミニウムコート基材3とに代えて用いられてもよい。すなわち、断熱基材と断熱基材に設けられたアルミニウムコート基材とが、表面がアルミニウムコートされた不織布として一体として形成されてもよい。
なお、アルミニウムの真空蒸着を行う場合、生地が高分子フィルムでは、変形ストレスに対する接着強度や熱収縮の問題が起きやすい。
また、アルミニウムコート基材3は、生地にアルミニウム薄膜が付与されたものに限らない。アルミニウムコート基材3は、例えば、アルミニウムコートされた長繊維で形成された織布などであってもよい。
また、アルミニウムコート基材3は、アルミニウムに代えて他の適切な金属を含む他の金属コート基材であってもよい。例えば、アルミニウムに代えて、銀又は銅が用いられてもよい。
〈黒色熱融着層〉
本実施形態の黒色熱融着層4は、ポリオレフィン系樹脂とカーボン粒子と若干の添加剤とが混練され、二軸延伸装置によりフィルム状に成形されたものである。カーボン粒子に代えて、又はカーボン粒子に加えて、セラミック粉末が用いられてもよい。黒色熱融着層4は、熱融着機能を有する。黒色熱融着層4は、アルミニウムコート基材3のアルミニウム薄膜の剥離を防止し、面状ヒータ10に安全性を与える。また、黒色熱融着層4は、面状ヒータ10に遠赤外線放射機能を与える。この遠赤外線放射機能によって、面状ヒータ10は、熱伝導によって加熱対象物を加熱するほか、遠赤外線という熱線によって加熱対象物を加熱することができる。その結果、面状ヒータ10の熱効率が向上し、省エネルギー効果が得られる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリオレフィン樹脂又はオレフィン系共重合体が、単独で又は2種以上を組み合わされて、用いられ得る。ポリオレフィン樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が用いられ得る。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等を含む。オレフィン系共重合体としては、エチレンと、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸、エチルアクリレート、塩化ビニルなどの何れかとの共重合体や、プロピレンと塩化ビニルとの共重合体などや、これらの変性体などが用いられ得る。
本実施形態で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、これらの中でも、融点、熱融着性、価格等を考慮すると、特に、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が好ましい。
カーボン粒子としては、各種のものが用いられ得る。カーボン粒子としては、例えば、カーボンブラック粒子(オイルファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック)、グラファイト粒子などが、単独で又は組み合わされて混合物として、用いられ得る。
カーボン粒子の平均粒径は、10nm~100nmであることが好ましい。通常、平均粒径が10nm~100nmであると、安定な抵抗値が得られる。カーボン粒子の平均粒径は、20nm~50nmであることがさらに好ましい。平均粒径が10nm未満であると、樹脂中への分散が悪く、抵抗値ムラと色ムラとが生じやすい。一方、平均粒径が100nmを超えると、表面抵抗率は高くなる傾向があり、表面抵抗率のバラツキが増加し、表面の光沢にムラが生じやすくなる。カーボン粒子には、平均粒径を異にする2種以上のカーボン粒子を混合したものが用いられてもよい。
ポリオレフィン系樹脂とカーボン粒子との配合割合は、表面抵抗率が10Ω/cm~1010Ω/cmとなるように調整することが好ましい。このような表面抵抗率を得るには、黒色熱融着層4の全重量に対する割合を、例えば、ポリエチレン樹脂を60~95重量%とし、カーボン粒子を40~5重量%とする。好ましくは、ポリエチレン樹脂を80~90重量%とし、カーボン粒子を20~10重量%とする。このような配合割合の樹脂組成物は、市販のカーボン・カラー・コンパウンドにポリエチレン樹脂を適宜混錬することで、容易に得られる。カーボン粒子の割合が高いと、遠赤外線の放射総量は多くなる。一方で、カーボン粒子の割合が高いと、アルミニウムコート基材3に熱融着する強度が弱くなり、また絶縁性が悪くなる。また、カーボン粒子の割合が低いと、遠赤外線の放射量が少ない上に、後述する帯電防止の働きが弱まり、好ましくない。
黒色熱融着層4の厚さは、アルミニウムコート基材3からのアルミニウム微細片の剥離防止と遠赤外線の放射という2つの目的を達成するために、好ましくは0.05mm~0.35mmであり、さらに好ましくは0.08mm~0.15mmである。黒色熱融着層4の厚さが0.05mm以下の場合、アルミニウムコート基材3に熱融着したときに表面が荒れ、これはアルミニウムの微細片の剥離防止の面で好ましくない。黒色熱融着層4の厚さが0.35mmより厚くなると、昇温時の立ち上がり時間が長くなり、オーバー・シュートが大きくなって、消費電力も大きくなるので好ましくない。
黒色熱融着層4は、例えば、前記のとおり市販のカーボン・カラー・コンパウンドとポリエチレン樹脂とを混錬し、二軸延伸装置によりこれをフィルム状に成形することで形成される。黒色熱融着層4は、前記アルミニウムコート基材3の上に配置され、ホットプレス装置等により、アルミニウムコート基材3の表面に熱融着される。熱融着は、連続加熱ロール装置等を利用して行われてもよい。
また、例えば面状ヒータ10がシートヒータとして用いられて着座によるストレスが大きい場合等は、黒色熱融着層4の上に、カーボンを含まない同質のポリオレフィン系樹脂フィルムが重ねて熱融着され、機械的ストレスへの補強が行われてもよい。
〈コード状発熱体〉
図1Cは、コード状発熱体5の一例の構造を模式的に示す図であり、絶縁被覆層53の一部を除去し、撚り素線52の一部をほどいた状態を示す図である。図1Cに示すように、コード状発熱体5は、巻芯51に、撚り素線52が3~6本引き揃えられて適切なピッチでらせん状に横巻きされ、その周囲に電気絶縁性の絶縁被覆層53が形成された構造を有する。
巻芯51には、ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維などが用いられ得る。例えば、芳香族ポリアミド繊維としては商品名「ケブラー」として知られている繊維などが、全芳香族ポリエステル繊維としては商品名「ベクトラン」として知られている繊維などが、用いられ得る。例えば、汎用の面状発熱体の巻芯には、コストの点で有利なポリエステル繊維の集束体が使われてきた。また、例えば、シートヒータ用の巻芯には、全芳香族ポリエステル繊維の繊度560dtex程度のものが集束されて外径0.2mm~0.3mmとしたものが使われてきた。全芳香族ポリエステル繊維は、細くても強度があり、耐熱性も優れている。
図1Dは、撚り素線52の一例の断面を示す模式図である。撚り素線52は、外径0.05mm~0.08mmの銅錫0.3%の合金線である抵抗素線521が2~3本撚られ、その表面にウレタン樹脂製の被覆層522が設けられた構造を有する。
絶縁被覆層53の厚さは、例えば約0.1mm~0.2mmである。絶縁被覆層53は、例えば、四フッ化エチレン・エチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン・六フッ化ポリプレン共重合体(FEP)等の樹脂で形成されている。
以上のような構成を有するコード状発熱体5において、例えば巻芯51に全芳香族ポリエステル繊維を使用することで、巻芯51は細くて耐熱性を有し、例えば絶縁被覆層53にフッ素系樹脂を使用することで、絶縁被覆層53は薄くて耐熱性と強度に優れる。したがって、コード状発熱体5は十分に細くされ得る。コード状発熱体5が細くても、着座時の機械的ストレスによる抵抗素線521の断線は防がれる。また、コード状発熱体5は十分に細いので、コード状発熱体5の凹凸によりユーザが不快さを感じることが十分に抑制される。
本実施形態のコード状発熱体5の他の一例は、次のようなものである。コード状発熱体5は、例えば、外径0.06mm程度の3%銀銅合金線の表面を数μm厚さのウレタン樹脂などの電気絶縁材料で被覆した個別抵抗素線を、20本程度撚り合わせ、外径が0.4mm程度としたものであってもよい。3%銀銅合金線は、高強度であり、巻芯のような介在物がなくても着座時の機械的ストレスに十分耐えることができ、極薄い個別の絶縁層のみで安全性が確保され得る。このような構成のコード状発熱体は、一般に個別絶縁型コード状発熱体と呼ばれている。このような構成により、コード状発熱体5の外径を細くすることができ、着座時の違和感を抑制できる。一方で、3%銀銅合金線は高価である。
[面状ヒータについて]
本実施形態の面状ヒータ10は、安全性、即暖性、均熱性、省エネルギー性に優れる。
従来、不織布やポリウレタンフォーム等の断熱基材に直接コード状発熱体を縫い付けて固定した面状ヒータが知られている。このような面状ヒータでは、コード状発熱体自体の温度上昇は早いが、断熱基材は、空隙率が大きく熱伝導率が小さいので、面状ヒータ全体としては、温まりにくく冷めにくい。このような面状ヒータでは、温度制御において、電源投入直後の最初の温度上昇は、最大出力で電力を投入しても緩やかであり、設定温度に達するまでに時間がかかる。また、ヒータ全体で保温効果が大きいので、電源をONにした後、設定温度に達して温度制御器によって投入電力がOFFになっても、温度上昇は続き、オーバー・シュートといわれる設定温度を超える温度上昇が生じ得る。これらのため、電力の消費が大きくなる。また、オーバー・シュートを抑制するため、より複雑な温度制御器を使用することも考えられるが、これでは、コストが上昇したり、ロバスト性が低下したり、設定温度に到達するまでの時間が長くなったりしてしまう。
これに対して、本実施形態の面状ヒータ10は、ヒータ線保持用基材11にアルミニウムコート基材3を有する。アルミニウムコート基材3の熱伝導率は高いので、面状ヒータ10の温度上昇は早くなり、電力消費も小さくなる。また、面状ヒータ10の温度応答性が向上するので、温度制御も容易となり、オーバー・シュートも抑制される。これらのことから、アルミニウムコート基材3を有する面状ヒータ10は、省エネルギーを実現できる。
本実施形態の面状ヒータ10は、ヒータ線保持用基材11に黒色熱融着層4を有する。黒色熱融着層4の特長は、次の4つを含む。
(1)ヒータ線保持用基材11に含まれる黒色熱融着層4は、コード状発熱体5を縫合する場合に何の支障も生じさせず、また、コード状発熱体5をヒータ線保持用基材11に接着する場合には熱融着材として機能する。したがって、黒色熱融着層4は、面状ヒータ10の設計の自由度を高めることができる。
(2)繰り返し負荷に対して、黒色熱融着層4は、アルミニウムコート基材3のアルミニウム薄膜のちぎれや剥がれを防止する。例えば面状ヒータ10がシートヒータとして用いられる場合には繰返し着座ストレスに対して、黒色熱融着層4は、アルミニウムコート基材3のアルミニウム薄膜のちぎれや剥がれを防止する。したがって、黒色熱融着層4は、例えば人に対する健康被害、電気的障害等の防止に寄与する。
(3)黒色熱融着層4による遠赤外線放射により、発熱エネルギーが有効活用されて省エネルギー効果が発揮される。例えば面状ヒータ10がシートヒータに用いられる場合には、一般に動作温度は40~50℃とされるが、この温度帯でカーボンが加熱されると、遠赤外線が効率よく放射される。その結果、人体であまり感じない波長帯の放射が少なく、人体の加熱に有効な波長帯の放射が多くなる。
(4)黒色熱融着層4は、長年にわたり使用されて信頼性が確立されたコード状発熱体と共に用いられ得る。その結果、高いコストパフォーマンスが得られる。
従来、コード状発熱体がアルミニウム箔基材に固定されたアルミニウム箔ヒータが知られている。アルミニウム箔ヒータは、即暖性や均熱性のよさが知られており、例えば、冷蔵庫の霜取り用ヒータ、融雪用ヒータ、電気炊飯器の炊飯用又は保温用ヒータとして用いられている。
しかしながら、アルミニウム箔ヒータに衝撃性の荷重が繰り返し掛かると、そのアルミニウム箔には亀裂が入るおそれがあり、その結果、アルミニウム箔の均熱体としての機能は失われる。また、アルミニウム箔に亀裂が入ると、亀裂部からのアルミニウム微細破片が飛散するおそれがある。また、アルミニウム箔ヒータに荷重が掛かると、アルミニウム箔は変形し、金属性の雑音を発する。この雑音は、用途に応じては問題となる。例えば、アルミニウム箔ヒータをシートヒータに用いた場合、繰り返される着座による荷重で、上述のようなアルミニウム箔の破損や飛散が生じたり、着座時の雑音を搭乗者が不快に感じたりするおそれがある。
これに対して、本実施形態の面状ヒータ10では、アルミニウムコート基材3に黒色熱融着層4が融着されているので、アルミニウムコート基材3のアルミニウム薄膜のちぎれや剥がれなどが防止される。また、雑音が抑制される。
面状ヒータ10をシートヒータに用いた場合の故障時の漏洩電流について検討する。面状ヒータ10がシートヒータに用いられた場合、繰返し着座ストレスによる、コード状発熱体5の抵抗素線521の断線が懸念される。抵抗素線521の断線が発生すると、断線部分の抵抗値が高くなり、局部加熱状態になる。このときの熱は、ウレタン樹脂製の被覆層522や絶縁被覆層53を軟化させる。また、断線が起こると、撚りや横巻きの応力に従っていた抵抗素線521は、それらの応力から解放される。その結果、断線した抵抗素線521の線端が、上述の軟化した部分から突出することが想定される。
このような事態に対して、従来、コード状発熱体を用いたシートヒータでは、コード状発熱体の人体への接触が生じないように、下地の断熱基材に厚い絶縁物が用いられ、表皮にも厚手の皮革や合成樹脂の絶縁物が用いられていた。また、電源電圧も直流12Vといった低圧である。
一方、本実施形態に係る面状ヒータ10では、アルミニウムコート基材3及び黒色熱融着層4の上にコード状発熱体5が配置されており、前述の抵抗素線521の断線が起こり、万一線端が直接アルミニウムコート基材3に接触すると、アルミニウムコート基材3に漏電することになる。これを防止するには、アルミニウムコート基材3の表面に、黒色熱融着層4ではなく、カーボンを含まない例えばポリオレフィン系の絶縁性熱融着膜を融着すればよい。一方、カーボンを含まないポリオレフィン系の絶縁性熱融着膜では、抵抗素線521断線時の絶縁性確保の作用やアルミニウムコート基材3のアルミニウム薄膜のちぎれや剥がれを防止する効果は、得られる。しかしながら、カーボンを含まないポリオレフィン系の絶縁性熱融着膜では、遠赤外線放射による省エネルギーの効果は得られない。
本実施形態では、上述の漏電を防止するための絶縁性熱融着膜ではなく、アルミニウムコート基材3の表面に、カーボンを含む高抵抗ではあるが絶縁体ではない黒色熱融着層4を熱融着している。これは、黒色熱融着層4の遠赤外線放射機能による省エネルギー効果を得ることを重視したものである。
黒色熱融着層4を介した漏洩電流の値について検討する。黒色熱融着層4の縦方向の抵抗は高いので、DC12Vが接触した場合、場所にもよるが、漏洩電流は、1μA以下程度と見込まれる。漏洩電流について悪い場合の一例を検討する。DC12V電源に接続されたコード状発熱体5のプラス端子側に近い箇所で断線が発生し、断線した抵抗素線521の1本の線端が黒色熱融着層4に垂直に当接し、下地のアルミニウムコート基材3が電源のマイナス側に接触した場合を想定する。このとき、抵抗素線521の径を0.075mm、黒色熱融着層4の厚さを0.15mm、表面抵抗は、3×10Ω/cmとする。表面抵抗が高いので、漏洩電流は、横方向には広がらずにほぼ垂直方向に流れる。1本の細い抵抗素線521が当接する黒色熱融着層4の抵抗値は概ね750MΩ以上であり、漏洩電流は、0.02μA以下と見込まれる。3本の抵抗素線521が断線したとしても、漏洩電流は1μA未満となる。この値は、車両全体の漏洩電流に比べれば無視できる程度のものと考えられる。
黒色熱融着層4の原料である市販のカーボン・カラー・コンパウンドは、帯電防止や電磁波障害防止用として使われている。このコンパウンドをポリエチレン樹脂やEVA樹脂等で希釈しても、その帯電防止の機能は維持され、このコンパウンドを含む黒色熱融着層4は、帯電防止体として機能し得る。このように、カーボンを含まない絶縁性熱融着膜とは異なり、カーボンを含む黒色熱融着層4は、上述の遠赤外線放射機能に加えて、帯電防止機能も有する。
本実施形態に係る面状ヒータは、例えば、自動車のシートヒータに用いられ得る。上述の省エネルギー機能は、近年急速に普及している電気自動車におけるシートヒータにおいても重要である。消費電力を抑制することで、電気自動車の電池の消費を減らし、1回充電単位の走行距離を延ばすことができる。
また、特に電気自動車には、人工知能による自動運転等のため、従来にも増して各種の低電圧電源の電子デバイスが大量に搭載されている。自動車のシートには、シートの基盤と表皮カバーとそれらの間に配置されるシートヒータとに、ポリウレタンやポリエステル等の合成樹脂が使用されており、これらの摩擦により静電気が発生しやすい。静電気に係る高電圧の帯電状態やその高電圧の放電によるノイズは、電子デバイスに影響を与えるおそれがある。これに対して、本実施形態の面状ヒータ10に含まれる黒色熱融着層4の帯電防止機能は、電子デバイスに影響を与えるノイズの低減にも効果を発揮する。
また、上述のようなシートヒータは、自動車のシート用に限らず、他の乗物等のシートや各種施設等のシートにも用いられ得る。また、上述の面状ヒータは、例えば、電気カーペットや医療用健康マットなどの各種の面状採暖具などにも用いられ得る。
[接着型面状ヒータ]
第2の実施形態は、接着型の面状ヒータに関する。第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。図2Aは、本実施形態に係る面状ヒータ20の構成例の概略を示す模式的な平面図である。図2Bは、図2Aに示すIIB-IIB線に沿った面状ヒータ20の断面の概略を示す模式的な断面図である。
図2Bに示すように、第2の実施形態の面状ヒータ20は、第1の実施形態の面状ヒータ10のヒータ線保持用基材11と同様の構成を有するヒータ線保持用基材21を備える。ヒータ線保持用基材21の上には、コード状発熱体5が接着により固定されている。
第2の実施形態では、第1の実施形態の場合と同様のコード状発熱体5に、その外周を被覆するように熱融着層54が押出成形等で設けられている。熱融着層54の材質は、黒色熱融着層4に用いられているポリオレフィン系樹脂が好ましく、カーボンは含まれない。熱融着層54には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が用いられ得る。これらの中でも融点と熱融着性と価格との点から、特に低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが好ましい。熱融着層54は、黒色熱融着層4とコード状発熱体5との間の接着強度を確保しながら隙間を確保する必要があるため、その厚さは、比較的厚く、例えば概ね0.15mm~0.25mmが好ましい。
また、熱融着層54で被覆されたコード状発熱体5が配置される黒色熱融着層4の表面部分には、コード状発熱体5を被覆する熱融着層54と同様の熱融着層8が設けられてもよい。また、この熱融着層8は、熱融着の際にコード状発熱体5を被覆する熱融着層54によって形成されてもよい。
黒色熱融着層4と熱融着層54で覆われたコード状発熱体5とは、ホットプレスなどで熱融着固定される。このとき、ホットプレスの温度、圧力、時間が制御されて、コード状発熱体5と熱融着層54との間に微小な隙間が確保される。この隙間により、外的負荷による面状ヒータ20及びコード状発熱体5の変形を、熱融着層54内のコード状発熱体5の滑りにより吸収し、高い耐久性が実現される。
なお、コード状発熱体5として、上述の個別絶縁型コード状発熱体のように、撚りによる凹凸が表面に露出している形状では、上述のような熱融着層54との間の微小な隙間を均一に確保することが難しい。したがって、本実施形態では、図1Cに示したような、絶縁被覆層53で被覆されたコード状発熱体5が用いられることが好ましい。
第2の実施形態の接着型の面状ヒータ20も、第1の実施形態の縫合型の面状ヒータ10と同様に、安全性、即暖性、均熱性、省エネルギー性等に優れ、同様の効果が得られる。
[被覆型面状ヒータ]
第3の実施形態は、被覆型の面状ヒータに関する。第3の実施形態について、第2の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。図3Aは、本実施形態に係る面状ヒータ30の構成例の概略を示す模式的な平面図である。図3Bは、図3Aに示すIIIB-IIIB線に沿った面状ヒータ30の断面の概略を示す模式的な断面図である。
図3Bに示すように、第3の実施形態の面状ヒータ30は、第2の実施形態の接着型の面状ヒータ20のヒータ線保持用基材21と同様に、断熱基材1と接着剤層2とアルミニウムコート基材3とを有するヒータ線保持用基材31を備える。本実施形態のヒータ線保持用基材31では、アルミニウムコート基材3の表面に熱融着層7が設けられている。熱融着層7の厚さは、第2の実施形態の接着型の面状ヒータ20のヒータ線保持用基材21の黒色熱融着層4と同様である。一方で、熱融着層7の材質は、黒色熱融着層4と異なる。熱融着層7の材質は、第2の実施形態のコード状発熱体5を被覆している熱融着層54と同質のものである。熱融着層7は、アルミニウムコート基材3のアルミニウム薄膜の剥離を防ぐとともに、熱融着層54で被覆されたコード状発熱体5をアルミニウムコート基材3に熱融着する機能を有する。
また、第2の実施形態の接着型の面状ヒータ20の場合と同様に、熱融着層54で被覆されたコード状発熱体5が配置される熱融着層7の表面部分には、熱融着層54と同様の熱融着層8が設けられてもよい。
アルミニウムコート基材3と熱融着層7と熱融着層54で覆われたコード状発熱体5とは、ホットプレスなどで熱融着固定される。熱融着固定の際に、ホットプレスの温度、圧力、時間が制御されて、コード状発熱体5と熱融着層54との間に微小な隙間が確保される。この隙間により、外的負荷による面状ヒータ30及びコード状発熱体5の変形を、熱融着層54内のコード状発熱体5の滑りにより吸収し、高い耐久性が実現される。
本実施形態の面状ヒータ30では、ヒータ線保持用基材31とコード状発熱体5とが熱融着固定された上に、面状ヒータ30の全面を覆うように第1の実施形態及び第2の実施形態の場合と同様の黒色熱融着層4が設けられ、ホットプレスなどで黒色熱融着層4が熱融着固定され、被覆型の面状ヒータ30が形成される。
第3の実施形態の被覆型の面状ヒータ30も、第1の実施形態の縫合型の面状ヒータ10や第2の実施形態の接着型の面状ヒータ20と同様に、安全性、即暖性、均熱性、省エネルギー性に優れ、同様の効果が得られる。
上述の3つの実施形態に係る面状ヒータの実施例について説明する。
[試料]
〈共通部分〉
いずれの実施例においても、断熱基材1には、MVSS302の難燃規格適合の、密度約40Kg/m、硬度98N以上の半硬質ポリウレタンフォームを用いた。断熱基材1の厚さは、3.5mmとした。アルミニウムコート基材3には、アイロン台カバーとして市販されている片面がアルミニウム蒸着コートされた平織りの綿布を使用した。断熱基材1とアルミニウムコート基材3とを接着して接着剤層2となる接着剤には、クロロプレンゴム系溶剤形接着剤GS1Z(コニシ社製)を使用した。この接着剤を断熱基材1にスプレー塗布し風乾してから、その上にアルミニウムコート基材3を被せ、60℃、5分のホットプレスで接着剤を接着硬化させた。
黒色熱融着層4は次のとおりとした。黒色熱融着層4の主材には、市販のカラー・コンパウンドである商品名「パピオスタット PST5011」カラー・コンパウンド(東京インク社製)を使用した。このカラー・コンパウンドは、低密度ポリエチレンにカーボンブラックが分散したものである。このカラー・コンパウンドに対し、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)L1640(旭化成社製)と、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)NUC3830(エネオスNUC社製)、及び汎用の酸化防止剤と難燃剤とを表1に示す配合となるように添加した。これら混合物を混錬機でよく撹拌し、その後、短軸押出機からなる二軸延伸フィルム製造装置にて、厚さ0.15mmの黒色熱融着層4とした。ここで、配合1の表面抵抗の平均は、概ね10Ω/cmであり、配合2の表面抵抗の平均は、概ね10Ω/cmであった。
Figure 0007300236000001
コード状発熱体5は次のとおりとした。巻芯51には、全芳香族ポリエステル繊維、商品名「ベクトランHT」560dtex/100f(クラレ社製)を集束し、外径0.25mmとしたものを用いた。抵抗素線521には、φ0.075mmの銅錫3%合金線を用いた。3本の抵抗素線521を撚り、その表面をウレタンコートして被覆層522とし、撚り素線52を作製した。6本の撚り素線52を引き揃えて、上記巻芯51に1.815mmピッチで横巻きした。この上に絶縁被覆層53としてETFE樹脂を0.2mmの厚さで押出し被覆して、外径0.9mmのコード状発熱体5を作製した。後述の実施例1~5及び比較例1,2の全てにおいて、このコード状発熱体5の敷線長は5.75±0.06mであり、抵抗値は1.9±0.02Ωであった。
〈実施例1〉
実施例1として、図1Bに示した第1の実施形態に係る縫合型の面状ヒータ10を作製し、実験を行った。縫合型の面状ヒータ10を次のように作製した。
予め接着された断熱基材1とアルミニウムコート基材3との上に、表1の配合1に基づく黒色熱融着層4を配置した。これらの全体をホットプレスで押圧加熱してアルミニウムコート基材3と黒色熱融着層4とを熱融着した。加熱温度は180℃、加熱時間は20秒とした。これら一体化した面状体をヒータ線保持用基材11とした。ヒータ線保持用基材11の表面に、コード状発熱体5を、プログラム制御の自動敷線ミシンによって、予め規定されたパターンで敷線すると同時に、上糸6aと下糸6bとでジグザグ状に縫い付けた。以上のようにして実施例1の面状ヒータ10を作製した。
〈実施例2〉
実施例2として、図1Bに示した第1の実施形態に係る縫合型の面状ヒータ10を作製し、実験を行った。実施例2が実施例1と異なる点は、黒色熱融着層4の配合が、表1の配合1に代えて表1の配合2とした点のみである。
〈実施例3〉
実施例3として、図2Bに示した第2の実施形態に係る接着型の面状ヒータ20を作製し、実験を行った。接着型の面状ヒータ20を次のように作製した。
コード状発熱体5の表面に、汎用押出機を用いて熱融着層54を形成した。熱融着層54には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)L1640(旭化成社製)を用いた。熱融着層54の厚さは、0.2mmとした。熱融着層54は、コード状発熱体5との間にわずかな隙間を形成するように、チューブ状に押出成形した。
敷線には、敷線パターンに沿った位置にスプリング・ピンが埋め込まれた敷線台を用いた。敷線台のスプリング・ピンに上述の熱融着層54で被覆されたコード状発熱体5を引っ掛けて敷線した。その上に、実施例1のヒータ線保持用基材11と同様のヒータ線保持用基材21を黒色熱融着層4を下側にして配置し、全体をホットプレスで押圧加熱してコード状発熱体5の熱融着層54とヒータ線保持用基材21の黒色熱融着層4とを熱融着した。加熱温度は180℃、加熱時間は10秒とした。このようにして実施例3の面状ヒータ20を作製した。
〈実施例4〉
実施例4として、図2Bに示した第2の実施形態に係る接着型の面状ヒータ20を作製し、実験を行った。実施例4が実施例3と異なる点は、黒色熱融着層4の厚さを0.35mmとした点のみである。
〈実施例5〉
実施例5として、図3Bに示した第3の実施形態に係る被覆型の面状ヒータ30を作製し、実験を行った。被覆型の面状ヒータ30を次のように作製した。
予め接着された断熱基材1とアルミニウムコート基材3の上に、厚さ0.15mmの透明な低密度ポリエチレン・フィルムからなる熱融着層7を配置した。これらの全体をホットプレスで押圧加熱してアルミニウムコート基材3と熱融着層7とを熱融着した。加熱温度は180℃、加熱時間は20秒とした。これら一体化した面状体をヒータ線保持用基材31とした。
実施例3と同様に、熱融着層54で被覆されたコード状発熱体5を作製した。実施例3と同様に、敷線台のスプリング・ピンに熱融着層54で被覆されたコード状発熱体5を引っ掛けて敷線し、その上に、ヒータ線保持用基材31を熱融着層7を下側にして配置し、全体をホットプレスで押圧加熱してコード状発熱体5の熱融着層54とヒータ線保持用基材31の熱融着層7とを熱融着し、中間組品とした。加熱温度は180℃、加熱時間は10秒とした。
続いて、この中間組品の上に、全面にわたり黒色熱融着層4を被せ、全体をホットプレスで押圧加熱して、熱融着層7及びコード状発熱体5と黒色熱融着層4とを熱融着した。加熱温度は180℃、加熱時間は20秒とした。このようにして実施例5の面状ヒータ30を作製した。
〈比較例1〉
比較例1として、断熱基材1にコード状発熱体5を敷線すると同時に上糸6aと下糸6bとで縫合した面状ヒータを作製した。この面状ヒータは、第1の実施形態に係る縫合型の面状ヒータ10において、接着剤層2,アルミニウムコート基材3、黒色熱融着層4が無いものに相当する。比較例1は、シートヒータに用いられる面状ヒータの構造として従来から知られているものである。
〈比較例2〉
比較例2として、断熱基材1、接着剤層2及びアルミニウムコート基材3を有するヒータ線保持用基材に、コード状発熱体5を敷線すると同時に上糸6aと下糸6bとで縫合した面状ヒータを作製した。この面状ヒータは、第1の実施形態に係る縫合型の面状ヒータ10において、黒色熱融着層4が無いものに相当する。比較例2は、従来から知られている面状ヒータに、アルミニウムコート基材3を追加した構造を有するものである。
〈実施例と比較例の内容対比〉
上述の実施例1~5及び比較例1、2を構成する各要素と条件の組合せを表2に示す。
Figure 0007300236000002
[面状ヒータの特性の測定方法]
実施例1~5及び比較例1、2の各面状ヒータの試料を、自動車の断熱・弾性シートの上に配置し、シートの表皮は被せず、直接面状ヒータ表面の温度特性を測定した。測定は、室温25℃の無風環境で行った。測定には、中心部に熱電対が接着された50×50mm、厚さ1mmの銅の集熱板を用いた。この集熱板を、面状ヒータの中央部に置き、銅集熱板より大きめの断熱材を介して1Kgの重りで面状ヒータに密着させた。熱電対は、汎用の温度ロガーに接続し、1秒ごとの温度変化を記録した。
また、前記銅集熱板の中心部に接着された測定用熱電対の位置に相当する面状ヒータの表面に、温度制御用の熱電対を接着した。温度制御用熱電対の配置は、コード状発熱体5に接触しない位置とした。温度制御用熱電対を、温度制御器に接続した。なお、コード状発熱体5の抵抗は温度依存性があるので、試料ごとに、40℃の消費電力が82.1Wになるよう予め電力計を見ながら印加電圧(概ね12.5V)を微調整した。
〈立ち上がり時間〉
温度調節器を介さずに直接的に面状ヒータを直流電源に接続した。電源のスイッチをONにして温度上昇を温度ロガーで記録した。記録に基づいて、面状ヒータの表面温度が各々40℃、及び50℃に達するまでの時間を測定した。
〈オーバー・シュート温度〉
面状ヒータを、温度制御器を介して直流電源に接続した。温度制御器は、温度制御用熱電対で計測される温度が40℃となったときに、電力供給をOFFにするように設定した。電源のスイッチをONにして温度上昇を温度ロガーに記録した。記録に基づいて、40℃を超えた最初のオーバー・シュートの最高温度を測定し、40℃との差分をオーバー・シュート温度として決定した。
〈消費電力〉
面状ヒータを、ON-OFFタイプの温度制御器を介して直流電源に接続し、スイッチ
をONにして自動温度制御状態にして消費電力を測定した。このとき、温度制御器のOFF点設定温度を40℃、ON点設定温度を39.5℃とし、ヒステリシス幅0.5℃を設けた。消費電力は、積算電力計を用いて測定した。測定時間は、電源スイッチONの瞬間から30分間とした。積算電力の平均値を平均消費電力として決定した。
〈遠赤外線加熱〉
面状ヒータ単体を、25℃無風の空中に吊るし、温度制御器を介して直流電源に接続した。温度制御器の設定温度を40℃とし、自動温度制御状態にした。面状ヒータの表面から15cm離れた空中に、面状ヒータが隠れる大きさの黒色の布を張った。面状ヒータの中央部に相当する黒色布の表面の温度を、遠赤外線サーモグラフィーを用いて測定した。1分間隔で10分間測定し、その平均温度を遠赤外線加熱として決定した。
〈着座ストレス〉
自動車の断熱・弾性シートと表皮カバーとの間に面状ヒータを挟んで配置し、面状ヒータにDC13.5Vを印加して被試験体とした。人体模倣ロボットを用いて、乗車と着座のためのシートの回転・スライド、40Kgの荷重印加、上下振動20回の後、離座と降車のための逆動作を行い、これを1サイクルとした。このサイクルを1万回繰り返す寿命試験を行った。この試験後、アルミニウムコート基材3の破壊によって生じたアルミニウムの微小片が、黒色熱融着層4又はポリエチレンの熱融着層7から飛び出していないかを目視でチェックした。また、黒色熱融着層4の破壊によってカーボンを含む微小片が飛散していないかを目視でチェックした。
〈帯電防止〉
自動車の断熱・弾性シートと表皮カバーとの間に面状ヒータを挟んで配置し、面状ヒータに直流電源を接続し、しかしながら、スイッチOFFの非通電状態とした。表皮カバーの表面を約30cm四方にわたりポリエステルの布で強く10回擦った後に、直ちに静電気テスターを用いて、25mm離れた位置での帯電圧を測定した。
[面状ヒータの特性の測定結果]
上述の各種測定を行い、その結果を表3に示した。
Figure 0007300236000003
〈立ち上がり時間に関する評価〉
実施例1~5は、アルミニウムコート基材3を有する熱的に類似の構造であり、これらの間では、立ち上がり時間の差は僅かであった。アルミニウムコート基材3がなくヒータ線保持用基材が断熱基材1のみである比較例1と、40℃立ち上がり時間を比べると、実施例1~5は、2倍以上の即暖性を有していることが明らかになった。また、ヒータ線保持用基材が断熱基材1、接着剤層2及びアルミニウムコート基材3を有する比較例2でも、実施例1~5と同様の顕著な即暖性が認められた。このように、アルミニウムコート基材3が配置されていることは、即暖性に大きな効果を発揮することが確認できた。
50℃立ち上がり時間を実施例1~5と比較例1とで比較しても、実施例1~5で2倍近い即暖性が認められた。ただし、黒色熱融着層4が設けられていない比較例2、黒色熱融着層4の厚さが異なる実施例3及び実施例4を比較すると、黒色熱融着層4が比較的厚い実施例4では、即暖性がやや劣った。黒色熱融着層4は厚くしすぎない方がよいこと、例えば黒色熱融着層4は0.35mm未満が好ましいことが明らかになった。
ヒータ線保持用基材にアルミニウムコート基材3を設けることで、立ち上がり時間を早め、結果として、面状ヒータが省電力を実現できることが明らかになった。
〈オーバー・シュートに関する評価〉
熱的に類似する構造を有する実施例1~5では、オーバー・シュート温度の大きさに、それほどの差はなかった。実施例1~5と比較例1とのオーバー・シュート温度を比較すると、実施例1~5のオーバー・シュート温度は、比較例1のオーバー・シュート温度の1/2~1/4と小さかった。ヒータ線保持用基材がアルミニウムコート基材3を有する比較例2と比較例1とのオーバー・シュート温度を比較すると、比較例2のオーバー・シュート温度は、比較例1のオーバー・シュート温度の1/5と非常に小さかった。これらの結果から、オーバー・シュートの低減は、アルミニウムコート基材3の早い熱応答によることが明確になった。
黒色熱融着層4が設けられていない比較例2、黒色熱融着層4の厚さが異なる実施例3及び実施例4を比較すると、黒色熱融着層4が比較的厚い実施例4では、オーバー・シュート温度がやや大きかった。黒色熱融着層4は厚くしすぎない方がよいこと、例えば黒色熱融着層4は0.35mm未満が好ましいことが明らかになった。
ヒータ線保持用基材にアルミニウムコート基材3を設けることで、早い熱応答が得られ、結果として、面状ヒータが省電力を実現できることが明らかになった。
〈平均消費電力に関する評価〉
実施例1~5では、比較例1と比較して平均消費電力が低く抑えられた。特に、実施例1~3では、比較例1と比較して、15%以上の省電力を実現できた。実施例5の平均消費電力が、実施例1~3の平均消費電力よりもやや大きいのは、面状ヒータの最外層が黒色熱融着層4で覆われている構造のため、保温性がよく、熱応答がやや遅いことを示していると考えられる。このことは、アルミニウムコート基材3が露出している比較例2の平均消費電力が比較的低く、これは熱放散がよくて熱応答が早いという特徴を示していることからも理解できる。黒色熱融着層4の厚さが異なる実施例3と実施例4とを比較すると、黒色熱融着層4が比較的厚い実施例4では、平均消費電力がやや大きかった。黒色熱融着層4は厚くしすぎない方がよいこと、例えば黒色熱融着層4は0.35mm未満が好ましいことが明らかになった。実施形態に係る面状ヒータが省電力を実現できることが明らかになった。
〈遠赤外線放射に関する評価〉
黒色熱融着層4を有する面状ヒータに係る実施例1~5では、測定用黒色布の表面温度は、概ね3.5℃~5℃の温度上昇が認められた。この温度上昇は、遠赤外線放射による温度上昇を含む。これに対して黒色熱融着層4がない面状ヒータに係る比較例1、2では、測定用黒色布の表面温度の上昇は小さかった。黒色熱融着層4が比較的厚い実施例4、及び、黒色熱融着層4が最外層になっている実施例5において、実施例1~3と比較して、測定用黒色布の表面温度はやや高くなった。
なお、本実施例では、面状ヒータから15cm離れた位置での温度測定を行った。これに対して、面状ヒータがシートヒータとして用いられる場合には、面状ヒータと人体は密接状態になる。この場合、遠赤外線による人体の暖房感は、本実施例の場合より大きくなる。
黒色熱融着層4は、発熱エネルギーのうち人体加熱には不向きな熱線成分が少なく、人体加熱に有効な遠赤外線成分が多くなる特性を示した。実施形態に係る面状ヒータでは、遠赤外線放射による省エネルギー効果が得られることが明らかになった。
〈着座ストレスに関する評価〉
アルミニウムコート基材3の表面が黒色熱融着層4や熱融着層7により保護されていない比較例2では、アルミニウム薄膜の剥離が起こり、アルミニウムの微小片が飛散し、綿布の生地が露出している部分が数か所認められた。これに対し、実施例1~5では、アルミニウムコート基材3が黒色熱融着層4又は熱融着層7で被覆されているので、この被覆層を破ってアルミニウムの微小片が出現することはなかった。
また、実施例1~5では、試験後、黒色熱融着層4又は熱融着層7に皺は生じたが、黒色熱融着層4又は熱融着層7の破壊はなく、カーボンを含む微小片の飛散は認められなかった。
このように、アルミニウムコート基材3が黒色熱融着層4又は熱融着層7によって熱融着されて被覆されたものは、アルミニウムコート薄膜を十分に保護することが明らかになった。すなわち、実施形態に係る面状ヒータは、高い安全性を提供できることが確認できた。
〈帯電防止に関する評価〉
アルミニウムコート基材3及び黒色熱融着層4を有しない比較例1の面状ヒータにおいて測定された帯電圧は、比較的高かった。これに対して、実施例1~5の面状ヒータにおいて測定された帯電圧は、比較例1の1/2以下に抑えられた。すなわち、黒色熱融着層4が帯電防止体であることが明確になった。
実施例1~5の中でも、カーボン濃度が比較的高い実施例2では、帯電圧が低くなった。これは、実施例2に係る面状ヒータでは、帯電した静電気が、適度な抵抗値を有する黒色熱融着層4によって、早く消費されたためと考えられる。
実施例1~5の面状ヒータと黒色熱融着層4を有しない比較例2の面状ヒータとを比較すると、比較例2におけるアルミニウムコート基材3は、抵抗値が低く、電路としては優れている。しかしながら、比較例2の面状ヒータは、黒色熱融着層4を有していないため、静電気の抵抗による消費という点では、黒色熱融着層4を有する実施例1~5の面状ヒータに劣ることが明らかになった。
このように、黒色熱融着層4の高抵抗は、帯電防止体としての機能することが明確となった。黒色熱融着層4を有する面状ヒータは、黒色熱融着層4を有しない場合と比較して、静電気による各種ノイズを低減できることが明らかになった。
以上説明したように、実施形態に係る面状ヒータでは、アルミニウムコート基材3と黒色熱融着層4との組合せ構造により、次のような効果が得られる。すなわち、構造面では、実施形態の面状ヒータは、従来の信頼性が保証されているコード状発熱体5を使用することができる。また、性能面では、実施形態の面状ヒータは、昇温速度が速く、オーバー・シュートが小さく、遠赤外線放射による人体加熱に適した機能を有し、消費電力が小さく、着座ストレスに強く、帯電防止機能も有し、設計の自由度も高く、コストパフォーマンスの非常に優れ、省エネルギーである。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。

Claims (13)

  1. 断熱基材と、
    前記断熱基材に設けられた金属コート基材と、
    前記断熱基材よりも前記金属コート基材側に設けられたコード状発熱体と、
    前記コード状発熱体と隣り合って設けられた黒色熱融着層と
    を備え
    前記黒色熱融着層は、前記金属コート基材と前記コード状発熱体とを覆うように設けられている、
    面状ヒータ。
  2. 前記金属コート基材と前記コード状発熱体との間に設けられた第1熱融着層と、
    前記コード状発熱体の外周に設けられた第2熱融着層と
    をさらに備え、
    前記金属コート基材と前記第1熱融着層と前記第2熱融着層が設けられた前記コード状発熱体と前記黒色熱融着層とが熱融着によって固定されている、
    請求項に記載の面状ヒータ。
  3. 断熱基材と、
    前記断熱基材に設けられた金属コート基材と、
    前記断熱基材よりも前記金属コート基材側に設けられたコード状発熱体と、
    前記コード状発熱体と隣り合って設けられた黒色熱融着層と
    を備え
    前記黒色熱融着層は、カーボン粒子とポリオレフィン樹脂とポリオレフィン系共重合体とを含む、
    面状ヒータ。
  4. 前記ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレンであり、前記ポリオレフィン系共重合体は、エチレン酢酸ビニルコポリマーである、請求項3に記載の面状ヒータ。
  5. 前記黒色熱融着層は、前記金属コート基材と前記コード状発熱体との間に設けられている、請求項に記載の面状ヒータ。
  6. 前記黒色熱融着層は、前記金属コート基材に熱融着されており、
    前記黒色熱融着層の上に配置された前記コード状発熱体が、前記断熱基材、前記金属コート基材及び前記黒色熱融着層を含むヒータ線保持用基材に縫い付けられている、
    請求項に記載の面状ヒータ。
  7. 前記コード状発熱体の外周に設けられた熱融着層をさらに備え、
    前記金属コート基材と前記黒色熱融着層と前記熱融着層が設けられた前記コード状発熱体とが熱融着によって固定されている、
    請求項に記載の面状ヒータ。
  8. 前記黒色熱融着層は、厚さが0.05mm~0.35mmであり、表面抵抗が10Ω/cm~1010Ω/cmである、請求項1乃至7の何れかに記載の面状ヒータ。
  9. 前記黒色熱融着層は、帯電防止体である、請求項1乃至の何れかに記載の面状ヒータ。
  10. 前記金属コート基材は、表面アルミニウムが堆積した織布若しくは不織布、又は、アルミニウムが堆積した長繊維で形成された織布である、請求項1乃至の何れかに記載の面状ヒータ。
  11. 前記表面に堆積したアルミニウムの厚さは、5μm~50μmである、請求項10に記載の面状ヒータ。
  12. 前記断熱基材及び前記金属コート基材は、表面金属が堆積した不織布によって一体として形成されている、請求項1乃至の何れかに記載の面状ヒータ。
  13. 請求項1乃至の何れかに記載の面状ヒータを備えるシートヒータ。
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