JP2003332030A - カーシートヒーター - Google Patents

カーシートヒーター

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JP2003332030A
JP2003332030A JP2002138157A JP2002138157A JP2003332030A JP 2003332030 A JP2003332030 A JP 2003332030A JP 2002138157 A JP2002138157 A JP 2002138157A JP 2002138157 A JP2002138157 A JP 2002138157A JP 2003332030 A JP2003332030 A JP 2003332030A
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JP
Japan
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heating element
car seat
seat heater
electrode
resistor
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Application number
JP2002138157A
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English (en)
Inventor
Keiko Yasui
圭子 安井
Takahito Ishii
隆仁 石井
Masayuki Terakado
誠之 寺門
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は自己温度制御機能を有する面状発熱
体を用いたカーシートヒーターに関するものであり、立
上がりの速熱感を得ると共に消費電力を低減することを
目的としている。 【解決手段】 クッション部およびバック部に発熱体
(3,6)を分離形成し個々の発熱体の発熱量を変化さ
せることで、暖かさを感じやすい部位を集中して暖める
ことで速熱感を得ると共に、消費電力が低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己温度制御機能
を有する面状発熱体を用いたカーシートヒーターに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のカーシートヒーターを図9に示
す。従来のカーシートヒーターは図9に示すように、不
職布等の基材100上にチュービングヒータ101を蛇
行配置しミシン縫いあるいは接着によって固定してい
る。102は温度制御用のサーモスタットであり、10
3は給電用のリード線を束ねたハーネスである。図10
はカーシートヒーター104のシート装着状態を示して
おり、シート表布105の裏側に設けたウレタンフォー
ムからなるワディング106と、シート形状に成型され
たウレタンフォームからなるシートパッド107との間
にシートヒーター104が装着されている。自動車の座
席は着座快適性を重視しているため、チュービングヒー
ター104を用いた場合、ヒーターによる凸部が着座快
適性を損なうため、ワディング106を厚くしてヒータ
ーによる凸部を感じさせないように構成されていた。
【0003】発熱量としては、車内温度が低く、シート
も冷えた状態の立ち上がり時には発熱量を与え、車内お
よびシートが温まってきたときには、サーモスタット1
02により温度を制御し印加電圧をON/OFFするこ
とで発熱量が小さくなるよう調整している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、地球環境保護の
観点から電気製品等の消費電力を低減する努力が行われ
ており、自動車においてもバッテリー電力の省エネルギ
ーは不可欠になってきている。しかしながら、従来のシ
ートヒーターでは着座快適性のためにワディング106
を薄くすることができず、シートを暖めるための消費電
力が増大してしまうという課題があった。
【0005】また、ワディング106を薄くして消費電
力を低減させる目的で、発熱体として自己温度制御機能
を有する面状発熱体を用いる方法もある。面状発熱体
は、基材上に、電極として銀あるいは銅などの金属粉末
からなる導電材料を塗布し、さらに電極と電気的に接続
するように発熱体を塗布している。発熱体としては、結
晶性高分子からなるベースポリマーと、カーボンブラッ
ク、金属粉末、グラファイトなどの導電性微粉末を溶剤
に分散させてなるものなどが用いられ、特開昭56−1
3689、特開平6−96843、特開平8−1201
82などが提案されている。電極に電圧を印加すること
で、電流が流れ発熱体が発熱する。発熱体は、結晶性高
分子の体積膨張により、ある所定の温度に達すると抵抗
値が急激に増大する正温度特性(以下PTC)を有する
ため、所定温度に達すると発熱体の発熱量が小さくなり
温度上昇が抑えられる自己温度制御機能を有している。
【0006】面状発熱体は全面を均一に発熱させること
で、ヒーターの発熱温度を下げるとともに、表面の凸凹
がないためワディング106を薄くすることができ消費
電力を低減することができる。
【0007】しかし、被加熱物である人体を考えた場
合、人体の部位によって皮下脂肪の厚み、感覚神経の
数、表面皮膚温度、血管の集まり具合などが異なり、暖
かさの感じ方も異なってくるため、シート全体を均一に
発熱させた場合、熱く感じる部位やもの足りなく感じる
部位が生じる可能性があった。また、立ち上がり時にお
いてはシート全体を均一に発熱させなくても暖かさを感
じやすい部位を集中して暖めることで十分な温かさを得
ることができ、速熱感を得ることが出来るとともにさら
なる消費電力の低減が可能である。しかしながら、従来
のカーシートヒーターは全面を均一に加熱するものが多
く、部位によって発熱量を変化させるものはなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のカーシートヒー
ターは上記課題を解決するために、クッションに分割し
て設けた複数のクッション部発熱体と、背もたれに分割
して設けた複数のバック部発熱体からなり、複数のクッ
ション部発熱体および複数のバック部発熱体の個々の発
熱体の発熱量を変化させることで、暖かさを感じやすい
部位を集中して暖めることで十分な温かさを得ることが
でき、消費電力の低減ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、クッショ
ンに分割して設けた複数のクッション部発熱体と、背も
たれに分割して設けた複数のバック部発熱体からなり、
発熱体の発熱量を変化させることで、人体の暖かさを感
じやすい部位を集中して暖めることができ、少ない電力
で十分な温かさを得ることができ、消費電力の低減がで
きる。
【0010】請求項2記載の発明は、発熱体は柔軟性を
有する基材上に設けた結晶性樹脂と導電体からなる抵抗
体と抵抗体と電気的に接続された電極からなる自己温度
制御機能を有するPTC発熱体とすることで、表布の直
下にシートヒーターを配置することができるためさらに
消費電力を低減することができる。
【0011】請求項3記載の発明は、発熱体は柔軟性を
有する基材に含浸形成した電極と、前記電極と接続され
前記基材上に設けた結晶性樹脂と導電体を含んだ抵抗体
とからなる自己温度制御機能を有するPTC発熱体とす
ることで、電極は基材に含浸形成しているため、折れ曲
がりや屈曲に対する信頼性を高めることができる。
【0012】請求項4記載の発明は、発熱体は柔軟性を
有する基材に含浸形成した電極と、保護層に形成した抵
抗体を積層接着することで、抵抗体の基材への含浸がな
く抵抗温度特性の良い発熱体を得ることができるととも
に印刷塗布工程において抵抗体の塗布ばらつきがなくな
り、抵抗値の管理および発熱量の調整が容易になる。
【0013】請求項5記載の発明は、複数の発熱体は抵
抗体の厚みにより抵抗値を変化させることで、同一の自
己温度制御特性を有する発熱体を使用して同じ電圧を印
加した場合でも、抵抗体の厚みにより電極間抵抗値が異
なるため、発熱量を変化させることが出来る。
【0014】請求項6記載の発明は、PTC発熱体の電
極は主電極と前記主電極と抵抗体とに電気的に接続され
枝状に配置された枝電極で構成し、枝電極の電極間距離
の違いにより抵抗値を変化させることで、同一の自己温
度制御特性を有する抵抗体を使用して同じ電圧を印加し
た場合でも、電極間抵抗値が異なるため、発熱量を変化
させることが出来るとともに、PTC発熱体は枝電極に
より細分化されているため、発熱量も細分化して調整す
ることが出来る。
【0015】請求項7記載の発明は、異なる自己温度制
御特性を有する発熱体を用いているため、抵抗値が急激
に増大する温度や変化率を変化させることができ、発熱
量を調整することができる。
【0016】請求項8記載の発明は結晶性樹脂をエチレ
ン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを単
独、又は組み合わせて用いるため、種々の温度での抵抗
変化率の大きい異なる抵抗温度特性を有する発熱体を提
供できる。
【0017】請求項9記載の発明は、導電体として、低
ストラクチャーカーボンブラックと高ストラクチャーカ
ーボンブラックとを組み合わせて用いこの構成により、
同一結晶性樹脂を用いた発熱体であっても、温度に対す
る抵抗の変化率を調節可能な発熱体を提供できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0019】(実施例1)本発明の第1の実施例につい
て説明する。図1は本実施例1のカーシートヒーターの
シート装着断面図である。図2は実施例1のクッション
部発熱体の外観図である。
【0020】図1はカーシートヒータのシート装着状態
を示しており、シート表布2と、シート形状に成型され
たウレタンフォームからなるシートメインパッド1との
間にクッション部発熱体3が装着されている。同様にバ
ックメインパッド4とバック表皮5の間にバック部発熱
体6が装着されている。
【0021】クッション部発熱体3は不織布等の基材7
上に第1のクッション部発熱体8と第2のクッション部
発熱体9を分割形成し、第1の接続部10、第2の接続
部11を介して給電用のリード線12と接続されてお
り、13は給電用のリード線を束ねたハーネスである。
【0022】発熱体は基材上に、銀、銅、カーボン等の
導電性粉末を含む導電性ペーストを塗布して電極を形成
し、次にポリオレフィン系樹脂あるいは酢酸ビニル系樹
脂などの結晶性樹脂と導電体とバインダーとを含んだ自
己温度制御機能を有する抵抗体を電極と電気的に接続す
るように塗布している。発熱体は、導電体を分散した結
晶性樹脂の塊の周囲をバインダーが囲んだ構成となって
おり、バインダーにより導電体を分散した結晶性樹脂の
塊の間を物理的に結合している。
【0023】なお、バインダーとしてイソプロピレン系
ゴム、ブタジエン系ゴム、ニトリルゴム、エチレンプロ
ピレンゴムなどの合成ゴムあるいは熱可塑性エラストマ
ーなど弾性材料の1種もしくは2種以上の混合物を用い
ることができる。
【0024】上記構成において、着座時に臀部が接触す
る後ろ側の第1のクッション部発熱体8と腿部が接触す
る前側の第2のクッション部発熱体9に通電する電圧を
変化させ、発熱体の発熱量を調整している。同様にバッ
ク部においても、腰部が接触するバック部発熱体下側の
第1のバック部発熱体(図示せず)と背中が接触する上
側の第2のバック部発熱体(図示せず)に通電する電圧
を変化させ、発熱体の発熱量を調整している。
【0025】図3に各発熱体の発熱量の時間変化を示
す。
【0026】立ち上がり時の各発熱体の発熱量として
は、被加熱物である人体を考えた場合、血管の集まる脊
髄付近の腰部がもっとも暖かさを感じやすいため、腰部
が接触するバック部発熱体下側の第1のバック部発熱体
の発熱量を高く設定するとともに、着座時の接触面積が
大きく、普段着衣によって防寒されているため寒さに対
する耐寒性の弱い臀部が接触する後ろ側の第1のクッシ
ョン部発熱体の発熱量を高く設定することで、全体の発
熱量としては少なくても十分な暖かさを速やかに感じる
ことが出来る。
【0027】また、発熱体としてPTC発熱体を用いる
ことで、所定温度に達すると発熱体の発熱量が小さくな
り温度上昇が抑えられる自己温度制御機能を有するた
め、サーモスタットや入力切替などの温度制御手段が不
要になるとともに、発熱量の減衰が緩やかで快適な温度
制御を行うことが出来る。
【0028】(実施例2)本発明第2の実施例について
説明する。
【0029】図4は本発明第2の発熱体の断面図であ
る。図4において、繊維もしくは不織布からなる基材1
4上に、銀、銅、カーボン等の導電性粉末を含む導電性
ペーストを含浸塗布して電極15a、15bを形成し、
次にポリオレフィン系樹脂あるいは酢酸ビニル系樹脂な
どの結晶性樹脂17と導電体18とバインダー19とを
含んだ自己温度制御機能を有する抵抗体16を電極と接
続するように印刷塗布している。
【0030】抵抗体16は、図5示すように導電体18
を分散した結晶性樹脂17の塊の周囲を導電体18とバ
インダー19が囲んだ構成となっており、バインダー1
9により導電体18を分散した結晶性樹脂17の塊の間
を物理的に結合している。電極15a、15bを基材1
4に含浸形成しているため、折れ曲がりや屈曲に対する
信頼性を高めることができる。
【0031】(実施例3)本発明の第3の実施例につい
て説明する。
【0032】図6は本実施例3の発熱体の断面図であ
る。図6において、繊維もしくは不織布からなる基材1
4上に、銀、銅、カーボン等の導電性粉末を含む導電性
ペーストを含浸塗布して電極15a、15bを形成し、
次に電気絶縁機能を有する保護層20に抵抗体16を印
刷塗布している。そして、基材14と保護層20を電極
15a、15bと抵抗体16が電気的に接続するように
積層している。
【0033】抵抗体16を保護層20に印刷塗布するこ
とで、布や不職布などの柔軟性を有する基材を用いて
も、抵抗体16が基材14に含浸せず結晶高分子の膨張
が阻害されないため、抵抗温度特性の良い柔軟性を有す
る面状発熱体を得ることができる。また。印刷塗布工程
において発熱体の塗布ばらつきがなくなり不均一発熱分
布のない面状発熱体を得ることができる。
【0034】また、保護層20としてはポリエステル系
樹脂、ポリウレタン系樹脂の少なくとも1つからなる薄
膜とすることで、発熱体の抵抗温度特性を阻害せず柔軟
性を有する面状発熱体を得ることができ、外気雰囲気か
ら発熱体や電極を遮蔽するとともに外部との接触による
損傷を防ぐことができる。
【0035】具体的には、不職布からなる基材上に、銀
紛末とニトリルゴムとフッ素樹脂紛体を混合した導電性
ペーストをスクリーン印刷により塗布乾燥させ電極15
a、15bを形成し、さらにポリエステル樹脂からなる
保護層20にエチレン酢酸ビニル共重合体とカーボンブ
ラックとニトリルゴムとフッ素樹脂粉体とを含んだ抵抗
体16のペーストを印刷塗布する。その後基材14と保
護層20を電極15a、15bと抵抗体16が電気的に
接続するように積層接着させ面状発熱体を作製した。
【0036】こうして得た面状発熱体の、20℃の抵抗
値(R20)は25Ω(面積抵抗値3kΩ/□)、20
℃の抵抗値に対する50℃の抵抗値の比(R50/R2
0)は3で布基材を用いたことによる抵抗温度特性の低
下は認められなかった。
【0037】こうして得た発熱体を車のシート表皮下に
装着し、人の膝頭を想定した半円球を50mmストロー
クで繰り返し荷重を与える耐久試験において10万回繰
り返し後も発熱体および電極に割れや剥れの発生がない
ことを確認した。
【0038】なお、複数の発熱体は抵抗体の厚みにより
抵抗値を変化させることで、同一の自己温度制御特性を
有する発熱体を使用して同じ電圧を印加した場合でも、
抵抗体の厚みにより電極間抵抗値が異なるため、発熱量
を変化させることが出来る。
【0039】(実施例4)次に本発明第4の実施例を示
す。図7は本実施例の発熱体の構成図である。本実施例
においてクッション部発熱体3は不織布等の基材7上に
第1のクッション部発熱体8と第2のクッション部発熱
体9を分割形成し、主電極22aおよび22Bは接続部
21を介して給電用のリード線12と接続されている。
13は給電用のリード線を束ねたハーネスである。第1
のクッション部発熱体8の枝電極23は主電極22aお
よび22bと接続されており、抵抗体16は枝電極23
と接続するように印刷形成されている。同様に第2のク
ッション部発熱体9には枝電極24と抵抗体16が印刷
塗布されている。そして、第1のクッション部発熱体8
と第2のクッション部発熱体9は、主電極22aおよび
22bを介して接続されている。
【0040】上記構成において、第1のクッション部発
熱体8に設けた枝電極23と第2のクッション部発熱体
9に設けた枝電極24の電極間隔を異ならすことで、抵
抗体16の抵抗値を変化させることができ、同一の自己
温度制御特性を有する抵抗体を使用して同じ電圧を印加
した場合でも、発熱量を変化させることが出来る。ま
た、枝電極の間隔を個々に調整することで、PTC発熱
体を枝電極により細分化することが出来、発熱量も細分
化して調整することが出来る。
【0041】(実施例5)次に本発明第5の実施例を示
す。本実施例においてクッション部およびバック部に分
割して設けた各発熱体ごとに異なる自己温度制御機能を
有する抵抗体を用いている。異なる発熱体を用いた場合
の各発熱体の発熱量の時間変化を図8に示す。
【0042】第1のバック部発熱体と第1のクッション
部発熱体には20℃の抵抗値に対する50℃の抵抗値の
比(R50/R20)は2.8の抵抗体を用い。第2の
クッション部発熱体および第2のバック部発熱体には
2.2の抵抗体を用いた。さらに第2のバック部発熱体
は発熱量を下げるために枝電極間隔もしくは抵抗体の厚
み調整で50℃の抵抗値が高くなるように調整した。
【0043】上記抵抗体を用いることで、立ち上がり時
の各発熱体の発熱量としては、速熱感を得るために腰部
が接触するバック部発熱体下側の第1のバック部発熱体
の発熱量と第1のクッション部発熱体の発熱量が多く、
車内およびシートが温まってきたときには発熱量が均一
になる。また、接触面積が小さい第2のバック部発熱体
の発熱量は他の発熱部よりも低めに設定されている。こ
のように全体の発熱量としては少なくても人体の暖かさ
を感じやすい部位を集中して暖めることができ、少ない
電力で十分な速熱感や温かさを得ることができ、消費電
力の低減ができる。
【0044】(実施例6)次に本発明第6の実施例を示
す。本実施例において、結晶性樹脂はエチレン酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物、低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを単独、又は組
み合わせて用いている。
【0045】すなわち、エチレン酢酸ビニル共重合体を
用いた場合には約60℃から90℃、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体鹸化物の場合には約90℃から100℃、低
密度ポリエチレンの場合には約90℃から110℃、高
密度ポリエチレンの場合には約110℃から120℃の
急峻な温度に対する抵抗上昇域(PTC特性)を有し、
60℃から120℃までの種々の温度域で、抵抗変化率
の大きい良好なPTC特性を有する面状発熱体を得るこ
とができる。なお、前述した温度は保温負荷時の発熱温
度に相当するもので、無負荷時の発熱温度はそれよりも
約20〜30℃低い(室温20℃)。
【0046】(実施例7)次に本発明第7の実施例を示
す。本実施例において、導電体は、低ストラクチャーカ
ーボンブラックと高ストラクチャーカーボンブラックと
を組み合わせて用いている。この構成により、同一結晶
性樹脂を用いたPTC発熱体であっても種々の勾配のP
TC特性、すなわち、温度に対する抵抗の変化率を調節
可能な変えたPTC発熱体を提供できる。
【0047】具体的には、導電体として、ダイアブラッ
クG(三菱化学(株)製、粒子径80nm、DBP吸油
量85ml/100g)等の低ストラクチャーカーボン
ブラックと、MA600(三菱化学(株)製、粒子径2
0nm、DBP吸油量120ml/100g)等の高ス
トラクチャーカーボンブラックとを用いたPTC発熱体
とした。ここで、低ストラクチャーカーボンブラックと
は、粒子径が約50以上で比較的大きく、DBP吸油量
が約50から100の間のもので、高ストラクチャーカ
ーボンブラックとは、粒子径が50nm以下で、DBP
吸油量が約100以上のものを意味する。
【0048】この構成により、低ストラクチャーカーボ
ンブラックは大きい抵抗温度特性、すなわち、所定の温
度(用いた結晶性樹脂の融点近傍)での抵抗の急峻な立
ち上がりの度合いが大きい特性を有するのに対して、高
ストラクチャーカーボンは低い抵抗温度特性を有し、一
方、抵抗の安定性(温度履歴繰り返しによる抵抗値の安
定性)は高ストラクチャーカーボンブラックの方が低ス
トラクチャーカーボンブラックより大きいという知見を
もとに、この両者のカーボンを、用いる結晶性樹脂に応
じて任意の割合で組み合わせて用いることで、所定の抵
抗温度特性を有し、かつ抵抗安定に優れたPTC発熱体
を提供できる。
【0049】なお、上記実施例においては、2種類のカ
ーボンブラックについて述べたが、これに限定するもの
でないことは言うまでもない。低ストラクチャーカーボ
ンブラックとして、#5(三菱化学(株)製、粒子径7
6nm,DBP吸油量70ml/100g)、高ストラ
クチャーカーボンブラックとしては、MA600(三菱
化学(株)製、粒子径20nm,DBP吸油量120m
l/100g)、PrintexL(デグサ社製、粒子
径23nm,DBP吸油量115ml/100g)等を
用いても良い。
【0050】
【発明の効果】以上より本発明は、少ない電力で十分な
温かさを得ることができ、消費電力の低減ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1のカーシートヒーターのシート装着
断面図
【図2】実施例1のクッション部発熱体の外観図
【図3】各発熱体の発熱量の時間変化を示す図
【図4】本発明第2の発熱体の断面図
【図5】同抵抗体の概念図
【図6】本実施例3の発熱体の断面図
【図7】本実施例4の発熱体の構成図
【図8】異なる発熱体を用いた場合の各発熱体の発熱量
の時間変化を示す図
【図9】従来のカーシートヒーターの構成図
【図10】従来のカーシートヒーターのシート装着状態
を示す図
【符号の説明】
1 シートメインパット 2 シート表皮 3 クッション発熱体 4 バックメインパット 5 バック表皮 6 バック発熱体 7 基材 8 第1のクッション発熱体 9 第2のクッション発熱体 10 第1の接続部 11 第2の接続部 12 リード線 13 ハーネス 16 抵抗体 20 保護層 22a 22b 主電極 23 枝電極 24 枝電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/14 H05B 3/14 F // B60H 1/34 651 B60H 1/34 651A (72)発明者 寺門 誠之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K034 AA07 BB10 BB16 BC12 CA14 CA22 GA04 HA04 JA09 3K058 AA02 AA81 AA88 BA01 CE05 CE23 CE26 3K092 PP15 QA05 QB21 RF02 RF13 RF22 VV16 VV21 VV25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クッションに分割して設けた複数のクッ
    ション部発熱体と、背もたれに分割して設けたバック部
    発熱体からなり、前記複数のクッション部発熱体および
    前記バック部発熱体の個々の発熱体の発熱量を変化させ
    たことを特徴としたカーシートヒーター。
  2. 【請求項2】 発熱体は柔軟性を有する基材上に設けた
    結晶性樹脂と導電体を含んだ抵抗体と前記抵抗体と電気
    的に接続された電極からなる自己温度制御機能を有する
    PTC発熱体とする請求項1記載のカーシートヒータ
    ー。
  3. 【請求項3】 発熱体は柔軟性を有する基材に含浸形成
    した電極と、前記電極と接続され前記基材上に設けた結
    晶性樹脂と導電体を含んだ抵抗体とからなる自己温度制
    御機能を有するPTC発熱体とする請求項1記載のカー
    シートヒーター。
  4. 【請求項4】 発熱体は柔軟性を有する基材に含浸形成
    した電極と、電気絶縁機能を有する保護層に塗布形成し
    た結晶性樹脂と導電体を含んだ抵抗体からなり、前記基
    材と前記保護層を積層接着することで前記電極と前記抵
    抗体とを電気的に接続する自己温度制御機能を有するP
    TC発熱体とする請求項1記載のカーシートヒーター。
  5. 【請求項5】 複数の発熱体は抵抗体の厚みにより抵抗
    値を変化させた請求項1から4のいずれか1項記載のカ
    ーシートヒーター。
  6. 【請求項6】 PTC発熱体の電極は主電極と前記主電
    極と抵抗体とに電気的に接続され枝状に配置された枝電
    極で構成され、枝電極の電極間距離の違いにより抵抗値
    を変化させた請求項1から5のいづれか1項記載のカー
    シートヒーター。
  7. 【請求項7】 異なる自己温度制御特性を有する発熱体
    を用いた請求項2から6のいずれか1項記載のカーシー
    トヒーター。
  8. 【請求項8】 PTC発熱体は結晶性樹脂は、エチレン
    酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン
    化物、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを単
    独、又は組み合わせて用いる請求項2から7のいずれか
    1項記載のカーシートヒーター。
  9. 【請求項9】 PTC発熱体の導電体は、低ストラクチ
    ャーカーボンブラックと高ストラクチャーカーボンブラ
    ックとを組み合わせて用いる請求項2から8のいずれか
    1項記載のカーシートヒーター。
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