JP7298543B2 - フィルタおよびマルチプレクサ - Google Patents

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Description

本発明はフィルタおよびマルチプレクサに関する。
従来、圧電基板上に設けられ、第1並列腕共振子と第2並列腕共振子とを含むラダー型フィルタと縦結合共振子型フィルタとが直列接続された帯域通過型フィルタが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1のフィルタは、第1並列腕共振子に接続された第1グランド端子と第2並列腕共振子に接続された第2グランド端子と縦結合共振子型フィルタに接続された第3グランド端子を有している。
第1グランド端子と第2グランド端子とは圧電基板上において互いに接続されておらず、第2グランド端子と第3グランド端子とは圧電基板上において互いに接続されている。言い換えれば、圧電基板上において、第1グランド端子と第2グランド端子とは独立し、第2グランド端子と第3グランド端子とは共通化されている。
特許文献1のフィルタによれば、第1グランド端子と第2グランド端子とを独立させたことで、寄生インダクタンスの影響が低減されるので、通過帯域の低域端における減衰特性を急峻にできる。また、第2グランド端子と第3グランド端子とを共通化したことで、縦結合共振子型フィルタのグランド電位が安定化するので、通過帯域外の減衰量(例えば、他のフィルタとともにマルチプレクサを構成する場合のアイソレーション)を大きくできる。
特開2017-85262号公報
しかしながら、従来のフィルタでは通過帯域外の減衰量が十分でない場合がある。
そこで、本発明は、ラダー型フィルタと縦結合共振子型フィルタとが直列接続された帯域通過型フィルタであって、通過帯域外の減衰量に優れたフィルタを提供する。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るフィルタは、第1並列腕共振子および第2並列腕共振子を含むラダー型フィルタと、前記ラダー型フィルタの前記第2並列腕共振子が接続されたノードに接続された縦結合共振子型フィルタと、前記第1並列腕共振子に接続された第1グランド端子と、前記第1グランド端子と独立して設けられ、前記第2並列腕共振子に接続された第2グランド端子および前記縦結合共振子型フィルタに接続された第3グランド端子と、前記第2並列腕共振子と前記第2グランド端子とを結ぶ第1信号経路上の第1ノードと前記縦結合共振子型フィルタと第3グランド端子とを結ぶ第2信号経路上の第2ノードとに接続された第3信号経路と、前記第1信号経路上の前記第1ノードと前記第2グランド端子との間に接続された第1インダクタ、あるいは前記第2信号経路上の前記第2ノードと前記第3グランド端子との間に接続された第2インダクタのうち少なくとも一方のインダクタと、を備え、前記一方のインダクタは、蛇行部を有する配線で構成される
また、本発明の一態様に係るマルチプレクサは、一端同士が互いに接続された第1フィルタと第2フィルタとを備え、前記第1フィルタは上記のフィルタであり、前記第1フィルタの通過帯域の中心周波数は、前記第2フィルタの通過帯域の中心周波数より高い。
上記のフィルタによれば、第1グランド端子が第2グランド端子および第3グランド端子から独立して設けられるので、従来のフィルタと同様、通過帯域の低域端における減衰特性を急峻にできる。
また、第2並列腕共振子と縦結合共振子型フィルタとが、グランド側において、インダクタを介して互いに接続される。ここで、インダクタは、第1ノードと第2ノードとを結ぶ信号経路が有するインダクタンス成分の等価的な表現であり、実質的に無視できる程度に小さくてもよい。
これにより、第2並列腕共振子と縦結合共振子型フィルタとを合わせた合成容量と第2インダクタとによる直列共振が生じる。当該直列共振で発生する減衰極は、第2インダクタを設けない場合と比べて、低周波側にシフトする。その結果、通過帯域外の低周波側にある目的の周波数帯域における減衰が効果的に改善される。
第2並列腕共振子と縦結合共振子型フィルタとに共通して第2インダクタを接続するので、第2並列腕共振子および縦結合共振子型フィルタに個別のインダクタを接続する場合と比べて、装置の小型化が可能になる。
また、第2インダクタを第1ノードと第2グランド端子との間に接続するので、第2インダクタを第2ノードと第3グランド端子との間に接続する場合と比べて、縦結合共振子型フィルタのグランド電位が不安定になりにくい。その結果、目的の周波数帯域における減衰が安定的に改善される。
上記のフィルタによれば、通過帯域の低域端における急峻な減衰特性とともに、通過帯域外の低周波側にある目的の周波数帯域における減衰が改善される。そのため、上記のフィルタと、通過帯域の中心周波数がより低い他のフィルタと、を組み合わせてマルチプレクサを構成することで、帯域間のアイソレーションに優れたマルチプレクサが得られる。
図1は、実施の形態に係るマルチプレクサの構成の一例を示す回路図である。 図2は、IDT(InterDigital Transducer)電極の構造の一例を模式的に示す平面図および断面図である。 図3は、実施の形態に係るマルチプレクサの圧電基板上での電極配置の一例を模式的に示す平面図である。 図4は、比較例1に係るマルチプレクサの圧電基板上での電極配置の一例を模式的に示す平面図である。 図5は、比較例2に係るマルチプレクサの構成の一例を示す回路図である。 図6は、比較例2に係るマルチプレクサの圧電基板上での電極配置の一例を模式的に示す平面図である。 図7は、比較例3に係るマルチプレクサの構成の一例を示す回路図である。 図8は、比較例3に係るマルチプレクサの圧電基板上での電極配置の一例を模式的に示す平面図である。 図9は、変形例に係るマルチプレクサの圧電基板上での電極配置の一例を模式的に示す平面図である。 図10は、マルチプレクサの端子Tx、Rx間のアイソレーション特性の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、実施の形態および図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。なお、以下の実施の形態において、「接続される」とは、配線導体で直接接続される場合だけでなく、他の回路素子を介して電気的に接続される場合も含まれる。
実施の形態に係るマルチプレクサについて、送信フィルタと受信フィルタとを備えるデュプレクサの例を挙げて説明する。
図1は、実施の形態に係るマルチプレクサ1の構成の一例を示す回路図である。図1に示されるように、マルチプレクサ1は、端子Ant、Tx、Rx、受信フィルタ10および送信フィルタ20を備える。端子Antは、アンテナ素子30に接続される。
受信フィルタ10は、所定の受信周波数帯域を通過帯域とするフィルタ回路であり、端子Antと端子Rxとに接続される。受信フィルタ10の一端および他端はそれぞれ端子AntおよびRxに直接接続されてもよく、図示しない他の回路素子を介して接続されてもよい。
受信フィルタ10において、直列腕共振子13および14ならびに並列腕共振子15および16によりラダー型の共振子フィルタが構成される。また、互いに並列に接続された共振子群17および18により縦結合共振子型フィルタが構成される。共振子群17および18の各々は、弾性波の伝搬方向に並置された5つのIDT電極を有する。ラダー型の共振子フィルタと縦結合共振子型フィルタとは直列接続される。
並列腕共振子15の一端はグランドB1に接続される。並列腕共振子16とグランドB2とを結ぶ信号経路R1上のノードN1と共振子群17および18とグランドB3とを結ぶ信号経路R2上のノードN2とは、信号経路R3によって接続される。
信号経路R1上のノードN1とグランドB2との間にインダクタL1が配置され、信号経路R2上のノードN2とグランドB3との間にインダクタL2が配置される。共振子群17および18に含まれるすべてのIDT電極のグランド側の端は、インダクタL2を介して、グランドB3に接続される。グランドB1、B2およびB3は、外部接続用の端子であり、寄生インダクタンスを有する。
インダクタL1およびL2は、対応する配線が有する等価的なインダクタンス成分であってもよく、ディスクリート部品によるインダクタンス成分であってもよい。インダクタL1のインダクタンスは、インダクタL2のインダクタンスより大きい。インダクタL2のインダクタンスは、実質的に無視できる程度に小さくてもよい。なお、他の配線にもインダクタンス成分は存在するが、本発明の要部ではないため図示を省略する。
送信フィルタ20は、直列腕共振子21、22、23、24および25ならびに並列腕共振子26、27、28および29からなるラダー型の共振子フィルタである。並列腕共振子26のグランド側の端はグランドB4に接続され、並列腕共振子27、28および29のグランド側の端はグランドB5に接続される。グランドB4およびB5は、外部接続用の端子であり、寄生インダクタンス成分を有する。
次に、IDT電極の基本的な構造について説明する。
図2は、IDT電極50の基本的な構造の一例を模式的に表す平面図及び断面図である。図2に示されるIDT電極50の構造は、受信フィルタ10における直列腕共振子13および14、並列腕共振子15および16、ならびに共振子群17および18を構成する各IDT電極に適用される。なお、図2の例は、IDT電極50の基本的な構造を説明するためのものであって、電極を構成する電極指の本数および長さなどは、図2の例には限定されない。
IDT電極50は、互いに対向する一対の櫛歯状電極50a、50bからなる。櫛歯状電極50aは、互いに平行な複数の電極指51aと、複数の電極指51aを接続するバスバー電極52aとで構成されている。櫛歯状電極50bは、互いに平行な複数の電極指51bと、複数の電極指51bを接続するバスバー電極52bとで構成されている。電極指51aおよび51bは、弾性波の伝搬方向であるX軸方向と直交する方向に延びるように形成されており、互いに間挿し合うように配置されている。
IDT電極50の形状および大きさを規定するパラメータを電極パラメータと言う。電極パラメータの一例として、電極指51aまたは電極指51bのX軸方向における繰り返し周期である波長λ、X軸方向に見て電極指51a、51bが重複する長さである交差幅L、電極指51a、51bのライン幅W、および隣り合う電極指51a、51b間のスペース幅Sが挙げられる。
電極指51a、51bを合わせた電極指の本数の1/2である対数、電極指51a、51bを合わせた電極指の繰り返し周期であるピッチ(W+S)、ピッチに占めるライン幅の割合であるデューティ比W/(W+S)も、電極パラメータの一例である。
電極指51a、51b、およびバスバー電極52a、52bは、圧電基板59上に形成された電極層53で構成されている。
一例として、電極層53は、銅、アルミニウムなどの金属またはこれらの合金で構成され、圧電基板59は、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムなどを含有する圧電体層で構成されてもよい。電極層53は、図示していない密着層を介在して圧電基板59上に形成されてもよい。電極層53は、保護層54で被覆されてもよい。
圧電基板59は、圧電体層一層からなってもよいし、少なくとも一部に圧電性を有する積層型基板であってもよい。少なくとも一部に圧電性を有する積層型基板は、支持基板と、支持基板上に形成されており、圧電薄膜を伝搬する弾性波音速より伝搬するバルク波音速が高速である高音速膜と、高音速膜上に積層されており、圧電薄膜を伝搬する弾性バルク波音速より伝搬するバルク波音速が低速である低音速膜と、低音速膜上に積層された圧電薄膜と、で構成された積層体であってもよい。また、支持基板は、高音速膜と支持基板を兼ねる、シリコン基板などの高音速支持基板であってもよい。
次に、圧電基板上に形成されたマルチプレクサ1の電極配置の一例について説明する。
図3は、マルチプレクサ1の圧電基板59上での電極配置の一例を模式的に示す平面図である。図3に示されるように、マルチプレクサ1の各共振子は、圧電基板59上の対応する符号を付した領域に形成されたIDT電極で構成される。また、圧電基板59上には、外部接続用の電極構造である端子Ant、Tx、Rx、B1、B2、B3、B4およびB5、ならびに共振子同士を接続する配線および共振子と端子とを接続する配線として機能する電極が形成される。
共振子群17、18を構成するIDT電極のグランド側のバスバー電極とグランド端子B3とは、立体配線19を介して接続される。グランド端子B1はグランド端子B2、B3から独立して設けられている。
インダクタL1およびL2は、対応する配線のインダクタンス成分である。具体的に、インダクタL1は、ノードN1とグランド端子B2とを結ぶ配線のインダクタンス成分である。インダクタL2は、ノードN2とグランド端子B3とを結ぶ配線のインダクタンス成分である。
インダクタL1のインダクタンス成分は、インダクタL2のインダクタンス成分より大きい。具体的に、ノードN1とグランド端子B2とを結ぶ配線は蛇行するように意図的に引き回された配線で構成されるため、インダクタL1のインダクタンス成分は大きい。これに対し、ノードN2とグランド端子B3とを結ぶ配線は蛇行部を有しない平面状のパターンを有する配線で構成されるため、インダクタL2のインダクタンス成分は無視できる程度に小さい。
並列腕共振子15および16の電極パラメータは、一例として次のように設定される。並列腕共振子15および16の対数は、それぞれ63対、67対であり、交差幅はそれぞれ71μm、91μmである。
共振子の静電容量は主に対数と交差幅との積に比例する。並列腕共振子15および16の静電容量は、それぞれ2.1pF、2.8pFであり、並列腕共振子16の静電容量は、並列腕共振子15の静電容量より大きい。
上記のように構成されたマルチプレクサ1によれば、グランド端子B1がグランド端子B2およびB3から独立して設けられるので、従来のフィルタと同様、通過帯域の低域端における減衰特性を急峻にできる。
また、並列腕共振子16と共振子群17、18とが、グランド側において、信号経路R3を介して互いに接続される。
これにより、並列腕共振子16と共振子群17、18とを合わせた合成容量とインダクタL1とによる直列共振が生じる。直列共振で発生する減衰極は、インダクタL1を設けない場合と比べて、低周波側にシフトする。その結果、通過帯域外の低周波側にある送信周波数帯域における減衰が効果的に改善される。
並列腕共振子16と共振子群17、18とに共通してインダクタL1を接続するので、並列腕共振子16と共振子群17、18とに個別のインダクタを接続する場合と比べて、装置の小型化が可能になる。
また、ノードN1とグランド端子B2との間に接続されたインダクタL1を用いて減衰極をシフトさせるので、ノードN2とグランド端子B3との間に接続されたインダクタL2のインダクタンスを大きくする必要がない。インダクタL2のインダクタンスを大きくしないので、共振子群17、18のグランド電位が不安定になりにくい。その結果、送信周波数帯域における減衰が安定的に改善される。
また、共振子群17、18のすべてのIDT電極のグランド側の端が共通化されているので、共振子群17、18のグランド電位がより安定化され、寄生インダクタンス成分が減ることにより、送信周波数帯域における減衰の改善効果が高まる。
また、並列腕共振子16の静電容量は、並列腕共振子15、16の静電容量のうちで最も大きい。これにより並列腕共振子16と共振子群17、18とを合わせた合成容量が大きくなり、減衰極を低周波側にシフトさせるための必要なインダクタンス成分を小さくできる。その結果、チップの小型化に寄与できる。
受信フィルタ10によれば、通過帯域の低域端における急峻な減衰特性とともに、送信周波数帯域における減衰が改善される。そのため、受信フィルタ10と送信フィルタ20とを組み合わせてマルチプレクサ1を構成することで、送受間のアイソレーションに優れたマルチプレクサ1が得られる。
上記したマルチプレクサ1および変形例の効果を、比較例と対比して説明する。
図4は、比較例1に係るマルチプレクサ2の圧電基板59上での電極配置の一例を模式的に示す平面図である。
マルチプレクサ2は、マルチプレクサ1と比べて、回路構成において同一であり、インダクタL1のインダクタンス成分がより小さい点で異なる。
図4に示されるように、マルチプレクサ2では、ノードN1とグランド端子B2とを結ぶ配線が平面状のパターンを有する電極で構成されるため、インダクタL1のインダクタンス成分は、インダクタL2のインダクタンス成分とはほぼ同じであり、無視できる程度に小さい。
図5は、比較例2に係るマルチプレクサ3の構成の一例を示す回路図である。
図6は、マルチプレクサ3の圧電基板59上での電極配置の一例を模式的に示す平面図である。
マルチプレクサ3は、マルチプレクサ1と比べて、並列腕共振子16とノードN1との間にインダクタL3を有する点で異なる。
図5および図6に示されるように、マルチプレクサ3では、受信フィルタ11において、並列腕共振子16とノードN1との間に蛇行するように意図的に引き回された配線によるインダクタL3が設けられる。インダクタL1に対応する配線の長さは実質的に0であり、インダクタL2に対応する配線は平面状のパターンを有する電極で構成されるため、インダクタL1およびL2のインダクタンス成分は、いずれも無視できる程度に小さい。
図7は、比較例3に係るマルチプレクサ4の構成の一例を示す回路図である。
図8は、マルチプレクサ4の圧電基板59上での電極配置の一例を模式的に示す平面図である。
マルチプレクサ4は、マルチプレクサ1と比べて、ノードN1とノードN2とを接続する信号経路を有しない点で異なる。
図7および図8に示されるように、マルチプレクサ4では、受信フィルタ12において、グランド端子B1、B2およびB3がすべて独立して設けられる。また、並列腕共振子16とグランド端子B2との間に蛇行するように意図的に引き回された配線によるインダクタL4が設けられる。
図9は、変形例に係るマルチプレクサ5の圧電基板59上での電極配置の一例を模式的に示す平面図である。
マルチプレクサ5は、図1のマルチプレクサ1と比べて、回路構成において同一であり、インダクタL1のインダクタンス成分がより小さく、かつインダクタL2のインダクタンス成分がより大きく構成される点で異なる。
図9に示されるように、マルチプレクサ5では、ノードN2とグランド端子B3との間の配線は蛇行するように意図的に引き回された配線で構成されるため、インダクタL2のインダクタンス成分は大きい。また、ノードN1とグランド端子B2とを結ぶ配線が平面状のパターンを有する電極で構成されるため、インダクタL1のインダクタンス成分は無視できる程度に小さい。これにより、マルチプレクサ5では、インダクタL2のインダクタンス成分が、インダクタL1のインダクタンス成分より大きい。
マルチプレクサ1を実施例とし、実施例、比較例1、2および3、ならびに変形例に係るマルチプレクサ1、2、3、4および5について、端子Tx→Rx間のアイソレーション特性を求めた。LTE(登録商標)(Long Term Evolution)のBand26の上り周波数帯域(814MHz以上849MHz以下)を送信フィルタ20の通過帯域(以下、送信帯域)とし、下り周波数帯域(859MHz以上894MHz以下)を受信フィルタ10、11および12の通過帯域(以下、受信帯域)とした。
図10は、マルチプレクサの端子Tx→Rx間のアイソレーション特性の一例を示すグラフである。
図10に見られるように、送信帯域内での挿入損失の最小値(アイソレーションの最悪値)は、実施例では60.7dB、変形例では58.6dB、比較例1では57.2dB、比較例2では56.3dB、比較例3では53.8dBである。
実施例では、ノードN1とノードN2とを接続することで、並列腕共振子16と共振子群17、18とを合わせた合成容量とインダクタL1とによる直列共振で発生する減衰極を、受信帯域の近傍から低周波側にシフトさせている。合成容量を利用して減衰極を低周波側にシフトさせることで、必要なインダクタンス成分を小さくしつつ、送信帯域の全域で良好なアイソレーションを実現している。
比較例1では、ノードN1とノードN2とは接続されているが、インダクタL1が平面状のパターンを有する電極で実現され、インダクタンス成分が実質的に無視できる程度に小さいため、減衰極を低周波側に十分にシフトさせることができない。そのため、実施例と比べて、送信帯域の中域から高域(831.5MHz以上849MHz以下)でのアイソレーションが悪化する。
比較例2では、並列腕共振子16とノードN1との間にインダクタL3を設け、並列腕共振子16とインダクタL3との直列共振で発生する減衰極を、受信帯域の近傍から低周波側にシフトさせることで、送信帯域の減衰の改善を図っている。
比較例2では、実施例と比べて、減衰極をシフトさせるために、共振子群17、18の容量を使用しない分、必要なインダクタンス成分が大きくなってしまう。そのため、装置の小型化の障害となる。また、受信帯域の低域端において減衰特性の急峻性が悪化するため、送信帯域の高域端付近(849MHz)でのアイソレーションが悪化してしまう。
比較例3では、並列腕共振子16のグランドと共振子群17、18のグランドとを共通化せず、並列腕共振子16とグランド端子B2との間にインダクタL4を設け、並列腕共振子16とインダクタL4との直列共振で発生する減衰極を、受信帯域の近傍から低周波側にシフトさせることで、送信帯域の減衰の改善を図っている。
比較例3では、共振子群17、18のグランド側の端がグランド端子B2に接続されていないため、共振子群17、18のグランドに発生する寄生インダクタンス成分が大きくなってしまう。通常、共振子群17、18のグランド電位が安定しているほど、送信帯域における減衰は大きくなるところ、比較例3では、寄生インダクタンス成分が大きくなることでグランド電位が安定しにくくなるため、送信帯域の全域でのアイソレーションが悪化する。
変形例では、ノードN1とノードN2とを接続することで、並列腕共振子16と共振子群17、18とを合わせた合成容量とインダクタL2とによる直列共振で発生する減衰極を、受信帯域の近傍から低周波側にシフトさせている。変形例では、実施例と同様、合成容量を利用して減衰極を低周波側にシフトさせることで、必要なインダクタンス成分を小さくしている。
変形例では、ノードN2とグランド端子B3との間に接続されたインダクタL2を利用して減衰極を低周波側にシフトさせるので、実施例と比べて、共振子群17、18のグランドに発生する寄生インダクタンス成分が大きくなってしまう。そのため、送信帯域の中域(831.5MHz)付近でのアイソレーションが、実施例と比べて悪化する。
なお、実施例、比較例1、2および3、ならびに変形例に係るマルチプレクサ1、2、3、4および5のいずれにおいても、グランド端子B1は、グランド端子B2およびB3から独立している。グランド端子B1をグランド端子B2およびB3と共通化すると、並列腕共振子15によって発生する減衰極も低域側へシフトしてしまい、受信帯域の低域側における減衰特性の急峻性が損なわれる不利が生じ得る。マルチプレクサ1、2、3、4および5によれば、このような不利を回避できる。
以上、本発明の実施の形態に係るフィルタおよびマルチプレクサについて説明したが、本発明は、個々の実施の形態には限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、実施の形態ではデュプレクサの例を挙げて説明したが、本発明は、デュプレクサには限られず、例えば、単に周波数帯域が異なる複数の信号を分波および合波するダイプレクサ、トリプレクサ、クアッドプレクサなどに適用されてもよい。
例えば、実施の形態では、第2並列腕共振子と縦結合共振子型フィルタとが、グランド側においてインダクタを介して互いに接続されており、このインダクタが、第1信号経路R1上のノードN1とグランド端子B2との間にあるインダクタL1である例を示したが、それに限られない。上記インダクタは、信号経路R2上のノードN2とグランド端子B3との間にあるインダクタL2であってもよい。インダクタL2によっても、インダクタL1と同様に、通過帯域外の減衰量を大きくすることができる。
本発明は、フィルタおよびマルチプレクサとして、携帯電話機などの通信機器に広く利用できる。
1、2、3、4、5 マルチプレクサ
10、11、12 受信フィルタ
13、14 直列腕共振子
15、16 並列腕共振子
17、18 共振子群
19 立体配線
20 送信フィルタ
21、22、23、24、25 直列腕共振子
26、27、28、29 並列腕共振子
30 アンテナ素子
50 IDT電極
50a、50b 櫛歯状電極
51a、51b 電極指
52a、52b バスバー電極
53 電極層
54 保護層
59 圧電基板
N1、N2 ノード
R1、R2、R3 信号経路
L1、L2、L3、L4 インダクタ
Ant、Tx、Rx、B1、B2、B3、B4、B5 端子

Claims (6)

  1. 第1並列腕共振子および第2並列腕共振子を含むラダー型フィルタと、
    前記ラダー型フィルタの前記第2並列腕共振子が接続されたノードに接続された縦結合共振子型フィルタと、
    前記第1並列腕共振子に接続された第1グランド端子と、
    前記第1グランド端子と独立して設けられ、前記第2並列腕共振子に接続された第2グランド端子および前記縦結合共振子型フィルタに接続された第3グランド端子と、
    前記第2並列腕共振子と前記第2グランド端子とを結ぶ第1信号経路上の第1ノードと前記縦結合共振子型フィルタと第3グランド端子とを結ぶ第2信号経路上の第2ノードとに接続された第3信号経路と、
    前記第1信号経路上の前記第1ノードと前記第2グランド端子との間に接続された第1インダクタ、あるいは前記第2信号経路上の前記第2ノードと前記第3グランド端子との間に接続された第2インダクタのうち少なくとも一方のインダクタと、
    を備え、
    前記一方のインダクタは、蛇行部を有する配線で構成される、
    フィルタ。
  2. 前記フィルタは、前記第1インダクタおよび前記第2インダクタの両方を備え、
    前記第1インダクタあるいは前記第2インダクタのうちの他方のインダクタは、蛇行部を有しない配線で構成される、
    請求項1に記載のフィルタ。
  3. 前記フィルタは、前記第1インダクタおよび前記第2インダクタの両方を備え、
    前記第1インダクタのインダクタンスは、前記第2インダクタのインダクタンスより大きい、
    請求項1または2に記載のフィルタ。
  4. 前記縦結合共振子型フィルタは、弾性波の伝搬方向に並置された複数のIDT(InterDigital Transducer)電極を有し、前記複数のIDT電極のすべての一方端が前記第3グランド端子に接続される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のフィルタ。
  5. 前記第2並列腕共振子の静電容量は、前記ラダー型フィルタに含まれるすべての並列腕共振子の静電容量のうちで最も大きい、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のフィルタ。
  6. 一端同士が互いに接続された第1フィルタと第2フィルタとを備え、
    前記第1フィルタは請求項1から5のいずれか1項に記載のフィルタであり、
    前記第1フィルタの通過帯域の中心周波数は、前記第2フィルタの通過帯域の中心周波数より高い、
    マルチプレクサ。
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