JP7298378B2 - 磁性体コアの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電動モータや発電機に用いられる磁性体コアの製造方法に関する。
従来、電動モータや発電機に用いられる磁性体コアの製造方法として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の製造方法は、コイル状に巻回された帯状の電磁鋼板から貫通孔又は加締め部を有する打抜部材を形成する工程と、複数の打抜部材を積層しつつ貫通孔及び加締め部を介して複数の打抜部材を締結し、積層鉄心を形成する工程とを有している。加締め部は、打抜部材の表面側に形成された凹部と、打抜部材の裏面側に形成された凸部とで構成される。特許文献1の図3に記載された加締め部は、凸部が全体として山型状を呈し、突出量が大きい頂部と、頂部の両側に位置する裾野部とを含んでいる。一の打抜部材の凸部は、当該一の打抜部材の裏面側に隣り合う他の打抜部材の凹部又は貫通孔に嵌合する。
特開2019-110644号公報
磁性体コアとして用いられる積層体は、鋼板間の電気的な絶縁抵抗が低くなると渦電流損等の鉄損が大きくなることが知られている。一般的な電磁鋼板では、表面に絶縁コーティングが施されており、電磁鋼板を打ち抜いて得られたコアプレートの積層面同士の面接触による導通が抑止されている。また、加締め部における凸部の側面と凹部又は貫通孔の内面との間の導通は、例えばブルーイングにより生成された被膜により抑制される。ブルーイングとは、鋼材の腐食の原因となる赤錆(Fe)の発生を防ぐために、黒錆とも称される四酸化三鉄(Fe)の被膜を生成する処理である。
また、磁性体コアとして用いられる積層体は、コアプレート間の僅かな隙間の累積によって積層方向の厚み(積厚)が変動しやすいので、積層方向に大きな荷重をかけてコアプレート間の隙間を圧縮する処理が行われる場合がある。この場合、加締め部における凸部の側面と凹部又は貫通孔の内面とが例えば黒錆によって固着していると、荷重をかけることによる積層方向の圧縮効果が十分に得られないおそれがある。
そこで、本発明は、積層される複数のコアプレート同士を相互に連結するための凹部及び凸部の固着を抑制することが可能な磁性体コアの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、複数のコアプレートを積層してなる磁性体コアの製造方法であって、鋼板を打ち抜いて前記複数のコアプレートを形成すると共に、前記複数のコアプレートを相互に連結するための凹部及び凸部を形成するプレス工程と、前記複数のコアプレートを積み重ねて前記凹部に前記凸部を嵌合させ、積層体を形成する積層工程と、前記積層体を熱処理する熱処理工程と、前記熱処理された前記積層体を加振する加振工程と、を有し、前記熱処理は、前記凹部の内面と前記凸部の端面との間に黒錆層を形成するブルーイング処理工程を含み、前記加振工程において、前記積層体をその積層方向に振動させることにより前記黒錆層内にひび割れによる隙間を発生させる、磁性体コアの製造方法を提供する。
本発明に係る磁性体コアの製造方法によれば、積層される複数のコアプレート同士を相互に連結するための凹部及び凸部の固着を抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る製造方法を用いて製造された回転電機を示す構成図であり、(a)は軸方向から見た状態を、(b)は(a)のA-A線における断面を、それぞれ示している。 ステータコアの製造手順を示すフロー図である。 複数のコアプレートを積層する積層工程を示す説明図である。 (a)は、コアプレートの裏面から見た加締め部を示す斜視図であり、(b)は、複数のコアプレートの加締め部同士の嵌合状態を示す斜視図である。 (a)は、熱処理工程のための熱処理装置の概略構成図であり、(b)は、ブルーイングステーションの構成例を示す模式図である。 熱処理後の積層体を示し、(a)はコアプレートの裏面側の端部を凹部の内面に沿った断面で示す斜視図、(b)は(a)のB-B線における積層体の断面図である。 加振工程における積層体を示し、(a)は上面図、(b)は(a)のC-C線における断面図である。 (a),(b)は、加振工程の前後の黒錆層の状態の一例を模式的に示す説明図である。 加圧工程における積層体及び加圧装置を固定具と共に示す断面図である。 測定工程における積層体及び押付装置ならびに測定器を固定具と共に示す断面図である。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図10を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
(回転電機の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る製造方法を用いて製造された回転電機を示す構成図であり、(a)は軸方向から見た状態を、(b)は(a)のA-A線における断面を、それぞれ示している。
この回転電機100は、ステータ1と、ロータ2とを有している。ステータ1は、図略のハウジングに非回転に固定される。ロータ2は、その中心部にシャフト10が挿通されており、シャフト10と一体に回転する。回転電機100は、駆動力を発生するモータとして、あるいはシャフト10の回転力を電気エネルギーに変換する発電機として、もしくはその両方の機能を有するモータジェネレータとして、例えば電気自動車や所謂ハイブリッド車両に搭載される。
ステータ1は、ステータコア11と、複数のコイル12とを有して構成されている。ステータコア11は、円筒状の基体部111と、基体部111から径方向内方に突出した複数のティース112と、基体部111から径方向外方に突出した複数の被固定部113とを一体に有している。図1の図示例では、ステータコア11が15個のティース112を有しており、それぞれのティース112にコイル12が巻き回されている。被固定部113には、ステータコア11をハウジングに固定するためのボルトを挿通させるボルト挿通穴113aが形成されている。
ロータ2は、ロータコア21と、ロータコア21に保持された複数の磁石22とを有している。ロータコア21には、シャフト10が挿通される中心穴210と、複数の磁石22(図1(b)に示す)をそれぞれ収容する複数の収容穴211と、磁石22を冷却する冷却液を流通されるための複数の冷却穴212とが形成されている。中心穴210、複数の収容穴211、及び複数の冷却穴212は、ロータコア21を軸方向に貫通している。また、ロータコア21は、シャフト10の一対のキー溝10aにそれぞれ嵌合する一対の突起21aを有しており、ロータコア21との相対回転が規制されている。磁石22は、長手方向に直交する断面が長方形の四角柱状であり、収容穴211に充填された樹脂23によってロータコア21に固定されている。
ステータコア11及びロータコア21は、共に複数のコイル12及び磁石22が発生する磁束の磁路となる磁性体コアであり、電磁鋼板を打ち抜いて形成された複数の薄板(コアプレート)を積層して構成されている。ステータコア11は、複数のコアプレート3を積層してなり、ロータコア21は、複数のコアプレート4を積層してなる。一枚のコアプレート3,4の厚みは、例えば0.25mmである。
ステータコア11の複数のコアプレート3は、それぞれのコアプレート3に形成された複数の加締め部31によって相互に連結されている。同様に、ロータコア21の複数のコアプレート4は、それぞれのコアプレート4に形成された複数の加締め部41によって相互に連結されている。図1(a)の図示例では、一枚のコアプレート3に五つの加締め部31が設けられ、また一枚のコアプレート4に五つの加締め部41が設けられている。以下、ステータコア11の製造方法について詳細に説明するが、ロータコア21も同様の製造方法により製造することが可能である。
(ステータコアの製造方法)
図2は、ステータコア11の製造手順を示すフロー図である。ステータコア11の製造方法は、素材としての電磁鋼板のプレス加工により複数の加締め部41を形成する加締め形成工程S1と、同じくプレス加工によって電磁鋼板からの打ち抜きによりコアプレート3を形成する打ち抜き工程S2と、得られたコアプレート3を積み重ねて積層体を形成する積層工程S3と、この積層体を熱処理する熱処理工程S4と、熱処理後の積層体を加振する加振工程S5と、加振後の積層体を積層方向に加圧する加圧工程S6と、加圧後の積層体の厚みを測定する測定工程S7とを有している。
なお、1回のプレス加工により、電磁鋼板からコアプレート3を打ち抜くと共に複数の加締め部31を形成してもよい。すなわち、加締め形成工程S1と打ち抜き工程S2とを同時に行ってもよい。また、打ち抜き工程S2の後に加締め形成工程S1を行ってもよい。加締め形成工程S1及び打ち抜き工程S2は、換言すれば、電磁鋼板を打ち抜いて複数のコアプレート3を形成すると共に、複数のコアプレート3を相互に連結するための凹部310及び凸部311を形成するプレス工程である。
電磁鋼板としては、予め鉄鋼メーカー等における仕上げ焼鈍により所定の磁気特性を得るフルプロセス材を用いてもよく、打ち抜き加工後に歪取りのための焼鈍を行うことにより所定の磁気特性を得るセミプロセス材を用いてもよい。本実施の形態では、セミプロセス材を用いる場合について説明する。セミプロセス材は、フルプロセス材よりも結晶の大きさが小さく、そのままでは鉄損が大きくなるため、後述する焼鈍処理により結晶を成長させる必要がある。一般的に、セミプロセス材はフルプロセス材よりも安価である。
図3は、打ち抜き工程S2により形成された複数のコアプレート3を積層する積層工程S3を示す説明図である。図4(a)は、コアプレート3の裏面3bから見た加締め部31を示す斜視図であり、図4(b)は、複数のコアプレート3の加締め部31同士の嵌合状態を示す斜視図である。図4(b)では、複数のコアプレート3の表(おもて)面3a側を図示している。
加締め部31は、コアプレート3の表面3a側から裏面3b側に向かって突出するように形成され、表面3aには凹部310が、裏面3b側には凸部311が、それぞれ形成される。本実施の形態では、凸部311が台形状であり、裏面3bからの突出量が大きい頂部312、及び裏面3bからの突出量が頂部312から離れるにつれて徐々に小さくなる一対の稜部313によって凸部311が構成されている。また、本実施の形態では、頂部312が裏面3bと平行な長方形状であり、その長辺方向の両端部に一対の稜部313がそれぞれ連続している。
なお、凸部311の形状は台形状に限らず、例えば三角形状でもよい。この場合、裏面3bに対して互いに逆方向に傾斜した一対の傾斜部によって凸部が形成される。また、本実施の形態では、頂部312の突出量がコアプレート3の厚みよりも大きく、頂部312の全体が裏面3bからコアプレート3の厚み方向に突出しているが、これに限らず、頂部312の突出量がコアプレート3の厚みよりも小さくてもよい。
複数のコアプレート3を連結する際には、一のコアプレート3の凸部311を、その裏面3b側に向かい合う他のコアプレート3の凹部310に嵌合する。積層されるコアプレート3の枚数は、必要なステータコア11の積層方向の厚みに応じて設定される。本実施の形態では、数十枚のコアプレート3を凹部310と凸部311との嵌合によって連結して一つのブロックとし、複数のブロックを積層方向に積み重ね、これらのブロック同士を溶接によって固定している。
積層工程S3によって得られた積層体は、熱処理工程S4に供される。熱処理工程S4は、図2に示すように複数の小工程を含んでいる。本実施の形態では、これらの小工程が、脱油処理工程S41、焼鈍処理工程S42、第1冷却処理工程S43、ブルーイング処理工程S44、及び第2冷却処理工程S45からなる。次に、この熱処理工程S4について詳細に説明する。
図5(a)は、熱処理工程S4のための熱処理装置5の概略構成図である。この熱処理装置5は、積層工程S3によって得られた積層体6が搬入される搬入ステーション50、脱油処理を行う脱油ステーション51、焼鈍処理を行う焼鈍ステーション52、第1冷却処理を行う第1冷却ステーション53、ブルーイング処理工程を行うブルーイングステーション54、第2冷却処理を行う第2冷却ステーション55、及び熱処理された積層体6を搬出する搬出ステーション56と、各ステーション50~56を区画する区画部571~576とを備えている。
脱油ステーション51では、所定の脱油温度まで積層体6を加熱し、コアプレート3に付着した油分を蒸発させる。この油分は、電磁鋼板からのコアプレート3の打ち抜きを容易にするため、予め電磁鋼板に施されているものである。脱油温度は、例えば300~400℃である。
焼鈍ステーション52では、積層体6を加熱して焼き鈍す。この焼鈍処理では、積層体6を所定の焼鈍温度に加熱し、所定時間その状態を保持する。焼鈍温度は、フルプロセス材を用いる場合とセミプロセス材を用いる場合とで異なり、フルプロセス材では例えば750~780℃、セミプロセス材では例えば820~850℃である。前述のように、本実施の形態ではセミプロセス材を用いるため、820~850℃で焼き鈍しを行い、歪を除去すると共に金属結晶を大きくする。第1冷却ステーション53では、積層体6を焼鈍温度からブルーイングに適したブルーイング温度(例えば450℃)まで冷却する。また、第2冷却ステーション55では、ブルーインされた積層体6を常温まで冷却する。
図5(b)は、ブルーイングステーション54の構成例を示す模式図である。ブルーイングステーション54は、積層体6が配置される炉540の温度をブルーイング温度とするヒーター541と、炉540内に雰囲気ガスGを供給するノズル542とを有している。雰囲気ガスGとしては、窒素ガス(N)、HN混合ガス(N+H)、吸熱性変成ガス(RXガス)、発熱性変成ガス(DXガス)等を利用できるが、ここでは窒素(N)を主成分とし、水素(H)や一酸化炭素(CO)、及び水分を含むDXガス(発熱性変成ガス)が用いられる。
このブルーイングにより、打ち抜き工程S2において形成されたコアプレート3の内周面及び外周面における断面、及び加締め形成工程S1において形成された凸部311の端面311a(図4(a)参照)ならびに凹部310の内面310a(図4(b)参照)に、黒錆とも称される四酸化三鉄(Fe)の被膜が生成される。そして、四酸化三鉄の被膜が生成されることにより、その後に赤錆(Fe)が発生することを防ぐことができる。
図6は、熱処理後の積層体6を示し、(a)はコアプレート3の裏面3b側の端部を凹部310の内面310aに沿った断面で示す斜視図、(b)は(a)のB-B線における積層体6の断面図である。図6(a)に示すように、積層体6の一方の端部におけるコアプレート3は、凹部310及び凸部311に替えて、凸部311が嵌合する嵌合孔320が形成されている。嵌合孔320は、表面3a及び裏面3b間を貫通する角孔である。
図6(b)に拡大して示すように、コアプレート3の表面3a及び裏面3bには、電気絶縁性を有する樹脂コーティングが施されており、表面3aに形成された絶縁コート層61、及び裏面3bに形成された絶縁コート層62を図示している。積層方向に並ぶ一対のコアプレート3の表面3aと裏面3bとの間の導通は、絶縁コート層61,62により遮断されている。
また、図6(b)には、凸部311の端面311aと凹部310の内面310aとの間の四酸化三鉄による黒錆層63を図示している。この四酸化三鉄は、鉄に比べれば導電率が400分の1程度であるが、赤錆に比べれば10倍程度の導電率を有している。また、黒錆層63は、熱により溶け出した絶縁コート層61,62の無機成分が混ざり込むことにより電気抵抗が下がる場合もある。このため、鉄損を抑制するためには、凸部311の端面311aと凹部310の内面310aとの黒錆層63による固着を解放することが望ましい。
本実施の形態では、主として加振工程S5により、凸部311の端面311aと凹部310の内面310aとの黒錆層63による固着を解放する。また、本実施の形態では、加振工程S5によって黒錆層63による固着を解放した後、さらに加圧工程S6を行うことにより、複数のコアプレート3同士を密着させて積層体6の積厚を所定の公差範囲内に収めるようにしている。すなわち、加振工程S5によって黒錆層63による固着を解放した後に加圧工程S6を行うことにより、加圧の効果が得られやすくなる。また、加圧工程S6によって、より確実に黒錆層63による固着を解放することも可能となる。
以下、加振工程S5、加圧工程S6、及び測定工程S7について、図7乃至図10を参照して説明する。なお、加圧工程S6を省略し、加振工程S5の後に測定工程S7を行ってもよい。以下の説明において、「上」「下」とは、鉛直方向の上下をいうものとする。
図7は、加振工程S5における積層体6を示し、(a)は上面図、(b)は(a)のC-C線における断面図である。加振工程S5、加圧工程S6、及び測定工程S7は、積層体6を固定具7に固定した状態で行われる。図7(a)では、積層体6と共に固定具7を示し、図7(b)では、加振装置8によって積層体6を加振している状態を図示している。
固定具7は、ベース板71と、ベース板71の上方に配置された載置板72と、ベース板71に螺合したボルト73と、ベース板71に対して水平方向に移動可能な複数の移動プレート74と、ボルト73の軸力によって複数の移動プレート74を積層体6に向かって押し付ける押圧プレート75とを備えている。加振装置8は、ベース板71の下方に配置される本体部81と、本体部81から上方に突出した複数のシャフト82とを備えている。本実施の形態では、加振装置8が複数のシャフト82を超音波振動させる超音波加振器である。シャフト82の本数は、3本以上が好ましく、例えば4~6本である。
ベース板71の中心部には、ボルト穴710が形成されている。また、ベース板71には、複数の移動プレート74をボルト穴710を中心とする放射状に移動可能に案内する複数のガイド溝711、及び加振装置8のシャフト82を挿通させる複数の挿通孔712が形成されている。載置板72には、その上面72aに積層体6が載置され、下面72bはベース板71の上面71aに対向している。加振工程S5では、載置板72が加振装置8のシャフト82に支持され、載置板72の下面72bとベース板71の上面71aとの間に隙間が形成される。
ボルト73は、頭部731、軸部732、及び雄ねじ部733を一体に有し、雄ねじ部733がベース板71のボルト穴710に螺合している。頭部731は、押圧プレート75の上面75aに当接しており、押圧プレート75をベース板71に向かって押し付けている。軸部732は、押圧プレート75に形成されたボルト挿通孔750に挿通されており、雄ねじ部733がボルト挿通孔750から下方に導出されている。
複数の移動プレート74は、積層体6の内周面6aに当接する当接面74aと、押圧プレート75に当接する傾斜面74bとを有している。当接面74aは、水平方向に対して垂直な面である。傾斜面74bは、上端部ほどボルト73との距離が長くなるように傾斜している。押圧プレート75は、複数の移動プレート74のそれぞれの傾斜面74bに当接する押圧面75bを有しており、押圧プレート75をベース板71に向かって押し付けるボルト73の軸力が、複数の移動プレート74を介して積層体6の内周面6aを水平方向に押し付ける押圧力に変換される。
積層体6は、複数の移動プレート74に押圧されることにより、複数のコアプレート3の水平方向の位置ずれが抑止され、真直度が高い状態に維持される。すなわち、加振工程S5は、複数のコアプレート3の径方向への移動を規制した状態で行われる。なお、本実施の形態では、押圧プレート75が図7(a)に示すように五角形状であり、それぞれの辺に対応して五つの移動プレート74が押圧プレート75の周囲に配置されているが、押圧プレート75の形状や移動プレート74の数は、例えば積層体6の大きさ等に応じて適宜変更することができる。
加振装置8は、本体部81が複数のシャフト82を上下方向に振動させ、載置板72に載置された積層体6をその積層方向に振動させる。これにより、複数のコアプレート3の間の黒錆層63による固着が少なくとも一部において解放される。
図8(a),(b)は、加振工程S5の前後の黒錆層63の状態の一例を模式的に示す説明図である。加振装置8によって積層体6を振動させることにより、黒錆層63内にひび割れ等による微小な隙間Sが発生し、凸部311の端面311aと凹部310の内面310aとが積層方向に沿って相対的に動きやすくなる。また、黒錆層63を介したコアプレート3の間の電気的な導通を抑えることができ、鉄損を抑制することが可能となる。
次に、図9を参照して加圧工程S6について説明する。図9は、加圧工程S6における積層体6及び加圧装置91を固定具7と共に示す断面図である。
加圧工程S6は、加振工程S5と同様に、積層体6を固定具7に固定した状態で行われる。加圧装置91は、例えば10t以上の荷重を発生させることが可能であり、積層体6の上に配置された円環状の上板77及び円盤状の加圧板78を介して積層体6を積層方向に加圧する。これにより、複数のコアプレート3の凸部311の端面311aと凹部310の内面310aとが積層方向にずれ、複数のコアプレート3間の黒錆層63による固着をより確実に解放することができる。
また、積層体6を加圧することにより、複数のコアプレート3同士を密着させて積層体6を軸方向に圧縮し、寸法精度を高めることができる。ここで、仮に加振工程S5を行わず、複数のコアプレート3の凸部311の端面311aと凹部310の内面310aとが黒錆層63により固着したまま加圧工程S6を行うと、その固着力が抵抗力となって加圧の効果が十分に得られないおそれがあるが、本実施の形態では加振工程S5の後に加圧工程S6を行うことにより、複数のコアプレート3同士を密着させる効果を確実に得ることができる。
図10は、測定工程S7における積層体6及び押付装置92ならびに測定器93を固定具7と共に示す断面図である。測定器93は、積層体6の積層方向(軸方向)の厚みを測定するための器具であり、より具体的にはハイトゲージである。測定器93は、本体部931と、本体部931に対して軸方向移動可能なロッド932とを有し、ロッド932が上板77に形成された挿通孔770に挿通されている。本体部931は、上板77の上側に配置され、ロッド932の先端部が載置板72の上面72aに当接する。
測定器93による測定は、押付装置92によって加圧板78及び上板77を介して積層体6を載置板72に向かって押し付けた状態で行う。押付装置92による押付荷重は、加圧装置91が発生させる荷重の数十分の一程度の比較的小さな荷重である。
この測定の結果、積層体6の積厚が所定の公差範囲に収まっていれば、その積層体6がステータコア11として用いられ、複数のティース112にコイル12が巻き回されてステータ1となる。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態によれば、積層される複数のコアプレート3同士を連結する凹部310及び凸部311の固着を抑制することが可能となり、鉄損の発生を抑制することができると共に、積圧の寸法精度を高めることができる。また、加振工程S5及び加圧工程S6は、積層体6を固定具7に固定した状態で行われるので、複数のコアプレート3のずれが抑止され、積層体6の真直度を高めることができる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能であり、例えば回転電機100以外の装置の磁性体コアの製造にも適用することができる。
100…回転電機
1…ステータ
2…ロータ
3,4…コアプレート
6…積層体
11…ステータコア(磁性体コア)
21…ロータコア(磁性体コア)

Claims (3)

  1. 複数のコアプレートを積層してなる磁性体コアの製造方法であって、
    鋼板を打ち抜いて前記複数のコアプレートを形成すると共に、前記複数のコアプレートを相互に連結するための凹部及び凸部を形成するプレス工程と、
    前記複数のコアプレートを積み重ねて前記凹部に前記凸部を嵌合させ、積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体を熱処理する熱処理工程と、
    前記熱処理された前記積層体を加振する加振工程と、を有し、
    前記熱処理は、前記凹部の内面と前記凸部の端面との間に黒錆層を形成するブルーイング処理工程を含み、
    前記加振工程において、前記積層体をその積層方向に振動させることにより前記黒錆層内にひび割れによる隙間を発生させる、
    磁性体コアの製造方法。
  2. 前記加振工程は、前記コアプレートの径方向への移動を規制した状態で行う、
    請求項に記載の磁性コアの製造方法。
  3. 前記熱処理工程及び前記加振工程の後に、前記積層体をその積層方向に加圧する加圧工程をさらに備えた、
    請求項1又は2に記載の磁性体コアの製造方法。
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