JP7297314B2

JP7297314B2 - 網戸用ネット及び網戸

Info

Publication number: JP7297314B2
Application number: JP2020130020A
Authority: JP
Inventors: 雄太郎西川
Original assignee: Nishikawa Sangyo Co Ltd
Current assignee: Nishikawa Sangyo Co Ltd
Priority date: 2020-07-31
Filing date: 2020-07-31
Publication date: 2023-06-26
Anticipated expiration: 2040-07-31
Also published as: JP2022026502A; WO2022024738A1

Description

本発明は、網戸用ネット及び網戸に関し、特に意匠を形成している網戸用ネット及び網戸に関する。

網戸は、網戸用ネットを枠体に嵌め込んだ構成をしており、通気性を確保するとともに害虫等の侵入を防いでいる。
網戸用ネットに対して、美感を与える目的や、室外から室内への視界を遮る等のために意匠を形成する場合がある。
意匠を形成する方法のひとつとして、インクを用いたプリントによる方法が考えられ、特許文献１には表面に絵画等をプリントし、裏面を黒色にプリントした網戸用防虫網を開示しているが、同公報は防虫網の素材やプリント方法の詳細を開示していない。
また、特許文献２には、一部の網目を接着剤等で塞ぎ、接着剤等に着色を施すことで図柄などを形成した網戸用網を開示しているが、網目を塞ぐことは通気性の確保を妨げる。

一方、網戸用ネットの素材として、ポリプロピレンは比較的柔らかく丈夫な素材であり、例えば、２０メッシュのポリプロピレン製ネットをメッシュ１７０のポリエチレンフタレートのネットに貼り付けた網戸（特許文献３）や、ポリプロピレン等のネットに光触媒膜を形成した網戸（特許文献４）が知られている。
しかし、ポリプロピレンは炭素と水素のみからなる化学構造を有し、極性が非常に低いためにインクとの接着が困難である。
そのため、ポリプロピレンを用いた網戸用ネットに意匠を形成することは難しく、例えば網戸用ネットの表面にのみ意匠を形成したい場合に、インクが固着不良のために裏面にまで及ぶおそれもある。

実用新案登録第３１１３４００号公報特開２００２－２２７５６３号公報実用新案登録第３１０４２１６号公報特開２００９－２８７２４２号公報

本発明は、ポリプロピレンを素材とした網戸用ネットであって、通気性や防虫効果を確保しながら、意匠を形成している網戸用ネット及びそれを用いた網戸の提供を目的とする。

本発明に係る網戸用ネットは、ポリプロピレンからなる網戸用ネットであって、任意の意匠がＵＶプリントされていることを特徴とする。
ポリプロピレンからなる網戸用ネットとは、メッシュを構成する縦及び横の一本の線材が、ポリプロピレンを主素材とする線材であることをいい、任意の意匠とは、図形、幾何学模様、文字、絵画、画像の写真等の意匠を表す全てのものをいう。
ポリプロピレンは、一般的にインクの密着性が悪いと言われていたが、本発明者の研究によれば、ＵＶで硬化させるインクを用いることで密着性を確保できた。

本発明において、網戸の枠体に嵌設される前記網戸用ネットの片面にのみ、任意の意匠がＵＶプリントされていてもよい。
ＵＶプリントは、ＵＶ照射でインクが硬化することから、ＵＶ照射した片面のみに容易にプリントできる。
これは、片面にのみに任意の意匠がプリントされ、もう一方の面には意匠がプリントされない場合だけでなく、片面ずつ別の意匠がプリントされる場合も含まれる。

本発明に係る網戸は、枠体に、上記網戸用ネットを嵌設していることを特徴とする。

本発明は、ポリプロピレンを素材とする網戸用ネットに任意の意匠をプリントでき、特に網戸用ネットの片面にのみ、任意の意匠が選択的にプリントされた網戸用ネット及びそれを用いた網戸を提供することができる。

本発明に係る室外側からみた網戸の例を示す。本発明に係る室内側からみた網戸の例を示す。網戸用ネットの拡大図を示す。

以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図１は、本発明に係る室外側からみた網戸の例を、図２には室内側からみた網戸の例を示す。
網戸は、枠体にポリプロピレンを素材とする網戸用ネットを嵌め込んであり、本実施例の網戸用ネットは、図３（ａ）に示す２６メッシュの網戸用ネットを用いて、網戸用ネットの片面、本実施例においては図１に示す室外側からみた面（以下、室外面という）にＵＶプリントにより意匠をプリントした。
ＵＶプリントとは、プリントと同時に紫外線（ＵＶ＝ｕｌｔｒａｖｉｏｌｅｔ）を照射することにより、瞬間的にインクを硬化させる公知の方法をいい、公知のＵＶ硬化型のインクを使用できる。
このＵＶプリントにより、図２に示す室内側からみた面（以下、室内面という）には意匠がプリントされずに、室外面にのみ意匠をプリントすることができる。

本実施例の図３（ａ）に示す２６メッシュの網戸用ネットは、メッシュを構成する縦及び横の一本の線材径が約１５０μｍである。
この網戸用ネットの開口率を測定したところ７１．６０％で、ＪＩＳＬ１０９６（フラジール形法）による通気度測定によると、通気度は１８３０～１８９０ｃｍ^３／ｃｍ^２・秒であった。
一方、図３（ｂ）に示す線材径が約３５９μｍである１８メッシュの網戸用ネットは、開口率が５５．６０％で、ＪＩＳＬ１０９６（フラジール形法）による通気度測定によると、通気度が１５８０ｃｍ^３／ｃｍ^２・秒であった。
網戸用ネットは、メッシュサイズが大きい、例えば２４メッシュ、２６メッシュ、３０メッシュであれば害虫の侵入を防止し易く、線材径が１００μｍ～２００μｍの範囲であれば、例えば通気度が１７００ｃｍ^３／ｃｍ^２・秒以上と通気性がよく、さらに網戸を通した視認性もよいため好ましいが、本発明においては特にメッシュサイズや線材径に制限なく、ポリプロピレンを素材とする網戸用ネットに任意の意匠をＵＶプリントできる。
また、本実施例においては、室外面にのみに意匠がプリントされ、室内面には意匠がプリントされていない例を示したが、室内面にのみ意匠がプリントされた場合や、室外面及び室内面にそれぞれ別の意匠がプリントされていてもよい。

Claims

ポリプロピレンからなる線材を用いてメッシュを構成した通気性を確保しつつ害虫等の侵入を防ぐための網戸用のネットであって、
前記ネットの一方の面にのみ、極性の低いポリプロピレンに対する密着性に優れたＵＶ硬化型インクを用いて、前記一方の面から照射されたＵＶプリントによる意匠が形成されていることで、他方の面からは前記意匠が見えず、前記ネットを通した視認性に優れるとともに、
前記意匠の密着性に優れ、
前記メッシュは線材径が１００μｍ～２００μｍの範囲にある縦線材と横線材とからなり、
前記メッシュのサイズが２４～３０メッシュであって、ＪＩＳＬ１０９６による通気度測定にて１７００ｃｍ ^３／ｃｍ ^２・秒以上の通気性に優れていることを特徴とする網戸用ネット。
枠体に、請求項１に記載の網戸用ネットを嵌設してあることを特徴とする網戸。