JP7296059B2 - 積層体およびそれを備える包装袋 - Google Patents
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Description
少なくとも、基材層と、シーラント層とをこの順に備える積層体であって、
前記積層体が帯電防止性能を有し、
前記シーラント層が、前記基材層側から順に、内層、中間層、および外層の3層構成であり、
前記シーラント層の中間層が、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含み、
前記シーラント層全体の厚みが40μm以上70μm以下である、積層体が提供される。
本発明による積層体は、少なくとも、基材層と、シーラント層とをこの順に備え、シーラント層が、基材層側から順に、内層、中間層、および外層の3層構成であり、帯電防止性能を有するものである。積層体が帯電防止性能を有することで、積層体を用いて製造した包装袋は、内容物が粉状体であっても取り出しの際に包装袋の周りに粉状体が付着するのを抑制することができる。積層体は、さらに、印刷層や接着層、他の層等をさらに備えてもよい。積層体が他の層を2層以上備える場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
図1に示した積層体10は、基材層11と、内層13、中間層14、および外層15からなる3層構成のシーラント層12とをこの順に備えるものである。積層体10を備える包装袋は、シーラント層14が内容物側に位置する。
図2に示した積層体20は、基材層21と、印刷層26と、接着層27と、内層23、中間層24、および外層25からなる3層構成のシーラント層22とをこの順に備えるものである。積層体20を備える包装袋は、シーラント層24が内容物側に位置する。
以下、積層体を構成する各層について説明する。
本発明による積層体は、包装袋を製造する際に、基材層を備えるものである。基材層に帯電防止性能を付与することで、積層体を用いて製造した包装袋は、粉状体である内容物の取り出しの際に包装袋の周りに粉状体が付着するのを抑制することができる。
基材層が延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合、基材層に用いる延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、引張強度が、MD方向で、好ましくは150MPa以上300MPa以下、より好ましくは200MPa以上300MPa以下、TD方向で、好ましくは150MPa以上300MPa以下、より好ましくは150MPa以上300MPa以下であり、また、引張伸度が、MD方向で、好ましくは50%以上250%以下、より好ましくは70%以上200%以下であり、TD方向で好ましくは50%以上250%以下、より好ましくは60%以上200%以下である。
基材層が延伸ナイロンフィルムである場合、基材層に用いる延伸ナイロンフィルムは、引張強度が、MD方向で、好ましくは150MPa以上350MPa以下、より好ましくは200MPa以上300MPa以下、TD方向で、好ましくは150MPa以上400MPa以下、より好ましくは200MPa以上350MPa以下であり、また、引張伸度が、MD方向で、好ましくは50%以上200%以下、より好ましくは70%以上150%以下であり、TD方向で好ましくは30%以上200%以下、より好ましくは50%以上150%以下である。
基材層が延伸ポリプロピレンフィルムである場合、基材層に用いる延伸ポリプロピレンフィルムは、引張強度が、MD方向で、好ましくは50MPa以上250MPa以下、より好ましくは70MPa以上200MPa以下、TD方向で、好ましくは150MPa以上450MPa以下、より好ましくは200MPa以上400MPa以下であり、また、引張伸度が、MD方向で、好ましくは100%以上300%以下、より好ましくは150%以上250%以下であり、TD方向で好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは30%以上80%以下である。
上記の引張強度および引張伸度は、JIS K 7127に準拠して測定することができる。
上記基材層に帯電防止性能を付与する代わりに、別途、基材層上に、上記帯電防止剤を含む帯電防止層を設けてもよい。帯電防止層は、包装袋を製造した際には最外層に位置することになる。帯電防止層は、上記帯電防止剤を含むものであれば特に限定されない。帯電防止層の製造方法は、特に限定されないが、基材層と同様の樹脂組成物を用いて形成することができ、該樹脂組成物を成膜して帯電防止フィルムを形成することが好ましい。
本発明による積層体は、包装袋を製造する際に内容物側となるシーラント層を備えるものである。シーラント層は、上記基材層側から順に、内層、中間層、および外層の3層構成である。
Pbio(%)=PC14/105.5×100
なお、PMCとは、Percent Modern Carbonの略である。
印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者などの表示、その他などの表示や美感の付与のために、文字、数字、絵柄、図形、記号、模様などの所望の任意の印刷模様を形成する層である。印刷層は、必要に応じて設けることができ、例えば、基材層とシーラント層の間に設けることができる。印刷層は、基材層の全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、その形成方法は特に限定されない。
接着層は、任意の2層を接着する場合に設けられる層であり、例えば、印刷層とシーラント層の間に設けることができる。
本発明による積層体は、他の層として、熱可塑性樹脂層等をさらに備えていてもよい。熱可塑性樹脂層としては、接着樹脂層と同じ材料を用いることができる。
本発明による積層体の製造方法は特に限定されず、ドライラミネート法、サンドラミネート法等の従来公知の方法を用いて製造することができる。
本発明による包装袋は、上記積層体を備えるものである。例えば、上記積層体を使用し、これを二つ折にするか、又は該積層体2枚を用意し、そのシーラントの面を対向させて重ね合わせ、さらにその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋を製造することができる。
図3に示したパウチ30は、スタンディングパウチ形式で作製したものであり、壁面フィルム(上記積層体を使用する)31、31′のシーラント層同士を対向して配置し、壁面フィルム31、31′の下部の間に底面フィルム(壁面フィルムと同じてあっても異なっていてもよい)32を内側に折り返して底面フィルム折り返し部33まで挿入してなるガセット部を有する形式に形成されており、周縁部を含む船底形の底部シール部34でヒートシールされ底部が形成される。このとき、山折りされた底面フィルム32の両側下端近傍に略半円形の底面シートの切り欠き部32a、32bが設けておき、底部シール部34を形成するようにしてもよい。次いで、壁面フィルム31、31′の両側端縁部を側部シール部35a、35bでヒートシールして胴部が形成され、上端部を残して内容物の充填口とする。そして、上端部の充填口に設けた上部シール部36は、この部分から内容物を充填した後、例えば、脱気シールなどによりヒートシールして密封するものである。なお、上部シール部36の下方には、一方の壁面フィルムにチャックテープの雄型テープを取り付け、他方の壁面フィルムに雌型テープを取り付けたチャックテープ37を設けて、チャックテープ付スタンディングパウチとしても良い。また、上部シール部36とチャックテープ37の間には、印刷による切り取り線38とその両端にノッチ39a、39bを設けてもよい。なお、上述の例では、2枚の壁面フィルムと、1枚の底面フィルムを用いてスタンディングパウチ30を構成する例について説明したが、1枚のフィルムまたは2枚のフィルムを用いてスタンディングパウチを構成するようにしてもよい。
本発明の第3の態様によれば、
少なくとも、基材層と、シーラント層とをこの順に備える積層体であって、
前記積層体が帯電防止性能を有し、
前記シーラント層が、前記基材層側から順に、内層、中間層、および外層の3層構成であり、
前記シーラント層の中間層が、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含む、積層体が提供される。
本発明の第3の態様においては、前記シーラント層の中間層が、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンをさらに含むことが好ましい。
本発明の第3の態様においては、前記シーラント層の内層および外層が、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。
本発明の第3の態様においては、前記シーラント層の中間層のバイオマス度が、50%以上95%以下であることが好ましい。
本発明の第3の態様においては、前記シーラント層全体のバイオマス度が、10%以上35%以下であることが好ましい。
本発明の第3の態様においては、前記シーラント層全体の厚みが、40μm以上80μm以下であることが好ましい。
本発明の第3の態様においては、前記基材層が、帯電防止剤を含むことが好ましい。
本発明の第3の態様においては、前記積層体が、前記基材層と前記シーラント層の間に、印刷層をさらに備えることが好ましい。
本発明の第3の態様においては、前記積層体が、前記印刷層と前記シーラント層の間に、接着層をさらに備えることが好ましい。
本発明の第4の態様においては、前記積層体を備える包装袋が提供される。
<積層体1の作製>
基材層として帯電防止2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm、ユニチカ(株)製、エンブレットPTME)を準備し、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面にグラビア印刷により印刷層を形成した。また、内層として化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.918g/cm3、MFR:3.8g/10分、バイオマス度:0%)の樹脂と、中間層としてバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン80質量部(LLDPE、ブラスケム社製、商品名:SLL118、密度:0.916g/cm3、MFR:1.0g/10分、バイオマス度87%)および化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン20質量部からなる混合樹脂(バイオマス度70%)と、外層として化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.918g/cm3、MFR:3.8g/10分、バイオマス度:0%)の樹脂の3層を共押し出しして、インフレーション法にて製膜し、バイオマス由来の積層ポリエチレンフィルム(バイオマス度23%、厚さ50μm、各層の厚さの比(内層:中間層:外層)=1:1:1)を得た。次に、該帯電防止2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの印刷層面と、上記バイオマス由来の積層ポリエチレンフィルムの内層面とを2液硬化型接着剤(三井化学(株)製、A-969V/A-5)を用いて貼り合わせて、基材層、印刷層、接着層、およびシーラント層(内層、中間層、外層)が順に積層された積層体1を得た。
<積層体2の作製>
基材層の帯電防止2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを、帯電防止剤を含有しない2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体2を得た。
実施例1で得られた積層体を壁面フィルムおよび底面フィルムとして用い、シーラント層同士をヒートシールして、さらに上部に直鎖状低密度ポリエチレン製のチャックテープ(出光ユニテック(株)製、商品名:LL-217)を取り付けて、図3に示すチャックテープ付スタンディングパウチを作製した。同様にして、比較例1で得られた積層体を用いて図3に示すスタンディングパウチを作製した。
上記で得られた各パウチに、小麦粉を充填し、ヒートシールして密封した。次いで、これらのパウチの上部を開封し、チャックテープの嵌合を外した後、開口部を斜めに傾けて小麦粉を取り出したときに、小麦粉がパウチの開口付近の内面に付着する度合を確認した。結果、実施例1は比較例1に比べて、パウチの内面に付着する小麦粉の量を少なくすることができた。
11、21 基材層
12、22 シーラント層
13、23 内層
14、24 中間層
15、25 外層
26 印刷層
27 接着層
30 包装袋
31、31′壁面フィルム
32 底面フィルム
32a、32b 底面フィルム切り欠き部
33 底面フィルム折り返し部
34 底部シール部
35a、35b 側部シール部
36 上部シール部
37 チャックテープ
38 切り取り線
39a、39b ノッチ
Claims (8)
- 少なくとも、基材層と、シーラント層とをこの順に備える積層体であって、
前記積層体が帯電防止性能を有し、
前記シーラント層が、前記基材層側から順に、内層、中間層、および外層の3層構成であり、
前記シーラント層の中間層を構成する樹脂が、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンおよび化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンのみであり、
前記シーラント層の内層を構成する樹脂が、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンのみであり、
前記シーラント層全体の厚みが40μm以上70μm以下である、積層体。 - 前記シーラント層の外層が、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含む、請求項1に記載の積層体。
- 前記シーラント層の中間層のバイオマス度が、50%以上95%以下である、請求項1または2に記載の積層体。
- 前記シーラント層全体のバイオマス度が、10%以上35%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記基材層が、帯電防止剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記積層体が、前記基材層と前記シーラント層の間に、印刷層をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記積層体が、前記印刷層と前記シーラント層の間に、接着層をさらに備える、請求項6に記載の積層体。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装袋。
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