JP7295629B2 - 樹脂成形体、樹脂組成物および樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂成形体、樹脂組成物および樹脂成形体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7295629B2
JP7295629B2 JP2018225639A JP2018225639A JP7295629B2 JP 7295629 B2 JP7295629 B2 JP 7295629B2 JP 2018225639 A JP2018225639 A JP 2018225639A JP 2018225639 A JP2018225639 A JP 2018225639A JP 7295629 B2 JP7295629 B2 JP 7295629B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boron nitride
hexagonal boron
resin
resin molding
molded body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018225639A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020084154A (ja
Inventor
勲 正田
誠司 今澄
喜孝 稲木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP2018225639A priority Critical patent/JP7295629B2/ja
Publication of JP2020084154A publication Critical patent/JP2020084154A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7295629B2 publication Critical patent/JP7295629B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は樹脂成形体、樹脂組成物および樹脂成形体の製造方法に関する。
近年、電子部品の小型化およびハイパワー化が要求されている。それにより、電子部品において多量の発熱が起こるため、電子部品に絶縁耐力および熱伝導性を備えた素材の開発が行われている。
特許文献1では、六方晶窒化ホウ素凝集粒子を樹脂成形体に配合することにより、絶縁耐力を備え、熱伝導性を向上させた樹脂成形体が開示されている。
特開2017-82091号公報
上述の特許文献1に示す従来技術では、無機フィラーとして、空隙率と、圧壊強度と、平均粒子径と、を調節した窒化ホウ素凝集粉を用いることにより、絶縁耐力および熱伝導性を向上させている。しかしながら、優れた絶縁耐力および熱伝導性を両立するという観点からは、更に改善の余地があった。
本発明の一態様は、絶縁耐力および熱伝導性に優れた樹脂成形体を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者が鋭意研究を行った結果、六方晶窒化ホウ素が樹脂成形体の厚さ方向に連続した相を形成することにより、絶縁耐力および熱伝導性に優れた樹脂成形体を実現できることを見出した。即ち、本発明は以下の構成を含む。
〔1〕六方晶窒化ホウ素と樹脂とを含む樹脂成形体であって、前記樹脂成形体の厚さ方向の断面を走査電子顕微鏡により500倍で撮影した画像における任意の100μm四方の範囲において、前記樹脂成形体の厚さ方向に前記六方晶窒化ホウ素が連続した相が形成されており、前記画像において、前記六方晶窒化ホウ素が前記樹脂成形体に占める面積の割合が50~90%である樹脂成形体。
〔2〕前記画像における任意の100μm四方において、前記樹脂成形体の幅方向に連続した前記樹脂の長さが70μm以下である、〔1〕に記載の樹脂成形体。
〔3〕前記樹脂成形体はさらに、長径が20~80μmである窒化アルミニウム粒子を含み、前記画像において、前記窒化アルミニウム粒子が前記樹脂成形体に占める面積の割合が15~60%である、〔1〕または〔2〕に記載の樹脂成形体。
〔4〕温度波熱分析法にて測定された熱伝導率が15W/m・K以上である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
〔5〕前記六方晶窒化ホウ素が連続した相は、前記六方晶窒化ホウ素の単粒子が凝集した六方晶窒化ホウ素凝集粒子、および、前記樹脂と複合化し、前記樹脂成形体において網目状に存在する六方晶窒化ホウ素微細粒子、を含む、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
〔6〕六方晶窒化ホウ素凝集粒子および六方晶窒化ホウ素微細粒子を含む樹脂組成物であって、前記六方晶窒化ホウ素凝集粒子は、長径が10~30μmであり、厚みが1~3μmである六方晶窒化ホウ素の単粒子が凝集した粒子であり、前記六方晶窒化ホウ素微細粒子は、前記単粒子、および、前記単粒子が凝集し、粒度分布曲線における体積頻度のピーク粒子径が30μm以下の粒子の少なくともいずれか一方を含む粒子である、樹脂組成物。
〔7〕前記六方晶窒化ホウ素凝集粒子の粒度分布曲線における体積頻度のピーク粒子径が20~150μmである、〔6〕に記載の樹脂組成物。
〔8〕〔6〕または〔7〕に記載の樹脂組成物を硬化させた、樹脂成形体。
〔9〕六方晶窒化ホウ素を含む樹脂成形体の製造方法であって、樹脂100体積部に対し、粒度分布曲線における累積体積頻度が50%の粒子径が10~60μmの六方晶窒化ホウ素粉末を50~200体積部と溶剤とを混合する混合工程と、前記混合工程によって得られた混合物を塗工する塗工工程と、前記塗工工程を経た混合物から溶剤を除去する溶剤除去工程と、前記溶剤除去工程を経た混合物を硬化させる硬化工程と、を含み、前記六方晶窒化ホウ素粉末は、粒度分布曲線における累積体積頻度が90%の粒子径(D90)と粒度分布曲線における累積体積頻度が10%の粒子径(D10)との比(D90/D10)が3~15である、樹脂成形体の製造方法。
本発明の一態様によれば、樹脂成形体は、樹脂と複合化しているため、絶縁耐力にも優れる。また、六方晶窒化ホウ素から形成された高熱伝導相が、樹脂成形体の厚さ方向に連続しているため、熱伝導性に優れる。
(a)は本発明の実施例1に係る樹脂成形体の500倍で撮影した走査電子顕微鏡画像を示す図であり、(b)は本発明の実施例1に係る樹脂成形体の500倍で撮影した走査電子顕微鏡画像の画像解析結果を示す図である。 (a)は本発明の実施例2に係る樹脂成形体の500倍で撮影した走査電子顕微鏡画像を示す図であり、(b)は本発明の実施例2に係る樹脂成形体の500倍で撮影した走査電子顕微鏡画像の画像解析結果を示す図である。 (a)は比較例1に係る樹脂成形体の500倍で撮影した走査電子顕微鏡画像を示す図であり、(b)は比較例1に係る樹脂成形体の500倍で撮影した走査電子顕微鏡画像の画像解析結果を示す図である。 (a)は比較例2に係る樹脂成形体の500倍で撮影した走査電子顕微鏡画像を示す図であり、(b)は比較例2に係る樹脂成形体の500倍で撮影した走査電子顕微鏡画像の画像解析結果を示す図である。 (a)は本発明の実施例において用いられた六方晶窒化ホウ素粉末Aの500倍で撮影した走査電子顕微鏡画像を示す図であり、(b)は本発明の実施例において用いられた六方晶窒化ホウ素粉末Bの走査電子顕微鏡画像を示す図であり、(c)は本発明の実施例において沈降法により沈降した六方晶窒化ホウ素粉末の走査電子顕微鏡画像を示す図であり、(d)は本発明の実施例において用いられた六方晶窒化ホウ素粉末Cの走査電子顕微鏡画像を示す図である。 本発明の実施例において用いられた六方晶窒化ホウ素粉末Aの粒度分布を示す図である。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述の従来技術では、樹脂成形体における六方晶窒化ホウ素単粒子の配向性に着目して検討されており、六方晶窒化ホウ素が樹脂成形体における厚さ方向に連続する連続相については全く考慮されていない。本発明の発明者らは、樹脂成形体における六方晶窒化ホウ素の連続相について独自に着目し検討を行った。以下、詳説する。
〔1.樹脂成形体〕
本発明の一実施形態に係る樹脂成形体は、六方晶窒化ホウ素と樹脂とを含み、前記樹脂成形体の厚さ方向の断面を走査電子顕微鏡により500倍で撮影した画像における任意の100μm四方の範囲において、前記樹脂成形体の厚さ方向に前記六方晶窒化ホウ素が連続した相が形成されており、前記画像において、前記六方晶窒化ホウ素が前記樹脂成形体に占める面積の割合が50~90%である。
樹脂成形体は、前記六方晶窒化ホウ素を含むことにより熱伝導性に優れる。また、樹脂成形体は、樹脂と複合しているため、絶縁耐力に優れる。さらに、六方晶窒化ホウ素から形成された高熱伝導相が、樹脂成形体の厚さ方向に連続しているため、熱伝導性がさらに優れる。
樹脂成形体の形状および寸法は特に限定されないが、例えば、樹脂成形体は厚さ0.05~2mmのシート状の形状である。この厚さ方向の断面において、六方晶窒化ホウ素および樹脂の分散状態を判断する。
当該樹脂成形体は、後述の樹脂組成物を硬化させたものであってもよい。
<1-1.六方晶窒化ホウ素>
本発明の一実施形態に係る樹脂成形体は、六方晶窒化ホウ素を含んでいる。当該樹脂成形体の厚さ方向の断面を走査電子顕微鏡により500倍で撮影した画像における任意の100μm四方の範囲において、樹脂成形体の厚さ方向に六方晶窒化ホウ素が連続した相が形成されている。六方晶窒化ホウ素は熱伝導性に優れる。このような六方晶窒化ホウ素から形成された高熱伝導相が、樹脂成形体の厚さ方向に連続しているため、樹脂成形体はさらに優れた熱伝導性を示す。
例えば、図1は後述の実施例1の樹脂成形体の厚さ方向の断面のSEM画像を示す図である。この図1を参照すれば、六方晶窒化ホウ素の相(図1の(a)における黒い領域、図1の(b)における白い領域)が樹脂成形体の厚さ方向に連続していることがわかる。本明細書において、「樹脂成形体の厚さ方向に六方晶窒化ホウ素が連続した」とは、上記画像における任意の100μm四方の範囲において、厚さ方向に途切れることなく六方晶窒化ホウ素が連続している領域が存在することを意図する。
走査電子顕微鏡により撮影された画像において、樹脂成形体に六方晶窒化ホウ素の占める面積の割合が50~90%であることが好ましく、60~80%であることがさらに好ましい。六方晶窒化ホウ素が樹脂成形体に占める面積の割合が50%以上であれば、樹脂成形体の厚さ方向における連続相を形成できる。それにより、樹脂成形体に良好な熱伝導性が得られる。また、六方晶窒化ホウ素が樹脂成形体に占める面積の割合が90%以下であれば、樹脂成形体に良好な絶縁耐力が得られる。
六方晶窒化ホウ素が連続した相は、前記六方晶窒化ホウ素の単粒子が凝集した六方晶窒化ホウ素凝集粒子、および、前記樹脂と複合化し、前記樹脂成形体において網目状に存在する六方晶窒化ホウ素微細粒子を含み得る。
本明細書において、六方晶窒化ホウ素凝集粒子は、六方晶窒化ホウ素の単粒子が凝集した粒子を意図する。また、本明細書において、六方晶窒化ホウ素微細粒子は、長径が10~30μm、かつ、厚みが1~3μmの大きさの六方晶窒化ホウ素の単粒子と、六方晶窒化ホウ素の単粒子が凝集した小さな凝集体と、の混合物を意図する。六方晶窒化ホウ素微細粒子は、樹脂成形体において、樹脂と複合化し網目状に存在し、上述した六方晶窒化ホウ素凝集粒子同士をつなぐことにより六方晶窒化ホウ素凝集粒子の間に熱を伝達しやすくする。六方晶窒化ホウ素微細粒子は、六方晶窒化ホウ素の単粒子であってよく、六方晶窒化ホウ素が凝集した粒子のうち、粒度分布曲線における体積頻度のピーク粒子径が30μm以下の粒子を含んでよい。
<1-2.樹脂>
本発明の一実施形態に係る樹脂成形体は樹脂を含んでいる。樹脂は、特に制限されず、例えばエポキシ系樹脂であってよい。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型の水素添加エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ポリテトラメチレングリコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラキスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂、およびビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物型のエポキシ樹脂等が挙げられる。これらエポキシ樹脂の1種を単独で、あるいは、2種以上を混合して使用してもよい。また、硬化剤としてアミン系樹脂、酸無水物系樹脂、フェノール系樹脂、イミダゾール類等を用いてもよい。これら硬化剤も1種を単独で、あるいは、2種以上を混合して使用してもよい。これら、硬化剤のエポキシ樹脂に対する配合量は、エポキシ樹脂に対する当量比で、0.5~1.5当量比、好ましくは0.7~1.3当量比である。本明細書において、これらの硬化剤も樹脂に包含される。
また、樹脂成形体は、前記樹脂成形体の厚さ方向の断面を走査電子顕微鏡により500倍で撮影した画像における任意の100μm四方の範囲において、樹脂成形体の幅方向に連続した樹脂の長さが70μm以下であることが好ましい。また、樹脂の長さは60μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、40μm以下であることが特に好ましく、30μm以下であることが最も好ましい。なお、本明細書において、「樹脂成形体の幅方向に連続した樹脂の長さ」は、前記任意の100μm四方の範囲における最大値を意図する。例えば図1を参照すれば、樹脂の相(図1の(a)における白い領域、図1の(b)における黒い領域)が適度に分散しており、樹脂成形体の幅方向に連続した樹脂の長さが短いことがわかる。
樹脂成形体の幅方向に連続した樹脂の長さが70μm以下であることにより、樹脂成形体の厚さ方向に六方晶窒化ホウ素が連続した相が形成できる。すなわち、樹脂成形体の幅方向に連続した樹脂の長さが短ければ、六方晶窒化ホウ素が連続した相が、樹脂成形体の厚さ方向においては樹脂によって分断され難い。それにより、樹脂成形体の厚さ方向に良好な熱伝導性が得られる。
<1-3.その他の成分>
樹脂成形体は、六方晶窒化ホウ素および樹脂以外の成分を含んでいてもよい。このような成分を本明細書において「その他の成分」と称する。
例えば、樹脂成形体は無機フィラーを含んでいてもよい。無機フィラーとしては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク等が挙げられる。樹脂成形体は、窒化アルミニウムまたは酸化アルミニウムを含むことが好ましく、窒化アルミニウムを含むことがより好ましい。
樹脂成形体は、酸化アルミニウムとして、長径が0.3~5μmの酸化アルミニウムを含んでもよい。樹脂成形体は、酸化アルミニウムを含むことにより、六方晶窒化ホウ素と樹脂との界面の空隙を埋めることにより絶縁耐力の低下を抑制できる、さらに、酸化アルミニウムが樹脂中に分散することにより熱伝導率も向上する。さらに、樹脂成形体の塗工性が向上し、樹脂成形体の厚み精度および表面状態を改善できる。
樹脂成形体は、窒化アルミニウムとして、長径が20~80μmの窒化アルミニウム粒子を含んでもよく、長径が30~75μmの窒化アルミニウムを含むことがより好ましく、40~70μmの窒化アルミニウムを含むことがさらに好ましい。窒化アルミニウムの長径は、樹脂成形体の厚みの1/10~1/2の範囲であることが好ましい。窒化アルミニウムは、六方晶窒化ホウ素および樹脂よりも熱伝導率が高い材料であるため、長径が20~80μmの窒化アルミニウム粒子を含むことにより、熱伝導率が上昇する。また、窒化アルミニウム粒子と六方晶窒化ホウ素との接する界面が熱抵抗となるため、窒化アルミニウム粒子の長径を20μm以上とすることにより、界面の面積が小さくなる。それにより、熱伝導率が上昇する。また、走査電子顕微鏡により撮影された画像において、窒化アルミニウムが樹脂成形体に占める面積の割合が15~60%であることが好ましく、面積の割合が20~40%であることがより好ましい。窒化アルミニウムとして上述の画像において20%以上とすることにより、熱伝導率が上昇する。また、窒化アルミニウムとして上述の画像において60%以下とすることにより絶縁耐力の低下を抑制できる。
なお、樹脂成形体が窒化アルミニウム粒子を含む場合では、窒化アルミニウム自体が熱伝導性の高い相である。そこで、前記の樹脂成形体に六方晶窒化ホウ素の占める面積の割合は、樹脂成形体の断面の走査電子顕微鏡写真において、窒化アルミニウムの領域を除いた面積における六方晶窒化ホウ素の占める面積の割合とする。
さらに、樹脂成形体は、硬化促進剤、変色防止剤、界面活性剤、分散剤、カップリング剤、着色剤、可塑剤、粘度調整剤、抗菌剤などを本発明の効果に影響を与えない範囲で適宜含んでいてもよい。
〔1-4.樹脂成形体の物性〕
樹脂成形体は、温度波熱分析法(ISO22007-3)に準拠して測定した熱伝導率が、15W/m・K以上であることが好ましい。樹脂成形体の熱伝導率が15W/m・K以上であることにより良好な熱伝導性を有する。
樹脂形成体は、JIS K6911の熱硬化性プラスチック一般試験方法に準拠して測定した絶縁耐力が、30kV/mm以上であることが好ましい。樹脂成形体の絶縁耐力が30kV/mm以上であることにより、樹脂成形体の絶縁性に優れる。
〔2.樹脂組成物〕
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、六方晶窒化ホウ素凝集粒子および六方晶窒化ホウ素微細粒子を含む樹脂組成物であって、前記六方晶窒化ホウ素凝集粒子は、長径が10~30μmであり、厚みが1~3μmである六方晶窒化ホウ素の単粒子が凝集した粒子であり、前記六方晶窒化ホウ素微細粒子は、前記単粒子、および、前記単粒子が凝集し、粒度分布曲線における体積頻度のピーク粒子径が30μm以下の粒子の少なくともいずれか一方を含む粒子である。
六方晶窒化ホウ素凝集粒子は、粒度分布曲線における体積頻度のピーク粒子径が20~150μmであることが好ましく、40~100μmであることがより好ましく、50~80μmであることがさらに好ましい。ピーク粒子径が20μm以上であることにより、熱伝導率を向上させることができる。また、ピーク粒子径が150μm以下であることにより、樹脂組成物において均一に分散させ、絶縁耐力を向上させることができる。
樹脂組成物に含まれる六方晶窒化ホウ素は、前記六方晶窒化ホウ素凝集粒子に加えて、粒度分布曲線における体積頻度のピーク粒子径が10~30μmである六方晶窒化ホウ素微細粒子を含んでいてもよい。
六方晶窒化ホウ素微細粒子は、長径が10~30μm、かつ、厚みが1~3μmの大きさの六方晶窒化ホウ素の単粒子と、粒度分布曲線における体積頻度のピーク粒子径が30μm以下の小さな凝集体と、を含み得る。これにより、樹脂成形体の形成時に六方晶窒化ホウ素微細粒子と樹脂とが複合化し、その結果、網目状の相が形成されやすくなる。なお、六方晶窒化ホウ素微細粒子は、六方晶窒化ホウ素凝集粒子を粉砕することにより調製してよく、振動篩、気流分級、水篩、遠心分離、沈降分離等の公知の篩分け、乾式分級、湿式分級などの方法で分級することにより調製してよい。あるいは、長径が10~30μm、かつ、厚みが1~3μmの大きさの六方晶窒化ホウ素の単粒子を、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の硬化性樹脂で凝集させた後、前記の方法により分級することで調製してもよい。
樹脂組成物は、六方晶窒化ホウ素および上述の樹脂に加え、上述のその他の成分を含んでいてもよい。また、樹脂組成物は、後述の樹脂成形体の製造方法における混合工程で得られるものであってもよい。
〔3.樹脂成形体の製造方法〕
本発明の一実施形態に係る樹脂成形体の製造方法は、混合工程と、塗工工程と、溶剤除去工程と、硬化工程と、を含む。
<3-1.混合工程>
混合工程は、樹脂100体積部に対して、粒度分布曲線における累積体積頻度が50%の粒子径(D50)が10~60μmの六方晶窒化ホウ素粉末を50~200体積部混合する工程である。六方晶窒化ホウ素粉末のD50は、20~50μmであることがより好ましく、20~40μmであることがさらに好ましい。また、六方晶窒化ホウ素粉末は80~180体積部混合されることがより好ましく、100~160体積部混合されることがより好ましい。なお、樹脂と六方晶窒化ホウ素粉末との混合方法は特に限定されないが、例えば一般的の攪拌機、プラネタリーミキサー、または自点公転ミキサー等の装置を用いることができる。樹脂としては、上述の樹脂が挙げられる。また、上述のその他の成分を混合してもよい。
六方晶窒化ホウ素粉末は、上述の六方晶窒化ホウ素凝集粒子および六方晶窒化ホウ素微細粒子を含み得る。六方晶窒化ホウ素粉末は、粒度分布曲線における累積体積頻度が90%の粒子径(D90)と、粒度分布曲線における累積体積頻度が10%の粒子径(D10)と、の比(D90/D10)が3~15であることが好ましく、4~12であることがより好ましく、5~10であることがさらに好ましい。D90/D10が3以上であることにより、樹脂成形体中での充填性に優れ、熱伝導率が高くなる。さらに、混合物の粘度が低くなり溶剤の添加量を少なくできる。また、D90/D10が15以下であることにより、六方晶窒化ホウ素凝集粒子の粗大粒子が少なくなる。それにより、塗工むら等がなく、良好な塗工性能が得られる。さらに、六方晶窒化ホウ素の粒度分布曲線における累積体積頻度が50%の粒子径(D50)が、10μm~60μmであることが好ましく、20~50μmであることがさらに好ましい。D50が10μm以上であることにより、樹脂成形体において高い熱伝導率が得られる。また、D50が60μm以上であることにより、樹脂成形体の絶縁耐力が高くなる。なお、上述したD90を六方晶窒化ホウ素凝集粒子の粒度分布曲線における体積頻度のピーク粒子径としてもよく、D10を六方晶窒化ホウ素微細粒子の粒度分布曲線における体積頻度のピーク粒子径としてもよい。
六方晶窒化ホウ素は、D90/D10が3~15、かつ、D50が10μm~60μmとなるように六方晶窒化ホウ素凝集粒子と、六方晶窒化ホウ素微細粒子と、を配合する割合を調節してもよい。
上述の混合工程において、六方晶窒化ホウ素およびその他の成分の、樹脂への分散性を高め、また、混合物の粘度を低減して次工程での塗工性を良好にする目的で、使用する樹脂と親和性の高い溶剤を必要に応じて添加してもよい。
溶剤としては、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類、2-メトキシエタノール、1-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、1-エトキシー2-プロパノール、2-ブトキシエタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタノール、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコール類が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で、あるいは、2種以上を混合して使用してもよい。
前記混合工程において、樹脂、六方晶窒化ホウ素粉末、溶剤、およびその他の成分を同時に混合してよい。さらに、各成分を任意の順に混合し、順次、他成分を配合および混合してもよい。
混合工程では、撹拌速度および溶剤の添加量などにより混合工程中に六方晶窒化ホウ素凝集粒子が破壊される虞がある。六方晶窒化ホウ素凝集粒子が破壊された場合には、六方晶窒化ホウ素が連続した相が形成されにくくなる。六方晶窒化ホウ素凝集粒子が破壊されたか否かは、撹拌時に粘度の変化として現れる。そこで、混合工程を通じ粘度を測定することが好ましい。また、混合工程において、粘度の変化が判明した場合では、撹拌速度を変更することが好ましい。さらに、次工程の塗工において、塗工むらが無く、一定の塗工厚みが得られるように、適宜溶剤を添加して粘度を調整することが好ましい。調整する粘度は、塗工速度および塗工方法により適宜調整すればよいが、例えば、混合工程において、ブルックフィールド型回転粘度計における剪断速度が200s-1における粘度が600~1000mPa・sであることが好ましく、700~800mPa・sであることがより好ましい。
<3-2.塗工工程>
塗工工程は、上述の混合工程において得られた混合物を塗工する工程である。塗工工程では、フィルムまたは金属箔など基材の上に混合物を均一の厚さとなるよう塗工することが好ましい。塗工工程に用いる装置は、特に限定されない。
<3-3.溶剤除去工程>
溶剤除去工程は、上述の塗工工程を経た混合物から溶剤を除去する工程である。溶剤の除去方法は特に限定されず、ドラフト内において常温で通風乾燥してよく、オーブン等を用いた高温での加熱乾燥、さらに、真空乾燥機を用いて高温で減圧乾燥させてもよい。溶剤除去工程で溶剤の揮発による気泡を発生させず、緻密な塗工膜を得るためには、一定の溶剤を常温通風乾燥で除去した後に、高温で真空乾燥することが好ましい。真空乾燥の際の乾燥温度と時間とは、使用する溶剤と、樹脂および硬化剤と、の組合せにより適宜選択すればよい。溶剤の除去が不十分な場合には、次の硬化工程において、溶剤の揮発による気泡が空隙(ボイド)の原因となり絶縁耐力を低下させる。また、乾燥温度が高すぎる場合、または時間が長すぎる場合には、溶剤除去工程で樹脂の硬化が一定以上進んで、硬化工程後の樹脂成形体中に亀裂等の欠陥が生じやすく、絶縁耐力を低下させる。このため、溶剤の沸点、樹脂と硬化剤の硬化温度と硬化時間により、乾燥温度を適宜選択することが好ましい。例えば、実施例に示す、溶剤:シクロヘキサノン、樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤:変性芳香族アミンの組合せでは、真空条件下、乾燥温度は80~150℃であることが好ましく、90~140℃であることがより好ましい。乾燥時間は10~60分であることが好ましく、15~40分であることがより好ましい。
<3-4.硬化工程>
硬化工程は、上述の溶媒除去工程を経た混合物を硬化させる工程である。この硬化工程により、樹脂成形体を得ることができる。硬化工程における硬化方法は特に限定されないが、高温にて加熱・加圧することにより硬化させることが好ましい。さらに、塗工により形成された膜中のガス成分を取り除き、緻密で熱伝導率および絶縁耐力の高い樹脂成形体を得るために、真空減圧下で加熱・加圧して硬化させることがより好ましい。硬化温度および時間も、使用する樹脂と硬化剤の組合せにより適宜選択すればよい。さらに、硬化の際には樹脂の収縮が起こるため、樹脂成形体中の空隙の発生を抑え、樹脂と六方晶窒化ホウ素との密着性を良好にして、熱伝導率と絶縁耐力の高い樹脂成形体を得るために長時間の加熱・加圧がさらに好ましい。
例えば、実施例に示す、樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤:変性芳香族アミンの組合せでは、硬化温度は120~180℃であることが好ましく、140~180℃であることがより好ましい。硬化時間は0.5時間以上であることが好ましく、1~3時間であることがより好ましい。また、加圧は10MPa以上であることが好ましく、15~30MPaであることが好ましい。
また、高温にて加熱・加圧することにより硬化させた後、樹脂成形体中の樹脂を完全に硬化させ、残留応力を取り除いて寸法安定性等を付与する目的で、大気圧下で熱処理(後硬化処理)を行なってもよい。熱処理の温度は150~250℃であることが好ましく、時間は2~10時間であることが好ましい。熱処理において、温度は一定温度でもよく、また、段階的に高温に上げていくことも好ましい。この場合、前記の高温・加圧での硬化温度よりも高い温度を含むことがより好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の一実施例について以下に説明する。
〔樹脂成形体の評価方法〕
<熱伝導率>
樹脂成形体の熱伝導率(W/m・K)は、熱拡散率(m/秒)×密度(kg/m)×比熱(J/kg・K)で求めた。なお、熱拡散率は温度波熱分析法(アイフェイズ社製:ai-Phase Mobile u、ISO22007-3)、密度はアルキメデス法(メトラー・トレド社製:XS204V)、比熱は示差走査熱量計(DSC)法(リガク社製:Thermo Plus Evo DSC8230)を使用して測定した。
<絶縁耐力>
樹脂成形体の絶縁耐力(kV/mm)は、京南電機社製:耐電圧試験器YPAD-0225を使用し、JIS K6911の熱硬化性プラスチック一般試験方法に準じて測定した。
<断面観察>
樹脂成形体の厚さ方向の断面の観察は、日立ハイテクノロジー社製:イオンミリング装置ArBlade5000を用いて断面試料を加工し、同日立ハイテクノロジー社製:走査型電子顕微鏡(SEM)SU3500を用いて観察、像撮影した。画像の解析には、旭化成エンジニアリング社製の画像解析ソフト「A像くん」の組成解析を使用した。
<粒度分布>
樹脂成形体に用いた六方晶窒化ホウ素の粒度分布の測定は、マイクロトラップ・ベル社製:粒子径分布測定装置MT3000を用い、エタノール分散媒中に六方晶窒化ホウ素を分散させ、超音波処理等の六方晶窒化ホウ素の凝集粒子を破壊する虞のある操作を行なわないで、粒度分布測定を行なった。
〔実施例1〕
<六方晶窒化ホウ素粉末>
本実施例に用いた六方晶窒化ホウ素粉末は、以下に示す方法により作製した。
まず、六方晶窒化ホウ素凝集粒子を含む六方晶窒化ホウ素粉末Aを準備した。六方晶窒化ホウ素粉末Aの粒度分布を図6に示す。粒度分布測定の結果、六方晶窒化ホウ素粉末Aの粒度分布曲線には約20μmおよび約70~80μmの箇所にピークトップが存在し、粒度分布曲線における体積頻度50%の粒子径(D50、メジアン径)が、45.8μmであった。六方晶窒化ホウ素粉末Aの走査電子顕微鏡画像を図5の(a)に示す。
この六方晶窒化ホウ素粉末Aを100g、エタノール800mlに投入し軽く撹拌した後、5分間静置して沈降法により分級した。浮遊分を取り除き、沈降した六方晶窒化ホウ素粉末を回収し、乾燥することで六方晶窒化ホウ素粉末Bを得た。これは、上述の六方晶窒化ホウ素凝集粒子に相当する。沈降した六方晶窒化ホウ素粉末Bは、六方晶窒化ホウ素Aに対して78重量%であった。六方晶窒化ホウ素粉末Bの走査電子顕微鏡画像を図5の(b)に示す。また、エタノールに浮遊した六方晶窒化ホウ素粉末の走査電子顕微鏡画像を図5の(c)に示す。図5の(c)より、六方晶窒化ホウ素の単粒子の多いことがわかる。すなわち、六方晶窒化ホウ素粉末Aに含まれる六方晶窒化ホウ素微細粒子には単粒子が多い。
別途、平均長径が10μm、厚さが1.2μmの鱗片状の六方晶窒化ホウ素粉末を少量のエポキシ樹脂と複合化させて、小粒径の凝集粉を作製した。これは、上述の六方晶窒化ホウ素微細粒子に相当し、特に、六方晶窒化ホウ素の単粒子が凝集した小さな凝集体の割合が多い。
小粒径の凝集粉の作製方法として、PTFE製のビーカーに前記鱗片状の六方晶窒化ホウ素粉末を入れ、該六方晶窒化ホウ素粉末100重量部に対して、エポキシ樹脂を滴下添加した。次いでPTFE製の攪拌羽根を用いて攪拌操作を室温で30分間実施した。得られた混合物をビーカーに入れたまま乾燥機に入れ、窒素雰囲気150℃で3時間加熱しすることによりエポキシ樹脂を硬化させ、六方晶窒化ホウ素の凝集粉末を得た。得られた粉末を六方晶窒化ホウ素粉末Cとした。また、六方晶窒化ホウ素粉末Cの走査電子顕微鏡画像を図5の(d)に示す。
本実施例1では、六方晶窒化ホウ素粉末Bと六方晶窒化ホウ素粉末Cとを重量比で75:25となるようにと混合した。得られた粉末について粒度分布を測定した。
<樹脂組成物の作製方法>
樹脂組成物は、上述のように混合して得られた六方晶窒化ホウ素粉末100重量部に対して、粒子径が0.4μmの酸化アルミニウム(住友化学製、アドバンストアルミナAA-04)および粒子径3μmの酸化アルミニウム(住友化学:アドバンストアルミナAA-3)を各20重量部、樹脂として液状硬化性エポキシ樹脂(三菱化学製、jER828、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量184~194g/eq)を32重量部、およびエポキシ樹脂硬化剤(三菱化学製、jER cure W、変性芳香族アミン、アミン価623~639)8重量部、溶剤として、シクロヘキサノン(和光純薬製、特級)55重量部を加え、自公転ミキサー(倉敷紡績製:マゼルスターKK-250S)を用いて、六方晶窒化ホウ素凝集粒子が破壊されないよう混合した(混合工程)。
混合物の粘度をブルックフィールド型回転粘度計(ブルックフィールド社製:HBDV2TCP)を用いて測定した。剪断速度が200s-1における粘度が700~800mPa・sの範囲となるよう前記シクロヘキサノンを追加で配合し、前記自公転ミキサーを用いて撹拌混合することにより、樹脂組成物を作製した。
ここで、樹脂100体積部に対する六方晶窒化ホウ素粉末の体積部は、六方晶窒化ホウ素とエポキシ樹脂(液状硬化性エポキシ樹脂+エポキシ樹脂硬化剤)の密度をそれぞれ、2.27g/cm、1.17g/cmとして計算した。樹脂100体積部に対する六方晶窒化ホウ素粉末は128.8体積部であった。
<樹脂成形体の作製方法>
上述のように作製された樹脂組成物を、離型性ポリイミドフィルム(宇部興産社製:ユーピレックス-50S、厚さ50μm)上に、自動塗工装置(テスター産業社製:PI-1210)を用い、バード式アプリケータで膜厚300μmとなるように塗工した(塗工工程)。そして、塗工されたフィルムをドラフト内で10分間風乾の後、真空乾燥機を用いて100℃で30分、真空乾燥した(溶剤除去工程)。
そして、乾燥後の樹脂組成物シートを2枚、樹脂組成物層同士が接するように重ねて、真空加熱プレス装置(井元製作所社製:手動油圧真空加熱プレス)を用いて100℃、減圧下で、プレス圧15MPa、3分間熱プレスして圧着させた。続いて150℃に昇温して、減圧下で、プレス圧20MPa、60分間熱プレスして樹脂組成物シートを硬化させた(硬化工程)。
次いで、ボックス型オーブンを用いて165℃で2時間、さらに190℃で2時間の熱処理を行なうことで樹脂を完全に硬化させた。その後、両面のポリイミドフィルムを剥がして樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の厚みは200μmであった。
<樹脂成形体>
作製した樹脂成形体の厚さ方向の断面の500倍で撮影した走査電子顕微鏡画像を図1に示す。図1の(a)は本発明の実施例1に係る樹脂成形体の走査電子顕微鏡画像を示す図であり、図1の(b)は本発明の実施例1に係る樹脂成形体の走査電子顕微鏡画像の画像解析結果を示す図である。なお、図1の(a)において、暗く観える領域が六方晶窒化ホウ素で構成された領域であり、明るく観える領域が樹脂および酸化アルミニウムが含まれる領域である。特に酸化アルミニウムは白い丸のように観える。図1の(b)において、黒く表示されている領域が樹脂および酸化アルミニウムが含まれる領域であり、白く表示されている領域が六方晶窒化ホウ素で構成された領域である。画像解析により、六方晶窒化ホウ素で構成された領域の面積の割合を求めた。同様にして、合計10枚の走査電子顕微鏡画像を撮影して画像解析を行い、平均値を六方晶窒化ホウ素が樹脂成形体に占める面積の割合とした。
そして、図1の(b)に示す2つの枠は、一辺が100μmの範囲である。図1の走査電子顕微鏡画像において、上下方向が樹脂成形体の厚み方向に相当し、左右方向が樹脂成形体の幅方向に相当する。
図1の(b)に示すようにいずれの枠線内においても、六方晶窒化ホウ素が画像上下方向に連続した相が形成されている。また、図1の(b)において、樹脂および酸化アルミニウムが含まれる領域の画像の左右方向へ連続した長さは最大でも50~60μmであった。同様に、合計10枚の走査電子顕微鏡画像を撮影して画像解析を行ない、任意の100μm四方の範囲における六方晶窒化ホウ素の連続した相の形成を確認し、樹脂および酸化アルミニウムが含まれる領域の画像左右方向の最大長さを測定して、平均値を樹脂成形体の幅方向に連続した樹脂の長さとした。
〔実施例2〕
実施例2では、六方晶窒化ホウ素粉末Bと六方晶窒化ホウ素粉末Cとを75:25で混合して使用した。このように混合して得られた六方晶窒化ホウ素粉末100重量部に対して、粒子径0.4μmの酸化アルミニウム(住友化学アドバンストアルミナAA-04)10重量部、粒子径1.5μmの酸化アルミニウム(住友化学アドバンストアルミナAA-1.5)10重量部、D50が33.5μmの窒化アルミニウム粉末を65.5重量部、
液状硬化性エポキシ樹脂(三菱化学jER828、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量184~194g/eq)32重量部、エポキシ樹脂硬化剤(三菱化学jER cure W、変性芳香族アミン、アミン価623~639)8重量部、を配合したこと以外は実施例1と同様に樹脂成形体を作製した。樹脂組成物における窒化アルミニウムの体積分率(%)は、窒化アルミニウムの密度を3.26g/cm、酸化アルミニウムの密度を3.98g/cm、また、前記の六方晶窒化ホウ素2.27g/cm、エポキシ樹脂1.17g/cmより計算により算出した。窒化アルミニウムの体積分率は19.4%であった。
なお、実施例2に係る樹脂成形体の厚さ方向の断面を図2に示す。図2の(a)は本発明の実施例2に係る樹脂成形体の500倍で撮影した走査電子顕微鏡画像を示す図であり、窒化アルミニウムは比較的大きな明るい円として観察される。図2の(b)は本発明の実施例2に係る樹脂成形体の走査電子顕微鏡画像の画像解析結果を示す図である。図2の(a)の走査電子顕微鏡画像における窒化アルミニウムのコントラストが強いため、図2の(b)の画像解析では、前記実施例1の図1の(b)とは異なる色調を用いた。そのため、図2の(b)の画像解析では、前記実施例1の図1の(b)とは画像の白黒が逆転しており、最も黒い領域が六方晶窒化ホウ素で、白い部分が樹脂、中間領域が窒化アルミニウムと酸化アルミニウムである。図2の(b)においても、図1の(b)と同様、いずれの枠線内においても、六方晶窒化ホウ素が画像上下方向に連続した相が形成されている。実施例1と同様にして、六方晶窒化ホウ素が樹脂成形体に占める面積の割合、樹脂成形体の幅方向に連続した樹脂の長さを求めた。
図2の(a)の走査電子顕微鏡画像でもわかるように、窒化アルミニウム(数十μmの大きな明るい円)と酸化アルミニウム(数μmの小さい明るい丸)の輝度が同程度のために、このままの画像解析による区別が困難である。しかしながら、これらは形状と大きさが異なることと、走査電子顕微鏡に装備するエネルギー分散型X線分析装置での元素分析により識別することが可能である。同様の分析は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いても可能である。これらの分析情報をもとに、手動(あるいは自動)で画像を加工することにより、窒化アルミニウムとそれ以外の成分に二値化した後、画像解析により窒化アルミニウムの長径の平均値と面積割合を求めた。同様にして、合計10枚の走査電子顕微鏡画像の解析を行ない、その平均値とした。
実施例2の樹脂成形体の作製に使用した窒化アルミニウムの平均径(D50)が33.5μmであるのに対し、樹脂成形体の断面の走査電子顕微鏡画像から求めた窒化アルミニウムの長径は23.5μmであった。これは、走査電子顕微鏡観察用に作製した断面試料では、切断面が観察された全ての窒化アルミニウム粒子の中心を通っていない、むしろ、ほとんどの粒子の断面が中心から外れており、画像に撮られた粒子の長径は、元の粒子の径よりも小さいことは明白であり、得られた結果は妥当である。
〔実施例3〕
実施例3では、六方晶窒化ホウ素粉末100重量部に対して、D50が33.5μmの窒化アルミニウム粉末を91.7重量部加えた。窒化アルミニウム粉末を加えた量以外は、実施例2と同様に樹脂成形体を作製した。
〔実施例4〕
実施例4では、六方晶窒化ホウ素粉末100重量部に対して、D50が33.5μmの窒化アルミニウム粉末を196.5重量部加えた。窒化アルミニウム粉末を加えた量以外は、実施例2と同様に樹脂成形体を作製した。
〔実施例5〕
実施例5では、硬化工程の二段目のプレスの温度を150℃から170℃としたこと以外は、実施例4と同様に樹脂成形体を作製した。
〔実施例6〕
実施例6では、窒化アルミニウム粉末として、D50が62.8μmの窒化アルミニウム粉末を配合したこと以外は実施例2と同様に樹脂成形体を作製した。
〔実施例7〕
実施例7では、窒化アルミニウム粉末として、D50が62.8μmの窒化アルミニウム粉末を配合したこと以外は実施例3と同様に樹脂成形体を作製した。
〔実施例8〕
六方晶窒化ホウ素凝集粒子を含む六方晶窒化ホウ素粉末D(D50が19.3μm)を使用して、実施例1と同様の分級操作を行ない、六方晶窒化ホウ素粉末Eを得た。六方晶窒化ホウ素粉末Eと六方晶窒化ホウ素粉末Cとを重量比で75:25となるように混合した粉末を用いたこと以外は実施例6と同様に樹脂成形体を作製した。
〔比較例1〕
比較例1では、六方晶窒化ホウ素として六方晶窒化ホウ素粉末Aを用いたこと以外は、実施例1と同様に樹脂成形体を作製した。図3の(a)は本発明の比較例1に係る樹脂成形体の走査電子顕微鏡画像を示す図であり、図3の(b)は本発明の比較例1に係る樹脂成形体の走査電子顕微鏡画像の画像解析結果を示す図である。
図3の(b)ではいずれの枠線においても樹脂が幅方向にほぼ100μmにわたって連続している。換言すれば、六方晶窒化ホウ素の相は厚さ方向に分断されている。
〔比較例2〕
比較例2では、六方晶窒化ホウ素として六方晶窒化ホウ素粉末Aを用いたこと以外は、実施例2と同様に樹脂成形体を作製した。図4の(a)は本発明の比較例2に係る樹脂成形体の走査電子顕微鏡画像を示す図であり、図4の(b)は本発明の比較例2に係る樹脂成形体の走査電子顕微鏡画像の画像解析結果を示す図である。
〔比較例3〕
六方晶窒化ホウ素として六方晶窒化ホウ素粉末Dを用いたこと以外は、実施例8と同様に樹脂成形体を作製した。
〔結果〕
実施例および比較例の結果を以下に示す。
Figure 0007295629000001
Figure 0007295629000002
実施例1~8のいずれの樹脂成形体においても、樹脂の幅方向の長さは、70μm以下であり、六方晶窒化ホウ素の厚さ方向の連続相を形成した。そして、いずれの実施例においても、樹脂成形体の熱伝導率は15W/m・K以上を示した。また、いずれの実施例においても、樹脂成形体の絶縁耐力は、30kV/mm以上を示した。それにより、本実施形態により作製した樹脂成形体は、いずれも熱伝導性および絶縁耐力に優れた樹脂成形体が得られた。
一方、比較例1~3のいずれの樹脂成形体においても、樹脂の幅方向の長さが70μmを超えた。そのため、樹脂成形体の熱伝導率は15W/m・K以下を示した。そのため、熱伝導率に乏しい樹脂成形体が得られた。特に比較例1および3では、100μm四方の枠を超えて樹脂が幅方向に伸びていた。
本発明は、熱伝導性および絶縁耐力に優れた電子部品に利用することができる。

Claims (4)

  1. 六方晶窒化ホウ素粉末と樹脂とを含む樹脂成形体であって、
    前記樹脂成形体の厚さ方向の断面を走査電子顕微鏡により500倍で撮影した画像における任意の100μm四方の範囲において、前記樹脂成形体の厚さ方向に前記六方晶窒化ホウ素粉末が連続した相が形成されており、
    前記画像において、前記六方晶窒化ホウ素粉末が前記樹脂成形体に占める面積の割合が50~90%であり、
    前記六方晶窒化ホウ素粉末は、六方晶窒化ホウ素凝集粒子および六方晶窒化ホウ素微細粒子を含み、
    前記六方晶窒化ホウ素凝集粒子は、粒度分布曲線における体積頻度のピーク粒子径が40~150μmであり、
    前記六方晶窒化ホウ素微細粒子は、単粒子が凝集した凝集体を含み、粒度分布曲線における体積頻度のピーク粒子径が10~30μmであり、
    前記六方晶窒化ホウ素粉末のD90/D10が3~15である、樹脂成形体。
  2. 前記画像における任意の100μm四方において、前記樹脂成形体の幅方向に連続した前記樹脂の長さが70μm以下である、請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 前記樹脂成形体はさらに、長径が20~80μmである窒化アルミニウム粒子を含み、
    前記画像において、前記窒化アルミニウム粒子が前記樹脂成形体に占める面積の割合が15~60%である、請求項1または2に記載の樹脂成形体。
  4. 温度波熱分析法にて測定された熱伝導率が15W/m・K以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
JP2018225639A 2018-11-30 2018-11-30 樹脂成形体、樹脂組成物および樹脂成形体の製造方法 Active JP7295629B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018225639A JP7295629B2 (ja) 2018-11-30 2018-11-30 樹脂成形体、樹脂組成物および樹脂成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018225639A JP7295629B2 (ja) 2018-11-30 2018-11-30 樹脂成形体、樹脂組成物および樹脂成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020084154A JP2020084154A (ja) 2020-06-04
JP7295629B2 true JP7295629B2 (ja) 2023-06-21

Family

ID=70906645

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018225639A Active JP7295629B2 (ja) 2018-11-30 2018-11-30 樹脂成形体、樹脂組成物および樹脂成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7295629B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000022289A (ja) 1998-07-01 2000-01-21 Denki Kagaku Kogyo Kk 回路基板用樹脂組成物とそれを用いた回路基板
US20080166563A1 (en) 2007-01-04 2008-07-10 Goodrich Corporation Electrothermal heater made from thermally conducting electrically insulating polymer material
JP2009185102A (ja) 2008-02-01 2009-08-20 Techno Polymer Co Ltd 樹脂製部材及び金属製部材からなる複合体の製造に用いられる熱可塑性樹脂組成物
JP2010505729A (ja) 2006-10-07 2010-02-25 モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク 混合窒化ホウ素組成物およびその製造方法
JP2014105297A (ja) 2012-11-28 2014-06-09 Tokuyama Corp シート状成形体
WO2014196496A1 (ja) 2013-06-03 2014-12-11 電気化学工業株式会社 樹脂含浸窒化ホウ素焼結体およびその用途
JP2015195287A (ja) 2014-03-31 2015-11-05 三菱化学株式会社 放熱シートおよび放熱シート用塗布液、並びにパワーデバイス装置
JP2018052782A (ja) 2016-09-30 2018-04-05 デンカ株式会社 六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体
JP2018104260A (ja) 2016-12-28 2018-07-05 昭和電工株式会社 六方晶窒化ホウ素粉末、その製造方法、樹脂組成物及び樹脂シート
JP2018159062A (ja) 2017-03-22 2018-10-11 株式会社豊田中央研究所 熱伝導性複合材料、熱伝導性フィラー及びそれらの製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000022289A (ja) 1998-07-01 2000-01-21 Denki Kagaku Kogyo Kk 回路基板用樹脂組成物とそれを用いた回路基板
JP2010505729A (ja) 2006-10-07 2010-02-25 モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク 混合窒化ホウ素組成物およびその製造方法
US20080166563A1 (en) 2007-01-04 2008-07-10 Goodrich Corporation Electrothermal heater made from thermally conducting electrically insulating polymer material
JP2009185102A (ja) 2008-02-01 2009-08-20 Techno Polymer Co Ltd 樹脂製部材及び金属製部材からなる複合体の製造に用いられる熱可塑性樹脂組成物
JP2014105297A (ja) 2012-11-28 2014-06-09 Tokuyama Corp シート状成形体
WO2014196496A1 (ja) 2013-06-03 2014-12-11 電気化学工業株式会社 樹脂含浸窒化ホウ素焼結体およびその用途
JP2015195287A (ja) 2014-03-31 2015-11-05 三菱化学株式会社 放熱シートおよび放熱シート用塗布液、並びにパワーデバイス装置
JP2018052782A (ja) 2016-09-30 2018-04-05 デンカ株式会社 六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体
JP2018104260A (ja) 2016-12-28 2018-07-05 昭和電工株式会社 六方晶窒化ホウ素粉末、その製造方法、樹脂組成物及び樹脂シート
JP2018159062A (ja) 2017-03-22 2018-10-11 株式会社豊田中央研究所 熱伝導性複合材料、熱伝導性フィラー及びそれらの製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
向 史博,高熱伝導放熱シートHEATEX 絶縁タイプの開発,BANDO TECHNICAL REPORT,バンドー化学株式会社,2018年03月11日,No.22,p.1-4

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020084154A (ja) 2020-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10414653B2 (en) Agglomerated boron nitride particles, production method for agglomerated boron nitride particles, resin composition including agglomerated boron nitride particles, moulded body, and sheet
US20210261413A1 (en) Aggregate boron nitride particles, boron nitride powder, production method for boron nitride powder, resin composition, and heat dissipation member
CN105367811B (zh) 一种含羰基材料包覆钛酸钡/聚合物复合薄膜及其制备方法与应用
KR101133466B1 (ko) 태양전지용 저온 건조형 전극 페이스트 조성물 및 이를 이용한 인쇄방법
CN113329973A (zh) 填料组合物、有机硅树脂组合物和散热部件
CN108299791A (zh) 树脂组合物、由该树脂组合物制备的物品及其制备方法
Abdulkareem et al. Preparation and evaluation of electrical properties of plastic composites developed from recycled polystyrene and local clay
KR20170127186A (ko) 질화보론 나노시트 분말의 제조방법 및 이를 이용한 질화보론 나노시트/폴리머 나노복합필름의 제조방법
JP7295629B2 (ja) 樹脂成形体、樹脂組成物および樹脂成形体の製造方法
TW202235498A (zh) 四氟乙烯系聚合物組合物之製造方法、組合物、金屬箔積層體及延伸片材
CN107459775B (zh) 一种环氧树脂绝缘导热复合材料及其制备方法
CN111801183B (zh) 银膏及接合体的制造方法
CN108329626A (zh) 一种复合微波介质材料及其制造方法
CN114016286B (zh) 一种官能化氧化石墨烯电泳沉积修饰碳纤维的方法及其碳纤维复合材料
JP2024002776A (ja) シート、プリント基板用基材及びシートの製造方法
CN114806081B (zh) 基于芳香族化合物改性导热绝缘复合粉体的聚合物复合材料及其制备
TW202411316A (zh) 薄片、印刷基板用基材及薄片之製造方法
JP7293522B1 (ja) 放熱シート
JP7357181B1 (ja) 窒化ホウ素粒子及び放熱シート
CN115536905B (zh) 一种复合导热填料及其制备方法和应用
JP7389939B2 (ja) 窒化ホウ素粉末
WO2021201012A1 (ja) 複合体の製造方法
JP7362839B2 (ja) 凝集窒化ホウ素粒子、窒化ホウ素粉末、熱伝導性樹脂組成物及び放熱シート
JP7357180B1 (ja) 窒化ホウ素粒子及び放熱シート
JP7152616B2 (ja) 放熱シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7295629

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150