以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。以下に説明される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
図1は、実施形態にかかる技術の適用対象としての運転行動確認システムの概要を説明するための例示的かつ模式的な図である。
図1に示されるように、実施形態にかかる運転行動確認システムは、車両Vの乗員のうちの一人であるドライバX1の運転行動に関する情報をドライバモニタ110およびドライブレコーダ120によって記録する。そして、記録した運転行動に関する情報を記録媒体150によってPC(Personal Computer)130に移管し、移管した運転行動に関する情報をPC130によってオペレータX2に事後的に確認させることを実現するシステムである。車両Vは、例えば運送業者のトラックであり、PC130は、例えば運送業者のバックオフィス業務用の情報処理装置である。
なお、実施形態では、運転行動に関する情報のPC130への移管に記録媒体150が利用される構成について説明するが、運転行動に関する情報のPC130への移管は、ネットワーク上のクラウドサーバ経由で実行されてもよい。この場合、車両V側の装置としてのドライバモニタ110およびドライブレコーダ120のうち少なくとも一方と、PC130とが共にネットワーク通信機能を有していることが前提となる。なお、車両V側の装置とPC130とが共にネットワーク通信機能を有していれば、ドライバX1の運転行動に関する情報をオペレータX2がリアルタイムで確認することが可能である。
図2は、実施形態にかかる運転行動確認システムを構成する各装置の概略的なハードウェア構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
図1にも示されているが、図2に示されるように、実施形態にかかる運転行動確認システムは、主として、ドライバモニタ110と、ドライブレコーダ120と、PC130と、によって構成されている。
ドライバモニタ110は、撮像部111と、制御部112と、記憶部113と、入出力部114と、を備えている。
撮像部111は、車両Vの内部の状況を表す車内画像の一つとしての、ドライバX1の目を含む顔が写った顔画像を取得するカメラである(図1のドライバモニタ110から延びる一点鎖線も参照)。なお、顔画像という表現は、ある1つのタイミングにおける静止画の意味だけでなく、連続した複数のタイミングにおける静止画の集まりである動画(映像)としての意味も含んでいる。
また、制御部112は、ドライバモニタ110の動作を統括的に制御するプロセッサである。制御部112は、ドライバモニタ110において必要となる各種の演算処理を実行する。例えば、制御部112は、撮像部111により取得される顔画像に、顔の三次元モデルを利用したフィッティングなどといった各種の画像処理を実行することで、顔画像に写ったドライバX1の目の向きや顔の向き等を検出する機能を備える。また、検出した目の向きや顔の向き等と車両Vの制御情報等(例えば、車速、ウインカの操作状況、前進/後端の選択状態等)に基づき、目の向きや顔の向きが「脇見」に該当するか否かの判定を行っている。制御部112は、目の向きや顔の向きが正面等から外れた原因が、運転に必要となる周囲状況の確認動作等以外に起因すると判断できる場合に「脇見」と判定する。逆に、右左折のために左右に目や顔を向ける場合や後退のために後方を振り向く等の動作の場合、目の向きや顔の向きが正面から外れても「脇見ではない」と判定する。なお、ドライバモニタ110による目の向きや顔の向き等の検出処理、脇見等の判定処理は、周知のドライバモニタ110の機能を利用可能であり、詳細な説明は省略する。
また、記憶部113は、ドライバモニタ110により生成されるデータや、外部から取得されるデータなどといった各種のデータを記憶するメモリ(およびストレージ)である。ドライバモニタ110により生成されるデータとしては、ドライバX1の目の向きや顔の向き等の情報、脇見をしているか否かの情報等である。また、外部から取得されるデータとは、車両Vの制御情報等(例えば、車速、ウインカの操作状況、前進/後端の選択状態等)である。なお、以下の説明では、目の向きや顔の向き等の情報、脇見をしているか否かの情報は、ドライバX1が注視している方向を示す情報として、「注視情報」という場合がある。
入出力部114は、ドライバモニタ110を外部に接続するためのインターフェースである。図2に示される例では、ドライバモニタ110は、入出力部114を介してドライブレコーダ120(の入出力部124)に接続されている。
上述したドライバモニタ110と同様、ドライブレコーダ120も、撮像部121と、制御部122と、記憶部123と、入出力部124と、を備えている。
撮像部121は、車両Vの外部の状況が写った車外画像、より具体的には車両Vの前方の状況が写った前方画像を取得するカメラである(図1のドライブレコーダ120から延びる一点鎖線も参照)。なお、上述した顔画像と同様、前方画像という表現は、ある1つのタイミングにおける静止画の意味だけでなく、連続した複数のタイミングにおける静止画の集まりである動画(映像)としての意味も含んでいる。
また、制御部122は、ドライブレコーダ120の動作を統括的に制御するプロセッサである。制御部122は、ドライブレコーダ120において必要となる各種の演算処理を実行する。制御部122は、撮像部121が撮像した車外画像を、日時等を特定する情報を関連付けながら逐次記憶部123に記憶させる。また、特定のイベントが発生した場合、例えば、車両Vが閾値以上の衝撃を受けた場合等は、そのイベントを特定するマーク等を関連付けて記憶部123に記憶させる。制御部122の基本的な動作は、周知のドライブレコーダ120と同様であり,詳細な説明は省略する。
記憶部123は、ドライブレコーダ120により生成されるデータや、外部から取得されるデータなどといった各種のデータを記憶するメモリ(およびストレージ)である。ドライブレコーダ120により生成されるデータは、例えば、車外画像データ等であり、外部から取得されるデータは、ドライバモニタ110から取得した顔画像データや注視情報等である。
入出力部124は、ドライブレコーダ120を外部に接続するためのインターフェースである。図2に示される例では、ドライブレコーダ120は、入出力部124を介してドライバモニタ110(の入出力部114)に接続されている。また、図2に示される例では、記憶部123に記憶された各種のデータが、入出力部124に接続される記録媒体150を介してPC130に移管される。
一方、PC130は、表示部131と、制御部132と、記憶部133と、入出力部134と、を備えている。
表示部131は、PC130のユーザとしてのオペレータX2に情報を視覚的に提供するための表示出力装置である。
制御部132は、PC130の動作を統括的に制御するプロセッサである。制御部132は、PC130において必要となる各種の演算処理を実行する。
記憶部133は、PC130により生成されるデータや、外部から取得されるデータなどといった各種のデータを記憶するメモリ(およびストレージ)である。
入出力部134は、PC130を外部に接続するためのインターフェースである。図2に示される例では、記録媒体150が入出力部134に接続されることで、ドライブレコーダ120の記憶部123に記憶された各種のデータの移管が実現される。なお、別の実施形態では、ドライバモニタ110が(記憶部113等に)保持するデータを、入出力部114に接続された記録媒体150を経由して入出力部134を介してPC130に移管するようにしてもよい。同様に、ドライブレコーダ120が(記憶部123等に)保持するデータを、入出力部124に接続された記録媒体150を経由して入出力部134を介してPC130に移管してもよい。また、ドライバモニタ110のデータやドライブレコーダ120のデータをそれぞれネットワーク上のクラウドサーバ経由でPC130に移管するようにしてもよい。
以上のハードウェア構成により、実施形態にかかる運転行動確認システムは、ドライバモニタ110の撮像部111により取得される顔画像(車内画像)と、ドライブレコーダ120の撮像部121により取得される前方画像(車外画像)と、をPC130の表示部131に表示することで、ドライバX1の運転行動に関する情報をPC130のオペレータX2に視覚的に確認させることを実現する。
ここで、顔画像の撮像方向、すなわちドライバモニタ110の撮像部111の向きと、前方画像の撮像方向、すなわちドライブレコーダ120の撮像部121の向きとは、次の図3に示されるような関係を有している。
図3は、実施形態において検出されるドライバX1の目の向きおよび顔の向きを説明するための例示的かつ模式的な図である。
図3に示される例において、矢印A311および矢印A312は、ドライバX1の左右の目のそれぞれの向きを表しており、矢印A321は、ドライバX1の顔の向きを表している。なお、図3には、説明の簡単化のため、目の向きと顔の向きとが実質的に一致している例が示されているが、一般に、左右の目の向きは互いに一致することが多いものの、目の向きと顔の向きとは、必ずしも一致するとは限らない。
図3に示される例において、ドライバモニタ110の撮像部111の向き、すなわち顔画像の撮像方向が矢印A331で表される場合、ドライバX1の目の向きおよび顔の向きは、顔画像の撮像方向とは逆の正面方向となる。したがって、この場合、撮像部111は、ドライバX1の目および顔が正面方向から写った顔画像を取得する。
一方、図3に示される例において、顔画像の撮像方向が矢印A341で表される場合、ドライバX1の目の向きおよび顔の向きは、顔画像の撮像方向とは逆の正面方向に対して角度θだけ傾いた方向となる。したがって、この場合、撮像部111は、ドライバX1の目および顔が正面方向に対して角度θだけ傾いた方向から写った顔画像を取得する。
なお、図3に示される例では、ドライバX1の目の向きおよび顔の向きが固定であり、顔画像の撮像方向が変化するように表現されているが、このような表現はあくまで説明の便宜のためである。現実には、ドライバX1の目の向きおよび/または顔の向きが変化し、顔画像の撮像方向は固定である。
また、図3に示される例において、矢印A332および矢印A342は、それぞれ、顔画像の撮像方向が矢印A331および矢印A341で表される場合における前方画像の撮像方向を表している。図1からも分かるように、実施形態において、ドライバモニタ110の撮像部111の向きと、ドライブレコーダ120の撮像部121の向きとは、実質的に逆である。したがって、撮像部111により取得される顔画像に写った像と、撮像部121により取得される前方画像に写った像とは、実質的に、左右が逆のいわゆる鏡像の関係となる。
ところで、従来から、車両Vに設けられる1以上の撮像部による撮像結果としての複数の撮像画像を同一の画面上に表示する技術について検討されている。
しかしながら、上記のような従来の技術では、上述した顔画像および前方画像のような、撮像方向が実質的に逆の2つの撮像画像が同一の画面上に表示されることがある。撮像方向が実質的に逆の2つの撮像画像に写った像は、実質的に互いに鏡像の関係となるので、それらの画像が同一の画面上に表示されると、表示内容を正確に認識することができない場合がある。
例えば、ドライバモニタ110の撮像部111が右を向いているドライバX1を撮像した場合、PC130の表示部131で表示される顔画像は、左を向いているように表示される。つまり、左右が反転する。一方、ドライブレコーダ120の撮像部121で車両Vの前方の車外画像を撮像した場合、PC130の表示部131で表示される車外画像は、左右が反転することなく、そのまま表示される。したがって、表示部131に顔画像と車外画像とが並べて表示した場合、左右の混同が生じて、ドライバX1の注視方向がどちらなのか、分かりにくくなる場合がある。また、顔画像と車外画像のいずれか一方のみが表示部131に表示される場合でも、上述したように左右逆転されて表示されることがあることを認識しているオペレータX2は、一方の画像を見た場合に、方向に関する咄嗟の判断を迷う場合がある。
そこで、本実施形態は、以下に説明するような機能を有した画像表示装置400をPC130内に実現することで、車両VのドライバX1が何処を注視していたかを視覚的により分かりやすく表示することを実現する。
図4は、実施形態にかかる画像表示装置400の機能を示した例示的かつ模式的な図である。なお、実施形態において、「画像表示装置」は、「運転行動表示装置」とも表現しうる。
図4に示されるように、画像表示装置400は、画像取得部401と、表示処理部402と、を備えている。これらの機能は、例えば、PC130の制御部132が記憶部133に記憶された所定の画像表示プログラムを読み出して実行した結果として実現される。なお、実施形態では、これらの機能の一部または全部が、専用のハードウェア(回路)のみによって実現されてもよい。
画像取得部401は、ドライバモニタ110の撮像部111により取得される顔画像と、ドライブレコーダ120の撮像部121により取得される前方画像とを、記録媒体150経由で取得する。画像取得部401は、例えば、ドライブレコーダ120の撮像部121で撮像した車外画像とドライバモニタ110の撮像部111で撮像した顔画像および顔画像に基づく注視情報とが関連付けた撮像画像を取得する。
表示処理部402は、PC130の表示部131の表示内容を制御する。例えば、表示処理部402は、次の図5に示されるような形で、撮像画像である、顔画像と前方画像(車外画像)とを同一の画面上に表示する。
図5は、実施形態にかかる画像表示装置における、表示部131に表示される画像の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図5に示されるように、表示処理部402は、ドライバX1の顔画像としての画像511と、車外画像である前方画像としての画像512と、を同一画面上にそのまま含む画像510を表示部131に表示する。なお、画像510内の表示領域513および表示領域514は、いずれも、各種の設定情報や動画の時系列に関する情報等を表示するための領域である。
表示処理部402は、撮像方向が実質的に逆である顔画像(画像511)および前方画像(画像512)を表示する場合、それぞれの画像において、ドライバX1が注視している方向を示す方向識別指標521および方向識別指標522を表示する。方向識別指標521および方向識別指標522は、画像取得部401が取得した撮像画像と関連づけられた注視情報に基づく、ドライバX1が注視している方向を示す指標であり、ドライバX1の目の向きまたは顔の向きの少なくとも一方に基づいて決定される。方向識別指標521および方向識別指標522は、画像511および画像512において、ドライバX1の目の向きおよび顔の向きのうち少なくとも一方で特定できる方向に対応した周縁部近傍で、それぞれの表示内容の視認の妨げにならない位置に表示される。
図5に示される場合、顔画像としての画像511に写ったドライバX1の目および顔は、紙面で左側を向いているので、表示処理部402は、矩形形状を有する画像511の左側の表示領域内側の辺(周縁部)に沿って、上下に延びる細長の帯状の方向識別指標521を表示する。なお、画像511は、前述したように、ドライバX1に向かう撮像部111で撮像されているので、左右が反転した状態で表示されるので、実際のドライバX1は右側を向いている。一方、ドライブレコーダ120の撮像部121で撮像された前方画像(画像512)は、実際にドライバX1が、車両Vに乗っている状態で見ている状態と同じ左右関係で表示される。つまり、ドライバX1が実際に注視している方向は、図5の紙面で右側となるので、表示処理部402は、矩形形状を有する画像512の右側の表示領域内側の辺(周縁部)に沿って、上下に延びる細長の帯状の方向識別指標522を表示する。つまり、画像511に表示されているドライバX1が注視している方向は、車外画像(画像512)で示される、車両Vの前方右側であることを、オペレータX2に容易に理解させることができる。
なお、方向識別指標521や方向識別指標522は、例えば、同じ方向を示していることを認識させやすい強調表示で行われればよく、同じ色で、かつ画像511や画像512の表示内容の認識の妨げにならないような色とすることが望ましい。例えば、車内や車外、路面等に通常存在し難い色(例えば、オレンジ色や赤色等)とすることができる。なお、図5に示される例では、ドライバX1の目の向きおよび顔の向きが実質的に一致しているが、両者は必ずしも一致するとは限らない。この場合、目の向きを示す指標として方向識別指標が表示されてもよいし、顔の向きを示す指標として方向識別指標が表示されてもよいし、目の向きを示す指標と顔の向きを示す指標との両方が別々の方向識別指標として表示されてもよい。また、方向識別指標521や方向識別指標522は、例えば点滅表示等の表示態様の変更によってさらに強調表示するようにしてもよい。
前述したように、ドライバモニタ110は、ドライバX1の目の向きや顔の向きが「脇見」に該当するか否かを判定することができる。したがって、表示処理部402は、ドライバX1が正面から注視方向を外した場合で、方向識別指標521や方向識別指標522を表示する場合、「脇見」と「非脇見」とで、表示形態を変化させてもよい。例えば、「脇見」の場合は、方向識別指標521や方向識別指標522を点滅表示し、「非脇見」の場合は、点灯表示するようにしてもよい。また、「脇見」と「非脇見」とで、表示色を変化させてもよい。「非脇見」の場合、方向識別指標を非表示としてもよい。この場合、「非脇見」であること通知する表示を別途行ってもよい。
なお,図5の例の場合、顔画像を示す画像511と車外画像を示す画像512を並べて表示しているが、画像512のみを拡大表示するようにしてもよい。この場合、ドライバX1が表示されないものの、ドライバX1の注視方向は、画像512に付加表示される方向識別指標522によって明示可能であり、オペレータX2にドライバX1の運転時の注視方向の変化を容易に理解させることができる。
図6は、実施形態にかかる画像表示装置における、表示部131に表示される画像の他の一例を示した例示的かつ模式的な図である。なお、図5と図6では、方向識別指標の表示形状が異なるのみで、他の表示内容は同じである。
図6の場合、顔画像を示す画像511に付加表示する、ドライバX1の注視方向を示す指標として、矢印形状の方向識別指標523を用いている。矢印形状の方向識別指標523の場合、図5に示す帯状の方向識別指標521に比べて注視方向をより明確かつ詳細に示すことができる。帯状の方向識別指標521の場合、矩形形状の画像511に対して、例えば、上下左右の4方向の表示となるが、矢印形状の方向識別指標523の場合、斜め方向を含む8方向の表示やさらにその中間方向の表示が可能であり、画像510を確認するオペレータX2により詳細なドライバX1の注視方向の変化を認識させることができる。なお、図6の場合、画像512には、図5と同様な方向識別指標522を表示している。図6の場合、画像512は画像511に比べて、画面サイズが小さいため、より少ない領域で注視方向を示せるように、方向識別指標522を用いる例が示されている。この場合も、例えば、方向識別指標523と方向識別指標522の表示色を同じにすることで、同じ注視方向を示していることをオペレータX2に容易に理解させることができる。なお、別の実施形態では、画像512に画像511と同様な矢印形状の方向識別指標を表示するようにしてもよい。
図7は、実施形態にかかる画像表示装置における、表示部131に表示される画像のさらに他の一例を示した例示的かつ模式的な図である。なお、図5と図7では、方向識別指標の表示形状が異なるのみで、他の表示内容は同じである。
図7は、顔画像を示す画像511に付加表示する、ドライバX1の注視方向を示す指標として、図5に示す帯状の方向識別指標521に比べて周縁部の辺方向について長さの短い矩形形状の方向識別指標524を用いている例である。同様に車外画像を示す画像512に付加表示する、ドライバX1の注視方向を示す指標として、図5に示す帯状の方向識別指標522に比べて周縁部の辺方向について長さの短い矩形形状の方向識別指標525を用いている例である。つまり、表示処理部402は、撮像画像の周縁部の少なくとも一部で方向識別指標524および方向識別指標524を表示している。
方向識別指標524および方向識別指標525は、図5に示す方向識別指標521および方向識別指標522と同様に、ドライバX1の注視している方向を相互に関連つけて認識させることができる。また、小片形状の方向識別指標524,525は、それぞれ周縁部を辺に沿って表示位置を移動可能であり、その表示位置によって、矢印形状の方向識別指標523と同様に細分化された注視方向を示すことができる。また、方向識別指標524や方向識別指標525は、矢印形状の方向識別指標523より小片形にできるため、画像511や画像512の表示の邪魔になることをさらに抑制することができる。
なお、方向識別指標524や方向識別指標525は、小形の輝点として示すことも可能であり、同様な効果を得ることができる。また、小形の方向識別指標524や方向識別指標525は、より目立ち易くするために、点滅表示を採用してもよい。また、小形であるため、赤色等の視覚的により刺激の強い色を採用することも可能であり、画像510全体としての違和感を伴うことなく注視方向の表示を行うことができる。
図8は、実施形態にかかる画像表示装置における、表示部131に表示される画像のさらに他の一例を示した例示的かつ模式的な図である。なお、図8は、図7の変形例であり、図7と同様に、方向識別指標以外の表示内容は同じである。
図8の場合、ドライバX1が斜め方向を注視している場合に表示される方向識別指標の形状を示すものである。図8の場合、ドライバX1が斜め方向を注視している場合、矩形形状の表示領域である画像511や画像512の角部に略L字形状の方向識別指標526や略三角形状の方向識別指標527を表示している。この場合、注視方向が斜め方向あることをオペレータX2に容易に理解させることができる。なお、注視方向が斜め方向から外れた場合は、例えば、図7に示すような方向識別指標524や方向識別指標525の表示に移行することができる。
図5~図8に示す方向識別指標は、画像511や画像512の表示領域内側、つまり、顔画像や車外画像を表示し得る領域の一部に方向識別指標を重畳表示している例である。一方、図9に示す方向識別指標は、画像511や画像512の表示領域外側に表示される。表示領域外側とは、画像510の上で実際に画像511や画像512を表示する場合に利用される領域の外である。図9の場合、例えば画像511の周囲の枠領域に方向識別指標528用の表示領域528aを設けている。同様に、画像512の周囲の枠領域に方向識別指標529用の表示領域529aを設けている。このように、専用の表示領域528a,529aを設けることにより、画像511や画像512に方向識別指標が重なることがなくなり、画像511や画像512の視認性をさらに向上することができる。
なお、表示領域528a,529aは、画像510上で画像511や画像512の周囲で、当該画像511や画像512を表示しない異なる表示領域に確保されてもよいし、非表示領域、例えば物理的な枠領域にLED等を配置することにより、方向識別指標を表示するようにしてもよい。例えば、本実施形態の画像表示装置専用の表示装置を備える場合や、画像511,画像512、表示領域513,表示領域514等を個別の表示装置で構成する場合にLED等を配置した表示領域528a,529aを構成することができる。
なお、図6~図8に示す方向識別指標も図9と同様に画像511や画像512の表示領域外側の表示領域を用いて表示可能であり、同様の効果を得ることができる。
以上の構成に基づき、実施形態にかかる画像表示装置400は、次の図10に示されるような流れに従って処理を実行する。
図10は、実施形態にかかる画像表示装置400が実行する一連の処理を示した例示的かつ模式的なフローチャートである。図10に示される一連の処理は、動画としての顔画像および/または前方画像の表示再生が終了するまでの間、繰り返し実行される。
図10に示されるように、まず、画像表示装置400の画像取得部401は、車両Vに設けられる1以上の撮像部により取得される複数の撮像画像を取得する(S100)。実施形態では、撮像画像として、ドライバモニタ110の撮像部111により取得される顔画像や、ドライブレコーダ120の撮像部121により取得される前方画像などが挙げられる。なお、撮像画像には、ドライバモニタ110で検出されたドライバX1の目の向きや顔の向きを示す顔画像や、「脇見」の有無等を示す注視情報が関連付けられている。
そして、表示処理部402は、S100で取得した撮像画像に関連付けられた注視情報に基づき、ドライバX1が脇見をしているか否かの判定を行う(S102)。なお、ドライバモニタ110からドライバX1の目の向きや顔の向きが撮像された顔画像および車両Vの制御状態が注視情報として送られてくる場合、表示処理部402側で脇見判定を行ってもよい。
S102において、表示処理部402が、ドライバX1は脇見をしていると判定した場合(S102のYes)、例えば、図5~図9に例示したような方向識別指標を、顔画像である画像511や車外画像である画像512において、ドライバX1の目の向き顔の向き(注視情報)に対応する位置に表示する(S104)。一方、S102で表示処理部402が、ドライバX1は脇見をしていないと判定した場合(S102のNo)、画像取得部401で取得した撮像画像(顔画像や車外画像)を方向識別指標を非表示としたまま表示して(S106)、一旦このフローを終了して、次の処理周期でS100からの処理を繰り返し実行する。つまり、表示部131に表示する画像510を更新し、運転行動を認識させるための表示を行う。なお、この場合、ドライバX1が正面を注視していることを示す指標を別途表示するようにしてもよい。この場合の指標は、画像511および画像512のそれぞれで表示してもよいし、画像510のいずれかの位置(例えば1箇所)に表示するようにしてもよい。
また、S104の処理で、方向識別指標が表示されている場合、表示処理部402は、注視方向が正面(例えば、顔画像における正面)になったか否かの判定を注視情報に基づき行う(S108)。注視方向が正面になった場合(S108のYes)、表示処理部402は、非脇見状態になったと判定し、方向識別指標の表示を終了し(S110)、一旦このフローを終了して、次の処理周期でS100からの処理を繰り返し実行する。
また、S108において、注視方向が正面でない場合(S108のNo)、このフローを一旦終了して、次の処理周期でS100からの処理を繰り返し実行する。
上述した画像表示装置400によれば、画像取得部401は、車両Vに設けられる1以上の撮像部111,121等による撮像結果に車両VのドライバX1の目の向きと顔の向きのうち少なくとも一方を示す注視情報を関連付けた撮像画像を取得する。そして、表示処理部402は、撮像画像を表示部131に表示するとともに、注視情報に基づいて推定されるドライバX1の注視方向を示す方向識別指標521,522等を、注視方向に対応する撮像画像の周縁部近傍に表示することができる。その結果、例えば、表示する撮像画像の表示内容の視認の妨げになりにくい、撮像画像の周縁部近傍の位置に、ドライバX1の注視方向を示す画像512,522等を表示するので、表示内容が把握しやすい撮像画像の表示ができるとともに、ドライバX1が何処を注視していたかが分かりやすい撮像画像が表示できる。
また、上述した画像表示装置400の画像取得部401は、車両Vの車外を撮像した車外画像と、当該車外画像を撮像したときに取得した注視情報とを関連付けた撮像画像を取得する。そして、表示処理部402は、車外画像に方向識別指標521,522等を表示するようにしてもよい。その結果、例えば、車外画像を確認する際にドライバX1が車外のどの方向に注視していたかが分かりやすい撮像画像が表示できる。
また、上述した画像表示装置400の画像取得部401は、注視情報として、車両のドライバX1の顔が写った顔画像をさらに取得する。そして、表示処理部402は、撮像画像と顔画像とのそれぞれに同じ注視方向を示す方向識別指標521,522等を表示するようにしてもよい。その結果、注視方向を示す方向識別指標521,522等が顔画像の周縁部近傍に表示されるので、注視方向が把握しやすくなるとともに、顔画像とは別の撮像画像でも同じ注視方向を示す方向識別指標521,方向識別指標522が表示されるので、撮像画像が撮像されたときにドライバX1が何処に注視しているかを直感的にオペレータX2に理解させやすい表示ができる。
また、上述した画像表示装置400の表示処理部402は、顔画像に方向識別指標521等を表示する場合、ドライバX1の顔と重ならない位置に方向識別指標521等を表示するようにしてもよい。その結果、ドライバX1の顔の認識、例えば表情の認識が行いやすくなり、注視方向の把握に加え、注視している原因等の推定が行いやすい表示ができる。
また、上述した画像表示装置400の表示処理部402は、方向識別指標521,522等を撮像画像の表示領域内側の周縁部近傍または表示領域外側の周縁部近傍のいずれか一方に表示するようにしてもよい。その結果、表示する撮像画像の表示領域の大きさやレイアウト等に応じて、方向識別指標521や方向識別指標522の表示領域の変更が可能で、撮像画像および指標の視認性を向上させる表示ができる。
また、上述した画像表示装置400の表示処理部402は、方向識別指標524,525等を撮像画像の周縁部の少なくとも一部で表示するようにしてもよい。その結果、さらに、撮像画像の内容の把握の妨げになりにくい態様で指標の表示ができる。
なお、図5~図9に示す表示例では、ドライバモニタ110の撮像部111で撮像した顔画像をそのまま表示部131に表示しているため、左右が逆転した画像511となっている。この場合、顔画像について、左右を反転する鏡面処理を施した後、画像511として表示してもよい。その結果、車外画像として表示している画像512と左右関係を揃えることができるので、より違和感の少ない画像510の表示を行いつつ、ドライバX1が見ている車外の注視方向をオペレータX2に理解させやすい表示ができる。
また、図5~図9に示す表示例では、顔画像と車外画像として前方画像を並べて表示する例を示したが、表示する画像はこれに限定されず、適宜変更することができる。例えば、車外画像として、前方画像に代えて、または加えて、例えば車外の側方画像や後方画像、俯瞰画像等表示してもよい。この場合も、方向識別指標は、各画像においてドライバX1が注視している方向に対応した位置に表示される。したがって、異なる画像が表示されている場合でも、ドライバX1の注視方向をオペレータX2に容易に把握させることができる表示を提供することができる。
また、図5~図9に示す表示例では、画像511(顔画像)の表示サイズが画像512(車外画像)の表示サイズより大きい場合を示しているが、表示サイズは、適宜変更可能であり、表示処理部402は、例えばオペレータX2による操作により、主として注目した(観察したい)画像をメイン画像として拡大表示できるようにしてもよい。なお、この場合も方向識別指標の表示は維持され、ドライバX1が注視している方向が各画像において把握し易くすることができる。
上述した例では、ドライバモニタ110の撮像部111は、ドライバX1を撮像する例を示したが、他の乗員を撮像してもよく、他の乗員の注視方向を事後的に確認できるようにしてもよい。
また、図5~図9に示す表示例では、各方向識別指標が撮像画像の周縁部に接触している状態を示したが、撮像画像の表示内容の認識の妨げにならなければ、周縁部の近傍として周縁部から離れたい位置に方向識別指標を表示してもよい。特に、図9のように、方向識別指標を表示領域外側で表示する場合は、周縁部から離間した位置で表示するようにしてもよい。
なお、実施形態にかかるPC130において実行される画像表示プログラムは、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布されてもよい。すなわち、実施形態にかかるPC130において実行される画像表示プログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納された状態で、ネットワーク経由でのダウンロードを受け付ける、といった形で提供されてもよい。
以上、本開示の実施形態を説明したが、上述した実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。