JP7293690B2 - 消音装置 - Google Patents

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Description

本発明は、消音装置に関する。
従来より、車両用の内燃機関においては、排気ガスをマフラーを介して外に排出する構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、消音装置としてのマフラーの内部空間が複数の隔壁によって複数の膨張室に仕切られている。各膨張室同士は、パイプ(連通管)によって連通されている。これにより、排気ガスは各膨張室を流れることで膨張・収縮を繰り返し、消音される。
特許第5922334号公報
しかしながら、特許文献1では、排気ガスが膨張・収縮を繰り返すことで圧力損失が大きくなってしまい、エンジン出力が低下してしまうという問題がある。このように、マフラーの消音性能と出力向上効果はトレードオフの関係にあり、双方の両立は難しいことが従来より知られている。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で優れた消音効果と出力向上を両立することができる消音装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の消音装置は、車両用のエンジンに排気管を介して接続される消音装置であって、中空筒状の本体部と、前記本体部の内部空間を軸方向で複数の膨張室に仕切る隔壁と、前記複数の膨張室のうち、上流側に位置する膨張室に排気ガスを導入する導入管と、前記複数の膨張室のうち、下流側に位置する膨張室から排気ガスを外に排出する排出管と、を備え、前記隔壁には前記複数の膨張室を連通する連通穴が形成されており、前記導入管の下流端部及び前記排出管の上流端部は、それぞれの開放端部が前記本体部と前記隔壁との接続部分に向くように屈曲して開放されており、それぞれの前記開放端部が軸方向からみて前記連通穴に重ならないように配置されている。前記導入管の前記下流端部を前記接続部分に向けて投影したときの前記下流端部と前記本体部とが重なる範囲は、前記下流端部の開口幅よりも小さく、前記下流端部の開口幅に対する前記下流端部と前記本体部とが重なる範囲の比率は、0.75以下であり、前記連通穴を軸方向で前記排気管に向けて投影したときの前記連通穴と前記排出管の前記上流端部とが重なる範囲は、前記連通穴の開口幅よりも小さく、前記連通穴の開口幅に対する前記連通穴と前記上流端部とが重なる範囲の比率は、0.75以下であることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成で優れた消音効果と出力向上を両立することができる。
本実施の形態に係る車両の右側面図である。 本実施の形態に係る消音装置の断面図である。 導入管のレイアウトのバリエーションを示す模式図である。 導入管及びマフラボディの重複比率と圧力損失との関係を示すグラフである。 排出管のレイアウトのバリエーションを示す模式図である。 連通穴及び排出管の重複比率と圧力損失との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明をスポーツタイプの二輪車に適用した例について説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明を、他のタイプの車両、例えばバギータイプの三輪車、四輪車等の鞍乗型車両に適用してもよい。また、方向について、車両前方を矢印FR、車両後方を矢印REでそれぞれ示す。また、以下の各図では、説明の便宜上、一部の構成を省略している。
図1を参照して、本実施の形態に係る車両の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る車両の右側面図である。
図1に示すように、車両1は、スポーツタイプの自動二輪車であり、鋼製又はアルミ合金製の車体フレーム2にエンジン3を懸架(支持)して構成される。エンジン3は、例えば、並列4気筒エンジンで構成される。エンジン3は、クランクシャフト(不図示)等が収容されるエンジンケース30の上部に、シリンダヘッド31及びシリンダヘッドカバー32を取り付けて構成される。エンジンケース30の下部には、オイルパン33が設けられる。
車体フレーム2は、アルミ鋳造で形成されるツインスパータイプのフレームであり、上記のようにエンジン3を懸架することで、車体全体として剛性が得られるように構成される。車体フレーム2は、全体として、前方から後方に向かって延在し、後端側で下方に向かって湾曲した形状を有している。
具体的に車体フレーム2は、ヘッドパイプ20から後方に向かって左右二股に分岐して延びるメインフレーム21と、メインフレーム21の後端から下方に延びるボディフレーム22とを備えている。メインフレーム21の上部には、燃料タンク(不図示)が配置される。ボディフレーム22の上下方向の略中央部分には、スイングアーム10が揺動可能に支持されている。スイングアーム10は、後方に向かって延びている。スイングアーム10の後端には後輪11が回転可能に支持されている。
ボディフレーム22の上端には、後上方に向かって延びるシートレール23が設けられている。シートレール23には、ライダーシート及びピリオンシート(共に不図示)が設けられる。
ヘッドパイプ20には、ステアリングシャフトを介して左右一対のフロントフォークが操舵可能に支持される(共に不図示)。フロントフォークの下部には前輪(不図示)が回転可能に支持される。
また、シリンダヘッド31の各排気ポートには、排気装置4の一部としてエキゾーストパイプ40(排気管)が接続される。エキゾーストパイプ40は、各排気ポートから下方に向かって複数本(本実施の形態では4本)延び、エンジン3の前下方で後方に屈曲した後、1本にまとめられ、車両後方に向かって延びている。
エキゾーストパイプ40の後端(下流側)には、消音器としてのチャンバ41が接続されている。チャンバ41の下流端には、後上方に向かって延びるマフラジョイントパイプ42が接続されている。マフラジョイントパイプ42の後端には、消音装置としてのマフラ5が接続される。マフラ5は、スイングアーム10及び後輪11の右側方において、後端側が高くなるように傾斜して配置されている。
エンジン3からの排気ガスは、エキゾーストパイプ40を通じてチャンバ41内に導入された後、マフラジョイントパイプ42及びマフラ5を通じて外部に排出される。排気ガスは、マフラ5内で浄化及び消音される。
次に図2を参照して、本実施の形態に係る消音装置について説明する。図2は、本実施の形態に係る消音装置の断面図である。具体的に図2Aは本実施の形態に係る消音装置の断面図であり、図2Bは図2Aの一部構成を簡略化した断面模式図である。なお、図2Bでは、説明の便宜上、触媒を省略している。
図2A及び図2Bに示すように、マフラ5は、前後に延びる所定形状(例えば軸方向で単一断面形状)の内部空間を形成する中空筒状のマフラボディ50(本体部)を備えている。マフラボディ50は、外筒部50aと内筒部50bとを重ねた二重管構造を有している。マフラボディ50の先端部分は縮径しており、後述する導入管52の外径に対応した外径となっている。また、マフラボディ50の後端部分には、蓋部材としてテール部50cが溶接されている。これらの構成により、マフラボディ50内に所定の膨張空間が形成される。
また、マフラボディ50の内部空間は、バッフルプレート51(隔壁)によって前後方向に2つの膨張室に区画されている。すなわち、バッフルプレート51は、マフラボディ50の内部空間を軸方向で2つの膨張室に区画する。2つの膨張室のうち、バッフルプレート51より前側の空間(上流側に位置する膨張室)が第1膨張室S1であり、バッフルプレート51より後側の空間(下流側に位置する膨張室)が第2膨張室S2である。
バッフルプレート51は、マフラボディ50の断面形状に対応した例えば円板形状を有している。バッフルプレート51の外周部分は、マフラボディ50の内周面に沿って溶接されている。なお、溶接は部分溶接であっても全周溶接であってもよい。また、バッフルプレート51の略中央には、2つの膨張室を連通する連通穴51aが形成されている。連通穴51aは、バッフルプレート51を厚み方向(前後方向)に貫通するように形成される。
また、マフラボディ50の先端部分には、第1膨張室S1に排気ガスを導入する導入管52がマフラボディ50を貫通するように設けられている。導入管52は、全体として円形断面を有するパイプで形成され、マフラボディ50の軸方向に延びる直管部52aと、下流に向かうに従って拡径する拡径部52bと、触媒を構成するハニカム部52cと、排気流路を所定方向に屈曲する屈曲部52dと、を溶接接合して構成される。
直管部52aは、マフラボディ50の外径に比べて小さい外径を有し、マフラボディ50の軸中心を通るように軸方向に沿って前後方向に延びている。直管部52aの先端には、マフラジョイントパイプ42(図1参照)が接続される。直管部52aの後端は、第1膨張室S1内に入り込んでいる。
拡径部52bの先端は、直管部52aの後端に溶接されている。拡径部52bは、下流側である後方に向かうに従ってテーパ状に拡径している。拡径部52bの後端には、ハニカム部52cが溶接されている。ハニカム部52cはマフラボディ50と同じ軸方向を有し、円柱状に形成されている。ハニカム部52cの外径は、直管部52aの外径よりも大きくなっている。ハニカム部52cは、例えば三元触媒で構成され、排気ガス内の汚染物質(一酸化炭素、炭化水素や窒素酸化物等)を吸着して無害な物質(二酸化炭素、水、窒素等)に変換し浄化する。
ハニカム部52cの後端には、屈曲部52dが溶接されている。屈曲部52dは、ハニカム部52cの外径を維持したまま、後下方に向かって屈曲している。例えば屈曲部52dは、ハニカム部52c(直管部52a又は拡径部52b)の軸方向に対して後下方に45度の角を成すように屈曲している。詳細は後述するが、屈曲部52dは、下流端側の開放端部(下流端部)がマフラボディ50とバッフルプレート51との接続部分Wに向くように屈曲している。また、屈曲部52dの開放端部は、軸方向からみて連通穴51aに重ならないように配置されている。
また、マフラボディ50の後端部分には、第2膨張室S2から排気ガスを外に排出する排出管53がテール部50cを貫通するように設けられている。排出管53は、円形断面を有するパイプで形成され、マフラボディ50の軸方向に延びている。排出管53は、マフラボディ50の外径に比べて小さい外径を有し、マフラボディ50の軸中心を通るように軸方向に沿って前後方向に延びている。排出管53の先端は、第2膨張室S2内に入り込んでいる。排出管53の後端は、テール部50cを貫通して外側に突出している。
排出管53の上流端部は、前下方に向けて屈曲して開放されている。例えば排出管53は、延在方向(軸方向)に対して前下方に45度の角を成すように屈曲している。詳細は後述するが、排出管53は、開放端部(上流端部)がマフラボディ50とバッフルプレート51との接続部分Wに向くように屈曲している。また、当該開放端部は、軸方向からみて連通穴51aに重ならないように配置されている。また、導入管52及び排出管53は、バッフルプレート51の連通穴51aを挟んで対向するように配置されている。
このように、導入管52の下流端部及び排出管53の上流端部は、所定方向に屈曲して開放されており、導入管52及び排出管53は、それぞれの開放端部がマフラボディ50とバッフルプレート51との接続部分Wに向くように屈曲している。
なお、図2Aでは、導入管52の途中に触媒としてハニカム部52cが設けられる場合について示している。しかしながら、図2Bでは便宜上、拡径部52bとハニカム部52cを省略し、導入管52を直管部52aと屈曲部52dのみで表現している。マフラ5内の排気流れを説明する上では、触媒の有無は特に関係ないためである。
ところで、車両用のエンジンに取り付けられるマフラ5においては、消音性能と出力向上を両立することが従来より求められている。しかしながら、消音性能と出力向上はトレードオフの関係にあり、双方の両立は難しいとされている。例えば、出力低下を防ぐためにマフラ内における圧力損失を低減することが好ましい。また、消音の観点からは、高/低周波の広範囲の音域にわたって消音を実現する必要もあるが、排気音質向上のためには、マフラ内の壁面に排気ガスを反射させる回数を増やすことで、特に高周波帯の音域で消音することが考えられる。
そこで、本件発明者等は、消音性能の向上と出力向上とを両立すべく、マフラ内おける複数の膨張室間の連通構成及び内部の配管レイアウトに着目し、本発明に想到した。具体的に本件発明者等は、複数の膨張室のうち、上流側の膨張室内の排気流れを層流化することにより、圧力損失を最小限に抑えつつ、マフラ壁面に排気ガスを反射させる回数を増やして高周波帯の音域で消音を実現できることを見出した。更に本件発明者等は、複数の膨張室のうち、下流側の膨張室に流入する排気ガスの一部を乱流化することにより、低周波帯と高周波帯の音域で消音を実現できることを見出した。この場合、排気ガスの一部を直接排気出口に導くことで、必要以上の圧力損失の上昇を防止することが可能である。そして、上記した排気流れの層流化及び乱流化の条件を解析により導出した。
具体的に本実施の形態では、マフラボディ50の内部空間をバッフルプレート51で前後2つの膨張室(第1膨張室S1及び第2膨張室S2)に区画し、上流側の第1膨張室S1に導入管52を配置して下流側の第2膨張室S2に排出管53を配置した。また、これら2つの膨張室を連通する構成として、バッフルプレート51に単一の連通穴51aを形成した。更に各膨張室において、導入管52の下流端側及び排出管53の上流端側を連通穴51aから離れるように所定方向を屈曲させる構成とした。より詳細に導入管52及び排出管53は、それぞれの開放端部がマフラボディ50とバッフルプレート51との接続部分Wに向くように屈曲している。更に、導入管52及び排出管53のそれぞれの開放端部は、軸方向からみて連通穴51aに重ならないように配置されている。
これらの構成によれば、導入管52及び排出管53のそれぞれの開放端部と、連通穴51aとをずらすことで、排気ガスの一部は、直接下流側(排出管53)に向かって流れ、他の一部は、膨張室内に拡散する。直接排出管53に導かれる排気ガスは、圧力損失が小さいため、出力向上が見込まれる。一方、各膨張室内に拡散される排気ガスは、壁面で複数回反射することで消音効果を得ることが可能である。この結果、消音性能の向上と出力向上とを両立することができる。
また、導入管52の途中に触媒としてハニカム部52cを配置したことで、第1膨張室S1内で充満した排気ガスで効果的にハニカム部52cを温めることできる。この結果、触媒の早期活性化を促進し、排ガス浄化性能を向上することが可能である。
また、2つの膨張室を連通する構成として、バッフルパイプではなく連通穴51aを採用している。これにより、部品点数や溶接工程が削減され、簡易な構成で上記のマフラ5を実現することが可能である。
また、上記した消音性能の向上と出力向上との調和点は、導入管52とバッフルプレート51との位置関係、及び連通穴51aと排出管53との位置関係によって定められる。第1膨張室S1においては、図2に示すように、導入管52の端部をバッフルプレート51側に向けて投影した範囲をAとし、範囲Aの中でバッフルプレート51に当たらない範囲をaとすると、aよりもAが大きくなるように導入管52(屈曲部52d)が屈曲している。すなわち、導入管52の開放端部である屈曲部52dの下流端部を接続部分Wに向けて投影したときの屈曲部52dとマフラボディ50とが重なる範囲aは、屈曲部52dの開口幅Aよりも小さい。
この構成によれば、第1膨張室S1内で排気ガスを壁面に反射させる回数を増やすことで、特に高周波帯を効果的に消音することができる。なお、詳細は後述するが、屈曲部52dの開口幅Aに対する屈曲部52dとマフラボディ50とが重なる範囲aの比率(a/A)は、0.75以下であることが好ましい。
また、第2膨張室S2においては、連通穴51aを軸方向に投影した範囲をBとし、範囲Bの中で排出管53の開放端に当たる範囲をbとすると、bよりもBが大きくなるように排出管53が屈曲している。すなわち、連通穴51aを軸方向で排出管53に向けて投影したときの連通穴51aと排出管53の開放端部である上流端部とが重なる範囲bは、連通穴51aの開口幅Bよりも小さい。
この構成によれば、第2膨張室S2内で排気ガスの一部を直接排出管53に導くことができる。このため、2つの膨張室内に排気ガスを拡散させても必要以上の圧力損失を防ぐことができ、消音性能とエンジン出力の両立が可能となる。なお、詳細は後述するが、連通穴51aの開口幅Bに対する連通穴51aと排出管53の上流端部とが重なる範囲bの比率(b/B)は、0.75以下であることが好ましい。
ここで、図3から図6を参照して、上記した消音性能の向上と出力向上との調和点について説明する。図3は、導入管のレイアウトのバリエーションを示す模式図である。図4は、導入管及びマフラボディの重複比率と圧力損失との関係を示すグラフである。図5は、排出管のレイアウトのバリエーションを示す模式図である。図6は、連通穴及び排出管の重複比率と圧力損失との関係を示すグラフである。本実施の形態では、導入管と排気管のレイアウトを変えながら解析を実施することで、上記調和点を導き出している。
まず、第1膨張室S1における導入管52の突出長さを変更することで、導入管52及びマフラボディ50の重複比率(a/A)を変化させた場合の排気流れについて説明する。図3A-Cは、a/A=25%、75%、100%の例を示している。また、解析条件として、各図共にb/Bは固定であり、エンジン回転数及びエンジン排気量も固定である。
図3Aに示すように、a/A=25%の条件下では、排気ガスは、屈曲部52dから第1膨張室S1内に流れると、バッフルプレート51とマフラボディ50との接続部分Wに衝突して、前方に向かって流れる。そして、排気ガスは、マフラボディ50の内壁に複数回ぶつかりながら上方及び後方に向かって壁面を伝って流れ、連通穴51aを通じて第2膨張室S2に流れ込む。
図3Bに示すように、a/A=75%の条件下では、接続部分Wに衝突した排気ガスは、一部が図3Aと同様にマフラボディ50の壁面に沿って前方に流れ、他の一部は、バッフルプレート51に沿って上方に回り込んで前方に流れ込む。
図3Cに示すように、a/A=100%の条件下では、接続部分Wに衝突した排気ガスのほとんどは、バッフルプレート51の壁面に沿って上方に流路が曲げられ、前方に向かって流れ込む。
また、図4に示すように、a/Aが75%以下の場合は圧力損失が比較的小さいのに対し、a/Aが75%を超えると急激に圧力損失が大きくなっている。これは、a/Aが75%以下の場合は排気ガスの流れが層流化されているため、圧力損失が大きくなり過ぎない中で、効果的にマフラボディ50の壁面への反射回数を稼ぐことができているからである。よって、消音性能(特に高周波帯)と出力向上の両立が図られている。一方、a/Aが75%が超えると、排気ガスの流れ方向が変わることで急激に乱流化が進み、圧力損失が急激に上昇する要因となりうる。この結果、エンジン出力が低下してしまうことになる。このように、a/Aは75%以下であることが好ましい。
次に、第2膨張室S2における排出管53の高さ位置を変更することで、連通穴51a及び排出管53の重複比率(b/B)を変化させた場合の排気流れについて説明する。図5A-Cは、b/B=25%、75%、100%の例を示している。なお、図5Cでは便宜上、排出管53の曲げを無くしている。また、解析条件として、各図共にa/Aは固定であり、エンジン回転数及びエンジン排気量も固定である。また、図5においては、第1膨張室S1の流れが共通のため、説明を省略する。
図5Aに示すように、b/B=25%の条件下では、連通穴51aを通じて第2膨張室S2に流れ込んだ排気ガスは、一部が直接排出管53に流れ込み、他の一部は、後上方に向かって流れ、第2膨張室S2内の壁面にぶつかって拡散される。
図5Bに示すように、b/B=75%の条件下では、排気ガスの大部分は、直接排出管53に流れ込む。しかしながら、連通穴51aの軸方向からみて排出管53の開放端部にラップしない箇所においては、排気ガスの一部が後上方に向かって流れる。
図5Cに示すように、b/B=100%の条件下では、排気ガスのほぼ全てがそのまま排出管53に流れ込んで外に排出される。
また、図6に示すように、b/Bが75%以下の場合はb/Bが大きくなるに従って圧力損失が徐々に低下しているが、b/Bが75%を超えると、圧力損失の変化がほとんどなくなり一定の値に収束する。これは、b/Bが75%以下の場合は排気ガスが直接排出管53に流れるものと、第2膨張室S2内で拡散されるものとの2種類に分離できているためである。このため、第2膨張室S2内で排気ガスの流れを乱流化させることができ、低周波帯及び高周波帯の排気音を低減することが可能である。一方、b/Bが75%が超えると、排気ガスの多くが直接排出管53を通じて外に排出されてしまうため、排気ガスの流れを乱流化させることができず、排気ガスが第2膨張室S2内で拡散されない結果、消音性能が低下してしまうことになる。このように、b/Bは75%以下であることが好ましい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、簡易な構成で優れた消音効果と出力向上を両立することが可能である。
なお、上記の実施形態では、並列4気筒のエンジン3を例にして説明したが、この構成に限定されない。例えば、エンジン3は、単気筒や2気筒、3気筒、更には5気筒以上のエンジンで構成されてもよく、各気筒の配置も適宜変更が可能である。
また、上記の実施形態では、マフラ5が車両の右方に配置される構成としたが、この構成に限定されない。マフラ5は、エンジン3の左方に配置されてもよい。
また、上記の実施形態では、マフラボディ50の内部空間がバッフルプレート51によって2つの膨張室に区画される構成としたが、この構成に限定されない。マフラボディ50の内部空間は、3つ以上の膨張室に区画されてもよい。
また、上記の実施形態では、バッフルプレート51に単一の連通穴51aが形成される構成としたが、この構成に限定されない。バッフルプレート51には、複数の連通穴51aが形成されてもよい。また、複数の膨張室を連通する構成として、連通穴51aに限らず、バッフルプレート51に連通パイプを溶接してもよい。
また、上記の実施形態では、第1膨張室S1内への導入管52の突出長を変化させることでa/Aを変化させる構成としたが、この構成に限定されない。例えば、マフラボディ50に対する導入管52の上下方向の高さ位置、導入管52(屈曲部52d)の曲げ角度を変化させることでa/Aを変化させてもよい。同様に、第2膨張室S2においては、排出管53の曲げ角度を変化させることでb/Bを変化させてもよい。
また、複数の実施形態及び変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。更には、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
以上説明したように、本発明は、簡易な構成で優れた消音効果と出力向上を両立することができるという効果を有し、特に、自動二輪車の消音装置に有用である。
3 :エンジン
5 :マフラ(消音装置)
40 :エキゾーストパイプ(排気管)
41 :チャンバ
42 :マフラジョイントパイプ
50 :マフラボディ(本体部)
51 :バッフルプレート(隔壁)
51a :連通穴
52 :導入管
52a :直管部
52b :拡径部
52c :ハニカム部(触媒)
52d :屈曲部
53 :排出管
A :導入管の開口幅
B :連通穴の開口幅
S1 :第1膨張室
S2 :第2膨張室
W :本体部と隔壁との接続部分
a :導入管と本体部とが重なる範囲
b :連通穴と排出管とが重なる範囲

Claims (2)

  1. 車両用のエンジンに排気管を介して接続される消音装置であって、
    中空筒状の本体部と、
    前記本体部の内部空間を軸方向で複数の膨張室に区画する隔壁と、
    前記複数の膨張室のうち、上流側に位置する膨張室に排気ガスを導入する導入管と、
    前記複数の膨張室のうち、下流側に位置する膨張室から排気ガスを外に排出する排出管と、を備え、
    前記隔壁には前記複数の膨張室を連通する連通穴が形成されており、
    前記導入管の下流端部及び前記排出管の上流端部は、それぞれの開放端部が前記本体部と前記隔壁との接続部分に向くように屈曲して開放されており、それぞれの前記開放端部が軸方向からみて前記連通穴に重ならないように配置され
    前記導入管の前記下流端部を前記接続部分に向けて投影したときの前記下流端部と前記本体部とが重なる範囲は、前記下流端部の開口幅よりも小さく、前記下流端部の開口幅に対する前記下流端部と前記本体部とが重なる範囲の比率は、0.75以下であり、
    前記連通穴を軸方向で前記排気管に向けて投影したときの前記連通穴と前記排出管の前記上流端部とが重なる範囲は、前記連通穴の開口幅よりも小さく、前記連通穴の開口幅に対する前記連通穴と前記上流端部とが重なる範囲の比率は、0.75以下であることを特徴とする消音装置。
  2. 前記導入管の途中に触媒が設けられることを特徴とする請求項に記載の消音装置。
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